JP2018150485A - 包接化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のイミダゾール付加塩や包接体よりも、重量当たりの硬化能が高い硬化剤又は硬化触媒を提供することである。【解決手段】本発明の包接化合物は下記の成分(1)および成分(2)を含有する。成分(1):1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸成分(2):脂肪族アミン類、環状アミン類、芳香族アミン類、イミダゾリン系化合物、又はイミダゾール系化合物上記包接化合物は、特にエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化触媒として有用である。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な包接化合物、該包接化合物からなる硬化剤又は硬化触媒、該硬化剤又は硬化触媒を用いた硬化樹脂形成用組成物、該硬化樹脂形成用組成物を用いた硬化樹脂の製造方法、及び該製造方法により得られた硬化樹脂に関する。
エポキシ樹脂は、優れた機械特性、熱特性を有するため様々な分野で広く用いられている。かかるエポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤又は硬化触媒として、アミン類やイミダゾールが用いられているが、エポキシ樹脂とこれら硬化剤又は硬化触媒との混合液は、硬化の開始が早く、一液安定性が極めて悪いという問題がある。
そこで、硬化剤又は硬化触媒として、イミダゾールにヒドロキシ安息香酸を付加したイミダゾール酸付加塩を用いること(特許文献1参照。)や、テトラキスフェノール系化合物(例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、ポリフェノール系化合物という。)とイミダゾールとの包接体を用いること(特許文献2参照。))が提案されている。かかるイミダゾール酸付加塩や包接体は、一定の効果を奏するものであるが、硬化剤又は硬化触媒1モルの重量が、イミダゾールと対になる安息香酸やポリフェノール系化合物分増加する。そのため、重量当たりの硬化能が低下することになる。
特公平4−2638号公報 特開平11−71449号公報
本発明の課題は、従来のイミダゾール付加塩や包接体よりも、重量当たりの硬化能が高い硬化剤又は硬化触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸をホスト化合物として用いて、アミン類やイミダゾールを包接化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)下記の成分(1)および成分(2)を含有する包接化合物。
成分(1):1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸;
成分(2):脂肪族アミン類、環状アミン類、芳香族アミン類、イミダゾリン系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種
(2)(1)に記載の包接化合物からなるエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化触媒。
(3)(1)に記載の包接化合物と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ硬化樹脂形成用組成物。
(4)(3)に記載のエポキシ硬化樹脂形成用組成物を加熱処理することにより硬化して、エポキシ硬化樹脂を製造する方法。
(5)(3)に記載のエポキシ硬化樹脂形成用組成物を加熱処理することにより硬化して得られたエポキシ硬化樹脂。
本発明の包接化合物は、低温での硬化反応を抑制して、一液安定性の向上を図ると共に、加熱処理を施すことにより、効果的に樹脂を硬化させることができる硬化剤又は硬化触媒(包接化合物)である。また、本発明の包接化合物は、ゲスト化合物のアミン類やイミダゾールと併せて、ホスト化合物である1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸も硬化剤又は硬化触媒として機能するため、重量当たりの硬化能が向上した硬化剤又は硬化触媒である。
実施例1において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例2において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例3において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例4において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例5において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例6において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例7において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例8において得られた包接化合物のX線回折パターン(XRD)を示す図である。 実施例9及び比較例1〜3において得られたエポキシ硬化樹脂形成用組成物について、DSC測定装置を用いて硬化反応に基づく発熱を測定した結果を示す図である。
〔成分(1)〕
本発明の包接化合物は、第一成分(以下、「成分(1)」と言うことがある。)として、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸を用いる。
〔成分(2)〕
本発明の包接化合物は、第二成分(「成分(2)」と言うことがある。)として、脂肪族アミン類、環状アミン類、芳香族アミン類、イミダゾリン系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。
脂肪族アミン類、環状アミン類、芳香族アミン類、イミダゾリン系化合物及びイミダゾール系化合物は、エポキシ基と反応してエポキシ樹脂を硬化させる化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
脂肪族アミン類は、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。
エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ジイソプロピルエチルアミン等;
環状アミン類は、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。
ピペリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)−7−ウンデセン等;
芳香族アミン類は、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレンジアミン、ピリジン、ピコリン等;
イミダゾリン系化合物は、具体的には、以下の化合物を挙げることができる。
2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−i−プロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等;
