JP2018144527A - ステンレススチール製外装部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】審美性が高く、形状保持性が高く、より安価なステンレススチール製外装部材を提供する。【解決手段】車体の外側に取り付けられる長尺溝状のステンレススチール製外装部材10a〜10dであって、前記溝が、少なくとも一方の端部で、連続して一体的に形成された底面、端壁、及び2つの側壁を含み、前記端壁の面と平行な面で切った断面で見て、前記2つの側壁の縁部を結んだ線分の長さをFとし、前記線分に直交する、当該線分から前記溝の底面へと延びる最大長さをDとしたときに、前記端壁の内面から長手方向に10mm離れた位置までの範囲内で、D/Fの値が0.27〜0.80である。【選択図】図1

Description

本発明は、ステンレススチール製外装部材に関する。
従来、車体の外側に取り付けられる長尺の外装部材が知られている。このような外装部材は、車体の部材を保護したり装飾したりする目的で、車両の窓ガラスの周縁、ルーフ周縁、ドアの縁部や表面等に装着される。
外装部材の材質としては様々なものが知られているが、機械的強度、耐候性等に優れ、高光沢の質感を付与できることから、近年ではステンレススチール製の外装部材の人気が高まっている。
ステンレススチール製外装部材は、一般に溝状であり、両端が開放されていることが多い(例えば、特許文献1)。しかしながら、端部が開放された構造は、特に端部が目につくように外装部材が装着される場合には、審美性が低いとして好まれない場合もある。
特開2008−1122号公報
特許文献1に記載された従来の外装部材では、端部が開放されているため、外装部材の下に配置されている車体の部材や樹脂材料等が露出することになる。そのため、外装部材の端部が目に入る角度で車体を見た時に、見栄えが良くないと感じられることがある。
そこで、端部を覆うための壁部(端壁)を別途形成し、端部に取り付けることもできる(図11)。しかしながら、そのような外装部材110Aでは、外装部材本体と端壁との間での質感の相違に起因して、視覚的な違和感が生じる場合がある。また、別体の端壁の作製、取付けにもコストがかかる。
また、外装部材の一部を伸長し、その部分を屈曲させることによって端壁を形成することも考えられる。しかし、このように形成された外装部材では、シワや亀裂、面の歪みなどが生じてしまうため、外装部材の形状保持性が低下してしまう。外装部材の形状保持性が低下すると、搬送時や車体への取付け時等で外装部材が変形しやすいという問題がある。さらに、外装部材にシワや亀裂、面の歪み等が生じると審美性が損なわれる可能性がある。また、シワや亀裂、面の歪み等を生じさせないように形成しようとすると、端壁や側壁が低い形状となり、外装部材の形状保持性が損なわれる可能性がある。
そのため、端部がより美しく形成されたステンレススチール製外装部材への要望が高まっている。
上記の点に鑑みて、本発明の一態様においては、審美性が高く、形状保持性が高く、より安価なステンレススチール製外装部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、車体の外側に取り付けられる長尺溝状のステンレススチール製外装部材であって、前記溝が、少なくとも一方の端部で、連続して一体的に形成された底面、端壁、及び2つの側壁を含み、前記端壁の面と平行な面で切った断面で見て、前記2つの側壁の縁部を結んだ線分の長さをFとし、前記線分に直交する、当該線分から前記溝の底面へと延びる最大長さをDとしたときに、前記端壁の内面から長手方向に10mm離れた位置までの範囲内で、D/Fの値が0.27〜0.80である。
本発明の一態様によれば、審美性が高く、形状保持性が高く、より安価なステンレススチール製外装部材が提供される。
