JP2005294761A - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変位量の低減を抑止するとともに、変位量のばらつきを低減することができる積層型圧電素子を提供すること。
【解決手段】 積層型圧電素子1は、内部電極2が形成された複数の圧電シート3が積層された積層体4と、積層体4の積層方向と直交する方向に対向する積層体4の端面4a,4bに形成された外部電極5a,5bとを有している。積層体4は、内部電極2が所定の間隔を空けて配置されることによって構成された圧電的に活性な領域である活性部6と、活性部を除く領域である圧電的に不活性な非活性部7とを有している。そして、積層型圧電素子1は、活性部6の変位方向Xと交差する方向に活性部6を挟むように位置する非活性部7に、一対の解放部10a,10bが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロポンプの弁制御等、微小変位のための駆動源として用いられる積層型圧電素子に関する。
従来の積層型圧電素子の一例として、下記特許文献1に開示された圧電アクチュエータが知られている。特許文献1に記載の圧電アクチュエータは、内部電極がパターン形成されている複数の圧電シートが積層したアクチュエータ本体と、このアクチュエータ本体の端面に形成された外部電極とを有している。この圧電アクチュエータにあっては、アクチュエータ本体の一方の最外層が活性部(圧電効果により歪みが生じる部分)となっており、他方の最外層が非活性部(圧電効果による歪みが生じない部分)となっている。そして、外部電極に電圧が印加されると、活性部が歪むのに対して非活性部は歪まないため、アクチュエータ本体が積層方向に屈曲して、全体が積層方向と略直交する方向(変位方向)に変位するようになっている。
特開平11−87790号公報
しかしながら、上述した圧電アクチュエータにあっては、非活性部において変位方向の変位が拘束されるため、十分な変位量を得ることができない。また、アクチュエータ本体が積層方向に屈曲するため、アクチュエータ本体の変位方向の変位量にばらつきが生じてしまう。
本発明は、上記従来技術の有する問題に鑑みてなされたものであり、変位量の低減を抑止するとともに、変位量のばらつきを低減することができる積層型圧電素子を提供することを目的とする。
本発明は、積層された圧電体層の間に内部電極が配置された積層体を有する積層型圧電素子であって、積層体は、圧電的に活性な活性部と、活性部の変位方向と交差する方向に活性部を挟むように位置する圧電的に非活性な非活性部とを有し、非活性部には、活性部の変位の拘束を解放するための解放部が少なくとも一つ設けられていることを特徴とするものである。なお、本発明でいう「圧電的に活性な」とは、「圧電効果(ピエゾ効果)により歪みが生じる」ことを意味する。
本発明によれば、活性部が変位する(歪む)際に生じる非活性部による拘束力が解放部によって解放(低減)されるため、変位量の低減を抑止することができる。また、活性部を挟むように位置する非活性部の各々に解放部が設けられているため、非活性部による拘束力をバランスよく解放することができる。このため、積層型圧電素子の変位方向の変位量のばらつきを抑えることができる。
解放部は、その深さ方向が変位方向と交差する方向と一致する溝であることが好ましい。これにより、固定対象物に接着固定する際の積層型圧電素子の接着面積を低下させることなく、活性部の変位の拘束を解放することができる。したがって、積層型圧電素子の変位量を向上できると共に、積層型圧電素子を固定対象物に固定した際の接着不良や傾き等を防止することができる。
この場合、解放部は、積層体の最外層を構成する圧電体層に設けられていることが好ましい。これにより、例えば、積層型圧電素子を最外層にて所望の位置に固定したとき、活性部の変位の低減をより効果的に抑制することができる。
また、解放部は、内部電極同士の間に設けられてあってもよい。これにより、内部電極間の圧電効果による歪みを効果的に発生させることができる。
本発明によれば、活性部の変位方向と交差する方向に活性部を挟むように位置する非活性部に、活性部の変位の拘束を解放する解放部を少なくとも一つ設けたため、活性部の変位量の低減を抑止できると共に、活性部の変位量のばらつきを低減することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層型圧電素子の断面を示す概略図である。図1に示すように、積層型圧電素子1は、内部電極2が形成された複数の圧電シート(圧電体層)3が積層された積層体4と、この積層体4の積層方向と直交する方向に対向する積層体4の端面4a,4bに形成された外部電極5a,5bとを有している。なお、図1に示す積層型圧電素子1は、いわゆるd33型のアクチュエータであり、積層方向と変位方向が同一方向となっている。
