JP2008100309A - 薄刃砥石、薄刃砥石の製造方法、半導体装置の製造方法、および精密部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、低い切削抵抗、高い剛性、長い寿命を有する薄刃砥石、前記薄刃砥石の製造方法、および前記薄刃砥石を用いた半導体装置、精密部品の製造方法を提供する。
【解決手段】超砥粒が結合材中に分散配置されている略リング状の薄刃砥石1であって、外周面3に設けられた複数のスリット4の幅寸法の総和が、前記薄刃砥石1の外接円の全長に対して、20%以上30%未満であること、を特徴とする薄刃砥石1が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】超砥粒が結合材中に分散配置されている略リング状の薄刃砥石1であって、外周面3に設けられた複数のスリット4の幅寸法の総和が、前記薄刃砥石1の外接円の全長に対して、20%以上30%未満であること、を特徴とする薄刃砥石1が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置、電子部品や光学部品のような精密部品、セラミック積層体のような電子材料などの被切削物を切断、溝加工するのに用いられる薄刃砥石、薄刃砥石の製造方法、および前記薄刃砥石を用いた、半導体装置、精密部品、電子材料の製造方法に関する。
半導体装置、電子部品や光学部品のような精密部品、セラミック積層体のような電子材料は、複数の個体の集合物を一度に製造し、この集合物から個々の半導体装置、精密部品、電子材料を切り出すか、個々の境界に溝を加工しこの溝部分から折り取ることで、個々の精密部品や電子材料などを得るようにしている。
薄刃砥石は、このような半導体装置、精密部品、電子材料などの集合物の切断加工や溝加工に用いられている。
薄刃砥石は、このような半導体装置、精密部品、電子材料などの集合物の切断加工や溝加工に用いられている。
この薄刃砥石の一種に薄刃電鋳砥石がある。この薄刃電鋳砥石の本体は、Ni(ニッケル)やCo(コバルト)またはこれらの合金等からなる金属メッキ層内に、ダイヤモンドやcBN(立方晶窒化ホウ素焼結体)などの超砥粒を分散させた構成をしている。そして、その刃先(砥石の外周面)には、切削抵抗の低減を図るため、または、切削時に生じる削りくずを排出しやすくして目詰まりを抑制したり、冷却水を切削面に導きやすくするなどのために、複数のスリットが設けられている(例えば、特許文献1)。
ここで、切削抵抗が大きいと、被切削物を直線的に切断することが困難になるなど加工精度に重大な影響を及ぼすことになるが、特許文献1に開示されているようなスリットでは、切削抵抗の低減が不十分であった。
そのため、切削抵抗の低減をより図ることができるスリットが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に開示されているスリットを薄刃砥石に設けると、薄刃砥石の刃先部分の剛性が低下して寿命が短くなるという新たな問題が生じる。
しかしながら、特許文献2に開示されているスリットを薄刃砥石に設けると、薄刃砥石の刃先部分の剛性が低下して寿命が短くなるという新たな問題が生じる。
また、特許文献1や特許文献2に開示されている薄刃砥石は、スリットの側面と砥石の外周面との接続部分(スリット先端部の角部分)が破損しやすいという問題もあった。
特開2004−136431号公報
特開2001−300853号公報
本発明は、低い切削抵抗、高い剛性、長い寿命を有する薄刃砥石、前記薄刃砥石の製造方法、および前記薄刃砥石を用いた半導体装置、精密部品の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、
超砥粒が結合材中に分散配置されている略リング状の薄刃砥石であって、
外周面に設けられた複数のスリットの幅寸法の総和が、前記薄刃砥石の外接円の全長に対して、20%以上30%未満であること、を特徴とする薄刃砥石が提供される。
超砥粒が結合材中に分散配置されている略リング状の薄刃砥石であって、
外周面に設けられた複数のスリットの幅寸法の総和が、前記薄刃砥石の外接円の全長に対して、20%以上30%未満であること、を特徴とする薄刃砥石が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
超砥粒を結合材中に分散させて薄刃砥石の本体を形成し、
前記本体に前記スリットを形成すること、を特徴とする薄刃砥石の製造方法が提供される。