本発明の一形態による外装部材を用いた車体を示す概略図である。 本発明の一形態による外装部材を組み込んだ車両窓用板状体(MAW)を示す。 図2のI−I線で切った断面図である。 本発明の一形態による外装部材の全体を示す斜視図である。 本発明の一形態による外装部材の端部を示す部分斜視図である。 本発明の一形態による外装部材の端部を示す部分斜視図である。 本発明の一形態による外装部材の端部を示す部分底面図である。 本発明の一形態による外装部材の端部を示す部分側面図である。 図7のII−II線で切った断面図である。 本発明の別の態様による外装部材の断面図である。 従来の外装部材の端部を示す部分斜視図である。 従来の外装部材の端部を示す部分斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に限定されることはない。
<車体>
図1に、本発明の一形態による外装部材を用いた車両を例示する。図1の車両1の車体2は、フロントサイドドア7及びリアサイドドア8を有している。フロントサイドドア7にはフロントサイドガラス4が、リアサイドドア8にはリアサイドガラス5が設けられており、リアサイドガラス5の後方にリアクォーターガラス6が、フロントサイドガラス4の前方にフロントベンチガラス4が設けられている。図1の例では、フロントベンチガラス3、フロントサイドガラス4、リアサイドガラス5、及びリアクォーターガラス6が設けられている窓枠に沿って、それぞれ外装部材10a〜10dが配置されている。また、フロントサイドドア7及びリアサイドドア8には、それぞれ外装部材10e、10fが配置されている。
外装部材10は、車体2を製造した後に、車体2の外側に取り付けることができる。例えば、車体にガラス板を接着し、ガラス板の周囲に、枠体(ガスケット、モールディング、ウェザーストリップ等)を設けた後に、その枠体を覆うようにして配置することができる。
また、ガラス板の周縁部に樹脂製の枠体を一体成形して得られたモジュールアッシーウィンドウ(Module Assy Window(MAW(登録商標))に外装部材10を装着しておいて、得られたユニットを、車体の窓枠に組み付けることができる。また、MAWを製造する際に、外装部材10を、ガラス板周縁部に樹脂製の枠体と共に一体成形することもできる。
<モジュールアッシーウィンドウ(MAW)>
図2に、本発明の一形態によるステンレススチール製外装部材を組み込んだMAW40の正面図を示す。図2には、例として、リアクォーターガラス6(図1)として適用されるMAW40を示す。
MAW40は、ガラス板Gと、ガラス板Gの周縁部に取り付けられた枠体50とを備えた枠体付きガラス板である。枠体50は、合成樹脂等で構成されており、ガラス板Gの全周を取り囲むように取り付けることができる。さらに、枠体50の車外側に、ステンレススチール製外装部材10dが取り付けられているが、外装部材10dは、ガラス板G及び枠体50と共に一体成形されている。
このようなMAW40の一体成形は、枠体50の形状に対応したキャビティを有する金型に、ガラス板Gと外装部材10dとを装着し、キャビティ内に合成樹脂を射出することによって製造することができる。
図3に、図2のI−I線で切った、MAW40の断面図を示す。外装部材10dは、後述のように長尺溝状であり、略C字形や略L字形の断面形状を有している。図3の例では、外装部材10は略C字形状を有しているが、C字の端縁(後述の側壁)の一部が、樹脂等からなる枠体50に埋没している。
<外装部材の全体の構成>
図4に、本発明の一形態によるステンレススチール製の外装部材(SUSモール又はステンレスモールともいう)の全体図を示す。図4には、一例として、リアクォーターガラス6(図1)が取り付けられる窓枠に沿って配置される外装部材10dを示す。
外装部材10は長尺溝状であればよく、全体としての形状は特に限定されない。外装部材10の全体形状は、外装部材10を取り付ける車体の部分に合せて設計されればよく、直線状であってもよいし、屈曲又は湾曲していてもよい。リアクォーターガラス6の窓枠に沿って取り付ける場合には、外装部材10の外観形状は、図4の例のように、略L字形状(又は略C字形状)であってよい。
<外装部材の端部の構造>
