JP2016224327A - 偏光板 - Google Patents

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絵理 川合
中村 淳一
Junichi Nakamura
淳一 中村
弘子 品田
Hiroko Shinada
弘子 品田
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Abstract

【課題】十分な粘着力と耐久性を有する粘着層を備えた偏光板を提供する。【解決手段】数量平均分子量が500以上6000未満のマクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含有する単量体混合物を重合して得られる、重量平均分子量が1万〜100万である、(メタ)アクリル系共重合体(A)を用いて形成された粘着層を備えた偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、マクロモノマーが共重合された共重合体を用いて形成された粘着層を備えた偏光板に関する。
ビニル単量体を単独であるいは種々のビニル単量体混合物を共重合させることにより、物性の異なる多種多様な共重合体が合成されてきた。そのなかでも単独のビニル単量体を用いた共重合体では、多様な物性要求に応えることができないため、一般に2種以上のビニル単量体混合物を共重合したり、異種の共重合体を混合したりする方法が用いられてきた。しかしながら、単に多種のビニル単量体混合物を共重合させた場合、各単量体単位が有する特性が平均化されてしまう傾向にあった。
また、2種以上の共重合体を単に混合しただけでは、共重合体同士は混ざり合うことなく各単量体単位が有する特性よりも劣ることが多かった。
これらの問題を解決するため、マクロモノマーを用いた共重合体の検討が行われてきた。マクロモノマーとは重合可能な官能基を持つ高分子量単量体である。マクロモノマーが共重合された共重合体は、マクロモノマー部分およびマクロモノマーと共重合される単量体単位それぞれの特性を損なうことなく個々の特性が発現できるという特徴を有する。そのため、例えば粘接着剤分野においても、この種のマクロモノマーを用いた共重合体が種々提案されている。特に偏光板や位相差フィルム等の光学フィルムと、液晶パネル等のディスプレイとを貼り合わせる光学粘着剤は、車載用、屋外用ディスプレイなど過酷な条件を要求される環境下においても粘着剤の性能を保持し続ける必要があり、使用環境下における優れた耐久性が要求される。
例えば特許文献1には、ガラス転移点が75℃以上であり、環状構造を有する単量体単位およびカルボキシ基含有単量体単位を含むブロック(A)と、アクリル酸エステル単位を70質量%以上含むブロック(B)とからなり、酸価が8mgKOH/g以上であるブロック共重合体(X)を含有する粘着剤組成物であって、前記ブロック(A)とブロック(B)との質量比率(ブロック(A)/ブロック(B))が10/90〜30/70であり、前記ブロック共重合体(X)の少なくとも一方の末端がブロック(A)であり、かつ前記ブロック(B)がブロック(A)で挟まれている粘着剤組成物が提案されている。
特開2014−208762
しかし特許文献1で得られる共重合体はマクロモノマーの分子量が大きいため、粘着力と耐久性のバランスがとりにくく、酸成分を多量に使用する必要があった。また塗工作業性も十分ではなく、種々塗工方法に対応できるものではなかった。
本発明は、数量平均分子量が500以上6000未満のマクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含有する単量体混合物を重合して得られる、重量平均分子量(質量平均分子量ともいう。)が1万〜100万である(メタ)アクリル系共重合体(A)を用いて形成された粘着層を備えた偏光板に関する。
本発明の偏光板は、粘着層に用いる(メタ)アクリル系共重合体(A)はマクロモノマー部分およびマクロモノマーと共重合される単量体単位それぞれの特性を有するため、種々の塗工方法、例えば樹脂組成物をそのまま加熱して塗工するホットメルト法や、溶剤を添加した後に塗工する溶液塗工法などによっても塗工可能である。また得られた粘着層は十分な粘着力と耐久性を有する。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光板(フィルム)の少なくとも一方の面に粘着剤組成物から形成される粘着層を備えたものである。該粘着剤組成物は、後述する本発明にメタ)アクリル系共重合体(A)を含む。
<(メタ)アクリル系共重合体(A)>
本発明の(メタ)アクリル系共重合体(A)は、数量平均分子量が500以上6000未満のマクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含有する単量体混合物を重合して得られる、重量平均分子量が1万〜100万である。
<マクロモノマー(a)>
マクロモノマーとは一般にポリマー末端に重合性基が導入された高分子化合物を意味する。本発明におけるマクロモノマー(a)の数平均分子量は500以上6000未満である。粘着力と塗工性とのバランスの関係から、数平均分子量は800〜5500であることが好ましく、1000〜4500であることがより好ましい。
