JP4603771B2 - 水分散型光学部材用粘着剤組成物と粘着剤層付き光学部材 - Google Patents

水分散型光学部材用粘着剤組成物と粘着剤層付き光学部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶セルなどのフラットディスプレイパネルに粘着剤層を介して貼り付けた光学部材を、貼り付けミスなどで再剥離する際に、上記のパネルを損傷することなく再剥離でき、また接着状態の耐久性にすぐれる水分散型光学部材用粘着剤組成物と、これを用いた粘着剤層付き光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いる光学部材、たとえば、偏光板や位相差板などは、液晶セルに粘着剤を用いて貼り付けられる。このような光学材料は、熱や多湿条件下では伸縮が大きく、それに伴う浮きや剥がれが生じやすくなり、粘着剤にはこれに対応できる耐久性が要求される。
【0003】
また、貼り付け時のミスでゴミをかみ込んだり、位置ズレを起こした場合は、光学部材を剥離して液晶セルが再利用されるが、その際に剥離時に液晶セルのギャップを変化させたり、破断させるような接着状態にならずに容易に剥離できることが必要とされる。粘着剤の耐久性を重視して、単に接着状態を上げる手法では、このような再剥離性に劣ることになる。
【0004】
さらに、粘着剤には、熱や多湿条件下における偏光板などの寸歩変化に起因する応力を均一に綬和できる特性、つまり応力緩和特性を備えていることが望まれる。この応力緩和特性に劣るものは、偏光板などに残留応力が残存して、色むらや白ヌケなどの悪影響がでるような場合もある。
【0005】
光学部材に用いられる粘着剤には、従来より、各種材料が提案されているが、近年、環境衛生や安全性などの点より、粘着剤の製造にあたり、有機溶剤を使用しない方向への転換が進みつつある。このような粘着剤としては、エマルジョン型、ホットメルト型、放射線硬化型などが知られている。
【0006】
しかし、エマルジョン型は耐水性の欠如という問題があり、ホットメルト型は耐熱性の欠如という問題がある。このため、光学部材を貼り付けた状態で高温多湿の条件下に置くと、光学部材の伸縮が大きく、それに伴う浮きや剥がれが生じたり、界面から水分が入り込んで白濁するなど、耐久性の問題が発生する。放射線硬化型は、耐久性は満足しても、応力を均一に緩和できず、偏光板に残留応力が残存して色むらや白ヌケなどの悪影響がみられる場合がある。
【0007】
たとえば、光学部材用として、光学用シートと離型性シートとの間にノンソルべントタイプの高粘度樹脂を挟み込んで熱や放射線で硬化させる方法(特許文献1参照)、アクリル系モノマーに光重合開始剤と架橋剤と重量平均分子量10万以上の高分子量アクリル系ポリマーを配合し(特許文献2参照)、またこれにさらに重量平均分子量5万以下の低分子量アクリル系ポリマーを配合し(特許文献3参照)、これらの光学部材用粘着剤を紫外線の照射により光重合させたのち、加熱乾燥して残存モノマーを減少する方法などが提案されている。
【0008】
これらの方法に用いられる粘着剤は、いずれも、水おび有機溶剤を含有しない放射線硬化型の粘着剤に属するものである。このうち、特許文献1では未硬化の残存モノマーが多くなり、これに起因した光学部材の浮きや剥がれの問題をさけられず、また特許文献2では残存モノマーを加熱乾燥にて減少させているため、光学部材の浮きや剥がれは少ないが、応力緩和特性には課題があり、さらに特許文献3では粘着剤中に低分子量アクリル系ポリマーを配合することで、応力緩和特性が多少緩和されるものの、まだ十分なレベルではない。
【0009】
また、光学部材用として、シラン系単量体を共重合成分として使用したエマルジョン型のアクリル系粘着剤が開示されているが(特許文献4参照)、安定したエマルジョン重合(乳化重合)を行うために乳化剤の使用を不可欠としており、この乳化剤が粘着剤中に残ることにより、高温多湿の条件下に置くと、水分を吸収して凝集力が低下したり、接着界面に水分を導入して接着性が大きく低下し、浮きや剥がれ、白濁などの耐久性の問題を生じやすい。
【0010】
エマルジョン型の粘着剤における上記耐湿性や耐水性の問題を改善するため、反応性乳化剤を用いてポリマー中に乳化剤を取り込む試み、具体的には、反応性乳化剤の種類や重合方法を改良する試みがなされている。しかし、反応性乳化剤が水相で重合したり、未反応状態で残存し、ポリマー中に完全に取り込むことができず、耐湿性や耐水性を大きく改良できないのが現状である。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−59577号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特開2002−241707号公報(第2〜5頁)
【特許文献3】
特開2002−241708号公報(第2〜5頁)
【特許文献4】
特開2002−309212号公報(第2〜6頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現状では、光学部材用の粘着剤、とくに環境や安全性に配慮した有機溶剤を使用しない粘着剤として、光学用途としての耐久性、再剥離性および応力緩和特性をすべて満足するものは見い出されていない。
【0013】
本発明は、このような事情に照らし、上記の三特性をすべて満足する光学部材用粘着剤組成物を提供することを目的とする。より詳しくは、光学部材を液晶セルなどに貼り付けたのち、各種の工程を経るなどの長時間を経過したり、高温に保存されても、液晶セルなどから容易に再剥離できる、とくに大型の液晶セルなどであっても再剥離が容易であり、液晶セルなどに損傷や汚染を与えることなく再利用できるとともに、接着した状態では耐久性にすぐれて剥がれや浮きを生じることがなく、また光学部材の寸法変化に起因する応力の緩和性にもすぐれた光学部材用粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本件出願人は、先に、骨格中に中和されたカルボキシル基を有するウレタン成分を用いてアクリル系モノマーを水媒体中で重合処理することにより、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが実質的に乳化剤を使用することなく水に安定に分散された、耐湿性や耐水性の良好な水分散型粘着剤組成物を得ることに成功している(特開2000−154366号公報)。
本発明者らは、この先行発明の水分散型粘着剤組成物について、これを光学部材用として応用することについて検討した結果、光学用途に望まれる再剥離性と応力緩和性にはなお改良が必要であることがわかった。
【0015】
