JP2018123060A - ウラシル化合物結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的規模で実施しうる操作により、純度の高いウラシル化合物結晶を得る製造方法を提供すること。【解決手段】式(1)で示されるウラシル化合物を含有する組成物を、C3−C6アルコール溶媒及び芳香族溶媒からなる有機溶媒に溶解し、溶液中より該ウラシル化合物の結晶を析出させる。【選択図】なし

Description

本発明は除草剤の有効成分であるウラシル化合物を含有する結晶の製造方法に関する。
下記の式(1)で示されるウラシル化合物(以下、本ウラシル化合物と記す)が除草剤の有効成分として知られている(特許文献1;化合物7−8)。また、本ウラシル化合物が多段階の反応工程を経由して製造されることが記載されている(特許文献1乃至5等)。
特開2002−155061号公報 特開2003−48885号公報 特開2003−286284号公報 特開2003−286285号公報 特開2003−321468号公報
多段階の反応工程を経て工業的な規模で農薬活性成分等の有機化合物を製造する場合、最終化合物を高純度にて取得する精製方法の確立が重要である。
本発明は工業的規模で実施しうる操作により、純度の高い本ウラシル化合物結晶を得る製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、式(1)
Figure 2018123060
で示される本ウラシル化合物を高純度にて取得する方法について鋭意検討した結果、本ウラシル化合物を含有する組成物(以下、粗ウラシル組成物と記す)を特定の有機溶媒を含む溶剤に溶解した後、結晶析出させることによって、本ウラシル化合物結晶が高純度で得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の本ウラシル化合物の製造方法は、即ち
(1)粗ウラシル組成物を、C3−C6アルコール溶媒及び芳香族溶媒からなる有機溶媒に溶解し、溶液中より本ウラシル化合物の結晶を析出させることを特徴とする本ウラシル化合物結晶の製造方法。
(2)本ウラシル化合物の結晶を析出させる手段が、粗ウラシル組成物の溶液を冷却することによる(1)の製造方法。
(3)C3−C6アルコール溶媒が1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールおよび2−メチル−2−ブタノールからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物であり、
芳香族溶媒がトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物である(1)又は(2)記載の本ウラシル化合物結晶の製造方法。
(4)C3−C6アルコール溶媒と芳香族溶媒との重量比が50:50〜98:2である(1)、(2)又は(3)記載の本ウラシル化合物結晶の製造方法。
本発明により、多段階の反応工程を経て製造される本ウラシル化合物において、最終化合物である本ウラシル化合物結晶が高純度で取得できる。
本発明の製造方法により得られた、本ウラシル化合物結晶の粉末X線回折を示す図である。
本発明において使用する2種類の有機溶媒の中、一方はC3−C6アルコール溶媒(以下、A溶媒と記す)であり、他方は芳香族溶媒(以下、B溶媒と記す)である。
A溶媒は式ROH(RはC3〜C6の炭化水素基)で表される溶媒であり、具体的には1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、1−ブタノール、2−ブタノール(sec−ブチルアルコール)、2−メチル−1−プロパノール(イソブチルアルコール)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブチルアルコール)、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)、2−メチル−2−ブタノール(tert−アミルアルコール)、1−ヘキサノールおよびシクロヘキサノールのアルコール溶媒が挙げられる。
B溶媒はC1〜C3の脂肪族炭化水素基又は塩素原子が置換されていてもよいベンゼンである溶媒であり、具体的にはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,4−トリメチルベンゼン(シュードクメン)、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンおよびp−ジクロロベンゼンの芳香族溶媒が挙げられる。
本発明の方法にて用いられる本ウラシル化合物は例えば以下に記載の式(2)乃至式(5)にて製造される化合物である。
