JP2018144173A - 切断用ブレード及びその製造方法 - Google Patents
切断用ブレード及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018144173A JP2018144173A JP2017041847A JP2017041847A JP2018144173A JP 2018144173 A JP2018144173 A JP 2018144173A JP 2017041847 A JP2017041847 A JP 2017041847A JP 2017041847 A JP2017041847 A JP 2017041847A JP 2018144173 A JP2018144173 A JP 2018144173A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cutting blade
- bond phase
- cutting
- vitrified bond
- plating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Dicing (AREA)
Abstract
Description
また、本発明の一態様に係る切断用ブレードの製造方法は、ビトリファイド粉末及び砥粒を混合し、圧力を加えて円板状に成型し、焼結して多孔質体のビトリファイドボンド相を形成するボンド相形成工程と、前記ビトリファイドボンド相の中心軸方向を向く面上に、目止め膜を形成する目止め膜形成工程と、前記目止め膜上に、導電性のめっき層を形成するめっき層形成工程と、を備えたことを特徴とする。
つまり、ビトリファイドボンド相の中心軸方向を向く面上に、まず目止め膜を形成することにより、ボンド相を目止めして気孔を覆った状態とし、この目止め膜上にめっき層を形成している。
また、上記配置とされためっき層によって、切れ刃の刃痩せを抑制することができる。つまり、切れ刃の刃先が、その断面視で径方向外側へ向けた凸V字状となるように摩耗進行する不具合を抑制できる。従って、切断の加工品位を良好に維持することができる。
一方、本発明の切断用ブレードは、ビトリファイドボンド相の中心軸方向の外側に、めっき層及び目止め膜が形成されているので、切断用ブレードの厚さを150μm以下にまで薄肉化した場合であっても、ブレード強度が十分に確保される。
上記構成によれば、ビトリファイドボンド相に砥粒が分散されているのみならず、めっき層にも砥粒が分散されている。これにより、めっき層の強度が高められる結果、ブレード全体としての剛性をさらに向上させることができる。
具体的に、この切断用ブレード10は、被切断材として、例えば、パワーデバイスに用いられる炭化ケイ素(SiC)や車載用LEDのベース材となる高純度アルミナ(Al2O3)や窒化アルミ(AlN)、LEDチップのベース材となるサファイアなど、非常に硬度が高く、所謂難削材と称される材料の精密切断加工に特に適している。
また、中心軸Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち、中心軸Oに接近する向きを径方向の内側といい、中心軸Oから離間する向きを径方向の外側という。
また、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
めっき層4の厚さは、目止め膜3の厚さより厚く、ビトリファイドボンド相1の厚さよりは薄い。めっき層4は、切断用ブレード10に導電性を付与することが可能な厚さに形成される。具体的に、めっき層4の厚さは、例えば0.5〜10μmである。より詳しくは、通電だけを可能にする場合には、0.5〜2μmであることが好ましく、通電に加え強度向上を目的とする場合には、1〜10μmであることが好ましい。切断用ブレード10の中心軸O方向の厚さが150μm以下である場合には、めっき層4の厚さは、例えば5μm程度である。
本実施形態の切断用ブレード10の製造方法は、ボンド相形成工程と、目止め膜形成工程と、めっき層形成工程と、をこの順に備えている。
ボンド相形成工程では、ビトリファイドボンド相1の材料であるビトリファイド粉末及び砥粒2を混合したものを金型にセットし、圧力を加えて円板状に成型し、この円板成形体を焼結することにより、図3(a)に示されるような、複数の気孔5を有する多孔質体のビトリファイドボンド相1を形成する。なお、ビトリファイドボンド相1に砥粒2及びフィラーを分散させる場合には、上述の混合時において、ビトリファイド粉末、砥粒2及びフィラーを混合する。
上記円板成形体を焼結した後は、焼結により得られた切断用ブレード中間体の外径及び内径を、所定の大きさに研削する。また、切断用ブレード中間体の厚さを、所定の厚さにラップ処理する。研削・ラップ処理後は、切断用ブレード中間体を洗浄し乾燥する。
次に、目止め膜形成工程において、ビトリファイドボンド相1の中心軸O方向を向く面上に、目止め膜3を形成する。本実施形態の例では、目止め膜3を蒸着により形成する。具体的には、図3(b)に示されるように、ビトリファイドボンド相1の表面及び裏面に、上述した目止め膜3の材質を片面ずつ蒸着して、一対の目止め膜3を形成する。なお、この際、目止め膜3がビトリファイドボンド相1の外周面(径方向外側を向く周面)に形成されてもよい。
次に、めっき層形成工程において、目止め膜3上に、通電機能を有する導電性のめっき層4を形成する。本実施形態の例では、めっき層4を無電解めっきにより形成する。具体的には、ビトリファイドボンド相1の中心軸O方向を向く面上に目止め膜3を形成して得られた上記切断用ブレード中間体を、めっき液中に配置し、図3(c)に示されるように、一対の目止め膜3上にそれぞれめっき層4を析出させる。この際、めっき層4の厚さが、目止め膜3の厚さよりも厚く、ビトリファイドボンド相1の厚さよりも薄い所定厚さの範囲となるように、めっき層4を形成する。なお、めっき層4は、ビトリファイドボンド相1の外周面に形成された目止め膜3上に形成されてもよい。
最後に検査が行われて、切断用ブレード10が製造される。なお、切断用ブレード10の外周面(切れ刃1A上)に形成された目止め膜3及びめっき層4については、ツルーイング及びドレッシング等により切れ刃1Aから取り除かれるか、又は切断加工時の摩擦抵抗等により自然に切れ刃1Aから除去される。
つまり、ビトリファイドボンド相1の中心軸O方向を向く面上に、まず目止め膜3を形成することにより、ボンド相1を目止めして気孔5を覆った状態とし、この目止め膜3上にめっき層4を形成している。