そこで、本発明者らは、上記の再剥離性と応力緩和性を改良するため、さらに検討を続けた結果、実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体、とくに骨格中に中和されたカルボキシル基を有するウレタン成分を水に分散させてなる水分散体に対し、アクリル系モノマーを加えて重合処理するにあたり、ウレタン成分とアクリル成分の使用比率やこれら両成分からなるポリマーの溶剤不溶分を規制し、さらにこのポリマーに特定量のシランカップリング剤を配合したとき、耐湿性や耐水性にすぐれて良好な耐久性を示すとともに、液晶セルなどヘの接着力の経時的な増大がなく再剥離性が容易であり、かつ応力綴和性にもすぐれて、光学部材用としてすぐれた性能を発揮する水分散型粘着剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
すなわち、本発明は、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが実質的に乳化剤を使用することなく水に分散されてなり、上記のポリマーは、ウレタン成分100重量部あたり、アクリル成分が100〜1,500重量部であり、かつ溶剤不溶分が30〜80重量%であり、このポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部を含むことを特徴とする水分散型光学部材用粘着剤組成物に係るものである。
とくに、本発明は、ウレタン成分が、数平均分子量が1,000〜4,000、水酸基が0.0005〜0.003当量/gのポリオールとカルボキシル基含有ポリオールとポリイソシアネートとから誘導されたポリマーである、その中でも、カルボキシル基含有ポリオールが、数平均分子量が3,000〜20,000、カルボキシル基が0.0007〜0.003当量/g、水酸基が0.00005〜0.0007当量/gのアクリルポリオールであり、このアクリルポリオールがポリオール全体の20〜80重量%を占める上記構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物を提供できるものである。
さらに、本発明は、アクリル成分が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしたガラス転移温度が250K以下のポリマーである上記構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物を提供できるものである。
【0017】
また、本発明は、光学部材の片面または両面に、上記各構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着剤層付き光学部材を提供できるものである。さらに、本発明は、ディスプレイ表示板に上記構成の粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して貼り合わせたことを特徴とする画像表示装置を提供できるものである。
【0018】
また、本発明は、実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体中で、上記ウレタン成分100重量部あたり、アクリル成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としたモノマー100〜1,500重量部を、重合反応させることにより、上記のウレタン成分とアクリル成分とからなる溶剤不溶分が30〜80重量%のポリマーを生成し、このポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部を配合することを特徴とする水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法に係るものである。
とくに、本発明は、実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体が、
(a)数平均分子量が1,000〜4,000、水酸基が0.0005〜0.003当量/gのポリオールとカルボキシル基含有ポリオールに、水酸基の全量に対し、1.5〜4倍当量のポリイソシアネートを反応させて得たウレタンプレポリマーを、これにアクリル成分としてのモノマーを加える前または後に、そのカルボキシル基を中和して水に分散させた水分散体であるか、
(b)上記プレポリマーをさらに鎖延長した水分散体であり、
上記(a)のウレタンプレポリマーの水分散体では、これにアクリル成分として加えたモノマーを重合する前または後あるいは同時に上記プレポリマーを鎖延長する上記構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法、中でも、上記のカルボキシル基含有ポリオールが、数平均分子量が3,000〜20,000、カルボキシル基が0.0007〜0.003当量/g、水酸基が0.00005〜0.0007当量/gのアクリルポリオールであり、このアクリルポリオールがポリオール全体の20〜80重量%を占める上記構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法を提供できるものである。
また、本発明は、アクリル成分として加えるモノマーが、ガラス転移温度が250K以下のポリマーを付与するものである上記構成の水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法を提供できるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明におけるウレタン成分は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応物であり、その骨格にカルボキシル基を有するものである。このようなウレタン成分は、ポリオール(カルボキシル基を含まない通常のポリオール)とカルボキシル基含有ポリオールとの混合物にポリイソシアネートを反応させることにより、合成することができるが、市販品を入手して使用してもよい。
【0020】
ポリオール(カルボキシル基を含まない通常のポリオール)は、1分子中に水酸基を2個またはそれ以上有するもので、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどが用いられる。これらのポリオールとしては、数平均分子量が1,000〜4,000で、水酸基が0.0005〜0.003当量/gであるものが好ましく用いられる。分子量が小さすぎるとウレタンのハードセグメントが多くなり、弾性率が高く応力緩和時間が大きくなり、接着性に劣る現象が生じ、また分子量が大きすぎると水への分散性に劣りやすくなる。
【0021】