超砥粒を結合材中に分散させて薄刃砥石の本体を形成し、
前記本体に前記スリットを形成すること、を特徴とする薄刃砥石の製造方法が提供される。
さらにまた、本発明の他の一態様によれば、
前記薄刃砥石を用いてダイシングを行うこと、を特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
前記薄刃砥石を用いてダイシングを行うこと、を特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
さらにまた、本発明の他の一態様によれば、
前記薄刃砥石を用いて被切削物の切削を行うこと、を特徴とする精密部品の製造方法が提供される。
前記薄刃砥石を用いて被切削物の切削を行うこと、を特徴とする精密部品の製造方法が提供される。
本発明によれば、低い切削抵抗、高い剛性、長い寿命を有する薄刃砥石、前記薄刃砥石の製造方法、および前記薄刃砥石を用いた半導体装置、精密部品の製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。
図1は、本発明の実施の形態に係る薄刃砥石を説明するための模式平面図である。
また、図2は、切削時のスリット位置を説明するための模式図である。
尚、説明の便宜上、薄刃砥石1がいわゆる薄刃電鋳砥石の場合を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る薄刃砥石を説明するための模式平面図である。
また、図2は、切削時のスリット位置を説明するための模式図である。
尚、説明の便宜上、薄刃砥石1がいわゆる薄刃電鋳砥石の場合を説明する。
図1に示すように、薄刃砥石1は、略リング状の薄板であって,その本体2は、Ni(ニッケル)やCo(コバルト)またはこれらの合金等からなる金属メッキ相(結合材)内に、ダイヤモンドやcBN(立方晶窒化ホウ素焼結体)などの超砥粒が分散した砥粒層からなっている。また、その厚さは15マイクロメートル〜数百マイクロメートル程度であり、外周面3には周方向に沿って等間隔に複数のスリット4が形成されている。
ここで、薄刃砥石1の回転中の動的なバランスを考慮して,スリット4は、薄刃砥石1の中心に対して四方向対称となるように設けることが好ましい。言い換えると、スリット4の数を4の倍数とし、これを等間隔に配置するようにすることが好ましい。尚、図1に例示する薄刃砥石1の場合は、16個のスリット4を設けるようにしている。
また、図2に示すように、被切削物6の切削部分に少なくとも1つのスリット4がくるような、スリット4の個数と大きさを選択することが好ましい。切削部分に少なくとも1つのスリット4がくるようにすれば、被切削物6との接触面積を少なくすることができるので切削抵抗の低減が図れ、切削抵抗の変動をも少なくできるからである。
外周面3と同心になるよう設けられた取り付け孔5は、後述するホルダー7に薄刃砥石1を取り付ける際に、ホルダー7の軸8を挿入して薄刃砥石1を保持させるためのものである。
図3は、スリットの形状を説明するための模式図である。
スリット4は、スリット4の中心と薄刃砥石1の中心とを結ぶ中心線Cを挟んで略対称な形状となっている。スリット4は、薄刃砥石1の外周面3に連なる側面3a、3bと、それらの間に設けられスリット4の底をなす底面3cとからなる。底面3cは、中心線Cと略直交する直線状となっており、底面3cと側面3a、底面3cと側面3bとの接続部分R1は、滑らかな曲線状となっている。このように、接続部分R1が滑らかな曲線状となっているので、接続部分R1における応力集中が緩和され、接続部分R1からの破断を抑制することができる。尚、底面3cは、直線状のものに限定されるわけではなく、例えば、外周面3と同心の円弧状などのように、曲線状であってもよい。
図3は、スリットの形状を説明するための模式図である。
スリット4は、スリット4の中心と薄刃砥石1の中心とを結ぶ中心線Cを挟んで略対称な形状となっている。スリット4は、薄刃砥石1の外周面3に連なる側面3a、3bと、それらの間に設けられスリット4の底をなす底面3cとからなる。底面3cは、中心線Cと略直交する直線状となっており、底面3cと側面3a、底面3cと側面3bとの接続部分R1は、滑らかな曲線状となっている。このように、接続部分R1が滑らかな曲線状となっているので、接続部分R1における応力集中が緩和され、接続部分R1からの破断を抑制することができる。尚、底面3cは、直線状のものに限定されるわけではなく、例えば、外周面3と同心の円弧状などのように、曲線状であってもよい。
