JP5151006B2 - 圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電体と複数の個別電極及びコモン電極とを有する圧電素子に関するものである。
従来の圧電素子としては、例えば特許文献1に記載されているように、2次元マトリックス状に配列された複数の個別電極とコモン電極とで圧電体を挟持するように形成してなるものが知られている。
特開2004−140193号公報
しかしながら、上記従来技術においては、圧電体における個別電極とコモン電極とで挟持された部位(個別変位部)が2次元マトリックス状に形成されることになる。このような構成では、各個別電極とコモン電極との間に電圧を印加して各個別変位部を伸縮(変位)させたときに、隣り合う個別変位部同士が互いに干渉し合う、いわゆるクロストークが発生し、各個別変位部の所望な変位コントロールが行いにくいという問題があった。
本発明の目的は、複数の個別電極を2次元的に配列した構造においても、圧電体間のクロストークを防止することができる圧電素子を提供することである。
本発明は、圧電体を挟んで対向する複数の個別電極及びコモン電極を有する素子本体を備えた圧電素子であって、複数の個別電極は、コモン電極と対向する方向に直交する第1の方向及び第2の方向に2次元的に配列されており、コモン電極は、個別電極の各々に対応する位置に形成された複数の電極パターン部と、個別電極の各々に対応する位置において電極パターン部と第2の方向に隣接するように形成され個別電極の各々に電気的に接続された複数の個別電極中継パターンとを有し、素子本体において第1の方向に隣り合う各個別電極の間及び電極パターン部の間には、個別電極及び電極パターン部に沿って延びる開口を有するスリットが設けられており、第2の方向に隣り合う各個別電極は、第1の方向にずれており、圧電体は、個別電極とコモン電極の電極パターン部とに挟まれた個別変位部と、個別変位部以外の圧電不活性部とを含み、スリットは、第1及び第2の方向に直交する方向からみて、個別電極及び電極パターン部の長手方向に沿って延在すると共に個別電極中継パターン間まで至らないように圧電不活性部に設けられていることを特徴とするものである。
このような圧電素子において、個別電極とコモン電極との間に電圧を印加すると、圧電体における個別電極とコモン電極とに挟まれた部分(個別変位部)が伸縮(変位)する。個別電極は第1の方向及び第2の方向に沿って2次元的に配列されているため、個別変位部は、これに対応して第1の方向及び第2の方向に沿って2次元的に配列されることになる。ここで、素子本体において第1の方向に隣り合う各個別電極の間にはスリットが設けられているので、圧電体における当該各個別電極間の部分が物理的に分断される。このため、第1の方向に隣り合う個別変位部同士の干渉(クロストーク)が防止される。また、圧電体における個別変位部以外の部分による個別変位部の変位の拘束が殆ど生じないため、個別変位部の変位量を増大させることができる。さらに、第2の方向に隣り合う各個別電極は第1の方向にずれているので、第2の方向に隣り合う各個別変位部は第2の方向に対して斜めに位置することになり、当該各個別変位部間の距離が長くなる。これにより、第2の方向に隣り合う個別変位部同士のクロストークも防止することができる。
好ましくは、第2の方向に隣り合う各スリットは、個別電極に対応して第1の方向にずれている。これにより、素子本体においては、第1の方向だけでなく第2の方向に対しても個別電極に隣接してスリットが形成されることになる。このため、第2の方向に隣り合う個別変位部同士のクロストークを一層防止することができる。
また、好ましくは、スリットは、素子本体における個別電極とコモン電極との対向方向に交差する一面に開口するように凹状をなしている。この場合には、素子本体の各個別変位部の強度低下を抑えることができる。また、例えば素子本体を一体焼成して形成する場合に、一体焼成時のスリットの変形を防ぐことができる。さらに、各個別変位部の変位が伝達される部材を、素子本体における個別電極とコモン電極との対向方向に交差する他面に接合する場合には、接合強度が高くなる等、製作面で有利である。
また、スリットは、素子本体を個別電極とコモン電極との対向方向に貫通するように形成されていても良い。この場合には、素子本体における各個別電極の間にスリットを設けることによる効果が十分に発揮されるため、隣り合う個別変位部同士のクロストークをより確実に防止することができる。