ポリエーテルポリオールとしては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの2価アルコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価アルコールなどの低分子ポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを付加重合させてなるポリエーテルが用いられる。
ポリエステルポリールとしては、上記の2価アルコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルコールと、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2塩基酸との重縮合物からなるポリエステルが用いられる。
【0022】
カルボキシル基含有ポリオールとしては,ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などの低級ポリオールを使用してもよいし、数平均分子量が3,000〜20,000、カルボキシル基が0.0007〜0.003当量/g、水酸基が0.00005〜0.0007当量/gのアクリルポリオールを使用してもよい。とくに好ましくは、後者のアクリルポリオールを使用し、このアクリルポリオールを、ポリオール全体の(つまり、前記したポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどの通常のポリオールとの合計量中)20〜80重量%を占める割合で使用するのがよい。
なお、アクリルポリオールは、ウレタン成分の原料のひとつとして用いられるものであり、後述するアクリル成分には含まれない。
【0023】
アクリルポリオールは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、カルボキシル基を有する単量体と、水酸基を有する単量体および/または水酸基を有する連鎖移動剤とを、2,2−アゾビスイソブロニトリルなどのアゾ系化合物やベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物を重合開始剤として、通常の重合反応を行わせることにより、得ることができる。
重合反応は、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどのカルボキシル基を含まない通常のポリオールの存在下で行うと、重合反応が穏やかになり、またアクリルポリオールの一部が通常のポリオールにグラフトして、通常のポリオールとの相溶性が良好になるため、望ましい。
その際、通常のポリオールがポリオール全体の80〜20重量%、換言すればアクリルポリオールがポリオール全体の20〜80重量%となるようにする。通常のポリオールが20重量%未満となると、ウレタン成分の水分散性に劣り、また80重量%を超えると、水分散体の安定性が悪くなる。
【0024】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ〉アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ〉アクリル酸イソノニルなどが用いられる。
また、カルボキシル基を有する単量体には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが用いられる。水酸基を有する単量体には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどが用いられる。水酸基を有する連鎖移動剤には、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、p−メルカプトフェノールなどが用いられる。
【0025】
上記の重合反応において、水酸基を有する連鎖移動剤の量を調整するなどしてアクリルポリオールの数平均分子量を3,000〜20,000の範囲に設定する。分子量が小さすぎると弾性率が高くなりすぎて、接着性能が低下する場合があり、また分子量が大きすぎると水への分散性に劣りやすい。
また、カルボキシル基を有する単量体の使用量を調整することにより、アクリルポリオールのカルボキシル基を0.0007〜0.003当量/gの範囲に設定する。アクリルポリオールのカルボキシル基の量が少なすぎると、水への分散性に劣り、多すぎても水を吸収するだけで分散しない。
さらに、水酸基を有する単量体や水酸基を有する連鎖移動剤の使用量を調整することにより、アクリルポリオールの水酸基を0.00005〜0.0007当量/gの範囲に設定する。水酸基を有する単量体ではポリオール分子内の任意の位置に、水酸基を有する連鎖移動剤では分子末端に、水酸基を導入できる。水酸基はポリイソシアネートとの反応に関与するため、水酸基の量が少なすぎると、未反応のアクリルポリオールが多く残存して相分離し、粘着剤の物性が安定しないおそれがあり、また多すぎると粘着剤自体が硬くなりやすい。
【0026】
ポリイソシアネートには、芳香族、脂肪族、脂環族のポリイソシアネートが用いられる。ポリオール(カルボキシル基を含まない通常のポリオール)とアクリルポリオールなどのカルボキシル基含有ポリオールとの混合物に対する速やかな反応および水との反応の抑制の観点から、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが、とくに好ましく用いられる。
これらポリイソシアネートのイソシアネート基と水酸基とを反応させるため、触媒として、ジブチルすずジラウレート、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンなどを用いるのが望ましい。
【0027】
本発明におけるアクリル成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしたガラス転移温度が250K以下のポリマーである。ガラス転移温度が250Kより高いものでは接着性に劣り、好ましくない。このようなポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これに必要により改質用モノマーを加えた、ガラス転移温度が250K以下のポリマーを付与するモノマーを重合させることにより、得ることができる。
【0028】
上記の主モノマーには、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどがある。
また、上記の改質用モノマーには、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエステル、スチレンまたはその誘導体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレートなどがある。
【0029】
