JP2018135999A - 変速機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Yoshihiro Kurahashi
嘉裕 倉橋
崇志 栗田
Takashi Kurita
崇志 栗田
亮文 板倉
Akifumi Itakura
亮文 板倉
愼一 遠藤
Shinichi Endo
愼一 遠藤
山本 明弘
Akihiro Yamamoto
明弘 山本
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Abstract

【課題】噛合動作の際に、ドグ歯のエッジ当たりを防止すること目的とする。【解決手段】コントローラ5は、カウンターシャフト232の回転角θaが範囲D1内にあるか否かを判定する第1不信頼区間判定部54と、メインシャフト231の回転角θbが範囲D2内にあるか否かを判定する第2不信頼区間判定部64と、第1ドグクラッチ部24の回転角θ1と第2ドグクラッチ部25の回転角θ2の位相差が所定範囲F内にあるときに、第1ドグクラッチ部24と第2ドグクラッチ部25の噛合動作の開始を指示する変速開始判定部70と、第1不信頼区間判定部54及び第2不信頼区間判定部64によって回転角θa及び回転角θbの少なくとも一方が範囲内D1,D2にあると判定されたときに、変速開始判定部70による噛合動作の開始の指示を禁止する禁止指令部80と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、変速機の制御装置及び制御方法に関する。
特許文献1には、アップシフトの際に、変速下段クラッチと変速上段クラッチとを同時に噛み合わせ、変速下段クラッチの噛み合いを解除するシームレスシフト変速機が開示されている。この変速機では、ドグ歯どうしを噛み合わせることによって動力を伝達している。
特許第5707119号
上記のような変速機では、ドグ歯どうしを噛み合わせる際に、双方のドグ歯の角度位置を検出し、その検出結果に基づいてアクチュエータを駆動する。
このような角度位置を計測するためのセンサとして、例えば、自動車用のエンジンで用いられる比較的安価なクランク角センサのような回転角センサを採用することが考えられる。
このような回転角センサとして、例えば、円周状に一定角度間隔で歯を配置したターゲット板と、ターゲット板の歯に対向する位置に設けられた磁気ピックアップと、を備え、歯の通過による磁場の変化を検出することで、回転角を推定するものがある。この回転角センサでは、検出された信号をパルス波形に整形して、この波形のパルスをカウントすることにより回転角を推定している。さらに、この回転角センサは、上死点などの角度原点に歯の無い欠歯区間を備えており、この欠歯区間を用いて角度の補正を行っている。
この回転角センサでは、実入力の無いパルスとパルスの間は、それまでのパルス間隔を平滑化して角速度を推定し、この角速度と最後に入力されたパルスから角度の変化を推定している。このため、欠歯区間に入ると補正されない時間が長くなるので、実際の角度と推定された角度との誤差が大きくなりやすい。特に、回転速度が遅い場合や回転加速度が大きい場合には、この誤差が顕著になる。
このようにして角度に誤差が生じた状態で、ドグの噛み合い動作を開始すると、一方のドグ歯のエッジが他方のドグ歯等に当たってしまい、摩耗や破損が生じるおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、噛合動作の際に、ドグ歯のエッジ当たりを防止すること目的とする。
本発明のある態様の変速機の制御装置は、第1回転軸に相対回転可能に設けられる第1ギアと、第1ギアに設けられ、複数のドグ歯を有する第1ドグクラッチ部と、第1回転軸に設けられ、第1回転軸とともに回転するハブと、ハブの外周にハブとともに回転するように設けられ、第1回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、スリーブに設けられ、第1ドグクラッチ部との噛み合い、または噛み合いの解除を行う複数のドグ歯を有する第2ドグクラッチ部と、第2回転軸に設けられ、第1ギアと噛み合う第2ギアと、第1回転軸の回転角を検出する第1回転角検出装置と、第2回転軸の回転角を検出する第2回転角検出装置と、スリーブを駆動するアクチュエータと、を備えた変速機を制御する変速機の制御装置であって、第2回転角検出装置によって検出された第2回転軸の回転角に基づいて第1ドグクラッチ部の回転角を推定する第1ドグ回転角推定部と、第1回転軸の回転角が第1所定範囲内にあるか否かを判定する第1不信頼区間判定部と、第2回転軸の回転角が第2所定範囲内にあるか否かを判定する第2不信頼区間判定部と、第1ドグクラッチ部の回転角と第2ドグクラッチ部の回転角の位相差が所定範囲内にあるときに、第1ドグクラッチ部と第2ドグクラッチ部の噛合動作の開始を指示する変速開始判定部と、第1不信頼区間判定部及び第2不信頼区間判定部によって第1回転軸の回転角及び第2回転軸の回転角の少なくとも一方が第1、第2所定範囲内にあると判定されたときに、変速開始判定部による噛合動作の開始の指示を禁止する禁止指令部と、を備えることを特徴とする。
本発明のある態様の変速機の制御方法は、第1回転軸に相対回転可能に設けられる第1ギアと、第1ギアに設けられ、複数のドグ歯を有する第1ドグクラッチ部と、第1回転軸に設けられ、第1回転軸とともに回転するハブと、ハブの外周にハブとともに回転するように設けられ、第1回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、スリーブに設けられ、第1ドグクラッチ部との噛み合い、または噛み合いの解除を行う複数のドグ歯を有する第2ドグクラッチ部と、第2回転軸に設けられ、第1ギアと噛み合う第2ギアと、第1回転軸の回転角を検出する第1回転角検出装置と、第2回転軸の回転角を検出する第2回転角検出装置と、スリーブを駆動するアクチュエータと、を備えた変速機を制御する変速機の制御方法であって、第2回転角検出装置によって検出された第2回転軸の回転角に基づいて第1ドグクラッチ部の回転角を推定することと、第1回転角検出装置によって検出された第1回転軸の回転角に基づいて第2ドグクラッチ部の回転角を推定することと、第1回転軸の回転角が第1所定範囲内にあるか否かを判定することと、第2回転軸の回転角が第2所定範囲内にあるか否かを判定することと、第1ドグクラッチ部の回転角と第2ドグクラッチ部の回転角の位相差が所定範囲内にあるときに、第1ドグクラッチ部と第2ドグクラッチ部の噛合動作の開始を指示することと、第1回転軸の回転角及び第2回転軸の回転角の少なくとも一方が第1、第2所定範囲内にあると判定されたときに、噛合動作の開始の指示を禁止することと、を備えることを特徴とする。