イミダゾール系化合物は、具体的には、以下の式(I)で表されるイミダゾール化合物が該当する。
式(I)中、Rは、水素原子、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、又は無置換若しくは置換基を有するC6〜10アリール基を表す。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲノ基、無置換若しくは置換基を有するC1〜20アルキル基、無置換若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、ニトロ基、又はシアノ基を表す。
における「C1〜20アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。「C1〜20アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等を挙げることができる。
「C1〜20アルキル基」上の置換基としては、ハロゲノ基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、置換シリル基、又はシアノ基が好ましい。
「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基等を挙げることができる。
「C1〜6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、i−ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
「C3〜8シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3〜8シクロアルキル基等を挙げることができる。
「C6〜10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等を挙げることができる。
「置換シリル基」としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル(1−メチルエチル)シリル基、(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル基等のC1〜6アルキル基置換シリル基;トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のC1〜6アルコキシ基置換シリル基;等を挙げることができる。
における「C6〜10アリール基」は、単環および多環のいずれであってもよい。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。
における「C6〜10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基などを挙げることができる。
「C6〜10アリール基」上の置換基としては、ハロゲノ基、C1〜6アルキル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
「ハロゲノ基」、「C1〜6アルコキシ基」としては、前記Rにおいて例示したそれらと同じものを挙げることができる。
「C1〜6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ヘキシル基等を挙げることができる。
「C1〜6ハロアルコキシ基」としては、トリフルオロメトキシ基、2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基等を挙げることができる。
〜Rにおける、「ハロゲノ基」、「C1〜20アルキル基」、及び「C6〜10アリール基」としては、前記Rにおいて例示したそれらと同じものを挙げることができる。
「C1〜20アルキル基」上の置換基としては、ハロゲノ基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C3〜8シクロアルキル基、C6〜10アリール基、置換シリル基、又はシアノ基が好ましい。
「C6〜10アリール基」上の置換基としては、ハロゲノ基、C1〜6アルキル基、水酸基、C1〜6アルコキシ基、C1〜6ハロアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
イミダゾール化合物としては、具体的には、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどを挙げることができる。
〔包接化合物〕
「包接化合物」とは、2種又は3種以上の分子が共有結合以外の弱い結合により結合した化合物をいい、より好ましくは、2種又は3種以上の分子が共有結合以外の弱い結合により結合した結晶性化合物をいう。
本発明の包接化合物としては、成分(1)と、成分(2)とを含有する包接化合物であれば特に制限されるものではない。本発明の包接化合物は、溶媒等の第3成分を含んでもよく、該第3成分は、40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましく、10モル%以下であることが特に好ましい。
本発明の包接化合物は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ・ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂硬化剤又は硬化触媒として使用することができ、特にエポキシ樹脂の硬化剤又は硬化触媒として好適に使用することができる。また、本発明の包接化合物は、溶媒に溶解した液状のものであってもよいが、(溶媒中で析出する)粉体状のものが好ましい。粉体状であることにより、例えば、粉体塗料に使用することができる。
本発明の包接化合物は、成分(1)及び成分(2)を溶媒に添加後、必要に応じて攪拌しながら、加熱処理又は加熱還流処理を行い、再結晶させて析出させることにより得ることができる。また、溶媒への溶解のしやすさを考慮すると、成分(1)及び成分(2)をそれぞれ溶媒に溶解後、溶解液同士を混合することが好ましい。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素等を用いることができる。本発明の包接化合物の製造時における成分(1)及び成分(2)の添加割合としては、成分(1)1モルに対して、成分(2)が、0.1〜5.0モルであることが好ましく、0.5〜3.0モルであることがより好ましい。
生成物である包接化合物中の成分(1)と成分(2)のモル比は、特に制限はないが、1:1、1:2、2:1等適宜選択できる。
包接化合物の形成は、熱分析(TG及びDTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、X線回折パターン(XRD)、固体NMRスペクトル等により確認できる。また、包接化合物の組成は、熱分析、H−NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、元素分析等により確認することができる。
〔エポキシ硬化樹脂形成用組成物〕
また、本発明のエポキシ硬化樹脂形成用組成物としては、エポキシ樹脂と、上記本発明の包接化合物とを含有するものあれば特に制限されるものではない。
