JP2016190841A - 液状油性化粧料 - Google Patents
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そのため、シリコーン油を用いずとも感触が良好で、肌や毛髪に対して浸透感に優れ、十分なエモリエント感を付与することができ、且つ安定性にも優れた油性液状化粧料が望まれていた。
(a)トリプロピレングリコール 0.1〜10質量%
(b)25℃において成分(a)と相溶する液状油
を含有し、成分(a)と成分(b)の配合質量比(a)/(b)が0.005〜0.6である液状油性化粧料を提供するものである。
(i)有機性値1000以下で、かつIOB値が0.25〜1.0の範囲である極性油
(ii)有機性値が260以下の非極性油
から選ばれる少なくとも一種である液状油性化粧料、
前記成分(b)の(i)が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、2−オクチルドデカノール、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸から選ばれる少なくとも一種である液状油性化粧料、
前記成分(b)(ii)が、イソドデカンである液状油性化粧料、
を提供するものである。
また本発明は、さらに成分(c)植物油を含有する液状油性化粧料を提供するものである。
本発明の液状油性化粧料とは、油性成分を連続相とし、実質的に水を含有しないことを特徴とするものである。ここで「実質的に含有しない」とは、全く含有しないか、含有したとしても本発明に影響を与えない程度の微量であることを意味するものであり、含有量としては、0.1%未満を意味するものである。
H(OCH2CH(CH3))nOH ・・・・・(1)
(式中、nは平均3)
INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)では、トリプロピレングリコール又はPPG−3で表される。成分(a)は、油剤との親和性が2量体のものよりも高く、成分(b)と良好な相溶性を示す。市販品としては、ニューポールPP−200(三洋化成工業社製)等が挙げられる。
ここで「有機性値(無機性値)」とは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域VOL.11,No.10(1957)719−715)に基づき求められる値である。より詳しく言うと、この有機概念図では、化合物の物理化学的物性について、主にファンデルワールス(Van Der Waals)力による物性の程度を「有機性」、主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」と定義して表現する値である。IOB値とは、無機性(inorganic)と有機性(organic)のバランスを示す指標であり、無機性値(IV)/有機性値(OV)で与えられる。この値が大きい化合物ほど、より親水性の化合物と言える。
また成分(b)の(ii)有機性値が260以下の非極性油の具体例としては、イソドデカン(OV=230)、水添ポリイソブテン(OV=200〜260)等を挙げることができる。
本発明における成分(c)の含有量は、0.01〜70%が好ましく、0.1〜40%が、肌や毛髪に対するエモリエント感の付与、成分(a)と相溶し、べたつきの無い使用感を演出する点で好ましい。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また本発明の液状油性化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、少なくとも成分(a)及び(b)を含む油性成分を必要に応じ加熱混合した後、冷却し、その他の任意成分を添加した後に、ディスペンサー容器やボトル容器等に充填することにより得ることができる。
実施例1〜10及び比較例1〜8:ボディオイル
下記表1に示す処方のボディオイルを調製し、イ.安定性(初期透明度)、ロ.なじみの早さ、ハ.べたつきの無さ、ニ.エモリエント感について、下記の評価方法により評価した。その結果も併せて表に示す。
A:成分(1)〜(8)を均一に溶解する。
B:Aに成分(9)〜(14)を添加混合する。
C:Bをディスペンサー容器に充填する。
30℃の恒温槽に、規格びんに充填した各サンプルを24時間保存した後、目視にて状態を観察し、下記の判定基準に基づいて評価した。
<判定基準>
(判定):(評価)
◎ : 透明と認められる
○ : 僅かな濁りが認められるが透明感がある
△ : 明らかに濁りがある
× : 分離や沈殿を生じた
下記ロ〜ニの評価項目に関しては、各サンプルについて専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が、各サンプルを前腕内側部に適量塗布し、通常使用するようになじませた後、下記評価基準にて7段階に評価し評点をつけた。パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
(評価項目)
ロ.なじみの早さ
ハ.べたつきの無さ
ニ.エモリエント感
<評価基準>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点) :(評価)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
一方、成分(a)の代わりに、重合度が低く肌なじみのよいグリコールである、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールを用いた比較例1、2では、均一溶解することができず沈殿を生じた為、安定性(透明度)において満足のいくものが得られず、振とうさせて使用した場合でもなじみの早さ、べたつきの無さ、エモリエント感に劣るものであった。さらに成分(a)と類似のIOB値を有するベヘネス−30(OV=1640、IV=2295、IOB=1.40)を用いた比較例3においても、均一に溶解することができなかった為、化粧料として満足のいくものが得られず、同様に振とうさせて使用したところ、どの項目においても満足のいくものが得られなかった。また、成分(b)を含有しない比較例4においては、成分(a)がに均一溶解しないため、安定性(透明度)に劣り、さらにトリプロピレングリコールと油性成分が肌上で別々に存在しながら伸び広がる為に、なじみの早さやべたつきの無さで満足のいくものが得られなかった。成分(a)の含有量が0.1%未満である比較例5では、なじみの早さ及びべたつきの無さを実感することはできなかった。成分(a)と成分(b)の配合比が0.005未満である比較例6では、安定性(透明度)は良好であったが、成分(b)の感触が前面に出てしまい、肌へのなじみの早さ、べたつきの無さ、エモリエント感において満足できるものは得られなかった。また、成分(a)の含有量が10%を超える比較例7では、成分(a)を溶解することが困難となり、安定性(透明度)において満足できるものが得られなかった。成分(a)と成分(b)の配合比が0.6を超える比較例8ではボディオイルに濁りが生じ、なじみの早さやべたつきの無さ、エモリエント感も実施例と比較して劣るものであった。
