JP2018150754A - プレキャストコンクリート版の接合構造及びプレキャストコンクリート版の接合方法 - Google Patents

プレキャストコンクリート版の接合構造及びプレキャストコンクリート版の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレキャストコンクリート版の接合の作業性を向上させる【解決手段】プレキャストコンクリート版の接合構造10は、一方のハーフプレキャストコンクリート版100の端部110と他方のハーフプレキャストコンクリート版200の端部210とが、コンクリートによって接合された接合部34と、一方のハーフプレキャストコンクリート版100から接合部34に突出した一方の横筋130と、他方のハーフプレキャストコンクリート版200から接合部34に突出し、一方の横筋130とあき重ね継手となるように配筋された他方の横筋230と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、プレキャストコンクリート版の接合構造及びプレキャストコンクリート版の接合方法に関する。
特許文献1には、建物を構成する他の構造材に接合されて該建物に建込まれるプレキャスト壁版に関する技術が開示されている。この先行技術では、板状の壁版本体の周縁部に切欠部を形成することにより薄肉化し、他の構造材から突設されるジョイント筋と重ね継手を構成する埋込筋を、壁版本体の内部から切欠部内へ延設している。
特許文献2には、ハーフプレキャストコンクリート板に関する技術が開示されている。この先行技術では、所定の板厚を有するフルプレキャスト中央部と、フルプレキャスト中央部の周囲に断面変化部、テーパー部からなるハーフプレキャスト外周部とを備えている。また、フルプレキャスト中央部内に配筋された縦横鉄筋の端部を、ハーフプレキャスト外周部の上方位置に突出させ、継手筋とした。そして、継手筋を支持するトラス筋を、ハーフプレキャスト外周部の周辺に沿った方向に、ハーフプレキャスト外周部の所定位置に埋設している。
ここで、鉄筋コンクリート造の構造物の工期短縮を図るために、プレキャスト化が推進されている。また、プレキャストコンクリート版の接合部分で水平力を伝達するために横筋同士を機械式継手で継手することが知られている。しかし、機械式継手は、作業工数が多くコスト上昇の原因になるため、作業性の向上が望まれる。
また、特許文献1及び特許文献2では、横筋同士は別の鉄筋を重ね継手で接続することで連結されており(別の鉄筋を介して接続されており)、作業工数が多く、作業性の向上の観点から改善の余地がある。
特開平9−256515号公報 特開平9−032174号公報
本発明は、上記事実を鑑み、プレキャストコンクリート版同士の接合の作業性を向上させることが目的である。
請求項1の発明は、一方のプレキャストコンクリート版の端部と他方のプレキャストコンクリート版の端部とが、コンクリート又はモルタルによって接合された接合部と、前記一方のプレキャストコンクリート版から前記接合部に突出した一方の横筋と、前記他方のプレキャストコンクリート版から前記接合部に突出し、前記一方の横筋とあき重ね継手となるように配筋された他方の横筋と、を備えたプレキャストコンクリート版の接合構造である。
請求項1に記載の発明では、一方のプレキャストコンクリート版の端部と他方のプレキャストコンクリート版の端部とがコンクリート又はモルタルによって接合された接合部に、一方のプレキャストコンクリート版から突出した一方の横筋と、他方のプレキャストコンクリート版から突出した他方の横筋と、が埋設され、あき重ね継手によって水平力が伝達される。よって、一方のプレキャストコンクリート版の横筋と他方のプレキャストコンクリート版の横筋とを、機械継手を用いて接続する場合と比較し、作業性が向上する。
請求項2の発明は、前記接合部には、前記一方のプレキャストコンクリート版の端部及び前記他方のプレキャストコンクリート版の端部の少なくとも一方に形成され、前記横筋が段差面に沿って突出する段差部が設けられている、請求項1に記載のプレキャストコンクリート版の接合構造である。
請求項2に記載の発明では、段差部を接合部の型枠として利用できるので、作業性が向上する。
請求項3の発明は、一方の横筋が突出する一方のプレキャストコンクリート版と、前記一方の横筋をあき重ね継手となるように配筋された他方の横筋が突出する他方のプレキャストコンクリート版と、を横方向に並べて設置する工程と、前記一方の横筋と前記他方の横筋とが配筋された前記一方のプレキャストコンクリート版と前記他方のプレキャストコンクリート版との接合部にコンクリート又はモルタルを打設する工程と、を備えたプレキャストコンクリート版の接合方法である。