本発明によれば、複数の個別電極を2次元的に配列した構造においても、圧電体のクロストークを防止することができる。これにより、複数の個別電極を2次元的に高密度に配置することで、圧電素子の小型化や高集積化を図ることが可能となる。
以下、本発明に係わる圧電素子の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す断面図である。同図において、本実施形態の圧電素子1は積層型圧電素子であり、素子本体である積層体2を備えている。積層体2は、圧電体3と、この圧電体3を挟んで対向するように形成された複数の内部個別電極4及び内部コモン電極5とを有している。これらの各内部個別電極4及び内部コモン電極5は、圧電体3を介して交互に積層されている。積層体2の上面2aには、各内部個別電極4とそれぞれ電気的に接続された複数の個別端子電極6と、内部コモン電極5と電気的に接続されたコモン端子電極7とが設けられている。
圧電体3は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とした圧電セラミック材料で形成されている。内部個別電極4及び内部コモン電極5は、例えばAg及びPdで形成され、個別端子電極6及びコモン端子電極7は、例えばAg、Au、Cuのいずれかで形成されている。
積層型圧電素子1は、図2に示すように、複数種類の電極付き圧電体8〜12を所定の数(ここでは10層)だけ重ねた構造を有している。各層の内部個別電極4は、積層体2の積層方向つまり内部個別電極4と内部コモン電極5との対向方向(Z軸方向)に直交する同一面内のX軸方向(第1の方向)及びY軸方向(第2の方向)に2次元的に配列されている。内部個別電極4は、X軸方向長さよりもY軸方向長さが大きい長方形状をなしている。電極付き圧電体8〜12の寸法は、例えば10mm×30mmであり、電極付き圧電体8〜12の厚さは、例えば30μm程度である。
図1に戻り、圧電体3において、各内部個別電極4と内部コモン電極5とに挟まれた複数の部位は、両者間に電圧を印加した時に伸縮動作(変位)する圧電活性部(個別変位部)3aであり、この圧電活性部3a以外の部位は、内部個別電極4と内部コモン電極5との間に電圧を印加しても変位しない圧電不活性部3bである。
積層体2においてX軸方向に隣り合う各内部個別電極4間の圧電不活性部3bには、積層体2の上面2aに開口する凹状のスリット13が形成されている。このスリット13は、積層体2のX軸方向の最も端に位置する各内部個別電極4の外側にも形成されている。スリット13は、積層体2の上面2aから下方に向けて最下層の圧電体3まで延びている。
圧電活性部3aの長さ(Y軸方向寸法)は、例えば1.8mm程度であり、圧電活性部3bの幅(X軸方向寸法)は、例えば150μm程度である。また、スリット13の長さ(Y軸方向寸法)は、例えば圧電活性部3aの長さと同じ1.8mm程度であり、スリット13の幅(X軸方向寸法)は、例えば50μm程度である。
電極付き圧電体8は、図3に示すように、基体である上記の圧電体3と、この圧電体3の上面に形成され、上記の内部個別電極4を形成する複数の個別電極パターン14及びコモン電極中継パターン15とを有している。例えば複数の個別電極パターン14は、X軸方向に75個、Y軸方向に4個といった75行4列に配列されている。Y軸方向に隣り合う各個別電極パターン14は、ほぼ個別電極パターン14の幅分だけX軸方向にずれている。つまり、個別電極パターン14は、Y軸方向に対しては互い違いに配列されている。コモン電極中継パターン15は、圧電体3の一端部に形成されている。また、電極付き圧電体8には、各個別電極パターン14と電気的に接続された複数のスルーホール16と、コモン電極中継パターン15と電気的に接続されたスルーホール17とが設けられている。
さらに、電極付き圧電体8において、X軸方向に隣り合う各個別電極パターン14の間には、上記のスリット13の一部を作り出すためのスリット孔18がそれぞれ設けられている。このスリット孔18は、X軸方向の最も端に位置する各個別電極パターン14の外側にも設けられている。スリット孔18は、個別電極パターン14の長手方向に沿ってY軸方向に延在する開口を有している。Y軸方向に隣り合う各スリット孔18は、個別電極パターン14に対応してX軸方向にずれている。つまり、スリット孔18は、Y軸方向に対しては互い違いに配列されている。
