JP2018147960A - 圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだの濡れ拡がりに起因する実装不良を抑制しつつ、変位を効率的に得ることができる圧電素子を提供する。【解決手段】圧電素子1は、互いに対向する一対の主面3a,3bと、一対の主面3a,3bを連結するように延びる4つの側面3c〜3fと、を有する圧電素体3と、少なくとも一対の主面3a,3b上に配置され、圧電素体3に電圧を印加するための第1電極5及び第2電極7と、を備え、第1電極5及び第2電極7の少なくとも一方は、4つの側面3c〜3fのうちの一対の側面3e,3fの対向方向において、一方の側面3eから他方の側面3fにわたって延びる領域A1,A2を有し、領域A1,A2には、当該領域A1,A2の延在方向に沿って、圧電素体3側に凹む凹部30,32が複数並んで設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、圧電素子に関する。
従来の圧電素子として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の圧電素子は、圧電素体と、圧電素子に電圧を印加する第1の電極及び第2の電極と、第1の電極上に配置され、第1の電極よりもはんだの濡れ性が低い導電膜と、を備えている。
国際公開第2011/145453号
圧電素子をランド電極等に実装したときに、はんだが濡れ拡がると、圧電素子とランド電極とを接合するために十分なはんだを確保できなくなるおそれがある。一方の電極とランド電極との間のはんだの量が不足すると、圧電素子に傾きが生じることがある。これにより、他方の電極とランド電極との間のはんだに応力が加わり、実装不良となるおそれがある。従来の圧電素子では、導電膜のはんだの濡れ性を第1電極よりも低くすることにより、圧電素子をはんだ実装したときに、第1の電極におけるはんだの濡れ拡がりの抑制を図っている。しかしながら、従来の圧電素子では、第1の電極上に導電膜が広範囲にわたって配置されているため、導電膜が圧電素体の活性部の変位を阻害するおそれがある。したがって、従来の圧電素子では、変位を効率的に得ることができない。
本発明の一側面は、はんだの濡れ拡がりに起因する実装不良を抑制しつつ、変位を効率的に得ることができる圧電素子を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る圧電素子は、互いに対向する一対の主面と、一対の主面を連結するように延びる4つの側面と、を有する圧電素体と、少なくとも一対の主面上に配置され、圧電素体に電圧を印加するための第1電極及び第2電極と、を備え、第1電極及び第2電極の少なくとも一方は、4つの側面のうちの一対の側面の対向方向において、一方の側面から他方の側面にわたって延びる領域を有し、領域には、当該領域の延在方向に沿って、圧電素体側に凹む凹部が複数並んで設けられている。
本発明の一側面に係る圧電素子では、第1電極及び第2電極の少なくとも一方は、一対の側面の対向方向に沿って延びる領域を有している。この領域には、当該領域の延在方向に沿って、圧電素体側に凹む凹部が複数並んで設けられている。この構成では、電極にはんだが付与されたときに、はんだが濡れ拡がった場合であっても、はんだが領域に設けられた凹部に到達すると、圧電素体側に向かって凹む凹部によってはんだの濡れ拡がりが抑制される。したがって、第1電極及び/又は第2電極とランド電極等との間のはんだの量を確保でき、はんだの量のアンバランスによって圧電素子に傾きが発生することを抑制できるため、はんだに応力が加わることを抑制できる。これにより、はんだの濡れ拡がりに起因する実装不良を抑制できる。また、圧電素子では、第1電極及び/又は第2電極の一部の領域に凹部が設けられている。そのため、凹部は、圧電素体の活性部の変位を阻害しない。したがって、圧電素子では、活性部の変位を効率的に得ることができる。
一実施形態においては、複数の凹部それぞれの開口縁部には、第1電極又は第2電極の表面よりもはんだの濡れ性が低い第1部材が設けられていてもよい。この構成では、凹部の開口縁部に設けられた第1部材によって、はんだの濡れ拡がりをより一層抑制できる。
