JP2003246061A - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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JP2003246061A
JP2003246061A JP2002052240A JP2002052240A JP2003246061A JP 2003246061 A JP2003246061 A JP 2003246061A JP 2002052240 A JP2002052240 A JP 2002052240A JP 2002052240 A JP2002052240 A JP 2002052240A JP 2003246061 A JP2003246061 A JP 2003246061A
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ink
piezoelectric ceramic
actuator
ceramic layer
recording head
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Shin Ishikura
慎 石倉
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Kyocera Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電セラミック層と金属層とを順次積層した振
動部と、厚み方向に分極処理を施した圧電セラミック層
と電極層とを順次積層した駆動部とからなるアクチュエ
ータを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、上記
アクチュエータの駆動特性を高め、インク滴の吐出速度
を向上させる。 【解決手段】圧電セラミック層と金属層とを順次積層し
た振動部と、厚み方向に分極処理を施した圧電セラミッ
ク層と電極層とを順次積層した駆動部とからなるアクチ
ュエータの振動部を流路部材側に接合するとともに、駆
動部を振動部のインク室と対向する位置に独立して配置
し、かつ駆動部及び振動部を形成する圧電セラミック層
を同種のセラミックスにより形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字や画像の印刷
に用いる各種プリンターや記録計、ファクシミリ、ある
いは捺染分野や窯業分野で文様形成等に用いられる印刷
機等の記録装置に搭載されるインクジェット記録へッド
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの普及
やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出
カする記録装置として、インクジェット方式の記録装置
の利用が急速に拡大している。
【0003】かかるインクジェット方式の記録装置は、
多階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低い
ことから将来性が注目されている。
【0004】図6に従来のインクジェット記録ヘッドの
一例を示すように、このインクジェット記録ヘッド70
は、複数の隔壁63によって仕切られた複数のインク室
62を有する流路部材50と、各インク室62内に充填
されるインクを加圧するアクチュエータ41とからな
る。
【0005】流路部材50は、3層の板状体52,5
6,59と最下層のノズル板61とからなり、最上層の
板状体52には複数のスリット51が並設され、二層目
の板状体56とでインク室62を形成するとともに、イ
ンク室62を仕切る壁を隔壁63とし、二層目の板状体
56には各スリット51と連通するインク供給孔53、
インク案内孔54、インク導入穴55を、三層目の板状
体59にはインク案内孔54と連通するインク案内孔5
8、及びインク供給孔53及びインク導入穴55と連通
するインク溜57をそれぞれ備え、インク案内孔58は
ノズル板61のインク吐出孔60と連通するようになっ
ていた。
【0006】また、アクチュエータ41は、圧電セラミ
ック層43,46と金属層44,47,48とを複数枚
積層した後、焼成一体化した積層型圧電素子からなり、
このうち、複数枚の圧電セラミック層43と、この圧電
セラミック層43と略同等の面積を有する金属層44と
を順次積層した領域を振動部42とし、残りの圧電セラ
ミック層46と、金属層47,48とを順次積層した領
域を駆動部45としたもので、駆動部45を形成する金
属層47,48はインク室62と略同等の面積に形成さ
れていた。なお、アクチュエータ41の駆動部45にお
ける圧電セラミック層46は厚み方向に予め分極処理を
施してある。
【0007】そして、アクチュエータ41の電極層4
7,48が流路部材50のインク室62上に位置するよ
うに位置合わせした後、アクチュエータ41の振動部4
2と流路部材50の隔壁63とを接着にて接合すること
によりインクジェット記録ヘッド70を形成するように
なっていた(特開平3−274159号公報参照)。
【0008】また、このインクジェット記録ヘッド70
によりインク滴を吐出するには、アクチュエータ41の
駆動部45における電極層47,48間に電圧を印加し