電極付き圧電体9は、図4に示すように、圧電体3と、この圧電体3の上面に形成され、上記の内部個別電極4を形成する複数の個別電極パターン19及びコモン電極中継パターン20とを有している。個別電極パターン19は、電極付き圧電体8の個別電極パターン14と対応するように2次元的に配列されている。コモン電極中継パターン20は、電極付き圧電体8のコモン電極中継パターン15と対応する位置に形成されている。また、電極付き圧電体9には、コモン電極中継パターン20と電気的に接続されたスルーホール21が設けられている。
さらに、電極付き圧電体9には、上記のスリット13の一部を作り出すための複数のスリット孔22が設けられている。このスリット孔22は、電極付き圧電体8のスリット孔18と対応するように2次元的に配列されている。
電極付き圧電体10は、図5に示すように、圧電体3と、この圧電体3の上面に形成され、上記の内部コモン電極5を形成するコモン電極パターン23と複数の個別電極中継パターン24とを有している。コモン電極パターン23は、電極付き圧電体8の各個別電極パターン14に対応する位置に形成された複数の電極パターン部23aと、電極付き圧電体8のコモン電極パターン15に対応する位置に形成された電極パターン部23bとを含んでいる。個別電極中継パターン24は、個別電極パターン14に対応する位置において電極パターン部23aとY軸方向に隣接するように形成されている。また、電極付き圧電体10には、各個別電極中継パターン24と電気的に接続された複数のスルーホール25と、コモン電極パターン23と電気的に接続されたスルーホール26とが設けられている。スルーホール26は、電極パターン部23bの領域内に形成されている。
さらに、電極付き圧電体10には、上記のスリット13の一部を作り出すための複数のスリット孔27が設けられている。このスリット孔27は、電極付き圧電体8のスリット孔18と対応するように2次元的に配列されている。
電極付き圧電体11は、図6に示すように、圧電体3と、この圧電体3の上面に形成され、上記の内部コモン電極5を形成するコモン電極パターン28とを有している。コモン電極パターン28は、電極付き圧電体10の各電極パターン部23aに対応する位置に形成された複数の電極パターン部28aと、電極パターン部23bに対応する位置に形成された電極パターン部28bとを含んでいる。
電極付き圧電体12は、図7に示すように、圧電体3と、この圧電体3の上面に形成された上記の複数の個別端子電極6及び上記のコモン端子電極7とを有している。各個別端子電極6は、電極付き圧電体10の各個別電極中継パターン24に対応する位置に形成されている。コモン端子電極7は、電極付き圧電体8のコモン電極中継パターン15に対応する位置に形成されている。また、電極付き圧電体12には、各個別端子電極6と電気的に接続された複数のスルーホール29と、コモン端子電極7と電気的に接続されたスルーホール30とが設けられている。
さらに、電極付き圧電体12には、上記のスリット13の一部を作り出すための複数のスリット孔31が設けられている。このスリット孔31は、電極付き圧電体8のスリット孔18と対応するように2次元的に配列されている。
積層型圧電素子1は、図2に示すように、上から順に電極付き圧電体12、電極付き圧電体10、電極付き圧電体8、電極付き圧電体10…電極付き圧電体8、電極付き圧電体10、電極付き圧電体9及び電極付き圧電体11を重ねた構造をなしている。このとき、圧電体3において、個別電極パターン14と電極パターン部23aとに挟まれる部位、個別電極パターン19と電極パターン部23aとに挟まれる部位、個別電極パターン19と電極パターン部28aとに挟まれる部位が、上記の圧電活性部3a(図1参照)を構成している。また、スリット孔18,22,27,31によって、内部個別電極4に沿って延びる開口を有する上記の凹状スリット13が形成される。
最上層の電極付き圧電体12に設けられた個別端子電極6は、スルーホール29、個別電極中継パターン24、スルーホール25、個別電極パターン14及びスルーホール16を介して、下から2層目の電極付き圧電体9に設けられた個別電極パターン19と電気的に接続される。また、最上層の電極付き圧電体12に設けられたコモン端子電極7は、スルーホール30、コモン電極パターン23、スルーホール26、コモン電極中継パターン15、スルーホール17、コモン電極中継パターン20及びスルーホール21を介して、最下層の電極付き圧電体11に設けられたコモン電極パターン28と電気的に接続される。