一実施形態においては、複数の凹部は、領域において行列状に配置されていてもよい。この構成では、はんだの濡れ拡がる方向においても凹部が設けられているため、はんだの濡れ拡がりをより一層抑制できる。
一実施形態においては、複数の凹部は、領域において千鳥状に配置されていてもよい。この構成では、例えば、一対の側面の対向方向で隣接する2つの凹部の間をはんだが進行した場合であっても、その進行方向の先の位置に凹部が設けられている。したがって、はんだの濡れ拡がりをより一層抑制できる。
一実施形態においては、第1電極及び第2電極のそれぞれは、複数の金属層が積層されて形成されており、複数の凹部それぞれの内側面には、合金からなる第2部材が設けられていてもよい。この構成では、凹部の内側面に合金からなる第2部材を設けることにより、第1電極及び第2電極を構成する複数の金属層の密着性の向上が図れる。
本発明の一側面によれば、はんだの濡れ拡がりに起因する実装不良を抑制しつつ、変位を効率的に得ることができる。
図1(a)及び図1(b)は、一実施形態に係る圧電素子の斜視図である。 図2は、図1(a)におけるII-II線に沿った断面構成を示す図である。 図3(a)及び図3(b)は、圧電素子の平面図である。 図4(a)及び図4(b)は、凹部の配置を示す図である。 図5(a)は、凹部の断面構成を示す図であり、図5(b)は、凹部の平面図である。 図6(a)は、凹部の断面構成を示す図であり、図6(b)は、凹部の平面図である。 図7は、圧電素子の実装構造を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、圧電素子1は、圧電素体3と、第1電極5及び第2電極7と、を備えている。圧電素子1は、例えば、磁気ディスクを備えたディスク装置などに適用される。すなわち、デュアル・アクチュエータ方式のディスク装置において、ボイスコイルモータ以外の第二のアクチュエータとして、圧電素子1が用いられる。
圧電素体3は、一対の主面3a,3bと、一対の端面(側面)3c,3dと、一対の側面3e,3fと、を有している。本実施形態では、圧電素体3は、直方体形状を呈している。一対の主面3a,3bのそれぞれは、略長方形状を呈している。一対の端面3c,3dは、主面3a,3bの長辺方向において対向している。一対の側面3e,3fは、主面3a,3bの短辺方向において対向している。
圧電素体3は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料としては、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb、La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)などが挙げられる。本実施形態では、圧電素体3は、圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体である圧電素体層が積層されて構成されている。圧電素体3では、複数の圧電素体層の積層方向が一対の主面3a,3bの対向方向と一致する。実際の圧電素体3では、各圧電素体層は、各圧電素体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
圧電素体3は、内部電極9と、内部電極11と、備えている。各内部電極9,11は、例えば、平面視で、略長方形状を呈している。各内部電極9,11は、積層型の電子素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、Ni、Pt又はPdなど)からなる。各内部電極9,11は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
図1又は図2に示されるように、第1電極5は、第1電極部分5aと、第2電極部分5bと、を有している。第1電極部分5aは、一方の主面3a上に配置されている。第1電極部分5aの他方の端面3d側の端部は、他方の端面3dよりも一方の端面3c側に位置している。すなわち、第1電極部分5aの一対の端面3c,3dの対向方向の長さは、一対の端面3c,3d間の長さよりも短い。これにより、第1電極部分5aの他方の端面3d側の端部は、後述する第2電極7の第3電極部分7cの一方の端面3c側の端部と離間している。第2電極部分5bは、一方の端面3c上に配置されている。第1電極部分5a及び第2電極部分5bは、一体的に形成されている。第2電極部分5bは、内部電極9の一端と物理的に接触している。これにより、第1電極5は、内部電極9に電気的に接続されている。
