JP2018137074A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】流体が流れ難くなることを抑制すること。【解決手段】積層された複数の単セル10と、複数の単セルを貫通して設けられ、流体が流通するマニホールドと、を備え、複数の単セルは、マニホールドの周りを囲んで設けられた中空状の突出部からなるシール部50と、シール部の中空を介してマニホールドとシール部に対してマニホールドとは反対側との間で流体を流通させる流通部52と、を有するアノード側セパレータ38aと、アノード側セパレータのシール部が突出する側とは反対側に配置されたカソード側セパレータ38cと、カソード側セパレータに対してアノード側セパレータとは反対側に配置された弾性部材からなる絶縁フレーム46と、を備え、複数の単セルのうちの第1単セル10aのシール部は第1単セルに隣接する第2単セル10bの絶縁フレームに当接していて、カソード側セパレータは、シール部に対向する面にシール部と絶縁フレームとの当接部分に沿って凹凸部64を有する、燃料電池スタック。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池スタックに関する。
積層された複数の単セルと、複数の単セルを貫通して設けられ、流体が流通するマニホールドと、を備える燃料電池スタックが知られている。マニホールドを流れる流体が単セル間で外部に漏れることを抑制するために、マニホールドの周りにシール部を設けて流体を封止することが行われている。例えば、マニホールドを囲むように中空状の突出部からなるシール部がセパレータに設けられ、このシール部が隣接する単セルに当接することで流体を封止することが知られている(例えば、特許文献1)。
特表2006−504872号公報
マニホールドと単セルとの間で流体が流通するよう、セパレータに、マニホールドを囲む中空状の突出部からなるシール部の他に、シール部の中空を介してマニホールドとシール部に対してマニホールドとは反対側との間で流体を流通させる流通部を設けることが考えられる。この場合、マニホールドを流れる流体を封止するためにシール部が隣接する単セルに当接して凹むと、シール部の中空を介して流れる流体の流通路が狭くなり、流体が流れ難くなることがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、流体が流れ難くなることを抑制することを目的とする。
本発明は、積層された複数の単セルと、前記複数の単セルを貫通して設けられ、流体が流通するマニホールドと、を備え、前記複数の単セルは、前記マニホールドの周りを囲んで設けられた中空状の第1突出部からなるシール部と、前記シール部の中空を介して前記マニホールドと前記シール部に対して前記マニホールドとは反対側との間で前記流体を流通させる流通部と、を有する第1セパレータと、前記第1セパレータの前記シール部が突出する側とは反対側に配置された第1部材と、前記第1部材に対して前記第1セパレータとは反対側に配置された弾性部材からなる第2部材と、を備え、前記複数の単セルのうちの第1単セルの前記シール部は前記第1単セルに隣接する第2単セルの前記第2部材に当接していて、前記第1部材は、前記シール部に対向する面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って凹凸部を有する、燃料電池スタックである。
上記構成において、前記シール部と前記第2部材とは、前記シール部又は前記第2部材に設けられた突起が当接している構成とすることができる。
上記構成において、前記流通部は、前記シール部に交差して延在した中空状の第2突出部からなる構成とすることができる。
上記構成において、前記流通部は、前記シール部の側面に設けられ、前記シール部の中空と前記シール部の外側とを連通する貫通孔からなる構成とすることができる。
上記構成において、前記第2部材は、ゴム又はエラストマー樹脂である構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の単セルは、前記第1セパレータが一方を構成し、第2セパレータが他方を構成する1対のセパレータと、膜電極接合体を囲む絶縁フレームと、を備え、前記第1部材は、前記第2セパレータであり、前記第2部材は、前記絶縁フレームである構成とすることができる。
