JP2018128157A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機における冷風感の抑制と室温上昇の促進を図る。【解決手段】室内熱交換器16は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う。室内ファン31は、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている。空気調和機1は、暖房開始時に、室内熱交換器16の温度が第1温度になるまで室内ファン31の風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和機、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機に関する。
蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機が暖房運転を開始するときには、空気調和機の室内熱交換器が暖まるまで、空気調和機の室内機から吹出される調和空気が暖房運転開始時点の室温とほぼ同じ低温状態になる。このような低温状態の調和空気や調和空気に巻き込まれた室内空気が室内に居るユーザに当たると、ユーザが冷風の吹き出しを感じてしまうことになる。暖房運転開始直後に空気調和機から吹出される冷風によって、ユーザが寒さを感じるのを防ぐために、例えば特許文献1(特開平9-303844号公報)に記載されている空気調和機では、吹き出される調和空気の温度が上昇するまでは送風ファンの吹出し風量を制限している。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、暖房運転開始時に吹出し風量を制限すると、室内の気温の上昇も抑制されてしまい、室内が暖まるのに時間が掛かってしまう。
本発明の課題は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機における冷風感の抑制と室温上昇の促進を図ることである。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている室内ファンとを備え、暖房開始時に、室内熱交換器の温度が第1温度になるまで室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有する。
第1観点に係る空気調和機では、室内熱交換器の温度が第1温度になるまで室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、室内熱交換器の温度が第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有することから、冷風感の抑制を優先したい状況では第1冷風抑制制御を用い、室温上昇の促進を優先したい状況では第2冷風抑制制御を用いることができる。
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とを予め設定されている選択条件に応じて選択する、ものである。
第2観点に係る空気調和機では、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とが選択条件に応じて選択されることから、冷風感の抑制を優先したい状況で第1冷風抑制制御が選択され、室温上昇の促進を優先したい状況で第2冷風抑制制御が選択されるように選択条件を予め設定することができる。
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、選択条件は、目標室温と室温との差が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第3観点に係る空気調和機では、選択条件が、目標室温と室温との温度差が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、温度差が小さくて能力要求が小さい時には第2冷風抑制制御が行われないような構成となる。
本発明の第4観点に係る空気調和機は、第2観点または第3観点に係る空気調和機において、室内ファンから吹出される調和空気の吹き出し方向をスイングすることができるように構成されたフラップをさらに備え、選択条件は、フラップがスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第4観点に係る空気調和機では、選択条件が、フラップがスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、フラップがスイングして広範囲に調和空気を吹出しているときには第2冷風抑制制御が行われないので、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。また、もし第2冷風抑制制御を選択するためにスイングを止めると故障が発生したとのユーザの誤解を招く可能性が高くなるが、そのような誤解を起こさせないようにすることができる。
本発明の第5観点に係る空気調和機は、第2観点から第4観点のいずれかに係る空気調和機において、室内ファンから吹出される調和空気の上下方向の吹き出しを変更することができるように構成された水平フラップをさらに備え、選択条件は、水平フラップが所定の角度よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第5観点に係る空気調和機では、選択条件が、水平フラップが所定の角度よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、所定の角度以下の時には第2冷風抑制制御が行われないので、所定の角度を室内に居るユーザに調和空気が当たらないように設定しておくことで、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、第5観点に係る空気調和機において、選択条件は、水平フラップの所定の角度が、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出される角度である、ものである。
第6観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御が行われるときに、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出されるので、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、第5観点に係る空気調和機において、選択条件は、水平フラップの所定の角度が、吹出された調和空気が天井に沿う角度である、ものである。
第7観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御が行われるときには、吹出された調和空気が天井に沿うので、立ち上がったユーザが室内に居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、第1観点から第7観点のいずれかに係る空気調和機において、室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有する、ものである。
第8観点に係る空気調和機では、室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有するので、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。
本発明の第1観点に係る空気調和機では、冷風感の抑制と室温上昇の促進を図ることができる。
本発明の第2観点に係る空気調和機では、冷風感の抑制と室温上昇の促進を容易に実現することができる。
本発明の第3観点に係る空気調和機では、既に室内が暖かくて早急に暖める必要性の小さいときに第2冷風抑制制御を行わないことによって冷風感の抑制の効果を向上させることができる。
本発明の第4観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御において、故障と誤解されるフラップの動き及び冷風感を増すフラップの動きを抑制することができる。
本発明の第5観点から第7観点のいずれかに係る空気調和機では、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
本発明の第8観点に係る空気調和機では、室温上昇を促進する機能が向上する。
実施形態に係る空気調和機の外観を示す斜視図。 実施形態に係る空気調和機の構成の概要を示す回路図。 水平フラップが天井気流の風向選択時の位置にある室内機の断面図。 空気調和機の制御系統の構成の概要を示すブロック図。 水平フラップが上吹きの風向選択時の位置にある室内機の断面図。 水平フラップが垂直気流の風向選択時の位置にある室内機の断面図。 上下方向の風向の違いを説明するために室内と室内機を示した概念図。 第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。 変形例1Aにおける第2冷風抑制制御及び第3冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。 変形例1Bに係る空気調和機の構成の概要を示す回路図。 変形例1Bに係る空気調和機の制御系統の概略構成を示すブロック図。 変形例1Cにおける第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成の概要について図1及び図2を用いて説明する。図1に示されている空気調和機1は、室内の壁面WLなどに取り付けられる室内機3と、屋外に設置される室外機2とを備えている。なお、図1においては、室外機2が壁面WLを挟んで室内機3とは反対側の屋外にあることから、室外機2が破線で示されている。図2には、空気調和機1の回路構成が示されている。この空気調和機1は、冷媒回路10を備えており、冷媒回路10の中の冷媒を循環させることにより蒸気圧縮式冷凍サイクルを実行することができる。冷媒が循環する冷媒回路10を形成するために、連絡配管4によって、室内機3と室外機2が接続されている。また、図4に示されているように、空気調和機1は、内部の機器を制御するために制御部50を備えている。空気調和機1には、リモートコントローラ5が付属しており、このリモートコントローラ5は、例えば赤外線を用いて制御部50と通信する機能を持っている。ユーザは、このリモートコントローラ5を用いて空気調和機1に対して種々の設定を行うことができる。
(1−1)冷媒回路10
冷媒回路10は、圧縮機11と、室外熱交換器13と、膨張機構14と、アキュムレータ15と、室内熱交換器16とを備えている。圧縮機11は、吸入口から冷媒を吸入し、内部で圧縮した冷媒を吐出口から室内熱交換器16に対して吐出する。圧縮機11は、インバータによる回転数制御を行う容量可変のインバータ圧縮機である。圧縮機11の運転周波数が高くなるほど冷媒循環量が多くなり、逆に運転周波数が低くなると冷媒循環量が減少する
室外熱交換器13は、アキュムレータ15を介して圧縮機11の吸入口との間で冷媒を流通させるための第1出入口を有するとともに、膨張機構14との間で冷媒を流通させるための第2出入口を有している。室外熱交換器13は、室外熱交換器13の第2出入口と第1出入口との間に接続された伝熱管(図示せず)を流れる冷媒と室外空気との間で熱交換を行わせる。
膨張機構14は、室外熱交換器13と室内熱交換器16との間に配置されている。膨張機構14は、室外熱交換器13と室内熱交換器16の間を流れる冷媒を膨張させて減圧する機能を有している。膨張機構14は、開度を変更することができるように構成されており、開度を小さくすることにより膨張機構14を通過する冷媒の流路抵抗が増加し、開度を大きくすることにより膨張機構14を通過する冷媒の流路抵抗が減少する。このような膨張機構14は、暖房運転中は、室内熱交換器16から室外熱交換器13に向かって流れる冷媒を膨張させて減圧する。また、冷媒回路10に取り付けられている他の機器の状態が変化しなくても、膨張機構14の開度が変化すると、冷媒回路10を流れる冷媒の流量は変化する。
室内熱交換器16は、膨張機構14との間で液冷媒を流通させるための第2出入口を有するとともに、圧縮機11の吐出口との間でガス冷媒を流通させるための第1出入口を有している。室内熱交換器16は、室内熱交換器16の第2出入口と第1出入口との間に接続された伝熱管16b(図3参照)を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行わせる。
室外熱交換器13と圧縮機11の吸入口との間には、アキュムレータ15が配置されている。アキュムレータ15では、室外熱交換器13から圧縮機11に流れる冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。そして、アキュムレータ15から圧縮機11の吸入口には主にガス冷媒が供給される。