これらの態様によれば、噛合動作の際に、ドグ歯のエッジ当たりを防止することができる。
本実施形態に係る車両の概略構成図である。 自動変速機の概略構成図である。 複数のカム溝を示す図である。 ドグクラッチ部の拡大図である。 ロータの平面図である。 1速から2速へのアップシフトの説明図の第1図である。 1速から2速へのアップシフトの説明図の第2図である。 1速から2速へのアップシフトの説明図の第3図である。 1速から2速へのアップシフトの説明図の第4図である。 コントローラのブロック図である。 第1センサの出力に基づくパルス波形とカウンターシャフトの回転角との関係を表す図である。 コントローラが行う制御を示すフローチャートである。 コントローラが行う制御を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の車両100の概略構成図である。車両100は、駆動源としてのエンジン1と、エンジン1の回転を変速して駆動輪3に接続されたドライブシャフト9に伝達する自動変速機2と、エンジン1と自動変速機2の間、つまり、エンジン1と自動変速機2とを結ぶ動力伝達経路に設けられ、エンジン1の回転を自動変速機2の入力軸2aに伝達可能に断続する摩擦締結要素としてのクラッチ4と、エンジン1、自動変速機2及びクラッチ4の動作を制御する制御装置としてのコントローラ5と、エンジン1の出力軸1aの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ6と、自動変速機2の入力軸2aの回転速度を検出する回転速度検出器としての入力軸回転速度センサ7と、を備える。
図2は、自動変速機2の概略構成図である。自動変速機2は、変速機構20と駆動モータMとを備える。自動変速機2は、1速、2速及び3速の変速段を含む複数の変速段を有する。
変速機構20は、シフトドラム21と、ロッド機構22と、変速ギア部23と、を備える。シフトドラム21は、複数のカム溝211を有する。
複数のカム溝211は、シフトパターンに応じたカム形状を有する。シフトパターンは具体的には、一の操作方向で変速段が順次達成されるシーケンシャルシフトパターンである。シフトドラム21は、複数のカム溝211を有することで、シフトパターンが設定された切替要素とされる。
シフトドラム21は、各変速段及びニュートラルに応じた複数の切替位置を有する。複数の切替位置は具体的には順に、1速位置GP1、ニュートラル位置NP、2速位置GP2、ニュートラル位置NP、3速位置GP3となっている。
ニュートラル位置NPは、アップシフト時の変速下段位置LP及び変速上段位置UPと隣り合うように設定される。例えば、1速から2速へのアップシフトでは、1速位置GP1が変速下段位置LPとなり、2速位置GP2が変速上段位置UPとなる。
ロッド機構22は、複数のシフトロッド221、複数のシフトアーム222及び複数のシフトフォーク223を有する。複数のシフトロッド221の具体的形状は、互いに異なっていてもよい。複数のシフトアーム222、複数のシフトフォーク223及び後述する複数のロック防止機構236についても同様である。
シフトロッド221は、カム溝211毎に設けられる。各シフトロッド221には、シフトアーム222とシフトフォーク223とが設けられる。シフトアーム222は、カム溝211と係合し、シフトフォーク223は、後述するスリーブ235と係合する。
変速ギア部23は、第1回転軸としてのメインシャフト231と、第2回転軸としてのカウンターシャフト232と、複数の第1ギアとしてのギア233と、複数のハブ234と、複数のスリーブ235と、複数のロック防止機構236と、複数の第2ギアとしてのギア237と、を備える。複数のギア233は、1速ギア233a、2速ギア233b、3速ギア233cを含む。また、複数のハブ234は、1速ハブ234a、2速ハブ234b、3速ハブ234cを含み、複数のスリーブ235は、1速スリーブ235a、2速スリーブ235b、235cを含む。さらに、複数のギア237は、1速ギア233a、2速ギア233b、3速ギア233cとそれぞれ噛み合う1速ギア237a、2速ギア237b、3速ギア237cを含む。本実施形態では、メインシャフト231は入力軸2aに相当する。
メインシャフト231には、エンジン1からの動力がクラッチ4を介して入力される。カウンターシャフト232は、複数のギア233とそれぞれ対応する複数のギア237とが噛み合うように、メインシャフト231と並列に設けられる。カウンターシャフト232には、複数のギア233のうち達成状態にある変速段のギア237を介してメインシャフト231から動力が伝達される。さらに、カウンターシャフト232に伝達された動力は、図示しない動力伝達機構を介してドライブシャフト9に伝達される。
複数のギア233それぞれは、メインシャフト231に相対回転可能に設けられる。複数のギア233は、それぞれ、複数のドグ歯238を有する第1ドグクラッチ部24を備える(図4参照)。複数のドグ歯238は、所定の間隔で円環状に設けられる。第1ドグクラッチ部24は、噛合動作されない側のクラッチ要素を構成する。
複数のハブ234それぞれは、メインシャフト231に設けられ、メインシャフト231とともに回転する。ハブ234はメインシャフト231の一部であってもよく、メインシャフト231とは別の部材としてメインシャフト231に固定されてもよい。
複数のハブ234それぞれの外周には、スリーブ235が設けられる。スリーブ235は、対応するハブ234とともに回転する一方、メインシャフト231の軸方向へ移動可能に設けられる。互いに対応するハブ234及びスリーブ235は、例えば、スプラインで係合させることができる。複数のスリーブ235それぞれの外周には、シフトフォーク223がスリーブ235の回転を許容しながら係合する。複数のスリーブ235それぞれは、シフトフォーク223によってメインシャフト231の軸方向に移動される。
複数のスリーブ235それぞれは、複数のドグ歯239を有する第2ドグクラッチ部25を備える(図4参照)。複数のドグ歯239は、所定の間隔で円環状に設けられる。第2ドグクラッチ部25は、噛合動作される側のクラッチ要素であり、メインシャフト231の軸方向に移動して、対応する第1ドグクラッチ部24との噛み合い、噛み合いの解除を行う。第2ドグクラッチ部25は、対応する第1ドグクラッチ部24とともにドグクラッチDGを構成する。