次に、上述した積層型圧電素子1を製造する方法について説明する。まず、例えばPZT(粉体密度8000kg/m3)を主成分とした圧電セラミックを用意し、これに有機バインダ・有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、例えばドクターブレード法によって上記ペーストをPETフィルム等のキャリアフィルム上に塗布することで、上記の圧電体3となるセラミックグリーンシートを形成する。
続いて、グリーンシートにYAGレーザの第3次高調波(波長355nm)のレーザ光を照射することで、グリーンシートに複数のスリット孔を形成する。レーザ光を用いることにより、幅狭のスリット孔を容易に且つ精度良く形成することができる。また、上記と同様にYAGレーザのレーザ光を照射して、グリーンシートにスルーホールを形成する。このとき、スルーホールを、例えば上径が50μm、下径が40μmのテーパー状となるように形成する。なお、最下層の電極付き圧電体11を形成するためのグリーンシートについては、スリット孔及びスルーホールの形成を行う必要はない。
そして、例えばAg:Pd=7:3の比率で構成された導電材料と有機バインダ・有機溶剤等とを混合したペーストを作製し、例えばスクリーン印刷法によりスルーホール内に導電ペーストを充填する。続いて、例えば同様の導電ペーストを用いて、例えばスクリーン印刷法によりグリーンシートの上面に内部電極パターンを形成する。
続いて、内部電極パターンやスリット孔が形成された複数種類のグリーンシートを所定の枚数だけ所定の順序で積層する。そして、そのグリーン積層体に対し、例えば60℃程度の熱を加えながら100MPa程度の圧力でプレス加工を行い、各層のグリーンシートを圧着させる。その後、グリーン積層体を所定の寸法に切断する。
続いて、グリーン積層体をセッターに載せ、グリーン積層体の脱脂(脱バインダ)を例えば400℃前後の温度で10時間程度行う。その後、グリーン積層体が載置されたセッターを密閉こう鉢内に入れ、グリーン積層体の焼成を例えば1100℃程度の温度で2時間程度行い、焼結体としての積層体2を得る。
続いて、焼成後の積層体2の上面2aに、例えばAgからなる複数の個別端子電極6及びコモン端子電極7を形成する。この端子電極の形成手法としては、焼付け、スパッタリング、無電解メッキ法などが用いられる。そして、例えば温度120℃の環境下で、圧電体3の厚みに対する電界強度が3kV/mmとなるように所定の電圧を例えば3分間印加することにより、分極処理を行う。これにより、圧電アクチュエータとしての積層型圧電素子1が完成する。
なお、凹状のスリット13の形成手法としては、上記のようなグリーンシートにレーザ光を照射してスリット孔を形成することの他に、グリーンシートの状態で又は積層体の作製後に、研磨加工やパンチング加工等を用いて行っても良い。
このような積層型圧電素子1において、任意の個別端子電極6とコモン端子電極7との間に電圧を印加すると、選択された個別端子電極6の直下に位置する内部個別電極4と内部コモン電極5との間にも電圧が印加されることになる。これにより、圧電体3における該当する内部個別電極4と内部コモン電極5とに挟まれる圧電活性部3aに電界が生じ、この圧電活性部3aが積層体2の積層方向(Z軸方向)に変位するようになる。
このとき、積層体2においてX軸方向に隣り合う各内部個別電極4の間には、凹状のスリット13が形成されているので、X軸方向に隣り合う各圧電活性部3a間の部分が空間を介して切り離されることになる。これにより、X軸方向に隣り合う圧電活性部3a同士の変位による機械的干渉や電界強度等の電気的干渉といったクロストークが抑えられる。
また、積層体2においてY軸方向に隣り合う各内部個別電極4は、Y軸方向に対して垂直なX軸方向にずれている。つまり、Y軸方向に沿った各内部個別電極4の真横位置には隣の内部個別電極4が存在せず、その隣の内部個別電極4はY軸方向に対して斜め位置に存在することになる。このため、Y軸方向に隣り合う2つの内部個別電極4間の距離は、その分だけ長くなる。しかも、Y軸方向に沿った各内部個別電極4の真横位置には、スリット13が形成されている。これにより、Y軸方向に隣り合う圧電活性部3a同士の変位によるクロストークも十分抑えられる。
さらに、X軸方向に沿った各内部個別電極4の真横位置とY軸方向に沿った各内部個別電極4の真横位置とには、上記のようにスリット13が存在しているので、圧電活性部3aの変位が圧電不活性部3bに拘束されることが十分抑制される。これにより、圧電活性部3aの変位量を増大させることができる。