第1電極5は、第1層(金属層)15と、第2層(金属層)17と、第3層(金属層)19と、から構成されている。第1層15、第2層17及び第3層19は、圧電素体3側からこの順番で配置(積層)されている。第1層15は、Crからなる。第2層17は、NiCuからなる。第3層19は、Auからなる。本実施形態では、第1層15、第2層17及び第3層19それぞれの厚みは、例えば、同等である。
第2電極7は、第1電極部分7aと、第2電極部分7bと、第3電極部分7cと、を有している。第1電極部分7aは、他方の主面3b上に配置されている。第1電極部分7aの一方の端面3c側の端部は、一方の端面3cよりも他方の端面3d側に位置している。すなわち、第1電極部分7aの一対の端面3c,3dの対向方向の長さは、一対の端面3c,3d間の長さよりも短い。これにより、第1電極部分7aの一方の端面3c側の端部は、第1電極5の第2電極部分5bの他方の主面3b側の端部と離間している。第2電極部分7bは、他方の端面3d上に配置されている。第3電極部分7cは、一方の主面3a上に配置されている。第3電極部分7cの一方の端面3c側の端部は、第1電極5の第1電極部分5aの他方の端面3d側の端部と離間している。第2電極部分7bは、内部電極11の一端と物理的に接触している。これにより、第2電極7は、内部電極11に電気的に接続されている。
第2電極7は、第1層(金属層)21と、第2層(金属層)23と、第3層(金属層)25と、から構成されている。第1層21、第2層23及び第3層25は、圧電素体3側からこの順番で配置されている。第1層21は、Crからなる。第2層23は、NiCuからなる。第3層25は、Auからなる。本実施形態では、第1層21、第2層23及び第3層25それぞれの厚みは、例えば、同等である。
第1電極5及び第2電極7は、内部電極9,11を介して、圧電素体3に電圧を印加するための電極として機能する。圧電素子1では、圧電素体3における、第1電極5の第1電極部分5aと内部電極11とで挟まれた領域、内部電極9と内部電極11とで挟まれた領域、及び、第2電極7の第2電極部分7bと内部電極9とで挟まれた領域が、活性部となり、電圧が印加されたときに変位する。
本実施形態では、図3(a)に示されるように、第1電極5の第1電極部分5aは、領域A1を有する。領域A1は、第1電極5の第1電極部分5aにおいて、圧電素体3の端面3c側に設けられている。領域A1は、一対の側面3e,3fの対向方向において、一方の側面3eから他方の側面3fにわたって帯状に延在している。領域A1は、一対の端面3c,3dの対向方向において所定の幅を有している。
領域A1には、複数の凹部30が設けられている。凹部30は、圧電素体3側に凹んでいる。本実施形態では、凹部30は、圧電素体3を露出させている。具体的には、凹部30は、圧電素体3の一方の主面3aを露出させる。すなわち、凹部30は、第1電極5の第1層15、第2層17及び第3層19を貫通している。凹部30は、平面視において(一対の主面3a,3bの対向方向から見て)、略円形状を呈している。凹部30の直径(図5(a)に示される開口端30cの直径)は、例えば、0.01mm程度である。凹部30は、例えば、レーザーの照射により形成される。具体的には、一対の主面3a,3bの対向方向に沿ってレーザーを照射する。このとき、レーザーが第1層15、第2層17及び第3層19に到達するように、第3層19側からレーザーを照射する。レーザーの強度は、第1電極5の特性(材料、厚み等)に応じて適宜設定する。
凹部30は、領域A1の延在方向に沿って並んで配置されている。本実施形態では、領域A1の延在方向に沿って並ぶ複数の凹部30の列が、一対の端面3c,3dの対向方向において所定の間隔をあけて6列設けられている。凹部30は、千鳥状に配置されている。具体的には、一の列において隣接する一対の凹部30の間に、当該一の列に隣接する他の列の凹部30が配置されている。