また、上記配置とされためっき層4によって、切れ刃1Aの刃痩せを抑制することができる。つまり、切れ刃1Aの刃先が、その断面視で径方向外側へ向けた凸V字状となるように摩耗進行する不具合を抑制できる。従って、切断の加工品位を良好に維持することができる。
図4(a)に示されるように、従来においても、まずボンド相形成工程にてビトリファイドボンド相1が形成される。しかしながら次の工程では、図4(b)に示されるように、ビトリファイドボンド相1に対して直接的にめっき処理工程が施される。
このような従来の問題点を、本実施形態によれば解決できるのである。
従来では、脆性材料であるビトリファイドボンド相を有する切断用ブレードを、200μm以下、特に150μm以下の厚さまで薄肉化することは困難であった。すなわち、切断用ブレードの厚さを200μm以下とすると、切断用ブレードを切断加工装置の主軸にフランジでセットする際や、切断加工時の負荷や外力等により、ビトリファイドブレードは破損しやすかった。そして、切断用ブレードの厚さを150μm以下とした場合には、この問題がより生じやすかった。
一方、本実施形態の切断用ブレード10は、ビトリファイドボンド相1の中心軸O方向の外側に、めっき層4及び目止め膜3が形成されているので、切断用ブレード10の厚さを200μm以下、特に150μm以下にまで薄肉化した場合であっても、ブレード強度が十分に確保される。
すなわち、めっき層4の厚さが、0.5μm以上であるので、該めっき層4によって切断用ブレード10に十分な導電性(通電機能)を付与することができ、かつ、切れ刃1Aの刃幅方向の両端における摩耗を抑制して、刃痩せを防止することができる。
また、めっき層4の厚さが、10μm以下であるので、めっき層形成工程において、めっき層4を形成するためのめっき時間が長くかかり過ぎることがなく、切断用ブレード10の生産効率を確実に向上させることができる。
また、通電に加え強度向上を目的とする場合には、めっき層4に砥粒が分散されていることが好ましい。これにより、切断用ブレード10の剛性を確実に高めることができる。
つまり、目止め膜3は、ビトリファイドボンド相1の気孔5を目止め可能な膜であればよく、具体的には、気孔5へのめっき液の浸入を防止できる膜であればよい。従って、目止め膜3の材質は、金属材料に限定されるものではなく、それ以外の例えば樹脂材料等であってもよい。
本発明の実施例として、前述の実施形態で説明した切断用ブレード10を下記の手順で製造した。
次に、焼結により得られた切断用ブレード中間体の内外径を研削して、外径54mm、内径40mmとした。また、この切断用ブレード中間体をラップ処理して、厚さ200μmとした。
蒸着条件は、下記の通りである。
・使用機械 島津製作所製 真空蒸着装置E−25OA型
・到達圧力 9×10−3Pa
・電流値 10A
また蒸着は、ボンド相1の表面及び裏面に対して、片面1分程度ずつ行った。
めっき条件は、下記の通りである。
・めっき液 日本カニゼン社 ブルーシューマー(登録商標)20%めっき液
・めっき温度 80℃
まためっき時間は、10分程度とした。
まず、ビトリファイドボンド相1の原料であるビトリファイド粉末、平均粒径20〜30μmのダイヤモンド砥粒2、及びフィラー(SiC等)を混合し、これを金型にセットし、圧力を加えて、外径55mm、内径39mm、厚さ250μmの円板成形体とした。
次に、焼結により得られた切断用ブレード中間体の内外径を研削して、外径54mm、内径40mmとした。また、この切断用ブレード中間体をラップ処理して、厚さ200μmとした。
めっき前処理の条件は、下記の通りである。
・前処理液 日本カニゼン社 レッドシューマー(登録商標)5%めっき液
切断用ブレード中間体を上記前処理液に常温にて5分浸漬し、純水に浸漬した後、下記のめっき処理を行う。
めっき条件は、下記の通りである。
・めっき液 日本カニゼン社 ブルーシューマー(登録商標)20%めっき液
・めっき温度 80℃
まためっき時間は、10分程度とした。
なお、従来例の切断用ブレード20において、上述した本発明の実施例の切断用ブレード10と同等の導電性を付与するには、めっき時間が20〜30倍(つまり200分から5時間)必要であることがわかった。
1A 切れ刃
2 砥粒
3 目止め膜
4 めっき層
10 切断用ブレード
O 中心軸
Claims (5)
- 円板状をなし、外周縁部に切れ刃が形成され、砥粒が分散された多孔質体のビトリファイドボンド相と、
前記ビトリファイドボンド相の中心軸方向を向く面上に形成された目止め膜と、
前記目止め膜上に形成された導電性のめっき層と、を備えた切断用ブレード。 - 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
前記目止め膜は、蒸着膜である切断用ブレード。 - 請求項1又は2に記載の切断用ブレードであって、
前記中心軸方向の厚さが、150μm以下である切断用ブレード。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断用ブレードであって、
前記めっき層に砥粒が分散された切断用ブレード。 - ビトリファイド粉末及び砥粒を混合し、圧力を加えて円板状に成型し、焼結して多孔質体のビトリファイドボンド相を形成するボンド相形成工程と、
前記ビトリファイドボンド相の中心軸方向を向く面上に、目止め膜を形成する目止め膜形成工程と、
前記目止め膜上に、導電性のめっき層を形成するめっき層形成工程と、を備えた切断用ブレードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017041847A JP7032861B2 (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | 切断用ブレード及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017041847A JP7032861B2 (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | 切断用ブレード及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018144173A true JP2018144173A (ja) | 2018-09-20 |
JP7032861B2 JP7032861B2 (ja) | 2022-03-09 |
Family
