JP2018130779A - ハブ型ブレード - Google Patents

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早紀 塚本
紀幸 山中
Noriyuki Yamanaka
紀幸 山中
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Abstract

【課題】高精度で効率的かつ安定して製造することができるハブ型ブレードを提供すること。【解決手段】軸線O1周りに回転するハブ型ブレード1であって、チタン合金からなりブレード取付面11Aが形成されたチタンハブ10と、前記ブレード取付面11Aに配置されニッケル又はニッケル合金からなる金属母材にダイヤモンド超砥粒が分散されたブレード本体30と、前記チタンハブ10と前記ブレード本体30の間に配置され前記チタンハブ10と前記ブレード本体30とを接続する接着樹脂部20とを備えていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、半導体材料等の基板を切断してチップ状に個片化するのに用いられるハブ型ブレードに関する。
周知のように、半導体材料等の基板を切断してチップ状に個片化する際に、円形状に形成されたブレードが用いられ、ブレードを安定して回転させるための一形態として、ブレード本体を保持部材に保持させたハブ型ブレードが広く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
ハブ型ブレード100は、図13に示すように、例えば、アルミニウム合金からなるハブ101と、ハブ101の一方側の面にニッケルめっきによって形成した電鋳ブレード本体102とを備えていて、保持部材101と電鋳ブレード本体102とが一体的に接続された構成とされている。
上記従来のハブ型ブレードは、例えば、図14に示すように、ハブよりも大径のアルミ台金を準備(S101)し、アルミ台金のブレード形成面に前処理をしてニッケルめっきが可能な状態とする(S102)。そして、例えば、約5μmのダイヤモンド超砥粒を分散したニッケルめっき液に、マスキングを施したアルミ台金を浸漬して、ブレード形成面にニッケルめっきすることによって電鋳ブレード本体の原板を形成する(S103)。
電鋳ブレード本体の原板は外周側の厚さが厚いので、円筒研削盤などを用いてアルミ台金を外径加工して、電鋳ブレード本体の原板の厚さを均一にする(S104)。次いで、外径加工したアルミ台金にマスキングを施してアルカリエッチングすることにより、アルミ台金の外周部分を溶解して外周に所定寸法のブレード本体を露出させる(S105)。
その後、電解ドレス(S106)によってブレード本体の表面からニッケルを溶解してダイヤモンド超砥粒を露出させ、ダイサードレスによってブレード本体外周のダイヤモンド超砥粒を約2μm露出(S107)させて、ダイサープリカット(S108)、検査(S109)を経てからハブ型ブレードが完成する(S110)。
特開平5−345281号公報
しかしながら、上記従来のハブ型ブレード及びハブ型ブレード製造方法は、以下に示すような問題がある。
(1)アルミニウムはニッケルに比べて熱膨張係数が大きいので、ニッケルめっき液内で約40℃〜50℃の温度範囲でアルミ台金に形成された電鋳ブレード本体は、常温まで冷却される過程でアルミ台金の収縮に追従することができず、電鋳ブレード本体に圧縮応力が残留し、アルカリエッチングによってブレード本体を露出させると歪やそりが生じる虞れがある。ブレード本体の歪やそりは、ハブ型ブレードの切断の品位を大きく左右し、切断ラインの曲りや製品に欠けが生じさせる可能性があることから出荷することができず不良として廃棄されることから、仕損費が増加して製造コスト増大を招いている。
(2)分散めっきにより形成した電鋳ブレード本体は、外周側の厚さが厚く形成されているので、厚い部分を外周加工によって除去して均一な厚さにする必要がある。さらに、外径加工する際には、ブレード本体に歪が発生するのを抑制するために、加工負荷を小さくしたうえで長い時間が必要である。その結果、コスト増大の原因となっている。
(3)アルミ台金をアルカリエッチングしてブレード本体からダイヤモンド超砥粒を露出させることから、ブレード本体を所望の厚さや突き出し量に安定して仕上げることは容易ではない。
(4)アルミ台金をアルカリエッチングする際には、約80℃のアルカリ液中に浸漬させる必要があり、さらなる膨張差を生じてアルミ台金とブレード本体の剥離を生じる虞がある。また、アルカリエッチングに非常に長い時間が費やされる。
また、さらに高速回転させることでより効率的に切断することが可能なハブ型ブレードが望まれている。
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、高精度で効率的かつ安定して製造することが可能なハブ型ブレードを提供することを目的としている。
そこで、発明者らは、高精度なハブ型ブレードを効率的かつ安定して製造する技術を鋭意研究した結果、従来技術にとらわれることのない画期的なハブ型ブレード及びハブ型ブレード製造方法を開発した。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、チタン又はチタン合金からなり軸線回りに回転可能に形成され前記軸線方向の一方側にブレード取付面が形成されたチタンハブと、前記ブレード取付面に配置されたブレード本体と、前記ハブと前記ブレード本体の間に配置され前記ハブと前記ブレード本体とを接続する接着樹脂部と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、チタンハブと、ブレード本体と、接着樹脂部とを備えていて、別々に形成したハブとブレード本体とが接続部によって装着されるので、構成が簡単であり、チタンハブとブレード本体を個別に検査して、品質特性(例えば、砥粒の含有量、厚さ、そり、外観等)を満足したチタンハブとブレード本体だけを用いることができる。
また、接着樹脂部を構成する接着剤の品質を管理することにより、チタンハブとブレード本体とを効率的かつ安定して装着することができる。
その結果、ハブ型ブレードを高精度で効率的かつ安定して製造することができる。
