JP2018148745A - 半導体スイッチの駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の半導体スイッチを並列駆動する構成において、LC共振を抑制しつつ導通制御端子の電圧検出精度を維持できる半導体スイッチの駆動装置を提供する。【解決手段】2つの下アームスイッチSL1,SL2を並列駆動する駆動回路DrLにおいて、ゲート端子Gc,Gd及びGhをスイッチSLのゲートに接続する。前記ゲートに、スイッチSLをターンオンする際に充電電流を流す充電スイッチ30及び充電用端子Gcを含む充電経路Lt,Lchと、スイッチSLのゲート及びエミッタ間に、スイッチSLをターンオフする際に放電電流を流す放電スイッチ36及び放電用端子Gdを含む放電経路Ldisとを備える。ダイオード33は前記充電経路の一部を形成する充電側ループ経路C1〜C3に配置され、オンすると充電電流を流す。ダイオード34,51は前記放電経路の一部を形成する放電側ループ経路D1〜D3に配置され、オンすると放電電流を流す。ゲート電圧検出部55をダイオード51のカソード側に接続し、抵抗素子52をダイオード51に並列接続する。【選択図】図2

Description

本発明は、電圧制御型の半導体スイッチを駆動する駆動回路に関する。
この種の駆動回路としては、例えば下記特許文献1に見られるように、直列接続された上アーム部及び下アーム部のそれぞれを構成する半導体スイッチを駆動するものが知られている。半導体スイッチは、例えばIGBTである。上アーム部及び下アーム部のそれぞれは、1つの半導体スイッチで構成されている。
特開2013−240210号公報
駆動回路には、互いに並列接続された複数の半導体スイッチを駆動対象とするものがある。複数の半導体スイッチの並列接続体は、上下アーム部のそれぞれを構成している。半導体スイッチが例えばIGBTである場合、そのゲート及びエミッタ間には容量が形成されている。そのため、IGBTとこれに接続される駆動回路との間に、電流が流れるループ経路が形成される。
一方、IGBTに逆並列に接続されている還流ダイオードには、リカバリ電流が流れる。リカバリ電流の流通が完了すると、リカバリ電流の流通経路においてサージ電圧が発生する。この場合、サージ電圧の発生源となった還流ダイオードに対応するIGBTのエミッタ電位が、他のIGBTのエミッタの電位よりも相対的に低くなる。このような電位差が生じるのは、複数のIGBTのエミッタが互いに接続されているためである。
上記のような電位差が生じると、複数のIGBTそれぞれについて、上記ループ経路におけるインダクタンス成分及びゲート−エミッタ間容量によってLC共振が発生する。LC共振が発生すると、ゲート及びエミッタ等の各端子の印加電圧がその定格値を超え、IGBTが誤動作する等の不都合が発生し得る。
各還流ダイオードのうち、少なくとも2つの還流ダイオードについては、リカバリ電流の流通完了タイミングが、それらの個体差等に起因して相違し得る。この場合、還流ダイオードにおけるリカバリ電流の流通が順次完了することで、各IGBTのエミッタ間電位差が大きく変動する。この電位差の変動が大きくなると、上述した不都合の発生が顕著となる。
この問題に対処すべく、IGBTをオフ状態からオン状態に切り替える場合におけるIGBTのスイッチング速度を低下させることも考えられるが、スイッチング損失が増加するといった問題が生じる。また、別の対策として、上述したループ経路中にダイオードのような整流素子を挿入することでLC共振を抑制することも考えられる。
ここで、IGBTをスイッチング制御するため、そのゲート電圧を検出する必要が生じることもある。一般に、駆動回路はICとして構成されることが多い。すると、駆動回路にIGBTを接続するための端子数は、ICのパッケージを小型化する要請からより少ない方が望ましい。例えばIGBTのゲートを含む放電経路中にダイオードを挿入すると、そのカソード側に順方向電圧による降下分が発生し、ゲート電圧の検出精度が低下するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の半導体スイッチを並列駆動する構成において、LC共振を抑制しつつ導通制御端子の電圧検出精度を維持できる半導体スイッチの駆動装置を提供することにある。
請求項1記載の半導体スイッチの駆動装置によれば、充電用端子及び放電用端子は、半導体スイッチの導通制御端子に接続される。また、複数の半導体スイッチそれぞれの導通制御端子に、半導体スイッチをオン状態に切り替える際に充電電流を流す充電スイッチ及び充電用端子を含む充電経路と、複数の半導体スイッチそれぞれの導通制御端子及び低電位側導通端子間に、半導体スイッチをオフ状態に切り替える際に放電電流を流す放電スイッチ及び放電用端子を含む放電経路とを備える。
充電側通電素子は、導通制御端子及び低電位側導通端子を含み前記充電経路の一部を形成する充電側ループ経路に配置され、導通状態になると充電電流を流す。放電側通電素子は、導通制御端子及び低電位側導通端子を含み前記放電経路の一部を形成する放電側ループ経路に配置され、導通状態になると放電電流を流す。電圧検出部は、充電側通電素子及び/又は放電側通電素子の電流出力端子に接続され、抵抗素子は、充電側通電素子及び/又は放電側通電素子に並列接続される。そして、少なくとも充電スイッチ,放電スイッチ及び電圧検出部が、駆動ICとして構成されている。