Figure 2018123060
Figure 2018123060
Figure 2018123060
Figure 2018123060
式(2)乃至式(5)において、式(A1)で示される化合物(以下、化合物(A1)と記す)及び式(A11)で示される化合物(以下、化合物(A11)と記す)は、特開2002−363170や国際公開WO2007/083090等に記載された化合物であり、当該文献に記載された方法にて製造することができる。
粗ウラシル組成物は、本ウラシル化合物を60〜97重量%含有し、且つ式(2)乃至式(5)における製造中間体や該製造中間体等に由来する誘導体等の化合物(以下、本混入化合物と記す。)やタール成分を含有する。
本混入化合物としては、式(2)乃至式(5)における化合物(A1)、式(A3)で示される化合物(以下、化合物(A3)と記す)、式(A4)で示される化合物(以下、化合物(A4)と記す)、式(A5)で示される化合物(以下、化合物(A5)と記す)、式(A8)で示される化合物(以下、化合物(A8)と記す)、式(A9)で示される化合物(以下、化合物(A9)と記す)、式(A10)で示される化合物(以下、化合物(A10)と記す)、化合物(A11)等の室温で固体である製造中間体や、当該製造中間体に由来する誘導体等が具体例として想定される。
本発明において、粗ウラシル組成物と有機溶剤(A溶媒およびB溶媒)との比率は、粗ウラシル組成物中の本ウラシル化合物の純分を基準とする。本発明の製造方法において、本ウラシル化合物結晶の析出時の溶媒(合計)の量は、本ウラシル化合物の純分1重量部に対して、2〜20重量部である。
本発明において、粗ウラシル組成物の溶液から本ウラシル化合物結晶を析出させる手段としては、該溶液を冷却することによる冷却晶析または本ウラシル化合物の溶解度が低い溶媒を徐々に添加することによる貧溶媒添加晶析を用いることができる。いずれの手法においても、本ウラシル化合物結晶が析出する温度は−10〜80℃、好ましくは−10〜50℃の範囲である。
A溶媒およびB溶媒は、それぞれの群から選ばれる1種類の溶媒であっても、それぞれの群から選ばれる複数の溶媒の混合であってもよい。粗ウラシル組成物を有機溶媒に溶解する際は、A溶媒とB溶媒との混合物に粗ウラシル組成物を添加してもよく、粗ウラシル組成物をA溶媒に溶解させた後にB溶媒を添加してもよい。
A溶媒とB溶媒との比率は、本ウラシル化合物が析出する時点において、重量比でA溶媒:B溶媒=10:90〜99:1であり、好ましくは50:50〜98:2である。
溶媒中から析出した本ウラシル化合物は、常法により濾過・洗浄し、ウェットケーキとして、母液から分離する。該ウェットケーキを乾燥する場合は、窒素やヘリウムなどの不活性ガスを用いた通気乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、或いはそれらを組み合わせた乾燥など一般的な方法を用いて行うことができる。
本発明において、以下の態様が好ましい態様として挙げられる。
A溶媒としては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールおよび2−メチル−2−ブタノールからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物が好ましい。
B溶媒としては、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物が好ましい。
A溶媒が2−プロパノールである場合、A溶媒とB溶媒との比率は、重量比で2−プロパノール:B溶媒=80:20〜98:2の範囲が好ましい。
A溶媒とB溶媒との合計量は粗ウラシル組成物における本ウラシル化合物の含量によって好ましい範囲は異なるが、通常は粗ウラシル組成物中の本ウラシル化合物の純分1重量部に対して、3〜8重量部が好ましい。
本発明において、粗ウラシル組成物の製造方法は限定されないが、具体的には上記の式(2)に記載した方法にて製造した粗ウラシル組成物が挙げられる。
本発明には、以下の本ウラシル化合物結晶の製造方法も含む。
化合物(A1)
Figure 2018123060
とトリフルオロアセト酢酸アルキルとを反応させる工程(工程1);
工程1にて得られた化合物(A3)
Figure 2018123060
を含む粗生成物とシアン酸塩とをプロトン酸の存在下に反応させる工程(工程2);
工程2にて得られた化合物(A4)
Figure 2018123060
を含む粗生成物とメチル化剤とを塩基の存在下に反応させる工程(工程3);並びに
工程3にて得られた本ウラシル化合物を含む粗生成物をC3−C6アルコール溶媒及び芳香族溶媒からなる有機溶媒に溶解し、本ウラシル化合物の結晶を析出させる工程(工程4)
