JP2010179438A - 切断ブレード及びその製造方法並びに中間体 - Google Patents

切断ブレード及びその製造方法並びに中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】刃の厚さを極薄に形成しても剛性を充分に確保でき、安定して被切断材を切断加工できる切断ブレード及びその製造方法並びに中間体を提供する。
【解決手段】金属膜4に被覆された砥粒3に、前記金属膜4から突出する突起部5が形成され、隣接する前記砥粒3同士は、前記突起部5を連結させているとともに、これらの砥粒3同士の間には間隙が形成され、前記間隙には、樹脂材料6が充填されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば水晶やガラス等の硬脆材料の精密切断加工に使用される切断ブレード及びその製造方法並びにこの切断ブレードを製造する際に作製される中間体に関するものである。
電子半導体の分野においては、品質向上のため、水晶やガラスといった硬脆材料を切断加工する際に生じるチッピングを少しでも低減することへの要望がある。とりわけ、被切断材として水晶のようにチッピングの生じやすい硬脆材料を精密切断加工する場合には、被切断材に及ぼされる加工負荷の衝撃を緩和するため、弾性のある樹脂相内にダイヤモンド砥粒を分散したレジンボンド砥石(例えば、特許文献1参照)からなる切断ブレードを用いて、チッピングを抑制させている。
一方、半導体部品の製品歩留まりの向上を目的として、極薄刃でも剛性が損なわれることがない電鋳ボンド砥石からなる切断ブレードが用いられることがある(例えば、特許文献2参照)。このような電鋳ボンド砥石は、ニッケル等の金属めっき相内にダイヤモンド砥粒を分散し形成されている。
特開2007−21653号公報 特開2004−136431号公報
しかしながら、レジンボンド砥石からなる切断ブレードでは、剛性が充分に確保できずに、切断加工時に砥石が破損してしまう場合がある。このような破損を防止するため、刃の厚さを比較的厚く設定して剛性を確保させる必要があるが、その分、被切断材を切断加工する幅が大きくなり、製品歩留まりが悪くなる。
一方、電鋳ボンド砥石からなる切断ブレードは、比較的薄刃であっても充分に剛性を確保することができる。しかしながら、電鋳ボンド砥石は前述のレジンボンド砥石などに比べ弾性が低く、切断加工時に生じる加工負荷の衝撃を緩和させにくいことから、被切断材のチッピングが増大してしまうことがある。
また、電鋳ボンド砥石は、加工による磨耗が進行しにくく、レジンボンド砥石に比べ自生発刃の作用が活発ではない。よって、ある程度の切断長を越えると、磨耗したダイヤモンド砥粒が刃先に保持されたままの状態で切断加工が行われることとなり、安定して加工を行うことが難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、刃の厚さを極薄に形成しても剛性を充分に確保でき、安定して被切断材を切断加工できる切断ブレード及びその製造方法並びに中間体を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明に係る切断ブレードは、金属膜に被覆された砥粒に、前記金属膜から突出する突起部が形成され、隣接する前記砥粒同士は、前記突起部を連結させているとともに、これらの砥粒同士の間には間隙が形成され、前記間隙には、樹脂材料が充填されていることを特徴とする。
本発明に係る切断ブレードによれば、砥粒の金属膜には、突起部が形成されている。突起部は金属膜から突出して延び、例えば、角状に形成されている。そして、隣接する砥粒同士が、突起部を連結させて相対的に固定されているので、従来のレジンボンド砥石からなる切断ブレードのように、隣接する砥粒同士が直接連結されておらず個々に樹脂相内に分散される構成に比べ、機械的強度が飛躍的に高められている。従って、刃の厚さを極薄に形成しても、充分に剛性が確保できる。よって、切断ブレードの刃厚、つまり被切断材を切断する幅を狭く設定することができ、製品歩留まりが向上する。
また、隣接する砥粒同士の間には間隙が設けられており、この間隙には、樹脂材料が充填されているので、この樹脂材料が砥粒同士を接着させるように作用するとともに互いの相対位置を安定させ、剛性がより高められている。また、切断加工時に被切断材に及ぼされる加工負荷の衝撃が樹脂材料の弾性により緩和される(以下「衝撃緩和作用」と呼ぶ)ことから、被切断材のチッピングが低減する。