このように構成すれば、充電側通電素子又は放電側通電素子が通電状態において電圧降下を生じる素子であっても、これらに対して並列に接続される抵抗素子により電流をバイパスさせることができる。したがって、駆動装置と半導体スイッチとの間の接続端子数を削減するため、電圧検出部を充電側通電素子及び/又は放電側通電素子の電流出力端子に接続しても、電圧降下の影響を軽減できる。
例えば請求項2,7記載の半導体スイッチの駆動装置では、放電側通電素子,充電側通電素子をダイオードとする。したがって、ダイオードの端子電圧が順方向電圧以下となる期間は抵抗素子を介して通電が行われるので、半導体スイッチの導通制御端子の電圧をより正確に検出できる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図 駆動回路を示す図 駆動回路の各スイッチの動作態様を示すタイムチャート 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 関連技術に係るLC共振の発生態様を説明するための図 第2実施形態に係る駆動回路を示す図 第3実施形態に係る駆動回路を示す図 第4実施形態に係る駆動回路を示す図 第5実施形態に係る駆動回路を示す図 第6実施形態に係る駆動回路を示す図 第7実施形態に係る駆動回路を示す図 動作タイミングチャート
(第1実施形態)
以下、本発明に係る駆動回路を車載モータ制御システムに適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、制御システムは、直流電源10、インバータ20、モータジェネレータ21、及び制御装置22を備えている。本実施形態において、直流電源10は、100V以上となる端子間電圧を有する蓄電池である。直流電源10には、例えばリチウムイオン蓄電池やニッケル水素蓄電池が用いられる。直流電源10には、コンデンサ11が並列に接続されている。
モータジェネレータ21は、車載主機となる回転電機であり、図示しない駆動輪との間で動力が相互に伝達可能となるように構成されている。モータジェネレータ21には、例えば3相の永久磁石同期モータが用いられる。尚、本実施形態の車両には、モータジェネレータ21に加えて図示しないエンジンが搭載されている。
インバータ20は、コンデンサ11から入力される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータ21に出力する電力変換器である。インバータ20は、上アーム部20H及び下アーム部20Lの直列接続体を3相分備えている。上アーム部20Hは、第1上アームスイッチSH1と、第2上アームスイッチSH2との並列接続体を備えている。下アーム部20Lは、第1下アームスイッチSL1と、第2下アームスイッチSL1との並列接続体を備えている。本実施形態では、各スイッチSH1,SH1,SL1,SL1として、電圧制御型の半導体スイッチング素子の1つであるIGBTを用いている。
上アームスイッチSH1及びSH2それぞれのコレクタには、バスバー等の高電位側導電部材Bpを介してコンデンサ11の高電位側端子,P端子が接続されている。下アームスイッチSL1及びSL2それぞれのエミッタには、バスバー等の低電位側導電部材Bnを介してコンデンサ11の低電位側端子,N端子が接続されている。上アームスイッチSH1及びSH2それぞれのエミッタと、下アームスイッチSL1及びSL2それぞれのコレクタとは、O端子に接続されている。尚、エミッタは半導体スイッチング素子の低電位側導通端子に相当し、コレクタは同高電位側導通端子に相当する。また、ゲートは導通制御端子に相当する。
3相それぞれのO端子には、バスバー等の導電部材を介してモータジェネレータ21の巻線21Aの一端が接続されている。各相の巻線21Aの他端は、中性点で接続されている。巻線21Aは誘導性負荷である。
アームスイッチSH1,SH2には、それぞれ第1及び第2上アームダイオードDH1,DH2が逆並列に接続されている。アームスイッチSL1,SL2には、それぞれ第1及び第2下アームダイオードDL1,DL2が逆並列に接続されている。本実施形態において、各ダイオードDH1,DH2,DL1,DL2が「還流ダイオード」に相当する。なお、これらのダイオードは各スイッチSH1,SH1,SL1,SL1と一体的に構成されていても良いし、各スイッチに外付けされていても良い。
制御装置22は、モータジェネレータ21の制御量である例えばトルクを、その指令値に一致させるようにインバータ20を駆動制御する。制御装置22は、インバータ20の各スイッチSH1,SH2,SL1,SL2をオンオフ駆動すべく、各アーム部20H,20Lに対応する駆動信号を、各アーム部20H,20Lに対して個別に設けられた駆動回路DrH,DrLに出力する。
制御装置22は、例えば、電気角で位相が120°ずれた3相指令電圧と三角波等のキャリア信号との大小比較に基づくPWM制御により、各駆動回路DrH,DrLに対応する駆動信号を生成する。各相において、上アーム部20Hに対応する駆動信号と下アーム部20Lに対応する駆動信号とは、互いに相補的な信号となる。このため、各相において、上アーム部20Hを構成する各スイッチSH1,SH2と下アーム部20Lを構成する各スイッチSL1,SL2とは、交互にオン状態になる。