〔エポキシ樹脂〕
エポキシ樹脂としては、従来公知の各種ポリエポキシ化合物が使用でき、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、フロログリシノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロプロパンジグリシジルエーテル、1,3−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル〕ベンゼン、4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、フェノールノボラック型ビスエポキシ化合物などの芳香族系グリシジルエーテル化合物;アリサイクリックジエポキシ アセタール、アリサイクリックジエポキシ アジペート、アリサイクリックジエポキシ カルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどの脂環式ポリエポキシ化合物;ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルグリシジルフタレート、ジメチルグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジグリシジル−p−オキシベンゾエート、ジグリシジルシクロペンタン−1,3−ジカルボキシレート、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル化合物;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルトリブロモアニリンなどのグリシジルアミン化合物;ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ化合物などを挙げることができる。
本発明のエポキシ硬化樹脂形成用組成物におけるエポキシ樹脂及び包接化合物の割合は、エポキシ樹脂のエポキシ環1モルに対して、包接化合物を0.01〜1.0モル含有することが好ましく、0.1〜1.0モル含有することがより好ましく、0.3〜1.0モル含有することがさらに好ましい。
また、本発明のエポキシ硬化樹脂形成用組成物は、エポキシ樹脂及び包接化合物を混合することにより製造することができるが、十分な混合状態が形成されるよう、通常、室温〜100℃程度に加熱して混合する。エポキシ硬化樹脂の製造においては、このときの温度での一液安定性が重要となる。
本発明の組成物には、上記の成分以外にも所望の特性を付与する目的で以下の成分を追加することができる。
(1)エポキシ樹脂用硬化触媒
本発明の組成物には、上記の本発明の硬化剤又は硬化触媒以外に、公知の硬化触媒を併用できる。
例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の環状アミジン化合物;無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸等の酸無水物;1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物;トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン化合物;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン等の芳香族アミン化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン等の有機ホスフィン化合物;等が挙げられる。
(2)硬化剤
さらにエポキシ樹脂を硬化させるための公知の硬化剤を使用できる。例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等の多価フェノール樹脂;等が挙げられる。
(3)フィラー
また、粘度や硬化物の物性を制御するためにフィラーを配合してもよい。フィラーとしては、絶縁性無機フィラーやウィスカー、樹脂フィラーを使用できる。絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等が挙げられる。ウィスカーとしてはホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。樹脂フィラーとしては、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
その他にも、金、銀、銅、ニッケル、ハンダ等の金属粒子、及びカーボン等の導電フィラーも電子部品の接合用接着剤を構成する場合に使用できる。
(4)その他の添加剤
また、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、離型剤、レベリング剤、シランカップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、シリコーン系可撓剤、イオントラップ剤等の公知の添加剤を配合できる。
〔エポキシ硬化樹脂〕
本発明のエポキシ硬化樹脂の製造方法としては、上記エポキシ硬化樹脂形成用組成物を加熱処理して硬化させる方法であれば特に制限されるものではなく、通常、加熱処理の加熱温度としては、60〜250℃であり、好ましくは、80〜200℃であり、かかる温度において短時間で硬化することが好ましい。
〔使用用途〕
本発明の包接化合物は、潜在性に優れたエポキシ樹脂硬化剤又は硬化触媒である。これを含有するエポキシ硬化樹脂形成用組成物は、室温近辺で保管した場合は長期安定であり、硬化に際しては比較的低温で速やかに硬化させることができる。
本発明のエポキシ硬化樹脂形成用組成物の使用用途としては、特に制限されるものではなく、例えば、アンダーフィル、熱硬化性プリプレグ、注型材料、構造用接着剤、粉体塗料等を挙げることができる。特には、電子材料関連について、プリント基板用プリプレグ、半導体・電子部品用封止材、電子部品用接着剤、導電性接着剤、レジストインク、絶縁材料等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(1)包接体の作製
[実施例1]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2―メチルイミダゾールから成る包接化合物)
フラスコに5.00gの1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸を加えた後、2.63gの2―メチルイミダゾール(以下、2MZ)、及び溶媒としてメタノールを30g加え、撹拌しながら加熱還流を3時間行った。冷却後、ろ過、減圧乾燥を行うことで7.48gの生成物を得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2MZのモル比が1:1である包接化合物(以下、「包接化合物A」と言うことがある。)であることを確認した。以下にそれらの測定結果を示した。
各スペクトルの測定条件は以下の通りである(他の実施例においても同様である。)
[XRD測定]
装置:Ultima IV(リガク社製)
X線源:Cu 40kV/40mA
測定方法:集中法
フィルター:Kβフィルター
スキャン速度:5°/min.