(成分) (%)
1.トリプロピレングリコール※1 5
2.オレイン酸エチル 0.5
3.オレイルアルコール 5
4.コハク酸ジ2−エチルヘキシル 20
5.ジメチコノール※3 20
6.メチルフェニルポリシロキサン 5
7.水添ポリイソブテン※2 30
8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
9.イソステアリン酸デキストリン※4 0.3
10.リンゴ酸ジイソステアリル 1
11.椿油 5
12.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.5
13.天然ビタミンE 0.1
14.香料 0.5
※3:XF49−C2497(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製)(ジメチコノール35%水添ポリイソブテン溶液)
※4:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
A:成分(1)〜(12)を90℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aを室温に冷却した後に成分(12)〜(14)を加え、均一混合する。
C:Bをディスペンサー容器に充填する。
実施例11のヘアオイルは、安定性(透明性)、なじみの早さ、べたつきの無さ、及びエモリエント感に優れたものであった。
(成分) (%)
1.重質流動イソパラフィン※5 10
2.流動パラフィン 5
3.テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット※6 10
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 30
5.トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5
6.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
7.トリプロピレングリコール※1 10
8.コメヌカ油 2
9.デカメチルペンタシロキサン 5
10.フェノキシエタノール 0.5
11.2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラクレゾール 0.02
12.ローズヒップ油 0.05
13.ブドウ種子油 0.05
14.精製ホホバ油 0.05
15.香料 0.2
※5:パールリーム24(日油社製)
※6:レオドール430V(花王社製)
A:成分(1)〜(11)を80℃にて均一に加熱溶解する。
B:Aに成分(12)〜(15)を加え、均一に混合溶解する。
C:Bをディスペンサー容器に室温にて充填する。
実施例12のクレンジングオイルは、安定性(透明性)、なじみの早さ、べたつきの無さ、及びエモリエント感に優れたものであった。
(成分) (%)
1.流動パラフィン 20
2.香料 5
3.テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット※6 16
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.トリプロピレングリコール※1 10
6.マカデミアナッツ油 0.1
7.パーシック油 0.05
8.オレイン酸エチル 1
9.オレイン酸 1
10.スクワラン 0.1
A:成分(1)〜(10)を均一に混合溶解する。
B:Aをボトル容器に室温にて充填する。
実施例13のバスオイル(入浴剤)は、安定性(透明性)、なじみの早さ、べたつきの無さ、及びエモリエント感に優れたものであった。
(成分) (%)
1.ジカプリン酸プロピレングリコール 10
2.イソノナン酸イソトリデシル 5
3.フェノキシエタノール 0.1
4.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 4
5.無水エタノール 5
6.コムギ胚芽油 0.05
7.コメ胚芽油 0.05
8.アルモンド油 0.05
9.ラベンダー油 0.05
10.メチルポリシロキサン※7 3
11.トリプロピレングリコール※1 2
12.コメヌカ油 残量
13.ジイソステアリン酸ポリグリセリル※8 2
14.オリーブ油 25
15.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 25
16.香料 0.3
※7:KF96−10cs(信越化学工業社製)
※8:コスモール42V(日清オイリオグループ社製)
A:成分(1)〜(16)を均一に混合溶解する。
B:Aをガラス製ボトル容器に室温にて充填する。
実施例14の化粧油は、安定性(透明性)、なじみの早さ、べたつきの無さ、及びエモリエント感に優れたものであった。
Claims (5)
- 次の成分(a)及び(b);
(a)トリプロピレングリコール 0.1〜10質量%
(b)25℃において成分(a)と相溶する液状油
を含有し、成分(a)と成分(b)の含有質量比(a)/(b)が0.005〜0.6である液状油性化粧料。 - 前記成分(b)が、次の(i)又は(ii);
(i)有機性値1000以下で、かつIOB値が0.25〜1.0の範囲である極性油
(ii)有機性値が260以下の非極性油
から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の液状油性化粧料。 - 前記成分(b)(i)が、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、2−オクチルドデカノール、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸から選ばれる少なくとも一種である請求項2記載の液状油性化粧料。
- 前記成分(b)(ii)が、イソドデカン、水添ポリイソブテンから選ばれる少なくとも一種である請求項2又は3記載の液状油性化粧料。
- さらに成分(c)植物油を含有する請求項1乃至4記載の液状油性化粧料。
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