図2に示すように、各アーム部20H,20Lに対応する各駆動回路DrH,DrLは基本的には同じ構成である。以下では、下アーム部20Lの駆動回路DrLを例にして説明する。駆動回路DrLは、種々の電子部品が実装された制御基板を備えている。種々の電子部品は制御基板上で配線パターンにより接続されており、駆動回路DrLは、ICとして構成されている。
駆動回路DrLは、例えばPチャネルMOSFETである充電スイッチ30を備えている。充電スイッチ30のソースには定電圧電源31が接続され、充電スイッチ30のドレインには充電用抵抗素子32の一端が接続されている。充電用抵抗素子32の他端には、第1接続点T1が接続されている。本実施形態において、
定電圧電源31→充電スイッチ30→充電用抵抗素子32→第1接続点T1
に至るまでの電気経路が「電源経路Lt」に相当する。
駆動回路DrLの第1ゲート端子G1cには、第1接続点T1及び充電側通電素子である第1充電側ダイオード33Aのアノードが接続されている。ダイオード33Aのカソードには、下アームスイッチSL1のゲートが接続されている。また、前記ゲートには、放電側通電素子である第1放電側ダイオード34Aのアノードが接続されている。駆動回路DrLの第2ゲート端子G1dには、第1放電側ダイオード34Aのカソード及び第2接続点T2が接続されている。
第2接続点T2には、放電用抵抗素子35の一端が接続されており、当該抵抗素子35の他端には、例えばNチャネルMOSFETである放電スイッチ36のドレインが接続されている。放電スイッチ36のソースには、駆動回路DrLの第1エミッタ端子KE1及び第2エミッタ端子KE2を短絡する電気経路である短絡経路ESが接続されている。エミッタ端子KE1,KE2には、それぞれアームスイッチSL1,SL2のエミッタが接続されている。
第1下アームスイッチSL1は、第1下アームセンス端子mL1を備えており、当該端子mL1は、第1下アームスイッチSL1に流れるコレクタ電流と相関を有する微少電流を出力する。第1下アームセンス端子mL1には、駆動回路DrLの第1センス端子SE1が接続されている。第1センス端子SE1には、第1センス抵抗素子37Aの一端が接続されている。第1センス抵抗素子37Aの他端は、第1エミッタ端子KE1に接続されている。
この構成によれば、センス端子mL1から出力される微少電流により第1センス抵抗素子37Aに電圧降下が生じ、その電圧降下量が前記コレクタ電流の相関値となる。なお、第1センス抵抗素子37Aの電位差は、第1センス電圧として駆動回路DrLの駆動制御部40に入力される。
駆動回路DrLは、例えばNチャネルMOSFETである第1オフ保持スイッチ38Aを備えている。第1オフ保持スイッチ38Aのドレインには、駆動回路DrLの第3ゲート端子G1hが接続されている。第1オフ保持スイッチ38Aのソースは、短絡経路ESに接続されている。ゲート端子G1h,オフ保持スイッチ38A及び短絡経路ESに至る経路は、オフ保持経路Loffに相当する。下アームスイッチSL1のゲートと第3ゲート端子G1hとの間には、放電用通電素子及びオフ側通電素子であるダイオード51Aが順方向に接続されている。ダイオード51Aには、抵抗素子52Aが並列に接続されている。ダイオード51のカソードは、電流出力端子に相当する。
第3ゲート端子G1hと第1エミッタ端子KE1との間には、抵抗素子53A及び54Aの直列回路が接続されている。前記直列回路は分圧回路に相当し、電圧検出部を構成する。抵抗素子53A及び54Aの共通接続点は、ゲート電圧検出部55Aの入力端子に接続されている。ゲート電圧検出部55Aの出力端子は、駆動制御部40の入力端子に接続されている。
以上の説明は、主に駆動回路DrLの下アームスイッチSL1側に対応する構成を説明したが、下アームスイッチSL2側に対応する構成は、上記と対称である。図2において、下アームスイッチSL2側に対応する構成要素の符号は、「A」に替えて「B」を付したり、「1」に替えて「2」を付して示している。
本実施形態において、
第1接続点T1→第1ゲート端子G1c→第1充電側ダイオード33A
を経由する電気経路と、
第1接続点T1→第2ゲート端子G2c→第2充電側ダイオード33B
を経由する電気経路とが、電源経路Ltから分岐する「分岐経路Lch」に相当する。また、電源経路Lt及び分岐経路Lchが「充電経路」に相当する。
また本実施形態において、
第1放電側ダイオード34A→第2ゲート端子G1d→第2接続点T2→
放電用抵抗素子35→放電スイッチ36→第1エミッタ端子KE1
を経由する電気経路が「放電経路Ldis」に相当する。
駆動制御部40は、制御装置22より出力され、駆動回路DrLの信号端子SIを介して入力される駆動信号に基づいて充電処理及び放電処理を交互に行う。具体的には、駆動制御部40は充電処理として、駆動信号がオン駆動指令を示す場合は充電スイッチ30をオン状態とし、放電スイッチ36をオフ状態とする。これにより、定電圧電源31から各下アームスイッチSL1,SL2のゲートへと充電電流が流れ、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート電圧がスレッショルド電圧Vth以上となる。その結果、各下アームスイッチSL1,SL2がターンオンする。なお、充電スイッチ30の駆動は、駆動制御部40によりON制御部41が制御されることで実施される。