本発明において、上記のアクリル成分は、水分散体中のウレタン成分100重量部あたり、100〜1,500重量部となる割合、とくに好ましくは150〜1,200重量部となる割合で用いられる。アクリル成分が100重量部未満となると、初期弾性率、応力緩和時間ともに大きくなり、耐久性や応力緩和特性が低下し、1,500重量部より多くなると、水分散性に劣りやすい。
【0030】
また、本発明において、上記のアクリル成分と前記のウレタン成分とからなるポリマーは、溶剤不溶分が30〜80重量%の範囲にあることが必要で、とくに好ましくは35〜75重量%の範囲にあるのがよい。上記ポリマーの溶剤不溶分は、後述するように、ウレタン成分の架椅度やアクリル成分の分子量や架橋度を調整することにより、容易に設定することができる。溶剤不溶分が30重量%未満では、再剥離時に粘着剤の凝集破壊を起こしてパネルを汚染したり、耐久性が低下し、また80重量%を超えると、接着性が低下する。
【0031】
本発明の水分散型光学部材用粘着剤組成物は、上記のウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが実質的に乳化剤を使用することなく水に分散されているとともに、この水分散体中に、さらに、上記のポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.6重量部を含むことを特徴としたものである。シランカップリング剤の含有量が0.01重量部未満となると、耐久性が低下しやすく、また1重量部を超えると、液晶セルなどへの接着力が増大しすぎる傾向がみられる。
【0032】
シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有シランカップング剤などが挙げられる。
【0033】
本発明の水分散型光学部材用粘着剤組成物は、実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体中で、上記ウレタン成分100重量部あたり、アクリル成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした、ガラス転移温度が250K以下のポリマーを付与するモノマー100〜1,500重量部を、重合反応させることにより、上記のウレタン成分とアクリル成分とからなる溶剤不溶分が30〜80重量%のポリマーを生成し、これに前記した特定割合のシランカップリング剤を配合することにより、製造することができる。
【0034】
なお、上記した実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体において、「実質的に乳化剤を含まない」の意味は、ウレタン成分を合成する段階で乳化剤を積極的に使用しないことを意味する。したがって、たとえば、ウレタン成分の合成原料成分中からごく微量の乳化剤が混入してくることがあっても、これが最終的に得られる粘着剤組成物の耐湿性や耐水性に影響を与えないときは、かかる乳化剤の混入までをも排除するものではない。
【0035】
このような実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体には、イ)市販品としてあらかじめ調製された、乳化剤を使用していないウレタン水分散体か、ロ)下記の(a)または(b)の方法により調製された水分散体が用いられる。
このうち、とくに下記の水分散体が好ましく用いられる。
(a)数平均分子量が1,000〜4,000、水酸基が0.0005〜0.003当量/gのポリオール(つまり、前記した通常のポリオール)とカルボキシル基含有ポリオールとの混合物に、ポリイソシアネートを反応させて得たウレタンプレポリマーを、これにアクリル成分としての前記したモノマーを加える前または後に、そのカルボキシル基を中和して水に分散させた水分散体
(b)上記プレポリマーをさらに鎖延長した水分散体
【0036】
なお、上記(a)のウレタンプレポリマーの水分散体にあっては、最終的に、これにアクリル成分として加えたモノマーを重合する前または後あるいは同時に上記プレポリマーを鎖延長して高分子量化する。
また、カルボキシル基含有ポリオールには、好ましくは前記した数平均分子量が3,000〜20,000、カルボキシル基が0.0007〜0.003当量/g、水酸基が0.00005〜0.0007当量/gのアクリルポリオールが用いられる。とくにこのアクリルポリオールが、ポリオール全体の20〜80重量%を占める割合となるようにするのが望ましい。
【0037】
上記(a)の方法において、ウレタンプレポリマーを生成するためのポリイソシアネートは、水酸基の全量に対し、1.5〜4倍当量となる割合、つまり当量比(NCO/OH比)が1.5〜4となる割合、とくに好ましくは2〜3となる割合で用いられる。上記の当量比が1.5未満となると、水分散体の分散安定性が悪くなり、また4を超えると、初期弾性率、応力緩和時間ともに大きくなり、耐久性や応力緩和特性が低下しやすい。
また、このようにウレタンプレポリマーを生成したのち、このプレポリマーのカルボキシル基を中和するには、アルカリとしてトリエチルアミンやアンモニアなどが用いられる。中和後、水に分散させる際は、上記のプレポリマーに水を加えてもよいし、逆に水に上記のプレポリマーを加えてもよい。この際、当然ではあるが、均一になるように撹拌するのが望ましい。
【0038】
上記(a),(b)の方法において、ウレタンプレポリマーの鎖延長は、ポリアミンを用いて、残存するイソシアネート基同士を結合させて高分子量化すればよい。ポリアミンの使用量は、ポリイソシアネートの量を勘案して、遊離のイソシアネート基を反応させるに必要な当量が選択される。これとは別に、加熱によりイソシアネート基の水による自己縮合反応を利用してもよい。
【0039】
このようなウレタン成分の水分散体中で、水分散体の調製段階で加えられた、あるいはその後に加えられたアクリル成分〔(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としたモノマー〕を重合反応させる。
この重合反応には、重合開始剤として、一般の乳化重合で用いられる過硫酸アンモニウムなどの過酸化物や水溶性のアゾ化合物が用いられる。水中にイオン生成物を発生させないアゾ化合物がとくに好ましい。油溶性の重合開始剤を用いる場合は、あらかじめ単量体に混合して用いてもよい。
【0040】
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが実質的に乳化剤を使用することなく水に分散された水分散体が得られる。その際、上記のポリマーは、ポリマー全体の溶剤不溶分が30〜80重量%、好ましくは35〜75重量%となるようにする。この設定は、ウレタン成分の架椅度やアクリル成分の分子量や架橋度を調整することで、容易に行える。