図5及び図6に、本発明の一形態による外装部材10の1つの端部15を含む部分を拡大した斜視図を示す。図5及び図6はそれぞれ、同じ外装部材の1つの端部15を含む部分を、異なる角度から見た斜視図である。また、図7は、図6に示す外装部材10を溝側から(矢印Aで示す方向から)見た底面図であり、図8は、図6に示す外装部材10を側面から(矢印Bで示す方向から)見た側面図である。
図6より明らかなように、外装部材10は、端部15において溝形状を有している。この溝形状は、底面22と、端壁24、第1側壁26及び第2壁部28(総称して壁部という場合がある)とによって形成されており、これらの壁部は、底面22から同じ方向(図6において上方向)に延びている。
底面22、端壁24、第1側壁26、及び第2側壁28は、連続して一体的に形成されている。すなわち、底面22、端壁24、第1側壁26、及び第2側壁28は互いに接合されている。そして、底面22と端壁24との間、底面22と第1側壁26との間、底面22と第2側壁28との間、第1側壁26と端壁24との間、及び第2側壁28と端壁24との間の接合部はいずれも、複数の部材を溶接等で接合して形成されたものではなく、1枚の板状体から一体的に形成されたものである。
1枚の板状体から外装部材を作製する場合、従来では、外装部材の端部を屈曲させることによって端壁を形成していた。しかし、このように形成された外装部材では、端壁の近傍において、第1側壁及び/又は第2側壁にシワや亀裂、面の歪みなどが生じてしまい、審美性が損なわれる可能性がある。また、外装部材の一部を伸長し、その部分を屈曲させることによって端壁を形成した外装部材110Bも考えられる。しかし、外装部材110Bは、側壁に切欠を有するものとなるため(図12)、端壁が外装部材の本体から分離しているような印象を与え、審美性が損なわれる可能性がある。
一方、本形態では、端壁24の近傍において、第1側壁26及び/又は第2側壁28にシワや亀裂がなく、さらに、第1側壁26及び/又は第2側壁28に切欠が設けられていない。例えば、端壁24の内面から50mm、10mm、又は5mm離れた位置までの範囲において、第1側壁26及び/又は第2側壁28にシワや亀裂、切欠がないことが好ましい。側壁にシワや亀裂、面の歪み、切欠がないことによって、側壁と端壁とが連続して移行する一体的な外観が得られ、外装部材の端部の審美性を高めることができる。
但し、端部15近傍以外の範囲、例えば外装部材10の長尺な全体形状の中央付近において、外装部材10のデザインや用途に応じて、第1側壁26及び第2側壁28に切欠や孔を形成することもできる。
端壁24、第1側壁26、及び第2側壁28の高さは、互いに同じであってもよいし、同じでなくともよい。また、各壁部の高さは、場所によって変化していてもよい。例えば、図6に示すように、端部15における第1側壁26の高さは一定でなくともよい。図示の例では、第1側壁26の高さは、端壁24との移行部において最も高く、端壁24から離れるにつれて低くなり、さらに離れた範囲では、端壁24より低い高さで一定となっている。ここで、壁部(端壁24、第1側壁26、及び第2側壁28)の高さとは、底面22からの高さを指す。具体的には、底面22が平面である場合又は平面を含む場合であれば、その平面から各壁部の縁部24a、26a、28aまでの長さとすることができる。底面22が曲面である場合には、溝の中心において底面22に接する接平面から、各壁部の縁部24a、26a、28aまでの長さとすることができる。
端壁24は、第1側壁26及び/又は第2側壁28の高さと等しいか、又はそれより高い高さとすることができる。また、第1側壁26及び/又は第2側壁28の最も高い位置での高さと等しいか、又はそれより高い高さとすることができる。これにより、端部15を覆うことができ、外装部材15の下に配置される枠体等が露出して審美性を損なうことを防ぐことができる。図示の例では、端部15において、端壁24の高さは、第1側壁26の最も高い位置での高さ(端壁24との接合での高さ)と同じになっている。