て駆動部45をその幅方向において伸縮運動させると、
駆動部45の一方の主面側は振動部42によって拘束さ
れているために撓み振動を起こし、さらに振動部42は
流路部材50の隔壁63によって拘束されていることか
ら、インク室62の一部を構成する振動部42が撓み振
動し、この時の減圧力によってインク溜57よりインク
供給孔53を介してインク室62内にインクを補充し、
また、加圧力を発生させることによりインク室62内の
インクを加圧し、インク案内孔54,58を介してイン
ク吐出孔61よりインク滴を吐出するようになってい
た。
【0009】このように、アクチュエータ41として積
層型圧電素子を用いたものは、大きな撓み振動を発生さ
せることができるため、インク吐出力を向上させること
ができるとともに、駆動部45と振動部42を形成する
圧電セラミック層43,46を同一のセラミックスによ
り形成することで、複数枚積層して一体化しても剥離等
を生じることがないため、長期間にわたって使用するこ
とができるといった利点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、高画
質化が要求され、この要求に伴って隣り合うインク吐出
孔60の間隔を600μm以下と狭くすることが求めら
れるようになっている。しかしながら、図6に示すイン
クジェット記録ヘッド70は、隣り合うインク室62上
の駆動部45が互いに繋がっており、一体的に形成され
ているため、隣り合うインク吐出孔60の間隔が600
μm以下と狭くなると、一つのインク室62上に位置す
る電極層47,48間に電圧を印加して振動させると、
その振動が隣のインク室62にも伝わってインク滴の吐
出に悪影響を与えるクロストーク現象が発生するといっ
た課題があった。
【0011】また、図6に示すインクジェット記録ヘッ
ド70では、アクチュエータ41の駆動部45に積層型
圧電素子を用いていることから、一層の圧電素子からな
るものと比較して大きな振動を発生させることができ、
大きなインク吐出力を得易いものの、その性能を十分に
発揮することができないといった課題もあった。
【0012】即ち、大きなインク吐出力を得るために
は、インク室62上に位置する電極層47,48間の圧
電セラミック部46の伸縮を大きくすれば良いのである
が、電極層47,48間の圧電セラミック部46の伸縮
は、両隣りの電極層47,48間にある圧電セラミック
部46によって拘束されるため、一つのインク室62上
に位置する電極層47,48間に印加した電圧に見合っ
た伸縮振動をさせることができず、その結果、大きなイ
ンク吐出力を得ることができなかった。
【0013】なお、印加電圧を大きくしてインク吐出力
を大きくする方法もあるが、この場合、消費電力が大き
くなるとともに、アクチュエータ41の発熱が大きくな
り、インク室62内のインクの粘度に悪影響を与え、イ
ンク滴の安定した吐出ができなくなるといった課題があ
り、また、駆動部45の積層数を増やしてインク吐出力
を大きくする方法では、静電容量が増加することから消
費電力が大きくなるとともに、アクチュエータ41の駆
動部45が変形し難くなり、インク吐出力を向上させる
ことができなくなるといった課題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、複数の隔壁によって仕切られた複数のインク
室を有する流路部材と、上記各インク室内のインクを加
圧するアクチュエータとからなるインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、上記アクチュエータを、圧電セラミック
層と金属層とを順次積層した振動部と、厚み方向に分極
処理を施した圧電セラミック層と電極層とを順次積層し
た駆動部とから構成し、上記振動部を上記流路部材の隔
壁と接合するとともに、上記駆動部を上記振動部のイン
ク室と対向する位置に独立して配置し、さらに上記駆動
部及び振動部を形成する圧電セラミック層を同種のセラ
ミックスにより形成するとともに、上記駆動部及び振動
部を焼結にて接合一体化したことを特徴とする。
【0015】また、上記駆動部の厚みはアクチュエータ
の厚みの30%〜70%とすることが好ましい。
【0016】なお、本発明において、「駆動部を振動部
のインク室と対向する位置に独立して配置する」とは、
隣り合うインク室上に位置する各駆動部が互いに独立し
て形成されており、連続的に繋がっていないことを言
う。従って、一つの駆動部の側面は、隣の駆動部と接触
しなければ、隔壁上にまで延設されていても構わない。
【0017】また、本発明は、このインクジェット記録
ヘッドを製造するにあたり、未焼結の圧電セラミック層
上に金属層及び電極層となる金属ペーストを印刷したも
のを複数枚積層して焼成一体化することにより積層型圧
電素子を製作し、この積層型圧電素子を、複数の隔壁に
よって仕切られた複数のインク室を有する流路部材の隔
壁上に接合した後、上記積層型圧電素子の各隔壁と対向
する位置に、ブラスト加工を施して上記積層型圧電素子
の厚みの30%〜70%の深さの溝を形成することによ
り、上記溝で仕切られた領域を駆動部、上記溝下部を振
動部とするアクチュエータを形成し、上記駆動部の電極
層間に電圧を印加してその間にある圧電セラミック層に
分極処理して製造したことを特徴とする。