また、ハブがアルミ合金に比較して比強度が大きいチタン又はチタン合金(比強度 約288kN・m/kg、アルミ合金 比強度約222kN・m/kg)により形成されているので、より高速回転させることが可能となり、さらに効率的に切断することができる。また、切断時の外力でハブが変形するのを抑制することができる。
また、ブレード本体を常温でハブに装着することにより、ブレード本体に温度履歴に基づく歪やそりがなくなり、ハブ型ブレードの品質を向上することができる。
また、チタンハブとブレード本体が接着樹脂部を介して接続されることにより、ブレード本体がチタンハブの外縁で急に屈曲されるのが緩和され、ブレード本体が加工対象物と当たった際に、ブレード本体が割れるのが抑制される。
また、この発明に係るハブ型ブレードによれば、ブレード本体をチタンハブから突き出す際に、加工又はエッチングによって台金を除去する必要がないので、材料ロスに起因する歩留低下が抑制されるとともに加工時間を短縮することができる。
その結果、製造にともなうリードタイムが大幅に短縮されるとともに、高精度な試作品を低コストかつ短いリードタイムで製作することができる。
その結果、ブレード本体の品質不具合にともなう台金(ハブ)の廃棄がなくなり、製造コストを削減することができる。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、使用後のハブ型ブレードから接着樹脂部及びブレード本体を取り除くことにより、チタンハブを容易に再利用することができる。
その結果、省資源を実現するとともに製造コストを削減することができる。
この明細書において、接着樹脂部とは、ハブとブレード本体の間に塗布又は配置された接着剤が、経時変化、乾燥、化学反応等によって硬化することによりハブとブレード本体とを接続(接着)する部分をいう。
また、接着剤としては、流動性を有する接着樹脂、シート状に形成されたシート状接着樹脂、常温では流動性がなく温度等物理的条件によって流動性を有し硬化することで接着剤として機能するもの、紫外線により硬化する紫外線硬化性樹脂、嫌気性接着剤等が含まれる。
また、接着樹脂部(接着剤)は、導電性物質等の混合物が分散される等、複数の物質により構成されていてもよい。
また、接着樹脂部を保持するための基材を備えていてもよい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のハブ型ブレードであって、前記ブレード本体は、金属母材と、前記金属母材に分散された砥粒とを備えていることを特徴とする。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、ブレード本体が、金属母材と、金属母材に分散された砥粒とを備えているので高速回転が可能で効率的に切断することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のハブ型ブレードであって、前記金属母材は、ニッケル又はニッケル合金からなり、前記砥粒は、ダイヤモンド超砥粒とされていることを特徴とする。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、金属母材が、ニッケル又はニッケル合金とされているので、例えば、ブレード本体の厚さを約30μm程度の薄肉としても切断に適した剛性が確保され、しかも砥粒がダイヤモンド超砥粒とされているので高速回転で効率的に切断することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハブ型ブレードであって、前記ブレード本体の前記ブレード取付面側に位置される接続面は、金属母材の表面から砥粒が突出していることを特徴とする。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、ブレード本体の接続面が、金属母材の表面から砥粒が突出しているので、接着剤を塗布し又はシート状接着樹脂を配置し、硬化させて接着樹脂部を形成する場合に、ブレード本体に接着樹脂部が安定して定着することができる。
その結果、ブレード本体をハブに安定して装着することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のハブ型ブレードであって、前記ブレード取付面は、表面粗さRmax5〜50μmに形成されていることを特徴とする。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、ハブのブレード取付面が、表面粗さRmax5〜50μmに形成されているので、流動性のある接着剤を塗布し又は(塑性変形が可能な)シート状接着樹脂を配置した後に硬化させて接着樹脂部を形成する場合に、ブレード取付面に接着樹脂部が安定して定着することができる。
その結果、ハブにブレード本体を安定して接着することができる。
ここで、シート状接着樹脂とは、ハブのブレード取付面及びブレード本体の接続面に沿って平面状に展開された接着樹脂脂であり、同時に両面に接着性を有していてもよいし、一方の面と他方の面が接着性を有する条件(例えば、温度)が異なっていてもよい。
この発明に係るハブ型ブレードによれば、高精度で効率的かつ安定して製造することができる。
本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成を説明する図であり、図1において矢視II−IIで示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成を説明する拡大した部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する図であり、ブレード素材を製造する手順の概略を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図であり、ブレード素材の原板を製造する際のSUS台金準備の概略を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図であり、分散めっきによってブレード素材の原板が形成された状態の概略構成を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