端壁24の高さは、外装部材10の全体のサイズによって異なるが、最も高い位置で3〜25mmとすることができる。また、5mm以上、7mm超、8mm超とすることができる。また、本形態では、各壁部が連続して一体的になっているので、端壁24の高さを高くしても、端壁24に不要な力が掛り、端壁24と底面22との間で応力が集中する等して端壁24が損傷することを防止することができ、端部15を堅牢に構成することができる。
また、図示の例では、端壁24の縁部24aは直線的に延びているが、上側に突出していてもよいし、下側に凹んでいてもよい。第1側壁26及び第2側壁28の縁部も、同様である。
端壁24の、底面22に対する角度は、75〜115°であると好ましく、85〜105°であるとより好ましい。また、端壁24は、底面22に対してほぼ直交するように延びていることが好ましい。上記角度は、一方の側壁の側から見た側面視で、例えば第1側壁26の側から見た側面視で、第1側壁26の、長手方向に延びる下側の輪郭線L1と、長手方向に直交する方向に延びる輪郭線L2とのなす角度とすることができる。図8に、第1側壁26の長手方向に延びる輪郭線L1と、長手方向に直交する方向に延びる輪郭線L2とのなす角度αを示す。
車体において複数の外装部材を設ける場合には、外装部材の端部同士が向かい合うようにして、遠目で見た時に複数の外装部材が繋がって1つの長尺の部材であるように配置する。例えば、図1に示すように、リアクォーターガラス6の周縁に設けられた外装部材10dは、リアサイドドア8のリアサイドガラス5の周縁に設けられた外装部材10cと隣り合い、両外装部材の端部が向かい合うように配置されている。底面22と、少なくとも一方の側壁、例えば、第1側壁26とのなす角度が75〜115°であると、外装部材10dとそれと隣り合う外装部材10cとの間での繋がった印象をより強くすることができ、車体2全体のデザイン性を向上させることができる。
<外装部材の断面形状>
図9に、図7のII−II線、すなわち、端壁24が延在する面と平行な面で切った断面図を示す。
外装部材10のII−II線断面は凹状である。また、図9に示す断面形状は左右非対称であるが、外装部材10の断面形状は、取り付けられる箇所や用途等に応じて、左右対称となっていてもよい。
本形態においては、外装部材10の溝は、少なくとも一方の端部15の近傍において、所定の深さを有している。ここで、端部15の近傍とは、図7に概略的に示すように、端壁24の内面から長手方向に10mm離れた位置までの範囲17である。上記所定の深さとは、図9に示すように、第1側壁26の縁部26aと第2側壁28の縁部28aとを結んだ線分の長さをFとし、この線分に直交し、且つこの線分から溝の底面(外側の面)22へと延びる最大長さをDとしたときに、DをFで除した値[−](以下、ソリッド深度という場合がある)が0.27〜0.80であることを指す。なお、Fは、具体的には、第1側壁26の縁部26aと第2側壁28の縁部28aとを結んだ線分の長さとすることができる。
上記のDをFで除した値、すなわちD/F値は、0.40以上であると好ましく、0.50以上であるとより好ましい。D/F値に上限はないが、製造上の制約やコスト等を考慮して0.80以下とすることが好ましい。
また、端壁24の内面から長手方向に5mm離れた位置までの範囲内で測定したD/F値が0.27〜0.80とすることもできる。この場合も、D/F値は、0.40以上であるとより好ましく、0.50以上であるとさらに好ましい。
上記D/F値が大きいということは、溝形状の溝の開口幅に対する深さが深いことを意味する。また、D/F値が大きいということは、側壁26、28の高さが高いということにもなる。よって、連続して一体となっている壁部を有する溝形状を端部15に形成しようとした場合、D/F値が大きい程、溝形状の成形が難しいといえる。そして、端部24近傍の範囲におけるD/F値が比較的大きいということは、端壁24近傍において、溝の開口幅に対する深さが浅い箇所がなく、側壁26、28が低い箇所がないといえる。