からなる本ウラシル化合物結晶の製造方法。
工程1におけるトリフルオロアセト酢酸アルキルとしては、トリフルオロアセト酢酸エチルおよびトリフルオロアセト酢酸メチルが挙げられる。
工程2におけるシアン酸塩としては、シアン酸カリウムおよびシアン酸ナトリウムが挙げられる。プロトン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩酸および硫酸が挙げられる。
工程3におけるメチル化剤としては、ヨウ化メチル、臭化メチルおよび硫酸ジメチルが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の製造方法により得られた本ウラシル化合物結晶の粉末X線回折の測定結果を図1として示す。本ウラシル化合物結晶はCu−Kα線による粉末X線回折において、表1に示される回折ピークを有する。
Figure 2018123060
即ち、本ウラシル化合物結晶はCu−Kα線による粉末X線回折において、2θ=7.4±0.2°、13.8±0.2°、17.7±0.2°、18.5±0.2°、18.7±0.2°、19.4±0.2°、21.8±0.2°、22.2±0.2°、22.5±0.2°、24.0±0.2°、24.9±0.2°、26.2±0.2°および32.6±0.2°に回折ピークを有する結晶である。
粉末X線回折の条件は以下のとおりである。
(測定条件)
粉末X線回折装置:SmartLab(株式会社リガク製)
X線出力:CuKα、45kV、200mA
サンプリング幅:0.02°
走査範囲:5°〜50°
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例において、特に記載の無い場合の含量は、高速液体クロマトグラフィーを用いた絶対検量線法により行った。
参考製造例1
Figure 2018123060
式(2)の製造ルートにて、粗ウラシル組成物を調製した。尚、第一工程および第二工程にてもシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精製操作を行わず、各工程で得られた粗生成物を次工程の原料として使用した。
実施例1
フラスコ内に、参考製造例1で得た本ウラシル化合物を含有する組成物126.6重量部(本ウラシル化合物の含量:79.0%。本ウラシル化合物の純分として100重量部)、2−プロパノール(関東化学株式会社製)316.5重量部、及びキシレン(住友商事ケミカル株式会社製;o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンおよびエチルベンゼンの混合物)64.6重量部を加え、窒素雰囲気下にて70℃まで加熱した。不溶物が無いことを確認した後、該混合物を撹拌しながら徐々に冷却し、35℃にて結晶析出が開始したことを確認した。更に0℃まで冷却した後、生じた結晶を濾過により分離した。該結晶を、氷冷した2−プロパノール(同上)とキシレン(同上)との5:1(重量比)混合溶媒253.2重量部にて洗浄した。洗浄後の結晶を減圧条件下にて乾燥し、本ウラシル化合物結晶74.7重量部を得た。
得られた本ウラシル化合物結晶における本ウラシル化合物の含量は96.4%であった。
以下に、晶析前の組成物および得られた結晶の高速液体クロマトグラフィーにての分析結果を示す。
得られた結晶は本ウラシル化合物の純度が高く、化合物(A1)や化合物(A3)の含有量が低減化されたことが確認できた。
Figure 2018123060
※液体クロマトグラフィーの測定条件
装置 島津 LC-20A, HPLC、
カラム SUMIPAX ODS Z-CLUE (3μm 4.6mmΦ×100mm)、
移動相 A液:0.1%リン酸水溶液、 B液:アセトニトリル、
B液の割合:10%(0min)−[30min]→90%(5min)→10%(15min)、
流量 1mL/min、温度 40℃、検出波長 274nm
下記のような本ウラシル化合物又は製造中間体の類縁化合物を粗ウラシル組成物に添加し、本発明の製造方法に付すことにより、本発明の製造方法が化合物(A1)や化合物(A3)以外の化合物に対しても優れた精製効果を有することを確認できる。
実施例2
下記の参考製造例2〜7で調製した化合物を各々0.1〜1%含有する粗ウラシル組成物(本ウラシル化合物の純分として100重量部)、2−プロパノール300重量部、及びキシレン65重量部の混合物を70℃まで加熱する。該混合物を徐々に冷却して、50℃以下の温度にて結晶析出を開始させる。更に0℃まで冷却した後、生じた結晶を濾過により分離する。2−プロパノールとキシレンとの5:1(重量比)混合溶媒にて洗浄する。洗浄後の結晶を減圧条件下にて乾燥し、本ウラシル化合物結晶を得る。