マクロモノマー(a)を構成する単量体には種々のものが用いられるが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸3,5,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、テルペンアクリレートやその誘導体、水添ロジンアクリレートやその誘導体、(メタ)アクリル酸ドコシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリセロール(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルマレイン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルコハク酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有ビニル系単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル等のエポキシ基含有ビニル系単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル系のビニル系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等のアミド基を含有するビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系単量体ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能性のビニル系単量体、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソブトキシエチル、(メタ)アクリル酸t−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、「プラクセルFM」(ダイセル化学(株)製カプロラクトン付加モノマー、商品名)、「ブレンマーPME−100」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が2であるもの)、商品名)、「ブレンマーPME−200」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が4であるもの)、商品名)、「ブレンマーPME−400」(日油(株)製メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレングリコールの連鎖が9であるもの)、商品名)、「ブレンマー50POEP−800B」(日油(株)製オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−メタクリレート(エチレングリコールの連鎖が8であり、プロピレングリコールの連鎖が6であるもの)、商品名)及び「ブレンマー20ANEP−600」(日油(株)製ノニルフェノキシ(エチレングリコール−ポリプロピレングリコール)モノアクリレート、商品名)、「ブレンマーAME−100」(日油(株)製、商品名)、「ブレンマーAME−200」(日油(株)製、商品名)及び「ブレンマー50AOEP−800B」(日油(株)製、商品名)サイラプレーンFM−0711(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンFM−0721(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンFM−0725(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンTM−0701(JNC(株)製、商品名)、サイラプレーンTM−0701T(JNC(株)製、商品名)、X−22−174DX(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−2426(信越化学工業(株)製、商品名)、X−22−2475(信越化学工業(株)製、商品名)、(メタ)アクリル酸−2−イソシアナトエチル等が挙げられる。
これらの中で、ガラス転移温度と重合のしやすさ、保持力が向上する点から、メタクリル酸エステルが好ましい。さらに好ましくはメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルである。
また、マクロモノマー(a)は構成成分としてメタクリル酸エステルを50〜100質量部含むことが好ましい。より好ましくは70〜100質量部、さらに好ましくは90〜100質量部である。
本発明におけるマクロモノマー(a)としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステルセグメントの末端に重合性基が導入された下記式(1)の末端構造を有するものが好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」または「メタクリル酸」を示す。
式(1)において、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基は、置換基を有することができる。
Rは、例えば、炭素数1〜20の分岐又は直鎖アルキル基が挙げられる。炭素数1〜20の分岐又は直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びイコシル基が挙げられる。これらの中で、入手のし易さから、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基及びt−ブチル基がより好ましい。
Rは、例えば、炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられる。炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びアダマンチル基が挙げられる。入手のし易さから、シクロプロピル基、シクロブチル基及びアダマンチル基が好ましい。