外部電極5a,5bは、例えば銀ペーストを塗布されたものである。そして、積層型圧電素子1を駆動する(変位させる)ために、例えば、図示しない外部電源に電気的に接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等を用いてリード線が半田等により接続され、電圧が印加されるようになっている。
圧電シート3は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のセラミックスを主成分とする長方形薄板状に形成されている。また、内部電極2は、銀及びパラジウムを主成分とし、スクリーン印刷によりパターン形成されたものである。
並列する内部電極2は、それぞれ交互に積層体4の端面4a,4bの縁部まで引き出されており、外部電極5a,5bにそれぞれ交互に接続されている。したがって、外部電極5a,5bに電圧が印加されたとき、隣り合う内部電極2,2は互いに異なる極性となる。
積層体4は、内部電極2が所定の間隔を空けて配置されることで構成された圧電的に活性な領域である活性部6と、活性部を除く領域である圧電的に不活性な非活性部7とを有している。活性部6は、図1に示す内部電極2と二点鎖線とによって囲まれた斜線領域であって、隣り合う内部電極2が積層方向Xに重複している領域である。また、活性部6の変位方向と交差する方向に活性部6を挟むように位置する非活性部7は、隣り合う内部電極2が積層方向Xに重複していない領域であり、端面4a,4bの各々と活性部6との間の領域である。
また、積層型圧電素子1は、非活性部7のうちの、積層方向(活性部6の変位方向)Xと略直交する方向に活性部6を挟むように位置する部分であって、積層体4の最外層を構成する圧電シート3aに、積層方向Xに略直交する方向と深さ方向とが一致する溝状の解放部10a,10bが一対設けられている。
以上のような積層型圧電素子1は、最外層が接着剤8を介して固定対象物9に固定されており、外部電極5a,5bに外部から電圧が印加されると活性部6が歪み、固定対象物9から離隔する方向(図に示す積層方向Xの上方向)に積層型圧電素子1が変位する。このとき、解放部10a,10bは、非活性部7によって活性部6の変位を拘束するように働く積層方向Xの力を解放する。
図2は、従来の積層型圧電素子の外部電極に電圧を印加したときの状態を示す概略図であり、図3は、図1に示す積層型圧電素子1の外部電極5a,5bに電圧を印加したときの状態を示す概略図である。なお、図2,3では、外部電極及び外部電極に電圧を印加する外部電源等の図示を省略している。
図2(a)に示す積層型圧電素子80では、非活性部7に解放部が設けられていないため、積層体4における固定対象物9との接着面側の角部に位置する非活性部7a,7a(図のクロスハッチング部分)によって、活性部6の変位を拘束する力が働くため活性部6の歪み量が低減され、したがって積層体4の変位量が小さくなる。
一方、図2(b)に示す積層型圧電素子90では、積層体4の一方の端面4aにおける固定対象物9との接着面側に断面L字状の切欠部91が設けられており、積層体4の一方の端面4bにおける固定対象物9との接着面側は上記非活性部7aとなっている。この積層型圧電素子90の外部電極に電圧を印加すると、非活性部7aでは活性部6の変位を拘束する力が働き、切欠部91では活性部6の変位を拘束する力が解放されるため、積層体4の切欠部91側が非活性部7a側よりも大きな変位量となる。したがって、積層体4の上端面が、積層方向Xと直交する方向に対して傾斜する。
これに対し、本実施形態に係る積層型圧電素子1は、外部電極5a,5bに電圧が印加されると、図3に示すように、活性部6の変位に伴って解放部10a,10bの溝幅が広がり、非活性部7による活性部6の変位を拘束する力が解放される。これにより、積層体4の変位の低減が抑制されるため、積層型圧電素子1の変位量は、図2(a)に示す従来の積層型圧電素子80に比して大きくなる。また、解放部10a,10bは、積層方向Xと直交する方向に活性部6を挟むように位置する非活性部7に設けられているため、活性部6の変位を拘束する力が、積層体4の幅方向(積層方向Xに直交する方向)においてほぼ均等に解放される。このため、積層体4が変位したとき、積層体4の上端面が積層方向Xと直交する方向に対し傾斜することなく略平行に保たれ、したがって積層型圧電素子1の変位量のばらつきが低減される。