上記構成において、前記複数の単セルは、前記第1セパレータが一方を構成する1対のセパレータと、前記1対のセパレータに挟持され、膜電極接合体を囲む絶縁フレームと、を備え、前記第1部材は、前記絶縁フレームであり、前記第2部材は、前記1対のセパレータの他方を構成する第2セパレータの前記絶縁フレームとは反対側の面に配置された弾性部材である構成とすることができる。
上記構成において、前記第1部材は、平坦面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って複数の凸部又は複数の凹部が設けられることで前記凹凸部を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1部材は、平坦面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って延在し且つ前記平坦面に平行な方向に振幅を有する波形状をした凸部が設けられることで前記凹凸部を有する構成とすることができる。
本発明によれば、流体が流れ難くなることを抑制できる。
図1は、実施例1に係る燃料電池スタックの斜視図である。 図2(a)は、実施例1における単セルの分解平面図、図2(b)は、膜電極ガス拡散層接合体の断面図である。 図3(a)は、実施例1における単セルの積層前の分解斜視図、図3(b)は、図3(a)のA−A間の断面図、図3(c)は、図3(a)のB−B間の断面図である。 図4(a)及び図4(b)は、実施例1における単セルの積層後の断面図である。 図5(a)は、比較例における単セルの積層前の断面図、図5(b)及び図5(c)は、積層後の断面図である。 図6は、流体の流れを説明するための単セルの平面図である。 図7(a)から図7(e)は、実施例1の変形例1から変形例5における単セルの平面図である。 図8(a)及び図8(b)は、実施例2における単セルの積層前の断面図、図8(c)及び図8(d)は、積層後の断面図である。 図9(a)は、実施例3における単セルの積層前の分解斜視図、図9(b)は、図9(a)のA−A間の断面図、図9(c)は、図9(a)のB−B間の断面図である。 図10(a)及び図10(b)は、実施例3における単セルの積層後の断面図である。 図11(a)及び図11(b)は、実施例4における単セルの積層前の断面図、図11(c)及び図11(d)は、積層後の断面図である。 図12(a)は、実施例5における単セルの積層前の断面図、図12(b)は、図12(a)のA方向及びB方向から見たシール部の側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係る燃料電池スタックの斜視図である。図1のように、燃料電池スタック100は、単セル10が複数積層されたセル積層体12と、セル積層体12の積層方向両端を挟持する1対のエンドプレート14と、を備える。単セル10は、反応ガスとして燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気)との供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。
1対のエンドプレート14のうちの一方のエンドプレート14からセル積層体12を貫通するマニホールドが設けられている。マニホールドは、燃料ガス用の燃料ガス供給マニホールド16及び燃料ガス排出マニホールド18と、酸化剤ガス用の酸化剤ガス供給マニホールド20及び酸化剤ガス排出マニホールド22と、冷媒用の冷媒供給マニホールド24及び冷媒排出マニホールド26と、を含む。
図2(a)は、実施例1における単セルの分解平面図、図2(b)は、膜電極ガス拡散層接合体の断面図である。図2(a)のように、単セル10は、アノード側セパレータ38aと、カソード側セパレータ38cと、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)40と、MEGA40を囲む絶縁フレーム46と、を備える。アノード側セパレータ38a、カソード側セパレータ38c、絶縁フレーム46の順に配置されている。アノード側セパレータ38a及びカソード側セパレータ38cは、ガス遮断性及び電子伝導性を有する部材によって形成されており、例えばプレス成型したステンレス鋼などの金属部材によって形成されている。絶縁フレーム46は、ゴム又はエラストマー樹脂(例えば熱可塑性エラストマー樹脂)などの弾性部材によって形成されている。