一方、駆動制御部40は放電処理として、駆動信号がオフ駆動指令を示す場合は充電スイッチ30をオフ状態とし、放電スイッチ36をオン状態とする。これにより、各下アームスイッチSL1,SL2のゲートからエミッタへと放電電流が流れ、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート電圧がスレッショルド電圧Vth未満となる。その結果、各下アームスイッチSL1,SL2がターンオフする。
駆動制御部40は、制御装置22から出力された駆動信号とゲート電圧とに基づいてオフ保持処理を行う。具体的には、駆動制御部40はオフ保持処理として、駆動信号がオフ駆動指令を示し、且つゲート電圧が規定電圧Vα以下になっている場合に各オフ保持スイッチ38A,38Bをオン状態とし、それ以外の場合は各オフ保持スイッチ38A,38Bをオフ状態とする。ここで、規定電圧Vαは、スレッショルド電圧Vth以下の電圧に設定されている。
図3に示すように、時刻t1において、駆動信号がオフ駆動指令からオン駆動指令に切り替えられると、充電スイッチ30がオン状態,放電スイッチ36がオフ状態とされる充電処理が開始される。これにより、その後、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート電圧が上昇してスレッショルド電圧Vth以上となり、各下アームスイッチSL1,SL2がオン状態に切り替えられる。また、駆動信号がオフ駆動指令からオン駆動指令に切り替えられると、各オフ保持スイッチ38A,38Bがオン状態からオフ状態に切り替えられる。
その後時刻t2において、駆動信号がオン駆動指令からオフ駆動指令に切り替えられる。このため、充電スイッチ30がオフ状態とされ、放電スイッチ36がオン状態とされる放電処理が開始される。これにより、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート電圧が低下し始める。
その後時刻t3において、ゲート電圧が規定電圧Vα以下になるため、各オフ保持スイッチ38A,38Bがオン状態に切り替えられてオフ保持処理が開始される。なお、オフ保持処理で用いられるゲート電圧は、例えば、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート電圧のうち高い方とすればよい。
本実施形態では、図2に示したように、駆動回路DrLが、充電側ダイオード33,放電側ダイオード34及び51を備えている。以下、各ダイオードを配置する技術的意義を、図4から図9に示す関連技術と対比しつつ説明する。ここで関連技術と称するのは、図2に示した駆動回路DrLから各ダイオード33〜35を除去した構成である。また、説明の都合上、1つのアームスイッチに対応するゲート端子を1つに纏めてそれぞれG1,G2としている。
図4では、関連技術の構成に、配線部分等に存在する各インダクタンス成分LP1〜LN2等を示している。具体的には、それぞれ以下の電気経路に存在するインダクタンス成分である。
LP1:P端子→高電位側導電部材Bp→スイッチSH1のコレクタ
LP2:P端子→高電位側導電部材Bp→スイッチSH2のコレクタ
LO1:スイッチSH1のエミッタ→スイッチSL1のコレクタ→O端子
LO2:スイッチSH2のエミッタ→スイッチSL2のコレクタ→O端子
LN1:N端子→低電位側導電部材Bn→スイッチSL1のエミッタ
LN2:N端子→低電位側導電部材Bn→スイッチSL2のエミッタ
また、駆動回路DrH,DrLにおいて、L1〜L8は以下のインダクタンス成分である。
L1:第1ゲート端子G1
L3:第2ゲート端子G2
L5:第1エミッタ端子KE1
L7:第2エミッタ端子KE2
L2:スイッチSL1のゲート及び第1ゲート端子G1を接続する経路
L4:スイッチSL2のゲート及び第2ゲート端子G2を接続する経路
L6:スイッチDH1のエミッタ及び第1エミッタ端子KE1を接続する経路
L8:スイッチDH2のエミッタ及び第2エミッタ端子KE2を接続する経路
尚、Rbは、バランス抵抗を示す。
図4には、3相のうち何れか1相について、上アーム部20Hを構成する各スイッチSH1,SH2がオン状態とされ、下アーム部20Lを構成する各スイッチSL1,SL2がオフ状態とされている例を示す。この状態では、図中に一点鎖線で示す
P端子→第1上アームスイッチSH1→O端子→2相分の巻線21A→
図示しない他相の下アーム部20L→N端子
という経路で電流が流れる。また、図中に破線で示す
P端子→第2上アームスイッチSH2→O端子→2相分の巻線21A→
図示しない他相の下アーム部20L→N端子
という経路で電流が流れる。
図5には、上アーム部20Hを構成する各スイッチSH1,SH2がオフ状態に切り替えられ、下アーム部20Lを構成する各スイッチSL1,SL2がオン状態に切り替えられた例を示す。この状態では、誘導性負荷としての巻線21Aの存在に起因して、図中に一点鎖線で示す
