JP2018154557A - 化粧料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した化粧料であって、安定性と透明性に優れた化粧料組成物を提供することを課題とする。【解決手段】平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30〜88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1〜2:1である化粧料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する化粧料組成物に関する。
化粧料には、種々の生理活性成分や油性成分など、多様な特性を有する多くの物質が配合される。これらの多様な特性を有する成分を安定に保つために必要な成分として界面活性剤が配合される。界面活性剤は、水と油、水と空気、水と粉などの界面に集まってそれらをなじみやすくするとともに、乳化、起泡、吸着、濡れ、分散などの作用を示す。
皮膚の皮脂汚れや油性のメイクアップ化粧料を落とす目的で、界面活性剤を配合し、界面活性剤の作用でメイク汚れを落とす水性クレンジング料や、油性成分の溶解作用でメイク汚れを落とす油性クレンジング料が上市されている。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンを出発原料とする界面活性剤である。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、皮膚刺激性が低く安全性の面で良好な特性を有している界面活性剤として知られており、それを配合したクレンジング料が提案されている。
例えば、特許文献1には、炭素数6〜10の中鎖脂肪酸と平均重合度が15〜50のポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリン中鎖脂肪酸エステル、非イオン性界面活性剤及び油剤を10〜99.8重量%含有する組成物が、多量の水を可溶化し得るマイクロエマルジョンを形成し、クレンジング化粧料に適することが記載されている。
特許文献2には、平均重合度が3〜100であるポリグリセリン1.0モルと炭素数が6〜12の中鎖脂肪酸1.2〜3.5モルをエステル化反応したポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルを含有する水性タイプの透明クレンジング化粧料の技術が開示されている。
また、特許文献3には、平均重合度が12〜100であるポリグリセリン1モルに対して炭素数が6〜12の中鎖脂肪酸3.5〜12モルがエステル結合したポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルを含有する水性透明クレンジング化粧料が開示されている。
特許文献4には、HLBが9.0〜15.0である炭素数が8〜22の直鎖状又は分岐状のグリセリン脂肪酸エステル(平均重合度が1〜10)と可溶化されたシリコーンオイルと80重量%以上の水を含有し、アクリル酸系ポリマー及び水に不溶性かつフィルム形成性の乳化重合体を含有しない、クレンジングローションが開示されている。
近年敏感肌を訴える消費者が益々増加している。化粧料やクレンジング化粧料に、界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した場合には、時として界面活性剤が原因と考えられる肌トラブルが出現する。
これを防ぐため、特許文献4には、化粧料、なかでもクレンジング化粧料に配合するポリグリセリン脂肪酸エステルとしてきわめて厳密な脂肪酸組成とすることが安全性や機能性を満足するために必要であることが記載されている。
本発明者は、水性クレンジング料に配合する界面活性剤を研究する過程で、安全性と機能性に優れた界面活性剤として、平均重合度が15〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましいことに着目した。そしてこの界面活性剤を配合した化粧料に係る発明をすでに特許出願している(特願2016−229423)。なお、従来技術には、この平均重合度が15〜30であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル、なかでもペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンやヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンを配合した水性化粧料や水性クレンジング化粧料は実現していない。
特許第4145238号公報 特開2014−210744号公報 特開2015−231966号公報 特許第5886599号公報
本発明者は、安全性と機能性(クレンジング力)に優れた界面活性剤である、平均重合度が15〜30であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを、化粧料に配合するために研究を行ってきた。その過程で、この平均重合度が15〜30であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルは、化粧料に配合すると極めて安定性に欠けることが判明した。なかでもペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンやヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンは、化粧料の水相に配合するとしばしば分離や白濁を生じるという大きな問題があった。
また、さらに研究を進める中で安全性は前記ポリグリセリン脂肪酸エステルよりやや劣るものの機能性(クレンジング力)が良好であると着目した平均重合度が10であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルにも、化粧料の水相に配合するときに同様の問題が生じることが判明した。
本発明は、このような問題を解決するものである。