得られた結晶について分析を行い、本ウラシル化合物の純度が高く、本ウラシル化合物以外の化合物の量が低減化されていることが確認できる。
実施例2に記載の粗ウラシル化合物に添加する化合物の製造方法を以下に記載する。
参考製造例2
Figure 2018123060
化合物(A11)(1.0mmol)とトリフルオロアセト酢酸エチル(1.0mmol)をトルエン10mlに溶解し、該混合物を加熱還流条件下で3時間撹拌する。還流液はモレキュラーシーブス5Aを詰めたカラムを通してエタノールを吸着させる。反応溶液を冷却した後、式(A12)で示される化合物(以下、化合物(A12)と記す)を得る。
化合物(A12)(0.8mmol)と酢酸3mlとの混合物に、シアン酸カリウム(0.8mmol)を加え、50℃で1時間、更に110℃で2時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、酢酸エチルにて抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(A13)で示される化合物(以下、化合物(A13)と記す)を得る。
化合物(A13)(0.5mmol)と炭酸カリウム(0.7mmol)とアセトニトリル5mlとの混合物に、硫酸ジメチル(0.7mmol)を室温にて加え、50℃にて1時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、トルエンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(B1)で示される化合物(以下、化合物(B1)と記す)を得る。
参考製造例3
Figure 2018123060
式(A21)で示される化合物(以下、化合物(A21)と記す)(1.0mmol)とトリフルオロアセト酢酸エチル(1.0mmol)をトルエン10mlに溶解し、該混合物を加熱還流条件下で3時間撹拌する。還流液はモレキュラーシーブス5Aを詰めたカラムを通してエタノールを吸着させる。反応溶液を冷却した後、式(A22)で示される化合物(以下、化合物(A22)と記す)を得る。
化合物(A22)(0.8mmol)と酢酸3mlとの混合物に、シアン酸カリウム(0.8mmol)を加え、50℃で1時間、更に110℃で2時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、酢酸エチルにて抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(A23)で示される化合物(以下、化合物(A23)と記す)を得る。
化合物(A23)(0.5mmol)と炭酸カリウム(0.7mmol)とアセトニトリル5mlとの混合物に、硫酸ジメチル(0.7mmol)を室温にて加え、50℃にて1時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、トルエンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(B2)で示される化合物(以下、化合物(B2)と記す)を得る。
参考製造例4
Figure 2018123060
式(A31)で示される化合物(以下、化合物(A31)と記す)(1.0mmol)とトリフルオロアセト酢酸エチル(1.0mmol)をトルエン10mlに溶解し、該混合物を加熱還流条件下で3時間撹拌する。還流液はモレキュラーシーブス5Aを詰めたカラムを通してエタノールを吸着させる。反応溶液を冷却した後、式(A32)で示される化合物(以下、化合物(A32)と記す)を得る。
化合物(A32)(0.8mmol)と酢酸3mlとの混合物に、シアン酸カリウム(0.8mmol)を加え、50℃で1時間、更に110℃で2時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、酢酸エチルにて抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(A33)で示される化合物(以下、化合物(A33)と記す)を得る。
化合物(A33)(0.5mmol)と炭酸カリウム(0.7mmol)とアセトニトリル5mlとの混合物に、硫酸ジメチル(0.7mmol)を室温にて加え、50℃にて1時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、トルエンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(B3)で示される化合物(以下、化合物(B3)と記す)を得る。
参考製造例5
Figure 2018123060