本形態では、端部24近傍におけるD/F値を0.27以上とすることによって、端壁24の高さに合せて、側壁26、28の高さを、少なくとも端壁24との接合部付近で高くすることができる。そのため、各側壁26、28に続く、比較的高さの高い一体的な壁部を、端部15に形成することができるので、端壁24が外装部材10の本体から分離されている印象を回避できる。また、端壁24に別部材が用いられることもないので、外装部材10は、本体から端部15までをほぼ同じ質感で形成することができる。これにより、ステンレススチールの外観を、外装部材10の端部15の領域でも生かすことができ、審美性を向上させることができる。さらに、各側壁26、28に続く、比較的高さの高い一体的な壁部を、端部15に形成することができるので、外装部材10の形状保持性を高くすることができ、搬送時や車体への取付け時等での外装部材10の変形を防ぐことができる。
また、側壁26、28の高さを比較的高く構成できることにより、取付けの際の有利な効果も得ることができる。例えば、外装部材10をガラス板及び枠体と一体成形してMAWとした場合、外装部材10の側壁26、28を、樹脂等からなる枠体により深く食い込ませることが可能となる(図3)。これにより、外装部材10をより確実にMAWに組み込むことができるため、衝撃を受けた場合等でも、外装部材10が外れにくくなる。さらに、側壁26、28の高さを比較的高く構成できることにより外装部材10の剛性が高まるため、外装部材10をガラス板及び枠体と一体成形してMAWとした場合における剛性も高める事が可能となる。
上記F及びDの値は、取り付けられる箇所や用途等に応じて適宜決定されるが、Dの値は、3〜18mmであると好ましく、3.5〜15mmであるとより好ましく、4〜13mmであるとさらに好ましい。また、Fの値は、5〜40mmであると好ましく、8〜30mmであるとより好ましく、10〜20mmであるとさらに好ましい。
また、底面22と、少なくとも一方の側壁、例えば、第1側壁26とのなす角度は、75〜115°とすることができ、85〜95°であるとより好ましい。底面22と第1側壁26とのなす角度は、底面22が平面である場合又は平面を含む場合には、端壁24の面が延在する方向に対して平行な線で切った断面で見て、その平面と第1側壁26とがなす角度することができる。図9に、底面22と第1側壁26とがなす角度βを示す。
底面22と、少なくとも一方の側壁、例えば、第1側壁26とのなす角度が75〜115°であると、例えば、外装部材10をガラス板及び枠体と一体成形してMAWとした場合、外装部材10の側壁26、28を、樹脂等からなる枠体により深く食い込ませることが可能となる(図3)。これにより、外装部材10をより確実にMAWに組み込むことができるので、衝撃を受けた場合等でも、外装部材10が外れにくくなり、好ましい。
なお、外装部材10は、少なくとも一方の端部15において上記溝形状の構造が形成されているが、外装部材10が取り付けられる箇所や目的に応じて、長尺の外装部材10の他方の端部も上記構成を有していてよい。その場合、両端部の溝の構成は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本形態の外装部材10に用いられるステンレススチールは、特に限定されず、オーステナイト系、フェライト系であってよい。鋼種の具体例としては、NK−430MA、NK−436L−NB、SUS430、SUS304等が挙げられる。また、外装部材10の成形に用いられる板の厚さは、0.1〜0.7mm程度であり、0.2〜0.6mm程度であってよい。0.4〜0.5mmであると、外装部材10の製造に汎用のステンレススチール板材料を用いることができるので好ましい。
図10に、本発明の別の形態による外装部材810の断面図を示す。図10は、図9の断面図と同様に、端壁24の近傍、すなわち端壁24の内面から10mm離れた位置までの範囲において、端壁24の面と平行な面で切った断面図である。
図9の例では、断面形状は、具体的には略C字形状であったが、図10の例のように、断面形状を略L字形状とすることもできる。この場合、底面822は、第1側壁826と第2側壁828との間に形成される窪み部分となる。