具体的には、ウレタン成分を得る際に、3官能以上の多官能ポリオールの量、アクリルポリオール合成段階での水酸基含有モノマーの量、ポリイソシアネートの量などを調節して、ウレタン成分の架椅度を調整する方法、アクリル成分の重合時に多官能モノマーを少量用いたり、重合開始剤や重合温度などを調節して、アクリル成分の分子量や架橋度を調整する方法などがある。
【0041】
本発明においては、上記特定の溶剤不溶分とされたポリマーが実質的に乳化剤を使用することなく水に分散された水分散体に、前記特定量のシランカップリング剤を配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とする。
この水分散型光学部材用粘着剤組成物は、そのままでも、接着性と凝集力にすぐれているが、凝集力をさらに上げるために架橋剤を配合してもよい。ただし、架橋剤を配合して架橋処理したのちでも、その溶剤不溶分が30〜80重量%の範囲となるように、調整される。また、紫外線吸収剤、老化防止剤、軟化剤、染料、顔料、充填剤などの各種の添加剤を配合してもよい。
【0042】
本発明においては、光学部材の片面または両面に、上記の水分散型光学部材用粘着剤組成物粘着剤からなる粘着剤層を設けて、粘着剤層付き光学部材とする。粘着剤層の厚さは2〜500μm、好ましくは5〜100μmとするのがよい。この粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して、ディスプレイ表示板に貼り合わせることにより、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイなどの各種の画像表示装置とする。
【0043】
光学部材の片面または両面に粘着剤層を設けるには、光学部材上に直接上記の水分散型光学部材用粘着剤組成物を塗布し乾燥し、必要により架橋処理を施してもよいし、剥離処理したシート上に上記の水分散型光学部材用粘着剤組成物を塗布し乾燥し、必要により架橋処理を施したのち、これを光学部材上に貼り合わせ転写してもよい。水分散型光学部材用粘着剤組成物の塗布には、リバースコーターやグラビアコーターなどのロールコーター、カーテンコーター、リップコーター、ダイコーターなどの任意の塗布方法を使用できる。粘着剤層の表面は、実用に供されるまでの間、剥離処理したシートで保護される
【0044】
光学部材には、偏光板や位相差板、偏光板と位相差板を積層した楕円偏光板、さらには反射型偏光板やそれを用いた前記楕円偏光板など、液晶ディスプレイなどの各種の画像表示装置に用いられるものをいずれも使用でき、その種類はとくに限定されない。楕円偏光板などの積層タイプの光学部材では、その積層に際し本発明の水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用してもよいし、これ以外の各種の粘着剤や接着剤などを任意に使用することかできる。
【0045】
偏光板には、ポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物などの親水性高分子フィルムに、ヨウ素および/または二色性染料を吸収させて延伸したフィルム、さらにはこのフィルムにトリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルムなどの保護フィルムを積層したフィルム、さらには保護フィルムや廷伸処理フィルムに微細凹凸を施したもの、蒸着処理したもの、保護粘着フィルムを積層したもの、各種の表面処理を施したものなどがある。
【0046】
位相差板には、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリオレフインなどのフィルムを延伸処理した複屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルムなどがある。位相差板は、2種以上の位相差層を積層して位相差などの光学特性を制御したものとして形成することもできる。
これらの位相差板や前記の偏光板、保護フィルムや各種表面処理において、紫外線吸収剤や老化防止剤などによる処理も適宜行うことができる。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下に記載の「実施例1〜5」のうち、「実施例1〜4」が本発明の特許請求の範囲に含まれる水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法の例を示したものであり、「実施例5」は本発明の特許請求の範囲には含まれない参考例としての水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法の例を示したものである。
以下において、部とあるのは重量部を意味する。また、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーの溶剤不溶分は、下記のように測定した。
【0048】
<溶剤不溶分の測定>
水分散体から乾燥した所定量のポリマー(初期重量:W1)を採取し、これを酢酸エチル溶液に浸漬して、室温で1週間放置したのち、不溶分を取り出し、その乾燥重量(W2)を測定した。この両測定値(W1,W2)から、溶剤不溶分(重量%)=(W2/W1)×100、を求めた。
【0049】
さらに、ポリオールなどの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定したものである。
装置:東ソー製の「HLC−8120GPC」
展開液:テトラヒドロフラン
流速:0.8ml/分
カラム温度:40℃
標準試料:ポリスチレン
カラム:3本連結カラム
【0050】
実施例1
数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール(水酸基0.00067当量/g)50部の存在下で、アクリル酸ブチル45部、アクリル酸5部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール1部、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.05部を用いて、窒素気流下で、50℃で6時間重合反応を行った。このようにして得られた粘調液体の分子量を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したところ、ポリプロピレングリコールに由来する数平均分子量3,000のピークと、アクリルポリオールに由来する数平均分子量7,500のピークが認められ、カルボキシル基が0.0014当量/g、水酸基が0.00025当量/gである数平均分子量7,500のアクリルポリオールが得られたことがわかった。
【0051】
このポリプロピレングリコールとアクリルポリオールとからなる混合粘調液体を100℃に加熱して減圧処理し、残存する水分を除去した。これに、イソホロンジイソシアネート10.3部(全水酸基に対して、2.0倍当量)を加えて、ジブチルチンジラウレート0.01部を加え、65℃にして3時間反応させて、水酸基をイソシアネート化し、ウレタンプレポリマーを得た。