室外機2は、伝熱管を流れる冷媒と室外空気との熱交換を促進するため、室外熱交換器13を通過する室外空気の気流を発生させる室外ファン21を備えている。この室外ファン21は、回転数を変更できる室外ファンモータ21aによって駆動される。また、室内機3は、伝熱管16bを流れる冷媒と室内空気との熱交換を促進するため、室内熱交換器16を通過する室内空気の気流を発生させる室内ファン31を備えている。この室内ファン31は、回転数を変更できる室内ファンモータ31aによって駆動される。
(1−2)室内機3の構成
図3に示されているように、室内機3は、上述の室内熱交換器16と室内ファン31以外に、ケーシング61と、エアフィルタ62と、複数の垂直フラップ63と水平フラップ64,65とを備えている。
(1−2−1)ケーシング61
ケーシング61は、長手方向(以下においては左右方向ともいう)に細長く延びて複数の開口を持つ箱形状を呈する。ケーシング61の天面部には吸込口71が設けられている。室内ファン31が駆動することによって、この吸込口71近傍の室内空気が、この吸込口71からケーシング61の内部へと取り込まれる。吸込口71から取り込まれた室内空気は、ケーシング61の天面部に設けられているエアフィルタ62を通過し、さらに室内熱交換器16を通過して室内ファン31へと送られる。ケーシング61の底面部には、吹出口72が形成されている。吹出口72は、室内ファン31から続くスクロール流路72bによってケーシング61の内部と繋がっている。吸込口71から吸い込まれ室内空気は、室内熱交換器16にて熱交換された後、スクロール流路72bを通って吹出口72から室内RSへと吹き出される。スクロール流路72bの後ろ側には、流路下面72aが設けられている。流路下面72aの断面形状は、旋回するにつれて室内ファン31の回転中心から遠ざかる曲線を描く。
(1−2−2)風向調整のための構成
吹出口72には、左右方向に長く延びる2枚の水平フラップ64,65が設けられている。これら水平フラップ64,65は、ケーシング61に回動可能に取り付けられている。水平フラップ64,65は、それぞれに対して設けられている水平フラップ駆動用モータ37によってそれぞれ独立して、左右に延びるそれぞれの回転中心の周りで回動することができるように構成されている。これら水平フラップ駆動用モータ37は、室内機3内に設けられている室内制御装置35(図4参照)によって制御される。そして、これら水平フラップ64,65は、単独で又は互いに協力して、吹出口72から吹出される空気の上下方向の風向きを調整する。
吹出口72の奥には、左右方向に対して交差する平面を持つ複数の垂直フラップ63が設けられている。垂直フラップ駆動用モータ38(図4参照)によって、上下方向(左右方向と交差する方向)に延びる回転中心の周りで垂直フラップ63が左右に回動することができるように構成されている。垂直フラップ63を駆動する垂直フラップ駆動用モータ38も、室内制御装置35によって制御される。これら複数の垂直フラップ63は、吹出口72から吹出される空気の風向きを左右に調整する。
(1−2−3)室内熱交換器16
室内熱交換器16は、複数のフィン16aと、複数のフィン16aを貫く複数の伝熱管16bとで構成されている。室内熱交換器16は、室内機3の運転状態に応じて蒸発器または放熱器として機能し、伝熱管16bの中を流れる冷媒と室内熱交換器16を通過する空気との間で熱交換を行わせる。なお、ここではフィン16aと伝熱管16bによって構成されている室内熱交換器16について説明しているが、本発明で用いられる室内熱交換器16は、フィンアンドチューブ式の熱交換器に限られるものではなく、例えば伝熱管16bの代わりに扁平多穴管を使用した熱交換器を用いることもできる。
(1−2−4)室内ファン31
室内ファン31は、図3に示されているように、ケーシング61の内部の略中央部分に位置している。この室内ファン31は、室内機3の長手方向(左右方向)に細長い略円筒形状をしたクロスフローファンである。室内ファン31が回転駆動されることによって、室内空気が吸込口71から吸い込まれてエアフィルタ62を通過した後に、室内熱交換器16を通過することで生成された調和空気が吹出口72から室内RSへと吹出される。室内ファン31は、室内ファンモータ31aの回転数に応じて回転し、回転数が大きくなるほど吹出口72から吹出される調和空気の風量が多くなる。
(1−3)制御系統の構成の概要
図4に示されているように、制御部50は、室外機2内に内蔵されている室外制御装置26と室内機3内に内蔵されている室内制御装置35とを有している。これら室外制御装置26と室内制御装置35とは、相互に信号線で接続され、互いに信号を送受信できるように構成されている。
室外機2の室外制御装置26は、圧縮機11、膨張機構14及び室外ファン21などを制御する。そのために、室外機2は、室外空気の温度を測定するための室外温度センサ22と、室外熱交換器13の特定の場所を流れる冷媒の温度を測定するための室外熱交換器温度センサ23と、圧縮機11から吐出される冷媒の温度を検出するための吐出管温度センサ24と、圧縮機11に吸入されるガス冷媒の温度を検出するための吸入管温度センサ25とを備えている。そして、室外制御装置26は、室外温度センサ22乃至吸入管温度センサ25が測定した温度に関する信号を受信するために、室外温度センサ22乃至吸入管温度センサ25に接続されている。この室外制御装置26は、例えばCPU(図示せず)とメモリ26aを含んでおり、メモリ26aに記憶されているプログラムなどに従って室外機2の制御を行うことができる構成になっている。
室内機3の室内制御装置35は、室内ファン31などを制御する。そのために、室内機3は、室内空気の温度を測定するための室温センサ32と、室内熱交換器16の特定の場所を流れる冷媒の温度を測定するための室内熱交換器温度センサ33とを備えている。そして、室内制御装置35は、室温センサ32及び室内熱交換器温度センサ33が測定した温度に関する信号を受信するために、室温センサ32及び室内熱交換器温度センサ33に接続されている。この室内制御装置35は、例えばCPU(図示せず)とメモリ35aを含んでおり、メモリ35aに記憶されているプログラムなどに従って室内機3の制御を行うことができる構成になっている。
リモートコントローラ5は、図1に示されている液晶表示装置5aとボタン5bとを有している。図4に示されている運転スイッチ51、温度設定スイッチ52、風向設定スイッチ53及び風量設定スイッチ54などに対応するボタン5bを使ってユーザがこれらのスイッチの操作をすることができる。運転スイッチ51は、空気調和機1の運転と停止とを切り換えるためのスイッチであって、運転スイッチ51が操作される毎に運転と停止とが交互に切り換わる。温度設定スイッチ52は、ユーザが望む室温を入力するために用いられるスイッチである。また、風向設定スイッチ53は、風向に関する設定を行うためのスイッチである。風量設定スイッチ54は、風量を入力するために用いられるスイッチである。
制御部50は、温度設定スイッチ52を用いて入力された設定温度Tsに基づいて、目標室温Ttを設定する。暖房運転では、例えば、設定温度Tsに一定値α1を加えて得られる温度(Ts+α1)を目標室温Ttとする。あるいは、所定の関数f1(x)に従って計算された値β1を設定温度Tsに加えて得られる温度(Ts+β1)を目標室温Ttとしてもよい。目標室温Ttよりも室温Trが高くなれば、制御部50は空気調和機1をサーモオフさせる。なお、制御部50は、設定温度Tsから一定値α2を差し引いて得られる温度(Ts−α2)よりも室温Trが低くなれば、制御部50が空気調和機1をサーモオンさせる。あるいは、所定の関数f2(x)に従って計算された値β2を設定温度Tsから差し引いて得られる温度(Ts−β1)よりも室温Trが低くなれば、制御部50が空気調和機1をサーモオンさせるように設定されてもよい。サーモオン状態では圧縮機11が駆動されていて冷媒による熱の移動があるが、サーモオフ状態では圧縮機11が停止していて冷媒による熱の移動が停止されている。
制御部50は、上述のような種々のセンサの測定値とリモートコントローラ5から入力される指令に基づき、空気調和機1を構成する種々の機器を制御する。また、制御部50は、リモートコントローラ5の液晶表示装置5aを用いて、入力された指令の状況及び制御の状況をユーザに報知する。
(2)風向調整
(2−1)手動設定
ユーザは、リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53を使って手動により垂直フラップ63、水平フラップ64,65の位置を調整することができる。室内機3は、左右方向では、例えば「前吹き」、「右吹き」及び「左吹き」と呼ばれる風向を設定できる。例えば、「前吹き」の風向が選択されているとは、垂直フラップ63が前後方向に延びる位置で停止して前方に向かって調和空気が吹出される。「右吹き」の風向が選択されていると、垂直フラップ63が右に傾いている位置で停止して右方向に向かって調和空気が吹出される。「左吹き」の風向が選択されていると、垂直フラップ63が左に傾いている位置で停止して左方向に向かって調和空気が吹出される。また、室内機3は、上下方向では、例えば「天井気流」、「上吹き」、「下吹き」及び「垂直気流」と呼ばれる風向を選択することができるように構成されている。「天井気流」の風向が選択されると、室内機3は、水平フラップ64,65の先端を最も上に向け、天井CEに調和空気が沿って流れるように吹出口72から図3に矢印Ar1で示されている方向に調和空気を吹出す。「上吹き」の風向が選択されると、室内機3は、「天井気流」の風向の場合の水平フラップ64,65の位置よりも先端を少し下げ、図5に矢印Ar2で示されているように、水平方向よりも上に向けた方向に調和空気を吹き出す。「下吹き」の風向が選択されると、室内機3は、水平方向よりも下に調和空気を吹き出す。「垂直気流」の風向が選択されると、室内機3は、図6に示されているように水平フラップ64,65の先端を最も下に向けて壁面WLに沿って調和空気が流れるように調和空気を吹き出す。図7の矢印Ar1で示された気流が、「天井気流」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar2で示された気流が、「上吹き」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar3で示された気流が、「下吹き」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar4で示された気流が、「垂直気流」の風向選択時に生じる気流の例である。なお、ここで上下方向において4つの異なる風向が選択可能な場合について説明しているが、上下方向において選択可能な風向の設定の仕方はこの例に限られるものではない。
(2−2)スイング設定
リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53により、垂直フラップ63がスイングする状態を選択することができる。また、リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53により、水平フラップ64,65がスイングする状態を選択することができる。さらには、垂直フラップ63と水平フラップ64,65がともにスイングする状態を選択することができる。
(2−3)自動設定
リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53を使って、制御部50に風向設定を任せる風向自動モードを選択することができる。風向自動モードでは、メモリ35aに記憶されているプログラムに従って制御部50により風向が自動的に設定される。
(3)風量調整
風量調整のモードには、自動設定と手動設定の2種類のモードが存在する。自動設定モードでは、メモリ35aに記憶されているプログラムに従って、制御部50が自動的に風量を設定する。手動設定モードでは、ユーザがリモートコントローラ5の風量設定スイッチ54を使って、例えば、5つの異なる風量を設定することができる。ここでは、風量が小さい方から順に第1風量、第2風量、第3風量、第4風量、そして第5風量と呼ぶ。
(4)暖房運転
空気調和機1の暖房運転のときは、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒は室内熱交換器16に流れ込む。このとき、室内熱交換器16は、放熱器として機能する。そのため、室内熱交換器16の中を流れるに従って、冷媒は、室内空気との熱交換によって室内空気を暖めて自身が放熱して冷やされる。室内熱交換器16で温度を奪われた低温高圧の冷媒は、膨張機構14によって減圧されて低温低圧の冷媒に変化する。膨張機構14を経て室外熱交換器13に流れ込んだ冷媒は、室外空気との熱交換によって暖められる。このとき、室外熱交換器13は、蒸発器として機能している。そして、室外熱交換器13からアキュムレータ15を介して、主に低温のガス冷媒が圧縮機11に吸入される。
(4−1)第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御