図4(a)に示されるように、凹部30は、一対の側面3e,3fの対向方向において、距離D1をあけて配置されている。距離D1は、凹部30の中心間の距離である。距離D1は、例えば、0.02mm程度である。凹部30は、一対の端面3c,3dの対向において、距離D2をあけて配置されている。距離D2は、凹部30の中心間の距離である。距離D2は、例えば、0.02mm程度である。
図5(a)及び図5(b)に示されるように、凹部30の開口縁部30aには、第1部材33が設けられている。本実施形態では、開口縁部30aは、開口端30cから径方向において所定距離だけ外側の領域である。本実施形態では、第1部材33は、開口縁部30aの全周にわたって設けられている。第1部材33は、第1電極5の第3層19よりもはんだのぬれ性が低い材料で形成されている。本実施形態では、第1部材33は、例えば、第3層19を形成するAuよりのはんだのぬれ性が低いNiCuである。
凹部30の内側面30bには、第2部材34が設けられている。本実施形態では、第2部材34は、圧電素体3の主面3aから凹部30の開口端30cまで延びていると共に、内側面30bの全周にわたって設けられている。第2部材34は、合金で形成されている。本実施形態では、第2部材34は、例えば、NiCuである。本実施形態では、第1部材33と第2部材34とは、一体に形成されている。
第2電極7の第1電極部分7aは、領域A2を有する。領域A2は、第2電極7の第1電極部分7aにおいて、圧電素体3の端面3d側に設けられている。領域A2は、一対の側面3e,3fの対向方向に沿って帯状に延在している。領域A2は、一対の端面3c,3dの対向方向において所定の幅を有している。
領域A2には、複数の凹部32が設けられている。凹部32は、圧電素体3側に凹んでいる。本実施形態では、凹部32は、圧電素体3を露出させている。具体的には、凹部32は、圧電素体3の一方の主面3bを露出させる。すなわち、凹部32は、第2電極7の第1層21、第2層23及び第3層25を貫通している。凹部32は、平面視において、略円形状を呈している。凹部32の直径(図6(a)に示される開口端32cの直径)は、例えば、0.01mm程度である。
凹部32は、領域A2の延在方向に沿って並んで配置されている。本実施形態では、領域A2の延在方向に沿って並ぶ複数の凹部32の列が、一対の端面3c,3dの対向方向において所定の間隔をあけて6列設けられている。凹部32は、千鳥状に配置されている。具体的には、一の列において隣接する一対の凹部32の間に、当該一の列に隣接する他の列の凹部32が配置されている。
図4(b)に示されるように、凹部32は、一対の側面3e,3fの対向方向において、距離D3をあけて配置されている。距離D3は、凹部32の中心間の距離である。距離D3は、例えば、0.02mm程度である。凹部32は、一対の端面3c,3dの対向において、距離D4をあけて配置されている。距離D4は、凹部32の中心間の距離である。距離D4は、例えば、0.02mm程度である。
図6(a)及び図6(b)に示されるように、凹部32の開口縁部32aには、第1部材35が設けられている。本実施形態では、開口縁部32aは、開口端32cから径方向において所定距離だけ外側の領域である。本実施形態では、第1部材35は、開口縁部32aの全周にわたって設けられている。第1部材35は、第2電極7の第3層25よりもはんだのぬれ性が低い材料で形成されている。本実施形態では、第1部材35は、例えば、第3層25を形成するAuよりのはんだのぬれ性が低いNiCuである。
凹部32の内側面32bには、第2部材36が設けられている。本実施形態では、第2部材36は、圧電素体3の主面3bから凹部32の開口端32cまで延びていると共に、内側面32bの全周にわたって設けられている。第2部材36は、合金で形成されている。本実施形態では、第2部材36は、例えば、NiCuである。本実施形態では、第1部材35と第2部材36とは、一体に形成されている。
図7に示されるように、圧電素子1は、ランド電極L1,L2にはんだS1,S2で実装される。具体的には、圧電素子1の第2電極7の第3電極部分7cとランド電極L1とが対向するように配置し、第1電極5の第1電極部分5aとランド電極L2とが対向するように配置する。すなわち、圧電素体3の主面3aが実装面となるように圧電素子1を配置する。第3電極部分7cとランド電極L1とをはんだS1により接合し、第1電極部分5aとランド電極L2とをはんだS2により接合する。