請求項3に記載の発明では、一方のプレキャストコンクリート版と他方のプレキャストコンクリート版とを横方向に並べて設置し、一方の横筋と他方の横筋とが突出した接合部にコンクリート又はモルタルを打設する。これにより、一方と他方のプレキャストコンクリート版が接合され、一方の横筋と他方の横筋とは、コンクリート又はモルタルを介して、あき重ね継手によって水平力が伝達される。よって、一方のプレキャストコンクリート版の横筋と他方のプレキャストコンクリート版の横筋とを、機械継手を用いて接続する場合と比較し、作業性が向上する。
本発明によれば、プレキャストコンクリート版同士の接合の作業性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート版の接合構造を構成する一方のハーフプレキャストコンクリート版及び他方のハーフプレキャストコンクリート版の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート版の接合構造が適用された壁を上方から見た平面図である。 一方のハーフプレキャストコンクリート版及び他方のハーフプレキャストコンクリート版の横筋と縦筋とを模式的に示す面外方向から見た正面図である。 一方のハーフプレキャストコンクリート版及び他方のハーフプレキャストコンクリート版がそれぞれ支持する横筋及び縦筋と、連結鉄筋とを模式的に示す面外方向から見た正面図である。 第一変形例における一方のハーフプレキャストコンクリート版及び他方のハーフプレキャストコンクリート版がそれぞれ支持する横筋及び縦筋と、連結鉄筋とを模式的に示す面外方向から見た正面図である。 第二変形例における一方のハーフプレキャストコンクリート版及び他方のハーフプレキャストコンクリート版がそれぞれ支持する横筋及び縦筋と、連結鉄筋とを模式的に示す面外方向から見た正面図である。
<実施形態>
本発明の一実施形態のプレキャストコンクリート版の接合構造について説明する。なお、各図において、鉛直方向を矢印Zで示し、水平方向の直交する二方向を矢印X及び矢印Yで示している。なお、Y方向は、後述する掘削壁面54Aの面外方向である。また、後述する図4、図5及び図6における連結鉄筋300は、他の鉄筋と区別し易くするため、太線で図示している。
(構造)
まず、プレキャストコンクリート版の接合構造10の構造について説明する。
図2に示すように、プレキャストコンクリート版の接合構造10は、ハーフプレキャストコンクリート版100及びハーフプレキャストコンクリート版200を含んで構成されている。これらハーフプレキャストコンクリート版100及びハーフプレキャストコンクリート版200とは、地盤50に形成された溝52の溝壁54の掘削壁面54Aに対して、面外方向(Y方向)に間隔をあけて設けられている。なお、以降「プレキャストコンクリート」を「PCa」と記す場合がある。
地盤50に形成された溝52の溝壁54の掘削壁面54Aに設けられた壁12は、ハーフプレキャストコンクリート版100及びハーフプレキャストコンクリート版200と、これらハーフプレキャストコンクリート版100及びハーフプレキャストコンクリート版200と掘削壁面54Aとの間に形成されたコンクリート壁32と、で構成されている。
図1〜図3に示すように、一方のハーフPCa版100の端部110には、肉薄となった段差部112が形成されている。ハーフPCa100の内部には、縦筋150と横筋130とが配筋され、横筋130は、段差部112の段差面112Aに沿って突出している。なお、横筋130におけるハーフPCa版100から突出している部分を横筋突出部132とする。また、この横筋突出部132には、縦筋152が接合されている。
他方のハーフPCa版200の端部210には、階段部212が形成されている。ハーフPCa版200の内部には、縦筋250と横筋230とが配筋され、横筋230は、階段部212から突出している。横筋230におけるハーフPCa版200から突出して部分を横筋突出部232とする。
図3に示すように、一方のハーフPCa版200の横筋130と他方のハーフPCa版200の横筋230とは、上下方向に1/2ピッチずれて配筋されている。