また、加工を進めるに従って、刃先に露出した樹脂材料が磨耗するとともに砥粒が適度に脱落するので、自生発刃の作用が安定して行われ、刃先には磨耗の少ない新鮮な砥粒が常に配置されることとなる。従って、鋭い切れ味が安定して確保される。さらに、樹脂材料の磨耗により刃先には適度なチップポケットが形成されるので、切り粉の排出性が高められ、加工の際に用いられる冷却水等の付きまわりが向上して刃先の発熱が抑制され、加工精度が向上する。
また、本発明に係る切断ブレードにおいて、前記間隙の占める割合が、10〜40vol%の範囲内に設定されていることとしてもよい。
本発明に係る切断ブレードによれば、前記間隙の占める割合が10〜40vol%の範囲内に設定されているので、切断ブレードを極薄に形成しても充分に剛性を確保でき、この間隙に充填された樹脂材料が被切断材のチッピングを確実に低減し、精度の高い切断加工が安定して行える。
すなわち、前記間隙の占める割合が10vol%未満に設定された場合は、前記間隙が充分に形成されないことから、樹脂材料の弾性による前述の衝撃緩和作用が得られず、被切断材のチッピングを低減できないことがある。また、前記間隙の占める割合が40vol%を超えて設定された場合は、機械的強度が低減して、剛性が充分に確保できないことがある。
また、本発明は、前述の切断ブレードの製造方法であって、前記砥粒を分散させた金属めっき液内に台金を浸漬させた状態で、前記台金に通電し、該台金の表面に前記砥粒を電着するとともに、前記金属膜にめっき金属を析出させることにより前記突起部を形成して、隣接する前記砥粒同士の前記突起部を連結させ、これらの砥粒同士の間に前記間隙を備えた中間体を形成する工程と、前記中間体の前記間隙に、液状の樹脂材料を充填する工程と、前記樹脂材料を硬化させる工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る切断ブレードの製造方法によれば、砥粒を分散させた金属めっき液内に台金を浸漬させた状態で、この台金に通電すると、該台金の表面に砥粒が電着するとともに、砥粒の金属膜にめっき金属が析出し突起部が形成される。またこの際、隣接する砥粒同士は突起部を連結させ、これらの砥粒同士の間には間隙が形成されて、中間体が作製される。すなわち、金属めっき液内において台金の表面に砥粒を電着し突起部を析出させるのみの簡便な手法により、前記中間体を作製できる。そして、この中間体の前記間隙に液状の樹脂材料を充填し硬化させることで、切断ブレードを比較的容易に製造できる。
また、本発明に係る切断ブレードの製造方法において、前記砥粒はダイヤモンド砥粒であり、前記金属膜はニッケルからなり、前記ダイヤモンド砥粒における前記ニッケルの割合が、40〜60重量%の範囲内に設定されていることとしてもよい。
本発明に係る切断ブレードの製造方法によれば、ダイヤモンド砥粒におけるニッケルの割合が、40〜60重量%の範囲内に設定されているので、金属膜に突起部が確実に形成される。また、突起部が金属膜から突出して形成されることから、連結したダイヤモンド砥粒同士の間に樹脂材料を充填する間隙が確実に形成される。
すなわち、ダイヤモンド砥粒におけるニッケルの割合が40重量%未満の場合は、ダイヤモンド砥粒が金属膜で充分に被覆されないことがあり、ダイヤモンド砥粒同士の連結が行われにくくなって、剛性が確保できないことがある。また、この場合、突起部が形成されにくくなるので、これらのダイヤモンド砥粒同士の間に間隙が形成されにくくなり、前記間隙に充分な分量の樹脂材料を充填できず、樹脂材料の弾性による前述の衝撃緩和作用が得られないことがある。
また、ダイヤモンド砥粒におけるニッケルの割合が60重量%を超えて設定された場合は、ダイヤモンド砥粒の表面に金属膜が厚く形成され過ぎ、前記表面の硬度が低下し、切断加工時の切れ味が低減することがある。また、突起部が金属膜から突出し過ぎて形成されることとなり、前記間隙が大きくなり過ぎて、剛性が充分に確保できないことがある。