【0018】さらに、本発明は、上記インクジェット記
録ヘッドの他の製造として、未焼結の圧電セラミック層
上に金属層となる金属ペーストを印刷したものを複数枚
積層して振動部を形成した後、上記振動部上に間隔を開
けて、未焼結の圧電セラミック層上に電極層となる金属
ペーストを印刷したものを複数枚積層して駆動部を形成
し、該駆動部と振動部とを焼結にて接合一体化してアク
チュエータを製作した後、このアクチュエータを複数の
隔壁によって仕切られた複数のインク室を有する流路部
材の隔壁上に接合し、次いで上記駆動部の電極層間に電
圧を印加してその間にある圧電セラミック層に分極処理
して製造したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0020】図1は本発明のインクジェット記録ヘッド
の一例を示す図で、(a)は一部を破断した斜視図、
(b)は(a)の要部を拡大した断面図である。
【0021】このインクジェット記録ヘッド30は、複
数の隔壁23によって仕切られた複数のインク室22を
有する流路部材10と、各インク室22内に充填される
インクを加圧するアクチュエータ1とからなる。
【0022】流路部材10は、3層の板状体12,1
6,19と最下層のノズル板21とからなり、最上層の
板状体12には複数のスリット11が並設され、二層目
の板状体16とでインク室22を形成するとともに、イ
ンク室22を仕切る壁を隔壁23とし、二層目の板状体
16には各スリット11と連通するインク供給孔13、
インク案内孔14、インク導入穴15を、三層目の板状
体19にはインク案内孔14と連通するインク案内孔1
8、及びインク供給孔13とインク導入穴15と連通す
るインク溜17をそれぞれ備え、インク案内孔18はノ
ズル板21のインク吐出孔20と連通するようになって
いる。
【0023】なお、流路部材10を形成する板状体1
2,16,19及びノズル板21を形成する材質として
は、ステンレス、モリブデン、鉄−ニッケル系合金等の
金属材料や、シリカを主成分とするガラス、あるいはシ
リコンを用いることができ、板状体12に形成するスリ
ット11、板状体16に形成するインク供給孔13、イ
ンク案内孔14、インク導入穴15、板状体19に形成
するインク案内孔18及びインク溜17、ノズル板21
に形成するインク吐出孔20は、それぞれ金型による打
ち抜き加工やフォトリソグラフィ法による精密マスクを
用いたエッチング加工等によって形成することができ
る。
【0024】また、アクチュエータ1は、図1(b)に
示すように、圧電セラミック層3,6と金属層4及び電
極層7,8とを複数枚積層した後、焼成一体化した積層
型圧電素子からなり、圧電セラミック層3と金属層4を
順次積層した領域を振動部2とするとともに、圧電セラ
ミック層6と電極層7,8を順次積層した領域を駆動部
5としてある。
【0025】振動部2は流路部材10と略同等の大きさ
を有し、流路部材10の隔壁23と接着等にて接合され
るようになっており、また、駆動部5は、振動部2上の
各インク室22と対向する位置に独立して形成してあ
る。
【0026】アクチュエータ1の振動部2及び駆動部5
をそれぞれ形成する圧電セラミック層3,6の材質とし
ては、チタン酸ジルコン酸鉛、ランタンチタン酸ジルコ
ン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、あるいはこれらの混
合物を主成分とする圧電セラミックスを用いることがで
き、振動部2を形成する圧電セラミック層3と駆動部5
を形成する圧電セラミック層6は同種のセラミックス、
好ましくは同一のセラミックスにより形成することが好
ましい。
【0027】振動部2を形成する圧電セラミック層3と
駆動部5を形成する圧電セラミック層6を同種のセラミ
ックスにより形成することで、焼成一体化する際に両者
を強固に密着させることができ、また、アクチュエータ
1の振動によって剥離が発生することを防止することが
できる。
【0028】なお、本発明において、同種のセラミック
スからなるとは、主成分が同じセラミックスからなるこ
とを指し、また、同一のセラミックスからなるとは、組
成が全く同一のセラミックスからなることを指す。
【0029】また、振動部2を形成する金属層4及び駆
動部5を形成する電極層7,8の材質としては、圧電セ
ラミック層3,6の焼成温度よりも高い融点を有すると
ともに、圧電セラミック層3,6との熱膨張差が近似し
た材質を用いることが良く、例えば、銀(70重量%)
−パラジウム(30重量%)、銀、パラジウム、白金、
銅、金又はこれらの合金等を用いることができる。
【0030】さらに、駆動部5を形成する圧電セラミッ
ク層6には、予め厚み方向に分極処理を施してあり、ま
た、駆動部5の電極層7,8のうち、一つおきに配置さ
れた電極層7は、その間にある圧電セラミック層6に形
成してあるビアホール導体7aを介して電気的に接続す
るとともに、残りの電極層8も、その間にある圧電セラ
ミック層6に形成してあるビアホール導体8aを介して
電気的に接続してある。
【0031】その為、駆動部5の電極層7と電極層8と
の間に電位差を与えると、電極層7と電極層8との間に
ある圧電セラミック層6がその幅方向において伸縮運動
するのに対し、駆動部5の一方の主面側は振動部2と接
合してあることから、駆動部5の伸縮運動が拘束され、