図であり、SUS台金から分離した状態のブレード素材の原板の概略を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図であり、エッチング処理後のブレード素材の原板の概略を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図であり、ブレード素材の原板に対する内径加工の概略を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程における前処理工程後のチタンハブの概略構成の一例を説明する概念図であり、ブレード取付面の凹凸を強調して示した図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブに接着剤が塗布された中間製品の概略構成を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブにブレード素材が接着された状態の中間製品の概略構成を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程における外形加工の概略を説明する概念図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程において外径加工工程後の中間製品の概略構成を説明する断面図である。 本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程において目立てした後のハブ型ブレードの概略構成を説明する断面図である。 本発明の第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブにシート状樹脂を配置して形成する中間製品の概略構成を説明する概念図である。 本発明の第3実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する軸線を含む断面図である。 従来のハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する軸線を含む断面図である。 従来のハブ型ブレード製造工程の概略の一例を説明するフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、図1〜図3を参照し、本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。
図1は、第1実施形態に係るハブ型ブレードの概略構成の一例を説明する斜視図であり、図2は、図1において矢視II−IIで示す断面図であり、図3は拡大した部分断面図である。
図1〜3において、符号1はハブ型ブレードを、符号10はチタンハブを、符号20は接着樹脂部(接着剤)を、符号30はブレード本体を示している。
ハブ型ブレード1は、図1に示すように、例えば、チタンハブ10と、接着樹脂部20と、ブレード本体30とを備え、ウェーハ(半導体材料等の基板)を切断してICチップ等に個片化することが可能とされている。
チタンハブ10は、図1〜図3に示すように、例えば、外径55.4mmに形成され軸線O1方向の一方側にブレード取付面11Aが形成され軸線O1の他方側に向かうにしたがって縮径されるブレード取付部11と、ブレード取付部11の軸線O1方向の他方側に接続される駆動源接続部12とを備えている。また、チタンハブ10の内周には軸線O1に沿って円筒形状の取付孔10Hが形成されている。
また、ハブ10は、例えば、チタン又はチタン合金により形成されている。チタン合金の材質については、使用条件に基づいて任意に設定することが可能であるが、例えば、純チタン(JIS2種等)、αβ合金(Ti-6Al-6V−2Sn、Ti-6Al-4V等)、β合金(Ti‐3Al‐8V‐6Cr‐4Zr‐4Mo、Ti‐10V‐2Fe‐3Al、Ti-15V-3Cr−3Sn−3Al等)等が好適である。
また、ブレード取付面11Aは、接着樹脂部20を構成する接着剤が効果的に定着するように、例えば、サンドブラストやショットブラスト等によって表面粗さRmax5〜50μm(JIS B0601 1982)に仕上げられていることが好適である。
接着樹脂部20は、例えば、エポキシ樹脂やシアノアクリレート樹脂を主成分とする接着剤が、チタンハブ10の外径及びブレード本体の内径(ブレード素材の内径)と対応してドーナツ状に塗布されたものが硬化することによって形成されている。
なお、エポキシ樹脂やシアノアクリレート樹脂に代えて、アクリル樹脂系接着剤等によって接着樹脂部20を形成してもよく、接着樹脂部20の構成は任意に設定することができる。
また、接着樹脂部20の外径、厚さ(例えば、40μm〜100μm)、弾性係数、保持力(接着力)等は、例えば、ブレード本体30の平面度(軸線O1に対する直角度)を保持することが可能とされ、かつハブ型ブレード1が対象物を切断する際の切断トルクによって生じるねじり変形がブレード本体30に破損を生じさせないように設定されていることが好適である。
また、接着樹脂部20は、チタンハブ10とブレード本体30との間にタッチセンサとして機能する程度の導電性を有していることが好適であるが、接着樹脂部20が導電性を有するかどうかは任意に設定することが可能である。
導電性接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂に銀(Ag)系フィラーが混合されたスリーボンド3380(商品名:株式会社スリーボンド製)を溶剤(例えば、酢酸エチル)で希釈して適用することが可能である。
なお、例えば、シアノアクリレート系の瞬間接着剤(例えば、ALTECO CN2(商品名:株式会社アルテコ製)、ALTECO CN4(商品名:株式会社アルテコ製)、セメダイン 3000DXF(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000 DXLL(商品名:セメダイン株式会社製)、セメダイン3000DXL(商品名:セメダイン株式会社製)、アロンアルファEXTRA衝撃(商品名:東亞合成株式会社製)、アロンアルファEXTRA4000(商品名東亞合成株式会社製)をはじめとする導電性を有さない接着剤を適用して接着樹脂部20を形成してもよい。