つぎに、トリエチルアミン7部(カルボキシル基に対して等当量)を加えて、カルボキシル基を中和したのち、撹拌しながら水150部を加えて、このウレタンプレポリマーを水に分散させた。さらに、エチレンジアミン1.5部(残存するイソシアネート基に対して等当量)を水13.5部で希釈した溶液を加えて、65℃で3時間反応させて、骨格中に中和されたカルボキシル基を有するウレタン成分が水に安定に分散された水分散体を得た。
【0052】
ついで、このウレタン成分の水分散体(固形分42.2重量%)50部に、水158部を加え、均一に攪拌したのち、アクリル酸ブチル80部、メタクリル酸メチル4.4部を加え、窒素気流下で1時間攪拌して、上記単量体を水分散しているウレタン粒子に吸収させた。50℃に昇温して、2、2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリンー2イル)〕プロパン0.05部を加えて、重合反応を開始した。50℃に4時間保持したのち、70℃に昇温して、さらに3時間保持して、重合反応を続け、その後、冷却した。
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が400部であり、溶剤不溶分が41.2重量%であった。
つぎに、この水分散体に、その固形分(ポリマー)100部に対して、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシランを、0.1部配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
【0053】
ついで、シリコーン剥離処理した厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、上記の水分散型光学部材用粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布し、110℃で5分間乾燥し、架橋処理して、粘着剤層を形成した。この粘着剤層を偏光フイルムに転写し、50℃で24時間エージング処理して、粘着剤層付き光学部材を作製した。
なお、上記の偏光フイルムは、厚さが80μmのポリビニルアルコールフィルムを40℃のヨウ素水溶液中で5倍に延伸したのち、50℃で4分間乾燥させて偏光子を得、この偏光子の両側にトリアセチルセルロースフィルムをポリビニルアルコール系接着剤を用いて接着したものである。
【0054】
実施例2
数平均分子量4,000のポリプロピレングリコール50部に、N−メチルピロリドン10部に溶解したジメチロールプロピオン酸4部を加え、100℃に加熱脱気して、水分を取り除いた。これに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート12部(全水酸基に対して、1.7倍当量)を加えて、ジブチルすずジラウレート0.01部を加え、65℃で3時間反応させて、水酸基をイソシアネート化し、ウレタンプレポリマーを得た。
つぎに、トリエチルアミン1.5部を加えて、よく攪拌し、カルボキシル基を中和した。別途、フラスコに1.5時間窒素置換した蒸留水700部を用意しておき、この蒸留水に上記中和したウレタンプレポリマーを、滴下ロートを用いて滴下した。滴下完了後、エチレンジアミン0.5部を蒸留水で3倍に希釈して加え、ウレタン成分が水に安定に分散された水分散体を得た。
【0055】
つぎに、このウレタン成分の水分散体に、アクリル酸ブチル300部、アクリル酸エチル30部、トリエチレングリコールジアクリレート0.1部を加えて、全体を均一に攪拌して、モノマーをウレタン成分に吸収させ、さらに、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.05部を加え、50℃に加熱して、5時間反応を行った。
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が490部であり、溶剤不溶分が68.7重量%であった。
つぎに、この水分散体に、その固形分(ポリマー)100部に対して、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシランを、0.1部配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0056】
実施例3
数平均分子量3,000のポリテトラメチレングリコール(水酸基:0.00067当量/g)50部の存在下で、アクリル酸ブチル25部、アクリル酸エチル20部、アクリル酸4.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.5部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール1部、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.05部を用いて、窒素気流下で、50℃で6時間、重合反応を行った。このようにして得られた粘調液体は、数平均分子量3,000のポリテトラメチレングリコールと、数平均分子量が7,400、カルボキシル基が0.0012当量/g、水酸基が0.00033当量/gのアクリルポリオールとの混合物からなるものであった。
【0057】
このような混合物からなる粘調液体を100℃に加熱して減圧処理し、残存する水分を除去した。これに、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート19.8部(全水酸基に対して、3倍当量)を加えて、ジブチルチンジラウレート0.01部を加え、65℃にして3時間反応させて、水酸基をイソシアネート化し、ウレタンプレポリマーを得た。
つぎに、トリエチルアミン6.3部(カルボキシル基に対して等当量)を加えて、カルボキシル基を中和したのち、撹拌しながら水150部を加えて、このウレタンプレポリマーを水に分散させた。さらに、エチレンジアミン1.9部(残存するイソシアネート基に対して等当量)を水17.1部で希釈した溶液を加えて、65℃で3時間反応させて、骨格中に中和されたカルボキシル基を有するウレタン成分が水に安定に分散された水分散体を得た。
【0058】
ついで、このウレタン成分の水分散体(固形分43.2重量%)50部に、水70部を加え、均一に攪拌したのち、アクリル酸ブチル40部、メタクリル酸メチル3部を加え、窒素気流下で1時間攪拌して、上記単量体を水分散しているウレタン粒子に吸収させた。50℃に昇温して、2、2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリンー2イル)〕プロパン0.02部を加えて、重合反応を開始した。50℃に4時間保持したのち、70℃に昇温して、さらに3時間保持して、重合反応を続け、その後、冷却した。