図2に示すように、一方のハーフPCa版100には、トラス筋120が配筋され、段差部112を除く壁面102(図1も参照)から突出している。同様に、他方のハーフPCa版200には、トラス筋220が配筋され、階段部212を除く壁面202(図1も参照)から突出している。なお、トラス筋120、220は、トップ筋とボトム筋とをラチス筋で接合したトラス状の鉄筋である。また、図2以外の図では、トラス筋120、220の図示を省略している。
これら一方のハーフPCa版100及び他方のハーフPCa版200は、先端部104(図1も参照)と先端部204(図1も参照)とが付き合わされた状態で、横方向(X方向)に並んで、掘削壁面54Aに対して、面外方向(Y方向)に間隔をあけて設けられている。また、一方のハーフPCa版100及び他方のハーフPCa版200と、掘削壁面54Aと、の間には、現場打ちのコンクリート30が充填され、コンクリート壁32が形成されている。
そして、コンクリート壁32(図2参照)における一方のハーフPCa版100の端部110(段差部112)と他方のハーフPCa版200の端部210(階段部212)との間の部位が、ハーフPCa版100とハーフPCa版200とが接合された接合部34である。
図3に示すように、この接合部34には、一方のハーフPCa版100から突出する横筋突出部132と他方のハーフPCa版200から突出する横筋突出部232とが、上下方向に間隔をあけて配置され、あき重ね継手で接合されている。
図2に示すように、コンクリート壁32における一方のハーフPCa版100と掘削壁面54Aとの間には、横筋170と縦筋180とが配筋されている(図1及び図4も参照)。横筋170は、ハーフPCa版100の壁面102から突出するトラス筋120に支持され、この横筋170に縦筋180が連結されている。なお、縦筋180は、段差部112(接合部34)の外側には設けられていない。また、横筋170における段差部112(接合部34)の外側まで延びる部位を横筋延在部172とする。なお、トラス筋120に支持された横筋170は、一方のハーフPCa版100に配筋された横筋130と面外方向視(Y方向視)において、同じ位置に配置されている。
また、コンクリート壁32における他方のハーフPCa版200と掘削壁面54Aとの間には、横筋270と縦筋280とが配筋されている(図1及び図4も参照)。横筋270は、ハーフPCa版200の壁面202から突出するトラス筋220に支持され、この横筋270に、縦筋280が連結されている。なお、トラス筋220に支持された横筋270は、他方のハーフPCa版200に配筋された横筋230と面外方向視(Y方向視)において、同じ位置に配置されている。
更に、コンクリート壁32における一方のハーフPCa版100の段差部112(接合部34)の外側に位置する部位には、横筋310と縦筋320とで構成された連結鉄筋300が設けられている。
図4に示すように、横筋310は、他方のハーフPCa版200の外側まで延びており、この部分を横筋延在部312とする。連結鉄筋300の横筋310は、面外方向視(Y方向視)において、一方のハーフPCa版100側の横筋170と同じ位置に配置され、他方のハーフPCa版200側の横筋270とは、上下方向に1/2ピッチずれている。
そして、連結鉄筋300の横筋310は、一方のハーフPCa版100に支持された横筋170とは重ね継手で接合され、他方のハーフPCa版200に支持された横筋270とは、横筋延在部312があき重ね継手で接合されている(図1も参照)。
(施工方法)
次にプレキャストコンクリート版の接合構造10の施工方法の一例について説明する。
図1に示すように、一方のハーフPCa版100には、トラス筋120(図2参照)に支持される横筋170及び縦筋180が予め連結されている。他方のハーフPCa版200には、トラス筋220に支持される横筋270及び縦筋280が予め連結されている。更に、縦筋280には、連結鉄筋300の横筋310の横筋延在部312が予め連結されている。
そして、先ず横筋170及び縦筋18が連結された一方のハーフPCa版100を溝壁54の掘削壁面54A(図2参照)に間隔をあけて上方から下方に移動して設置する。
次に、連結鉄筋300、横筋270及び縦筋280が連結された他方のハーフPCa版200を、一方のハーフPCa版100よりも溝壁54の掘削壁面54A(図2参照)寄りに上方から下方に移動して入れたのち、矢印Rで示す納め方向(掘削壁面54Aと反対側)に移動し納める。
これにより、図2に示すように、一方のハーフPCa版100の先端部104と他方のハーフPCa版200先端部204とが付き合わされた状態で、横方向(X方向)に並んで掘削壁面54Aに間隔をあけて設置される。