また、導電性を有さない接着剤を適用する場合に、例えば、ミクロパールAU−201(商品名:積水化学工業株式会社製)をはじめとする金(Au)、銀(Ag)等の金属を粒子にコーティングして形成された導電性粒子(例えば、粒径10μm)をエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤に混合して塗布、硬化させることで、チタンハブ10とブレード本体30が導電性粒子を介して通電可能としてもよい。
ブレード本体30は、例えば、外径55.05mm、刃厚0.015〜0.04μm(例えば、20μm)の円板状に形成され、外周の軸線O1方向の一方側と他方側には面取り状のコーナ30Cが形成されている。
また、ブレード本体30の内周側には、例えば、軸線O1と同軸に直径42.00mmの円形穴30Hが形成されている。
また、ブレード本体30は、例えば、ニッケル(Ni)又はニッケル合金を主成分とする合金からなる金属母材31と、金属母材31に分散されたダイヤモンド超砥粒(砥粒)32とを備えている。
金属母材を構成するニッケルを主成分とする合金としては、例えば、ニッケル−リン(Ni−P)、ニッケル−コバルト(Ni−Co)、ニッケル−ボロン(Ni−B)を適用することが好適である。
また、ダイヤモンド超砥粒32は、例えば、3〜10μm(平均粒径5μm)、集中度は50〜125のダイヤモンドによって構成されている。
また、ダイヤモンド超砥粒32は、例えば、金属母材31の表面から約2μm程度露出している。
次に、図4〜図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する。
図4は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。図5は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程におけるブレード素材を製造する手順の概略を示すフローチャートである。
ハブ型ブレード製造工程は、図4に示すように、例えば、ブレード素材製造工程(S1)と、チタンハブ準備(S2)からハブ型ブレード(S9)を完成するまでの工程とを備えている。
以下、図5、図6A〜図6Eを参照して、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程におけるブレード素材の製造手順の概略について説明する。
図6A〜図6Eは、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程を説明する図である。図6A〜図6Eにおいて、符号SUSはSUS台金(ステンレス鋼台金)を、符号W30はブレード素材を、符号W301、W302はブレード素材の原板を示している。
ブレード素材製造工程は、図5に示すように、例えば、SUS台金準備工程(S11)と、分散めっき工程(S12)と、エッチング工程(S13)と、内径加工工程(S14)とを備えていて、これら一連の工程を経ることによってブレード素材が完成される(S15)。
(1)SUS台金準備工程
まず、チタンハブと対応する外径を有するブレード素材を形成するのに適したSUS台金(ステンレス鋼製台金)を準備する(S11)。
図6Aは、第1実施形態に係るブレード素材の原板を製造する際のSUS台金準備の概略を示す概念図である。
SUS台金SUSは、例えば、ステンレス鋼からなる円板により構成されていて、分散めっきによってブレード素材の原板を形成するニッケルめっき形成面S10は、鏡面処理されていることが好適である。
また、SUS台金SUSは、図6Aに示すように、ニッケルめっき形成面S10においてニッケルめっきが不要とされる部分にマスキングM1を施すことが好適である。
また、SUS台金SUSの外径は、例えば、SUS台金のニッケルめっき形成面S10に形成されるブレード素材の原板の外周側が厚めに形成されても、ブレード素材をチタンハブに装着して、外径加工、ダイサードレスした後に、ブレード本体の刃厚、歪等がハブ型ブレードの寸法公差内となるように設定されていることが好適である。
(2)分散めっき工程
次に、SUS台金にダイヤモンドの超砥粒を含有する分散めっきをしてブレード素材の原板を形成する(S12)。
図6Bは、SUS台金SUSのニッケルめっき形成面S10に、分散めっきによってブレード素材の原板が形成された状態の概略構成を示す概念図である。
分散めっき工程では、ダイヤモンドの超砥粒を含有するニッケルめっき液を分散めっき装置(不図示)に貯留して、ニッケルめっき液にSUS台金SUSを配置する。そして、ニッケルをアノードとして、ニッケルめっき液を撹拌しながら電解めっき法によりSUS台金SUSのめっき形成面S10にニッケルめっきを成長させる。
その結果、図6Bに示すように、ニッケルめっき形成面S10に、マスキングM1の部分を除いたドーナツ状のブレード素材の原板W301をなす分散ニッケルめっき層(ダイヤモンド超砥粒が分散されたニッケル層)が形成される。
ブレード素材の原板W301は、SUS台金SUSから剥離した後に、ダイヤモンド含有量、刃厚、そり、外観等を検査する。
SUS台金SUSから分離したブレード素材の原板W301は、図6Cに示すように、ニッケルめっき形成面S10と接していた部分は金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が突出することなく平坦面とされている。
なお、ニッケルめっき液に代えて、ダイヤモンドの超砥粒を含有するNi−PやNi−Bめっき液を用いてブレード素材の原板を形成してもよい。また、分散ニッケルめっき層によりブレード素材の原板を形成する場合には熱処理は不要であるが、Ni−PやNi−Bめっき層によりブレード素材の原板を形成する場合には熱処理(例えば、250℃×1hr)が有効である。
なお、無電解めっき法を適用して分散ニッケルめっき層を形成してもよい。
(3)エッチング工程
次いで、ブレード素材の原板をエッチング処理することによりニッケルめっきからなる金属母材からダイヤモンド超砥粒を露出させて目立てをする(S13)。
図6Dは、エッチング処理後のブレード素材の原板W302の概略を説明する概念図である。
エッチング処理は、図6Cに示すブレード素材の原板W301をエッチング装置で逆電解することによりニッケルめっきからなる金属母材31からニッケルを溶解してダイヤモンド超砥粒32を露出させて、ブレード素材の原板W302を形成する。
ブレード素材の原板W302は、図6Dに示すように、ハブ型ブレードにおいてチタンハブ10と反対側に位置される露出面W30F及び接着剤が塗布される接続面W30Bを含む全面にわたって、ニッケルめっきからなる金属母材31からダイヤモンド超砥粒32が露出されている。
(4)内径加工工程
次に、エッチング工程で目立てをしたブレード素材の原板を内径加工してブレード素材を形成する(S14)。
図6Eは、ブレード素材の原板に対する内径加工の概略を説明する概念図である。
ブレード素材の原板W302の内径加工は、図6Eに示すように、内径加工する部位に液体(例えば、水)を供給して冷却しながらレーザビームを照射してブレード素材W302に円形穴30Hを加工して、ブレード素材303を形成する。
なお、内径加工する部位に液体を供給する場合には、例えば、内径加工する部位に噴流液水柱(噴流水柱)Cを形成して、レーザビームLをこの噴流水柱C内で反射させながら加工部位に誘導して照射することが好適であり、そのため、噴流水柱(噴流液柱)Cを可能な限り凹凸の少ない層流としてレーザビームLを噴流水柱C内で全反射させるとより好適である。また、レーザビームLの波長は、例えば、200〜700nmとすることが好適である。
なお、水を供給せずにレーザビームを照射してもよいし、レーザビーム加工に代えて放電加工やその他周知の加工方法により内径加工してもよい。
(5)ブレード素材完成
品質検査が満足していたらブレード素材W303が完成する。
なお、S11〜S15の工程は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
次に、図4、図7A〜図7D、図8、図9を参照して、ハブ型ブレード製造工程におけるチタンハブ準備からハブ型ブレード完成(S2〜S9)の詳細について説明する。
(1)チタンハブ準備工程
まず、チタンハブを準備する(S2)。
図7Aは、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程における前処理工程後のチタンハブの概略構成の一例を説明する概念図であり、ブレード取付面の凹凸を強調して示した図である。
チタンハブ10は、例えば、チタン合金からなる丸棒を軸線回りに回転させながら切削加工するとともに、個々のチタンハブに切断することにより形成する。
チタンハブ10は、接着剤を安定して定着させるために、前処理工程においてブレード取付面11Aに凹凸を形成することが好適である。
(2)ブレード取付面の前処理工程
次に、ブレード取付面に前処理をして、接着剤が定着するのに好適な表面粗さの凹凸を形成する(S3)。
ブレード取付面11Aに対する前処理は、例えば、♯120(約90〜108μm)のアルミナ(Al)を用いたサンドブラストやショットブラストによって施すことが好適である。
その結果、図7Aに示すようなブレード取付面11Aに凹凸を有し、塗布された接着剤が安定して定着可能なチタンハブ10が形成される。
ブレード取付面11Aの表面粗さは、例えば、Rmax5〜50μmが好適である。ブレード取付面11Aの表面粗さをRmax5〜50μmとすることにより、接着樹脂部20がブレード取付面11Aに安定して定着し、ブレード本体を装着するのに充分な保持力(接着力)が確保されるとともに、切断中に発生する微粒子等がチタンハブ10とブレード本体30の間に侵入するのを抑制することができる。
なお、前処理工程を設定するかどうか、前処理による表面粗さの範囲については任意に設定することができる。
(3)接着剤塗布工程
次いで、チタンハブ10のブレード取付面に接着剤を塗布する(S4)。
図7Bは、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブに接着剤が塗布された中間製品の概略構成を説明する概念図である。
チタンハブ10のブレード取付面11Aに接着樹脂部20をなす接着剤を塗布する際には、例えば、ドクターブレードやスピンコートにより均一な厚さに塗布することが好適である。
なお、接着剤の塗布については、ドクターブレードやスピンコートに限定されることなく、接着剤の物性(例えば、粘度等)に応じて周知の種々の塗布手段(例えば、スプレーノズル等)を適用することが可能である。
その結果、図7Bに示すような中間製品W101が形成される。
(4)ブレード本体装着工程
次に、チタンハブにブレード素材を接着する(S5)。
図7Cは、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブにブレード素材が接着された状態の中間製品の概略構成を説明する概念図である。
チタンハブ10にブレード素材W30を装着(接着)する際には、例えば、平坦な定盤上にブレード素材W30を配置し、治具によりチタンハブ10の軸線O1とブレード素材30の円形穴30Hの中心軸O2を合わせながらチタンハブ10をブレード素材30に載置、押圧して接着する。その後、接着剤を硬化させて接着樹脂部20を形成する。
その結果、図7Cに示すようなチタンハブ10にブレード素材W30が接着された中間製品W102が形成される。
(5)外径加工工程
次いで、チタンハブに接着したブレード素材を外径加工する(S6)。
図7Dは、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程における外形加工の概略を説明する概念図であり、図8は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程において外径加工工程後の中間製品の概略構成を説明する断面図である。また、図8は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程において外径加工工程後の中間製品の概略構成を説明する断面図である。図7D、図8において、符号W102は外径加工する前の中間製品を、符号W103は外径加工した後の中間製品を示している。
外径加工は、例えば、中間製品W102を軸線O1周りに回転させて、例えば、ブレード素材W30の外径加工する部位に液体(例えば、水)を供給して冷却しながらレーザビームを照射してブレード素材W30の外径を加工する。
なお、加工部位に液体を供給する場合には、例えば、外径加工する部位に噴流液水柱(噴流液柱)Cを形成して、レーザビームLをこの噴流水柱C内で反射させながら加工部位に誘導して照射することが好適であり、そのため、噴流水柱(噴流液柱)Cを可能な限り凹凸の少ない層流としてレーザビームLを噴流水柱C内で全反射させるとより好適である。また、レーザビームLの波長は、例えば、200〜700nmとすることが好適である。中間製品W102を外径加工することによって、ブレード素材W30の外周が切断され、図8に示すような中間製品W103が形成される。
なお、水を供給せずにレーザビームを照射してもよいし、レーザビーム加工に代えて放電加工やその他周知の加工方法により外径加工してもよい。
(6)ダイサードレス工程
次に、外径加工したブレード本体をダイサードレスして目立てする(S7)。
図9は、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造工程において目立てした後のハブ型ブレードの概略構成を説明する断面図である。
ダイサードレス工程におけるブレード本体30の目立ては、例えば、中間製品W103をダイシングマシンにセットしてドレスボードを切断することにより行う。
中間製品W103をダイサードレスすることにより、中間製品W103のブレード本体30が目立てされて、図9に示すような目立部30Cが形成される。
(7)検査工程
その後、ハブ型ブレードの検査を実施する(S8)。
ハブ型ブレード1の検査は、例えば、シリコンウェーハをダイシングしてカーフ幅を測定する。そのほか、所定の品質質特性を満足しているかどうかを検査する。
なお、検査工程において、ブレード本体30のハブ10の外周からの突き出し長さについては省略してもよい。
(8)ハブ型ブレード完成
検査において所定の品質特性を合格することによりハブ型ブレード1が完成する(S9)。
なお、S1〜S9の工程は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、別々に形成したチタンハブ10とブレード本体30とが接着樹脂部20によって接続された構成とされ、チタンハブ10とブレード本体30を個別に検査することが可能であるので、品質特性を満足したハブとブレード本体30だけを用いて製造することができる。
また、ハブ10がチタン又はチタン合金により形成されているので軽量で高速回転(例えば、60000rpm以上)に容易に対応することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、ハブ10とブレード本体30が接着樹脂部20を介して接続されることにより、ブレード本体30がハブ10の外縁で急に屈曲されるのが緩和され、ブレード本体30が加工対象物と当たった際に、ブレード本体30が割れるのを抑制することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、使用後のハブ型ブレード1から接着樹脂部20及びブレード本体30を取り除くことにより、チタンハブ10を再利用することができるので、省資源を実現するとともに製造コストを削減することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、ブレード本体30を常温でチタンハブ10に装着することにより、ブレード本体30に温度履歴に基づく歪やそりが生じるのが抑制され、ハブ型ブレード1の品質を向上することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、ブレード本体30の接続面30Bが、金属母材31の表面からダイヤモンド超砥粒32が露出されているので、接着樹脂部(接着剤)20が接続面30Bに安定して定着する。
その結果、ブレード本体30をチタンハブ10に安定して装着することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード1によれば、チタンハブ10のブレード取付面11Aが、表面粗さRmax5〜50μmに形成されているので、塗布した接着剤がブレード取付面11Aに接着樹脂部20として安定して定着して、チタンハブ10にブレード本体30を安定して接着(接続)することができる。
また、第1実施形態に係るハブ型ブレード製造方法によれば、チタンハブ10とブレード素材W30を共加工により外径加工するので、チタンハブ10とブレード本体30を効率的に同軸に構成することができる。
第1実施形態に係るハブ型ブレード製造方法によれば、ブレード素材の原板W301に円形穴30Hを内径加工する際に、加工部位に噴流水柱Cを形成し、この噴流水柱CによってレーザビームLを誘導して加工部位を照射するので、ブレード素材W30の円形穴30Hを高精度かつ効率的に形成することができる。
第1実施形態に係るハブ型ブレード製造方法によれば、ブレード素材30を外径加工する際に、加工部位に噴流水柱Cを形成し、この噴流水柱CによってレーザビームLを誘導して加工部位に照射するので、高精度かつ効率的に外径加工する形成することができる。
<第2実施形態>
以下、図1、図10、図11を参照し、本発明の第2実施形態に係るハブ型ブレードについて説明する。図において、符号1Aは第2実施形態に係るハブ型ブレードを、符号20Aは接着樹脂部(シート状接着樹脂)を示している。
ハブ型ブレード1Aは、図1に示すように、チタンハブ10と、シート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aと、ブレード本体30とを備えている。第2実施形態に係るハブ型ブレード1Aは、第1実施形態に係る接着樹脂部20に代えて、シート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aを備えている。
シート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aは、例えば、エポキシ樹脂等、複数の樹脂を混合し又は混練された状態でシート状に形成され、外力(重力等を含む)によって接着対象物と相補的に充填される程度の流動性または塑性変形性を有する接着樹脂により構成されている。また、常温で流動性を有していなくても加熱することで流動して接着性を有してもよい。また、接着樹脂を保持する基材を備えていてもよい。