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が200部であり、溶剤不溶分が54.3重量%であった。
つぎに、この水分散体に、その固形分(ポリマー)100部に対して、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシランを、0.1部配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0059】
実施例4
実施例3で得たウレタン成分の水分散体(固形分43.2重量%)20部に、水170部を加え、均一に攪拌したのち、アクリル酸ブチル100部、メタクリル酸メチル12部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.03部を加えて、窒素気流下で1時間攪拌し、上記単量体を水分散しているウレタン粒子に吸収させた。50℃に昇温して、2、2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリンー2イル)〕プロパン0.1部を加え、重合反応を開始した。50℃に4時間保持したのち、70℃に昇温して、さらに3時間保持して、重合反応を続け、その後、冷却した。
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が1,300部であり、溶剤不溶分が50.2重量%であった。
つぎに、この水分散体に、その固形分(ポリマー)100部に対して、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシランを、0.1部配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0060】
実施例5
ウレタン成分の水分散液として、乳化剤を含まないポリウレタンディスパージョン(三井武田ケミカル社製の「タケラックW−6060」)を用い、このディスパージョン50部(固形分30.0重量%)に水122部を加え、均一に攪拌したのち、アクリル酸ブチル80部、メタクリル酸メチル10部を加えて、窒素気流下で、1時間撹拌し、上記単量体を水分散しているウレタン粒子に吸収させた。50℃に昇温して、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリンー2イル)〕プロパン0.1部加えて、重合反応を開始した。50℃に4時間保持したのち、70℃に昇温して、さらに3時間保持して、重合反応を続け、その後、冷却した。
【0061】
このようにして、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が600部であり、溶剤不溶分が48.2重量%であった。
つぎに、この水分散体に、その固形分(ポリマー)100部に対して、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシランを、0.1部配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0062】
比較例1
実施例1で得たウレタン成分の水分散体(固形分42.2重量%)50部に、水18部を加え、均一に撹拌したのち、アクリル酸ブチル10部を加えて、実施例1と同様に重合反応を行い、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に分散された水分散体を得た。上記ポリマーは、ウレタン成分100部あたり、アクリル成分が50部であり、溶剤不溶分が66.7重量%であった。
この水分散体に、実施例1と同様のシランカップリング剤を同量配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
また、この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0063】
比較例2
実施例1で得たウレタン成分の水分散体(固形分42.2重量%)50部に、水636部を加え、均一に撹拌したのち、アクリル酸ブチル422部(ウレタン成分100部あたり、2,000部に相当する)を加え、実施例1と同様に重合反応させたが、重合途中で凝集し、安定な水分散体が得られなかった。
このため、この水分散体に対し実施例1と同様のシランカップリング剤を配合して水分散型光学部材用粘着剤組成物を調製することも、またこれより粘着剤層付き光学部材を作製することもできなかった。
【0064】
比較例3
ウレタン成分の水分散体にアクリル成分を加えて重合反応させる際に、トリメチロールプロパントリアクリレート0.03部を加えなかった以外は、実施例4と同様に重合反応を行い、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に分散された水分散体を得た。この水分散体は、上記ポリマーの溶剤不溶分が25.5重量%であった。
この水分散体に、実施例1と同様のシランカップリング剤を同量配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
また、この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0065】
比較例4
ウレタン成分の水分散体にアクリル成分を加えて重合反応させる際に、トリメチロールプロパントリアクリレートの量を0.03部から0.1部に変更した以外は、実施例4と同様に重合反応を行い、ウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に分散された水分散体を得た。この水分散体は、上記ポリマーの溶剤不溶分が86.5重量%であった。
この水分散体に、実施例1と同様のシランカップリング剤を同量配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
また、この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0066】
比較例5
アクリル酸ブチル90部、アクリル酸2−エチルヘキシル7部、アクリル酸3部を、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム3部を用いて、水122部に乳化させ、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.05部を用いて、50℃で3時間重合反応を行い、さらに、65℃で2時間反応を続け、乳化剤を含むアクリル系水分散体を得た。