はんだS2は、第1電極部分5aとランド電極L2とがはんだS2により接合されるとき、第1電極部分5aにおいて濡れ拡がる。第1電極部分5aで濡れ拡がったはんだS2は、領域A1に到達すると、拡がりが抑制される。なお、はんだS2は、第2電極部分5bにも濡れ拡がり得る。
以上説明したように、本実施形態に係る圧電素子1では、第1電極5及び第2電極7は、一対の側面3e,3fの対向方向に沿って延びる領域A1,A2を有している。この領域A1,A2には、当該領域A1,A2の延在方向に沿って、圧電素体3を露出させる凹部30,32が複数並んで設けられている。この構成では、電極にはんだが付与されたときに、はんだが濡れ拡がった場合であっても、はんだが領域A1,A2に設けられた凹部30,32に到達すると、圧電素体3を露出させる深さを有する凹部30,32によってはんだの濡れ拡がりが抑制される。したがって、第1電極5及び/又は第2電極7とランド電極等との間のはんだの量を確保でき、はんだの量のアンバランスによって圧電素子1に傾きが発生することを抑制できるため、はんだに応力が加わることを抑制できる。これにより、はんだの濡れ拡がりに起因する実装不良を抑制できる。また、圧電素子1では、第1電極5及び/又は第2電極7の一部の領域A1,A2に凹部30,32が設けられている。そのため、凹部30,32は、圧電素体3の活性部の変位を阻害しない。したがって、圧電素子1では、活性部の変位を効率的に得ることができる。
また、本実施形態に係る圧電素子1は、第1電極5及び第2電極7の領域A1,A2に凹部30,32が設けられていることにより、以下の作用効果を奏し得る。圧電素子1は、電圧が印加されたとき変位に伴って伸縮する。このとき、第1電極5及び第2電極7は、伸縮しない。本実施形態に係る圧電素子1では、第1電極5及び第2電極7に凹部30,32が設けられているため、変位による伸縮の際に第1電極5及び第2電極7に生じる応力を、凹部30,32によって緩和できる。したがって、圧電素子1では、伸縮に起因する応力によって、第1電極5及び第2電極7が破損すること等を抑制できる。
本実施形態に係る圧電素子1では、複数の凹部30,32それぞれの開口縁部30a,32aには、第1電極5又は第2電極7の表面よりもはんだの濡れ性が低い第1部材33,35が設けられている。この構成では、凹部30,32の開口縁部30a,32aに設けられた第1部材33,35によって、はんだの濡れ拡がりをより一層抑制できる。
本実施形態に係る圧電素子1では、複数の凹部30,32は、領域A1,A2において行列状に配置されていている。具体的には、複数の凹部30,32は、領域A1,A2において千鳥状に配置されていている。この構成では、例えば、一対の側面3e,3fの対向方向で隣接する2つの凹部30(32)の間をはんだが進行した場合であっても、その進行方向の先の位置に凹部30(32)が設けられている。したがって、はんだの濡れ拡がりをより一層抑制できる。
本実施形態に係る圧電素子1では、第1電極5は、第1層15、第2層17及び第3層19が積層されて形成されており、第2電極7は、第1層21、第2層23及び第3層25が積層されて形成されている。複数の凹部30,32それぞれの内側面30b,32bには、合金からなる第2部材34,36が設けられている。この構成では、凹部30,32の内側面30b,32bに合金からなる第2部材34,36を設けることにより、第1電極5及び第2電極7を構成する複数の金属層の密着性の向上が図れる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、凹部30,32が圧電素体3側に凹んでおり、圧電素体3を露出させる形態を一例に説明した。しかし、凹部は、圧電素体側に凹んでいればよく、圧電素体を露出させていなくてもよい。例えば、複数の凹部のうち、全ての凹部が圧電素体を露出させていてもよいし、一部の凹部が圧電素体を露出させいてもよいし、全ての凹部が圧電素体を露出させていなくてもよい。また、圧電素体3を露出させるとは、凹部30,32の開口面積の大部分において圧電素体3が露出している状態、及び、圧電素体3の少なくとも一部が露出している状態を含み得る。