次に、図4を参照しながら積層型圧電素子1の製造方法について説明する。
まず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のセラミックスを主成分とする圧電材料に有機バインダ・有機溶剤等を混合してペーストを作製し、圧電シート3となる長方形薄板状のグリーンシートを複数成形する。また、所定比率の銀とパラジウムからなる金属材料に有機バインダ・有機溶剤等を混合することで、電極パターン形成用の導電ペーストを作製する。そして、グリーンシートの各々に対し導電ペーストを用いてスクリーン印刷を行い、内部電極2を形成する。このとき、内部電極2は、その一部がグリーンシートの縁部まで引き出された状態に形成する。
このようにして内部電極が形成された複数のグリーンシートを積層し、積層方向にプレスを行って積層体グリーンを作製する。内部電極2は、積層体グリーンシートの対向する端面(積層体4の端面4a,4b)に交互に引き出された状態に積層する。そして、積層体グリーンを脱脂・焼成し、図4(a)に示す積層体4を得る。
続いて、図4(b)に示すように、積層体4の端面4a,4bに、スパッタや真空蒸着、銀ペースト印刷等により、外部電極5a,5bを形成する。その後、外部電極5a,5bに所定の電圧を印加して分極処理を行う。これにより、外部電極5a,5bの各々には、積層方向に並列する内部電極2が一つおきに接続される。したがって、外部電極5a,5bを異なる極性とすることにより、隣り合う内部電極2を互いに異なる極性とすることができる。
次に、積層体4の最外層を構成する圧電シート3aに、ダイサやスライサ等を用いて外部電極5a,5bと共に積層体4に切り込みを入れる。これにより、図4(c)に示すように、積層方向Xに略直交する方向と深さ方向とが一致する溝状の解放部10a,10bが形成され、積層型圧電素子1が完成する。
図5は、積層型圧電素子1の外部電極5a,5bを除いた状態を示す概略斜視図である。同図に示すように、溝状の解放部10a,10bは、積層体4の端面4a,4bの各々に、各面の端から端まで連続して切り込まれた状態に形成されている。なお、積層型圧電素子1は、例えば、幅Wが2.0mm程度、高さHが2.0mm程度、長さLが20mm程度に形成され、解放部10a,10bは溝幅Mが10〜20μm程度に形成される。このような積層型圧電素子1は、適宜、図5に示す状態からその用途に応じて桁加工が施され、例えば、幅100μmの桁状の積層型圧電素子が長さLの方向に配列されるように加工される。
図6は、他の形態の積層型圧電素子の製造方法を示す図である。図6に示す積層型圧電素子20は、外部電極5a,5bの形成方法が異なり、積層体4の一側の端面に外部電極5a,5bの両方が配された構造となっている。
このような積層型圧電素子20を形成する場合は、まず、図4(a)に示す積層体4を上述した手順により形成する(図6(a)参照)。次に、図6(b)に示すように、ダイサやスライサ等を用いて、積層体4の一側の端面(図では端面4b)に切り込みを入れて溝(解放部10b)を形成する。次いで、図6(c)に示すように、積層体4の両端面4a,4b及び底面4cに、スパッタや真空蒸着、銀ペースト印刷等によって外部電極膜5を形成する。そして、ダイサやスライサ等を用いて、積層体4の他側の端面(図では端面4a)に切り込みを入れて溝(解放部10a)を形成する。これにより、外部電極膜5は2つに分断され、積層体4の端面4a上に形成された外部電極5aと、積層体4の端面4b,底面4c及び端面4aの上に連続して形成された外部電極5bとが形成される。以上により、積層型圧電素子20が完成する。
このような積層型圧電素子20では、一方の端面に2つの外部電極5a,5bの両方が配された構造となっているため、リード線等と外部電極5a,5bとの接続作業が容易になると共に、積層型圧電素子20を搭載した製品の省スペース化、構造の簡素化等を図ることができる。
図7は、本実施形態に係る積層型圧電素子の変形例を示す図である。図7(a)に示す積層型圧電素子30は、固定対象物9との接着面側の角部が面取りされて(切り欠かれて)なる解放部31a,31bが設けられている。これにより、外部電極5a,5bに電圧が印加されたとき、解放部31a,31bが、積層型圧電素子1の解放部10a,10bと同様に機能するため、積層体4の変位量のばらつきが低減され、さらに積層体4の変位の低減が抑制される。