アノード側セパレータ38aのカソード側セパレータ38cと反対側の面には、燃料ガス供給マニホールド16と燃料ガス排出マニホールド18とを連通し、燃料ガスが流れるアノードガス流路42aが形成されている。カソード側セパレータ38cのアノード側セパレータ38aとは反対側の面には、酸化剤ガス供給マニホールド20と酸化剤ガス排出マニホールド22とを連通し、酸化剤ガスが流れるカソードガス流路42cが形成されている。アノード側セパレータ38a及びカソード側セパレータ38cそれぞれの対向する側の面には、冷媒供給マニホールド24と冷媒排出マニホールド26とを連通し、冷媒が流れる冷媒流路44が形成されている。
アノード側セパレータ38aには、マニホールドを流れる流体が外部に漏れることを抑制するためのシール部50が設けられている。シール部50は、マニホールドの周りを囲んで設けられている。
図2(b)のように、MEGA40は、電解質膜32と、電解質膜32の一方の面に設けられたアノード触媒層34aと、他方の面に設けられたカソード触媒層34cと、を備える膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)30を含む。電解質膜32は、スルホン酸基を有するフッ素系樹脂材料又は炭素系樹脂材料で形成された固体高分子膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。アノード触媒層34a及びカソード触媒層34cは、電気化学反応を進行させる触媒(例えば白金や、白金−コバルト合金)を担持したカーボン粒子(例えばカーボンブラック)と、スルホン酸基を有する固体高分子であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有するアイオノマーと、を含む。
MEA30の両側に1対のガス拡散層(アノードガス拡散層36aとカソードガス拡散層36c)が配置されている。MEA30と1対のガス拡散層とによってMEGA40が形成される。アノードガス拡散層36a及びカソードガス拡散層36cは、ガス透過性及び電子伝導性を有する部材によって形成されており、例えばカーボンクロスやカーボンペーパなどの多孔質カーボン製部材によって形成されている。
図3(a)は、実施例1における単セルの積層前の分解斜視図、図3(b)は、図3(a)のA−A間の断面図、図3(c)は、図3(a)のB−B間の断面図である。図3(a)は、例えば図2(a)の領域Aの冷媒排出マニホールド26の周辺での分解斜視図であるが、以下に説明する構造は、燃料ガス供給マニホールド16、燃料ガス排出マニホールド18、酸化剤ガス供給マニホールド20、酸化剤ガス排出マニホールド22、及び冷媒供給マニホールド24の周辺においても適用できる。
図3(a)から図3(c)のように、アノード側セパレータ38aには、マニホールドを流れる流体が燃料電池スタック100の外部に漏れないように封止するシール部50と、マニホールドとシール部50に対してマニホールドとは反対側に設けられた流路との間で流体を流通させる複数の流通部52と、が設けられている。流通部52は、シール部50に交差する方向に延在している。シール部50は、メタルバネとしての機能が発揮されるように中空状の突出部で形成され、内側に中空54を有する。流通部52は、流体が流通するように中空状の突出部で形成され、内側に中空56を有する。シール部50の中空54と流通部52の中空56とは連結していて、流通部52を流れる流体はシール部50の中空54を介して流通する。シール部50と流通部52とは、例えばプレス加工によって形成される。なお、図2(a)において、冷媒排出マニホールド26と流路との間には2本のシール部50が並んで設けられているため、流通部52を流れる冷媒は2本のシール部50の中空54を介して流通する。
カソード側セパレータ38cには、シール部50に対向する部分の平坦面に、シール部50の延在方向に沿って半球状の複数の凸部60が点在して形成されている。すなわち、凸部60は、シール部50の中空54内に位置している。凸部60は、例えばプレス加工によって形成される。複数の凸部60が点在していることで、カソード側セパレータ38cのシール部50に対向する面には、凸部60と凸部60の間の平坦部62とからなり、シール部50の延在方向に沿った凹凸部64が形成されている。凹凸部64は、例えばシール部50と同様にマニホールドの周りを完全に囲んで設けられている。
絶縁フレーム46は、カソード側セパレータ38cとは反対側の面のうちのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50の直下に位置する部分に突起58を有する。突起58は、シール部50の延在方向に沿って延在していて、例えばシール部50と同様にマニホールドの周りを完全に囲んで設けられている。