Rは、例えば、炭素数6〜18のアリール基が挙げられる。炭素数6〜18のアリール基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
Rは、例えば、炭素数5〜18の複素環基が挙げられる。R又はR〜Rの複素環基の具体例としては、γ−ブチロラクトン基及びε−カプロラクトン基が挙げられる。
Rが有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(−COOR’)、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基(−NR’R’’)、アミド基(−CONR’R’’)、ハロゲン、アリル基、エポキシ基、アルコキシ基(−OR’)、シロキシ基、又は親水性若しくはイオン性を示す基からなる群から選択される基又は原子が挙げられる。尚、R’又はR’’は、それぞれ独立して、Rと同様の水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が挙げられる。
上記置換基のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基が挙げられる。
上記置換基のアミノ基としては、アミノ基、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基が挙げられる。例えば、N−メチルカルバモイル基及びN,N−ジメチルカルバモイル基が挙げられる。
上記置換基のアミド基としては、例えば、カルバモイル基(−CONH),N−メチルカルバモイル基(−CONHMe)、N,N−ジメチルカルバモイル基(ジメチルアミド基:−CONMe)が挙げられる。
上記置換基のハロゲンとしては、例えばふっ素、塩素、臭素及びよう素が挙げられる。
上記置換基のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜12のアルコキシ基が挙げられ、具体例としては、メトキシ基が挙げられる。
上記置換基の親水性又はイオン性を示す基としては、例えば、カルボキシル基のアルカリ塩又はスルホキシル基のアルカリ塩、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基等のポリ(アルキレンオキシド)基及び四級アンモニウム塩基等のカチオン性置換基が挙げられる。
Rは、アルキル基及びシクロアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Zは、マクロモノマー(a)の末端基である。マクロモノマー(a)の末端基としては、例えば、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子及びラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
式(1)の中でも、下記式(2)の構造が特に好ましい。
式(2)中、nは4〜10万の自然数である。R及びR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基は、置換基を有することができる。X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。Zは末端基である。
R及びR〜Rとしては、式(1)中のRと同様の基が挙げられ、Zとしては、式(1)中のZと同様の末端基が挙げられる。また、式(2)のZとしては、重合性官能基であることが好ましい。末端重合性官能基としては、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、ビニル基や式(2)の左辺末端と同様の基が挙げられる。
<ガラス転移温度(Tga)>
本発明において、マクロモノマー(a)のガラス転移温度(Tga)は0〜120℃であることが好ましい。粘着剤として用いた場合に十分な保持力を発現できる点から10〜110℃がより好ましく、30〜100℃がさらに好ましい。
なお、Tgaは、示差走査熱量計(DSC)で測定することができる。
<マクロモノマー(a)の製造方法>
マクロモノマー(a)は、公知の方法で製造できる。マクロモノマー(a)の製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法、α−メチルスチレンダイマー等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法、重合性基を化学的に結合させる方、及び熱分解による方法が挙げられる。
これらの中で、マクロモノマー(a)の製造方法としては、製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。なおコバルト連鎖移動剤を用いて製造した場合のマクロモノマー(a)の末端基Zは、前記式(2)の左辺構造と同じ構造の重合性官能基となる。
コバルト連鎖移動剤を用いてマクロモノマー(a)を製造する方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法及び懸濁重合法、乳化重合法等の水系分散重合法が挙げられる。回収工程が簡便である点から水系分散重合法が好ましい。
<単量体混合物>
単量体混合物は、マクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含む。
単量体混合物中、マクロモノマー(a)の含有量は7〜40質量%が好ましい。マクロモノマー(a)の含有量が7質量%以上であると、粘着剤として用いた場合に保持力が良好となる傾向にある。40質量%以下であると塗工性が良好となる傾向にある。粘着剤の保持力および塗工性の点から、マクロモノマー(a)の含有量は8〜30質量%が好ましく、より好ましくは9〜20質量%である。