また、本発明は、前述の切断ブレードを製造する際に作製される中間体であって、金属膜に被覆された前記砥粒に、前記金属膜から突出する突起部が形成され、隣接する前記砥粒同士は、前記突起部を連結させているとともに、これらの砥粒同士の間には間隙が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る中間体によれば、隣接する砥粒同士が突起部を連結させていることから、砥粒同士が相対的に固定され、剛性が確保されている。また、この中間体の前記間隙には、用途によって種々の液状の材料を選択し充填することができる。また、前記間隙に何も充填せずに、この中間体をそのまま切断加工に用いることも可能であり、この場合、刃先に露出した砥粒が加工を進めるに従って適度に脱落するので、従来の電鋳ボンド砥石に比べ自生発刃の作用が活発となり、安定した切断加工が行える。また、刃先に露出した砥粒同士の間の前記間隙がチップポケットを確実に形成することとなり、切り粉の排出性が飛躍的に高められ、加工精度が安定する。
本発明に係る切断ブレードによれば、刃の厚さを極薄に形成しても剛性を充分に確保でき、切断加工時に被切断材に及ぼされる加工負荷の衝撃を弾性により緩和して被切断材のチッピングを低減でき、自生発刃の作用により安定して被切断材を切断加工することができる。
また、本発明に係る切断ブレードの製造方法によれば、このような切断ブレードを比較的容易に製造することができる。
また、本発明に係る中間体によれば、剛性を確保でき、自生発刃の作用により安定して被切断材を切断加工できる。
本発明の一実施形態に係る切断ブレードを示す概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る切断ブレードの砥粒層を拡大して示す図である。 本発明に係る実施例1とこれに対する比較例1とを用いて切断加工試験を行った際に発生したチッピングの大きさと発生個数との関係を示すグラフである。 本発明に係る実施例2とこれに対する比較例2とを用いて切断加工試験を行った際の切断ブレードにおける径方向の累積磨耗量を示すグラフである。
本実施形態の切断ブレード1は、例えば、水晶やガラス等の硬脆材料からなる被切断材の切断加工に用いられる。図1に示すように、切断ブレード1は、円環形板状をなし、軸Oを中心に回転させられるようになっている。詳しくは、切断ブレード1は、例えば、外径が56mm程度、厚さが0.01〜0.5mm程度の薄肉板状とされており、それ自体が砥粒層2によって形成されていて、その内径部が切断装置の主軸に取り付けられて軸O周りに回転されつつ軸Oに垂直な方向に送り出されることにより、この砥粒層2の外周縁部(刃先)によって、前記硬脆材料からなる基板を有する電子材料部品を精密切断加工する。
図2に示すように、砥粒層2は、複数の砥粒を有しており、これらの砥粒はダイヤモンド砥粒3である。また、ダイヤモンド砥粒3は、ニッケルからなる金属膜4に夫々被覆されている。尚、金属膜4は、ダイヤモンド砥粒3の表面全体に被覆されていても、部分的に被覆されていてもよい。また、ダイヤモンド砥粒3の金属膜4は、無電解めっきにより形成されている。
また、これらのダイヤモンド砥粒3には、金属膜4から突出する角状の突起部5が複数形成されている。また、ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合は、40〜60重量%の範囲内に設定されている。
また、隣接するダイヤモンド砥粒3同士は、互いの突起部5同士を連結させるか、突起部5と金属膜4とを連結させており、このように突起部5を連結することで相対的に固定されるとともに、ダイヤモンド砥粒3同士の間に間隙が形成されている。また、前記間隙には、樹脂材料6が充填されている。また、砥粒層2において、前記間隙の占める割合は、10〜40vol%の範囲内に設定されている。また、樹脂材料6は、熱硬化性樹脂からなり、詳しくは、常温で液状のフェノール、ポリイミド、ポリアミドイミド等からなる。
このように、切断ブレード1は、ダイヤモンド砥粒3がニッケル(金属電鋳ボンド)と樹脂材料6(レジンボンド)とにより結合された樹脂入り電鋳ブレードであって、言うなればハイブリッドボンド砥石とされている。
次に、切断ブレード1を製造する手順について説明する。
本実施形態の切断ブレード1は、分散めっき法により作製される。
まず、金属膜4に被覆されたダイヤモンド砥粒3を均一に分散させたニッケルめっき液内に、円板状の台金を水平に配置した状態で浸漬させ、台金を軸周りに回転させながら前記台金及びニッケルめっき液に通電して、該台金の表面に堆積したダイヤモンド砥粒3を電着させ、該表面に所定の厚さで均一に固着して電鋳する。