また、シート状接着樹脂20Aは、例えば、外周がチタンハブ10の外径と対応するとともに、内周がブレード本体30Aの内径(ブレード素材の内径)と対応するドーナツ形状に形成されている。
また、シート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aの外径、硬化後厚さ(例えば、40μm〜100μm)、弾性係数、保持力(接着力)等は、例えば、ブレード本体30の平面度(軸線O1に対する直角度)を保持することが可能とされ、かつハブ型ブレード1Aが対象物を切断する際の切断トルクによって生じるねじり変形がブレード本体30に破損を生じさせないように設定されていることが好適である。その他は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、図10、図11を参照して、第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明する。
図10は、第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。図11は、第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブにシート状樹脂を配置して形成する中間製品の概略構成を説明する概念図である。
ハブ型ブレード製造工程は、図10に示すように、例えば、ブレード素材製造工程(S1A)と、チタンハブを準備してチタンハブにブレード本体を装着してハブ型ブレードを製造する工程(S2A〜S9A)とを備えている。
ブレード素材準備工程(S1A)については、図5に示す第1実施形態(S11〜S15)と同様であるので説明を省略する。
次に、ハブ型ブレード製造工程におけるチタンハブ準備からハブ型ブレード完成(S2A〜S9A)の詳細について説明する。なお、S2A、S3A、S6A〜S9Aについては第1実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
(1)チタンハブ準備工程
まず、チタンハブ10を準備する(S2A)。
(2)ブレード取付面の前処理工程
次に、チタンハブのブレード取付面にシート状接着樹脂(接着樹脂部)を配置するための前処理をして所定の表面粗さにする(S3A)。
(3)シート状接着樹脂(接着樹脂部)配置工程
次いで、チタンハブ10Aのブレード取付面にシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aを配置する(S4A)。
図11は、第2実施形態に係るハブ型ブレード製造工程においてチタンハブにシート状樹脂を配置して形成する中間製品の概略構成を説明する概念図である。
チタンハブ10Aのブレード取付面11Bにシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aを配置する際には、予めチタンハブ10Aの外径及びブレード素材W30の円形穴30Hと対応してドーナツ形状に形成されたシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aを使用する。そして、例えば、治具によってシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aの中心をチタンハブ10の回転軸線O1と合わせて配置する。
その結果、図11に示すように、チタンハブ10の軸線O1とシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aが同軸な中間製品W101Aが形成される。
(4)ブレード本体装着工程
次に、チタンハブにブレード素材を配置する(S5A)。
チタンハブにブレード素材を装着(接着)する際には、例えば、第1実施形態と同様に、平坦な定盤上にブレード素材W30を配置し、治具によりチタンハブ10の軸線O1とブレード素材の円形穴30Hの中心軸O2を合わせながらチタンハブ10Aをブレード素材30に載置、押圧してシート状接着樹脂(接着樹脂部)20Aによって接着、固定する。
(5)外径加工工程
次いで、チタンハブに接着したブレード素材を外径加工する(S6A)。
(6)ダイサードレス工程
次に、外径加工したブレード本体をダイサードレスして目立てする(S7A)。
(7)検査工程
その後、ハブ型ブレードの検査を実施する(S8A)。
(8)ハブ型ブレード完成
検査において所定の品質特性を合格することによりハブ型ブレード1が完成する(S9A)。
なお、S1A〜S9Aの工程は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
第2実施形態に係るハブ型ブレード1Aによれば、別々に形成したチタンハブ10とブレード本体30とがシート状接着樹脂20Aによって接続された構成とされ、品質特性を満足したチタンハブ10とブレード本体30だけを用いて製造することができるので、高精度なハブ型ブレード1を効率的かつ安定して製造することができる。
また、第2実施形態に係るハブ型ブレード1Aによれば、ハブ10とブレード本体30がシート状接着樹脂20Aを介して接続されることにより、ブレード本体30がハブ10の外縁で急に屈曲されるのが緩和され、ブレード本体30が加工対象物と当たった際に、ブレード本体30が割れるのを抑制することができる。
第2実施形態に係るハブ型ブレード1Aによれば、接着樹脂部がシート状接着樹脂20Aにより構成されているので、シート状接着樹脂20Aの厚さを管理することにより、ハブ10のブレード取付面11Aとブレード本体30の平行度(軸線O1に対する垂直度)を高精度に確保することができる。
<第3実施形態>
以下、図12を参照し、本発明の第3実施形態に係るハブ型ブレード1Bについて説明する。
図12は、第3実施形態に係るハブ型ブレード1の概略構成の一例を説明する断面図であり、符号1Bはハブ型ブレードを、符号20(20A)は接着樹脂部を、符号50は導電部材を示している。
ハブ型ブレード1Bは、図12に示すように、例えば、チタンハブ10と、接着樹脂部20(20A)と、ブレード本体30と、導電部材50とを備え、ハブ10とブレード本体30の間が導電可能に構成されている。
導電部材50は、例えば、銅(Cu)をはじめとする金属や種々の導電性材料により形成され、接着樹脂部20(20A)の内周側に配置されるとともにハブ10とブレード本体30とを電気的に接続している。
また、導電部材50は、ろう付けやプリントにより形成することが可能であり、ハブ型ブレード1Bが安定して回転されるように、軸線O1に対称に形成されていることが好適である。なお、接着樹脂部20(20A)の面内に貫通孔(不図示)を形成して、貫通孔を介して導電部材を形成してもよい。その他は、第1実施形態、第2実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係るハブ型ブレード1Bによれば、導電部材50を備えているので、接着樹脂部20(20A)が導電性を有していない場合であっても、ブレード本体30が基板(不図示)と接触した場合に、ブレード本体30からハブ10に通電されて、ハブ型ブレード1Bが基板に接触したことを確実に検出することができる。
なお、上記実施形態において記載した技術的事項については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、チタンハブ10が純チタン(JIS1種等)又はチタン合金により形成され、好適なチタン合金としてαβ合金(Ti-6Al-6V−2Sn、Ti-6Al-4V等)、β合金(Ti‐3Al‐8V‐6Cr‐4Zr‐4Mo、Ti‐10V‐2Fe‐3Al、Ti-15V-3Cr−3Sn−3Al等)を例示したが、上記以外のチタン合金を適用してもよい。
また、上記実施形態においては、接着樹脂部20がエポキシ樹脂やシアノアクリレート樹脂を主成分とする接着剤が硬化して形成される場合について説明したが、接着剤の種類については任意に設定することができる。
また、上記実施形態においては、シート状樹脂20Aがエポキシ樹脂を主成分とするシート状接着樹脂からなる場合について説明したが、シート状接着樹脂20Aの構成については任意に設定することができる。
また、上記実施形態においては、ブレード本体30がニッケルめっきからなる金属母材31にダイヤモンド超砥粒32が分散されている場合について説明したが、例えば、Ni−Pめっき、Ni−CoめっきやNi−Bめっき、銅(Cu)や銅合金(例えば、Cu−Sn)をはじめとする適用可能な種々の金属母材に砥粒が分散されたメタルブレード、フェノール樹脂等からなるレジンブレード、砥粒を混合したセラミックス粉末を含むガラス粉末(無機材料)を焼成して形成したビトブレード、超硬合金により形成されたブレード等、種々のブレード本体を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、SUS台金に電解めっき法によって分散めっき層を形成することによりブレード素材の原板W301を形成する場合について説明したが、分散めっき層をSUS(ステンレス鋼)以外からなる台金(例えば、表面に酸化皮膜を形成し易いアルミニウムやチタン)に成長させてブレード素材の原板を形成してもよい。
また、電解めっきに代えて、無電解めっき法を適用して分散めっき層を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、チタンハブ10のブレード取付面11Aが、例えば、表面粗さRmax5〜50μmに前処理されている場合について説明したが、ブレード取付面11Aを前処理するかどうか、表面粗さをRmax5〜50μmの範囲とするかどうかについては任意に設定することができる。
また、サンドブラストやショットブラストに代えて、ローレット加工等の機械加工や化学的処理によって前処理してもよい。
また、上記実施形態においては、ブレード本体30の接続面30Bが、例えば、金属母材(ニッケルめっき)31の表面からダイヤモンド超砥粒(砥粒)32が突出して形成されている場合について説明したが、ブレード本体30の接続面30Bについては、接着樹脂部20(20A)が定着可能な範囲で任意に表面形態に設定することができる。
また、図4、図5、図12、図13に示したフローチャートは一例を示すものであり、適宜変更(省略、追加)してもよい。
本発明に係るハブ型ブレードによれば、ハブ型ブレードを高精度で効率的かつ安定して製造することができるので産業上利用可能である。
1、1A、1B ハブ型ブレード
10 チタンハブ(ハブ)
11A ブレード取付面
20 接着樹脂部(接着剤)
20A 接着樹脂部(シート状接着樹脂)
30 ブレード本体
30B 接続面
31 金属母材(ニッケルめっき)
32 ダイヤモンド超砥粒(砥粒)
SUS SUS台金(ステンレス鋼台金)

Claims (5)

  1. チタン又はチタン合金からなり軸線回りに回転可能に形成され前記軸線方向の一方側にブレード取付面が形成されたチタンハブと、
    前記ブレード取付面に配置されたブレード本体と、
    前記ハブと前記ブレード本体の間に配置され前記ハブと前記ブレード本体とを接続する接着樹脂部と、
    を備えていることを特徴とするハブ型ブレード。
  2. 請求項1に記載のハブ型ブレードであって、
    前記ブレード本体は、
    金属母材と、前記金属母材に分散された砥粒とを備えていることを特徴とするハブ型ブレード。
  3. 請求項2に記載のハブ型ブレードであって、
    前記金属母材は、ニッケル又はニッケル合金からなり、
    前記砥粒は、ダイヤモンド超砥粒とされていることを特徴とするハブ型ブレード。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハブ型ブレードであって、
    前記ブレード本体の前記ブレード取付面側に位置される接続面は、
    金属母材の表面から砥粒が突出していることを特徴とするハブ型ブレード。
  5. 請求項4に記載のハブ型ブレードであって、
    前記ブレード取付面は、
    表面粗さRmax5〜50μmに形成されていることを特徴とするハブ型ブレード。
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