複数のギア237は、カウンターシャフト232に回転不能に設けられる。複数のギア237は、対応するギア233とそれぞれ噛み合い、複数のギア列を構成する。
自動変速機2は、複数のドグクラッチDGを有する。複数のドグクラッチDGは、1速、2速、3速の変速段を達成するための1速ドグクラッチDG1、2速ドグクラッチDG2、3速ドグクラッチDG3を含む。複数のドグクラッチDGのうちいずれかが噛合状態となると、対応するギア233がメインシャフト231とともに回転し、変速段が達成される。図2では、1速ドグクラッチDG1が噛合状態、2速、3速ドグクラッチDG2、DG3それぞれが解放状態となっており、1速の変速段が達成されている。
ロック防止機構236は、複数の変速段のうち少なくともアップシフト時に変速下段を構成する変速段のハブ234及びスリーブ235に設けられる。ロック防止機構236については後述する。
自動変速機2は、スリーブ235を駆動するアクチュエータとしての駆動モータMと、メインシャフト231の回転角θbを検出する第1回転角検出装置としての第1センサ31と、カウンターシャフト232の回転角θaを検出する第2回転角検出装置としての第2センサ32と、をさらに備える。なお、本実施形態における回転角とは、回転方向における角度原点との間の角度を意味する。
駆動モータMは、変速機構20の切替位置を変更するように駆動する駆動源を構成する。駆動モータMは、シフトドラム21を駆動することで変速機構20を駆動する。
第1センサ31は、メインシャフト231に設けられた円板状のロータ31aと、ロータ31aの回転方向に沿って設けられた複数の被検出部としての歯31b(図5参照)と、歯31bの通過を検出する検出器としての電磁ピックアップ31cと、を備える。
ロータ31aは、図5に示すように、通常区間と欠歯区間(空白区間)とを有する。通常区間とは、ロータ31aの回転方向に所定間隔毎に歯31bが設けられた区間である。欠歯区間(空白区間)は、歯31bが設けられてない区間である。言い換えると、欠歯区間は、ロータ31aの回転方向に通常区間における所定間隔よりも広い間隔で歯31bが設けられた区間である。
電磁ピックアップ31cは、歯31bに対向するように設けられる。電磁ピックアップ31cとしては、例えば、渦電流式変位センサが用いられる。電磁ピックアップ31cは、メインシャフト231とともにロータ31aが回転したときに、歯31bの通過を検出する。具体的には、電磁ピックアップ31cと歯31bの間のギャップが変化することで、電磁ピックアップ31cからパルス状の信号が出力される。なお、第2センサ32は、第1センサ31と同様に構成されるので、第1センサ31と同一の構成には同じアルファベットの符号を付して説明を省略する。
駆動モータMは、コントローラ5によって制御される。コントローラ5には、シーケンシャル式のシフトレバーに対する変速操作を検出するシフトスイッチ8からの信号や、シフトドラム21の位置を検出する位置センサ10からの信号、メインシャフト231の回転角θbを検出する第1センサ31からの信号、カウンターシャフト232の回転角θaを検出する第2センサ32からの信号が入力される。位置センサ10は、具体的には、シフトドラム21の回転位置を表すシフトドラム回転角を検出する。
コントローラ5は、アップシフト操作が行われた場合に、これらの信号に基づいて、駆動モータMを駆動して図示のアップシフト駆動方向SUDにシフトドラム21を回転させ、ダウンシフト操作が行われた場合に、駆動モータMを駆動して図示のシフトダウン駆動方向SDDにシフトドラム21を回転させる。
図3は、複数のカム溝211を示す図である。図6Aから図6Dは、1速から2速へのアップシフトの説明図である。以下では、主に1速から2速へのアップシフトを例にして説明するが、2速から3速へのアップシフトについても、1速から2速へのアップシフトと同様である。
図3に示すように、複数のカム溝211は具体的には、1速、2速、3速の変速段を達成するための1速カム溝211a、2速カム溝211b、3速カム溝211cを含む。また、複数のカム溝211それぞれは、対応するスリーブ235を噛合位置に位置させる噛合溝D1と、対応するスリーブ235を噛合解除位置に位置させる噛合解除溝D2と、噛合溝D1及び噛合解除溝D2を結ぶ遷移溝D3と、を有する。
2速カム溝211bには、ニュートラル位置NPからニュートラル位置NP及び2速位置GP2の中間位置に亘って、遷移溝D3が設けられる。1速カム溝211aには、シフトドラム21の回転方向における設定範囲が当該遷移溝D3とオーバラップするように自由溝D31が設けられる。
自由溝D31は、遷移溝D3の変速上段位置UP側溝壁部と変速下段位置LP側溝壁部とで、シフトドラム21の回転方向における設定範囲がオーバラップしないように、変速上段位置UP側溝壁部を変速上段位置UP側にずらすことで設けられている。自由溝D31は、噛合溝D1及び噛合解除溝D2をカム溝211の幅方向に連結して一体にした形状を有する。自由溝D31では、シフトアーム222の位置は、噛合溝D1相当の位置及び噛合解除溝D2相当の位置の間でカム溝211によって規制されない。
このため、図6Aに示すように、シフトドラム21の切替位置が1速位置GP1からニュートラル位置NPになっても、1速カム溝211aでは、噛合溝D1に位置していたシフトアーム222が、噛合解除溝D2相当の位置に移動せず、そのまま噛合溝D1相当の位置に留まる。
アップシフトの際には、クラッチ4は、締結時よりもトルク容量が減少されたスリップ状態とされる。そして、切替位置がニュートラル位置NPになっても、差回転があるままの状態でアップシフトが続行される。結果、図6Aに示す状態から図6Bに示す状態になる。上記スリップ状態は、具体的には、マイクロスリップである。本実施形態におけるクラッチ4のマイクロスリップとは、エンジン1からのトルクを伝達しつつ、エンジン1の出力軸1aと入力軸2aとのイナーシャを分離できる締結力がクラッチ4に印加されている状態を意味する。
図6Bに示すように、2速ドグクラッチDG2の噛み合いは、2速カム溝211bでシフトアーム222が遷移溝D3を通過している際に開始される。結果、1速ドグクラッチDG1と2速ドグクラッチDG2とがともに噛合状態となる。つまり、1速ドグクラッチDG1と2速ドグクラッチDG2の同時噛み合いが発生する。
図6Cに示すように、同時噛み合いが発生すると、2速ドグクラッチDG2の噛み合いに応じて、2速スリーブ235bから2速ギア233b、カウンターシャフト232、1速ギア233aを介して、1速スリーブ235aにトルクTが作用する。結果、1速スリーブ235aが、メインシャフト231に対して増速される状態となる。
この際、1速に対して設けられた変速下段のロック防止機構236は、2速スリーブ235bに対する相対回転を許容しながら、1速スリーブ235aに噛合解除方向の軸力FRを生じさせる。
すなわち、ロック防止機構236は、アップシフト時の変速上段及び変速下段のスリーブ235それぞれが同時噛み合いをした際に、変速上段のスリーブ235と変速下段のスリーブ235との相対回転を許容する。
また、ロック防止機構236は、このような相対回転を許容しながら、変速上段のドグクラッチDGの噛み合いに応じて変速下段のドグクラッチDGに作用するトルクTで、変速下段のドグクラッチDGに噛合解除方向の軸力FRを生じさせる。軸力FRは具体的にはここでは、1速スリーブ235aの第2ドグクラッチ部25に作用する。その一方で、1速カム溝211aでは、シフトアーム222は自由溝D31に位置している。
このため、図6Dに示すように、1速カム溝211aでシフトアーム222が噛合解除溝D2相当の位置に移動できることと相俟って、1速スリーブ235aは軸力FRによって噛合解除位置に移動され、これにより1速ドグクラッチDG1の噛み合いが解除される。このようなロック防止機構236には例えば、背景技術で説明した文献の開示技術を適用することができる。
ロック防止機構236は、シフトドラム21及びロッド機構22とともに、噛合解除機構RMを構成する。噛合解除機構RMは、アップシフトの際に、複数のドグクラッチDGのうちアップシフト時の変速下段に対応する変速下段のドグクラッチDG、及び変速上段に対応する変速上段のドグクラッチDGそれぞれを同時に噛み合わせる。また、噛合解除機構RMは、変速上段のドグクラッチDGの噛み合いに応じて変速下段のドグクラッチDGに作用するトルクTで、変速下段のドグクラッチDGの噛み合いを解除する。
自動変速機2は、噛合解除機構RMを備えることで、シームレスシフト変速機として構成される。シームレスシフト変速機では、上述のように同時噛み合いをさせてアップシフトを行うので、エンジン1から駆動輪3への動力がアップシフトによって途切れないようにすることができる。噛合解除機構RMは、ロック防止機構236を含む変速ギア部23がシフトドラム21及びロッド機構22とともに構成していると把握することもできる。
ダウンシフトについては、次の通りである。すなわち、ダウンシフトの際にはクラッチ4は一旦解放される。そして、ニュートラル位置NPでは、同時噛み合いを行わずに自動変速機2はニュートラル状態とされ、この状態で変速下段側のドグクラッチDGの同期制御が行われる。同期制御では、クラッチ4を接続し、エンジン1によってドグクラッチDGの回転の同期を図る。そして、同期制御が完了したらクラッチ4を解放して、ドグクラッチDGを噛み合わせる。
次に、図7及び図8を参照して、コントローラ5によるドグクラッチDGの噛み合わせについて説明する。
コントローラ5は、第2センサ32によって検出されたカウンターシャフト232の回転角θaに基づいて第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を推定する第1ドグ回転角推定部50と、第1センサ31によって検出されたメインシャフト231の回転角θbに基づいて第2ドグクラッチ部25の回転角θ2を推定する第2ドグ回転角推定部60と、カウンターシャフト232の回転角θaが第1所定範囲にあるか否かを判定する第1不信頼区間判定部54と、メインシャフト231の回転角θbが第2所定範囲内にあるか否かを判定する第2不信頼区間判定部64と、第1ドグクラッチ部24の回転角θ1と第2ドグクラッチ部25の回転角θ2の位相差が所定範囲内にあるかを判定し、第1ドグクラッチ部24と第2ドグクラッチ部25の噛合動作の開始を指示する変速開始判定部70と、第1不信頼区間判定部54及び第2不信頼区間判定部64によってカウンターシャフト232及びメインシャフト231の回転角θa,θbの少なくとも一方が第1、第2所定範囲D1,D2内にあると判定されたときに、変速開始判定部70による噛合動作の開始の指示を禁止する禁止指令部80と、を備える。
コントローラ5は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ5は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。なお、コントローラ5の各ユニット(第1ドグ回転角推定部50、第2ドグ回転角推定部60、第1、第2不信頼区間判定部54,64、変速開始判定部70と、禁止指令部80など)は、コントローラ5による制御における各機能を仮想的なユニットとして示したものであり、物理的な存在を意味するものではない。
第1ドグ回転角推定部50は、第2センサ32によって検出された信号を処理してパルス波形を生成する第1信号処理部51と、第1信号処理部51によって生成されたパルス波形からカウンターシャフト232の回転角θaを推定する第1軸角度推定部52と、第1軸角度推定部52によって推定されたカウンターシャフト232の回転角θaから第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を推定する第1角度変換部53と、第2センサ32によって検出された信号に基づいてカウンターシャフト232の角速度(回転速度)ω1を演算する第1角速度演算部55と、第2センサ32によって検出された信号に基づいてカウンターシャフト232の角加速度(回転加速度)a1を演算する第1角加速度演算部56と、を備える。
第1信号処理部51は、第2センサ32によって検出された信号を整形して、それぞれの歯32bの位置に対応したパルスを有するパルス波形(図8参照)を生成する。
第1軸角度推定部52は、第1信号処理部51によって生成されたパルス波形におけるパルスの数をカウントして、カウンターシャフト232が角度原点(図8における0°)からどの程度回転したかを推定する。パルスは、ロータ32aの歯32bの位置に対応しているので、パルスの数をカウントすることにより、歯32bが電磁ピックアップ32cをどれだけ通過したかがわかる。上述のように、歯32bは所定の角度間隔毎に設けられているので、通過した歯32bの数に間隔毎の角度を乗じることで、回転した角度を求めることができる。さらに、第1軸角度推定部52は、欠歯区間から通常区間に移行したことを検出したときに、推定した回転角が角度原点(0°)でなければ、その値を0°に補正する。