第1下アームダイオードDL1→O端子→巻線21A→
図示しない他相の下アーム部20Lを有するループ経路
に電流が流れ続ける。また、図中に破線で示す
第2下アームダイオードDL2→O端子→巻線21A→
図示しない他相の下アーム部20Lを有するループ経路
に電流が流れ続ける。
図6には、上アーム部20Hを構成する各上アームスイッチSH1,SH2が再度オン状態に切り替えられ、下アーム部20Lを構成する各下アームスイッチSL1,SL2が再度オフ状態に切り替えられた例を示す。この場合、第2下アームダイオードDL2には、逆電圧が印加されることに起因してリカバリ電流が流れる。その後、リカバリ電流の流通が完了すると、低電位側導電部材Bnにサージ電圧が発生する。このサージ電圧は、リカバリ電流の減少速度dI/dtと低電位側導電部材Bn等のインダクタンスLとの乗算値に比例する。サージ電圧が発生すると、第2下アームスイッチSL2のエミッタ電位VE2が、第1下アームスイッチSL1のエミッタ電位VE1よりも相対的に低くなる。
その後、図7に示すように、第1下アームダイオードDL1に逆電圧が印加されることに起因して、第1下アームダイオードDL1にリカバリ電流が流れる。リカバリ電流の流通が完了すると、低電位側導電部材Bnにサージ電圧が発生する。サージ電圧の発生に起因して、第1下アームスイッチSL1のエミッタ電位VE1が、第2下アームスイッチSL2のエミッタ電位VE2よりも相対的に低くなる。
このように、各下アームスイッチSL1,SL2のエミッタ電位に差が生じることに起因して、図8に示すように、各下アームスイッチSL1,SL2のゲート及びエミッタ容量Cgeを含むループ経路においてLC共振が発生する。図8には、ループ経路の一例を破線の矢印にて示した。
LC共振が発生すると、各ゲート端子G1,G2、各エミッタ端子KE1,KE2、及び各センス端子SE1,SE2等の印加電圧がその定格値を超え、各下アームスイッチSL1,SL2が誤動作したり、各センス電圧の検出精度が低下したりするといった問題が生じる。この問題に対処すべく、各アームスイッチのスイッチング速度を低下させることも考えられる。ただしこの場合、スイッチング損失が増加して、車両の燃費が悪化する懸念がある。
なお、各下アームスイッチSL1,SL2がオン状態に切り替えられると共に、各上アームスイッチSH1,SH2がオフ状態に切り替えられる場合においても、下アーム部20Lと同様に、上アーム部20HにおいてLC共振が発生する。
図9には、先の図4の構成を参照して、各アーム部20H,20Lが1つのアームスイッチで構成されている例を示した。この場合、リカバリ電流の流通の完了に起因してサージ電圧が発生したとしても、LC共振は発生しない。これは、サージ電圧が発生しても、第2下アームスイッチSL2のエミッタ電位VE2と、放電スイッチ36のソース側電位VE3とに差が発生しないためである。
本実施形態では、上述したLC共振現象を抑制するため、図2に示したように、各ダイオード33,34,51を備えている。これにより、充電側ループ経路及び放電側ループ経路におけるLC共振を抑制する。尚、並列抵抗素子52の作用については後述するので、ダイオード51に関しては抵抗素子52を無視することとする。ここで、充電側ループ経路は、以下(C1)〜(C3)に説明する経路である。
(C1)スイッチSL1側の第1容量Cge1、スイッチSL1のゲート、第1ゲート端子G1、第1接続点T1、第2ゲート端子G2、スイッチSL2のゲート及びエミッタ、スイッチSL2側の第2容量Cge2、第2エミッタ端子KE2、第1エミッタ端子KE1、及びスイッチSL1のエミッタを含む第1充電側ループ経路。
(C2)第1容量Cge1、スイッチSL1のゲート、第1ゲート端子G1、第1接続点T1、対象素子(放電用抵抗素子35、スイッチ38A、38Bの何れか)、第1エミッタ端子KE1、及び第1下アームスイッチSL1のエミッタを含む第2充電側ループ経路。
(C3)第2容量Cge2、スイッチSL2のゲート、第2ゲート端子G2、第1接続点T1、対象素子、第2エミッタ端子KE2、及びスイッチSL2のエミッタを含む第3充電側ループ経路。
第1〜第3充電側ループ経路のそれぞれに充電側ダイオード33A又は33Bを配置したことで、各充電側ループ経路に流れる電流の流通方向を一方向のみに制限できる。その結果、各充電側ループ経路におけるLC共振を抑制することができる。
一方、第1〜第3放電側ループ経路D1,D2,D3は、それぞれ以下のようになる。
第1放電側ループ経路D1:充電側ループ経路C2より接続点T1を除いたもの
第2放電側ループ経路D2:充電側ループ経路C1の接続点T1を
接続点T2に置換したもの
第3放電側ループ経路D3:充電側ループ経路C3より接続点T1を除いたもの
第1〜第3放電側ループ経路D1〜D3に放電側ダイオード34,51を配置したことで、これらのループ経路に流れる電流の流通方向を一方向のみに制限できる。その結果、ループ経路D1〜D3におけるLC共振を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、各アーム部を構成する各アームダイオードのリカバリ電流の流通完了タイミングが相違する場合であっても、LC共振を抑制することができる。