式(A41)で示される化合物(以下、化合物(A41)と記す)(1.0mmol)とトリフルオロアセト酢酸エチル(1.0mmol)をトルエン10mlに溶解し、該混合物を加熱還流条件下で3時間撹拌する。還流液はモレキュラーシーブス5Aを詰めたカラムを通してエタノールを吸着させる。反応溶液を冷却した後、式(A42)で示される化合物(以下、化合物(A42)と記す)を得る。
化合物(A42)(0.8mmol)と酢酸3mlとの混合物に、シアン酸カリウム(0.8mmol)を加え、50℃で1時間、更に110℃で2時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、酢酸エチルにて抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(A43)で示される化合物(以下、化合物(A43)と記す)を得る。
化合物(A43)(0.5mmol)と炭酸カリウム(0.7mmol)とアセトニトリル5mlとの混合物に、硫酸ジメチル(0.7mmol)を室温にて加え、50℃にて1時間撹拌する。反応混合物を冷却した後、水に注加し、トルエンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(B4)で示される化合物(以下、化合物(B4)と記す)を得る。
参考製造例6
Figure 2018123060
化合物(A4)(1.0mmol)をトルエン5mlに溶解し、室温でジアゾメタン(1.0mmol)のトルエン溶液1mlを滴下した。その後、反応液を水に注加し、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、式(B9)で示される化合物(以下、化合物(B9)と記す)を得た。
LC/MS(ESI−MS(posi)):518[M+H]+
参考製造例7
Figure 2018123060
化合物(A1)(1.0mmol)とトリエチルアミン(1.5mmol)とをテトラヒドロフラン8mlに溶解し、塩化アセチル(1.5mmol)を室温にて加えた。該混合物を40℃で撹拌した後、反応溶液を水に注加した。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、式(B10)で示される化合物(以下、化合物(B10)と記す)を得た。
LC/MS(ESI−MS(posi)):383[M+H]+
本発明の製造方法により、高純度の本ウラシル化合物結晶が取得できる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018123060
    で示されるウラシル化合物を含有する組成物を、C3−C6アルコール溶媒及び芳香族溶媒からなる有機溶媒に溶解し、溶液中より該ウラシル化合物の結晶を析出させることを特徴とするウラシル化合物結晶の製造方法。
  2. ウラシル化合物の結晶を析出させる手段が、粗組成物の溶液を冷却することによる請求項1記載のウラシル化合物結晶の製造方法。
  3. C3−C6アルコール溶媒が1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールおよび2−メチル−2−ブタノールからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物であり、
    芳香族溶媒がトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンおよびクロロベンゼンからなる群から選ばれる1種又は複数種の混合物である請求項1又は2記載のウラシル化合物結晶の製造方法。
  4. C3−C6アルコール溶媒と芳香族溶媒との重量比が50:50〜98:2である請求項1乃至3のいずれか記載のウラシル化合物結晶の製造方法。
  5. 式(A1)
    Figure 2018123060
    で示される化合物とトリフルオロアセト酢酸アルキルとを反応させる工程(工程1);
    工程1にて得られた式(A3)
    Figure 2018123060
    で示される化合物を含む粗生成物とシアン酸塩とをプロトン酸の存在下に反応させる工程(工程2);
    工程2にて得られた式(A4)
    Figure 2018123060
    で示される化合物を含む粗生成物とメチル化剤とを塩基の存在下に反応させる工程(工程3);並びに
    工程3にて得られた式(1)
    Figure 2018123060
    で示されるウラシル化合物を含む粗生成物をC3−C6アルコール溶媒及び芳香族溶媒からなる有機溶媒に溶解し、溶液中より該ウラシル化合物の結晶を析出させる工程(工程4)
    からなる本ウラシル化合物結晶の製造方法。
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