図7(b)に示す積層型圧電素子40は、積層体4の最外層を構成する圧電シート3aに一対の解放部44a,44bが設けられており、さらに、内部電極2同士の間のそれぞれに解放部41a〜44a,41b〜44bが活性部を挟むようにして設けられている。この積層型圧電素子40は、図4に示す製造方法によって製造され、ダイサやスライサ等にて積層体4に切り込みを入れる際に、内部電極2同士の間にも切り込みを入れることにより、複数の解放部41a〜44a,41b〜44bが形成されている。これにより、内部電極2間の圧電効果による歪みを効果的に発生させることができる。また、複数の解放部が形成されているため、より効果的に積層体4の変位の低減が抑制される。
図7(c)に示す積層型圧電素子60は、上述した積層型圧電素子40と同じ積層体4を有している(解放部の数、位置等が同じである)。しかし、図6示す製造方法によって製造されていることにより、外部電極51bが積層体4の端面4b,底面4c及び端面4aの上に連続して形成されている点で積層型圧電素子40とは異なっている。これにより、図7(b)に示す積層型圧電素子40において、積層体4の一方の端面に2つの外部電極51a,51bが配された構造とすることができる。
上述した積層型圧電素子1,20,40,60では、解放部が、積層方向に交差する方向と深さ方向とが一致した溝状を呈している。したがって、固定対象物9に接着固定する際の接着面積が積層型圧電素子30に比して大きくなるため、固定対象物9に固定した際の接着不良や傾き等が防止される。
また、積層型圧電素子1,20,40,60において、解放部は、積層体4の最外層を構成する圧電シート3aに設けられ、固定対象物9と活性部6との間に配される。したがって、活性部6の変位の拘束をより効果的に解放させることができる。
図8は、本実施形態に係る積層型圧電素子のさらなる変形例を示す図である。同図に示す積層型圧電素子70は、d31型のアクチュエータとなっている。すなわち、上述した積層型圧電素子1,20,30,40,60では、積層方向Xと変位方向が一致しているが、積層型圧電素子70では積層方向Xと変位方向Yが略直交している。
積層型圧電素子70は、上記積層型圧電素子1と同様に、内部電極2が形成された複数の圧電シート3が積層された積層体4と、積層体4の端面4a,4bに形成された外部電極5a,5bとを有している。
そして、積層体4は、並列する内部電極2により構成された領域の活性部6と、活性部を除く領域の非活性部7とを有している。非活性部7のうち、変位方向Yに活性部6を挟むように位置した領域の一方(図8に示す非活性部7R)は、固定対象物9に固定されている。また、活性部6の積層方向Xに活性部6を挟むように位置する非活性部7A,7Bには、積層方向Xに切り込まれた溝状の解放部71a,71bがそれぞれ設けられている。
このような積層型圧電素子70では、外部電極5a,5bに外部から電圧が印加されると活性部6が歪み、積層方向Xと直交する方向(変位方向Y)に積層型圧電素子1が変位する。このとき、解放部71a,71bは、活性部6の変位に伴って溝幅が広がり、非活性部7による活性部6の変位を拘束する力(変位方向Yに働く力)を解放する。したがって、積層型圧電素子70の変位の低減が抑制される。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、解放部は、活性部の変位方向と交差する方向に活性部を挟むように位置する非活性部に少なくとも一つ設けられてあればよく、活性部を挟むように位置する非活性部には、一方に1つ他方に2つというように、それぞれ異なる数の解放部が設けられてあってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、図9〜図12を参照して本発明の積層型圧電素子の内容をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例1)
図9は、図10に示す積層型圧電素子100における上端面Sの幅W方向の変位分布を示す図である。図10に示す積層型圧電素子100は、積層体4における固定対象物9との接着面側の一方の角部が切り取られた構造を有している(外部電極5b側に切欠部101が形成されている)。
このような積層型圧電素子100の各寸法は、幅Wを2.0mm、高さHを2.0mmとした。そして、積層型圧電素子100を、外部電極5a,5bに1.5(kV/mm)相当の電圧を印加することにより変位させ、上端面Sの幅方向の変位量(μm)を測定した。
図9では、上端面Sの外部電極5b側(切欠部101側)の端部を測定位置0(mm)とし、そこから外部電極5aまでの変位量の分布を示している。図9に示すように、上端面Sは、切欠部101が形成されている側の変位量が大きくなって傾斜することが確認された。