(4−1−1)第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御の開始と制限解除と終了
第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について図8のフローチャートに沿って説明する。例えば、リモートコントローラ5の運転スイッチ51を切り換えるボタン5bが押されて運転が開始されると(ステップS1)、制御部50は、第1開始条件を満たしているか否かについて判断する(ステップS2)。第1開始条件は、第1冷風抑制制御又は第2冷風抑制制御の冷風抑制制御に入るか否かを判断するための条件である。第1開始条件を満たしていなければ、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御のいずれも行わない。そのため、第1開始条件が満たされていないときには、ステップS9に進む。第1条件を満たしているときには、次のステップS3に進み、第2開始条件を満たしているか否かを判断する。第2開始条件は、第1冷風抑制制御を行うか、第2冷風抑制制御を行うかを決めるための条件である。これら第1開始条件及び第2開始条件の内容については後述する。
ステップS3において第2開始条件が満たされていると判断されると、第2冷風抑制制御(ステップS4)に入って風量を制限する。通常は、第2冷風抑制制御に入った後に、第1開始条件及び第2開始条件が変更されることはないので、室内熱交換器16の温度が第2温度になるまでは、ステップS2,S3,S4,S5のループの動作が繰り返され、第2冷風抑制制御を継続する。そして、室内熱交換器16の温度が第2温度に達すると、ステップS5からステップS6に進み、第2冷風抑制制御の風量制限が解除される。風量制限が解除された後は、ステップS9に進み、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御を解除するか否かが判断される。
ステップS3において第2開始条件が満たされていないと判断されると、第1冷風抑制制御(ステップS7)に入って風量を制限する。通常は、第1冷風抑制制御に入った後に、第1開始条件及び第2開始条件が変更されることはないので、室内熱交換器16の温度が第1温度になるまでは、ステップS2,S3,S7,S8のループの動作が繰り返される。そして、室内熱交換器16の温度が第1温度に達すると、ステップS8からステップS6に進み、第1冷風抑制制御の風量制限が解除される。風量制限が解除された後は、ステップS9に進み、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御を解除するか否かが判断される。
ステップS9においては、制御部50により、室温センサ32の測定する室温Trが設定温度Ts付近の閾値温度Thを越えたか否かが判断される。閾値温度Thの設定は、設計事項であるが、例えば閾値温度Thを設定温度Tsよりもγ度だけ低い値に設定される。この場合、制御部50は、Tr>(Ts−γ)を満たせば、冷風抑制制御を解除して(ステップS10)、冷風抑制制御のルーチンを終了する。
通常は暖房運転が開始してそのまま暖房運転が継続されている場合には、室内熱交換器16の温度は徐々に上がる。しかし、暖房運転開始後に目標室温Ttに達する前に室内熱交換器16の温度が下がることもあり得る。この空気調和機1においては、第1冷風抑制制御において室内熱交換器16の温度が、第1温度以上に上がった後に、再び第1温度よりも下がったときには、一旦風量制限が解除された後であっても再び風量制限が掛かるように構成されている。同様に、第2冷風抑制制御において室内熱交換器16の温度が、第2温度以上に上がった後に、再び第2温度よりも下がったときには、一旦風量制限が解除された後であっても再び風量制限が掛かるように構成されている。
ところで、上述の制御においては、第2温度が第1温度よりも低く設定されている。従って、第2冷風抑制制御において風量制限が解除される時の室内熱交換器16の温度は、第1冷風抑制制御において風量制限が解除される時の室内熱交換器16の温度よりも低くなっている。つまり、第2冷風抑制制御は、第1冷風抑制制御と比べて冷風感を抑制する効果よりも室温Trを上昇させる機能を優先している制御ということになる。その一方で、冷風感の抑制を確保するために、第2冷風抑制制御が行われる場合を、冷風感の抑制が容易になる、第2開始条件を満たす状態に限っている。
(4−1−2)第1開始条件
第1開始条件は、運転中であることを条件として含んでいる。例えば、運転中であることがAND条件であり、運転中でなければ、他の条件を満たしていても第1開始条件は満たされない。第1開始条件は、圧縮機11が駆動されていることを条件として含んでもよい。例えば、圧縮機11が駆動されていることをさらにAND条件として含んでいれば、運転中であり、且つ圧縮機11が駆動されているときしか、冷風抑制制御が開始されることはない。また、第1開始条件は、予約された暖房運転でないことを条件として含んでもよい。例えば、予約された暖房運転でないことをさらにAND条件として含んでいれば、運転中であり、圧縮機11が駆動され、予約された暖房運転でないときしか、冷風抑制制御が開始されることはない。また、第1開始条件は、天井付近に暖気が集まっている暖気溜まりを取るための強制的な「天井気流」の選択ではないことを条件として含んでもよい。このような条件を含めることで、天井に沿う強い気流を発生させたいときに、風量が制限されるのを防止することができる。
(4−1−3)第2開始条件
第2開始条件は、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることを条件として含んでいる。例えば、図5に示されている風向が「上吹き」のときの水平フラップ64,65は、水平面に対する所定の角度An1よりも上を向いている。従って、所定の角度An1よりも上を向いていることを第2開始条件として含んでいれば、風向が「天井気流」及び「上吹き」の状態にあるときの水平フラップ64,65がこの条件を満たすことになる。
第2開始条件としての、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることという条件は、水平フラップ64,65の角度が調和空気を水平方向あるいは水平方向よりも上に吹き出される角度になっていることという条件にしてもよい。この場合には、「天井気流」の状態にあるときの水平フラップ64,65の角度が条件を満たすことになる。また、本実施形態の「上吹き」の状態においては、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹き出されているので、「上吹き」の状態のときの水平フラップ64,65の角度もこの条件を満たすことになる。
あるいは、第2開始条件としての、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることという条件は、水平フラップ64,65の角度が、吹き出された調和空気が天井に沿う角度を水平方向あるいは水平方向よりも上に吹き出される角度になっていることという条件にしてもよい。この場合には、「天井気流」の状態にあるときの水平フラップ64,65の角度が条件を満たすことになる。
また、第2開始条件は、フラップがスイングをしていないという条件を含んでもよい。例えば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしていないことをさらにAND条件として含んでいれば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしておらず、且つ水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いているときしか、第2冷風抑制制御が開始されることはない。なお、フラップが複数ある場合には、特定の一部のフラップがスイングをしていないとき、例えば水平フラップ64,65のみがスイングしていないという条件を設定することができる。また、ラップが複数ある場合には、全てのフラップがスイングしていないという条件を設定することができる。
また、第2開始条件は、目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいという条件を含んでもよい。例えば、目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいことをさらにAND条件として含んでいれば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしておらず、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向き、且つ目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいときにしか、第2冷風抑制制御が開始されることはない。
(4−1−4)風量の制限及び解除
風量の制限の仕方としては、例えば、リモートコントローラ5の風量設定スイッチ54でユーザが設定できる最も小さい第1風量に制限する方法がある。それ以外に、例えば、第1風量よりも小さい第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御における専用の風量を設けてもよい。この場合、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御において風量制限が掛かっているときには、第1風量よりも小さい専用の風量に制限される。
風量の解除の仕方として最も簡単な方法は、第1冷風抑制制御も第2冷風抑制制御もそれぞれ第1温度と第2温度になったときに、第1風量から第5風量までの全ての風量を選択できるように一切の風量の制限を解除する方法である。それ以外にも次のような風量制限の解除の仕方がある。例えば、第1温度を複数設定し、第1a温度、第1b温度、第1c温度及び第1d温度が第1温度に含まれるものとし、第1a温度<第1b温度<第1c温度<第1d温度とする。そして、第1a温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量と第2風量を選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限を解除する。また、第1b温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量と第2風量と第3風量を選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限をさらに解除する。また、第1c温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量から第4風量までを選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限をさらに解除する。最後に、第1d温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、全ての風量制限をさらに解除する。このように、段階的に風量制限を解除するように構成してもよい。
第2冷風抑制制御についても、段階的に解除するように構成してもよい。例えば、第2温度を複数設定し、第2a温度及び第2b温度が第2温度に含まれるものとし、第2a温度<第2b温度<第1a温度<第1b温度<第1c温度<第1d温度とする。そして、第2a温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量から第3風量を選択できるように第2冷風抑制制御の一部の風量制限を解除する。さらに、第2b温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、全ての第2冷風抑制制御の風量制限をさらに解除する。
なお、風量制限の解除には、ユーザが選択可能な風量、ここでは第1風量から第5風量の全てを一度に選択可能にする解除及び、段階的に選択可能な風量を増やしていって最後に全て選択可能にするような完全な解除だけでなく、一部のみしか選択可能にしないような部分的な解除も含まれる。なお、部分的な解除には、一度に一部のみを選択可能にして終了する解除だけでなく、段階的に選択可能な風量を増やして行くがしかし最後まで選択できない風量を残すような解除の仕方も含まれる。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態の空気調和機1では、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有している。そして、制御部50は、冷風感の抑制を優先したい状況では第1冷風抑制制御を用い、室温上昇の促進を優先したい状況では第2冷風抑制制御を用いることができるように構成されている。そのため、第1冷風抑制制御を用いることで冷風感の抑制を図ることを優先することができ、第2冷風抑制制御を用いることで室温上昇の促進を図ることを優先することができる。その結果、従来に比べて、本実施形態の空気調和機1では、冷風感の抑制と室温上昇の促進の効果が向上している。