更に、本実施形態ではゲート電圧検出部55を備えたことに伴い、ダイオード51に並列に抵抗素子52を接続している。次に、この意義について説明する。駆動制御部40は、スイッチSLのターンオフ時においてゲート電圧を監視し、ゲート電圧がある程度低下した時点でオフ保持スイッチ38をオンすることで、スイッチSLのオフ状態を保持させる。そのため、ゲート電圧が低くなる領域での検出精度を高める必要がある。
ところが、スイッチSLのゲートがオフ保持スイッチ38に繋がる経路には、上述したように、LC共振を防止するためのダイオード51を配置している。これにより、ゲート電圧検出部55が抵抗素子53及び54の直列回路を介して検出するゲート電圧には、当初は順方向電圧Vf分の電圧降下が生じる。そして、ゲート電圧が順方向電圧Vf未満になると、ダイオード51はオフするため、ゲート電圧検出部55はゲート電圧を検出できなくなる。
そこで、ダイオード51に並列に抵抗素子52を接続することで、ダイオード51がオフする期間の電流を抵抗素子52に通電させることで、前記期間におけるゲート電圧検出部55によるゲート電圧の検出を可能にしている。
ここで、抵抗素子52〜54の抵抗値をそれぞれR52〜R54とすると、抵抗値R52については、LC共振を抑制可能な値を最小値として、
R52≪R53+R54
に設定する。これにより、スイッチSLのゲート電圧をVg1,ゲート電圧検出部55が検出するゲート電圧をVg2とすると、
Vg2=Vg1×R54/(R52+R53+R54)
≒Vg1×R54/(R53+R54)
となる。
以上のように本実施形態によれば、2つの下アームスイッチSL1,SL2を並列駆動する駆動回路DrLにおいて、ゲート端子Gc,Gd及びGhをスイッチSLのゲートに接続する。また、前記ゲートに、スイッチSLをターンオンする際に充電電流を流す充電スイッチ30及び充電用端子Gcを含む充電経路Lt,Lchと、スイッチSLのゲート及びエミッタ間に、スイッチSLをターンオフする際に放電電流を流す放電スイッチ36及び放電用端子Gdを含む放電経路Ldisとを備える。
ダイオード33は、前記ゲート及びエミッタを含み前記充電経路の一部を形成する充電側ループ経路C1〜C3に配置され、オンすると充電電流を流す。ダイオード34,51は、前記ゲート及びエミッタを含み前記放電経路の一部を形成する放電側ループ経路D1〜D3に配置され、オンすると放電電流を流す。ゲート電圧検出部55を、ダイオード51のカソード側に接続し、抵抗素子52を、ダイオード51に並列接続した。
このように構成すれば、放電時にスイッチSLのゲート電圧が低下してダイオード51の順方向電圧Vf未満となっても、抵抗素子52により電流をバイパスさせることができる。したがって、駆動回路DrLとスイッチSLとの間の接続端子数を削減するため、ゲート電圧検出部55をダイオード51のカソード側に接続しても、ゲート電圧が0Vの近傍に低下した領域でも正確に検出できる。
そして、ダイオード51のカソードとスイッチSLのエミッタとの間に抵抗素子53及び54からなる分圧回路を接続し、この分圧回路をオフ保持スイッチ38により短絡する経路を形成するオフ保持経路Loffを備える。これにより、スイッチSLをターンオフさせた際に、スイッチSLのオフ状態を確実に維持できる。
更に、ダイオード34及び51を、全ての放電側ループ経路D1〜D3に係るように配置したので、LC共振現象を確実に防止できる。
また、充電経路が定電圧31に接続される電源経路Ltと、電源経路Ltから分岐してスイッチSL1,SL2それぞれのゲートに接続される分岐経路Lchとを有する際に、ダイオード33A,33Bを分岐経路Lchに配置した。これにより、スイッチSLをターンオンさせる際のLC共振も防止できる。そして、ダイオード33を、全ての充電側ループ経路C1〜C3に係るように配置したので、LC共振現象を確実に防止できる。
加えて、並列接続された2つのスイッチSL1及びSL2によって、直列接続された上アーム部20H及び下アーム部20を構成したので、インバータ回路20に適用できる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図10に示すように、第2実施形態では、抵抗素子53の一端を、ゲート端子Ghに替えてゲート端子Gdに接続している。それに伴い、抵抗素子52を、ダイオード51に替えてダイオード34に対し並列に接続している。以上のように構成される第2実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図11に示すように、第3実施形態では、抵抗素子53の一端を、ゲート端子Ghに替えてゲート端子Gcに接続している。それに伴い、抵抗素子52を、ダイオード51に替えてダイオード33に対し並列に接続している。この場合、ゲート電圧検出部55は、スイッチSLのターンオン時におけるゲート電圧を検出し、駆動制御部40Aは、ターンオン時に必要となる制御を行う。ダイオード51は、充電側通電素子に相当する。