従って、積層型圧電素子1の小型化及び高集積化に対処すべく、本実施形態のように内部個別電極4を2次元的に高密度に配列した場合であっても、圧電活性部3aの所望な変位が得られるようになるため、各圧電活性部3aを高精度に制御することが可能となる。
また、スリット13は積層体2の上面2aのみに開口する凹部構造であるため、例えば積層体の側面に開放端をもったスリットを有する構造に比べて、積層体2の圧電活性部3aの機械的強度が高くなる。このため、積層型圧電素子1を駆動させる時の取り扱いが容易になると共に、積層型圧電素子1の耐久性及び信頼性を向上させることができる。このとき、積層体2においてスリット13が形成されない層は最下層だけであるため、圧電活性部3aの変位の阻害による影響は最小限に抑えられる。
なお、スリット孔の無い最下層の電極付き圧電体としては、上記の電極付き圧電体11(図6参照)の代わりに、図8に示すように、圧電体3の上面にベタ状のコモン電極パターン32を形成してなる電極付き圧電体33を用いても良い。また、コモン電極パターン及びスリット孔を有する電極付き圧電体についても、特に図示はしないが、圧電体3の上面にベタ状のコモン電極パターンを形成してなるものを用いても良い。この場合には、電極付き圧電体におけるコモン電極パターンの領域内にスリット孔を形成する。
図9は、上述した積層型圧電素子1を備えた圧電ユニットを示す部分断面図である。同図において、圧電ユニット40は、積層型圧電素子1における積層体2の下面(変位伝達面)2bに固定された液体流通部41を備えている。
液体流通部41は、圧電体3の変位が伝達される液体を収容するための複数の液室42を形成する壁部43を有している。各液室42は、内部個別電極4に対応する位置に設けられている。液体流通部41の底部には、圧電体3の変位が液室42内の液体に伝わった時に液室42内から液体を流出させるための液体流出口44が設けられている。なお、壁部43は、クロム合金鋼やニッケル合金鋼等の金属系材料、樹脂、セラミック等で形成されている。また、液室42に貯めておく液体としては、例えば純水を主成分とし、グリセリンとノンイオン系の界面活性剤とを混合したものを使用する。
液体流通部41の各液室42には予め液体が入っており、その液体が積層体2の変位伝達面2bに接触している。その状態で、何れかの個別端子電極4とコモン端子電極5との間に所定の電圧を印加すると、当該個別端子電極4に対応する圧電活性部3aが積層体2の積層方向に変位する。これにより、その変位が対応する液室42内に入っている液体に伝えられ、その液体が液体流出口44から出るようになる。
このような圧電ユニット40を作製するときは、各液室42が各内部個別電極4の真下に位置するように液体流通部41を積層型圧電素子1に対して位置決めした状態で、壁部43を積層体2の下面2bに接着して貼り付ける。このとき、積層体2に形成されたスリット13は、積層体2の下面2bに開放端の無い凹部である。このため、壁部43を積層体2の下面2bに接着固定する際に、スリット13が障害になることは無い。従って、圧電ユニット40の作製が容易に且つ安価に行えると共に、積層体2と液体流通部41との接着力を高くすることができる。
図10は、本発明に係わる圧電素子の他の実施形態を示す断面図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の積層型圧電素子50は、圧電体3、複数の内部個別電極4及び内部コモン電極5を有する積層体51を備えている。積層体51には、上記実施形態における凹状のスリット13に代えて、積層体51を積層方向(Z軸方向)に貫通するスリット52が形成されている。
積層型圧電素子50は、図11に示すように、上記実施形態における電極付き圧電体11に代えて電極付き圧電体53を最下層に設けた構造を有している。つまり、積層型圧電素子50は、電極付き圧電体8〜10,12,53を所定の数だけ重ねた構造を有している。
電極付き圧電体53は、図12に示すように、上記実施形態における電極付き圧電体11と同じ構成のコモン電極パターン28を有している。また、電極付き圧電体53には、上記のスリット52の一部を作り出すための複数のスリット孔54が形成されている。このスリット孔54は、電極付き圧電体8のスリット孔18と対応するように2次元的に配列されている。具体的には、スリット孔54は、X軸方向に隣り合う各電極パターン部28a間の部位と、X軸方向の最も端に位置する各電極パターン部28aの外側部位とに形成されている。そして、Y軸方向に隣り合う各スリット孔54は、互いにX軸方向にずれている。