上記実施形態では、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量を制限する第1冷風抑制制御の例として、第1温度で風量の制限が解除される場合について説明した。しかし、第1冷風抑制制御は、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量が制限される制御であればよく、第1温度で風量の制限が解除される制御に限られるものではない。
(5−2)
第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とが、第2開始条件という選択条件に応じて選択されることから、冷風感の抑制を優先したい状況で第1冷風抑制制御が選択され、室温上昇の促進を優先したい状況で第2冷風抑制制御が選択されるように選択条件を予め設定することができている。例えば、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態でないときには第1冷風抑制制御が選択され、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態で且つ他の第2開始条件を満たしているときには第2冷風抑制制御が選択される。水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態であって、十分に冷風感の抑制ができるときには比較的冷たい調和空気が吹き出す第2冷風抑制制御によって風量制限を低い温度で解除し、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向に対応しない状態であって、十分な冷風感の抑制がし難いときには第1冷風抑制制御によって風量制限を高い温度で解除するという選択ができている。その結果、冷風感の抑制と室温上昇の促進を容易に実現することができている。
(5−3)
選択条件である第2開始条件が、目標室温Ttと室温Trとの温度差(Tt−Tr)が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む場合には、温度差が小さくて能力要求が小さい時には第2冷風抑制制御が行われないような構成となる。温度差(Tt−Tr)が小さいときには、ユーザは、速く室温Trを上げたいという欲求が小さくなる。このように、既に室内RSが暖かくて早急に暖める必要性の小さいときに第2冷風抑制制御を行わないことによって、冷風感の抑制の効果を向上させることに重点を置くことができ、ユーザの快適性を向上させることができている。
(5−4)
例えば水平フラップ64,65がスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための選択条件である第2開始条件として含む場合には、水平フラップ64,65がスイングして広範囲に吹出しているときには第2冷風抑制制御が行われない。このような制御によって、室内RSにユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。もしも第2冷風抑制制御を選択するために水平フラップ64,65のスイングを止めるという制御を行うと、故障したとユーザが誤解する可能性が高くなる。スイングをしていないことを条件とすることでスイングをとめないような制御をすることで、そのような誤解を招かないようにすることができる。なお、水平フラップ64,65だけでなく、垂直フラップ63がスイングをしないという条件を第2開始条件に含めてもよい。また、水平フラップは、2枚の水平フラップ64,65に限られるものではなく、1枚でもよく、また3枚以上であってもよい。
(5−5)
選択条件である第2開始条件が、水平フラップ64,65が所定の角度An1よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む場合には、所定の角度An1以下の時には第2冷風抑制制御が行われない。そこで、所定の角度An1を室内RSに居るユーザに調和空気が当たらないように設定しておくことで、室内RSにユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに比較的冷たい調和空気が直接当たるのを抑制することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(5−6)
水平フラップ64,65の所定の角度が水平方向または水平方向よりも上に調和空気が吹出される角度であるという条件を、選択条件である第2開始条件として含む場合には、第2冷風抑制制御が行われるときに、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出される。その結果、例えば室内機3が高い位置にあれば室内に居るユーザが立ち上がっているときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たらないように設定することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(5−7)
選択条件である第2開始条件が、水平フラップ64,65の所定の角度が、吹出された調和空気が天井に沿う角度であるという条件を含む場合には、第2冷風抑制制御が行われるときには、吹出された調和空気が天井に沿う。その結果、立ち上がったユーザが室内に居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(6)変形例
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御の2種類の冷風抑制制御を有する場合について説明したが、さらに他の冷風抑制制御を有していてもよい。例えば、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有していてもよい。室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有するので、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。
空気調和機1の制御において、例えば、図9に示されているように、図8に示したフローの一部を変更して、第3冷風抑制制御を追加してもよい。図8のフローのステップS3とステップS4の間において、第3開始条件を満たしているか否かを判断する(ステップS11)。そして、第3開始条件を満たしていれば、第3冷風抑制制御に入る(ステップS12)。もし、第3開始条件を満たしていなければ、ステップS4に進み、第2冷風抑制制御に入って、既に説明したようにステップS2からステップS5までのルーチンを繰り返す。
第3冷風抑制制御が開始されると、次に室内熱交換器16が第3温度になったか否かが判断される(ステップS13)。室内熱交換器16が第3温度になったら、ステップS14に進み、風量制限が解除される。ステップS14の動作が終わると次にステップS9に進む。また、室内熱交換器16の温度第3温度に到達していなければステップS2に進む。ステップS9又はステップS2に進んだ後の動作については、既に説明した図8に示されたフローの動作と同じになるので説明を省略する。
第2開始条件に、例えば風向が「天井気流」又は「上吹き」になっているという条件が含まれ、第3開始条件に、例えば風向が「天井気流」になっているという条件が含まれるように制御部50の制御がプログラムされているものとする。つまり、第3冷風抑制制御は、第2冷風抑制制御よりも室温上昇の促進に重点が置かれた制御である。そのため、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度に達した時点で、例えば第1風量乃至第5風量を選択できるように風量制限を解除する(ステップS14)。
このように、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第3冷風抑制制御を空気調和機1がさらに有すると、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。第3冷風抑制制御を設けて室温上昇を促進する機能を向上させる一方で、第3冷風抑制制御に入る条件を第2冷風抑制制御に入る条件よりも冷風感の抑制が容易な場合に限ることで、冷風感の抑制と室温上昇の促進の両立を図ることができている。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、空気調和機1が暖房専用に構成されていたが、空気調和機1は、図10及び図11に示されているように、例えば四路切換弁12が追加されて、暖房と冷房とが切り換えられるように構成されてもよい。図10のように構成された空気調和機1では、圧縮機11は、内部で圧縮した冷媒を吐出口から四路切換弁12の第1ポートに対して吐出する。四路切換弁12は、第1ポート以外に、室外熱交換器13に接続された第2ポートと、アキュムレータ15に接続された第3ポートと、室内熱交換器16に接続された第4ポートとを有する。四路切換弁12は、空気調和機1が暖房運転をするときに、第1ポートと第4ポートとの間で冷媒を流通させると同時に第2ポートと第3ポートの間で冷媒を流通させる(破線で示された状態になる)。また、空気調和機1が冷房運転をするとき及び逆サイクルデフロスト運転をするとき、四路切換弁12は、第1ポートと第2ポートの間で冷媒を流通させると同時に第3ポートと第4ポートの間で冷媒を流通させる(実線で示された状態になる)。
このように、暖房運転と冷房運転とが選択できる場合には、図8に示されているフローの第1開始条件に、暖房運転が選択されていることという条件が例えばAND条件として含まれていればよい。室外制御装置26が四路切換弁12を制御するので、制御部50は、室外制御装置26から暖房運転と冷房運転のいずれが現在行われているのかを示す情報を得ることができる。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、第1冷風抑制制御が行われているとき又は第2冷風抑制制御が行われているときに、状況が変化して第1開始条件又は第2開始条件に関する判断が変わると、冷風抑制制御の変更を許容するように構成されている。しかし、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御の選択の仕方は、上記実施形態の遣り方に限られるものではない。例えば、図12に示されているようにフローの一部を変更してもよい。図12に示されているフローでは、ステップS5,S8での判断が「No」のときにステップS4,S7に戻るように構成されており、一旦第1冷風抑制制御又は第2冷風抑制制御の制御に入ったときには、室内熱交換器16の温度が第1温度に達するまで又は第2温度に達するまではそれぞれの制御を続ける。
1 空気調和機
2 室外機
3 室内機
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 四路切換弁
13 室外熱交換器
14 膨張機構
16 室内熱交換器
21 室外ファン
31 室内ファン
32 室内温度センサ
33 室内熱交換器温度センサ
63 垂直フラップ
64,65 水平フラップ
特開平9-303844号公報
本発明は、空気調和機、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機に関する。
蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機が暖房運転を開始するときには、空気調和機の室内熱交換器が暖まるまで、空気調和機の室内機から吹出される調和空気が暖房運転開始時点の室温とほぼ同じ低温状態になる。このような低温状態の調和空気や調和空気に巻き込まれた室内空気が室内に居るユーザに当たると、ユーザが冷風の吹き出しを感じてしまうことになる。暖房運転開始直後に空気調和機から吹出される冷風によって、ユーザが寒さを感じるのを防ぐために、例えば特許文献1(特開平9-303844号公報)に記載されている空気調和機では、吹き出される調和空気の温度が上昇するまでは送風ファンの吹出し風量を制限している。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、暖房運転開始時に吹出し風量を制限すると、室内の気温の上昇も抑制されてしまい、室内が暖まるのに時間が掛かってしまう。
本発明の課題は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを用いて暖房を行う空気調和機における冷風感の抑制と室温上昇の促進を図ることである。
本発明の第1観点に係る空気調和機は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている室内ファンと、室内ファンの風量を設定するためのリモートコントローラとを備え、暖房開始時に、室内熱交換器の温度が第1温度になるまでリモートコントローラによって選択し得る室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときにリモートコントローラによって選択し得る室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有する。