以上のように構成される第3実施形態によれば、抵抗素子52を、ダイオード51に替えてダイオード33に対し並列に接続したので、ゲート電圧検出部55は、スイッチSLのターンオン時におけるゲート電圧が0Vの近傍にある領域でも正確に検出できる。
(第4実施形態)
図12に示すように、第4実施形態は、第1実施形態では駆動回路DrLに対し、外付けしていたダイオード33,34及び51並びに抵抗素子52を駆動ICの内部に配置することで、駆動回路DrL_Aを構成している。この場合も、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
図13に示すように、第5実施形態は、第2実施形態では駆動回路DrLに対し、外付けしていたダイオード33,34及び51並びに抵抗素子52を駆動ICの内部に配置することで、駆動回路DrL_Bを構成している。この場合も、第2実施形態と同様の効果が得られる。
(第6実施形態)
図14に示すように、第6実施形態は、第3実施形態では駆動回路DrLに対し、外付けしていたダイオード33,34及び51並びに抵抗素子52を、駆動ICの内部に配置することで駆動回路DrL_Cを構成している。この場合も、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第7実施形態)
図15に示すように、第7実施形態は、例えば第1実施形態の構成にオープン検出判定部61を追加することで、駆動回路DrL_Dを構成している。オープン検出判定部61の入力端子は、ゲート電圧検出部55の出力端子に接続されており、オープン検出判定部61の出力端子は、駆動制御部40Bの入力端子に接続されている。また、オープン検出判定部61には、駆動制御部40BがスイッチSLに出力するゲート駆動信号も入力されている。オープン検出判定部61はオープン判定部に相当する。また、ゲート駆動信号は制御信号に相当する。
次に、第7実施形態の作用について説明する。図16に示すように、オープン検出判定部61は、駆動制御部40BがスイッチSLをターンオンさせるためゲート駆動信号をハイレベルにしている期間に、ゲート電圧検出部55によりゲート電圧が検出されない状態になると、駆動制御部40Bに与えるオープン検出判定信号をアクティブレベルのハイにする。駆動制御部40Bは、オープン検出判定信号がアクティブになると、駆動回路DrL_DとスイッチSLのゲートとの間に断線が発生したと判断する。そして、スイッチSLの駆動を停止すると共に、例えばユーザに対する報知処理などを行う。
以上のように第7実施形態によれば、オープン検出判定部61は、駆動制御部40BがスイッチSLに出力するゲート駆動信号と、ゲート電圧検出部55により検出されるゲート電圧とに基づいて、スイッチSLのゲートがオープン状態になったことを検出できる。
(その他の実施形態)
第1実施形態において、第1充電側ダイオード33A及び第2充電側ダイオード33Bのうちいずれか一方を除去してもよい。この場合であっても、第1〜第3充電側ループ経路におけるLC共振を抑制できる。
第1実施形態において、第1,第2充電側ダイオード33A,33Bの組、及び第1,第2放電側ダイオード34A,34Bの組のうちいずれか一方を除去してもよい。なお、第1,第2充電側ダイオード33A,33Bの組を除去する場合、上記(C1)で説明した第1充電側ループ経路に発生するLC共振は抑制されない。
充電側通電素子,放電側通電素子は、ダイオード33,34に限ることはない。要は導通状態になるとそれぞれ充電電流,放電電流を流すように制御可能な素子であれば良い。
第1実施形態において、第1ゲート端子G1から第1オフ保持スイッチ38Aを介して第1エミッタ端子KE1に至るまでの放電経路における第1放電側ダイオード34Aの設置位置を変更してもよい。例えば、上記放電経路のうち第1オフ保持スイッチ38Aよりも第1エミッタ端子KE1側に第1放電側ダイオード34Aを設けてもよい。具体的には、短絡経路ESにおいて、第1センス抵抗素子37Aの第2端との接続点よりも第1オフ保持スイッチ38A側に第1放電側ダイオード34Aを設けてもよい。この場合、第1放電側ダイオード34Aの電圧降下量が第1センス電圧の検出精度に及ぼす影響を排除できる。ちなみに、上記短絡経路において、第1センス抵抗素子37Aの第2端との接続点よりも第1エミッタ端子KE1側に第1放電側ダイオード34Aを設けてもよい。
なお、第1放電側ダイオード34Aについて上述した事項は、第2放電側ダイオード34Bについても同様に適用できる。
オフ保持スイッチ38は、必要に応じて設ければ良い。
インバータを構成する電圧制御型スイッチは、IGBTに限らず例えばNチャネルMOSFETであってもよい。この場合、MOSFETのゲート及びソース間に容量Cgsが形成される。さらにこの場合、スイッチに逆並列に接続される還流ダイオードは、MOSFETのボディダイオードとしてもよいし、MOSFETに逆並列に接続された外付けのダイオードとしてもよい。
各アーム部を構成するスイッチの並列接続数は、2つに限らず3つ以上であってもよい。この場合、これらスイッチのうち、少なくとも2つのスイッチに逆並列接続された還流ダイオードに流れるリカバリ電流の流通完了タイミングが相違することにより、LC共振が発生する。