すなわち本発明の課題は、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを配合した化粧料であって、安定性と透明性に優れた化粧料組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30〜88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1〜2:1である化粧料組成物。
(2)平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のHLB値が11〜14である(1)に記載の化粧料組成物。
(3)平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)を10〜60質量%含有する(1)又は(2)に記載の化粧料組成物。
(4)平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルが、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンから選択される一種以上の物質である(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧料組成物。
(5)油剤(B)を2〜10質量%含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧料組成物。
(6)油剤(B)がエチルヘキサン酸セチル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン及び(カプリル酸/カプリン酸)カプリリルから選ばれる一種以上である(1)〜(5)のいずれかに記載の化粧料組成物。
(7)マイクロエマルジョンを形成している(1)〜(6)のいずれかに記載の化粧料組成物。
(8)さらに、アクリル酸系高分子(D)を含有する(1)〜(7)のいずれかに記載の化粧料組成物。
(9)クレンジング化粧料である(1)〜(8)のいずれかに記載の化粧料組成物。
本発明の化粧料組成物は、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、安定性が高く透明性のある化粧料となる。
なお本願明細書における「透明」とは試験例で説明するとおり、光路長1cmの石英セルに入れて、精製水を対照試料として、分光光度計で波長660nmの透過率(%)を測定するとき透過率80%以上を示す場合をいう。
また本発明の平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30〜88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1〜2:1である化粧料組成物、なかんずく水性クレンジング化粧料にあっては、処方設計や製造にあたって、煩雑な試行錯誤が必要なく、配合成分の微調整など行う必要がない。
本発明は、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30〜88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1〜2:1である化粧料組成物に関する。
(A)成分:平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル
本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルの、ポリグリセリンの平均重合度の算出方法は、特に限定されないが、例えば、水酸基価から算出する方法、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフ質量分析法又は液体クロマトグラフ質量分析法等からポリグリセリンの組成を決定し、平均重合度を算出する方法などが挙げられる。本明細書において、後述の製造例での平均重合度は、以下の式に基づいて、水酸基価より決定する。この算出方法に限定されるものではない。
OHV=56110(n+2)/(74n+18)
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
n :ポリグリセリンの平均重合度
本発明の化粧料組成物に配合する平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB値が11〜14、より好ましくは11〜13となるようにエステル化度を調整する。すなわち、平均重合度20のポリグリセリン1モルに対して、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸を4〜7モルとなるようにエステル結合させる。また、平均重合度が10のポリグリセリン1モルに対して、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸を2〜4モルとなるようにエステル結合させる。したがって、平均重合度10〜30のポリグリセリン1モルに対して、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸を2〜7モルとなるようにエステル結合させると、HLB値が11〜14のポリグリセリン脂肪酸エステルが得られる。カプリル酸とカプリン酸の比率は、好ましくは質量比で10:90〜90:10であり、より好ましくは質量比で10:90〜50:50である。
また、本発明の化粧料組成物に配合する平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルは、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンから選択される一種以上の物質であることが好ましい。