図4(a)及び図4(b)は、実施例1における単セルの積層後の断面図である。図4(a)は、図3(a)のA−A間の断面図であり、図4(b)は、図3(a)のB−B間の断面図である。図4(a)及び図4(b)のように、セル積層体12のうちの第1単セル10aのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50は、第1単セル10aに隣接する第2単セル10bの絶縁フレーム46に設けられた突起58に当接している。これにより、シール部50が弾性変形することで反力が発生して、マニホールドを流れる流体は封止されている。
ここで、実施例1の効果を説明するにあたり、比較例の燃料電池スタックについて説明する。図5(a)は、比較例における単セルの積層前の断面図、図5(b)及び図5(c)は、積層後の断面図である。図5(a)のように、比較例においては、カソード側セパレータ38cのシール部50に対向する面に凸部が形成されていない。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
図5(b)及び図5(c)のように、第1単セル10aのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50は、第1単セル10aに隣接する第2単セル10bの絶縁フレーム46に設けられた突起58に当接している。カソード側セパレータ38cは、シール部50の中空54に露出する面が平坦形状となっている。このため、絶縁フレーム46が当接してシール部50が凹むことで、流通部52を流れる流体の流通路が狭められ又は閉塞されて、流通部52を流れる流体が流れ難くなる又は流れることができなくなる。
これに対し、実施例1では、図3(a)から図4(b)のように、カソード側セパレータ38cのシール部50に対向する面に、シール部50と絶縁フレーム46との当接部分に沿って凹凸部64が設けられている。これにより、シール部50が絶縁フレーム46に当接することで凹んだ場合でも、シール部50は凸部60によって凹み量が制限され、流通部52を流れる流体の流通路を確保することができる。このため、流通部52を流れる流体が流れ難くなることを抑制できる。なお、実施例1においては、アノード側セパレータ38aが特許請求の範囲における第1セパレータに相当し、カソード側セパレータ38cが第1部材に相当し、絶縁フレーム46が第2部材に相当する。
また、実施例1によれば、絶縁フレーム46に突起58が設けられ、シール部50と絶縁フレーム46とは突起58で当接している。これにより、シール部50と絶縁フレーム46との接触面圧を高めることができ、流体の封止をより確実に行うことができる。なお、絶縁フレーム46に突起58が設けられていない場合でもよい。
また、実施例1によれば、流通部52は、シール部50に交差する方向に延在した中空状の突出部からなる。これにより、シール部50の側面の強度が高くなり、シール部50と絶縁フレーム46とが当接したときにシール部50の側面の変形を効果的に抑制して流体の流通経路を確保することができる。
また、実施例1によれば、図3(c)及び図4(b)のように、カソード側セパレータ38cに設けられた凸部60は、流通部52とシール部50とが交差する部分には配置されていない。これにより、流体をスムーズに流れさせることができる。なお、凸部60が流通部52とシール部50とが交差する部分に配置されている場合でもよい。この場合でも、図6のように、流体は凸部60を迂回して流れることができる。流体が凸部60を迂回して流れることを考慮すると、凸部60は平面視で円形又は楕円形をしていることが好ましい。
また、実施例1によれば、アノード側セパレータ38aのシール部50に当接する絶縁フレーム46は、ゴム又はエラストマー樹脂からなる。このように、絶縁フレーム46自身が弾性を有することにより、絶縁フレーム46に別部材の弾性部材を備える場合と比較して、部品点数を少なくすることができる。ただし、絶縁フレーム46がゴム又はエラストマー樹脂からなる場合に限られず、絶縁フレーム46が弾性を備えない樹脂材料からなり、シール部50に当接する部位にゴム又はエラストマー樹脂からなる弾性材料を備えていてもよい。
実施例1において、シール部50が設けられたアノード側セパレータ38aと、凹凸部64が設けられたカソード側セパレータ38cとは、同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。アノード側セパレータ38aとカソード側セパレータ38cとが異なる材料で形成されている場合であっても、凸部60によってシール部50の凹みを止める点から、カソード側セパレータ38cの凸部60は、アノード側セパレータ38aのシール部50よりも剛性が高くなるように、材料と形状が選択されていることが好ましい。