インバータは3相のものに限らず、2相又は4相以上のものであってもよい。要は、少なくとも2相分の上,下アーム部を備え、各相の上,下アーム部の接続点であるO端子が誘導性負荷によって接続されている構成であればよい。
駆動回路は、車両に搭載されるものに限らない。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、33A,33Bは第1,第2充電側ダイオード、34A,34Bは第1,第2放電側ダイオード、38A,38Bは第1,第2オフ保持スイッチ、52〜54は抵抗素子、SH1,SH2,SL1,SL2は各アームスイッチ、DH1,DH2,DL1,DL2は各アームダイオード、DrH,DrLは駆動回路である。

Claims (12)

  1. 逆並列に接続される還流ダイオード(DH1,DH2,DL1,DL2)を有する電圧制御型の半導体スイッチ(SH1,SH2,SL1,SL2)が、複数並列接続されたものを駆動対象とし、
    前記半導体スイッチの導通制御端子に接続される充電用端子及び放電用端子と、
    前記複数の半導体スイッチそれぞれの導通制御端子に、前記半導体スイッチをオン状態に切り替える際に充電電流を流す充電スイッチ(30)及び前記充電用端子を含む充電経路(Lt,Lch)と、
    前記複数の半導体スイッチそれぞれの導通制御端子及び低電位側導通端子間に、前記半導体スイッチをオフ状態に切り替える際に放電電流を流す放電スイッチ(36)及び前記放電用端子を含む放電経路(Ldis)と、
    前記導通制御端子及び低電位側導通端子を含み前記充電経路の一部を形成する充電側ループ経路に配置され、導通状態になると前記充電電流を流す充電側通電素子(33A,33B)と、
    前記導通制御端子及び低電位側導通端子を含み前記放電経路の一部を形成する放電側ループ経路に配置され、導通状態になると前記放電電流を流す放電側通電素子(34A,34B)と、
    前記充電側通電素子及び/又は前記放電側通電素子の電流出力端子に接続される電圧検出部(55A,55B)と、
    前記充電側通電素子及び/又は前記放電側通電素子に並列接続される抵抗素子(52A,52B)とを備え、
    少なくとも、前記充電スイッチ,前記放電スイッチ及び前記電圧検出部が駆動IC(DrH,DrL,DrL_A,DrL_B,DrL_C)として構成されている半導体スイッチの駆動装置。
  2. 前記放電側通電素子は、ダイオードである請求項1記載の半導体スイッチの駆動装置。
  3. 前記電圧検出部は、前記放電側通電素子の電流出力端子と前記半導体スイッチの低電位側導通端子との間に接続される分圧回路(53,54)を備え、
    前記分圧回路を短絡する経路を形成するオフ保持経路(Loff)を備える請求項1又は2記載の半導体スイッチの駆動装置。
  4. 前記放電側通電素子は、前記オフ保持経路に配置され、前記放電電流が流れる方向に整流作用を有するオフ側通電素子である請求項3記載の半導体スイッチの駆動装置。
  5. 前記オフ保持経路に設けられ、前記分圧回路を短絡する際にオンされるオフ保持スイッチ(38A,38B)を備える請求項4記載の半導体スイッチの駆動装置。
  6. 前記放電側通電素子は、前記放電側ループ経路が複数形成されている際に、それらの全てに配置されている請求項1から5の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
  7. 前記充電経路は、
    電源(31)に接続される電源経路(Lt)と、
    この電源経路から分岐して、前記複数の半導体スイッチそれぞれの導通制御端子に接続される分岐経路(Lch)とを備え、
    前記充電側通電素子は、前記分岐経路に配置されている請求項1から6の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
  8. 前記充電側通電素子は、ダイオード(33A,33B)である請求項7記載の半導体スイッチの駆動装置。
  9. 前記充電側通電素子は、前記充電側ループ経路が複数形成されている際に、それらの全てに配置されている請求項1から8の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
  10. 並列接続された前記複数の半導体スイッチは、直列接続された上アーム部(20H)及び下アーム部(20L)のそれぞれを構成する請求項1から9の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
  11. 前記導通制御端子に入力される制御信号と、
    前記電圧検出部により検出される電圧とに基づいて、前記導通制御端子がオープン状態になったことを検出するオープン判定部(61A,61B)を備える請求項1から10の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
  12. 前記駆動IC(DrL_A,DrL_B,DrL_C)は、前記充電側通電素子,前記放電側通電素子及び前記並列抵抗素子を含んで構成されている請求項1から11の何れか一項に記載の半導体スイッチの駆動装置。
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