このようにすることで、実入力のある角度、つまり、ロータ32aの歯32bに対応する角度(パルスが存在する角度)を検出することはできる。しかしながら、この方法では、実入力の無い角度(歯32bの間における角度)を検出することはできない。そこで、第1ドグ回転角推定部50では、実入力の無い角度は演算により推定する。以下に具体的に説明する。
第1角速度演算部55は、今回検出された回転角と前回検出された回転角から、カウンターシャフト232の角速度ω1を演算する。第1角加速度演算部56は、角速度ω1を微分することにより角加速度a1を演算する。第1軸角度推定部52は、今回検出された回転角から次回パルスが検出されるまでの間、第1角速度演算部55及び第1角加速度演算部56によって演算された角速度ω1及び角加速度a1に基づいて、カウンターシャフト232の回転角θaを推定する。
第1角度変換部53は、このようにして第1軸角度推定部52によって推定されたカウンターシャフト232の回転角θaから第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を推定する。本実施形態においては、第1ドグクラッチ部24が設けられたギア233は、カウンターシャフト232と一体に回転するギア237に噛合されている。このため、第1角度変換部53は、第1軸角度推定部52によって推定されたカウンターシャフト232の回転角θaと、ギア233とギア237との変速比と、に基づいて第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を推定する。このようにして求められた第1ドグクラッチ部24の回転角θ1は、変速開始判定部70に入力される。
第2ドグ回転角推定部60は、第2信号処理部61と、第2軸角度推定部62と、第2角度変換部63と、第2角速度演算部65と、第2角加速度演算部66と、を備える。
第2ドグ回転角推定部60における第2信号処理部61、第2軸角度推定部62、第2角速度演算部65、及び第2角加速度演算部66は、第1ドグ回転角推定部50における第1信号処理部51、第1軸角度推定部52、第1角速度演算部55、及び第1角加速度演算部56と同じ構成であるので、説明を省略する。
第2角度変換部63は、第2軸角度推定部62によって推定されたメインシャフト231の回転角θbから第2ドグクラッチ部25の回転角θ2を推定する。本実施形態においては、第2ドグクラッチ部25が設けられたスリーブ235は、ハブ234を介してメインシャフト231と一体に回転する。したがって、第2角度変換部63は、第2軸角度推定部62によって推定されたメインシャフト231の回転角θbを、第2ドグクラッチ部25の回転角θ2として出力する。このようにして求められた第2ドグクラッチ部25の回転角θ2は、変速開始判定部70に入力される。なお、第2角度変換部63は不要であれば、省略してもよい。
第1不信頼区間判定部54は、カウンターシャフト232の回転角θaが第1所定範囲(範囲D1)にあるか否かを判定する。ここで、範囲D1について説明する。
欠歯区間においても、上述のような実入力の無い区間と同様に、第1角速度演算部55及び第1角加速度演算部56によって演算された角速度ω1及び角加速度a1に基づいて、カウンターシャフト232の回転角θaを推定している。欠歯区間に入ると実入力がない時間が長くなるので、その分補正されない時間も長くなる。これにより、実際の回転角と推定された回転角との誤差が大きくなりやすい。特に、角速度ω1が遅い場合や角加速度a1が大きい場合には、この誤差が顕著になる。このようにして回転角に誤差が生じた状態で、第1、第2ドグクラッチ部24,25の噛み合い動作を開始すると、一方のドグクラッチのドグ歯のエッジが他方のドグクラッチのドグ歯等に当たってしまい、摩耗が発生したりや破損するおそれがある。
そこで、本実施形態では、このような誤差の生じやすい範囲D1を不信頼区間とし、この不信頼区間においては、変速開始判定部70による噛合動作の開始の指示を禁止するように構成している。範囲D1は、少なくともその一部が欠歯区間と重複するように設定される。例えば、範囲D1は、欠歯区間とその前後を含む範囲に設定される。欠歯区間の進入直後の角度推定精度は、通常区間における推定精度と同等であるので、欠歯区間にある程度進入した箇所から欠歯区間の終了箇所までの範囲を範囲D1に設定してもよい。
同様に、第2不信頼区間判定部64は、メインシャフト231の回転角θbが所定の範囲D2にあるか否かを判定する。なお、範囲D2の範囲は、範囲D1と同様に設定される。なお、第1センサ31及び第2センサ32が同一の構成であれば、範囲D1及び範囲D2は同じ範囲に設定される。
このように、範囲D1及び範囲D2を少なくともその一部が欠歯区間と重複するように設定し、推定精度の低い不信頼区間では噛合動作(変速動作)を禁止するので、エッジ当たりが発生することを防止できる。
変速開始判定部70は、第1角度変換部53によって算出された第1ドグクラッチ部24の回転角θ1と第2角度変換部63によって算出された第2ドグクラッチ部25の回転角θ2の位相差(角度差)を算出し、その位相差が所定範囲F内にあるかを判定する。位相差が所定範囲内に無い場合に第1ドグクラッチ部24と第2ドグクラッチ部25の噛み合い動作を開始すると、一方のドグクラッチのドグ歯のエッジが他方のドグクラッチのドグ歯等に当たってしまう。したがって、所定範囲Fは、第1ドグクラッチ部24と第2ドグクラッチ部25を噛み合わせて、ドグ歯のエッジあたりが生じないような角度差となる範囲に設定される。
変速開始判定部70は、位相差が所定範囲F内にあると判定すると、駆動モータMに変速機構20の切替位置を変更するための指令を出力する。
このように構成されたコントローラ5における制御について、図9及び図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS10では、カウンターシャフト232の回転角θa、第1ドグクラッチ部24の回転角θ1、カウンターシャフト232の角速度ω1、及びカウンターシャフト232の角加速度a1、メインシャフト231の回転角θb、第2ドグクラッチ部25の回転角θ2、メインシャフト231の角速度ω2、及びメインシャフト231の角加速度a2を算出する。具体的には、コントローラ5にシフトスイッチ8からのシフト操作の信号が入力されると、第1ドグ回転角推定部50及び第2ドグ回転角推定部60は、上述のようにしてこれらの値を算出する。