<(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造方法>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、前記マクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体である。製造方法としては、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法等、公知の重合方法によって製造することが可能である。本発明においては粘着剤組成物として用いるため、溶液重合法が好ましい。
本発明において、(メタ)アクリル系共重合体(A)中には、マクロモノマー(a)由来の繰り返し単位のみを有する重合体、一種あるいは2種以上のビニル単量体(b)由来の繰り返し単位を有する重合体、未反応のマクロモノマー(a)および未反応のビニル単量体(b)から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。
さらに、(メタ)アクリル系共重合体(A)は、マクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)由来の繰り返し単位を有するブロック共重合体ならびに側鎖にマクロモノマー(a)由来の繰り返し単位を有する、ビニル単量体のグラフト共重合体から選ばれる少なくとも一種を含む。
ビニル単量体(b)
本発明に用いられるビニル単量体(b)は、マクロモノマー(a)を得るための単量体と同等のものを用いることができる。特に2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートなどは粘着剤としての柔軟性が発現できる点や、疎水性であるため(メタ)アクリル系共重合体(A)の吸水を抑制したり、(メタ)アクリル系共重合(A)の比誘電率などの電気特性を調整したりすることができるため、好ましい。
また、その他に(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸メチル、スチレン、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が好ましい。
重量平均分子量
(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は1万〜100万である。1万以上であると、粘着剤組成物としての耐久性が良好となる傾向にある。100万以下であると塗工性が良好となる傾向にある。塗工性の点から、(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は5〜70万が好ましく、12〜70万がより好ましく、15〜50万であることが更に好ましい。
ガラス転移温度(TgB)
本発明において、ビニル単量体(b)を重合して得られる共重合体(B)のガラス転移温度(TgB)は室温状態での粘着剤樹脂組成物の柔軟性や、適度な接着性(タック性)を有するために、−100℃〜10℃であることが好ましい。TgBは、より好ましくは−65℃〜−0℃である。特に好ましくは−60℃〜−10℃以下である。
TgBは、単量体(b)のホモポリマーから得られるポリマーのガラス転移温度と構成比率からFoxの計算式によって算出される値を意味する。
なお、Foxの計算式とは以下の式により求められる計算値であり、ポリマーハンドブック〔Polymer HandBook,J.Brandrup,Interscie
nce,1989〕に記載されている値を用いて求めることができる。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
[式中、Wiはモノマーiの重量分率、TgiはモノマーiのホモポリマーのTg(℃)を示す]
なお、ガラス転移温度(Tga)と(TgB)は、マクロモノマー部分およびマクロモノマーと共重合される単量体単位それぞれの特性が十分発現できる点から下記式(3)の関係を有することが好ましい。
Tga > TgB ・・・(3)
より好ましくはTga−TgB>50℃であり、最も好ましくはTga−TgB>80℃である。
<偏光板の粘着層を形成する粘着剤組成物>
本発明の偏光板の粘着層を形成する粘着剤組成物は、上記(メタ)アクリル系共重合体(A)を紫外線架橋剤させて用いることもできる。例えば(メタ)アクリル系共重合体(A)中に導入した水酸基等の反応性基と化学結合しうる架橋剤を添加し、加熱や養生により反応させる方法や、架橋剤としての(メタ)アクリロイル基を2個以上する多官能(メタ)アクリレートや窒素原子が導入されたアクリレートなどと光重合開始剤等の反応開始剤を添加して反応させる方法を挙げることができる。
さらに本発明の(メタ)アクリル系共重合体(A)に官能基を導入したり、架橋剤や重合開始剤を配合したりして架橋させて使用することもできる。架橋方法としては例えばイソシアネート架橋系、エポキシ架橋系、金属キレート架橋系、光架橋系等、メラミン架橋系、アジリジン架橋系等を挙げることができ、またこれらを組み合わせて使用することもできる。
イソシアネート系の架橋剤としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネートの水素添加物などの脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの2量体または3量体、これらのポリイソシアネートとトリメチロールプロパンなどのポリオールとからなるアダクト体などが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を併用することができる。