図10の例においても、外装部材810の溝は、少なくとも一方の端部の近傍において、所定の深さを有している。上記所定の深さとは、図10に示すように、第1側壁826の縁部826aと第2側壁828の縁部828aとを結んだ線分の長さをFとし、この線分に直交し、且つこの線分から溝の底面(外側の面)822へと延びる最大長さをDとしたときに、DをFで除した値[−]が0.27〜0.80であることを指す。Fは、具体的には、第1側壁826の縁部826aと第2側壁828の外縁828aとを結んだ線分の長さとすることができる。
図9の例と同様、D/F値は、0.40以上であると好ましく、0.50以上であるとより好ましい。D/F値に上限はないが、製造コストや手間を考慮すると、0.80以下とすることが好ましい。
また、端壁24の内面から長手方向に5mm離れた位置までの範囲内で測定したD/F値が0.27〜0.80とすることもできる。この場合も、D/F値は、0.40以上であるとより好ましく、0.50以上であるとさらに好ましい。
図10に示す外装部材810のその他の構成は、外装部材10(図9)で上述した構成と同様である。また、外装部材810においても、D/F値を上記範囲とすることによって、外装部材10について上述したものと同様の効果が得られる。
<外装部材の製造>
本形態による外装部材10は、ステンレススチール板の成形手法を用いて製造することができる。例えば、1枚の板に圧力をかけて変形させるプレス加工することによって行うことができる。プレス加工は、一般的に、絞り成形(深絞り成形)、張出し成形、曲げ成形、及びこれらの組合せによって、成形を行う加工法である。
成形は、パンチ及びダイを用いるフォーム方式で行うことが好ましい。また、プレス成形の際には、材料薄板の端部を押さえ付けながら、或いは端部を固定しながら行うことが好ましい。これにより、シワや亀裂を生じることなく、上述の外装部材10を製造することができる。
1 車両
2 車体
3 フロントベンチガラス
4 フロントサイドドアガラス
5 リアサイドドアガラス
6 リアクォーターガラス
7 フロントサイドドア
8 リアサイドドア
10、10a〜10d 外装部材
15 端部
17 範囲(端部近傍の範囲)
22 底面
24 端壁
24a 端壁の縁部
26、826 第1側壁
26a、826a 第1側壁の縁部
28、828 第2側壁
28a、828a 第2側壁の縁部
40 MAW
50 枠体
L1 側壁の長手方向に延びる輪郭線
L2 側壁の長手方向に直交する方向に延びる輪郭線
G ガラス板

Claims (6)

  1. 車体の外側に取り付けられる長尺溝状のステンレススチール製外装部材であって、
    前記溝が、少なくとも一方の端部で、連続して一体的に形成された底面、端壁、及び2つの側壁を含み、
    前記端壁の面と平行な面で切った断面で見て、前記2つの側壁の縁部を結んだ線分の長さをFとし、前記線分に直交する、当該線分から前記溝の底面へと延びる最大長さをDとしたときに、
    前記端壁の内面から長手方向に10mm離れた位置までの範囲内で、D/Fの値が0.27〜0.80である、ステンレススチール製外装部材。
  2. 前記端壁の内面から長手方向に50mm離れた位置までの範囲内で、前記側壁に切欠がない、請求項1に記載のステンレススチール製外装部材。
  3. 前記端壁の高さが、少なくとも1つの前記側壁の高さ以上である、請求項1又は2に記載のステンレススチール製外装部材。
  4. 前記端壁と前記底面とのなす角度が75〜115°である、請求項1から3のいずれか一項に記載のステンレススチール製外装部材。
  5. 前記端壁と、少なくとも1つの前記側壁とのなす角度が、75〜115°である、請求項1から4のいずれか一項に記載のステンレススチール製外装部材。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のステンレススチール製外装部材が、ガラス板周縁部に樹脂製の枠体と共に一体成形されている、枠体付きガラス板。
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