ID=63590480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017041847A Active JP7032861B2 (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | 切断用ブレード及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7032861B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102420875B1 (ko) * | 2022-03-25 | 2022-07-14 | 최태성 | 담배 절단용 원형나이프의 제조방법 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50103785A (ja) * | 1974-01-21 | 1975-08-16 | ||
JPH06320430A (ja) * | 1993-05-11 | 1994-11-22 | Nippon Micro Kooteingu Kk | 円板状回転刃およびその製造方法 |
JP2008018479A (ja) * | 2006-07-11 | 2008-01-31 | Nic:Kk | 切断砥石 |
US20120009026A1 (en) * | 2010-07-07 | 2012-01-12 | Kim Young-Ja | Wafer dicing blade and wafer dicing apparatus including the same |
JP2013154425A (ja) * | 2012-01-27 | 2013-08-15 | Tokyo Seimitsu Co Ltd | 切断用ブレード |
-
2017
- 2017-03-06 JP JP2017041847A patent/JP7032861B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50103785A (ja) * | 1974-01-21 | 1975-08-16 | ||
JPH06320430A (ja) * | 1993-05-11 | 1994-11-22 | Nippon Micro Kooteingu Kk | 円板状回転刃およびその製造方法 |
JP2008018479A (ja) * | 2006-07-11 | 2008-01-31 | Nic:Kk | 切断砥石 |
US20120009026A1 (en) * | 2010-07-07 | 2012-01-12 | Kim Young-Ja | Wafer dicing blade and wafer dicing apparatus including the same |
JP2013154425A (ja) * | 2012-01-27 | 2013-08-15 | Tokyo Seimitsu Co Ltd | 切断用ブレード |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102420875B1 (ko) * | 2022-03-25 | 2022-07-14 | 최태성 | 담배 절단용 원형나이프의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7032861B2 (ja) | 2022-03-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI461249B (zh) | 線鋸及其製作方法 | |
JP5713684B2 (ja) | Led発光素子用複合材料基板、その製造方法及びled発光素子 | |
TW201343977A (zh) | 含有電鍍層之複合線鋸及其製作方法 | |
US20080132153A1 (en) | Cmp conditioner | |
US20180354095A1 (en) | Grinding Tool and Method of Fabricating the Same | |
JP2018144173A (ja) | 切断用ブレード及びその製造方法 | |
JP2019046873A (ja) | マルチブレード、加工方法 | |
JP2009166150A (ja) | ウェハの製造方法 | |
US20150105006A1 (en) | Method to sustain minimum required aspect ratios of diamond grinding blades throughout service lifetime | |
JP2010179438A (ja) | 切断ブレード及びその製造方法並びに中間体 | |
JP5841437B2 (ja) | 切断用ブレード及びその製造方法 | |
JP2006082187A (ja) | 薄刃砥石 | |
JP7336864B2 (ja) | 切断用ブレード | |
JP2013154425A (ja) | 切断用ブレード | |
CN102528166A (zh) | 一种研磨式线锯 | |
JPH04129675A (ja) | 多孔砥石 | |
KR20180001446A (ko) | 절삭 지석 | |
KR20020046471A (ko) | 화학적-기계적-연마 패드 컨디셔너 제조방법 | |
JP2020163513A (ja) | 切断用ブレード | |
JP2022044425A (ja) | 切断ブレード | |
TWI494194B (zh) | 切斷用刀刃 | |
JP5528064B2 (ja) | 切断用ブレード | |
JP2021146463A (ja) | ビトリファイドブレード | |
JP2004136431A (ja) | 電鋳薄刃砥石及びその製造方法 | |
TW201936330A (zh) | 電鍍磨石 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181116 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210302 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210803 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7032861 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |