JP2018128266A - センサシートおよびセンサシステム - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、アクティブマトリクスを用いて光分布を検出する技術が開示されている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、圧力および温度の両方を感度良く検出することができるセンサシートおよびセンサシステムを提供することを主目的とする。
本開示のセンサシートは、基板、複数の薄膜トランジスタおよびセンサ部材の順に積層され、共通電極をさらに有するセンサシートであって、上記センサ部材は、感圧部材と感温部材とを有し、平面視上、上記感圧部材と上記感温部材とが隣接して配置されており、上記共通電極は、上記薄膜トランジスタおよび上記感圧部材と電気的に接続された第一共通電極と、上記薄膜トランジスタおよび上記感温部材と電気的に接続された第二共通電極とを有することを特徴とする。
以下、本明細書において、薄膜トランジスタ(thin film transistor)を、TFTと称して説明する場合がある。
また、「電気的に接続される」とは、部材同士が直接接触することで電気的に接続されること、部材同士が同一材料を用いて連続的に構成されることで電気的に接続されること、部材同士の間に他の部材が配置されることで電気的に接続されることをいう。なお、本明細書において、「電気的に接続」を、単に「接続」と称して説明する場合がある。
TFT2は、典型的には、第一電極21、第一絶縁層22、第二電極23、第三電極24および半導体層25を少なくとも有する。第一電極21は第一配線5と電気的に接続され、第二電極23は第二配線6と電気的に接続される。また、第三電極24は、センサ部材3および共通電極4と電気的に接続される。
図1(a)〜(c)においては、第一電極21がゲート電極であり、第一絶縁層22がゲート絶縁層であり、第二電極23がソース電極であり、第三電極24がドレイン電極であり、第一配線5がスキャン配線であり、第二配線6がデータ配線であり、基板1、第一電極21(ゲート電極)、第一絶縁層22(ゲート絶縁層)、第二電極23(ソース電極)、第三電極24(ドレイン電極)、半導体層25、第二絶縁層(パッシベーション層26)の順に積層されたボトムゲート構造を有するTFT2を例示している。また、本開示におけるTFT2は、例えば、図2に示すように、基板1、第二電極23(ソース電極)、第三電極24(ドレイン電極)、第一絶縁層22(ゲート絶縁層)、第一電極21(ゲート電極)および第二絶縁層(オーバーコート層27)の順に積層されたトップゲート構造を有するTFT2であっても良い。なお、図2は本開示のセンサシートの他の例を示す概略断面図であり、図2(a)は図1(b)における断面に対応し、図2(b)は図1(c)における断面に対応している。説明していない符号については、図1と同様とする。以下の図面においても説明していない符号については、前述で説明した図面の符号と同様とする。
しかしながら、2つのセンサシートの積層させた場合、一方のセンサシート側から各センサ部材で検出すべき圧力および熱が加えられるため、一方のセンサシートの厚さ分だけ、他方のセンサシートにおけるセンサ部材で検出すべき圧力または熱が伝わりにくくなり、感度が低下することが懸念される。
また、薄膜化された2つのセンサシートを積層させた場合において、特に、感圧部材および感温部材が平面視上重なる構造を有する場合、一方のセンサシートにおけるセンサ部材の電気抵抗の変化が、他方のセンサシートにおけるセンサ部材の電気抵抗の変化に影響して、誤作動を生じることも懸念される。また、2つのセンサシートにおいて、感圧部材と感温部材とを平面視上重ならないように形成して、両者を貼り合わせる場合、製造プロセスが複雑化し、コストが高くなる可能性がある。
本開示のセンサシートは、1つの基板に感圧部材と感温部材とを配置することができるため、2つのセンサシートを積層させる場合に比べて、薄膜化および軽量化を図ることができる。
本開示おけるセンサ部材は、TFTの基板側とは反対側に配置される部材である。本開示においては、一つのTFTと、一つのTFTに対応するセンサ部材と、共通電極とが1つのセンサ単位を構成する。本開示におけるセンサ部材は、個々のTFTに対応するように配置される。