外周面3と側面3a、外周面3と側面3bとの接続部分R2も、滑らかな曲線状となっている。このように、接続部分R2が滑らかな曲線状となっていれば、切削時に接続部分R2に発生する衝撃力や負荷が分散されるので、接続部分R2の破損を抑制することができる。
スリット4の幅寸法Wの総和は、薄刃砥石1の外接円11の全長に対して、20%以上30%未満の範囲とすることが好ましい。幅寸法Wの総和を20%未満とすれば、切削抵抗が大きくなるため被切削物を直線的に切断することが困難となるからであり、30%以上とすれば、薄刃砥石1の各外周面3の長さが短くなりすぎるので、剛性が低下することにより寿命が短くなるからである。尚、ここでいうスリット4の幅寸法Wとは、図1に示すように、スリット4の外接円部分における円弧の寸法を指している。
図1に示すスリット4の開口面積S1の総和についても、薄刃砥石1の外接円11と底面3cの位置との間に形成される略リング状の部分12の面積S2に対して、20%以上30%以下の範囲とすることが好ましい。開口面積S1の総和を20%未満とすれば、切削抵抗が大きくなるため被切削物を直線的に切断することが困難となるからであり、30%を越えるものとすれば、薄刃砥石1の剛性が低下することにより寿命が短くなるからである。
また、前述したスリット4の幅寸法Wと開口面積S1の条件の双方を満足するスリット4とすることがより好ましい。
図4は、外周面3に連なる側面3a、3bの傾斜角度θの説明をするための模式図である。
図4に示すように、側面3aの稜線の延長線と側面3bの稜線の延長線との交点Aが、薄刃砥石1の中心Bと底面3c上の位置Dとの間の範囲内にあることが好ましい。交点Aがこのような関係となる傾斜角度θを備える薄刃砥石1は、切削時に、スリット4部分(空間部分)から本体2部分(砥石部分)への移行を徐々に行わせることができるので、負荷変動をゆるやかにすることができる。また,スリット4内に取り込まれた削りくずの排出や、冷却液の入れ替えも円滑に行うことができる。
図4に示すように、側面3aの稜線の延長線と側面3bの稜線の延長線との交点Aが、薄刃砥石1の中心Bと底面3c上の位置Dとの間の範囲内にあることが好ましい。交点Aがこのような関係となる傾斜角度θを備える薄刃砥石1は、切削時に、スリット4部分(空間部分)から本体2部分(砥石部分)への移行を徐々に行わせることができるので、負荷変動をゆるやかにすることができる。また,スリット4内に取り込まれた削りくずの排出や、冷却液の入れ替えも円滑に行うことができる。
図5は、前述したスリット4による切削抵抗の低減効果を説明するためのグラフ図である。
図5(a)は、スリット4を設けていない薄刃砥石の切削抵抗を説明するためのグラフ図であり、図5(b)は、本実施の形態に係るスリット4を設けた薄刃砥石1の切削抵抗を説明するためのグラフ図である。図5(a)、(b)とも横軸は時間、縦軸は切削抵抗の大きさを示している。
図5(a)は、スリット4を設けていない薄刃砥石の切削抵抗を説明するためのグラフ図であり、図5(b)は、本実施の形態に係るスリット4を設けた薄刃砥石1の切削抵抗を説明するためのグラフ図である。図5(a)、(b)とも横軸は時間、縦軸は切削抵抗の大きさを示している。
測定に用いたスリット4の条件は、前述した幅寸法Wの総和の割合を29.7%,開口面積S1の総和の割合を23%、側面3a、3bの傾斜角度θを60°とした。また、接続部分R2の曲線を半径0.3ミリメートル程度の円弧とした。
これらのグラフ図より、図5(a)のスリット4を設けていない薄刃砥石に比べて、図5(b)の本実施の形態に係るスリット4を設けた薄刃砥石1では、切削抵抗を23%程度低減できることが分かる。
図6は、本実施の形態に係る薄刃砥石1の装着を説明するための模式図である。
また、図7は、本実施の形態に係る薄刃砥石1の使用態様を説明するための模式図である。
図6に示すように、薄刃砥石1を取り付けるためのホルダー7は、薄刃砥石1の取り付け孔5に挿入して薄刃砥石1を保持させるための軸8と、薄刃砥石1を挟持するための一対のフランジ9a、9bと、フランジ9a、9bを締め付けて薄刃砥石1を固定させるためのナット10を備えている。
また、図7は、本実施の形態に係る薄刃砥石1の使用態様を説明するための模式図である。
図6に示すように、薄刃砥石1を取り付けるためのホルダー7は、薄刃砥石1の取り付け孔5に挿入して薄刃砥石1を保持させるための軸8と、薄刃砥石1を挟持するための一対のフランジ9a、9bと、フランジ9a、9bを締め付けて薄刃砥石1を固定させるためのナット10を備えている。