本発明の化粧料組成物に配合する平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法は、特に限定されない。上記のように、ポリグリセリンと混合脂肪酸(カプリル酸/カプリン酸)とを常法によりエステル化することで製造可能である。具体的には、ポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸を、酸触媒(リン酸、p−トルエンスルホン酸等)もしくはアルカリ触媒(苛性ソーダ等)存在下、又は無触媒で水を除去しながら、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜260℃の範囲で加熱することにより製造する。また、エステル化反応は不活性ガスの存在下で行ってもよい。このようにして得られたポリグリセリン脂肪酸エステルは、目的に応じて精製したものを使用することができる。精製には減圧下での分子蒸留等の技術の他、有機溶剤による抽出、分画や合成吸着剤、ゲル濾過剤を充填したカラムによるクロマト分離も利用できる。なお、混合脂肪酸のかわりに、カプリル酸、カプリン酸のエステルを用い、ポリグリセリンとエステル交換反応で、本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルを得ることもできる。
(B)成分:油剤
本発明の組成物には油剤を配合することが必要である。油剤を配合することによって化粧料組成物が安定化し、透明性を有する。なお、本発明で言う「透明性」とは、組成物を光路長1cmの石英セルに入れて、精製水を対照試料として、分光光度計で波長660nmの透過率(%)を測定したとき、透過率80%以上を示すものをいう。
本発明の組成物に配合する油剤は、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを水系処方に安定に配合するのに必須の成分である。油剤は、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルとともにマイクロエマルジョンを形成して安定化し、透明となる。また、油剤は、化粧料組成物をクレンジング化粧料とするとき、クレンジング力にも寄与する。
本発明の化粧料組成物に配合する油剤は、液状油である。特に、エチルヘキサン酸セチル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン及び(カプリル酸/カプリン酸)カプリリルから選ばれる一種以上であることが好ましい。
本発明の化粧料組成物にあっては、平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率は、6:1〜2:1である。この範囲を外れると、透明〜半透明の外観が得られなくなる恐れがある。
また、本発明の化粧料組成物にあっては、組成物質量当たり平均重合度が10〜30であるポリグリセリンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)を10〜60質量%、油剤(B)を2〜10質量%とする。より好ましくは、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)を10〜60質量%、(B)油剤を3〜10質量%とする。
(C)成分:水
本発明の組成物には、水相を30〜88質量%配合する。水相の内容は、主として水である。さらに任意成分である多価アルコール、ヒアルロン酸等の水溶性成分を包含する。なお、界面活性剤、油に関しては、その成分の性質として水溶性であっても、その配合量を30〜88質量%には含めない。
(D)成分:アクリル酸系高分子
本発明の組成物に増粘剤を配合する場合は、アクリル酸系高分子を配合する。
アクリル酸系高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。特に透明な組成物を得る観点からアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を用いることが好ましい。アクリル酸系高分子の配合量は0.01〜0.5質量%である。
(E)成分:任意成分
また、本発明の化粧料組成物には、化粧料に常用される各種原料を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、多価アルコール、ヒアルロン酸などの美容成分、防腐剤、pH調整剤、中和剤、酸化防止剤、香料等を配合することができる。
本発明の化粧料組成物は、使用性や使用感を考慮して様々な剤型に設計される。具体的には液状又はジェル状である。
以下に本発明の化粧料組成物に配合するポリグリセリンエステルの製造例、及び比較例の化粧料組成物に配合するポリグリセリンエステルの参考製造例、及びこれらを用いた実施例、比較例、試験例を示し、本発明の特徴と効果をさらに詳細に説明する。
1.ポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例
本発明の化粧料組成物に使用するポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルの製造例を示す。
(製造例1)ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンの製造
カプリル酸とカプリン酸の混合比率が25:75の混合脂肪酸と平均重合度が20のポ
リグリセリンを、ポリグリセリン1モルに対して混合脂肪酸を5.6モルとなるように調
整して常法によりエステル化し、HLB値が12.2のペンタ(カプリル酸/カプリン酸
)エイコサグリセリンを得た。
(製造例2)ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンの製造
カプリル酸とカプリン酸の混合比率が25:75の混合脂肪酸と平均重合度が20のポリグリセリンを、ポリグリセリン1モルに対して混合脂肪酸を6.1モルとなるように調整して常法によりエステル化し、HLB値が11.8のヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンを得た。
(製造例3)トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンの製造
カプリル酸とカプリン酸の混合比率が50:50の混合脂肪酸と平均重合度が10のポリグリセリンを、ポリグリセリン1モルに対して混合脂肪酸を3.8モルとなるように調整して常法によりエステル化し、HLB値が11.4のトリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンを得た。