駆動部5下の振動部2が撓み振動するようになってい
る。
【0032】次に、図1(a)(b)に示すインクジェ
ット記録ヘッド30のインク滴の吐出原理について図2
(a)(b)に示す断面図をもって説明する。
【0033】図1(a)(b)に示すインクジェット記
録ヘッド30にてインク滴を吐出するには、まず、イン
クとして顔料タイプの油性インクや水性染料インクある
いは紫外線硬化インク等のインクを、インク導入穴5か
らインク溜17に供給するとともに、さらにインク供給
穴13を経てインク室22内に供給する。この状態で、
例えばアクチュエータ1の駆動部5における電極層7,
8間に電圧を印加して駆動部5をその幅方向に縮ませる
と、駆動部5の一方の主面側が振動部2によって拘束さ
れていること、及び振動部2が流路部材10の隔壁23
によって拘束されていることにより、電圧を印加した駆
動部5下の振動部2が図2(a)に示すようにインク室
22側に撓み、インク室22内のインクを加圧するた
め、インク室22内のインクはインク導入孔14,18
を介してインク吐出孔20よりインク滴として吐出する
ことができ、また、駆動部5の電極層7,8間に与えた
電圧を遮断すると、駆動部5は弾性変形により元の状態
に戻ろうとするため、図2(b)に示すように、駆動部
5下の振動部2の撓みが解消されてインク室22内が減
圧されるため、インク溜17よりインク供給孔13を介
してインク室22内にインクを補充することができる。
【0034】そして、駆動部5の電極層7,8間にパル
ス電圧を与え、通電と遮断を繰り返すことにより、イン
ク吐出孔20よりインク滴を連続して吐出することがで
きる。
【0035】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
30によれば、アクチュエータ1を、圧電セラミック層
3と金属層4とを順次積層した振動部2と、厚み方向に
分極処理を施した圧電セラミック層6と電極層7,8と
を順次積層した駆動部5とから構成し、駆動部5を上記
振動部2のインク室22と対向する位置に独立して配置
するようにしたことから、隣り合うインク吐出孔20の
間隔を600μm以下と狭くしたとしても、一つのイン
ク室22上に位置する駆動部5の振動が両隣のインク室
22に伝わり難いため、クロストークの発生を防止する
ことができる。
【0036】また、各インク室22上に位置する駆動部
5はそれぞれ独立していることから、一つのインク室2
2上に位置する駆動部5の振動が両隣の駆動部5によっ
て影響を受けることがなく、駆動部5における電極層
7,8間に印加する電圧に見合った伸縮運動をさせるこ
とができるため、印加電圧を大きくしたり、駆動部5の
積層数を増やすことなくインク吐出力を実質的に大きく
することができる。
【0037】さらに、本発明では、アクチュエータ1を
構成する振動部2の圧電セラミック層3及び駆動部5の
圧電セラミック層6を同種のセラミックスにより形成す
るとともに、振動部2と駆動部5とを焼結にて接合一体
化してあることから、強固に密着しており、アクチュエ
ータ1を駆動させたとしても剥離するようなことがな
い。
【0038】その為、本発明のインクジェット記録ヘッ
ド30によれば、長期間にわたってインク滴を安定して
吐出することができる。
【0039】ところで、このような効果を奏するために
は、駆動部5の厚みLをアクチュエータ1の厚みWの3
0%〜70%とすることが好ましい。
【0040】なぜなら、駆動部5の厚みLがアクチュエ
ータ1の厚みWの30%未満となると、駆動部5の変形
に対して振動部2の拘束が大きくなり、アクチュエータ
1の変形が小さくなってインク室22内のインクの加圧
効率が低下するといった不都合を生じるからであり、逆
に駆動部5の厚みLがアクチュエータ1の厚みの70%
を超えると、振動部2の剛性が不足し、撓み振動によっ
て破損する恐れがあるからである。
【0041】また、駆動部5下の振動部2を抵抗なく大
きく撓ませるためには、駆動部5の幅Sとインク加圧室
22の幅Pの比(S/P)を0.8〜0.9とするとと
もに、駆動部5における電極層7の幅Kとインク加圧室
22の幅Pの比(K/P)を0.7〜0.8とすること
が好ましい。
【0042】次に、図1(a)(b)に示すインクジェ
ット記録ヘッド30の製造方法について説明する。
【0043】図3(a)〜(h)は本発明のインクジェ
ット記録ヘッド30の製造方法の一例を示す図で、ま
ず、図3(a)に示すように、ドクターブレード法によ
って形成した複数枚の未焼結の圧電セラミック層33,
34,35,36をそれぞれ離型剤を塗布したポリエチ
レンテレフタレート(以下PETと称する)フィルムや
紙等の支持体31上に貼り合わせた後、所定の寸法に裁
断し、次いで、未焼結の圧電セラミック層33上に金属
層4となる金属ペーストを、未焼結の圧電セラミック層
34上に電極層7となる金属ペーストを、未焼結の圧電
セラミック層35上に電極層8となる金属ペーストをそ
れぞれスクリーン印刷法によって形成する。なお、金属
ペーストとしては、銀、パラジウム、白金、銅の微粉末
又はこれらの微粉末を混ぜたものを樹脂及び溶媒と共に
混合したものを用いる。
【0044】次に、図3(b)に示すように、各未焼結
の圧電セラミック層33,34,35,36の所定位置
に金型ピン31を用いてスルーホールとなる孔を穿孔し
た後、支持体31を剥がし、各未焼結の圧電セラミック
層33,34,35,36を所定の順序で積層して図3
(c)に示すように積層体を形成した後、スルーホール
に金属ペーストを充填する。
【0045】なお、各未焼結の圧電セラミック層33,
34,35,36を積層するにあたっては、60〜10
0℃の温度で3〜10MPaの圧力で熱圧着するように
すれば良い。
【0046】次いで、図3(c)に示す積層体を300
℃の温度で脱脂した後、900〜1100℃の温度で焼
成することにより焼結一体化し、積層型圧電素子を製作
する。
【0047】しかる後、図3(d)に示すように、積層
型圧電素子の所定位置にスクリーン印刷法にて金属ペー
ストを印刷し、これを500〜850℃の温度で焼き付
けすることにより表面電極層7を形成する。
【0048】一方、図3(e)に示すように、厚み50
〜300μm程度のステンレス、モリブデン、鉄−ニッ
ケル系合金、シリカを主成分とするガラス、あるいはシ
リカからなる板状体12,16,19及びノズル板21
にレジストマスクを形成し、エッチング加工にて板状体
12にスリット11を、板状体16にインク供給孔1
3、インク案内孔14、インク導入穴15を、板状体1
9にインク案内孔18,インク溜17を、ノズル板21
にインク吐出孔20をそれぞれ形成した後、板状体1
2,16,19及びノズル板21を位置決めし、接着剤
を介して接着することにより流路部材10を形成する。
【0049】しかる後、図3(f)(g)に示すよう
に、積層型圧電素子の電極層7,8が流路部材10のイ
ンク室22上に位置するように位置決めした後、両者を
接着剤を介して接着し、次いで積層型圧電素子の上面の
各隔壁23と対向する位置を除いてレジストマスク32
を形成し、非マスク部をブラスト加工によって除去する
ことにより溝を形成する。この時、溝の深さは積層型圧
電素子の厚みの30%〜70%となるようにし、溝を仕
切る領域を駆動部5、駆動部5下の領域を振動部2とす
るアクチュエータ1を形成する。
【0050】しかる後、図3(h)に示すように、レジ
ストマスク32を除去した後、駆動部5の電極層7,8
間に電圧を印加して分極処理を施すことにより得ること
ができる。
【0051】この製造方法によれば、従来のインクジェ
ット記録ヘッドに備えるアクチュエータの各隔壁と対向
する領域を除去して溝を形成するだけで良いため、簡単
に製造することができる。
【0052】なお、図3(a)〜(h)では、積層型圧
電素子に溝を形成するようにしたが、積層型圧電素子の
一端から他端まで連通するスリットとしても構わない。
【0053】次に、図4(a)〜(i)は本発明のイン
クジェット記録ヘッド30の製造方法の他の例を示す。
【0054】この製造方法では、まず、図4(a)
(b)に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムからなる支持体31を貼り合わせた平滑基板37上
に、圧電セラミック原料、樹脂及び溶媒からなるセラミ
ックペーストをスクリーン印刷法にて印刷した後、防爆
構造の乾燥機で80〜100℃で乾燥させ、この作業を
5〜10回繰り返して所定厚みの未焼結の圧電セラミッ
ク層31を形成した後、スクリーン印刷法にて金属層4
となる金属ペーストを印刷し、これらの作業を数回繰り
返して振動部2となる積層体を形成する。
【0055】なお、平滑基板37を形成する材質として
は、ガラス、セラミックス等の無機材料、ステンレス、
鋳鉄、軟鋼等の金属材料あるいはポリエチルテレフター
ト、ポリイミド等の樹脂を用いることができる。
【0056】次に、図4(c)〜(e)に示すように、
流路部材10と接合する際、隔壁23上に位置する領域
にはセラミックペーストや金属ペーストが印刷されない
ようにした製版を用い、スクリーン印刷法にて振動部2
の所定の位置に未焼結の圧電セラミック層34,35,
36と電極層7,8となる金属ペーストとを順次積層し
て駆動部5となる積層体を形成する。なお、上記セラミ
ック層35を形成する製版にはスルーホールを形成する
ための遮蔽部を設けてあり、セラミック層35の形成後
に上記スルーホール位置に抜き部を設けた製版にて電極
7aを充填することにより、各セラミック層35には電
極7aを充填したビアホールが形成される。
【0057】そして、これらの積層体を300℃の温度
で脱脂した後、900〜1100℃の温度で焼成するこ
とにより図4(f)に示すような積層型圧電素子を形成
した後、図4(g)に示すように、積層型圧電素子の所
定位置にスクリーン印刷法にて金属ペーストを印刷し、
これを500〜850℃の温度で焼き付けすることによ
り表面電極層7を形成し、アクチュエータ1を製作す
る。
【0058】一方、図4(h)に示すように、厚み50
〜300μm程度のステンレス、モリブデン、鉄−ニッ
ケル系合金や、シリカを主成分とするガラス、あるいは
シリカからなる板状体12,16,19及びノズル板2
1にレジストマスクを形成し、エッチング加工にて板状
体12にスリット11を、板状体16にインク供給孔1
3、インク案内孔14、インク導入穴15を、板状体1
9にインク案内孔18,インク溜17を、ノズル板21
にインク吐出孔20をそれぞれ形成した後、板状体1
2,16,19及びノズル板21を位置決めし、接着剤
を介して接着することにより流路部材10を形成する。
【0059】しかる後、図4(i)に示すように、アク
チュエータ1の電極層7,8が流路部材10のインク室
22上に位置するように位置決めした後、両者を接着剤
を介して接着した後、駆動部5の電極層7,8間に電圧
を印加して分極処理を施すことにより得ることができ
る。
【0060】この製造方法によれば、アクチュエータを
精度良く製作することができ、その結果、信頼性の高い
インクジェット記録ヘッド30を提供することができ
る。
【0061】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明は上述した実施形態だけに限らず、本発明の
要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用で
きることは言うまでもない。
【0062】
【実施例】(実施例1)ここで、図1に示す本発明のイ
ンクジェット記録ヘッド30と図6に示す従来のインク
ジェット記録ヘッド70を製作し、インク滴の吐出性能
について調べる実験を行った。
【0063】まず、アクチュエータ1,41を製作する
ため、図3(a)〜(d)に示すように、粒径が0.5
〜3.0μmのチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧
電セラミック粉体に対し、アクリル系樹脂エマルジョ
ン、純水、平均粒径が10mmのナイロンボールを添加
してボールミルで30時間混合し、得られたスラリーを
用いて引き上げ法により厚み30μmのPETフィルム
上に、厚み13〜14μmの未焼結の圧電セラミック層
33,34,35,36を7枚形成した。
【0064】次に、得られた未焼結の各圧電セラミック
層33,34,35,36を支持体31と共に50×5
0mmに裁断した後、2枚の圧電セラミック層33上の
略全面には金属層4となる金属ペーストを、別の2枚の
圧電セラミック層35上の略全面には電極層8となる金
属ペーストを、さらに別の2枚の圧電セラミック層34
上には電極層7となる金属ペーストをそれぞれスクリー
ン印刷法によって印刷し、残りの1枚の圧電セラミック
層36上には金属ペーストを印刷しないようにした。そ
して、各未焼結の圧電セラミック層33,34,35,
36及び金属ペーストを防爆型の乾燥機を用い、50℃
で20分間乾燥させた。
【0065】なお、金属ペーストには、平均粒径が2〜
4μmの銀粉末とパラジウム粉末を7対3の比率で混合
したものを用いた。また、電極層7をなす金属ペースト
のパターン形状は、長軸の長さ3.2mm、短軸の長さ
0.15mmの長楕円形とし、0.317mm間隔で短
軸方向に66個を並べたものを、長軸方向に5行形成し
た。
【0066】そして、各圧電セラミック層33,34,
35,36の位置合わせをした後、所定の順序で積層
し、60℃の温度で5MPaの圧力を加えながら60秒
間保持することにより熱圧着して積層体を形成した。し
かる後、予め形成したスルーホール内に金属ペーストを
充填し、乾燥機中で100〜300℃まで毎時8℃の昇
温レートで25時間で加熱して脱脂した後,室温まで冷
却し、さらに焼成炉でピーク温度1100℃で2時間保
持して焼成することにより積層型圧電素子を形成した。
【0067】次に、積層型圧電素子の表面に露出するス
ルーホール導体7aを覆うように、金属ペーストを印刷
し、ピーク温度800℃の連続炉を30分で通過させて
焼き付けした後、ダイシングソーで行方向に切断し、外
辺形状が33mm×6mmの積層型圧電素子を5個製作
した。
【0068】一方、図3(e)に示すように、外辺形状
が37.5mm×7mm、厚み100μmのステンレス
箔に、長軸の長さ3mm、短軸の長さ0.18mmの長
楕円形状をしたスリット11を短軸方向に0.254m
mピッチで66個打ち抜いた板状体12と、外辺形状が
40mm×7mm、厚み100μmのステンレス箔に、
直径0.28mmのインク導入穴15と、直径0.03
mmのインク供給孔13及び直径0.16mmのインク
案内孔14をそれぞれ0.254mmピッチで66個形
成した板状体16と、外辺形状40mm×7mm、厚み
100μmのステンレス箔にインク溜17となる35×
3mmの長穴と、直径0.12mmのインク案内孔18
を0.254mmピッチで66個形成した板状体19
と、外辺形状40mm×7mm、厚み100μmのステ
ンレス箔に直径0.028mmのインク吐出孔20を
0.254mmピッチで66個形成したノズル板21を
用意し、これらを所定の順序でエポキシ系接着剤を介し
て貼り合わせ、120℃で3時間保持して接着剤を硬化
させることにより流路部材10,50を形成した。
【0069】次に、積層型圧電素子と流路部材10,5
0の位置合わせを行った後、エポキシ系接着剤を介して
貼り合わせ、1kPaの圧力で加圧しながら120℃で
3時間保持して接着剤を硬化させ、両者を接合した。
【0070】しかる後、電極層7,8間に40Vの電圧
を印加して分極処理を施すことにより試料となる従来の
インクジェット記録ヘッド70を製作し、また、本発明
のインクジェット記録ヘッド30においては、積層型圧
電素子の表面に、厚み50μmのレジストフィルムを貼
り付けるとともに、電極層7上にガラスマスク32を形
成した後、紫外線ランプを照射した。この後、レジスト
フィルムの紫外線露光部を水洗によって除去し、平均粒
径40μの炭化珪素粉体を毎分20gの供給量で噴きつ
けるブラスト加工により、長軸の長さ3.5mm、短軸
の長さ0.135mmの長楕円形状をした深さ0.05
5mmの溝を形成した。
【0071】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
30にあっては、溝の深さを異ならせて駆動部5の厚み
Lとアクチュエータ1の厚みWとの比率を異ならせるよ
うにした。
【0072】そして、各インクジェット記録ヘッド3
0,70を駆動させ、インク滴を吐出させた時の吐出性
能について比較する実験を行った。
【0073】具体的には、アクチュエータの駆動部を形
成する電極層間に30V、周波数1000Hzの矩形波
状の電圧を印加した時、インク吐出孔20から1mm離
れた位置におけるインク滴の吐出速度を高速度カメラを
用いて測定した。
【0074】結果は図5に示す通りである。
【0075】この結果、積層型圧電素子の隔壁と対向す
る位置に溝を形成し、駆動部を振動部のインク室と対向
する位置に独立して配置することにより、溝を持たない
従来のヘッドと比較してインク吐出力を高め、インク滴
の吐出速度を向上させることができることが判る。
【0076】また、駆動部の厚みとアクチュエータの厚
みとの比率を30%〜70%とすることにより、従来例
のヘッド70に比べてインク滴の吐出速度を35〜50
%向上させることができ、さらにインク滴の吐出性能が
安定する傾向が見られることから、特に好ましいことが
判る。
【0077】この結果、駆動部を振動部のインク室と対
向する位置に独立して配置することにより、積層型圧電
素子からなるアクチュエータを用いたインクジェット記
録ヘッドのインク吐出力を向上させることができ、さら
には駆動部の厚みとアクチュエータの厚みとの比率を3
0%〜70%とすることでより高い性能が得られること
が判る。
【0078】なお、本発明のインクジェット記録ヘッド
30は、図3(a)〜(h)の方法により製造したもの
を用いたが、図4(a)〜(i)の方法により製造した
ものであっても同様の結果が得られた。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数の
隔壁によって仕切られた複数のインク室を有する流路部
材と、上記各インク室内のインクを加圧するアクチュエ
ータとからなるインクジェット記録ヘッドにおいて、上
記アクチュエータを、圧電セラミック層と金属層とを順
次積層した振動部と、厚み方向に分極処理を施した圧電
セラミック層と電極層とを順次積層した駆動部とから構
成し、上記振動部を上記流路部材の隔壁と接合するとと
もに、上記駆動部を上記振動部のインク室と対向する位
置に独立して配置し、上記駆動部及び振動部を形成する
圧電セラミック層を同種のセラミックスにより形成する
とともに、上記駆動部及び振動部を焼結にて接合一体化
することによって、隣り合うインク吐出孔の間隔を60
0μm以下と狭くしたとしても、一つのインク室上に位
置する駆動部の振動が両隣のインク室に伝わり難いた
め、クロストークの発生を防止することができるととも
に、各インク室上に位置する駆動部はそれぞれ独立して
いることから、一つのインク室上に位置する駆動部の振
動が両隣の駆動部によって影響を受けることがなく、駆
動部における電極層間に印加する電圧に見合った伸縮運
動をさせることができるため、印加電圧を大きくした
り、駆動部の積層数を増やすことなくインク吐出力を実
質的に大きくすることができる。
【0080】また、アクチュエータを構成する振動部の
圧電セラミック層及び駆動部の圧電セラミック層は同種
のセラミックスにより形成するとともに、振動部と駆動
部とを焼結にて接合一体化してあることから、強固に密
着させることができ、アクチュエータを駆動させたとし
ても剥離するようなことがない。
【0081】その為、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドを用いれば、長期間にわたってインク滴を安定して吐
出することができる。
【0082】特に、駆動部の厚みをアクチュエータの厚
みの30%〜70%とすれば大きなインク吐出力を安定
して得られるため、好適である。
【0083】また、本発明によれば、未焼結の圧電セラ
ミック層上に金属層及び電極層となる金属ペーストを印
刷したものを複数枚積層し、焼成一体化して積層型圧電
素子を製作した後、この積層型圧電素子を、複数の隔壁
によって仕切られた複数のインク室を有する流路部材の
隔壁上に接合し、次いで上記積層型圧電素子の各隔壁と
対向する位置にブラスト加工を施して上記積層型圧電素
子の厚みの30%〜70%の深さの溝を形成することに
より、溝を仕切る領域を駆動部、溝下領域を振動部とす
るアクチュエータとし、上記駆動部の電極層間に電圧を
印加してその間にある圧電セラミック層に分極処理して
インクジェット記録ヘッドを製造するか、あるいは未焼
結の圧電セラミック層上に金属層となる金属ペーストを
印刷したものを複数枚積層して振動部を形成した後、振
動部上に間隔を開けて、未焼結の圧電セラミック層上に
電極層となる金属ペーストを印刷したものを複数枚積層
して駆動部を形成し、駆動部と振動部とを焼結にて接合
一体化してアクチュエータを製作した後、このアクチュ
エータを複数の隔壁によって仕切られた複数のインク室
を有する流路部材の隔壁上に接合し、次いで上記駆動部
の電極層間に電圧を印加してその間にある圧電セラミッ
ク層に分極処理して製造するようにしたことから、寸法
バラツキが少なく、精度の高いインクジェット記録ヘッ
ドを安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一例を示
す図で、(a)は一部を破断した斜視図、(b)は
(a)の要部を拡大した断面図である。
【図2】(a)(b)は本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの駆動原理を説明するための断面図である。
【図3】(a)〜(h)は本発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法の一例を示す図である。
【図4】(a)〜(i)は本発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法の他の例を示す図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドと従来のイ
ンクジェット記録ヘッドのインク滴の吐出性能を比較し
た線図である。
【図6】従来のインクジェット記録ヘッドの一部を破断
した斜視図である。
【符号の説明】
1:アクチュエータ、2:振動部、3:圧電セラミック
層、4:金属層、5:駆動部、6:圧電セラミック層、
7,8:電極層、9:スルーホール、10:流路部材、
11:スリット、12:板状体、13:インク供給孔、
14インク案内孔、15:インク導入穴、16:板状
体、17:インク溜、18:インク案内孔、19:板状
体、20:インク吐出孔、21:ノズル板、22:イン
ク室、23:隔壁 30:インクジェット記録ヘッド 41:アクチュエータ、42:振動部、43:圧電セラ
ミック層、44:金属層、45:駆動部、46:圧電セ
ラミック層、47,48:電極層、49:スルーホー
ル、50:流路部材、51:スリット、52:板状体、
53:インク供給孔、54インク案内孔、55:インク
導入穴、56:板状体、57:インク溜、58:インク
案内孔、59:板状体、60:インク吐出孔、61:ノ
ズル板、62:インク室、63:隔壁 70:インクジ
ェット記録ヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の隔壁によって仕切られた複数のイン
    ク室を有する流路部材と、上記各インク室内のインクを
    加圧するアクチュエータとからなるインクジェット記録
    ヘッドにおいて、上記アクチュエータは、圧電セラミッ
    ク層と金属層とを順次積層した振動部と、厚み方向に分
    極処理を施した圧電セラミック層と電極層とを順次積層
    した駆動部とを有し、上記振動部を上記流路部材の隔壁
    と接合するとともに、上記駆動部を上記振動部のインク
    室と対向する位置に独立して配置してなり、上記駆動部
    及び振動部を形成する圧電セラミック層を同種のセラミ
    ックスにより形成するとともに、上記駆動部及び振動部
    を焼結にて接合一体化してあることを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】上記駆動部の厚みがアクチュエータの厚み
    の30%〜70%であることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】未焼結の圧電セラミック層上に金属層及び
    電極層となる金属ペーストを印刷したものを複数枚積層
    して焼成一体化することにより積層型圧電素子を製作
    し、この積層型圧電素子を、複数の隔壁によって仕切ら
    れた複数のインク室を有する流路部材の隔壁上に接合し
    た後、上記積層型圧電素子の各隔壁と対向する位置に、
    ブラスト加工を施して上記積層型圧電素子の厚みの30
    %〜70%の深さの溝を形成することにより、上記溝で
    仕切られた領域を駆動部、上記溝下部を振動部とするア
    クチュエータを形成し、上記駆動部の電極層間に電圧を
    印加してその間にある圧電セラミック層に分極処理を施
    すようにしたことを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】未焼結の圧電セラミック層上に金属層とな
    る金属ペーストを印刷したものを複数枚積層して振動部
    を形成した後、上記振動部上に間隔を開けて、未焼結の
    圧電セラミック層上に電極層となる金属ペーストを印刷
    したものを複数枚積層して駆動部を形成し、該駆動部と
    振動部とを焼結にて接合一体化してアクチュエータを製
    作した後、このアクチュエータを複数の隔壁によって仕
    切られた複数のインク室を有する流路部材の隔壁上に接
    合し、次いで上記駆動部の電極層間に電圧を印加してそ
    の間にある圧電セラミック層に分極処理を施すようにし
    たことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
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