この際、金属膜4で被覆されたダイヤモンド砥粒3においては、該金属膜4の特に角張った部分にニッケルめっきが集中的に析出して前記突起部5が形成され、隣接するダイヤモンド砥粒3同士ではこれら突起部5が連結させられ、或いは突起部5が金属膜4に連結されるとともに、これらのダイヤモンド砥粒3同士の間には突起部5の周囲に前記間隙が形成される。
所定の電鋳の後、台金をニッケルめっき液から引き上げ、固着したダイヤモンド砥粒3の電鋳体をこの台金から分離する。詳しくは、例えば、台金から前記電鋳体を剥がし取ったり、台金を溶解したりすることによって、電鋳体を台金から分離させる。このように得られたダイヤモンド砥粒3の電鋳体は、切断ブレード1を製造する際に作製される中間体とされている。
すなわち、この中間体は、金属膜4に被覆されたダイヤモンド砥粒3を複数備え、これらのダイヤモンド砥粒3には、金属膜4から突出する突起部5が形成されており、隣接するダイヤモンド砥粒3同士は、突起部5を連結させているとともに、これらのダイヤモンド砥粒3同士の間には間隙が形成されている。このように、前述した切断ブレード1において、樹脂材料6を有していない中間体が作製される。
次いで、この中間体を液状の樹脂材料6に浸漬することにより、その前記間隙に、液状の樹脂材料6を流し込み充填する。樹脂材料6の充填は、使用する樹脂材料6の流動性に応じて、溶剤等を用いることとしてもよい。
次いで、充填した樹脂材料6を加熱し硬化させる。樹脂材料6の加熱は、ホットプレスによる熱間成型により行う。詳しくは、例えば、圧力(荷重)を4.9〜9.8MPa程度、加熱温度を200〜350℃程度、加熱時間を30分間程度に設定して、樹脂材料6を硬化させる。
熱間成型後は、切断ブレード1の外周縁部、内周縁部を機械加工して所定の寸法となるように仕上げる。また、切断ブレード1の厚さ精度を高めるために、ラップ加工等の研磨加工を施すこととしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る切断ブレード1によれば、ダイヤモンド砥粒3の金属膜4には、角状の突起部5が形成されている。そして、隣接するダイヤモンド砥粒3同士が、突起部5を連結させて相対的に固定されているので、従来のレジンボンド砥石からなる切断ブレードのように、隣接するダイヤモンド砥粒同士が直接連結されずに個々に樹脂相内に分散される構成に比べ、機械的強度が飛躍的に高められている。従って、刃の厚さを極薄に形成しても、充分に剛性が確保できる。よって、切断ブレード1の刃厚、つまり被切断材を切断する幅を狭く設定することができ、製品歩留まりが向上する。
また、隣接するダイヤモンド砥粒3同士の間には間隙が設けられており、この間隙には、樹脂材料6が充填されているので、この樹脂材料6がダイヤモンド砥粒3同士を接着させるように作用するとともに互いの相対位置を安定させ、剛性がより高められている。また、切断加工時に被切断材に及ぼされる加工負荷の衝撃が樹脂材料6の弾性により緩和されることから、被切断材のチッピングが低減する。
また、加工を進めるに従って、刃先に露出した樹脂材料6が磨耗するとともにダイヤモンド砥粒3が適度に脱落するので、自生発刃の作用が安定して行われ、刃先には磨耗の少ない新鮮なダイヤモンド砥粒3が常に配置されることとなる。従って、鋭い切れ味が安定して確保される。
さらに、樹脂材料6の磨耗により刃先には適度なチップポケットが形成されるので、切り粉の排出性が高められ、加工の際に用いられる冷却水等の付きまわりが向上して刃先の発熱が抑制され、加工精度が向上する。
また、砥粒層2において、前記間隙の占める割合が10〜40vol%の範囲内に設定されているので、切断ブレード1を極薄に形成しても充分に剛性を確保でき、この間隙に充填された樹脂材料6が被切断材のチッピングを確実に低減し、精度の高い切断加工が安定して行える。
すなわち、前記間隙の占める割合が10vol%未満に設定された場合は、前記間隙が充分に形成されないことから、樹脂材料6の弾性による前述の衝撃緩和作用が得られず、被切断材のチッピングを低減できないことがある。また、前記間隙の占める割合が40vol%を超えて設定された場合は、機械的強度が低減して、剛性が充分に確保できないことがある。
また、本実施形態に係る切断ブレード1の製造方法によれば、ダイヤモンド砥粒3を分散させたニッケルめっき液内において、台金の表面にダイヤモンド砥粒3を電着し突起部5を析出させるのみの簡便な手法により、前記中間体を作製できる。そして、この中間体の前記間隙に液状の樹脂材料6を充填し硬化させることで、切断ブレード1を比較的容易に製造できる。