第1観点に係る空気調和機では、室内熱交換器の温度が第1温度になるまで室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、室内熱交換器の温度が第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有することから、冷風感の抑制を優先したい状況では第1冷風抑制制御を用い、室温上昇の促進を優先したい状況では第2冷風抑制制御を用いることができる。
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機において、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とを予め設定されている選択条件に応じて選択する、ものである。
第2観点に係る空気調和機では、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とが選択条件に応じて選択されることから、冷風感の抑制を優先したい状況で第1冷風抑制制御が選択され、室温上昇の促進を優先したい状況で第2冷風抑制制御が選択されるように選択条件を予め設定することができる。
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第2観点に係る空気調和機において、選択条件は、目標室温と室温との差が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第3観点に係る空気調和機では、選択条件が、目標室温と室温との温度差が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、温度差が小さくて能力要求が小さい時には第2冷風抑制制御が行われないような構成となる。
本発明の第4観点に係る空気調和機は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている室内ファンと、室内ファンから吹出される調和空気の吹き出し方向をスイングすることができるように構成されたフラップをさらに備え、暖房開始時に、前記室内熱交換器の温度が第1温度になるまで前記室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、前記第1温度よりも低い第2温度になったときに前記室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有し、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とを予め設定されている選択条件に応じて選択し、選択条件は、フラップがスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第4観点に係る空気調和機では、選択条件が、フラップがスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、フラップがスイングして広範囲に調和空気を吹出しているときには第2冷風抑制制御が行われないので、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。また、もし第2冷風抑制制御を選択するためにスイングを止めると故障が発生したとのユーザの誤解を招く可能性が高くなるが、そのような誤解を起こさせないようにすることができる。
本発明の第5観点に係る空気調和機は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器と、室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている室内ファンと、室内ファンから吹出される調和空気の上下方向の吹き出しを変更することができるように構成された水平フラップをさらに備え、暖房開始時に、室内熱交換器の温度が第1温度になるまで室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有し、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とを予め設定されている選択条件に応じて選択し、選択条件は、水平フラップが所定の角度よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、ものである。
第5観点に係る空気調和機では、選択条件が、水平フラップが所定の角度よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含むことから、所定の角度以下の時には第2冷風抑制制御が行われないので、所定の角度を室内に居るユーザに調和空気が当たらないように設定しておくことで、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第6観点に係る空気調和機は、第5観点に係る空気調和機において、選択条件は、水平フラップの所定の角度が、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出される角度である、ものである。
第6観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御が行われるときに、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出されるので、室内にユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第7観点に係る空気調和機は、第5観点に係る空気調和機において、選択条件は、水平フラップの所定の角度が、吹出された調和空気が天井に沿う角度である、ものである。
第7観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御が行われるときには、吹出された調和空気が天井に沿うので、立ち上がったユーザが室内に居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。
本発明の第8観点に係る空気調和機は、第1観点から第7観点のいずれかに係る空気調和機において、室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有する、ものである。
第8観点に係る空気調和機では、室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有するので、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。
本発明の第1観点に係る空気調和機では、冷風感の抑制と室温上昇の促進を図ることができる。
本発明の第2観点に係る空気調和機では、冷風感の抑制と室温上昇の促進を容易に実現することができる。
本発明の第3観点に係る空気調和機では、既に室内が暖かくて早急に暖める必要性の小さいときに第2冷風抑制制御を行わないことによって冷風感の抑制の効果を向上させることができる。
本発明の第4観点に係る空気調和機では、第2冷風抑制制御において、故障と誤解されるフラップの動き及び冷風感を増すフラップの動きを抑制することができる。
本発明の第5観点から第7観点のいずれかに係る空気調和機では、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
本発明の第8観点に係る空気調和機では、室温上昇を促進する機能が向上する。
実施形態に係る空気調和機の外観を示す斜視図。 実施形態に係る空気調和機の構成の概要を示す回路図。 水平フラップが天井気流の風向選択時の位置にある室内機の断面図。 空気調和機の制御系統の構成の概要を示すブロック図。 水平フラップが上吹きの風向選択時の位置にある室内機の断面図。 水平フラップが垂直気流の風向選択時の位置にある室内機の断面図。 上下方向の風向の違いを説明するために室内と室内機を示した概念図。 第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。 変形例1Aにおける第2冷風抑制制御及び第3冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。 変形例1Bに係る空気調和機の構成の概要を示す回路図。 変形例1Bに係る空気調和機の制御系統の概略構成を示すブロック図。 変形例1Cにおける第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について説明するためのフローチャート。
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成の概要について図1及び図2を用いて説明する。図1に示されている空気調和機1は、室内の壁面WLなどに取り付けられる室内機3と、屋外に設置される室外機2とを備えている。なお、図1においては、室外機2が壁面WLを挟んで室内機3とは反対側の屋外にあることから、室外機2が破線で示されている。図2には、空気調和機1の回路構成が示されている。この空気調和機1は、冷媒回路10を備えており、冷媒回路10の中の冷媒を循環させることにより蒸気圧縮式冷凍サイクルを実行することができる。冷媒が循環する冷媒回路10を形成するために、連絡配管4によって、室内機3と室外機2が接続されている。また、図4に示されているように、空気調和機1は、内部の機器を制御するために制御部50を備えている。空気調和機1には、リモートコントローラ5が付属しており、このリモートコントローラ5は、例えば赤外線を用いて制御部50と通信する機能を持っている。ユーザは、このリモートコントローラ5を用いて空気調和機1に対して種々の設定を行うことができる。
(1−1)冷媒回路10
冷媒回路10は、圧縮機11と、室外熱交換器13と、膨張機構14と、アキュムレータ15と、室内熱交換器16とを備えている。圧縮機11は、吸入口から冷媒を吸入し、内部で圧縮した冷媒を吐出口から室内熱交換器16に対して吐出する。圧縮機11は、インバータによる回転数制御を行う容量可変のインバータ圧縮機である。圧縮機11の運転周波数が高くなるほど冷媒循環量が多くなり、逆に運転周波数が低くなると冷媒循環量が減少する
室外熱交換器13は、アキュムレータ15を介して圧縮機11の吸入口との間で冷媒を流通させるための第1出入口を有するとともに、膨張機構14との間で冷媒を流通させるための第2出入口を有している。室外熱交換器13は、室外熱交換器13の第2出入口と第1出入口との間に接続された伝熱管(図示せず)を流れる冷媒と室外空気との間で熱交換を行わせる。
膨張機構14は、室外熱交換器13と室内熱交換器16との間に配置されている。膨張機構14は、室外熱交換器13と室内熱交換器16の間を流れる冷媒を膨張させて減圧する機能を有している。膨張機構14は、開度を変更することができるように構成されており、開度を小さくすることにより膨張機構14を通過する冷媒の流路抵抗が増加し、開度を大きくすることにより膨張機構14を通過する冷媒の流路抵抗が減少する。このような膨張機構14は、暖房運転中は、室内熱交換器16から室外熱交換器13に向かって流れる冷媒を膨張させて減圧する。また、冷媒回路10に取り付けられている他の機器の状態が変化しなくても、膨張機構14の開度が変化すると、冷媒回路10を流れる冷媒の流量は変化する。
室内熱交換器16は、膨張機構14との間で液冷媒を流通させるための第2出入口を有するとともに、圧縮機11の吐出口との間でガス冷媒を流通させるための第1出入口を有している。室内熱交換器16は、室内熱交換器16の第2出入口と第1出入口との間に接続された伝熱管16b(図3参照)を流れる冷媒と室内空気との間で熱交換を行わせる。
室外熱交換器13と圧縮機11の吸入口との間には、アキュムレータ15が配置されている。アキュムレータ15では、室外熱交換器13から圧縮機11に流れる冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。そして、アキュムレータ15から圧縮機11の吸入口には主にガス冷媒が供給される。
室外機2は、伝熱管を流れる冷媒と室外空気との熱交換を促進するため、室外熱交換器13を通過する室外空気の気流を発生させる室外ファン21を備えている。この室外ファン21は、回転数を変更できる室外ファンモータ21aによって駆動される。また、室内機3は、伝熱管16bを流れる冷媒と室内空気との熱交換を促進するため、室内熱交換器16を通過する室内空気の気流を発生させる室内ファン31を備えている。この室内ファン31は、回転数を変更できる室内ファンモータ31aによって駆動される。
(1−2)室内機3の構成
図3に示されているように、室内機3は、上述の室内熱交換器16と室内ファン31以外に、ケーシング61と、エアフィルタ62と、複数の垂直フラップ63と水平フラップ64,65とを備えている。
(1−2−1)ケーシング61
ケーシング61は、長手方向(以下においては左右方向ともいう)に細長く延びて複数の開口を持つ箱形状を呈する。ケーシング61の天面部には吸込口71が設けられている。室内ファン31が駆動することによって、この吸込口71近傍の室内空気が、この吸込口71からケーシング61の内部へと取り込まれる。吸込口71から取り込まれた室内空気は、ケーシング61の天面部に設けられているエアフィルタ62を通過し、さらに室内熱交換器16を通過して室内ファン31へと送られる。ケーシング61の底面部には、吹出口72が形成されている。吹出口72は、室内ファン31から続くスクロール流路72bによってケーシング61の内部と繋がっている。吸込口71から吸い込まれ室内空気は、室内熱交換器16にて熱交換された後、スクロール流路72bを通って吹出口72から室内RSへと吹き出される。スクロール流路72bの後ろ側には、流路下面72aが設けられている。流路下面72aの断面形状は、旋回するにつれて室内ファン31の回転中心から遠ざかる曲線を描く。
(1−2−2)風向調整のための構成
吹出口72には、左右方向に長く延びる2枚の水平フラップ64,65が設けられている。これら水平フラップ64,65は、ケーシング61に回動可能に取り付けられている。水平フラップ64,65は、それぞれに対して設けられている水平フラップ駆動用モータ37によってそれぞれ独立して、左右に延びるそれぞれの回転中心の周りで回動することができるように構成されている。これら水平フラップ駆動用モータ37は、室内機3内に設けられている室内制御装置35(図4参照)によって制御される。そして、これら水平フラップ64,65は、単独で又は互いに協力して、吹出口72から吹出される空気の上下方向の風向きを調整する。
吹出口72の奥には、左右方向に対して交差する平面を持つ複数の垂直フラップ63が設けられている。垂直フラップ駆動用モータ38(図4参照)によって、上下方向(左右方向と交差する方向)に延びる回転中心の周りで垂直フラップ63が左右に回動することができるように構成されている。垂直フラップ63を駆動する垂直フラップ駆動用モータ38も、室内制御装置35によって制御される。これら複数の垂直フラップ63は、吹出口72から吹出される空気の風向きを左右に調整する。
(1−2−3)室内熱交換器16
室内熱交換器16は、複数のフィン16aと、複数のフィン16aを貫く複数の伝熱管16bとで構成されている。室内熱交換器16は、室内機3の運転状態に応じて蒸発器または放熱器として機能し、伝熱管16bの中を流れる冷媒と室内熱交換器16を通過する空気との間で熱交換を行わせる。なお、ここではフィン16aと伝熱管16bによって構成されている室内熱交換器16について説明しているが、本発明で用いられる室内熱交換器16は、フィンアンドチューブ式の熱交換器に限られるものではなく、例えば伝熱管16bの代わりに扁平多穴管を使用した熱交換器を用いることもできる。
(1−2−4)室内ファン31
室内ファン31は、図3に示されているように、ケーシング61の内部の略中央部分に位置している。この室内ファン31は、室内機3の長手方向(左右方向)に細長い略円筒形状をしたクロスフローファンである。室内ファン31が回転駆動されることによって、室内空気が吸込口71から吸い込まれてエアフィルタ62を通過した後に、室内熱交換器16を通過することで生成された調和空気が吹出口72から室内RSへと吹出される。室内ファン31は、室内ファンモータ31aの回転数に応じて回転し、回転数が大きくなるほど吹出口72から吹出される調和空気の風量が多くなる。
(1−3)制御系統の構成の概要
図4に示されているように、制御部50は、室外機2内に内蔵されている室外制御装置26と室内機3内に内蔵されている室内制御装置35とを有している。これら室外制御装置26と室内制御装置35とは、相互に信号線で接続され、互いに信号を送受信できるように構成されている。
室外機2の室外制御装置26は、圧縮機11、膨張機構14及び室外ファン21などを制御する。そのために、室外機2は、室外空気の温度を測定するための室外温度センサ22と、室外熱交換器13の特定の場所を流れる冷媒の温度を測定するための室外熱交換器温度センサ23と、圧縮機11から吐出される冷媒の温度を検出するための吐出管温度センサ24と、圧縮機11に吸入されるガス冷媒の温度を検出するための吸入管温度センサ25とを備えている。そして、室外制御装置26は、室外温度センサ22乃至吸入管温度センサ25が測定した温度に関する信号を受信するために、室外温度センサ22乃至吸入管温度センサ25に接続されている。この室外制御装置26は、例えばCPU(図示せず)とメモリ26aを含んでおり、メモリ26aに記憶されているプログラムなどに従って室外機2の制御を行うことができる構成になっている。
室内機3の室内制御装置35は、室内ファン31などを制御する。そのために、室内機3は、室内空気の温度を測定するための室温センサ32と、室内熱交換器16の特定の場所を流れる冷媒の温度を測定するための室内熱交換器温度センサ33とを備えている。そして、室内制御装置35は、室温センサ32及び室内熱交換器温度センサ33が測定した温度に関する信号を受信するために、室温センサ32及び室内熱交換器温度センサ33に接続されている。この室内制御装置35は、例えばCPU(図示せず)とメモリ35aを含んでおり、メモリ35aに記憶されているプログラムなどに従って室内機3の制御を行うことができる構成になっている。
リモートコントローラ5は、図1に示されている液晶表示装置5aとボタン5bとを有している。図4に示されている運転スイッチ51、温度設定スイッチ52、風向設定スイッチ53及び風量設定スイッチ54などに対応するボタン5bを使ってユーザがこれらのスイッチの操作をすることができる。運転スイッチ51は、空気調和機1の運転と停止とを切り換えるためのスイッチであって、運転スイッチ51が操作される毎に運転と停止とが交互に切り換わる。温度設定スイッチ52は、ユーザが望む室温を入力するために用いられるスイッチである。また、風向設定スイッチ53は、風向に関する設定を行うためのスイッチである。風量設定スイッチ54は、風量を入力するために用いられるスイッチである。
制御部50は、温度設定スイッチ52を用いて入力された設定温度Tsに基づいて、目標室温Ttを設定する。暖房運転では、例えば、設定温度Tsに一定値α1を加えて得られる温度(Ts+α1)を目標室温Ttとする。あるいは、所定の関数f1(x)に従って計算された値β1を設定温度Tsに加えて得られる温度(Ts+β1)を目標室温Ttとしてもよい。目標室温Ttよりも室温Trが高くなれば、制御部50は空気調和機1をサーモオフさせる。なお、制御部50は、設定温度Tsから一定値α2を差し引いて得られる温度(Ts−α2)よりも室温Trが低くなれば、制御部50が空気調和機1をサーモオンさせる。あるいは、所定の関数f2(x)に従って計算された値β2を設定温度Tsから差し引いて得られる温度(Ts−β1)よりも室温Trが低くなれば、制御部50が空気調和機1をサーモオンさせるように設定されてもよい。サーモオン状態では圧縮機11が駆動されていて冷媒による熱の移動があるが、サーモオフ状態では圧縮機11が停止していて冷媒による熱の移動が停止されている。
制御部50は、上述のような種々のセンサの測定値とリモートコントローラ5から入力される指令に基づき、空気調和機1を構成する種々の機器を制御する。また、制御部50は、リモートコントローラ5の液晶表示装置5aを用いて、入力された指令の状況及び制御の状況をユーザに報知する。
(2)風向調整
(2−1)手動設定
ユーザは、リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53を使って手動により垂直フラップ63、水平フラップ64,65の位置を調整することができる。室内機3は、左右方向では、例えば「前吹き」、「右吹き」及び「左吹き」と呼ばれる風向を設定できる。例えば、「前吹き」の風向が選択されているとは、垂直フラップ63が前後方向に延びる位置で停止して前方に向かって調和空気が吹出される。「右吹き」の風向が選択されていると、垂直フラップ63が右に傾いている位置で停止して右方向に向かって調和空気が吹出される。「左吹き」の風向が選択されていると、垂直フラップ63が左に傾いている位置で停止して左方向に向かって調和空気が吹出される。また、室内機3は、上下方向では、例えば「天井気流」、「上吹き」、「下吹き」及び「垂直気流」と呼ばれる風向を選択することができるように構成されている。「天井気流」の風向が選択されると、室内機3は、水平フラップ64,65の先端を最も上に向け、天井CEに調和空気が沿って流れるように吹出口72から図3に矢印Ar1で示されている方向に調和空気を吹出す。「上吹き」の風向が選択されると、室内機3は、「天井気流」の風向の場合の水平フラップ64,65の位置よりも先端を少し下げ、図5に矢印Ar2で示されているように、水平方向よりも上に向けた方向に調和空気を吹き出す。「下吹き」の風向が選択されると、室内機3は、水平方向よりも下に調和空気を吹き出す。「垂直気流」の風向が選択されると、室内機3は、図6に示されているように水平フラップ64,65の先端を最も下に向けて壁面WLに沿って調和空気が流れるように調和空気を吹き出す。図7の矢印Ar1で示された気流が、「天井気流」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar2で示された気流が、「上吹き」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar3で示された気流が、「下吹き」の風向選択時に生じる気流の例であり、矢印Ar4で示された気流が、「垂直気流」の風向選択時に生じる気流の例である。なお、ここで上下方向において4つの異なる風向が選択可能な場合について説明しているが、上下方向において選択可能な風向の設定の仕方はこの例に限られるものではない。
(2−2)スイング設定
リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53により、垂直フラップ63がスイングする状態を選択することができる。また、リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53により、水平フラップ64,65がスイングする状態を選択することができる。さらには、垂直フラップ63と水平フラップ64,65がともにスイングする状態を選択することができる。
(2−3)自動設定
リモートコントローラ5の風向設定スイッチ53を使って、制御部50に風向設定を任せる風向自動モードを選択することができる。風向自動モードでは、メモリ35aに記憶されているプログラムに従って制御部50により風向が自動的に設定される。
(3)風量調整
風量調整のモードには、自動設定と手動設定の2種類のモードが存在する。自動設定モードでは、メモリ35aに記憶されているプログラムに従って、制御部50が自動的に風量を設定する。手動設定モードでは、ユーザがリモートコントローラ5の風量設定スイッチ54を使って、例えば、5つの異なる風量を設定することができる。ここでは、風量が小さい方から順に第1風量、第2風量、第3風量、第4風量、そして第5風量と呼ぶ。
(4)暖房運転
空気調和機1の暖房運転のときは、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒は室内熱交換器16に流れ込む。このとき、室内熱交換器16は、放熱器として機能する。そのため、室内熱交換器16の中を流れるに従って、冷媒は、室内空気との熱交換によって室内空気を暖めて自身が放熱して冷やされる。室内熱交換器16で温度を奪われた低温高圧の冷媒は、膨張機構14によって減圧されて低温低圧の冷媒に変化する。膨張機構14を経て室外熱交換器13に流れ込んだ冷媒は、室外空気との熱交換によって暖められる。このとき、室外熱交換器13は、蒸発器として機能している。そして、室外熱交換器13からアキュムレータ15を介して、主に低温のガス冷媒が圧縮機11に吸入される。
(4−1)第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御
(4−1−1)第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御の開始と制限解除と終了
第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御について図8のフローチャートに沿って説明する。例えば、リモートコントローラ5の運転スイッチ51を切り換えるボタン5bが押されて運転が開始されると(ステップS1)、制御部50は、第1開始条件を満たしているか否かについて判断する(ステップS2)。第1開始条件は、第1冷風抑制制御又は第2冷風抑制制御の冷風抑制制御に入るか否かを判断するための条件である。第1開始条件を満たしていなければ、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御のいずれも行わない。そのため、第1開始条件が満たされていないときには、ステップS9に進む。第1条件を満たしているときには、次のステップS3に進み、第2開始条件を満たしているか否かを判断する。第2開始条件は、第1冷風抑制制御を行うか、第2冷風抑制制御を行うかを決めるための条件である。これら第1開始条件及び第2開始条件の内容については後述する。
ステップS3において第2開始条件が満たされていると判断されると、第2冷風抑制制御(ステップS4)に入って風量を制限する。通常は、第2冷風抑制制御に入った後に、第1開始条件及び第2開始条件が変更されることはないので、室内熱交換器16の温度が第2温度になるまでは、ステップS2,S3,S4,S5のループの動作が繰り返され、第2冷風抑制制御を継続する。そして、室内熱交換器16の温度が第2温度に達すると、ステップS5からステップS6に進み、第2冷風抑制制御の風量制限が解除される。風量制限が解除された後は、ステップS9に進み、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御を解除するか否かが判断される。
ステップS3において第2開始条件が満たされていないと判断されると、第1冷風抑制制御(ステップS7)に入って風量を制限する。通常は、第1冷風抑制制御に入った後に、第1開始条件及び第2開始条件が変更されることはないので、室内熱交換器16の温度が第1温度になるまでは、ステップS2,S3,S7,S8のループの動作が繰り返される。そして、室内熱交換器16の温度が第1温度に達すると、ステップS8からステップS6に進み、第1冷風抑制制御の風量制限が解除される。風量制限が解除された後は、ステップS9に進み、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御を解除するか否かが判断される。
ステップS9においては、制御部50により、室温センサ32の測定する室温Trが設定温度Ts付近の閾値温度Thを越えたか否かが判断される。閾値温度Thの設定は、設計事項であるが、例えば閾値温度Thを設定温度Tsよりもγ度だけ低い値に設定される。この場合、制御部50は、Tr>(Ts−γ)を満たせば、冷風抑制制御を解除して(ステップS10)、冷風抑制制御のルーチンを終了する。
通常は暖房運転が開始してそのまま暖房運転が継続されている場合には、室内熱交換器16の温度は徐々に上がる。しかし、暖房運転開始後に目標室温Ttに達する前に室内熱交換器16の温度が下がることもあり得る。この空気調和機1においては、第1冷風抑制制御において室内熱交換器16の温度が、第1温度以上に上がった後に、再び第1温度よりも下がったときには、一旦風量制限が解除された後であっても再び風量制限が掛かるように構成されている。同様に、第2冷風抑制制御において室内熱交換器16の温度が、第2温度以上に上がった後に、再び第2温度よりも下がったときには、一旦風量制限が解除された後であっても再び風量制限が掛かるように構成されている。
ところで、上述の制御においては、第2温度が第1温度よりも低く設定されている。従って、第2冷風抑制制御において風量制限が解除される時の室内熱交換器16の温度は、第1冷風抑制制御において風量制限が解除される時の室内熱交換器16の温度よりも低くなっている。つまり、第2冷風抑制制御は、第1冷風抑制制御と比べて冷風感を抑制する効果よりも室温Trを上昇させる機能を優先している制御ということになる。その一方で、冷風感の抑制を確保するために、第2冷風抑制制御が行われる場合を、冷風感の抑制が容易になる、第2開始条件を満たす状態に限っている。
(4−1−2)第1開始条件
第1開始条件は、運転中であることを条件として含んでいる。例えば、運転中であることがAND条件であり、運転中でなければ、他の条件を満たしていても第1開始条件は満たされない。第1開始条件は、圧縮機11が駆動されていることを条件として含んでもよい。例えば、圧縮機11が駆動されていることをさらにAND条件として含んでいれば、運転中であり、且つ圧縮機11が駆動されているときしか、冷風抑制制御が開始されることはない。また、第1開始条件は、予約された暖房運転でないことを条件として含んでもよい。例えば、予約された暖房運転でないことをさらにAND条件として含んでいれば、運転中であり、圧縮機11が駆動され、予約された暖房運転でないときしか、冷風抑制制御が開始されることはない。また、第1開始条件は、天井付近に暖気が集まっている暖気溜まりを取るための強制的な「天井気流」の選択ではないことを条件として含んでもよい。このような条件を含めることで、天井に沿う強い気流を発生させたいときに、風量が制限されるのを防止することができる。
(4−1−3)第2開始条件
第2開始条件は、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることを条件として含んでいる。例えば、図5に示されている風向が「上吹き」のときの水平フラップ64,65は、水平面に対する所定の角度An1よりも上を向いている。従って、所定の角度An1よりも上を向いていることを第2開始条件として含んでいれば、風向が「天井気流」及び「上吹き」の状態にあるときの水平フラップ64,65がこの条件を満たすことになる。
第2開始条件としての、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることという条件は、水平フラップ64,65の角度が調和空気を水平方向あるいは水平方向よりも上に吹き出される角度になっていることという条件にしてもよい。この場合には、「天井気流」の状態にあるときの水平フラップ64,65の角度が条件を満たすことになる。また、本実施形態の「上吹き」の状態においては、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹き出されているので、「上吹き」の状態のときの水平フラップ64,65の角度もこの条件を満たすことになる。
あるいは、第2開始条件としての、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いていることという条件は、水平フラップ64,65の角度が、吹き出された調和空気が天井に沿う角度を水平方向あるいは水平方向よりも上に吹き出される角度になっていることという条件にしてもよい。この場合には、「天井気流」の状態にあるときの水平フラップ64,65の角度が条件を満たすことになる。
また、第2開始条件は、フラップがスイングをしていないという条件を含んでもよい。例えば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしていないことをさらにAND条件として含んでいれば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしておらず、且つ水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向いているときしか、第2冷風抑制制御が開始されることはない。なお、フラップが複数ある場合には、特定の一部のフラップがスイングをしていないとき、例えば水平フラップ64,65のみがスイングしていないという条件を設定することができる。また、ラップが複数ある場合には、全てのフラップがスイングしていないという条件を設定することができる。
また、第2開始条件は、目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいという条件を含んでもよい。例えば、目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいことをさらにAND条件として含んでいれば、水平フラップ64,65と垂直フラップ63がスイングしておらず、水平フラップ64,65が所定の角度よりも上を向き、且つ目標室温Ttと室温Trとの差が閾値より大きいときにしか、第2冷風抑制制御が開始されることはない。
(4−1−4)風量の制限及び解除
風量の制限の仕方としては、例えば、リモートコントローラ5の風量設定スイッチ54でユーザが設定できる最も小さい第1風量に制限する方法がある。それ以外に、例えば、第1風量よりも小さい第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御における専用の風量を設けてもよい。この場合、第1冷風抑制制御及び第2冷風抑制制御において風量制限が掛かっているときには、第1風量よりも小さい専用の風量に制限される。
風量の解除の仕方として最も簡単な方法は、第1冷風抑制制御も第2冷風抑制制御もそれぞれ第1温度と第2温度になったときに、第1風量から第5風量までの全ての風量を選択できるように一切の風量の制限を解除する方法である。それ以外にも次のような風量制限の解除の仕方がある。例えば、第1温度を複数設定し、第1a温度、第1b温度、第1c温度及び第1d温度が第1温度に含まれるものとし、第1a温度<第1b温度<第1c温度<第1d温度とする。そして、第1a温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量と第2風量を選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限を解除する。また、第1b温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量と第2風量と第3風量を選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限をさらに解除する。また、第1c温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量から第4風量までを選択できるように第1冷風抑制制御の一部の風量制限をさらに解除する。最後に、第1d温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、全ての風量制限をさらに解除する。このように、段階的に風量制限を解除するように構成してもよい。
第2冷風抑制制御についても、段階的に解除するように構成してもよい。例えば、第2温度を複数設定し、第2a温度及び第2b温度が第2温度に含まれるものとし、第2a温度<第2b温度<第1a温度<第1b温度<第1c温度<第1d温度とする。そして、第2a温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、第1風量から第3風量を選択できるように第2冷風抑制制御の一部の風量制限を解除する。さらに、第2b温度よりも室内熱交換器16の温度が高くなったときに、全ての第2冷風抑制制御の風量制限をさらに解除する。
なお、風量制限の解除には、ユーザが選択可能な風量、ここでは第1風量から第5風量の全てを一度に選択可能にする解除及び、段階的に選択可能な風量を増やしていって最後に全て選択可能にするような完全な解除だけでなく、一部のみしか選択可能にしないような部分的な解除も含まれる。なお、部分的な解除には、一度に一部のみを選択可能にして終了する解除だけでなく、段階的に選択可能な風量を増やして行くがしかし最後まで選択できない風量を残すような解除の仕方も含まれる。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態の空気調和機1では、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量を制限する第1冷風抑制制御と、第1温度よりも低い第2温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有している。そして、制御部50は、冷風感の抑制を優先したい状況では第1冷風抑制制御を用い、室温上昇の促進を優先したい状況では第2冷風抑制制御を用いることができるように構成されている。そのため、第1冷風抑制制御を用いることで冷風感の抑制を図ることを優先することができ、第2冷風抑制制御を用いることで室温上昇の促進を図ることを優先することができる。その結果、従来に比べて、本実施形態の空気調和機1では、冷風感の抑制と室温上昇の促進の効果が向上している。
上記実施形態では、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量を制限する第1冷風抑制制御の例として、第1温度で風量の制限が解除される場合について説明した。しかし、第1冷風抑制制御は、室内熱交換器16が第1温度になるまで室内ファン31の風量が制限される制御であればよく、第1温度で風量の制限が解除される制御に限られるものではない。
(5−2)