上記のスリット52は、電極付き圧電体8〜10,12,53に設けられたスリット孔18,22,27,31,54によって形成される。これにより、スリット52は、内部個別電極4の長手方向に沿って延在する開口を有することとなる。
このような積層型圧電素子50においても、圧電体3におけるX軸方向及びY軸方向に隣り合う圧電活性部3a同士の変位によるクロストークを防止することができる。また、スリット52は積層体51の積層方向に貫通しているので、圧電活性部3aの変位が圧電不活性部3bに拘束されることが更に抑制される。これにより、圧電活性部3aの変位量を十分増大させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の圧電素子は、複数層の圧電体3を有する積層型圧電素子であるが、特に大きな変位を必要としない場合には、圧電体3を単層構造としても良い。
また、上記実施形態では、圧電素子を液体制御用の圧電ユニット40に適用したが、本発明の圧電素子は、圧電体3の変位を伝達させる対象物が液体ではなく流動性を有する固体や気体のものにも適用可能である。
本発明に係わる圧電素子の一実施形態を示す断面図である。 図1に示した圧電素子の分解斜視図である。 図2に示した電極付き圧電体の一つを示す平面図である。 図2に示した電極付き圧電体の他の一つを示す平面図である。 図2に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図2に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図2に示した電極付き圧電体の更に他の一つを示す平面図である。 図6に示した最下層の電極付き圧電体の変形例を示す平面図である。 図1に示した圧電素子を備えた圧電ユニットを示す部分拡大断面図である。 本発明に係わる圧電素子の他の実施形態を示す断面図である。 図10に示した圧電素子の分解斜視図である。 図11に示した最下層の電極付き圧電体を示す平面図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…積層体(素子本体)、3…圧電体、4…内部個別電極、5…内部コモン電極、13…スリット、50…積層型圧電素子、51…積層体(素子本体)、52…スリット。


Claims (4)

  1. 圧電体を挟んで対向する複数の個別電極及びコモン電極を有する素子本体を備えた圧電素子であって、
    前記複数の個別電極は、前記コモン電極と対向する方向に直交する第1の方向及び第2の方向に2次元的に配列されており、
    前記コモン電極は、前記個別電極の各々に対応する位置に形成された複数の電極パターン部と、前記個別電極の各々に対応する位置において前記電極パターン部と前記第2の方向に隣接するように形成され前記個別電極の各々に電気的に接続された複数の個別電極中継パターンとを有し、
    前記素子本体において前記第1の方向に隣り合う前記各個別電極の間及び前記電極パターン部の間には、前記個別電極及び前記電極パターン部に沿って延びる開口を有するスリットが設けられており、
    前記第2の方向に隣り合う前記各個別電極は、前記第1の方向にずれており、
    前記圧電体は、前記個別電極と前記コモン電極の前記電極パターン部とに挟まれた個別変位部と、前記個別変位部以外の圧電不活性部とを含み、
    前記スリットは、前記第1及び第2の方向に直交する方向からみて、前記個別電極及び前記電極パターン部の長手方向に沿って延在すると共に前記個別電極中継パターン間まで至らないように前記圧電不活性部に設けられている、ことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第2の方向に隣り合う前記各スリットは、前記個別電極に対応して前記第1の方向にずれていることを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記スリットは、前記素子本体における前記個別電極と前記コモン電極との対向方向に交差する一面に開口するように凹状をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電素子。
  4. 前記スリットは、前記素子本体を前記個別電極と前記コモン電極との対向方向に貫通するように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の圧電素子。
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