薄刃砥石1の装着は、 薄刃砥石1をフランジ9a、9bの間に保持させ、フランジ9a、9bをナット10により締め付けて、薄刃砥石1をホルダー7に固定させることにより行われる。
次に、図7に示すように、ホルダー7に装着、固定した薄刃砥石1を軸8の軸線回りに回転させつつ、薄刃砥石1の外周面付近で半導体装置、精密部品、電子材料など集合物(被切削物6)を切削加工(例えば、切断や溝切りなど)する。
本実施の形態に係る薄刃砥石1は、前述したようなスリット4を備えているため、切削抵抗が低く被切削物6を精度よく直線的に切断することができる。また、剛性も高い。そして、前述した側面3a、3bの傾斜角度θの効果により、切削加工時の負荷変動がゆるやかになるとともに,スリット内に取り込まれた削りくずの排出や、冷却液の入れ替えも良好に行えるようになる。そのため、加工精度のみならず、薄刃砥石1の寿命ものばすことができる。さらには、接続部分R2が滑らかな曲線状となっているため、切削時に接続部分R2に発生する衝撃力や負荷が緩和されて、接続部分R2の破損をも抑制することもできる。
次に、薄刃砥石1の製造方法を説明する。
図8は、薄刃砥石1の製造方法を例示するためのフローチャートである。
まず、分散メッキ法を用いて薄刃砥石1の本体2を形成させる(ステップS1)。
まず、分散メッキ法を用いて薄刃砥石1の本体2を形成させる(ステップS1)。
具体的には、例えば、メッキ液としてニッケルやコバルト等の金属イオンが含まれているものを用い、これにダイヤモンドなどの超砥粒を分散させておく。メッキの陽極としては、例えば、ニッケルなどの金属板を用い、陰極としては、例えば、ステンレス製の平面板を用いる。
メッキ液を撹拌してダイヤモンドなどの超砥粒を均一分散させながら陽極、陰極間に通電を行う。陰極側の平面板の表面には金属メッキ層が還元析出されるとともに、金属メッキ層に均一に分布した状態でダイヤモンドなどの超砥粒が共析する。こうして形成されたメッキ層を平面板から剥離して、所望の形状に整形すれば薄刃砥石1の本体2を形成させることができる。尚、非常に精密な切削加工に使用する薄刃砥石1の場合は、さらに薄刃砥石1の本体2の両側側面をラップ加工して、厚み寸法の精度を上げるようにすることもできる。
次に、薄刃砥石1の外周面3を、ワイヤー等を用いた放電加工や砥石等を用いた研削加工により所定の形状に削り取り、前述のスリット4を形成させる(ステップ2)。
尚、必要に応じて、得られた薄刃砥石1の本体2に円環状のハブや台金を固定するようにしてもよい。
以上は、分散メッキ法により薄刃砥石1の本体2を形成させる場合であり、このようにして製造される砥石は、一般に薄刃電鋳砥石と呼ばれる。この薄刃電鋳砥石は、超砥粒の結合材にメッキ層を用いるものであり、厚さが15マイクロメートル〜数百マイクロメートルと非常に薄いものを製造することができる。このように厚さが非常に薄い薄刃電鋳砥石は、半導体装置や精密部品等の超精密加工に用いられる。
これに対して、水晶や石英などの硬質脆性材料、金属材料などを切断加工するために、厚み寸法が1ミリメートル以下の、いわゆるレジンボンド薄刃砥石やメタルボンド薄刃砥石が用いられる場合がある。レジンボンド薄刃砥石は、少なくとも超砥粒を含む粒子を樹脂の結合材(ボンド材)で保持した砥石である。また、メタルボンド薄刃砥石は、少なくとも超砥粒を含む粒子を金属の結合材(ボンド材)で保持した砥石である。本発明は、このようなレジンボンド薄刃砥石やメタルボンド薄刃砥石にも適応することができる。
図9は、レジンボンド薄刃砥石、メタルボンド薄刃砥石の製造方法を例示するためのフローチャートである。
レジンボンド薄刃砥石の場合においては、まず、加熱により硬化する樹脂や感光により硬化する樹脂を超砥粒の結合材として用い、その結合材と超砥粒とを混合した流動性の砥石材料を型枠内に注入し、型枠内の砥石材料に熱や紫外線などの光を照射することにより、砥石材料を硬化させる。硬化後、型枠から取り出し、適宜仕上げ加工を行うことで、薄刃砥石1の本体2を形成させる。また、メタルボンド薄刃砥石の場合も同様に、金属の結合材(ボンド材)に超砥粒を混合させ、これを焼結させることによって薄刃砥石1の本体2を形成させる(ステップS10)。
レジンボンド薄刃砥石の場合においては、まず、加熱により硬化する樹脂や感光により硬化する樹脂を超砥粒の結合材として用い、その結合材と超砥粒とを混合した流動性の砥石材料を型枠内に注入し、型枠内の砥石材料に熱や紫外線などの光を照射することにより、砥石材料を硬化させる。硬化後、型枠から取り出し、適宜仕上げ加工を行うことで、薄刃砥石1の本体2を形成させる。また、メタルボンド薄刃砥石の場合も同様に、金属の結合材(ボンド材)に超砥粒を混合させ、これを焼結させることによって薄刃砥石1の本体2を形成させる(ステップS10)。