エポキシ系の架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジンなどが挙げられる。
金属キレート化合物としては、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものが挙げられる。多価金属としては、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、スズ、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム等が挙げられる。
また、共有結合または配位結合する有機化合物としては、アセチルアセトン等のケトン化合物、アルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、などに酸素を持つものが挙げられる。
光硬化系は架橋剤としての(メタ)アクリロイル基を2個以上する多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤等の反応開始剤を添加し、紫外線照射等によって架橋させることができるが、この種の架橋剤としては、例えば(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート、或いは、イソシアネート基、エポキシ基、メラミン基、グリコール基、シロキサン基、アミンなどの有機官能基を2個以上有する多官能有機官能基樹脂、或いは、亜鉛、アルミ、ナトリウム、ジルコニウム、カルシウムなどの金属錯体を有する有機金属合物、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO/PO変性ジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ポリイソブチレンジアクリレート、アルコキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルコキシ化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリート、などを挙げることができる。
光重合開始剤としては、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-[4-{4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)ベンジル}フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)、フェニルグリオキシリック酸メチル、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、ベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3‘-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。
また必要に応じて、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、老化防止剤、吸湿剤、防錆剤、加水分解防止剤、充填剤、可塑剤、消泡剤、レべリング剤などの各種の添加剤を適宜含有させることもできる。反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜含有してもよい。
酸化防止剤の種類としては、例えばフェノール系、リン系、ヒドロキシルアミン系、イオウ系等が挙げられる。中でも、加熱後の樹脂の着色が少ないフェノール系、リン酸系の酸化防止剤が好ましい。これらは単独で使用しても良いし、数種類を組み合わせて使用しても良い。上記酸化防止剤の配合量は(メタ)アクリル系共重合体に対して0.1〜5質量部の範囲とすることが好ましい。
本発明の偏光板の粘着層を形成する粘着組成物は、溶剤を用いた溶液状態で塗工することもできるし、溶剤を用いずにホットメルト塗工することもできる。ホットメルト塗工であれば、溶剤を用いた場合に比べて、より厚みを持たせることができる。
本発明の偏光板の粘着層を形成する粘着剤樹脂組成物は、主鎖と側鎖のミクロ相分離によるドメイン形成や、分岐ポリマーとしての絡み合いの効果により優れた耐久性と粘着力を発する。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の偏光板に備えられる粘着層を形成する組成物について更に詳細に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例における「部」は「質量部」を意味する。
<マクロモノマー(a−1)の合成>
<分散剤1の製造>
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部及びメタクリル酸メチル(MMA)12部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、50℃に昇温した。その中に、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、MMAを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下した。反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%の分散剤1を得た。