ステップS11では、第1センサ31が不信頼区間にあるかを判定する。具体的には、第2不信頼区間判定部64によって、メインシャフト231の回転角θbが所定の範囲D2内にあるか否かを判定する。回転角θbが所定の範囲D2内でなければ不信頼区間にいないと判定してステップS12に進み、回転角θbが所定の範囲D2内であれば不信頼区間にいると判定してステップS14に進む。
ステップS12では、第2センサ32が不信頼区間にあるかを判定する。具体的には、第1不信頼区間判定部54によって、カウンターシャフト232の回転角θaが所定の範囲D1内にあるか否かを判定する。回転角θaが所定の範囲D1内でなければ不信頼区間にいないと判定してステップS13に進み、回転角θaが所定の範囲D1内であれば不信頼区間にいると判定してステップS16に進む。
ステップS13では、変速開始禁止フラグをクリアにする。具体的には、禁止指令部80は、第1不信頼区間判定部54及び第2不信頼区間判定部64によって回転角θa及び回転角θbが所定範囲D1,D2内に無いと判定されると、変速開始禁止フラグをクリアする。
ステップS14では、メインシャフト231の角速度ω2が閾値α2未満であるかを判定する。角速度ω2が閾値α2未満であれば、ステップS15に進み、角速度ω2が閾値α2以上であれば、ステップS12に進む。
ステップS15では、メインシャフト231の角加速度a2が閾値β2より大きいかを判定する。角加速度a2が閾値β2より大きければ、ステップS18に進み、角加速度a2が閾値β2以下であれば、ステップS12に進む。
ステップS16では、カウンターシャフト232の角速度ω1が閾値α1未満であるかを判定する。角速度ω1が閾値α1未満であれば、ステップS17に進み、角速度ω1が閾値α1以上であれば、ステップS13に進む。
ステップS17では、カウンターシャフト232の角加速度a1が閾値β1より大きいかを判定する。角加速度a1が閾値β1より大きければ、ステップS18に進み、角加速度a1が閾値β1以下であれば、ステップS13に進む。
ステップS18では、変速開始禁止フラグをセットする。具体的には、禁止指令部80は、第1不信頼区間判定部54及び第2不信頼区間判定部64による判定が有効であると判断し、変速開始禁止フラグをセットする。
このように、本実施形態では、第2不信頼区間判定部64によって、メインシャフト231の回転角θbが所定の範囲D2内にあるか否かを判定するが、この判定結果は、メインシャフト231の角速度ω2が所定値(閾値α2)以上の場合、あるいは、メインシャフト231の角加速度a2が所定値(閾値β2)以下の場合に、無効にされる。同様に、第1不信頼区間判定部54によって、カウンターシャフト232の回転角θaが所定の範囲D1内にあるか否かを判定するが、この判定結果は、カウンターシャフト232の角速度ω1が所定値(閾値α1)以上の場合、あるいは、カウンターシャフト232の角加速度a1が所定値(閾値β1)以下の場合に、無効にされる。
つまり、本実施形態では、角速度ω1,ω2が遅い場合や角加速度a1,a2が大きい場合には、これらの誤差が顕著になるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果に基づいて、噛合動作(変速動作)を禁止し、角速度ω1,ω2が速い場合や角加速度a1,a2が小さい場合には、これらの誤差が小さくなるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果を無効にし、噛合動作(変速動作)を許容する。
続いて、図10を参照して、ステップS19以下について説明する。
ステップS19では、DOG位相差を算出する。具体的には、変速開始判定部70は、第1角度変換部53及び第2角度変換部63から入力された第1ドグクラッチ部24の回転角θ1と第2ドグクラッチ部25の回転角θ2との差を算出する。
ステップS20では、変速開始禁止フラグがクリアか否かを判定する。具体的には、禁止指令部80は、変速開始禁止フラグがクリアか否かを判定し、その信号を変速開始判定部70に出力する。変速開始禁止フラグがクリアでなければ、つまり、変速開始禁止フラグがセットされていれば、ステップS21に進み、変速開始禁止フラグがクリアであれば、ステップS22に進む。
ステップS21では、変速開始フラグをクリアにする。これにより、変速開始判定部70によって噛合動作の開始の指示が禁止される。
ステップS22では、DOG位相差が閾値F1より大きいか否かを判定する。DOG位相差が閾値F1より大きければステップS23に進み、DOG位相差が閾値F1以下であれば、ステップS21に進む。なお、閾値F1は、所定範囲Fの下限値である。
ステップS23では、DOG位相差が閾値F2より小さいか否かを判定する。DOG位相差が閾値F2より小さければステップS24に進み、DOG位相差が閾値F2以上であれば、ステップS21に進む。なお、閾値F2は、所定範囲Fの上限値である。
ステップS24では、変速開始フラグをセットする。これにより、変速開始判定部70によって噛合動作の開始が指示される。
このように、ステップS19からステップS24では、DOG位相差に基づいて噛合動作(変速動作)の開始を判断する。これにより、一方のドグクラッチのドグ歯のエッジが他方のドグクラッチのドグ歯等に当たることのないタイミングで噛合動作が開始されるので、ドグ歯238,239のエッジ当たりを防止できる。
なお、上記実施形態では、角速度ω1,ω2が所定値(閾値α1,α2)以上の場合や角加速度a1、a2が所定値(閾値β1,β2)以下の場合に、第1、第2不信頼区間判定部54,64による判定を無効にしていたが、これらの判断(ステップS14,S16の判断、及びステップS15,S17の判断)は、実行しなくてもよい。これらの判断が実行されない場合には、噛合動作を開始できるタイミングが少なくなるが、その分精度が向上する。逆に、これらの判断が実行された場合には、噛合動作を開始できるタイミングが多くなる。
以上の実施形態の制御装置(コントローラ5)によれば、以下の効果を奏する。