また、この樹脂材料6として熱硬化性樹脂を用い、加熱により硬化させることとしているので、樹脂材料6の硬化が確実に行えるとともに、製造がより簡便に行える。
また、ダイヤモンド砥粒3の金属膜4がニッケルからなり、ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合が、40〜60重量%の範囲内に設定されているので、突起部5が確実に形成される。また、突起部5が金属膜4から突出して形成されることから、連結したダイヤモンド砥粒3同士の間に樹脂材料6を充填する間隙が確実に形成される。
すなわち、ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合が40重量%未満の場合は、ダイヤモンド砥粒3が金属膜4で充分に被覆されないことがあり、ダイヤモンド砥粒3同士の連結が行われにくくなって、剛性が確保できないことがある。また、この場合、突起部5が形成されにくくなるので、これらのダイヤモンド砥粒3同士の間に間隙が形成されにくくなり、前記間隙に充分な分量の樹脂材料6を充填できず、樹脂材料6の弾性による前述の衝撃緩和作用が得られないことがある。
また、ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合が60重量%を超えて設定された場合は、ダイヤモンド砥粒3の表面に金属膜4が厚く形成され過ぎ、前記表面の硬度が低下し、切断加工時の切れ味が低減することがある。また、突起部5が金属膜4から突出し過ぎて形成されることとなり、前記間隙が大きくなり過ぎて、剛性が充分に確保できないことがある。
また、切断ブレード1を製造する際に作製される中間体によれば、隣接するダイヤモンド砥粒3同士が突起部5を連結させていることから、ダイヤモンド砥粒3同士が相対的に固定され、剛性が確保されている。また、この中間体の前記間隙には、用途によって種々の液状の材料を選択し充填することができる。また、前記間隙に何も充填せずに、この中間体をそのまま切断加工に用いることも可能であり、この場合、刃先に露出したダイヤモンド砥粒3が加工を進めるに従って適度に脱落するので、従来の電鋳ボンド砥石に比べ自生発刃の作用が活発となり、安定した切断加工が行える。また、刃先に露出したダイヤモンド砥粒3同士の間の前記間隙がチップポケットを確実に形成することとなり、切り粉の排出性が飛躍的に高められ、加工精度が安定する。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態では、金属膜4がニッケルからなることとしたが、これに限定されるものではなく、金属膜4が、ニッケル以外の合金めっきであるニッケルコバルト、ニッケルタングステン等の金属材料からなることとしても構わない。また、ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合が、40〜60重量%の範囲内に設定されることとしたが、前述の範囲内に限定されるものではない。
また、本実施形態では、砥粒としてダイヤモンド砥粒3を用いたが、砥粒は、ダイヤモンド砥粒以外のcBN砥粒等であっても構わない。
また、本実施形態では、砥粒層2において、前記間隙の占める割合が10〜40vol%の範囲内に設定されることとしたが、前述の範囲内に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1として、直径(外径)が56mm、厚さが0.1mm、主軸の取付穴径(内径)が40mmに形成された切断ブレード1を用意した。また、切断ブレード1の製造においては、ダイヤモンド砥粒3として、ニッケルからなる金属膜4が予め無電解めっきにより被覆され、平均粒径が20/30μmに設定された市販品を用いた。尚、ダイヤモンド砥粒3には、該ダイヤモンド砥粒3におけるニッケルの割合が40〜60重量%の範囲内に設定されたものを用いた。そして、前述の分散めっき法により前記中間体を作製した後、この中間体の前記間隙に樹脂材料6を充填し硬化させて、切断ブレード1を製造した。尚、前記中間体の気孔率は30vol%に設定した。つまり、切断ブレード1の砥粒層2において、樹脂材料6の占める割合も略30vol%に設定した。