[TG−DSC測定]
装置:TGA−DSC1(メトラー・トレド社製)
Al PAN シール
測定温度範囲:室温〜500℃
昇温速度:20℃/min
サンプル量:約3mg
[H−NMR測定]
装置:JNM−AL400(日本電子社製)
重溶媒:DMSO
積算回数:8回
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが観測された(図1)。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃、2MZでは89℃であるのに対し、包接化合物Aは241℃であった。また重量減少に係るオンセット温度は1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では301℃、2MZでは162℃であるのに対し、包接化合物Aは240℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2MZに帰属されるピーク積分値から、モル比が1対1で包接化されていることが分かった。
[実施例2]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2−エチル−4−メチルイミダゾールから成る包接化合物)
実施例1について、2MZを2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZ)1.76gへと変更した以外は同様に行い、生成物を6.70g得た。得られた生成物のXRD、TG−DSC及びH−NMR測定より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2E4MZがモル比として2:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物B」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが観測された(図2)。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃、2E4MZでは49℃であるのに対し、包接化合物Bは240℃であった。また重量減少のオンセット温度は2E4MZでは162℃であるのに対し、包接化合物Bは271℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2E4MZに帰属されるピーク積分値から、モル比が2対1で包接化されていることが分かった。
[実施例3]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とメタキシレンジアミンから成る包接化合物)
実施例1について2MZをメタキシレンジアミン(以下、MXDA)4.36gへと変更した以外は同様に行い生成物8.75gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とMXDAがモル比として1:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物C」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図3)。なお、MXDAは液状物質であり、XRD測定はしていない。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃であるのに対して包接化合物Cは、129℃であった。また、包接化合物Cの重量減少に係るオンセット温度は176℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびMXDAに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびMXDAは1対1で包接されていることが分かった。
[実施例4]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とジイソプロピルエチルアミンから成る包接化合物)
実施例1について2MZをジイソプロピルエチルアミン(以下、DIEA)4.13gへと変更した以外は同様に行い生成物8.11gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とDIEAがモル比として1:2で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物D」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図4)。なお、DIEAは液状物質であり、XRD測定はしていない。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃であるのに対して包接化合物Dは、161℃であった。また、包接化合物Dの重量減少に係るオンセット温度は160℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDIEAに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDIEAは1対2で包接されていることが分かった。
[実施例5]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とジエチレントリアミンから成る包接化合物)
実施例1について2MZをジエチレントリアミン(以下、DETA)3.30gへと変更した以外は同様に行い生成物7.67gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とDETAがモル比として1:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物E」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図5)。なお、DETAは液状物質であり、XRD測定はしていない。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃であるのに対して包接化合物Eは、267℃であった。また、包接化合物Eの重量減少に係るオンセット温度は273℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDETAに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDETAは1対1で包接されていることが分かった。
[実施例6]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンから成る包接化合物)
実施例1について2MZを1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(以下、DBU)4.87gへと変更した以外は同様に行い生成物8.53gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸とDBUがモル比として1:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物F」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図6)。なお、DBUは液状物質であり、XRD測定はしていない。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸では293℃であるのに対して包接化合物Fは、209℃であった。また、包接化合物Fの重量減少に係るオンセット温度は268℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDBUに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸およびDBUは1対1で包接されていることが分かった。
[実施例7]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2−フェニルイミダゾリンから成る包接化合物)
実施例1について2MZを2−フェニルイミダゾリン(以下、2PZL)4.68gへと変更した以外は同様に行い生成物9.13gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2PZLがモル比として1:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物G」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図7)。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸は293℃、2PZLは99℃であるのに対して、包接化合物Gは253℃であった。また、重量減少に係るオンセット温度は2PZLで174℃であるのに対して、包接化合物Gでは264℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2PZLに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2PZLは1対1で包接されていることが分かった。
[実施例8]
(1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2−メチルイミダゾリンから成る包接化合物)
実施例1について2MZを2−メチルイミダゾリン(以下、2MZL)2.69gへと変更した以外は同様に行い生成物7.37gを得た。得られた生成物は、XRD、TG−DSC及びH−NMR測定にて1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2MZLがモル比として1:1で包接化された包接化合物(以下、「包接化合物H」と言うことがある。)であることを確認した。以下にその測定結果を示した。
(XRD測定)
原料の回折パターンが消失し、新規の回折パターンが見られ包接化を確認した(図8)。
(TG−DSC測定)
融解に伴う吸熱ピークのオンセット温度は、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸は293℃、2MZLは88℃であるのに対して、包接化合物Hは273℃であった。また、重量減少に係るオンセット温度は2MZLで101℃であるのに対して、包接化合物Hでは264℃であった。
H−NMR測定)
1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2MZLに帰属されるピーク積分値より、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸および2MZLは1対1で包接されていることが分かった。
(2)硬化特性試験
実施例1で得られた包接化合物Aの硬化特性を確認した。比較に、2MZ単体、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸単体、及び2MZと1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸の混合物を用いた。
[実施例9]
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製)
エポキシ樹脂(商品名:エポトート(登録商標)YD−128、東邦化成(株)製)5gに対して、200mg(4phr)の包接化合物Aを添加した後、25℃で10分間混練することで、エポキシ硬化樹脂形成用組成物Aを得た。
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定)
DSC測定装置(DSC1、メトラー・トレド社製)を用い、アルミ容器内に約5〜10mgになるようエポキシ硬化樹脂形成用組成物Aを量りとり、窒素パージ下(窒素の流速:50mL/min)、30℃から250℃まで昇温(昇温速度:10k/min)を行い、エポキシ硬化樹脂形成用組成物Aの硬化反応に基づく発熱挙動を追跡した。横軸に時間及び温度を採った測定結果を図9に示した。
[比較例1]
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製について、包接化合物Aを2MZ 200mgへと変更した以外は同様に行い、2MZから成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物を得た。
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定について、エポキシ硬化樹脂形成用組成物Aを2MZから成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物へと変更した以外は同様に行い、硬化反応に基づく発熱挙動を追跡した。その結果を図9に示した。
[比較例2]
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製について、包接化合物Aを1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸200mgへと変更した以外は同様に行い、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸から成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物を得た。
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定について、エポキシ硬化樹脂形成用組成物Aを1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸から成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物へと変更した以外は同様に行い、硬化反応に基づく発熱挙動を追跡した。その結果を図9に示した。
[比較例3]
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物の調製について、包接化合物Aの代わりに1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸 131mgと、2MZ 69mgをそれぞれ包接化操作せずに添加した以外は同様に行い、未包接化体から成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物を得た。
(エポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定)
実施例9のエポキシ硬化樹脂形成用組成物のDSC測定について、エポキシ硬化樹脂形成用組成物Aを未包接体から成るエポキシ硬化樹脂形成用組成物へと変更した以外は同様に行い、硬化反応に基づく発熱挙動を追跡した。その結果を図9に示した。
実施例9は、比較例1と比較して、エポキシ硬化に伴う発熱ピークが高温側へとシフトしており、包接化により2MZの熱的安定性が向上した。また比較例2と比較すると、実施例9の発熱ピークは低温側へシフトし、その形状は非常にシャープなものへと変化し、包接化により1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸の硬化活性が向上した。
さらに、包接化操作をせずに1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸と2MZをただ添加した未包接体の比較例3では、2成分の実質的な添加量は実施例9と同じであるにも関わらず、発熱ピークはブロード化し、硬化特性は著しく悪化した。以上より、硬化特性の改善には単純な2成分の混合では不可能であり、包接化操作の有用性が明らかとなった。

Claims (5)

  1. 下記の成分(1)および成分(2)を含有する包接化合物。
    成分(1):1H−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸
    成分(2):脂肪族アミン類、環状アミン類、芳香族アミン類、イミダゾリン系化合物及びイミダゾール系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種
  2. 請求項1に記載の包接化合物からなるエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化触媒。
  3. 請求項1に記載の包接化合物と、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ硬化樹脂形成用組成物。
  4. 請求項3に記載のエポキシ硬化樹脂形成用組成物を加熱処理することにより硬化して、エポキシ硬化樹脂を製造する方法。
  5. 請求項3に記載のエポキシ硬化樹脂形成用組成物を加熱処理することにより硬化して得られたエポキシ硬化樹脂。

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