比較例の組成物に使用するポリグリセリン脂肪酸エステル(混合脂肪酸ではない)の製造例を参考製造例1、2として下記に示す。
(参考製造例1)ヘキサカプリル酸エイコサグリセリンの製造
カプリル酸と平均重合度が20のポリグリセリンを、ポリグリセリン1モルに対してカプリル酸を6.3モルとなるように調整して常法によりエステル化し、HLB値が12.2のヘキサカプリル酸エイコサグリセリンを得た。
(参考製造例2)ペンタカプリン酸エイコサグリセリンの製造
カプリン酸と平均重合度が20のポリグリセリンを、ポリグリセリン1モルに対してカプリン酸を5.3モルとなるように調整して常法によりエステル化し、HLB値が12.2のペンタカプリン酸エイコサグリセリンを得た。
2.化粧料組成物の製造例と評価
<実施例1〜23>
製造例1〜3のペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンを用いて、油剤(B)としてエチルヘキサン酸セチル又はジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、水(C)を配合して、常法で加熱(70℃)しながら混合して、化粧料組成物(実施例1〜23)を調製した。
<比較例1〜40>
油剤を配合しない影響を確認するために、製造例1で得たペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンと水(C)を含む組成(比較例1〜5)、製造例2で得たヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリンと水(C)を含む組成(比較例6〜8)の各組成を調製した。
また、参考製造例1で製造したヘキサカプリル酸エイコサグリセリン(単一脂肪酸の例)、同じく参考製造例2で製造したペンタカプリン酸エイコサグリセリン(単一脂肪酸の例)を配合した化粧料組成物を調製した(比較例1〜37)。
<評価試験>
(1)安定性
(外観観察)
得られた化粧料を、それぞれ直径が3cmのガラス製スクリュー管ビンに充填し、蓋をした状態で30℃の恒温室に一週間、4か月間保管した後、目視観察し下記基準により安定性を評価した。
(基準)
○:分離していない
×:分離している
(2)透明性
(透過率の測定)
得られた化粧料のうち、4か月後も安定と評価された試験品について、光路長1cmの石英セルに入れて、精製水を対照試料として、紫外可視分光光度計(日立製作所 UV−2450)で波長660nmの透過率(%)を測定した。
透過率が80%以上を透明と評価した。
(3)クレンジング力
・クレンジング力評価試験
<<ファンデーション、口紅に対するクレンジング力評価方法>>
被験者の前腕内側部位(2×3cm)に下記に記載の市販のメイク化粧料(各ファンデーションは15mg、口紅は5mg)を塗布し30分乾燥した。次に評価対象のクレンジング化粧料を0.1gのせ、これを指で30回円を描くようにして、塗布したメイク化粧料になじませた。その後、流水で洗い流し、塗布したメイク化粧料の外観変化を目視で観察してクレンジング力を評価した。評価基準は次のとおりである。
(評価基準)
◎:きわめてメイクとよくなじみ、洗い流し後のメイク残りが全くない
○:メイクとよくなじみ、洗い流し後のメイク残りがほとんどない
△:メイクとある程度なじむが、洗い流し後にメイクがやや残っている
×:メイクとなじみが悪く、洗い流し後のメイク残りが多い
<<アイライナーに対するクレンジング力評価方法>>
被験者の前腕内側部位に下記に記載の市販のアイライナーを用いて往復1回ラインをひき、20分乾燥した。次に評価対象のクレンジング化粧料を0.1gのせ、これを指で上下に30回往復させるようにして塗布したアイライナーになじませた。その後、流水で洗い流し、塗布したアイライナーの外観変化を目視で観察してクレンジング力を評価した。評価基準は次のとおりである。
(評価基準)
◎:きわめてメイクとよくなじみ、洗い流し後のメイク残りが全くない
○:メイクとよくなじみ、洗い流し後のメイク残りがほとんどない
△:メイクとある程度なじむが、洗い流し後にメイクがやや残っている
×:メイクとなじみが悪く、洗い流し後のメイク残りが多い
クレンジング力評価試験で用いた市販のメイク化粧料は次の通りである。
1.ファンケル クリーミィファンデーション(油性タイプのファンデーション)
2.ファンケル リキッドファンデーション ブライトアップUV
(耐水性皮膜形成剤配合ファンデーション)
3.ファンケル カラーフィットルージュ(代表的な口紅処方)
4.ファンケル スムースタッチ アイライナー(代表的なアイライナー)
<<クレンジング力の総合判定>>
前記評価基準で評価した4つのメイク品(油性タイプファンデーション、耐水性皮膜形成剤配合ファンデーション、口紅、アイライナー)に対するクレンジング力の結果について、下記基準に基づき各表のクレンジング力欄に記載した。
◎:4つのメイク品すべての評価が◎
○:4つのメイク品のうち◎又は○の評価が1つ以上あり、×評価はない
△:4つのメイク品のうち◎評価がなく、○評価もないが、×評価はない
×:4つのメイク品のうち◎評価がなく、×が1つ以上ある
実施例1〜23の組成及び評価結果を下記表1〜4に示す。
実施例の化粧料組成物は30℃で4か月間保管後も全て安定であり、透明性が高かった。またクレンジング力に優れていた。
次に、同様の試験を行った比較例1〜37の化粧料組成物の評価結果を下記の表5〜8に示す。
比較例の化粧料組成物は、安定性に欠けていた。また、安定性を示す組成物もクレンジング力が劣っていた。
以上の試験結果から、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンを配合した化粧料組成物は、組成中に油剤を3質量%以上配合することで、得られる組成物の安定性や透明性を高めることが確認された。また実施例の組成物はいずれも高いクレンジング力を有していることがわかった。またマイクロエマルジョンを形成していた。
3.増粘剤配合による効果試験
次に、前記した本発明の化粧料組成物に、さらに増粘剤を配合して、組成物をジェル状にする試験を行った。