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウム0.1部及び分散剤1(固形分10質量%)0.25部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次に、MMAを100部、連鎖移動剤としてビス[(ジフルオロボリル)ジフェニルグリオキシメイト]コバルト(II)を0.0045部及び重合開始剤として「パーオクタ」(登録商標)O(1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、日本油脂株式会社製)0.45を加え、水性懸濁液とした。
次に、重合装置内を窒素置換し、80℃に昇温して1時間反応し、さらに重合率を上げるため、90℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、マクロモノマーを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノマー(a−1)を得た。このマクロモノマー(a−1)の数平均分子量は1900であり、DSC測定によるガラス転移温度は73℃であった。
〈マクロモノマー(a−2)〜(a−5)の製造〉
分散剤1への添加モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤を表1に示す仕込み量(部)に変更した以外は、マクロモノマー(a−1)と同様の方法で製造した。得られたマクロモノマー(a)の数平均分子量(Mn)およびガラス転移温度(Tga)を表1に併せて示した。
MMA:メタクリル酸メチル
IBXMA:メタクリル酸イソボルニル
尚、マクロモノマー(a)のガラス転移温度(Tga)と、マクロモノマー(a)の分子量測定は下記の方法で実施した。
マクロモノマー(a)のガラス転移温度(Tga)
示差査熱量計(Rigaku製DSC SmartRoader)を用いて、窒素雰囲気下、5℃/分の昇温速度で測定した。なお、標準物質としては酸化アルミニウムを使用した。
マクロモノマー(a)の分子量
・マクロモノマー(a)
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC−8320)を用いて測定した。マクロモノマー(a)のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調整後、東ソー社製カラム(TSKgel SuperHZM−M×HZM−M×HZ2000、TSKguardcolumn SuperHZ−L)が装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量:0.35ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて数平均分子量(Mn)を算出した。
[製造例1]
〈(メタ)アクリル系共重合体(A−1)の製造〉
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、仕込み溶媒として酢酸エチル40部、IPA1.7部、マクロモノマー(a−1)15部を装入し、窒素ガス通気下で85℃に昇温した。85℃に達した後、酢酸エチル20部、アクリル酸n−ブチル90部、ベンゾイルパーオキサイド0.04部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後1時間保持した後、「パーオクタO」0.5部と酢酸エチル10部からなる混合物を添加した後、2時間保持した後、酸化防止剤として「イルガノックス1010」(BASF社製商品名)0.5部添加後、固形分が50%になるように酢酸エチルを添加した後、室温まで冷却して(メタ)アクリル系共重合体(A−1)を得た。
[製造例2〜21]
〈(メタ)アクリル系共重合体(A−2)〜(A−9)の製造〉
用いる単量体混合物(マクロモノマー(a)およびビニル単量体(b))の組成および初期仕込みの溶剤を表2に変更した以外は製造例1と同様にして(メタ)アクリル系共重合体(A−2)〜(A−9)を得た。
なお、(A−8)はマクロモノマー(a)を用いなかった例である。

MMA:メタクリル酸メチル
n−BA:アクリル酸n−ブチル
2−EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル
AA:アクリル酸
2−HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
IPA:イソプロピルアルコール
[実施例1]
製造例1により作製した(メタ)アクリル系共重合体(A−1)を剥離処理がされた50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の剥離層側に乾燥後の厚みが50μmになるように塗布した後、100℃で30分乾燥させて粘着層を形成した。続いてこの粘着層にポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルム(TACフィルム)で挟んだ偏光フィルムの片面を貼り合せて、粘着層付き偏光板(フィルム)を得た。
[実施例2〜7、比較例1、2]
製造例2〜9により作製した(メタ)アクリル系共重合体(A−1)を用い、実施例1と同様にして粘着層付き偏光板(フィルム)を得た。
[実施例8〜13]
製造例1〜5により作製した(メタ)アクリル系共重合体(A−1〜A−5)100重量部に対し、表4に示したモノマーと光開始剤を混合し、剥離処理がされた50μmのPETフィルムの剥離層側に乾燥後の厚みが50μmになるように塗布した後、100℃で30分乾燥させて粘着層を形成した。更に粘着層側に剥離処理がされた50μmのPETフィルムの剥離層側を貼り合せ、2P硬化装置を用いて、高圧水銀ランプ、照射強度200mW/cm、照射量1000mJ/cmでUV照射を行い粘着層を架橋させた。その後片側のPETフィルムを剥がし、この粘着層に実施例1で用いたものと同様の偏光フィルムを貼り合せて、粘着層付き偏光板(フィルム)を得た。