次に、薄刃砥石1の外周面3を、砥石等を用いた研削加工により所定の形状に削り取り、前述のスリット4を形成させる(ステップ20)。尚、必要に応じて、得られた薄刃砥石1の本体2に円環状のハブや台金を固定するようにしてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る薄刃砥石1を用いた半導体装置の製造方法について説明をする。まず、成膜・レジスト塗布・露光・現像・エッチング・レジスト除去などによりウェーハ表面にパターンを形成する工程、検査工程、洗浄工程、熱処理工程、不純物導入工程、拡散工程、平坦化工程などの複数の工程を繰り返すことにより、半導体装置の集合物を製造する。次に、前述した本発明の実施の形態に係る薄刃砥石1を用いて、各半導体装置を切り取る(ダイシング工程)。その後、マウント工程、ボンディング工程、封入工程、リード成形工程、検査工程などを経て、所望の半導体装置を製造する。前述した本発明の実施の形態に係る薄刃砥石1を用いた切削(ダイシング工程)以外のものは、公知の各工程における技術を適用できるので、詳細な説明は省略する。
また、説明の便宜上、本発明の実施の形態に係る薄刃砥石1を用いた切削を半導体装置の製造方法で説明をしたが、これに限定されるわけではない。例えば、セラミック積層体、金属、水晶、石英などに代表される電子材料、金型、光学素子、発光ダイオード、インクジェットヘッドなどのような精密部品、などの精密切断や溝加工などにも適応することができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、薄刃砥石1、本体2、外周面3、側面3a、側面3b、底面3c、スリット4、取り付け孔5、ホルダー7、軸8、フランジ9、ナット10、外接円11、リング状の部分12などの形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
また、薄刃砥石の種類として例示をした、薄刃電鋳砥石、レジンボンド薄刃砥石、メタルボンド薄刃砥石に限定されるわけではなく、例えば、無電解メッキにより砥石の本体を形成させたようなものであってもよい。本発明は、砥石の厚さが比較的薄い、いわゆる薄刃砥石に広く適応が可能である。ただし、前述したスリット4の効果は、砥石の厚さが薄くなるほど顕著になる。
また、被切削物6の形状、寸法、材質なども、例示したものに限定されるわけではなく、精密な切断や溝加工などが必要な種々の材料、部品、装置などに適応することができる。
また、被切削物6の形状、寸法、材質なども、例示したものに限定されるわけではなく、精密な切断や溝加工などが必要な種々の材料、部品、装置などに適応することができる。
1 薄刃砥石、2 本体、3 外周面、3a 側面、3b 側面、3c 底面、4 スリット、11 外接円、12 リング状の部分、W 幅寸法、R2 接続部分、θ 傾斜角度
Claims (7)
- 超砥粒が結合材中に分散配置されている略リング状の薄刃砥石であって、
外周面に設けられた複数のスリットの幅寸法の総和が、前記薄刃砥石の外接円の全長に対して、20%以上30%未満であること、を特徴とする薄刃砥石。 - 前記スリットの開口面積の総和が、前記外接円とスリットの底面の位置との間に形成される略リング状の部分の面積に対して、20%以上30%以下であること、を特徴とする請求項1記載の薄刃砥石。
- 前記スリットの側面と前記外周面との接続部分が、滑らかな曲線となっていること、を特徴とする請求項1記載の薄刃砥石。
- 一方の側面の稜線の延長線と、他方の側面の稜線の延長線との交点が、前記薄刃砥石の中心と前記底面の位置との間にあること、を特徴とする請求項1記載の薄刃砥石。
- 超砥粒を結合材中に分散させて薄刃砥石の本体を形成し、
前記本体に請求項1〜4のいずれか1つに記載のスリットを形成すること、を特徴とする薄刃砥石の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載の薄刃砥石を用いてダイシングを行うこと、を特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の薄刃砥石を用いて被切削物の切削を行うこと、を特徴とする精密部品の製造方法。
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