第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御とが、第2開始条件という選択条件に応じて選択されることから、冷風感の抑制を優先したい状況で第1冷風抑制制御が選択され、室温上昇の促進を優先したい状況で第2冷風抑制制御が選択されるように選択条件を予め設定することができている。例えば、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態でないときには第1冷風抑制制御が選択され、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態で且つ他の第2開始条件を満たしているときには第2冷風抑制制御が選択される。水平フラップ64,65が「天井気流」の風向が選択された状態であって、十分に冷風感の抑制ができるときには比較的冷たい調和空気が吹き出す第2冷風抑制制御によって風量制限を低い温度で解除し、水平フラップ64,65が「天井気流」の風向に対応しない状態であって、十分な冷風感の抑制がし難いときには第1冷風抑制制御によって風量制限を高い温度で解除するという選択ができている。その結果、冷風感の抑制と室温上昇の促進を容易に実現することができている。
(5−3)
選択条件である第2開始条件が、目標室温Ttと室温Trとの温度差(Tt−Tr)が閾値より大きいという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む場合には、温度差が小さくて能力要求が小さい時には第2冷風抑制制御が行われないような構成となる。温度差(Tt−Tr)が小さいときには、ユーザは、速く室温Trを上げたいという欲求が小さくなる。このように、既に室内RSが暖かくて早急に暖める必要性の小さいときに第2冷風抑制制御を行わないことによって、冷風感の抑制の効果を向上させることに重点を置くことができ、ユーザの快適性を向上させることができている。
(5−4)
例えば水平フラップ64,65がスイングをしていないという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための選択条件である第2開始条件として含む場合には、水平フラップ64,65がスイングして広範囲に吹出しているときには第2冷風抑制制御が行われない。このような制御によって、室内RSにユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができる。もしも第2冷風抑制制御を選択するために水平フラップ64,65のスイングを止めるという制御を行うと、故障したとユーザが誤解する可能性が高くなる。スイングをしていないことを条件とすることでスイングをとめないような制御をすることで、そのような誤解を招かないようにすることができる。なお、水平フラップ64,65だけでなく、垂直フラップ63がスイングをしないという条件を第2開始条件に含めてもよい。また、水平フラップは、2枚の水平フラップ64,65に限られるものではなく、1枚でもよく、また3枚以上であってもよい。
(5−5)
選択条件である第2開始条件が、水平フラップ64,65が所定の角度An1よりも上に向いているという条件を、第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む場合には、所定の角度An1以下の時には第2冷風抑制制御が行われない。そこで、所定の角度An1を室内RSに居るユーザに調和空気が当たらないように設定しておくことで、室内RSにユーザが居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに比較的冷たい調和空気が直接当たるのを抑制することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(5−6)
水平フラップ64,65の所定の角度が水平方向または水平方向よりも上に調和空気が吹出される角度であるという条件を、選択条件である第2開始条件として含む場合には、第2冷風抑制制御が行われるときに、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出される。その結果、例えば室内機3が高い位置にあれば室内に居るユーザが立ち上がっているときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たらないように設定することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(5−7)
選択条件である第2開始条件が、水平フラップ64,65の所定の角度が、吹出された調和空気が天井に沿う角度であるという条件を含む場合には、第2冷風抑制制御が行われるときには、吹出された調和空気が天井に沿う。その結果、立ち上がったユーザが室内に居るときに第2冷風抑制制御が行われたとしてもユーザに調和空気が直接当たるのを抑制することができ、冷風感の抑制機能を向上させることができる。
(6)変形例
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御の2種類の冷風抑制制御を有する場合について説明したが、さらに他の冷風抑制制御を有していてもよい。例えば、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有していてもよい。室内熱交換器の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有するので、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。
空気調和機1の制御において、例えば、図9に示されているように、図8に示したフローの一部を変更して、第3冷風抑制制御を追加してもよい。図8のフローのステップS3とステップS4の間において、第3開始条件を満たしているか否かを判断する(ステップS11)。そして、第3開始条件を満たしていれば、第3冷風抑制制御に入る(ステップS12)。もし、第3開始条件を満たしていなければ、ステップS4に進み、第2冷風抑制制御に入って、既に説明したようにステップS2からステップS5までのルーチンを繰り返す。
第3冷風抑制制御が開始されると、次に室内熱交換器16が第3温度になったか否かが判断される(ステップS13)。室内熱交換器16が第3温度になったら、ステップS14に進み、風量制限が解除される。ステップS14の動作が終わると次にステップS9に進む。また、室内熱交換器16の温度第3温度に到達していなければステップS2に進む。ステップS9又はステップS2に進んだ後の動作については、既に説明した図8に示されたフローの動作と同じになるので説明を省略する。
第2開始条件に、例えば風向が「天井気流」又は「上吹き」になっているという条件が含まれ、第3開始条件に、例えば風向が「天井気流」になっているという条件が含まれるように制御部50の制御がプログラムされているものとする。つまり、第3冷風抑制制御は、第2冷風抑制制御よりも室温上昇の促進に重点が置かれた制御である。そのため、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度に達した時点で、例えば第1風量乃至第5風量を選択できるように風量制限を解除する(ステップS14)。
このように、室内熱交換器16の温度が第2温度よりも低い第3温度になったときに室内ファン31の風量の制限を解除する第3冷風抑制制御を空気調和機1がさらに有すると、第2冷風抑制制御よりもさらに室温上昇の促進を優先したい状況では第3冷風抑制制御を用いて早急に室温の上昇を図ることができる。第3冷風抑制制御を設けて室温上昇を促進する機能を向上させる一方で、第3冷風抑制制御に入る条件を第2冷風抑制制御に入る条件よりも冷風感の抑制が容易な場合に限ることで、冷風感の抑制と室温上昇の促進の両立を図ることができている。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、空気調和機1が暖房専用に構成されていたが、空気調和機1は、図10及び図11に示されているように、例えば四路切換弁12が追加されて、暖房と冷房とが切り換えられるように構成されてもよい。図10のように構成された空気調和機1では、圧縮機11は、内部で圧縮した冷媒を吐出口から四路切換弁12の第1ポートに対して吐出する。四路切換弁12は、第1ポート以外に、室外熱交換器13に接続された第2ポートと、アキュムレータ15に接続された第3ポートと、室内熱交換器16に接続された第4ポートとを有する。四路切換弁12は、空気調和機1が暖房運転をするときに、第1ポートと第4ポートとの間で冷媒を流通させると同時に第2ポートと第3ポートの間で冷媒を流通させる(破線で示された状態になる)。また、空気調和機1が冷房運転をするとき及び逆サイクルデフロスト運転をするとき、四路切換弁12は、第1ポートと第2ポートの間で冷媒を流通させると同時に第3ポートと第4ポートの間で冷媒を流通させる(実線で示された状態になる)。
このように、暖房運転と冷房運転とが選択できる場合には、図8に示されているフローの第1開始条件に、暖房運転が選択されていることという条件が例えばAND条件として含まれていればよい。室外制御装置26が四路切換弁12を制御するので、制御部50は、室外制御装置26から暖房運転と冷房運転のいずれが現在行われているのかを示す情報を得ることができる。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、第1冷風抑制制御が行われているとき又は第2冷風抑制制御が行われているときに、状況が変化して第1開始条件又は第2開始条件に関する判断が変わると、冷風抑制制御の変更を許容するように構成されている。しかし、第1冷風抑制制御と第2冷風抑制制御の選択の仕方は、上記実施形態の遣り方に限られるものではない。例えば、図12に示されているようにフローの一部を変更してもよい。図12に示されているフローでは、ステップS5,S8での判断が「No」のときにステップS4,S7に戻るように構成されており、一旦第1冷風抑制制御又は第2冷風抑制制御の制御に入ったときには、室内熱交換器16の温度が第1温度に達するまで又は第2温度に達するまではそれぞれの制御を続ける。
1 空気調和機
2 室外機
3 室内機
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 四路切換弁
13 室外熱交換器
14 膨張機構
16 室内熱交換器
21 室外ファン
31 室内ファン
32 室内温度センサ
33 室内熱交換器温度センサ
63 垂直フラップ
64,65 水平フラップ
特開平9-303844号公報

Claims (8)

  1. 蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて冷媒と室内空気との熱交換を行う室内熱交換器(16)と、
    前記室内熱交換器で熱交換された調和空気を室内に吹出させるときの風量を変更可能に構成されている室内ファン(31)と
    を備え、
    暖房開始時に、前記室内熱交換器の温度が第1温度になるまで前記室内ファンの風量を制限する第1冷風抑制制御と、前記第1温度よりも低い第2温度になったときに前記室内ファンの風量の制限を解除する第2冷風抑制制御とを有する、空気調和機。
  2. 前記第1冷風抑制制御と前記第2冷風抑制制御とを予め設定されている選択条件に応じて選択する、
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記選択条件は、目標室温と室温との差が閾値より大きいという条件を、前記第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、
    請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記室内ファンから吹出される調和空気の吹き出し方向をスイングすることができるように構成されたフラップ(63,64,65)をさらに備え、
    前記選択条件は、前記フラップがスイングをしていないという条件を、前記第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、
    請求項2又は請求項3に記載の空気調和機。
  5. 前記室内ファンから吹出される調和空気の上下方向の吹き出しを変更することができるように構成された水平フラップ(64,65)をさらに備え、
    前記選択条件は、前記水平フラップが所定の角度よりも上に向いているという条件を、前記第2冷風抑制制御を選択するための条件として含む、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の空気調和機。
  6. 前記選択条件は、前記水平フラップの所定の角度が、調和空気が水平方向または水平方向よりも上に吹出される角度である、
    請求項5に記載の空気調和機。
  7. 前記選択条件は、前記水平フラップの所定の角度が、吹出された調和空気が天井に沿う角度である、
    請求項5に記載の空気調和機。
  8. 前記室内熱交換器の温度が前記第2温度よりも低い第3温度になったときに前記室内ファンの風量の制限を解除する第3冷風抑制制御をさらに有する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和機。
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