コントローラ5は、第1ドグクラッチ部24の回転角θ1と第2ドグクラッチ部25の回転角θ2の位相差が所定範囲F内にあるときに、第1ドグクラッチ部24と第2ドグクラッチ部25の噛合動作の開始を指示する変速開始判定部70と、第1不信頼区間判定部54及び第2不信頼区間判定部64によってカウンターシャフト232の回転角θa及びメインシャフト231の回転角θbの少なくとも一方が第1、第2所定範囲D1,D2内にあると判定されたときに、変速開始判定部70による噛合動作の開始の指示を禁止する禁止指令部80と、を備える。
この構成では、カウンターシャフト232の回転角θa及びメインシャフト231の回転角θbのいずれかが不信頼区間(第1、第2所定範囲D1,D2)にあるときには、噛合動作(変速動作)が禁止される。これにより、噛合動作の際に、ドグ歯238,239のエッジ当たりを防止できる(請求項1、7に対応する効果)。
コントローラ5では、第1所定範囲D1及び第2所定範囲D2は、それぞれ少なくともその一部が欠歯区間と重複するように設定される。
第1、第2センサ31,32として、ロータ31a,32a及び電磁ピックアップ31c,32cを備えたセンサを用いた場合に、第1所定範囲D1及び第2所定範囲D2をそれぞれ少なくともその一部が欠歯区間と重複するように設定することでエッジ当たりが発生することを防止できる(請求項2に対応する効果)。
また、第1ドグ回転角推定部50は、第2センサ32によって検出されたカウンターシャフト232の回転角θaに基づいて第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を推定する第1角度変換部53を備える。
これにより、ギア233とギア237との間で変速されても、第1ドグクラッチ部24の回転角θ1を正確に推定できる(請求項3に対応する効果)。
コントローラ5は、カウンターシャフト232の角速度(回転速度)ω1が所定値α1以上の場合に、第1不信頼区間判定部54による判定を無効にし、メインシャフト231の角速度(回転速度)ω2が所定値α2以上の場合に、第2不信頼区間判定部64による判定を無効にする。
この構成では、角速度ω1,ω2が遅い場合には、これらの推定誤差が顕著になるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果に基づいて、噛合動作(変速動作)を禁止する一方、角速度ω1,ω2が速い場合には、これらの推定誤差が小さくなるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果を無効にし、噛合動作(変速動作)を許容する。これにより、ドグ歯238,239のエッジ当たりをより確実に防止できる(請求項4に対応する効果)。
コントローラ5は、カウンターシャフト232の角加速度(回転加速度)a1が所定値β1以上の場合に、第1不信頼区間判定部54による判定を無効にし、メインシャフト231の角加速度(回転加速度)a2が所定値β2以上の場合に、第2不信頼区間判定部64による判定を無効にする。
この構成では、角加速度a1,a2が大きい場合には、これらの推定誤差が顕著になるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果に基づいて、噛合動作(変速動作)を禁止する一方、角加速度a1,a2が速い場合には、これらの推定誤差が小さくなるので、第1、第2不信頼区間判定部54,64の判定結果を無効にし、噛合動作(変速動作)を許容する。これにより、ドグ歯238,239のエッジ当たりをより確実に防止できる(請求項5に対応する効果)。
自動変速機2は、変速機構20を有し、変速機構20は、変速段を達成する複数のドグクラッチDGと、アップシフトの際に、複数のドグクラッチDGのうちアップシフト時の変速下段に対応する変速下段のドグクラッチDG、及び変速上段に対応する変速上段のドグクラッチDGそれぞれを同時に噛み合わせて、変速上段のドグクラッチDGの噛合いに応じて変速下段のドグクラッチDGに作用するトルクTで、変速下段のドグクラッチDGの噛合いを解除する噛合解除機構RMと、を有する。
このように構成された変速機構20では、変速をスムーズに実施することが求められる。このため、コントローラ5を用いて制御を行うことにより、スムーズな変速を実現することができる(請求項6に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上述した実施形態では、第1回転軸をメインシャフト231とし、第2回転軸をカウンターシャフト232としたが、第1回転軸をカウンターシャフト232とし、第2回転軸をメインシャフト231として構成してもよい。
上述した実施形態では、シフトドラム21が切替要素を構成する場合について説明した。しかしながら、切替要素は例えば、シフトドラム21を展開したような形状を有する平面カムとされてもよい。
上述した実施形態では、自動変速機2がシームレスシフト変速機である場合について説明した。しかしながら、自動変速機2は、ドグクラッチを備えていれば、他の形式の有段変速機に適用してもよい。
自動変速機2の変速を、シフトスイッチ8からのシフト操作の信号に変えて例えば、エンジン回転速度と車速とに応じた変速マップに基づいて行ってもよい。変速マップはあらかじめコントローラ5に記憶される。この場合、エンジン回転速度と車速とを検出し、変速マップに基づいてアップシフトするように構成してもよい。
第1、第2センサ31,32として、光学式センサを採用してもよい。
1 エンジン
2 自動変速機
4 クラッチ
5 コントローラ(制御装置)
20 変速機構
24 第1ドグクラッチ部
25 第2ドグクラッチ部
31 第1センサ (第1回転角検出装置)
32 第2センサ(第2回転角検出装置)
50 第1ドグ回転角推定部
53 第1角度変換部
54 第1不信頼区間判定部
60 第2ドグ回転角推定部
64 第2不信頼区間判定部
70 変速開始判定部
80 禁止指令部
100 車両
231 メインシャフト(第1回転軸)
232 カウンターシャフト(第2回転軸)
233 ギア(第1ギア)
234 ハブ
235 スリーブ
237 ギア(第2ギア)
238 ドグ歯
239 ドグ歯
DG ドグクラッチ

Claims (7)

  1. 第1回転軸に相対回転可能に設けられる第1ギアと、
    前記第1ギアに設けられ、複数のドグ歯を有する第1ドグクラッチ部と、
    前記第1回転軸に設けられ、前記第1回転軸とともに回転するハブと、