ここで、「平面視上、感圧部材と感温部材とが隣接して配置されている」とは、複数のTFTの少なくとも一か所において、隣接するTFTの一方に対応するセンサ部材が感圧部材であり、他方に対応するセンサ部材が感温部材であることをいう。また、本件において、通常、一つのTFTは感温部材または感圧部材の一方と電気的に接続され、他方とは電気的に接続されない。
感圧部材は、圧力を付与することにより電気抵抗が変化する部材である。また、感圧部材は、TFTおよび第一共通電極と電気的に接続するように配置される。本開示において、TFT、感圧部材および第一共通電極は、圧力センサとして機能し、例えば、基準となる圧力における電流値、すなわち校正時における電流値と、検出すべき圧力を付与した際の電流値とを比較して処理することで、圧力を検出することができる。以下の説明において、センサシートにおいて圧力センサとして機能する部分を圧力センサ部と称して説明する場合がある。
感圧部材は、圧力を付与することにより電気抵抗が変化する部材であれば特に限定されないが、例えば、圧力を付与することにより電気抵抗が下がる部材であることが好ましい。感圧部材としては、例えば、図3(a)、(b)に示すように、絶縁性樹脂31aと、絶縁性樹脂31a中に分散された導電性粒子31bとを有する部材を挙げることができる。図3(a)、(b)に示す感圧部材31は、圧力Pを付与することにより、絶縁性樹脂31aが撓み、絶縁性樹脂31a中の導電性粒子31b同士が接触することで、電気抵抗が下がる部材である。
絶縁性樹脂としては、例えば、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン−オレフィン共重合体およびスチレン−ブチレン−オレフィン共重合体、ならびに、オレフィン−エチレン共重合体、オレフィン−ブチレン共重合体およびオレフィン−オレフィン共重合体等が挙げられる。中でも、シリコン樹脂を用いることが好ましい。優れた絶縁性を有し、経時安定性に優れているからである。また、絶縁性樹脂は、2種以上の材料を混合させて用いても良い。
導電性粒子を構成する材料としては、例えば、グラファイト、導電性カーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金属酸化物である導電性酸化スズおよび導電性酸化チタン等を挙げることができる。また、導電性粒子としては、例えば、有機樹脂の炭化物等の炭素系粒子を用いることもできる。本開示においては、中でも、グラファイトを用いることが好ましい。
なお、平均粒子径は、顕微鏡観察による平均粒子径である。顕微鏡観察による平均粒子径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の導電性粒子の粒径を100個測定して個数平均することにより得られる。なお、粒径とは導電性粒子の長軸径と短軸径の平均値を指す。
感圧部材は、TFTおよび第一共通電極を電気的に接続するように配置される。「感圧部材がTFTと電気的に接続される」とは、TFTにおいて第一共通電極と接続される電極と、感圧部材とが電気的に接続されることをいい、TFTが第一電極、第二電極および第三電極を有する場合は、感圧部材が、TFTにおける第三電極と電気的に接続されることをいう。また、この場合、感圧部材は、通常、TFTにおける第一電極および第二電極とは接続しないように配置される。
感圧部材の形成方法としては、所望の形状を有する感圧部材を形成することができれば特に限定されない。感圧部材の形成方法としては、例えば、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびフレキソ印刷法等の種々の印刷法を挙げることができる。感圧部材の形成方法の具体例としては、例えば、熱硬化シリコンゴムにカーボン粒子を混合させたペースト状の組成物を、スクリーン印刷法により、ドット状に形成した後、例えば150℃程度で熱処理して組成物を硬化させることで、感圧部材を得ることができる。
感温部材は、温度変化により電気抵抗が変化する部材である。また、感温部材は、TFTと第二共通電極とを電気的に接続するように配置される。TFT、感温部材および共通電極は温度センサとして機能する。以下の説明において、センサシートにおいて温度センサとして機能する部分を温度センサ部と称して説明する場合がある。
感温部材は、温度変化により電気抵抗が変化する部材であれば特に限定されないが、例えば、加熱により基準となる温度からより温度を上げることで電気抵抗が上がる部材であることが好ましい。このような感温部材としては、例えば、図4(a)、(b)に示すように、ポリマーPTC(positive temperature coefficient)を含有する部材を挙げることができる。ポリマーPTCは、熱膨張性を有する絶縁性材料32aと、導電性粒子32bとを含有する材料である。図4(a)、(b)に示す感温部材32は、熱Tを付与することにより、絶縁性材料32aが熱膨張し、絶縁性材料32a中の導電性粒子32b同士の間が離れることで、電気抵抗が上がる部材である。
また、絶縁性材料の他の例としては、熱硬化型シリコンゴムが挙げられる。
なお、平均粒子径の測定方法は、上述した「(1)感圧部材 (a)感圧部材の構成」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
感温部材は、TFTおよび第二共通電極を電気的に接続するように配置される。「感温部材がTFTと電気的に接続される」とは、TFTにおいて第二共通電極と接続される電極と、感温部材とが電気的に接続されることをいい、TFTが第一電極、第二電極および第三電極を有する場合は、感温部材が、TFTにおける第三電極と電気的に接続されることをいう。また、この場合、感温部材は、通常、TFTにおける第一電極および第二電極とは接続しないように配置される。
ここで、「平面視上、感温部材がTFTと平面視上重ならない位置」とは、具体的には、TFTにおいてトランジスタとして機能する部分と感温部材とが平面視上重ならない位置をいい、典型的には、TFTにおける第二電極および第三電極の間に設けられたチャネル部分と、感温部材とが、少なくとも平面視上重ならない位置をいう。また、感温部材の平面視上の配置は、TFTにおける第一電極、第二電極、第三電極および半導体層の積層部分と、感温部材とが平面視上重ならない位置であっても良い。
感温部材の形成方法としては、所望の形状を有する感温部材を形成することができれば特に限定されない。感温部材の形成方法としては、例えば、インクジェット法、ディスペンサー法等を挙げることができる。感温部材の形成方法の具体例としては、例えば、上述した絶縁性材料の前駆体と導電性粒子を含有する組成物を、例えば80℃程度の温度に調整されたディスペンサーを用いてドット状に形成することにより、感温部材を得る方法が挙げられる。
本開示におけるセンサ部材は、上述した感圧部材と、感温部材とを有する。本開示においては、センサシートにおいて、平面視上、感圧部材と感温部材とが隣接して配置されていれば良く、センサ部材における感圧部材と感温部材との比率(個数比)については、センサシートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。
本開示における共通電極は、TFTおよびセンサ部材と電気的に接続される部材である。また、共通電極は、共通電極は、TFTおよび感圧部材と電気的に接続された第一共通電極と、TFTおよび感温部材と電気的に接続された第二共通電極とを有する。
本開示においては、第一共通電極および第二共通電極の配置は、第一共通電極を感圧部材と接続させ、第二共通電極を感温部材と接続させることができれば特に限定されない。例えば、第一共通電極および第二共通電極の両方が、センサ部材の基板側とは反対側に配置されても良く、基板側に配置されても良い。また、例えば、第一共通電極および第二共通電極のうち、第一共通電極がセンサ部材の基板側とは反対側に配置され、第二共通電極がセンサ部材の基板側に配置されていても良い。また、例えば、第一共通電極および第二共通電極のうち、第一共通電極がセンサ部材の基板側に配置され、第二共通電極がセンサ部材の基板側とは反対側に配置されていても良い。
本開示においては、特に第一共通電極は、センサ部材の基板側とは反対側に配置され、第二共通電極は、センサ部材の基板側に配置されていることが好ましい。上述したように、感圧部材はTFTの厚さ方向において電気抵抗を変化させやすい傾向にあり、感温部材はTFTの面方向において電気抵抗を変化させやすい傾向にある。そのため、第一共通電極および第二共通電極をセンサ部材の特性、すなわち感圧部材および感温部材に適した配置とすることができるからである。
第一共通電極は、TFTおよび感圧部材と電気的に接続された部材である。また、第一共通電極は、通常、感温部材および感温部材と接続されたTFTとは、電気的に接続されない部材である。上述した「(1)共通電極の配置」の項で説明したように、第一共通電極は、センサ部材の基板側とは反対側に配置されても良く、センサ部材の基板側に配置されても良い。すなわち、第一共通電極は感圧部材の基板側とは反対側に配置されても良く、感圧部材の基板側に配置されても良い。本開示においては、中でも、前者がより好ましい。圧力センサ部において、より良好な感度で圧力を検出することができるからである。
例えば、第一共通電極がセンサ部材の基板側とは反対側に配置されている場合は、第一共通電極の平面視形状は、例えば、線状、帯状等のライン形状であっても良い。第一共通電極の平面視形状がライン形状である場合、第一共通電極を第一配線または第二配線の線方向に沿って配置することができる。また、第一共通電極の平面視形状は、例えば、ベタ形状(全てのTFTと平面視上重なる1つの電極形状)であっても良い。中でも、第一共通電極の平面視形状はベタ形状であることが好ましい。例えば、基板および金属層を有する金属層付き基板を第一共通電極として用いることができるため、個々のTFT、感圧部材との位置合わせをせずに、容易に第一共通電極を配置することができるからである。
一方、例えば、第一共通電極がセンサ部材の基板側に配置されている場合は、第一共通電極の平面視形状は、例えば、線状、帯状等のライン形状であることが好ましい。第一共通電極の平面視形状がライン形状である場合、第一共通電極を第一配線または第二配線の線方向に沿って配置することができる。また、第一配線または第二配線のいずれかと同時に第一共通電極を形成することができるため、製造プロセスを少なくすることができ、コストを抑えることができるからである。
なお、第一共通電極がライン形状の平面視形状を有する場合、例えば、センサ部材との接続部分の面積を大きくするための接続部を有していても良い。第一共通電極は、例えば、後述する「B.センサシステム」で説明する制御部と接続させるための外部接続部を有していても良い。
第二共通電極は、TFTおよび感温部材と電気的に接続された部材である。また、第二共通電極は、通常、感圧部材および感圧部材と接続されたTFTとは、電気的に接続されない部材である。上述した「(1)共通電極の配置」の項で説明したように、第二共通電極は、センサ部材の基板側とは反対側に配置されても良く、センサ部材の基板側に配置されても良い。すなわち、第二共通電極は感温部材の基板側とは反対側に配置されても良く、感温部材の基板側に配置されても良い。本開示においては、中でも、後者がより好ましい。温度センサ部において、より良好な感度で温度を検出することができるからである。
TFTにおける第一電極、第一配線、および第二共通電極、またはTFTにおける第二電極、第二配線および第二共通電極を同時に形成することができるため、製造プロセスを簡便にすることができる。また、本開示においては、TFTの基板側とは反対側にセンサ部材である感圧部材および感温部材が隣接して配置される。そのため、TFTおよび第二共通電極が平面視上同一のパターンで配置されていても、後述するTFTにおける第二絶縁層のデザイン(コンタクトホールの位置)を設計することで、感圧部材および感温部材の配置を適宜選択することができ、圧力センサ部および温度センサ部の個数、密度を調整することができる。
一方、例えば、図6(a)に示すように、TFT2における第二絶縁層(パッシベーション層)のデザインを、各TFTの第三電極と平面視上重なる位置、および、第二配線6a、6cと交差する第二共通電極42a、42b、42cの接続部分と平面視上重なる位置に、コンタクトホールhが配置されるように設計する。第二絶縁層(パッシベーション層)を上述したデザインに設計することにより、図6(b)に示すセンサシートにおいては、第二配線6bに接続されたTFT2には、感圧部材31が接続し、第二配線6a、6cに接続されたTFT2には感温部材32が接続するように、感圧部材31および感温部材32を配置することができる。
本開示においては、第一共通電極および第二共通電極のうち、一方がセンサ部材の基板側とは反対側に配置され、他方がセンサ部材の基板側に配置される場合、通常、第一共通電極と第二共通電極とを電気的に絶縁するセンサ絶縁層がさらに配置される。センサ絶縁層は、第一共通電極と第二共通電極とを電気的に絶縁する部材であり、より具体的には、感圧部材および第二共通電極、ならびに、感温部材および第一共通電極を電気的に絶縁させる部材である。
センサ絶縁層が上記構成を有することにより、TFTの厚さ方向においてTFTおよび第一共通電極を電気的に接続するように感圧部材を配置することができ、TFTの面方向においてTFTおよび第二共通電極を電気的に接続するように感温部材を配置することができるからである。
センサ絶縁層が感温部材を覆う場合、センサ絶縁層の感圧温材側表面から、反対側の表面までの距離のうち、最小値が上記数値範囲に含まれることが好ましい。
パレリンの蒸着は、典型的には、専用の真空蒸着装置を用いて行われる。具体的には、ダイマーであるジ−パラ−キシレンの固体顆粒状原材料を真空化で加熱させて気化させる。気化されたダイマーの気体が熱分解し、ダイマーが開裂してモノマーであるパラ−キシレン状態になる。次に、例えば25℃程度の室温の蒸着チャンバー内で、上記モノマーの気体を、基板表面で重合させることで、ポリマーであるポリ−(パラ−キシレン)が形成される。
本開示におけるTFTは、基板に配置される部材であり、トランジスタとして機能する。TFTの構成は、特に限定されないが、典型的には、第一電極、第一絶縁層、第二電極、第三電極および半導体層を有する。また、第一電極は第一配線に接続され、第二電極は第二配線に接続される。また、半導体層は、典型的には、第二電極および第三電極の間に配置される。なお、以下、TFTにおける第一電極、第二電極、第三電極を合わせて、TFTにおける各電極と称して説明する場合がある。
本開示におけるTFTは、アクティブマトリクス方式により駆動することが好ましい。
「隣接するTFT」とは、第一配線および第二配線の交点に配置された複数のTFTのうち、第一配線側または第二配線側に隣り合うTFTをいう。
図7(a)は本開示のセンサシートの一例を示す概略平面図であり、図7(b)は図7(a)の領域X1の拡大図、図7(c)は図7(b)のA−A線断面図であり、図7(d)は図7(a)の領域X2の拡大図、図7(e)は図7(d)のB−B線断面図である。図7(a)に示すセンサシートにおいて、例えば、領域X1は、第一配線5aと、第二配線6cと、第一配線5aおよび第二配線6cに接続されたTFT2とにより特定することができる。また、領域X2は、第一配線5aと、第一配線5aおよび第二配線6bに接続されたTFT2とにより特定することができる。第一配線5a、第二配線6b、6cは、それぞれ見かけ上複数の領域(見かけ上2本)に配置されているが、例えば、末端部において、電気的に接続することにより、一つの第一配線および第二配線を構成する。また、図7(a)、(b)、(d)においては、一つのTFT2において、第一電極、第二電極、第三電極が8つの領域Xa〜Xhに分割して配置されている例について示している。また、第二電極および第三電極は各領域Xa〜Xhにおいてさらに2つの領域に分割された配置されている。8つの領域Xa〜Xhに配置された各第一電極、各第二電極および各第三電極は電気的に接続され、一つのTFT2として機能する。なお、図7(a)、(b)、(d)においては、説明の容易のため、基板および第一共通電極については省略し、第一配線5a(5)、TFTにおける第一電極、第二共通電極42については破線で示している。
特に、大型のセンサシートの場合においては、大型のTFTを形成することが困難な場合がある。1つのTFTに対応するゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を平面視上複数の領域に分割して配置することにより、形成しやすく、信頼性を高くすることができる。
本開示におけるTFTは、典型的には、第一電極、第一絶縁層、第二電極、第三電極および半導体層を少なくとも有する。以下、TFTの構成の詳細について、第一電極がゲート電極であり、第一絶縁層がゲート絶縁層であり、第二電極がソース電極であり、第三電極がドレイン電極であり、第一配線がスキャン配線であり、第二配線がデータ配線である場合について説明する。
TFTの構造としては、基板と、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース電極およびドレイン電極との順に配置されたボトムゲート型であっても良く、基板と、ソース電極およびドレイン電極と、ゲート絶縁層と、ゲート電極との順に配置されたトップゲート型であっても良い。
本開示におけるソース電極およびドレイン電極は、ゲート電極とゲート絶縁層を介して形成される部材である。なお、以後、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を、単に電極と略して説明する場合がある。
本開示における半導体層は、上記ソース電極および上記ドレイン電極間に配置される部材である。
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgxZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdxZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
本開示におけるゲート絶縁層は、ゲート電極と、ソース電極、ドレイン電極および半導体層との間に形成されるものである。
本開示におけるTFTは、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極および半導体層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。具体的には、TFTにおける第一絶縁層の基板側とは反対側に配置される第二絶縁層を有していても良い。第二絶縁層としては、具体的には、本開示におけるTFTがボトムゲート構造である場合、半導体層を覆うように形成され、空気中に存在する水分や酸素の作用による半導体層の劣化を防止するパッシベーション層や、基板上に形成され、電極が形成される基板表面を平坦面とするオーバーコート層等が挙げられる。なお、第二絶縁層は、TFTにおける第一絶縁層の基板側とは反対側に配置されていればよく、1層であっても良く、複数層形成されていても良い。
パッシベーション層を構成する材料としては、空気中の水分や酸素を透過しにくく、半導体層の劣化を所望の程度に防止できるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、上述した「(d)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
オーバーコート層は基板上に平坦面を形成するものである。オーバーコート層を構成する材料としては、所望の平坦面を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上述した「(d)ゲート絶縁層」の項に記載の絶縁性有機材料を用いることができる。
本開示におけるデータ配線およびスキャン線は、基板上に配列され、互いに交差している。
本開示のセンサシートにおいては、TFTまたは共通電極と電気的に接続されたセンサ電極が配置されていても良い。センサ電極は、TFTに第二絶縁層が配置される場合、第二絶縁層のセンサ側に配置され、第二絶縁層に設けられたコンタクトホールを通じてTFTにおける第三電極または共通電極と接続するように配置される。例えば図1(b)、(c)においては、TFT2に第二絶縁層(パッシベーション層26)が配置され、第二絶縁層(パッシベーション層26)のセンサ部材3側に配置され、第二絶縁層(パッシベーション層26)に設けられたコンタクトホールを通じてTFT2における第三電極24または第二共通電極42と接触するように配置されている例を示している。
センサ電極に用いられる材料については、上述した共通電極の項で説明した材料と同様とすることができる。また、厚さについても適宜調整することができる。
センサ電極は、例えば、画素電極であっても良い。
本開示における基板は、TFT、センサ部材および共通電極を支持する部材である。
基板を構成する材料としては、一般的なセンサシートに用いられる基板を使用することができる。基板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
基板の厚さとしては、センサシートの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、50μm以上、1000μm以下であることが好ましい。
本開示のセンサシートは、上述した各構成を有していれば特に限定されず、必要に応じて他の部材を適宜選択して追加することができる。他の部材としては、例えば、熱調整部材および熱干渉部材を挙げることができる。
本開示においては、温度センサ部に求められる検出温度、感度、速度は、センサシートの用途に応じて適宜選択され、例えば、検出速度を上げたい場合、すなわち検出を早く行いたい場合、センサシート内部および温度調整部材の間における熱伝導を速くすることが好ましい。一方、例えば、基準温度と検出温度との温度差が小さい場合、高感度で検出したい場合、センサシート内部および温度調整部材の間における熱伝導を遅くすることが好ましい。熱干渉部材を用いることにより、センサシートの用途に応じて、センサシート内部および温度調整部材の間の熱伝導の速度を所望の速度に調整することができる。すなわち、熱干渉部材を用いることにより、センサシート内部および温度調整部材の間の熱伝導率を調整することができる。
本開示のセンサシートの製造方法としては、上述した各部材を形成することができれば特に限定されない。本開示のセンサシートの製造方法としては、例えば、基板上に複数の薄膜トランジスタを配置する薄膜トランジスタ配置工程と、上記複数の薄膜トランジスタが配置された上記基板上にセンサ部材を配置するセンサ部材部材形成工程と、共通電極を配置する共通電極配置工程とを有し、上記センサ部材形成工程では、センサ部材として感圧部材と感温部材とを、平面視上、上記感圧部材と上記感温部材とが隣接するように配置し、上記共通電極配置工程では、上記薄膜トランジスタおよび上記感圧部材を電気的に接続するように第一共通電極を配置し、上記薄膜トランジスタおよび上記感温部材を電気的に接続するように第二共通電極を配置する製造方法を挙げることができる。
上記センサシートの製造方法においては、例えば、薄膜トランジスタと上記第一共通電極および上記第二共通電極の少なくとも一方とを平面視上同一パターンで配置することが好ましく、薄膜トランジスタと第二共通電極とを平面視上同一パターンで配置することがより好ましい。本開示においては、例えば、薄膜トランジスタにおける第二絶縁層のデザイン(コンタクトホールの位置)を適宜選択することにより、感圧部材および感温部材の個数、密度等を調整することができる。よって、感圧部材および感温部材に対応する薄膜トランジスタのパターンを変更することなく、所望の圧力センサ部および温度センサ部を有するセンサシートを得ることができる。
なお、各部材の形成方法については、各項目で説明したため、ここでの説明は省略する。
なお、本開示のセンサシートの用途は上述した用途に限られない。
本開示のセンサシステムは、「A.センサシート」で説明したセンサシートと、制御部とをするセンサシステムであって、上記制御部は、上記センサシートの上記第一共通電極および上記第二共通電極に対してそれぞれ独立して電位を設定できることを特徴とする。
本開示における制御部は、センサシートの第一共通電極および第二共通電極に対してそれぞれ独立して電位を設定できる部材である。また、制御部は、通常、第一共通電極、感圧部材およびTFTを有する圧力センサ部と、第二共通電極、感温部材およびTFTを有する温度センサ部とを独立して制御する。
本開示においては、複数の圧力センサ部および温度センサ部が設けられていることから、個々の圧力センサ部ごとに付与される圧力と電流値にはばらつきが生じている場合があり、個々の温度センサごとに付与される熱と電流値にはばらつきが生じている場合がある。
そのため、制御部が、各圧力センサ部において検出される圧力が一定となるように制御し、各温度センサ部において検出される温度が一定となるように制御することにより、より感度良く圧力および温度を検出することができる。
制御部による制御方法としては、例えば、以下の方法を用いることができる。
まず、各圧力センサ部ごとに、圧力に対する電流値を測定した検量線を作成し、また、各温度センサ部ごとに、温度に対する電流値を測定した検量線を作成する。得られた検量線のデータに基づいて、制御部では各圧力センサ部において検出される圧力が一定となるように制御し、各温度センサ部において検出される温度が一定のなるように制御することができる。
制御部は、例えば、TFTと接続された第一配線、第二配線、共通電極等とフレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuits:FPC)を用いて接続されていても良い。
<TFTの作製>
下記の手順により、トップゲート構造のTFTを作製した。
基板として、ガラス基板を準備した。上記基板の全面に金を厚み40nmで真空蒸着し、金膜を作製した。次に、金膜にポジ型フォトレジストをスピンコートにて塗布してレジスト層を形成した。次に、フォトマスクを用いた露光および現像工程を経て、レジスト層をパターニングした。次いで、エッチング処理を施して、上記レジスト層が形成されていない部位の金膜をエッチングした後、上記レジスト層を除去した。これにより、ソース電極、ドレイン電極、およびデータ配線を形成した。
以上の工程により、トップゲート構造のTFTを作製した。
次に、オーバーコート層に銀ペーストをスクリーン印刷して、センサ部材とTFT、またはセンサ部材と第二共通電極とを接続するためのセンサ電極を形成した。
感圧部材用のセンサ電極の大きさおよび平面視形状は、100μm角とした。具体的には図9(a)に示すセンサ電極8における距離S1が100μmの四角形状とした。また、感圧部材用のセンサ電極をドレイン電極に接続させた。
一方、感温部材用のセンサ電極は、長辺方向の幅が400μmである電極を50μmの間隔をあけて対峙させて配置し、一方をドレイン電極、もう一方を第二共通電極に接続させた。具体的には、図9(b)に示すセンサ電極8における距離T1が400μm、距離T2が50μmのT字形状とし、一方をドレイン電極24に接続させ、他方を第二共通電極42に接続させた。なお、図9(a)、(b)は実施例におけるセンサ電極およびセンサ部材を説明するための図である。また、説明の容易のため、センサ部材3は一点鎖線で示し、センサ電極8およびドレイン電極24、またはセンサ電極8および第二共通電極42が接続されていることを矢印で示している。
次に、熱硬化性シリコン樹脂にカーボン粒子を50質量%練りこんだペーストを、スクリーン印刷により印刷し、150℃にて熱硬化させて、感圧部材を形成した。感圧部材の大きさおよび平面視形状は400μm角とした。具体的には、図9(a)に示す感圧部材31における距離S2が400μmの四角形状とした。感圧部材の高さは100μmであった。
次に、オクタデシルアクリレートおよびブチルアクリレートを1:1の割合で重合させた重合体(アクリルポリマー)を、80℃に加熱した状態でカーボン粒子を10重量%練りこんだペーストを準備した。80℃の温度に調整したディスペンサーを用いて、準備したペーストを上記基板のTFT側(TFT基板上)に印刷し、感温部材を形成した。感温部材の大きさおよび平面視形状は500μmの円形状とした。具体的には、図9(b)に示す感温部材32における距離S3が500μmの円形状とした。感温部材の高さは50μmであった。
次に、センサ絶縁層として、フッ素溶媒に溶解させてフッ素樹脂を、ディスペンサーにて感温部材を覆うように形成した。感温センサとフッ素樹脂を合わせた高さは70μmであった。
厚さ100μmのポリエチレンナフタレート(PEN)基板に、アルミニウム(Al)が厚さ100nmでスパッタ蒸着されたフィルムを準備した。上記フィルムを第一共通電極とした。次に、センサ絶縁層のTFT側とは反対側に、第一共通電極を配置した。
以上の工程により、センサシートを得た。
2つの共通電極、ゲート配線、およびデータ配線を、FPCを介して制御回路に接続した。
得られたセンサシートを、ペルチェ温調ステージに載せた。各温度における温度センサ部からの出力電流値を計測した。また、得られたセンサシートを、ゴム風船と平らなステージに挟んで、各圧力における圧力センサ部からの出力電流値を計測した。これらの計測結果をセンサシートの補正に用いた。
2 … TFT(薄膜トランジスタ)
3 … センサ部材
31 … 感圧部材
32 … 感温部材
4 … 共通電極
41 … 第一共通電極
42 … 第二共通電極
10 … センサシート
Claims (5)
- 基板、複数の薄膜トランジスタおよびセンサ部材の順に積層され、共通電極をさらに有するセンサシートであって、
前記センサ部材は、感圧部材と感温部材とを有し、平面視上、前記感圧部材と前記感温部材とが隣接して配置されており、
前記共通電極は、前記薄膜トランジスタおよび前記感圧部材と電気的に接続された第一共通電極と、前記薄膜トランジスタおよび前記感温部材と電気的に接続された第二共通電極とを有することを特徴とするセンサシート。 - 前記第一共通電極は、前記センサ部材の前記基板側とは反対側に配置され、
前記第二共通電極は、前記センサ部材の前記基板側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサシート。 - 前記薄膜トランジスタおよび前記第二共通電極が、平面視上同一のパターンで配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセンサシート。
- 前記薄膜トランジスタと、前記センサ部材とは、平面視上重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のセンサシート。
- 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のセンサシートと、制御部とをするセンサシステムであって、
前記制御部は、前記センサシートの前記第一共通電極および前記第二共通電極に対してそれぞれ独立して電位を設定できることを特徴とするセンサシステム。
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