JP7066276B2 - 回転伝達機構 - Google Patents

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Description

本発明は、回転伝達機構に関する。
図10に示すように、回転伝達機構を備える変速機10Aは、駆動源の出力回転が入力される入力軸2を有している。
入力軸2には、変速ギヤ21、22、23が、入力軸2の回転軸Xa方向に間隔をあけて設けられている。変速ギヤ21、22、23は、それぞれ1速、2速および3速の変速段に対応し、外周にはそれぞれのギヤ比に応じた溝が設けられている。
変速ギヤ21、22、23の各々は、対応する動力伝達用の伝達ギヤ31、32、33に、それぞれ噛合している。伝達ギヤ31、32、33は、出力軸3に相対回転不能に設けられている。
変速ギヤ21、22、23のそれぞれに隣接する位置には、入力軸2と一体に回転するカムリング41、42、43が設けられている。
カムリング41、42、43の外周には、回転軸Xa方向に沿ってカム溝45が設けられており、カム溝45には、カムリング41、42、43に外挿されたスリーブ51、52、53の係合突起57が係合している。スリーブ51、52、53の各々は、カム溝45に係合させた係合突起57により、カムリング41、42、43の外周で、カムリング41、42、43と一体回転可能、かつ回転軸Xa方向に移動可能に設けられている。
変速機10Aでは、スリーブ51、52、53の回転軸Xa方向への移動により、変速ギヤ21、22、23とスリーブ51、52、53の互いの対向面に設けたスリーブ歯部56およびギヤ歯部26の嵌合と離脱を切り替えて、トルクの伝達経路を切り替えることで、変速段が変更される。
スリーブ51、52、53の回転軸Xa方向の移動は、駆動機構15が備えるシフトドラム16を、モータMを用いて回転軸Xc回りに回動させることで制御される。
シフトドラム16の基部160の外周には、回転軸Xaを中心とする周方向に沿ってカム溝161、162、163が形成されており、カム溝161、162、163は、シフトドラム16の周方向における角度位置に応じて回転軸Xc方向の位置が変化している。
カム溝161、162、163の各々には、シフトアーム81、82、83の係合ピン85が係合しており、シフトアーム81、82、83は、シフトロッド71、72、73に連結されている。シフトロッド71、72、73は、シフトフォーク61、62、63を介してスリーブ51、52、53に連結されている。
そのため、シフトドラム16の回転軸Xc回りの回動に連動して、シフトロッド71、72、73とシフトフォーク61、62、63とが軸線X1、X2、X3方向に変位して、シフトフォーク61、62、63が外周に係合したスリーブ51、52、53を、回転軸Xa方向に駆動させる。
特開2011-102631号公報
スリーブ51、52、53と変速ギヤ21、22、23はそれぞれ高速回転し、さらに双方の回転数には差がある。そのため、スリーブ歯部56を嵌合のためにギヤ歯部26に接近させる際に、スリーブ歯部56の先端面がギヤ歯部26の回転軸Xa方向の先端面に衝突し、ノイズの発生やスリーブ歯部56とギヤ歯部の耐久性が低下するおそれがある。
回転伝達機構の制御装置は、スリーブ歯部56とギヤ歯部26を衝突を回避したタイミングで嵌合させるように、駆動機構15を制御するが、その制御のためにギヤ歯部26の回転角を検出する必要がある。
ギヤ歯部26の回転角の検出の一例として、ギヤ歯部26の原点通過時刻を検出する原点通過センサを用いて、ギヤ歯部26の回転角を推定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。原点通過センサは、ギヤ歯部26の原点通過時刻をパルス信号として制御装置に入力するが、ノイズ等の原因で、誤ったタイミングでパルス信号が制御装置に入力されることがある。誤ったタイミングで入力されたパルス信号を用いると、ギヤ歯部26の回転角が適切に推定されず、ギヤ歯部26とスリーブ歯部56の衝突が生じるおそれがある。
回転伝達機構において、ギヤ歯部の回転角を適切に推定して嵌合のタイミングを制御することが求められている。
本発明の回転伝達機構は、
第1の回転軸と一体的に回転可能に設けられたスリーブと、
前記第1の回転軸上に相対回転可能に設けられた第1のギヤと、
第2の回転軸と一体的に回転に設けられ、前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、を有し、
駆動機構により前記スリーブを前記第1の回転軸方向に変位させて、前記第1のギヤと前記スリーブの互いの対向部に設けられたギヤ歯部およびスリーブ歯部の嵌合および離脱を切り替える回転伝達機構であって、
前記第2の回転軸の回転速度を検出する第1の検出機構と、
前記第1のギヤと同期して回転する回転部材と対向する対向位置に配置され、前記回転部材において前記ギヤ歯部の原点に対応して配置された被検出部が前記対向位置を通過する時刻を、前記ギヤ歯部の原点通過時刻として検出する第2の検出機構と、
前記駆動機構を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記第1の検出機構の検出結果に基づいて前記ギヤ歯部の回転角を算出する推定部と、
前記第2の検出機構が検出した前記原点通過時刻の入力に応じて、前記推定部が算出した前記ギヤ歯部の回転角を原点にリセットするリセット部と、
前記ギヤ歯部の回転角に基づいて、前記駆動機構を制御する駆動制御部と、を備え、
前記リセット部は、前記ギヤ歯部の回転角のリセットを行う際に、過去の入力タイミングと異なるタイミングの前記第2の検出機構の入力は除外する。
本発明によれば、推定したギヤ歯部の回転角のリセットを行う際に、過去の入力タイミングと異なるタイミングの第2の検出機構の入力を除外することによって、誤ったタイミングでのリセットを防止することができ、ギヤ歯部の回転角を適切に推定して嵌合のタイミングを制御することができる。
(a)は変速機の構成を説明する図であり、(b)は位置決め機構の構成を説明する図である。 シームレスシフト機構を説明する図である。 図2のスリーブおよび変速ギヤを、回転軸Xa方向に離間して示した図である。 スリーブ歯部とギヤ歯部の嵌合を説明する図である。 スリーブ歯部とギヤ歯部の衝突を説明する図である。 制御装置の構成を説明する図である。 制御装置の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態のスリーブ歯部とギヤ歯部の嵌合の制御を示す図である。 比較例のスリーブ歯部とギヤ歯部の嵌合の制御を示す図である。 従来例に係る変速機の構成を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態に係る回転伝達機構について説明する。
図1は、回転伝達機構1を備えた変速機10の構成を説明する図である。図1の(a)は、変速機10全体の構成を説明する模式図であり、図1の(b)は、位置決め機構70を説明する図である。
図2は、回転伝達機構1のカムリング、スリーブおよび変速ギヤを説明する図である。
図3は、図2のスリーブおよび変速ギヤを、回転軸Xa方向に離間して示した図である。
実施の形態の回転伝達機構1は、1~3速の変速段に対応して、それぞれカムリング41、42、43と、1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23と、スリーブ51、52、53を備えている。
以下、1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23を区別せず言及する場合は、変速ギヤ21、22、23という。
図2~図3では、代表して1速に対応する構成を図示している。図2では、入力軸2と1速ギヤ21を仮想線で示している。図2~図3では、1速ギヤ21の外周に形成されたギヤ溝の図示は省略している。また、図2では、筒部27およびターゲット板28(図3参照)の図示は省略している。
図1の(a)に示すように、変速機10は、駆動源11の出力回転が、メインクラッチ12を介して入力される入力軸2を有している。入力軸2では、複数の変速ギヤ21、22、23が、入力軸2の回転軸Xa方向に間隔をあけて並んでいる。複数の変速ギヤ21、22、23は、それぞれ、1速ギヤ21、2速ギヤ22、および3速ギヤ23である。変速ギヤ21、22、23の各々は、入力軸2で回転可能に支持されている。
入力軸2では、変速ギヤ21、22、23に隣接する位置に、入力軸2と一体に回転するカムリング41、42、43が設けられている。カムリング41、42、43の中央には貫通孔44が設けられており、貫通孔44の内周には回転軸Xa方向に延びるスプラインが設けられている(図2参照)。カムリング41、42、43は、入力軸2に回転軸Xa方向から外挿されて、入力軸2の外周にスプライン嵌合することによって、入力軸2に一体回転可能に連結されている。
カムリング41、42、43の外周には、当該カムリング41、42、43の外周を回転軸Xa方向に延びるカム溝45が設けられている。カムリング41、42、43の外周においてカム溝45は、回転軸Xaを中心とする周方向に所定間隔で複数設けられている。
カムリング41、42、43の外周には、回転軸Xa方向から見てリング状を成すスリーブ51、52、53が外挿されている。スリーブ51、52、53の各々は、カムリング41、42、43のカム溝45に係合する係合突起57を、カム溝45と同数有している。
スリーブ51、52、53の各々は、カム溝45に係合させた係合突起57により、カムリング41、42、43の外周で、回転軸Xa方向に移動可能、かつカムリング41、42、43と一体回転可能に設けられている。
スリーブ51、52、53の外周には、シフトフォーク61、62、63の一端部61a、62a、63aが係合している。シフトフォーク61、62、63の他端部61b、62b、63bは、入力軸2に対して平行に配置されたシフトロッド71、72、73に連結されている。
シフトロッド71、72、73は、軸線X1、X2、X3方向に変位可能となっており、シフトフォーク61、62、63は、シフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向の変位に連動して、回転軸Xa方向に変位する。
スリーブ51、52、53の外周には、シフトロッド71、72、73に連結されたシフトフォーク61、62、63が係合しているため、スリーブ51、52、53は、シフトロッド71、72、73の軸線X1、X2、X3方向の変位に伴って、回転軸Xa方向に移動する。
前記したように、入力軸2では、カムリング41、42、43に隣接して、変速ギヤ21、22、23が設けられている。カムリング41、42、43に外挿されたスリーブ51、52、53は、回転軸Xa方向で、変速ギヤ21、22、23に対向している。
スリーブ51、52、53と変速ギヤ21、22、23は、各変速ギヤ21、22、23の外周にギヤ比に応じたギヤ溝が形成されている以外は、同様の構成を有している。そこで、代表してスリーブ51と1速ギヤ21の具体的な構成を説明する。
図2に示すように、スリーブ51と1速ギヤ21は、共に回転軸Xaを軸中心とし、一面が互いに対向するように配置された円板状の部材である。以下、単に「周方向」というときは、「回転軸Xaを中心とする周方向」を意味し、単に「径方向」というときは、「回転軸Xaの径方向」を意味する。
図3に示すように、スリーブ51は中央に貫通孔54が設けられている。スリーブ51の外周には、シフトフォーク61(図1の(a)参照)が係合する。スリーブ51の、1速ギヤ21との対向面55には、スリーブ歯部56が形成されている。スリーブ歯部56は、直方体状の複数のスリーブ歯561が、対向面55に周方向等間隔に配置された構成となっている。
スリーブ51の貫通孔54の内周には、円柱形状の4つの係合突起57が、90°間隔で設けられている。係合突起57は、貫通孔54の内周から内径側(回転軸Xa)側に突出する。
図2に示すように、スリーブ51の貫通孔54にはカムリング41が挿入される。カムリング41の外径は、スリーブ51の貫通孔54の内径と略同じであるが、カムリング41の外周には、回転軸Xa方向に横切るカム溝45が形成されている。カム溝45は、回転軸Xa周りの周方向に90°間隔で、係合突起57と同数の4つが形成されている。カム溝45の径方向の深さは、係合突起57の突出長よりも僅かに長くなっている。このような構成によって、スリーブ51の貫通孔54にカムリング41を挿入すると、係合突起57がカム溝45に係合して、スリーブ51はカムリング41と一体的に回転する。
1速ギヤ21は中央に貫通孔24が設けられ、この貫通孔24に入力軸2が遊嵌される。
図3に示すように、1速ギヤ21のスリーブ51との対向面25にはギヤ歯部26が設けられている。1速ギヤ21のギヤ歯部26は、直方体状の複数のギヤ歯261が、対向面25に周方向等間隔に配置された構成となっている。ギヤ歯261は、スリーブ歯561と同じ間隔で配置され、回転軸Xa方向から見た場合に同一円周上に形成されており、これによってギヤ歯部26とスリーブ歯部56は嵌合可能となっている。
1速ギヤ21の、スリーブ51との対向面25と反対側に、貫通孔24の外縁から回転軸Xa方向に延びる筒部27が形成されている。筒部27の外周面には、外周面から径方向外方に張り出す円板状のターゲット板28が取り付けられている。ターゲット板28は、1速ギヤ21と同期して回転する回転部材である。ターゲット板28の外縁には、周方向等間隔に、磁石29が配置されている。磁石29は、後述する制御装置100の制御において、変速ギヤ21、22、23のギヤ歯部26の角度原点に対応する位置に配置されており、図3の例では90°間隔で配置されている。
変速機10では、シフトフォーク61、62、63により、スリーブ51、52、53を回転軸Xa方向に駆動させることで、スリーブ51、52、53および変速ギヤ21、22、23の互いの対向面55、25に設けたスリーブ歯部56とギヤ歯部26を嵌合させ、または離脱させる。スリーブ51、52、53と変速ギヤ21、22、23は、嵌合前はそれぞれ異なる回転数で回転しているが、スリーブ歯部56をギヤ歯部26に嵌合させると、入力軸2の回転がスリーブ歯部56からギヤ歯部26に伝達される。すなわち、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合および離脱の切り替えによって、入力軸2と変速ギヤ21、22、23との間での回転の伝達/非伝達が切り替えられるようになっている。
1速ギヤ21、2速ギヤ22、3速ギヤ23の各々は、対応する第1伝達ギヤ31、第2伝達ギヤ32、第3伝達ギヤ33にそれぞれ噛合している。以下、第1伝達ギヤ31、第2伝達ギヤ32、第3伝達ギヤ33を区別せず言及する場合は、伝達ギヤ31、32、33という。伝達ギヤ31、32、33は、出力軸3の回転軸Xb方向に間隔をあけて配置され、出力軸3と一体的に回転可能に設けられている。
例えば、1速ギヤ21のギヤ歯部26と、スリーブ51のスリーブ歯部56とを嵌合させて、1速ギヤ21と入力軸2とを一体回転可能に連結すると、入力軸2に入力された回転が、第1伝達ギヤ31を介して出力軸3に伝達される。これにより、入力軸2に入力された回転が、1速ギヤ21のギヤ比で変速されて、出力軸3に伝達されたのち、ファイナルギヤ35と、差動装置36を介して、駆動輪37に伝達される。1速から2速へ変速段を切り替える際には、嵌合していた1速ギヤのギヤ歯部26とスリーブ51のスリーブ歯部56を離脱させると共に、2速ギヤのギヤ歯部26とスリーブ52のスリーブ歯部56を嵌合させる。このように、ギヤ歯部26とスリーブ歯部56とを嵌合させる変速ギヤ21、22、23とスリーブ51、52、53との組み合わせを変更することで、複数の変速段を実現するようになっている。
変速機10は、変速段の切り替え時に、スリーブ51、52、53を回転軸Xa方向に駆動する駆動機構15を有している。駆動機構15は、前記したシフトフォーク61、62、63と、シフトロッド71、72、73の他に、シフトドラム16と、モータMと、シフトアーム81、82、83と、を有している。
シフトドラム16は、モータMの回転駆動力で、回転軸Xc回りに回転する円柱状の基部160を有している。この基部160の外周には、シフトフォーク61、62、63と同数のカム溝161、162、163が設けられている。
カム溝161、162、163は、基部160の外周を、回転軸Xcを中心とする周方向に沿って設けられており、カム溝161、162、163の各々には、シフトアーム81、82、83の一端に設けた係合ピン85が係合している。シフトアーム81、82、83の他端は、前記したシフトロッド71、72、73に連結されている。
カム溝161、162、163各々は、回転軸Xcを中心とする周方向における角度位置に応じて、回転軸Xc方向の位置が設定されている。そのため、カム溝161、162、163に係合ピン85を係合させたシフトアーム81、82、83の各々は、カム溝161、162、163内における係合ピン85の位置に応じて、回転軸Xc方向に変位するようになっている。
したがって、モータMにより、シフトドラム16を回転軸Xc回りに回転させると、シフトアーム81、82、83の各々が、シフトドラム16の回転軸Xc回りの角度位置に応じて、回転軸Xc方向に変位する。
実施の形態では、カム溝161、162、163が、それぞれ1速、2速、3速の変速段に対応している。よって、例えば、カム溝161に係合ピン85を係合させたシフトアーム81が、回転軸Xc方向に変位すると、このシフトアーム81の変位に連動して、シフトロッド71が軸線X1方向に変位し、さらにシフトフォーク61が回転軸Xa方向に変位する。
シフトフォーク61はスリーブ51の外周に係合しているため、シフトフォーク61の移動と共に、スリーブ51は回転軸Xa方向に移動する。そして、スリーブ51の移動方向に応じて、1速ギヤ21とスリーブ51の互いの対向面55、25に設けられたギヤ歯部26とスリーブ歯部56の嵌合および離脱を切り替えることで、入力軸2と1速ギヤ21との間での回転の伝達/非伝達が切り替えられる。
変速機10では、シフトロッド71、72、73の各々に、位置決め機構70が設けられている。図1の(b)に示すように、位置決め機構70は、合計3つの凹部70a、70b、70cが、軸線X1、X2、X3方向で直列に連なって形成されている。実施の形態では、合計3つの凹部70a、70b、70cのうちの何れかひとつに、スプリングSpで付勢されたボール75が弾発的に係合している。
シフトロッド71の位置決め機構70の場合を例に挙げて説明すると、シフトロッド71が、ボール75を凹部70cに係合させた位置で保持されると、スリーブ51は、当該スリーブ51のスリーブ歯部56と1速ギヤ21のギヤ歯部26とを係合させた位置に保持される。すなわち、入力軸2に入力された回転が1速ギヤ21のギヤ比で変速されて出力軸3に伝達される位置(係合位置)で、スリーブ51が保持される。
また、シフトロッド71が、ボール75を凹部70bに係合させた位置で保持されると、スリーブ51は、当該スリーブ51のスリーブ歯部56と1速ギヤ21のギヤ歯部26とを離間させた位置に保持される。すなわち、入力軸2に入力された回転が1速ギヤ21を介して、出力軸3に伝達されない位置(中立位置)で、スリーブ51が保持される。
なお、実施の形態では、スリーブ51、52、53の一方側にのみ変速ギヤが配置されているが、スリーブ51、52、53の他方側にもスリーブ歯部56を設けて、他の変速ギヤを他方側に配置する構成としても良い。この場合には、ボール75を凹部70aに係合させた位置で、シフトロッド71、72、73を保持することで、スリーブ51、52、53のスリーブ歯部56を、他の変速ギヤのギヤ歯部26に嵌合させた位置で保持することができるようになっている。
変速機10には、ギヤ歯部26とスリーブ歯部56の嵌合の制御に用いる複数のセンサが設置されている。
図1に示すように、変速機10には、入力軸2の回転角を検出する回転角センサ91と、出力軸3の回転速度を検出する回転速度センサ92が設けられている。回転角センサ91は、例えば、入力軸2に取り付けたエンコーダまたはレゾルバとすることができる。回転速度センサ92は、出力軸3と一体的に回転する伝達ギヤ31、32、33のいずれかの対向位置に設置することができるが、図1の例では第3伝達ギヤ33の対向位置に設置した例を示している。伝達ギヤ31~33は出力軸3と一体的に回転するものであるため、伝達ギヤ31、32、33のいずれかの外周の対向位置に回転速度センサ92を配置することで、出力軸3の回転速度を検出することができる。回転角センサ91および回転速度センサ92の検出信号は、それぞれ後述する制御装置100に入力される。
変速ギヤ21、22、23のそれぞれのターゲット板28の外周に対向する位置に、磁気センサ93が配置されている。ターゲット板28は、前記したように、変速ギヤ21、22、23と同期して回転し、その外縁には磁石29が配置されている(図3参照)。ターゲット板28が回転して、ターゲット板28の外縁に配置された磁石29が磁気センサ93との対向位置を通過する際に、磁気センサ93は磁石29の磁気を検出する。磁気センサ93は、磁石29の磁気を検出するとパルス信号を後述する制御装置100に入力する。前記したように、磁石29は変速ギヤ21、22、23のギヤ歯部26の原点に対応する位置に配置されているため、磁気センサ93は、ギヤ歯部26の原点通過時刻を検出するセンサとして機能する。図3の例では、ギヤ歯部26が90°回転するごとに、パルス信号が制御装置100に入力される。
なお、説明および図示は省略するが、変速機10には、例えばシフトドラム16の回転角センサや、シフトロッド71、72、73のトルクセンサ等、他のセンサも適宜配置される。
図1の(a)に示すように、変速機10は制御装置100を備えている。制御装置100は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等のメモリならびにクロックを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成する。制御装置100は変速機10の各種動作の制御を行う。例えば、不図示であるが、制御装置100には、車両のアクセルの開度、シフトレバーの位置およびブレーキの操作の有無を検出するセンサの検出信号が入力される。制御装置100は、それらのセンサの検出信号に応じて変速段を切り替える。実施の形態では、制御装置100が変速段を切り替えるために行う、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合の制御について説明する。
まず、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合について具体的に説明する。
図4は、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合を示す図であり、図5は、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の衝突を示す図である。
図4および図5は、スリーブ歯部56とギヤ歯部26を周方向に展開した図であり、回転軸Xa方向を紙面の上下方向に示し、周方向を紙面の左右方向に示している。実施の形態では、低速段から高速段への変速(シフトアップ)の際に、スリーブ51、52、53と変速ギヤ21、22、23がそれぞれ異なる回転数で回転している状態での、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合を説明する。また、一例として、2速から3速への変速の際の、スリーブ53と3速ギヤ23の嵌合を図示している。
図4において、点線は嵌合前のスリーブ歯部56を示し、実線は嵌合後のスリーブ歯部56を示している。前記したように、スリーブ歯部56とギヤ歯部26は、回転軸Xa方向から見て同じ円周上に配置されている。そのため、回転軸Xaの径方向から見ると、嵌合前のスリーブ歯部56とギヤ歯部26は、回転軸Xa方向に所定距離離間して対向している。
スリーブ53が、駆動機構15によって回転軸Xa方向に3速ギヤ23に向かって駆動されると、スリーブ歯部56がギヤ歯部26に近づいて嵌合する。スリーブ53が回転軸Xa方向に3速ギヤ23から離れるように駆動されると、スリーブ歯部56はギヤ歯部26から離脱する。
より具体的には、スリーブ歯部56とギヤ歯部26の嵌合とは、スリーブ歯561がギヤ歯261の間の歯溝263に突入して、スリーブ歯561の側面261aが、ギヤ歯261の対向する側面261aに接触した状態を意味する。
ギヤ歯部26とスリーブ歯部56が嵌合する前は、スリーブ53と3速ギヤ23とは異なる回転数で回転している。そのため、嵌合前のスリーブ歯561はギヤ歯261に対して相対速度Vcで周方向に移動している状態である。図4では、紙面の左から右を、スリーブ歯561の相対移動の方向としている。したがって、紙面左側が相対移動方向の上流側であり、紙面右側が相対移動方向の下流側である。
スリーブ歯561がギヤ歯261に対して周方向に相対移動していることによって、嵌合の際、スリーブ歯561が歯溝263に垂直に入ることはできない。図4において一点鎖線の矢印で示すように、スリーブ歯561は、ギヤ歯261に対して所定の角度差Δθを有した位置から回転軸Xa方向の移動を開始して、斜めに歯溝263に突入する必要がある。スリーブ歯561が歯溝263に斜めに突入することができるように、歯溝263の周方向幅は、スリーブ歯561の周方向幅よりも大きく設定されている。歯溝263に入ったスリーブ歯561の、相対移動方向下流側の側面561aが、ギヤ歯261の相対移動方向上流側の側面261aに接触することで、スリーブ53と3速ギヤ23が一体的に回転するようになる。
しかしながら、図5に示すように、スリーブ歯561が歯溝263に適切に突入できなかった場合、ギヤ歯261に衝突する可能性がある。スリーブ歯561は周方向に相対的に移動しているため、相対移動によって衝突したギヤ歯261とずれて歯溝263に入れば嵌合は完了するが、衝突によるノイズの発生や、スリーブ歯561およびギヤ歯261の消耗を招く可能性がある。
制御装置100は、スリーブ歯561がギヤ歯261に衝突せずに嵌合するように、駆動機構15がスリーブ51、52、53の駆動を開始するタイミングと、スリーブ51、52、53に付与する駆動力を制御する。実施の形態において、制御装置100は、回転角センサ91、回転速度センサ92および磁気センサ93の検出値を用いて、スリーブの駆動を開始するタイミングを制御する。
以下、ギヤ歯部26とスリーブ歯部56の嵌合の制御のための、制御装置100の構成と動作の詳細を説明する。
図6は、制御装置100の構成を示すブロック図である。
図7は、制御装置100の処理を説明するフローチャートである。
図8は、実施の形態におけるギヤ歯部26とスリーブ歯部56の嵌合の制御を示す図である。
図9は、比較例のギヤ歯部26とスリーブ歯部56の嵌合の制御を示す図である。
図6に示すように、制御装置100は、信号処理部101、推定部102、リセット部103、角度差算出部104、駆動制御部105を備える。制御装置100のCPUが、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、これらの機能構成を実現する。
制御装置100のメモリには、パラメータ等、制御装置100の各部の処理において必要な情報が記憶され、制御装置100の各部は、特に記載がなくとも原則的にその処理結果を一旦メモリに記憶させ、必要なデータや処理対象をメモリから読み出すものとする。
信号処理部101は、回転角センサ91、回転速度センサ92、およびそれぞれの変速ギヤ21、22、23に設けられた磁気センサ93が入力する検出信号を順次処理して、メモリに記憶させる。信号処理部101の処理は、車両の運転中は常時行われている。
推定部102は、変速段の切替えを行う際には、回転速度センサ92の検出信号に基づいて、嵌合を開始する変速ギヤに設けられたギヤ歯部26の回転角θgを推定する。ここでは、2速から3速へのシフトアップの際の、3速ギヤ23のギヤ歯部26の回転角θgを推定する例を説明するが、他の変速ギヤへのシフトアップも同様の制御を行う。
図7に示すように、推定部102は、まず、回転速度センサ92が検出した出力軸3の回転速度と、3速ギヤ23と噛み合う第3伝達ギヤ33のギヤ比から、3速ギヤ23の回転速度Vrを算出する(ステップS01)。推定部102は、算出した回転速度Vrに、3速ギヤ23の磁気センサ93のパルス信号が示す原点通過時刻からの経過時間を乗じることで、3速ギヤ23のギヤ歯部26の回転角θgの推定値を算出する(ステップS02)。推定部102は、算出したギヤ歯部26の回転角θgを順次メモリに記憶させる。
図8の(b)に示すように、メモリには、原点(0°)から増加していくギヤ歯部26の回転角θgが記録される。ギヤ歯部26の角度原点を90°ごとに設定している場合、ギヤ歯部26の回転角θgは0°から90°まで増加したあと、再び0°に戻る。
リセット部103は、3速ギヤ23の磁気センサ93のパルス信号の入力に応じて、メモリに記憶されるギヤ歯部26の回転角θgのリセットを行う。具体的には、図7に示すように、リセット部103は、メモリに記憶させたギヤ歯部26の回転角θgを参照し、回転角θgが所定の角度範囲PR内であるときに(ステップS03:Yes)、磁気センサ93のパルス信号の入力があると(ステップS04:Yes)、ギヤ歯部26の回転角θgを原点(0°)にリセットする(ステップS05)。
回転速度センサ92は、出力軸3の回転速度を検出するものであり、3速ギヤ23の回転速度Vrを直接検出するものではないため、その検出値を用いて推定したギヤ歯部26の回転角θgには誤差が生じることもある。そこで、3速ギヤ23に設けた磁気センサ93の検出する原点通過時刻の入力に基づいて、推定したギヤ歯部26の回転角θgを原点にリセットすることで、ギヤ歯部26の回転角θgの推定精度を高めるものである。
前記したように、磁気センサ93は、ターゲット板28の周方向等間隔に設けられた磁石29を検出する。したがって、図8の(a)に示すように、磁気センサ93からのパルス信号は、通常は等間隔のタイミングで制御装置100に入力される。しかしながら、ノイズ等が原因で、誤ったタイミングでの入力(誤入力Ie)が生じることがある。
図9に比較例を示しているが、図9の(a)に示すように、この誤入力Ieを許容してリセットを行った場合、図9の(b)に示すように、ギヤ歯部26の回転角θgの推定結果が誤ったものとなる。図9の(d)に示すように、この誤った推定結果を用いると、後述する駆動制御部105がスリーブ53の駆動を誤ったタイミングで開始させることになる。
そこで、リセット部103は、推定部102が算出したギヤ歯部26の回転角θgが、リセットが許容される所定の角度範囲PRであるときのみ、磁気センサ93のパルス信号の入力に応じてリセットを行う。
リセット部103は、予め磁気センサ93の過去のパルス信号の入力タイミングと、入力タイミングにおける推定部102が算出したギヤ歯部26の回転角θgを照合して、所定の角度範囲PRを決定する。所定の角度範囲PRは、過去のパルス信号の入力タイミングにおけるギヤ歯部26の回転角θgの前後の範囲を含む一定の範囲とすることができる。
リセット部103は、例えば、エンジンの始動されたタイミングで照合を行って所定の角度範囲PRを決定することができる。リセット部103は、また、照合を2回以上行い、各回で決定した角度範囲の平均値を所定の角度範囲PRとしても良い。また、複数回照合を行う中で、極端に他の回と異なる角度範囲が算出された場合は、その角度範囲は除外しても良い。一例として、ギヤ歯部26の角度原点を90°ごとに設定している場合には、所定の角度範囲PRを、85°~90°とすることができる。
リセット部103は、ギヤ歯部26の回転角θgが所定の角度範囲PRにある場合のみ、磁気センサ93のパルス信号の入力を許容してリセットを行うことで、過去の入力タイミングと異なるタイミングのパルス信号は除外する。これによって、図8の(b)に示すように、ノイズ等が原因の誤ったタイミングのパルス信号の入力で、回転角θgが原点にリセットされるのを防止する。
図7に示すように、角度差算出部104は、スリーブ歯部56の回転角θsとギヤ歯部26の回転角θgの角度差Δθを算出する(ステップS06)。スリーブ歯部56が設けられたスリーブ53は、入力軸2と一体的に回転する。したがって、図8の(c)に示すように、信号処理部101は回転速度センサ92が入力する入力軸2の回転角を、スリーブ歯部56の回転角θsとして記録する。スリーブ歯部56の角度原点を90°ごとに設定している場合、回転角θsは0°から90°まで増加したあと、再び0°に戻る。
角度差算出部104は、信号処理部101が記録したスリーブ歯部56の回転角θsと推定部102が推定したギヤ歯部26の回転角θgの差分を、角度差Δθとして算出する。角度差Δθは、0°~90°の範囲で変化する。
駆動制御部105は、角度差算出部104が算出した角度差Δθを参照し、角度差Δθが閾値THを超えたタイミングで(ステップS07:Yes)、スリーブ53の駆動を開始するように駆動機構15を制御する(ステップS08)。閾値THは、図4の(a)に示すように、スリーブ歯部56がギヤ歯部26と衝突を起こさずに嵌合できる駆動タイミングを示すものであり、予めシミュレーションまたは試験等を行って決定する。
図9の(c)および(d)に示すように、磁気センサ93の誤入力Ieを許容すると、角度差Δθの算出も適切な値が算出されず、誤ったタイミングでスリーブ53の駆動が開始されることになり、ギヤ歯部26とスリーブ歯部56の衝突(図5参照)が生じる可能性がある
図8の(c)および(d)に示すように、実施の形態では、磁気センサ93の誤入力Ieは除外されているため、誤ったタイミングのパルス信号の入力によって回転角θgが原点にリセットされるのを防止することができ、角度差Δθが適切に算出され、誤ったタイミングでのスリーブ53の駆動開始が防止される。
以上の通り、実施の形態の回転伝達機構1は、
(1)入力軸2(第1の回転軸)と一体的に回転可能に設けられたスリーブ51、52、53と、
入力軸2上に相対回転可能に設けられた変速ギヤ21、22、23(第1のギヤ)と、
出力軸3(第2の回転軸)と一体的に回転に設けられ、変速ギヤと噛み合う伝達ギヤ31、32、33(第2のギヤ)と、を有し、
駆動機構15によりスリーブ51、52、53を回転軸Xa方向(第1の回転軸方向)に変位させて、変速ギヤ21、22、23とスリーブ51、52、53の互いの対向面55、25(対向部)に設けられたギヤ歯部26とスリーブ歯部56(歯部)の嵌合および離脱を切り替えるものであって、
出力軸3の回転速度を検出する回転速度センサ92(第1の検出機構)と、
変速ギヤ21、22、23のギヤ歯部26の原点通過時刻を検出する磁気センサ93(第2の検出機構)と、
駆動機構15を制御する制御装置100と、を備え、
制御装置100は、
回転速度センサ92の検出結果に基づいてギヤの歯部の回転角θgを算出する推定部102と、
磁気センサ93が検出した原点通過時刻の入力に応じて、推定部102が算出したギヤ歯部26の回転角θgを原点にリセットするリセット部103と、
ギヤ歯部26の回転角θgに基づいて、駆動機構15を制御する駆動制御部105と、を備え、
リセット部103は、ギヤ歯部26の回転角θgのリセットを行う際に、過去の入力タイミングと異なるタイミングの磁気センサ93の入力は除外する。
スリーブ歯部56とギヤ歯部26を嵌合させる際に、歯部同士が衝突すると衝突音が発生したり、歯部が摩耗する可能性がある。歯部同士の衝突を回避して嵌合させるために、ギヤ歯部26の回転角θgを検出して嵌合のタイミングを制御する必要がある。
ギヤ歯部26の回転角θgを検出する方法の一例として、出力軸3の回転速度を検出する回転速度センサ92の検出値から、ギヤ歯部26の回転角θgを推定する。また、変速ギヤ21、22、23の原点通過時刻を検出する磁気センサ93を設けて、検出した原点通過時刻の入力に基づいて、推定したギヤ歯部26の回転角θgを原点にリセットすることで、ギヤ歯部26の回転角θgの推定精度を高める。しかしながら、磁気センサ93の入力にノイズがあった場合、誤ったタイミングでギヤ歯部26の回転角θgがリセットされてしまう。
磁気センサ93のパルス信号の入力は、一定のタイミングで入力されるため、推定したギヤ歯部26の回転角θgのリセットを行う際に過去の入力タイミングと異なるタイミングの磁気センサ93の入力は除外することによって、誤ったタイミングでのリセットを防止することができ、適切に嵌合のタイミングを制御することができる。
(2)リセット部103は、推定部102が算出したギヤ歯部26の回転角θgと、磁気センサ93の過去の入力タイミングを照合して、リセットの実行を許容するギヤ歯部26の回転角θgの所定の角度範囲PR(所定範囲)を決定し、所定の角度範囲PR外における磁気センサ93の入力は除外する。
磁気センサ93の過去の入力タイミングと、推定したギヤ歯部26の回転角θgを照合することで、リセットを行うことが許容される回転角θgの所定の角度範囲PRを決定することができる。決定した所定の角度範囲PR外の角度のときに入力される磁気センサ93の入力信号を除外することで、誤ったタイミングでリセットすることを防止することができる。
(3)リセット部103は、推定部102が算出したギヤ歯部26の回転角θgと、第2のセンサ信号の過去の入力タイミングの照合を2回以上行って、ギヤ歯部26の回転角θgの所定角度範囲PRを決定する。
照合を2回以上行うことで、リセットを許容するギヤ歯部26の回転角θgの所定の角度範囲PRを精度良く決定することができる。
<変形例1>
実施の形態では、ギヤ歯部26の原点通過時刻を検出する第2の検出機構を磁気センサ93とし、被検出部をターゲット板28に設置した磁石29としたが、これに限られない。例えば、第2の検出機構を電磁ピックアップで構成し、被検出部をターゲット板28の外周に形成した溝または突起としても良い。また、ターゲット板28を設けず、変速ギヤ21、22、23のギヤ歯部26の原点通過時刻を直接的に検出するセンサを設けても良い。
<変形例2>
実施の形態では、リセット部103は、ギヤ歯部26の回転角θgのリセットの実行を許容する所定の角度範囲PRを予め決定し、角度範囲PR内に入力されたパルス信号のみを許容するようにしたが、これに限られない。
リセット部103は、磁気センサ93の過去の入力タイミングから次の入力タイミングを推定し、推定したタイミングとは異なるタイミングでの磁気センサ93の入力は除外するようにしても良い。
リセット部103は、例えば、予め隣り合う入力タイミングの時間間隔を算出しておき、入力されたパルス信号の入力時刻に算出した時間間隔を加算することで、次の推定入力時刻を推定する。そして、リセット部103は、次の推定入力時刻と異なるタイミングで入力された磁気センサ93のパルス信号は除外する。「次の推定入力時刻と異なるタイミング」とは、推定入力時刻と完全一致しないタイミング全てを意味するものでは無く、推定の誤差を考慮して、推定入力時刻の前後の一定の時間範囲から外れたパルス信号を除外するようにしても良い。
原点通過時刻を検出する磁気センサ93のパルス信号は、一定の間隔で入力されるため、過去の入力タイミングから、適切な次の入力タイミングを推定することができる。推定した入力タイミングと異なるタイミングの入力を除外することで、実施形態と同様に、誤ったタイミングでギヤ歯部26の回転角θgのリセットが実行されることを防止することができる。
リセット部103は、2組以上の入力タイミングの間隔を算出し、算出した間隔の平均値または中央値を用いるようにしても良い。これによって、より正確に次の入力タイミングを推定することができる。
10、10A 変速機
11 駆動源
12 メインクラッチ
15 駆動機構
16 シフトドラム
160 基部
161、162、163 カム溝
2 入力軸
21 変速ギヤ(1速ギヤ)
22 変速ギヤ(2速ギヤ)
23 変速ギヤ(3速ギヤ)
25 対向面
26 ギヤ歯部
261 ギヤ歯
261a 側面
263 歯溝
27 筒部
28 ターゲット板
29 磁石
3 出力軸
31 伝達ギヤ(第1伝達ギヤ)
32 伝達ギヤ(第2伝達ギヤ)
33 伝達ギヤ(第3伝達ギヤ)
35 ファイナルギヤ
36 差動装置
37 駆動輪
41、42、43 カムリング
45 カム溝
51、52、53 スリーブ
55 対向面
57 係合突起
56 スリーブ歯部
561 スリーブ歯
561a 側面
61、62、63 シフトフォーク
71、72、73 シフトロッド
81、82、83 シフトアーム
85 係合ピン
91 回転角センサ
92 回転速度センサ
93 磁気センサ
100 制御装置
101 信号処理部
102 推定部
103 リセット部
104 角度差算出部
105 駆動制御部
M モータ
Xa、Xb、Xc 回転軸

Claims (5)

  1. 第1の回転軸と一体的に回転可能に設けられたスリーブと、
    前記第1の回転軸上に相対回転可能に設けられた第1のギヤと、
    第2の回転軸と一体的に回転に設けられ、前記第1のギヤと噛み合う第2のギヤと、を有し、
    駆動機構により前記スリーブを前記第1の回転軸方向に変位させて、前記第1のギヤと前記スリーブの互いの対向部に設けられたギヤ歯部およびスリーブ歯部の嵌合および離脱を切り替える回転伝達機構であって、
    前記第2の回転軸の回転速度を検出する第1の検出機構と、
    前記ギヤ歯部の原点通過時刻を検出する第2の検出機構と、
    前記駆動機構を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の検出機構の検出結果に基づいて前記ギヤ歯部の回転角を算出する推定部と、
    前記第2の検出機構が検出した前記原点通過時刻の入力に応じて、前記推定部が算出した前記ギヤ歯部の回転角を原点にリセットするリセット部と、
    前記ギヤ歯部の回転角に基づいて、前記駆動機構を制御する駆動制御部と、を備え、
    前記リセット部は、前記ギヤ歯部の回転角のリセットを行う際に、過去の入力タイミングと異なるタイミングの前記第2の検出機構の入力は除外することを特徴とする回転伝達機構。
  2. 前記リセット部は、前記推定部が算出した前記ギヤ歯部の回転角と、前記第2の検出機構の過去の入力タイミングを照合して、前記リセットの実行を許容する前記ギヤ歯部の回転角の所定範囲を決定し、前記所定範囲外における前記第2の検出機構の入力は除外することを特徴とする請求項1記載の回転伝達機構。
  3. 前記リセット部は、前記推定部が算出した前記ギヤ歯部の回転角と、前記第2の検出機構の過去の入力タイミングの照合を2回以上行って、前記ギヤ歯部の回転角の所定範囲を決定することを特徴とする請求項2記載の回転伝達機構。
  4. 前記リセット部は、前記第2の検出機構の過去の入力タイミングから推定される次の入力タイミングと異なるタイミングでの、前記第2の検出機構の入力は除外することを特徴とする請求項1記載の回転伝達機構。
  5. 前記リセット部は、2組以上の前記第2の検出機構の過去の入力タイミングの間隔を算出し、前記間隔に基づいて前記第2の検出機構の次の入力タイミングを推定することを特徴とする請求項4記載の回転伝達機構。

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