この水分散体に、実施例1と同様のシランカップリング剤を同量配合して、水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
また、この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0067】
比較例6
実施例2で得たウレタン成分とアクリル成分とからなるポリマーが水に安定に分散された水分散体に、シランカップリング剤を配合しないで、上記の水分散体そのものを水分散型光学部材用粘着剤組成物とした。
また、この水分散型光学部材用粘着剤組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤層付き光学部材を作製した。
【0068】
上記の実施例1〜5および比較例1,3〜6の各粘着剤層付き光学部材について、下記の方法により、接着力試験、耐久性試験および色むら試験を行った。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。
【0069】
<接着力試験>
幅25mmに裁断した粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して、無アルカリガラス板に、2Kgのロール1往復で貼り付け、50℃、0.5Mpaのオートクレーブで30分処理したのち、23℃,50%の条件下に3時間放置後、剥離角度90°、剥離速度300mm/分で剥離接着力を測定した。これを初期接着力とした。
また、上記のオートクレーブでの処理後、70℃の条件下に48時間放置後、23℃,50%の条件下に3時間放置後、剥離角度90°、剥離速度300mm/分で剥離接着力を測定した。これを70℃処理接着力とした。
再剥離性としては、上記の初期接着力とともに、70℃処理接着力(つまり、加熱処理後の接着力)が増大しないことが望まれる。
【0070】
<耐久性試験>
12インチサイズとした粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して、厚さが0.5mmの無アルカリガラス板に貼り付け、50℃,0.5Mpaのオートクレーブで30分処理したのち、60℃,90%RHの雰囲気下に500時間投入した。この耐久性試験で、光学部材の剥がれや浮きがなければ○、光学部材の剥がれや浮きがあれば×、と評価した。
【0071】
<色むら試験>
12インチサイズとした粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して、厚さが0.5mmの無アルカリガラス板の両面に偏光板の吸収軸が直行するように貼り付け、50℃,0.5Mpaのオートクレーブで30分処理したのち、90℃の雰囲気で500時間投入した。このときの色むらや白ヌケなどの発生状態を目視観察し、色むらなどがなければ○、色むらなどがあれば×、と評価した。
【0072】
Figure 0004603771
【0073】
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜の各粘着剤層付き光学部材は、初期接着力と70℃処理接着力の差が小さく、液晶セルに貼り付けた際の接着力の増加が少なく、どのような処理条件に置かれても、糊残りや液晶セルの破壊がなく、光学部材を再剥離して液晶セルを再利用でき、しかも長期の過酷試験や液晶表示状態への悪影響もなく、すべて満足する特性を有している。
これに対し、比較例1,〜6の各粘着剤層付き光学部材では、上記特性のバランスをうまく取れないものであることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水分散型光学部材用粘着剤組成物は、乳化剤を使用しないで水分散化させたポリマーで、そのウレタン成分とアクリル成分との比率および溶剤不溶分を制御した粘着剤組成物であり、かつこれに特定量のシランカップリング剤を含ませたものであり、光学部材を液晶セルに貼り付けたのちに高温高湿状態で保存されても、剥がれや発泡が発生しない高耐久性を発現し、光学部材の寸法変化に超因する応力を均一に緩和でき、偏光板に残留応力が残存して色むらや白ヌケなどの悪影響を抑制できるとともに、光学部材を剥がして液晶セルを再利用する場合でも接着力の増大がみられず、液晶セルに悪影響を与えることなく容易に再剥離できる。また、本発明の水分散型光学部材用粘着剤組成物では、製造工程で有機溶剤を用いないため、環境面でもすぐれている。

Claims (4)

  1. 実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体中で、上記ウレタン成分100重量部あたり、アクリル成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした、ガラス転移温度が250K以下のポリマーを付与するモノマー100〜1,500重量部を、重合反応させることにより、上記のウレタン成分とアクリル成分とからなる溶剤不溶分が30〜80重量%のポリマーを生成し、このポリマー100重量部に対し、シランカップリング剤0.01〜1重量部を配合することからなり、かつ上記の実質的に乳化剤を含まないウレタン成分の水分散体は、
    (a)数平均分子量が1,000〜4,000、水酸基が0.0005〜0.003当量/gのポリオールとカルボキシル基含有ポリオールに、水酸基の全量に対し、1.5〜4倍当量のポリイソシアネートを反応させて得たウレタンプレポリマーを、これにアクリル成分としてのモノマーを加える前または後に、そのカルボキシル基を中和して水に分散させた水分散体であるか、
    (b)上記プレポリマーをさらに鎖延長した水分散体であり、
    上記(a)のウレタンプレポリマーの水分散体では、これにアクリル成分として加えたモノマーを重合する前または後あるいは同時に上記プレポリマーを鎖延長することを特徴とする水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法。
  2. カルボキシル基含有ポリオールは、数平均分子量が3,000〜20,000、カルボキシル基が0.0007〜0.003当量/g、水酸基が0.00005〜0.0007当量/gのアクリルポリオールであり、このアクリルポリオールがポリオール全体の20〜80重量%を占める請求項に記載の水分散型光学部材用粘着剤組成物の製造方法。
  3. 光学部材の片面または両面に請求項1または2に記載の方法で製造された水分散型光学部材用粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着剤層付き光学部材。
  4. ディスプレイ表示板に請求項に記載の粘着剤層付き光学部材を、その粘着剤層を介して貼り合わせたことを特徴とする画像表示装置。
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