そして、一方のハーフPCa版100及び他方のハーフPCa版200と、掘削壁面54Aとの間に、コンクリート30を打設する。
このとき、一方のハーフPCa版100及び他方のハーフPCa版200が型枠として機能する。なお、一方のハーフPCa版100の端部110に形成された段差部112は、接合部34の型枠として機能する。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
一方のハーフPCa版100の端部110と他方のハーフPCa版200の端部210とがコンクリート30によって接合された接合部34に、一方のハーフPCa版100から突出した一方の横筋130の横筋突出部132と、他方のハーフPCa版200から突出した他方の横筋230の横筋突出部232と、が埋設され、あき重ね継手によって水平力が伝達される。よって、一方のハーフPCa版100の横筋突出部132と他方のハーフPCa版200の横筋突出部232とを、機械継手を用いて接続する場合と比較し、作業性が向上する。
一方のハーフPCa版100の端部110に形成された段差部112が型枠として機能するので、作業性が向上する。
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(第一変形例)
図5に示すように、連結鉄筋300の横筋310は、一方のハーフPCa版100に支持された横筋170と、あき重ね継手で接合されている。また、他方のハーフPCa版200に支持された横筋270は、横筋延在部312と重ね継手で接合されている。
(第二変形例)
図6に示すように、連結鉄筋300の横筋310は、一方のハーフPCa版100に支持された横筋170と、あき重ね継手で接合されている。また、他方のハーフPCa版200に支持された横筋270は、横筋延在部312とあき重ね継手で接合されている。
なお、この場合は、他方のハーフPCa版200に支持された横筋270は、ハーフPCa版200の横筋230と上下方向に1/2ピッチずれて配筋されている。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、一方のハーフPCa版100及び他方のハーフPCa版200と、掘削壁面54Aとの間に、コンクリート30を打設したが、これに限定されない。モルタルを打設してもよい。
また、例えば、ハーフPCa版100、200でなく、通常のプレキャストコンクリート版であってもよい。また、段差部112及び階段部212が形成されていなくてもよい。
また、壁でなく、スラブにも本発明を適用することができる。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10 プレキャストコンクリート版の接合構造
12 壁
30 コンクリート
34 接合部
100 ハーフプレキャストコンクリート版(プレキャストコンクリート版の一例)
110 端部
112 段差部
112A 段差面
130 横筋
200 ハーフプレキャストコンクリート版(プレキャストコンクリート版の一例)
210 端部
230 横筋

Claims (3)

  1. 一方のプレキャストコンクリート版の端部と他方のプレキャストコンクリート版の端部とが、コンクリート又はモルタルによって接合された接合部と、
    前記一方のプレキャストコンクリート版から前記接合部に突出した一方の横筋と、
    前記他方のプレキャストコンクリート版から前記接合部に突出し、前記一方の横筋とあき重ね継手となるように配筋された他方の横筋と、
    を備えたプレキャストコンクリート版の接合構造。
  2. 前記接合部には、前記一方のプレキャストコンクリート版の端部及び前記他方のプレキャストコンクリート版の端部の少なくとも一方に形成され、前記横筋が段差面に沿って突出する段差部が設けられている、
    請求項1に記載のプレキャストコンクリート版の接合構造。
  3. 一方の横筋が突出する一方のプレキャストコンクリート版と、前記一方の横筋とあき重ね継手となるように配筋された他方の横筋が突出する他方のプレキャストコンクリート版と、を横方向に並べて設置する工程と、
    前記一方の横筋と前記他方の横筋とが配筋された前記一方のプレキャストコンクリート版と前記他方のプレキャストコンクリート版との接合部にコンクリート又はモルタルを打設する工程と、
    を備えたプレキャストコンクリート版の接合方法。
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