[実施例14〜17]
製造例6、7により作製した(メタ)アクリル系共重合体(A−6、7)溶液200重量部に対し表4に示した架橋剤を混合し、剥離処理がされた50μmのPETフィルムの剥離層側に乾燥後の厚みが50μmになるように塗布した後、100℃で30分乾燥させて粘着層を形成した。
このフィルムを40℃で3日養生した後、この粘着層に実施例1で用いたものと同様の偏光フィルムを貼り合せて、粘着層付き偏光板(フィルム)を得た。
実施例1〜16及び比較例1、2を以下の方法で評価した。
結果を表3および表4に示す。
(評価方法)
(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製 HLC−8120)を用いて測定した。アクリル系共重合体(A)のテトラヒドロフラン溶液0.3質量%を調整後、東ソー社製カラム(TSKgel SuperHM−H*4、TSKguardcolumn SuperH−H)が装着された装置に上記の溶液20μlを注入し、流量:0.0.6ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を算出した。
保持力試験
JISZ0237に準拠して、上記方法で作成した粘着フィルムの剥離フィルムを剥がし、30mm×100mmのSUS板に2kgのハンドローラーを用いて、貼り合わせ面が20×20mmとなるように水平に貼り合わせた。40℃で30分養生した後、PETフィルムの先に500gの重りをつけて40℃の恒温層で保持時間を測定した。以下の基準に従って保持力を判定した。
保持時間が
30分以上:◎
5分以上30分以内:○
5分以内:×
粘着性試験
JISZ0237に準拠して、剥離角度180°、引張速度60mm/minで、ガラス基材に対する剥離強度Yを測定する。以下の基準に従って粘着力を判定した。
Y≧3N/25mm:○
Y<3N/25mm:×
リワーク性評価
粘着フィルムを25mm幅150mm長にカットし、片方の剥離フィルムを剥がしてガラス板に2kgハンドローラーを用いて貼り付けた。続いてこのガラス板を50℃0.2MPaのオートクレーブ内に20分保持させた。この試験片を85℃で2時間放置した後に180°方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験を実施し、剥離後のガラス表面の糊残りを目視で観察し、下記の評価基準に基づいて評価を行った。
○:糊残り無し
×:糊残り有り
耐久性評価
粘着フィルムを100mm幅、100mm長の大きさにカットし、剥離シートを剥がしてガラス板に2kgのハンドローラーを用いて貼着した。続いて、このガラス板を50℃、0.2MPaでオートクレーブ内に20分保持させてガラス板に密着させ、粘着フィルムとガラス板との積層物を得た。
耐久性の評価として、上記積層物を85℃で300時間放置した後の発泡、浮き、剥がれを目視で観察した。又、耐湿熱性の評価として、上記積層物を60℃、相対湿度95%で300時間放置した後の発泡、浮き、剥がれを目視で観察した。耐熱性、耐湿熱性について、下記の3段階の評価基準に基づいて評価を行った。
◎:「発泡、浮き、剥がれが全く認められず、実用上全く問題がない」
○:「ごくわずかな発泡、浮き、剥がれのいずれかが認められるが、実用上問題がない」
×:「全面的に発泡、浮き、剥がれがあり、実用不可である」
透明性評価
実施例1〜16および比較例1、2の偏光フィルムを貼り合せる前の粘着シートの透明性を目視で観察し、透明性に問題が無い場合は○、透明性に問題がある場合は×とした。
IRGAQUR184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名
TPA−100:旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名
コロネートL:日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名
実施例1〜実施例7では良好な粘着力、保持力を示し、耐久性やリワーク性透明性に優れていた。
一方、比較例1は、粘着層にマクロモノマー(a)を用いない(メタ)アクリル系共重合体(A−8)を用いたものであり、耐久性とリワーク性に劣っていた。
また、比較例2はマクロモノマー(a)の数平均分子量が7000のものを用いた(メタ)アクリル系共重合体(A−9)を用いており、粘着力、リワーク性が劣っていた。
実施例8〜17は、粘着層を架橋させた例であるが、この場合においても良好な粘着力、保持力、耐久性、リワーク性、透明性を有していた。

Claims (2)

  1. 数量平均分子量が500以上6000未満のマクロモノマー(a)およびビニル単量体(b)を含有する単量体混合物を重合して得られる、重量平均分子量が1万〜100万である、(メタ)アクリル系共重合体(A)を用いて形成された粘着層を備えた偏光板。
  2. 前記マクロモノマー(a)が下記式(2)で表されるものである、請求項1に記載の偏光板。
    (式(2)中、nは4〜5999の自然数である。R及びR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基は、置換基を有することができる。X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。)
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