なお、シール部50の凹み量によって、シール部50は塑性変形となる場合がある。シール部50が塑性変形すると、シール部50からの反力が弱くなってシール面圧が低下することや、シール部50が元の形状に復元しなくなるために再度の組み付けができないことが生じる。そこで、凸部60の高さを、シール部50の凹みが弾性変形域内に留まる高さに設定することが好ましい。
図7(a)から図7(e)は、実施例1の変形例1から変形例5における単セルの平面図である。図7(a)のように、凹凸部64を形成する凸部60は、半球状の場合に限られず、直方体状(平面視で矩形状)の場合でもよい。図7(b)のように、凸部60は、シール部50と絶縁フレーム46とが接することで荷重を直接受ける部位を避けるように、シール部50の幅方向に分かれて設けられてもよい。図7(c)のように、複数の流通部52が設けられた流通領域53においては凹凸部64が形成され、流通領域53以外の領域においては凸部60が連続して形成されてもよい。図7(d)のように、複数の流通部52が設けられた流通領域53においては凹凸部64が形成され、流通領域53以外の領域においては凸部60が形成されてなく平坦となっていてもよい。図7(e)のように、シール部50と絶縁フレーム46との当接部分(一点鎖線で図示)に沿って延在し且つ平坦面に平行な方向に振幅を有する波形状をした凸部60が設けられていてもよい。このような波形状の凸部60が設けられることで、シール部50と絶縁フレーム46との当接部分において凸部60とその間の平坦部62とからなる凹凸部64が形成される。
このように、カソード側セパレータ38cに設けられる凹凸部64は、平坦面にシール部50と絶縁フレーム46との当接部分に沿って複数の凸部60が設けられることで形成されてもよいし、シール部50と絶縁フレーム46との当接部分に沿って延在し且つ平坦面に平行な方向に振幅を有する波形状をした凸部60が設けられることで形成されてもよい。
図8(a)及び図8(b)は、実施例2における単セルの積層前の断面図、図8(c)及び図8(d)は、積層後の断面図である。図8(a)及び図8(b)のように、実施例2においては、絶縁フレーム46に突起は設けられてなく、代わりに、アノード側セパレータ38aのシール部50に突起58aが設けられている。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
図8(c)及び図8(d)のように、第1単セル10aのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50の突起58aが第1単セル10aに隣接する第2単セル10bの絶縁フレーム46に当接している。これにより、シール部50が凹んで弾性変形することで反力が発生して、マニホールドを流れる流体は封止されている。
実施例2のように、シール部50に突起58aが設けられ、シール部50と絶縁フレーム46とは突起58aで当接していてもよい。この場合でも、シール部50と絶縁フレーム46との接触面圧を高めることができる。
実施例3における単セル10は、アノード側セパレータ38aとカソード側セパレータ38cとでMEGA40及び絶縁フレーム46を挟持した構造をしている。図9(a)は、実施例3における単セルの積層前の分解斜視図、図9(b)は、図9(a)のA−A間の断面図、図9(c)は、図9(a)のB−B間の断面図である。図9(a)から図9(c)のように、アノード側セパレータ38aには、実施例1と同じく、シール部50と流通部52が設けられている。シール部50には、実施例2と同じく、突起58aが設けられている。
絶縁フレーム46には、シール部50に対向する部分の平坦面に、シール部50の延在方向に沿って半球状の複数の凸部70が点在して形成されている。すなわち、凸部70は、シール部50の中空54内に位置している。これにより、絶縁フレーム46のシール部50に対向する面には、凸部70と凸部70の間の平坦部72とからなり、シール部50の延在方向に沿った凹凸部74が形成されている。凹凸部74は、例えばシール部50と同様にマニホールドの周りを完全に囲んで設けられていている。