<増粘剤を配合した試験>
各種増粘剤を配合して、化粧料組成物を常法により調製し、外観観察により安定性と透明性を評価した。
試験した増粘剤は、アクリル酸系高分子としてアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体およびカルボキシビニルポリマー、その他の増粘剤としてセルロースガム及びキサンタンガムを選んだ。下記基本組成に、増粘剤としてそれぞれの適量を配合して試験品とした。なお、適量とは、一般的な水系処方で増粘させるときの増粘剤の種類毎の最適な配合量である。具体的には、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体として(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(10−30))クロスポリマーを0.5質量%、カルボキシビニルポリマーを0.5質量%、セルロースガムを2質量%、キサンタンガムを0.2質量%増粘剤として配合した。配合する基本組成は次のとおりである。

基本組成(質量%)
1.ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン(製造例1) 12
2.エチルヘキサン酸セチル 5
3.増粘剤 適量
4.精製水 残余
<外観観察(安定性、透明性)>
調製した組成物を、それぞれ直径が3cmのガラス製スクリュー管ビンに充填し、蓋をした状態で25℃、50℃の恒温室に一週間保管した後、室温にもどしてから、外観を下記基準により目視評価した。
(外観観察の基準)
◎:外観は透明に近い半透明であり、手に取り出せば透明に感じられる
○:外観は半透明であるが、手に取りだせば透明に感じられる
×:分離している(析出も含む)
増粘させるためのゲル化剤はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体及びカルボキシビニルポリマーが適していた。なお、前述の3成分(A:ポリグリセリン脂肪酸エステル+B:油剤+C:水)で調製した化粧料組成物よりも増粘剤を配合した4成分は外観の透明性はやや低下した。しかしながら手に取りだせば「透明」と感じられたため、実際の使用場面では十分であると判断した。
以下にクレンジングリキッドの処方例を示す。
処方例1 クレンジングリキッド
1.精製水 68質量%
2.1,3−ブチレングリコール 10質量%
3.1,2−ペンタンジオール 2質量%
4.製造例1のポリグリセリン脂肪酸エステル 15質量%
5.シクロペンタシロキサン 2質量%
6.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 3質量%
1〜6の成分を常法により混合しクレンジングリキッドを得た。得られたクレンジングリキッドは安定性、透明性、クレンジング力のすべてが優れていた。
処方例2 クレンジングリキッド
1.精製水 76質量%
2.1,3−ブチレングリコール 10質量%
3.1,2−ペンタンジオール 2質量%
4.製造例1のポリグリセリン脂肪酸エステル 10質量%
5.(カプリル酸/カプリン酸)カプリリル 2質量%
1〜5の成分を常法により混合しクレンジングリキッドを得た。得られたクレンジングリキッドは安定性、透明性、クレンジング力のすべてが優れていた。

Claims (9)

  1. 平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と、油剤(B)と、水(C)30〜88質量%を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)と油剤(B)の配合比率が6:1〜2:1である化粧料組成物。
  2. 平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のHLB値が11〜14である請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(A)を10〜60質量%含有する請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
  4. 平均重合度が10〜30であるポリグリセリンと、カプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸とがエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステルが、ペンタ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、ヘキサ(カプリル酸/カプリン酸)エイコサグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)デカグリセリンから選択される一種以上の物質である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料組成物。
  5. 油剤(B)を2〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料組成物。
  6. 油剤(B)がエチルヘキサン酸セチル、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、シクロペンタシロキサン及び(カプリル酸/カプリン酸)カプリリルから選ばれる一種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料組成物。
  7. マイクロエマルジョンを形成している請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料組成物。
  8. さらに、アクリル酸系高分子(D)を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の化粧料組成物。
  9. クレンジング化粧料である請求項1〜8のいずれかに記載の化粧料組成物。
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