    前記ハブの外周に前記ハブとともに回転するように設けられ、前記第1回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、
    前記スリーブに設けられ、前記第1ドグクラッチ部との噛み合い、または噛み合いの解除を行う複数のドグ歯を有する第2ドグクラッチ部と、
    第2回転軸に設けられ、前記第1ギアと噛み合う第2ギアと、
    前記第1回転軸の回転角を検出する第1回転角検出装置と、
    前記第2回転軸の回転角を検出する第2回転角検出装置と、
    前記スリーブを駆動するアクチュエータと、を備えた変速機を制御する変速機の制御装置であって、
    前記第2回転角検出装置によって検出された前記第2回転軸の回転角に基づいて前記第1ドグクラッチ部の回転角を推定する第1ドグ回転角推定部と、
    前記第1回転角検出装置によって検出された前記第1回転軸の回転角に基づいて前記第2ドグクラッチ部の回転角を推定する第2ドグ回転角推定部と、
    前記第1回転軸の回転角が第1所定範囲内にあるか否かを判定する第1不信頼区間判定部と、
    前記第2回転軸の回転角が第2所定範囲内にあるか否かを判定する第2不信頼区間判定部と、
    前記第1ドグクラッチ部の回転角と前記第2ドグクラッチ部の回転角の位相差が所定範囲内にあるときに、前記第1ドグクラッチ部と前記第2ドグクラッチ部の噛合動作の開始を指示する変速開始判定部と、
    前記第1不信頼区間判定部及び前記第2不信頼区間判定部によって前記第1回転軸の回転角及び前記第2回転軸の回転角の少なくとも一方が前記第1、第2所定範囲内にあると判定されたときに、前記変速開始判定部による噛合動作の開始の指示を禁止する禁止指令部と、を備えることを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の変速機の制御装置であって、
    前記第1、第2回転角検出装置は、それぞれ、
    前記第1、第2回転軸に設けられた円板状のロータと、
    前記ロータの回転方向に沿って設けられた複数の被検出部と、
    前記被検出部の通過を検出する検出器と、を備え、
    前記ロータは、
    前記ロータの回転方向に所定間隔毎に前記被検出部が設けられた通常区間と、
    前記ロータの回転方向に前記所定間隔よりも広い間隔で前記被検出部が設けられた空白区間と、を有し、
    前記第1所定範囲及び第2所定範囲は、それぞれ少なくともその一部が前記空白区間と重複することを特徴とする変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の変速機の制御装置であって、
    第1ドグ回転角推定部は、前記第2回転角検出装置によって検出された前記第2回転軸の回転角に基づいて前記第1ドグクラッチ部の回転角を推定する第1角度変換部を備えることを特徴とする変速機の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の変速機の制御装置であって、
    前記第2回転軸の回転速度が所定値以上の場合に、前記第1不信頼区間判定部による前記判定を無効にし、
    前記第1回転軸の回転速度が所定値以上の場合に、前記第2不信頼区間判定部による前記判定を無効にすることを特徴とする変速機の制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の変速機の制御装置であって、
    前記第2回転軸の回転加速度が所定値以下の場合に、前記第1不信頼区間判定部による前記判定を無効にし、
    前記第1回転軸の回転加速度が所定値以下の場合に、前記第2不信頼区間判定部による前記判定を無効にすることを特徴とする変速機の制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の変速機の制御装置であって、
    前記第1ドグクラッチ部と前記第2ドグクラッチ部は、ドグクラッチを構成し、
    前記変速機は、変速機構を有し、
    前記変速機構は、
    変速段を達成する複数の前記ドグクラッチと、
    アップシフトの際に、前記複数のドグクラッチのうち前記アップシフト時の変速下段に対応する変速下段の前記ドグクラッチ、及び変速上段に対応する変速上段の前記ドグクラッチそれぞれを同時に噛み合わせて、前記変速上段のドグクラッチの噛み合いに応じて前記変速下段のドグクラッチに作用するトルクで、前記変速下段のクラッチの噛み合いを解除する噛合解除機構と、を有することを特徴とする変速機の制御装置。
  7. 第1回転軸に相対回転可能に設けられる第1ギアと、
    前記第1ギアに設けられ、複数のドグ歯を有する第1ドグクラッチ部と、
    前記第1回転軸に設けられ、前記第1回転軸とともに回転するハブと、
    前記ハブの外周に前記ハブとともに回転するように設けられ、前記第1回転軸の軸方向に移動可能なスリーブと、
    前記スリーブに設けられ、前記第1ドグクラッチ部との噛み合い、または噛み合いの解除を行う複数のドグ歯を有する第2ドグクラッチ部と、
    第2回転軸に設けられ、前記第1ギアと噛み合う第2ギアと、
    前記第1回転軸の回転角を検出する第1回転角検出装置と、
    前記第2回転軸の回転角を検出する第2回転角検出装置と、
    前記スリーブを駆動するアクチュエータと、を備えた変速機を制御する変速機の制御方法であって、
    前記第2回転角検出装置によって検出された前記第2回転軸の回転角に基づいて前記第1ドグクラッチ部の回転角を推定することと、
    前記第1回転角検出装置によって検出された前記第1回転軸の回転角に基づいて前記第2ドグクラッチ部の回転角を推定することと、
    前記第1回転軸の回転角が第1所定範囲内にあるか否かを判定することと、
    前記第2回転軸の回転角が第2所定範囲内にあるか否かを判定することと、
    前記第1ドグクラッチ部の回転角と前記第2ドグクラッチ部の回転角の位相差が所定範囲内にあるときに、前記第1ドグクラッチ部と前記第2ドグクラッチ部の噛合動作の開始を指示することと、
    前記第1回転軸の回転角及び前記第2回転軸の回転角の少なくとも一方が前記第1、第2所定範囲内にあると判定されたときに、噛合動作の開始の指示を禁止することと、を備えることを特徴とする変速機の制御方法。
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