カソード側セパレータ38cの絶縁フレーム46とは反対側の面のうちのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50の直下に位置する部分に弾性部材76が設けられている。弾性部材76は、シール部50の延在方向に沿って延在して設けられていて、例えばシール部50と同様にマニホールドの周りを完全に囲んで設けられている。弾性部材76は、例えばゴム又はエラストマー樹脂で形成されていて、塗工又はシート貼り付けによって形成される。
図10(a)及び図10(b)は、実施例3における単セルの積層後の断面図である。図10(a)及び図10(b)のように、第1単セル10aのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50の突起58aが第1単セル10aに隣接する第2単セル10bのカソード側セパレータ38cに設けられた弾性部材76に当接している。これにより、シール部50が凹んで弾性変形することで反力が発生して、マニホールドを流れる流体は封止されている。
実施例3によれば、図9(a)から図10(b)のように、絶縁フレーム46のシール部50に対向する面に、シール部50と弾性部材76との当接部分に沿って凹凸部74が設けられている。これにより、シール部50が弾性部材76に当接することで凹んだ場合でも、シール部50は凸部70によって凹み量が制限されるため、流通部52を流れる流体の流通路を確保することができる。このため、流通部52を流れる流体が流れ難くなることを抑制できる。なお、実施例3においては、アノード側セパレータ38aが特許請求の範囲における第1セパレータに相当し、絶縁フレーム46が第1部材に相当し、弾性部材76が第2部材に相当する。
実施例3においても、絶縁フレーム46に設けられた凸部70を実施例1の図7(a)から図7(e)に示した形状としてもよい。また、実施例1と同様に、シール部50には突起58aが設けられずに、弾性部材76に突起が設けられていてもよい。
図11(a)及び図11(b)は、実施例4における単セルの積層前の断面図、図11(c)及び図11(d)は、積層後の断面図である。図11(a)及び図11(b)のように、実施例4においては、絶縁フレーム46のシール部50に対向する部分の平坦面に、シール部50の延在方向に沿って、平面視で矩形状をした複数の凹部80が点在して形成されている。これにより、絶縁フレーム46のシール部50に対向する面には、凹部80とその間の平坦部82とからなり、シール部50の延在方向に沿った凹凸部が形成されている。凹部80は、流通部52とシール部50とが交差する部分に設けられていることが好ましい。その他の構成は、実施例3と同じであるため説明を省略する。
図11(c)及び図11(d)のように、第1単セル10aのアノード側セパレータ38aに設けられたシール部50の突起58aが第1単セル10aに隣接する第2単セル10bのカソード側セパレータ38cに設けられた弾性部材76に当接している。これにより、シール部50が凹んで弾性変形することで反力が発生して、マニホールドを流れる流体は封止されている。
実施例4によれば、図11(a)から図11(d)のように、絶縁フレーム46のシール部50に対向する平坦面に凹部80が形成されることで、シール部50と弾性部材76との当接部分に沿って凹凸部が形成されている。これにより、シール部50が弾性部材76に当接することで凹んだ場合でも、流通部52を流れる流体の流通路を確保でき、流通部52を流れる流体が流れ難くなることを抑制できる。
また、実施例4によれば、凹部80は、その側面がテーパ形状となっている。これにより、流体の流れをスムーズにすることができる。なお、流体の流れをスムーズにする点からは、凹部80は半球状であってもよい。
なお、実施例1及び実施例2においても、カソード側セパレータ38cの平坦面に凹部が設けられることで凹凸部が形成されていてもよい。
図12(a)は、実施例5における単セルの積層前の断面図、図12(b)は、図12(a)のA方向及びB方向から見たシール部の側面図である。図12(a)及び図12(b)のように、実施例5においては、中空状の突出部からなる流通部は設けられていない。シール部50の側面にシール部50の中空54とシール部50の外側とを連通する貫通孔90が設けられていて、この貫通孔90が流通部52aとなっている。すなわち、マニホールドを流れる流体はシール部50によって封止されていることから、シール部50の側面に貫通孔90を設けることで、シール部50の中空54を介してマニホールドとシール部50に対してマニホールドとは反対側との間を流体が流通することができる。その他の構成は、実施例3と同じであるため説明を省略する。