また、被切断材として、厚さが0.4mmの水晶からなる基板を用意し、送り速度10mm/sec、ブレード回転数20,000rpm、湿式切断の条件下で切断加工を行った。そして、切断加工後、被切断材において加工により生じたチッピングの大きさとチッピング数とを測定した。結果を図3に示す。
[比較例1]
また、比較例1として、ダイヤモンド砥粒とニッケルめっき相のみによって砥粒層を形成した、電鋳ボンド砥石からなる切断ブレードを用意した。それ以外は、実施例1と同様の条件として測定を行った。
図3に示す通り、実施例1においては、比較例1に比べ小さなチッピングは僅かに多いものの、大きなチッピングが大幅に低減されていることがわかった。詳しくは、実施例1では、基板が貝殻状に欠けるとともにチッピング自体がそれほど大きくならない、所謂シェル状チッピングの割合が多かった。このようなシェル状チッピングは、製品設計や製品特性、製品歩留まりに影響を与えるものではなく、特に問題はない。その一方で、比較例1では、基板が鋸歯状に欠ける、所謂カギ状チッピングが多く見受けられた。このようなカギ状チッピングは、基板の奥深くにまで達してしまうため、製品設計や製品特性、製品歩留まりに顕著に影響を与えることとなり、好ましくない。
また、実施例1では、比較例1に比べチッピングの総数が低減された。
[実施例2]
次に、実施例2として、実施例1と同様に製造された切断ブレード1を用意した。そして、被切断材として前記基板を複数用意し、これらの基板の切断加工を実施例1と同じ条件で連続して行い、夫々の基板の切断加工後に、切断ブレード1の外径を測定し、この切断ブレード1における径方向の累積磨耗量を求めた。結果を図4に示す。
[比較例2]
また、比較例2として、ダイヤモンド砥粒と樹脂相のみによって砥粒層を形成した、レジンボンド砥石からなる切断ブレードを用意した。尚、ダイヤモンド砥粒同士は直接連結されておらず、樹脂相内に分散されている構成とした。それ以外は、実施例2と同様の条件として測定を行った。
図4に示す通り、実施例2においては、比較例2に比べ累積磨耗量が低減され、工具寿命が飛躍的に延長することがわかった。詳しくは、例えば、基板の加工本数が15ヶの時点において、比較例2の累積磨耗量が120μm程度にまで達しているのに対し、実施例2の累積磨耗量は40μm程度に抑えられていることから、工具寿命が略3倍程度に延長されていることが確認された。
1 切断ブレード
3 ダイヤモンド砥粒(砥粒)
4 金属膜
5 突起部
6 樹脂材料

Claims (5)

  1. 金属膜に被覆された砥粒に、前記金属膜から突出する突起部が形成され、
    隣接する前記砥粒同士は、前記突起部を連結させているとともに、これらの砥粒同士の間には間隙が形成され、
    前記間隙には、樹脂材料が充填されていることを特徴とする切断ブレード。
  2. 請求項1に記載の切断ブレードであって、
    前記間隙の占める割合が、10〜40vol%の範囲内に設定されていることを特徴とする切断ブレード。
  3. 請求項1又は2に記載の切断ブレードの製造方法であって、
    前記砥粒を分散させた金属めっき液内に台金を浸漬させた状態で、前記台金に通電し、該台金の表面に前記砥粒を電着するとともに、前記金属膜にめっき金属を析出させることにより前記突起部を形成して、隣接する前記砥粒同士の前記突起部を連結させ、これらの砥粒同士の間に前記間隙を備えた中間体を形成する工程と、
    前記中間体の前記間隙に、液状の樹脂材料を充填する工程と、
    前記樹脂材料を硬化させる工程と、を備えることを特徴とする切断ブレードの製造方法。
  4. 請求項3に記載の切断ブレードの製造方法であって、
    前記砥粒はダイヤモンド砥粒であり、前記金属膜はニッケルからなり、
    前記ダイヤモンド砥粒における前記ニッケルの割合が、40〜60重量%の範囲内に設定されていることを特徴とする切断ブレードの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の切断ブレードを製造する際に作製される中間体であって、
    金属膜に被覆された前記砥粒に、前記金属膜から突出する突起部が形成され、
    隣接する前記砥粒同士は、前記突起部を連結させているとともに、これらの砥粒同士の間には間隙が形成されていることを特徴とする中間体。
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