(比較例2)
比較例2は、図2(a)に示す積層型圧電素子80における上端面の幅方向の変位分布を測定した。本比較例2においても比較例1と同様に、積層型圧電素子80について、幅Wを2.0mm、高さHを2.0mmとし、外部電極5a,5bに1.5(kV/mm)相当の電圧を印加することにより変位させ、上端面の幅方向の変位量(μm)を測定した。その結果を図11中の折れ線L80に示す。
(実施例1)
実施例1は、図7(a)に示す積層型圧電素子30における上端面の幅方向の変位分布を測定した。本実施例1においても比較例1,2と同様に、積層型圧電素子30について、幅Wを2.0mm、高さHを2.0mmとし、外部電極5a,5bに1.5(kV/mm)相当の電圧を印加することにより変位させ、上端面の幅方向の変位量(μm)を測定した。その結果を図11中の折れ線L30に示す。
図11に示すように、実施例1の積層型圧電素子30は、変位後の上端面が傾斜することなく滑らかな曲線を描き、中央付近(測定位置800mm〜1200mm付近)では変位量がばらつくことなく近い値で推移することが確認された。また、比較例2の積層型圧電素子80に比して、変位量が上端面全体に渡って大きくなることが確認された。
図12は、比較例2に係る積層型圧電素子80に対する実施例1に係る積層型圧電素子30の変位増加率(%)を示す図である。図12に示すように、実施例1に係る積層型圧電素子30は、比較例2に係る積層型圧電素子80に比して全体的に変位量が増加しており、解放部を設けたことによって変位の拘束が解放され、変位量の低減が抑制されることが確認された。
本発明の実施形態に係る積層型圧電素子の断面を示す概略図である。 従来の積層型圧電素子の外部電極に電圧を印加したときの状態を示す概略図である。 図1に示す積層型圧電素子の外部電極に電圧を印加したときの状態を示す概略図である。 図1に示す積層型圧電素子の製造方法を示す図である。 図1に示す積層型圧電素子の外部電極を除いた状態を示す概略斜視図である。 他の形態の積層型圧電素子の製造方法を示す図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子の変形例を示す図である。 本実施形態に係る積層型圧電素子のさらなる変形例を示す図である。 図10に示す積層型圧電素子における上端面の幅方向の変位分布を示す図である。 比較例1に係る積層型圧電素子を示す概略図である。 比較例2及び実施例1に係る積層型圧電素子の上端面における幅方向の変位量を測定した結果を示す図である。 比較例2に係る積層型圧電素子に対する実施例1に係る積層型圧電素子の変位増加率を示す図である。
符号の説明
1…積層型圧電素子、2…内部電極、3…圧電シート(圧電体層)、4…積層体、5a,5b…外部電極、6…活性部、7,7a,7a,7R,7A,7B…非活性部、10a,10b…解放部、20…積層型圧電素子、30…積層型圧電素子、31a,31b…解放部、40…積層型圧電素子、41a〜44a,41b〜44b…解放部、51a,51b…外部電極、60…積層型圧電素子、70…積層型圧電素子、71a,71b…解放部、X…積層方向(変位方向)、Y…変位方向。

Claims (4)

  1. 積層された圧電体層の間に内部電極が配置された積層体を有する積層型圧電素子であって、
    前記積層体は、圧電的に活性な活性部と、前記活性部の変位方向と交差する方向に前記活性部を挟むように位置する圧電的に非活性な非活性部とを有し、
    前記非活性部には、前記活性部の変位の拘束を解放するための解放部が少なくとも一つ設けられていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記解放部は、その深さ方向が前記変位方向と交差する方向と一致する溝であることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 前記解放部は、前記積層体の最外層を構成する前記圧電体層に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型圧電素子。
  4. 前記解放部は、前記内部電極同士の間に設けられていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の積層型圧電素子。
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