実施例5のように、流通部52aは、シール部50の側面に設けられ、シール部50の中空54とシール部50の外側とを連通する貫通孔90からなる場合でもよい。この場合、中空状の突出部からなる連通部を設ける場合に比べて、容易に製造することができる。
実施例1から実施例5において、アノード側セパレータ38aにシール部50と流通部52、52aが設けられている場合を例に示したが、カソード側セパレータ38cにシール部50と流通部52、52aが設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10〜10b 単セル
12 セル積層体
14 エンドプレート
16 燃料ガス供給マニホールド
18 燃料ガス排出マニホールド
20 酸化剤ガス供給マニホールド
22 酸化剤ガス排出マニホールド
24 冷媒供給マニホールド
26 冷媒排出マニホールド
30 膜電極接合体
32 電解質膜
34a アノード触媒層
34c カソード触媒層
36a アノードガス拡散層
36c カソードガス拡散層
38a アノード側セパレータ
38c カソード側セパレータ
40 膜電極ガス拡散層接合体
42a アノードガス流路
42c カソードガス流路
44 冷媒流路
46 絶縁フレーム
50 シール部
52、52a 流通部
53 流通領域
54、56 中空
58、58a 突起
60、70 凸部
62、72 平坦部
64、74 凹凸部
76 弾性部材
80 凹部
82 平坦部
90 貫通孔

Claims (9)

  1. 積層された複数の単セルと、
    前記複数の単セルを貫通して設けられ、流体が流通するマニホールドと、を備え、
    前記複数の単セルは、
    前記マニホールドの周りを囲んで設けられた中空状の第1突出部からなるシール部と、前記シール部の中空を介して前記マニホールドと前記シール部に対して前記マニホールドとは反対側との間で前記流体を流通させる流通部と、を有する第1セパレータと、
    前記第1セパレータの前記シール部が突出する側とは反対側に配置された第1部材と、
    前記第1部材に対して前記第1セパレータとは反対側に配置された弾性部材からなる第2部材と、を備え、
    前記複数の単セルのうちの第1単セルの前記シール部は前記第1単セルに隣接する第2単セルの前記第2部材に当接していて、
    前記第1部材は、前記シール部に対向する面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って凹凸部を有する、燃料電池スタック。
  2. 前記シール部と前記第2部材とは、前記シール部又は前記第2部材に設けられた突起が当接している、請求項1記載の燃料電池スタック。
  3. 前記流通部は、前記シール部に交差して延在した中空状の第2突出部からなる、請求項1または2記載の燃料電池スタック。
  4. 前記流通部は、前記シール部の側面に設けられ、前記シール部の中空と前記シール部の外側とを連通する貫通孔からなる、請求項1または2記載の燃料電池スタック。
  5. 前記第2部材は、ゴム又はエラストマー樹脂である、請求項1から4のいずれか一項記載の燃料電池スタック。
  6. 前記複数の単セルは、前記第1セパレータが一方を構成し、第2セパレータが他方を構成する1対のセパレータと、膜電極接合体を囲む絶縁フレームと、を備え、
    前記第1部材は、前記第2セパレータであり、
    前記第2部材は、前記絶縁フレームである、請求項1から5のいずれか一項記載の燃料電池スタック。
  7. 前記複数の単セルは、前記第1セパレータが一方を構成する1対のセパレータと、前記1対のセパレータに挟持され、膜電極接合体を囲む絶縁フレームと、を備え、
    前記第1部材は、前記絶縁フレームであり、
    前記第2部材は、前記1対のセパレータの他方を構成する第2セパレータの前記絶縁フレームとは反対側の面に配置された弾性部材である、請求項1から5のいずれか一項記載の燃料電池スタック。
  8. 前記第1部材は、平坦面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って複数の凸部又は複数の凹部が設けられることで前記凹凸部を有する、請求項1から7のいずれか一項記載の燃料電池スタック。
  9. 前記第1部材は、平坦面に前記シール部と前記第2部材との当接部分に沿って延在し且つ前記平坦面に平行な方向に振幅を有する波形状をした凸部が設けられることで前記凹凸部を有する、請求項1から7のいずれか一項記載の燃料電池スタック。
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