上記実施形態では、第1電極5が第1層15、第2層17及び第3層19からなり、第2電極7が第1層21、第2層23及び第3層25からなる形態を一例に説明した。しかし、第1電極5及び第2電極7の構成はこれに限定されない。例えば、圧電素子の第1電極(第2電極)は、第1層と、第2層との2層から構成されていてもよい。第1層は、例えばNiCrであり、第2層は、例えばAuからなる。第1層の厚みは、第2層の厚みよりも厚いことが好ましい。例えば、第1層の厚みは、第2層の厚みの2倍である。
上記実施形態では、第1電極5が領域A1を有し、第2電極7が領域A2を有する形態を一例に説明した。しかし、第1電極5及び第2電極7の少なくとも一方が、凹部が設けられた領域を有していればよい。上記実施形態においては、少なくとも、第1電極5が領域A1を有していればよい。
上記実施形態では、凹部30,32が円形状を呈している形態を一例に説明した。しかし、凹部の形状は、例えば、矩形状などであってもよい。
上記実施形態では、凹部30,32が千鳥状に配置されている形態を一例に説明した。しかし、凹部の配置形態はこれに限定されない。凹部は、領域A1,A2において、領域A1,A2の延在方向において複数並んで配置されていればよい。
上記実施形態では、凹部30の開口縁部30aに第1部材33が設けられており、内側面30bに第2部材34が設けられている形態を一例に説明した。しかし、第1部材及び第2部材が設けられていなくてもよいし、第1部材及び第2部材の少なくとも一方が設けられていてもよい。また、第2部材34は、圧電素体3の主面3a上の一部に設けられていてもよい。凹部32の第1部材35及び第2部材36についても同様である。
上記実施形態では、凹部30の開口縁部30aの全周にわたって第1部材33が連続的に設けられている形態を一例に説明した。しかし、第1部材は、開口縁部30aにおいて断続的に設けられていてもよい。また、凹部30の内側面30bの全周にわたって第2部材34が連続的に設けられている形態を一例に説明した。しかし、第2部材は、内側面30bにおいて断続的に設けられていてもよい。凹部32の第1部材35及び第2部材36についても同様である。
上記実施形態では、第1電極5及び第2電極7を形成する材料の一例を挙げて説明した。しかし、電極を形成する材料は上記実施形態に記載の材料に限定されない。
上記実施形態では、凹部30,32をレーザーの照射により形成する形態を一例に説明した。しかし、凹部30,32の形成方法は、他の方法であってもよい。
1…圧電素子、3…圧電素体、3a,3b…主面、3c,3d…端面(側面)、3e,3f…側面、5…第1電極、7…第2電極、30,32…凹部、30a,32a…開口縁部、30b,32b…内側面、33,35…第1部材、34,36…第2部材、A1,A2…領域。

Claims (5)

  1. 互いに対向する一対の主面と、一対の前記主面を連結するように延びる4つの側面と、を有する圧電素体と、
    少なくとも一対の前記主面上に配置され、前記圧電素体に電圧を印加するための第1電極及び第2電極と、を備え、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方は、4つの前記側面のうちの一対の前記側面の対向方向において、一方の前記側面から他方の前記側面にわたって延びる領域を有し、
    前記領域には、当該領域の延在方向に沿って、前記圧電素体側に凹む凹部が複数並んで設けられている、圧電素子。
  2. 複数の前記凹部それぞれの開口縁部には、前記第1電極又は前記第2電極の表面よりもはんだの濡れ性が低い第1部材が設けられている、請求項1に記載の圧電素子。
  3. 複数の前記凹部は、前記領域において行列状に配置されている、請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 複数の前記凹部は、前記領域において千鳥状に配置されている、請求項3に記載の圧電素子。
  5. 前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれは、複数の金属層が積層されて形成されており、
    複数の前記凹部それぞれの内側面には、合金からなる第2部材が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電素子。
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