JP2018122384A - 光学シートの切断方法 - Google Patents

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文宣 三神
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康英彦 石井
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秀昭 大友
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Abstract

【課題】樹脂製の光学シートをバリの発生を抑えて切断することができる光学シートの切断方法を提供する。【解決手段】光学シート10の切断方法は、樹脂により形成されている基材層12と、樹脂により形成され、基材層12の一方の面に積層されており、光学的機能を備えた形状を有する光学機能層11と、を備える光学シート10の切断方法であって、粘着材により構成され層厚が10μm以下である粘着層42と、粘着材を保持する粘着材保持層41とが積層された粘着シート40を、粘着層42が基材層12に接合する向きで貼り合せる貼付行程と、粘着材保持層41を切断用ベース50に保持する保持工程と、回転刃Bにより光学機能層11側から粘着材保持層41に到達するまで切断する切断工程とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、光学的機能領域を備えた光学シートの切断方法に関するものである。
従来から、回折光学素子(Diffractive Optical Element :以下、DOE)や光拡散シート、マイクロレンズアレイシート等、光学的機能領域を備えた光学シートが用いられている。このような光学シートは、近年小型のセンサ等の光照射部分に用いられる等、小型化が進んでいる。小型の光学シートを1枚ずつ製造することは効率が悪いことから、多数の光学シートを多面付けした状態で製造し、これを個々に切断して個片化することができれば、安価に大量の光学シートを製造することが可能である。
特許文献1には、ダイシングにより個々の光素子を用意することが開示されている。
特開2000−40714号公報
多数の光学シートが多面付けされた多面付け体は、例えば、紫外線硬化樹脂を用いて成形型により連続成形を行えば、これを効率よく製造可能である。しかし、樹脂製の光学シートの多面付け体を、従来のダイシングの手法で切断しようとすると、切断加工時の熱によりダメージを受け、切断面が荒れてバリが発生してしまう。バリが発生すると、その後に個片化された光学シートをロボット等によりピックアップする段階で、個片同士が繋がってしまったり、光学シートをセンサ等の機器に組み付けるときに不都合が生じたりしてしまう。
本発明の課題は、樹脂製の光学シートをバリの発生を抑えて切断することができる光学シートの切断方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、樹脂により形成されている基材層(12)と、樹脂により形成され、前記基材層(12)の一方の面に積層されており、光学的機能を備えた形状を有する光学機能層(11)と、を備える光学シート(10)の切断方法であって、粘着材により構成され層厚が10μm以下である粘着層(42)と、前記粘着材を保持する粘着材保持層(41)とが積層された粘着シート(40)を、前記粘着層(42)が前記基材層(12)に接合する向きで貼り合せる貼付行程と、前記粘着材保持層(41)を切断用ベース(50)に保持する保持工程と、回転刃(B)により前記光学機能層(11)側から前記粘着材保持層(41)に到達するまで切断する切断工程と、を備える光学シート(10)の切断方法である。
第2の発明は、第1の発明に記載の光学シート(10)の切断方法において、粘着材は、紫外線硬化型の粘着材であって、硬化前の状態で光学シート(10)の切断を行うこと、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の光学シート(10)の切断方法において、前記切断工程は、複数回に分けて行うこと、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第4の発明は、第3の発明に記載の光学シート(10)の切断方法において、前記光学シート(10)と前記粘着シート(40)とを合せた層厚を測定する測定工程をさらに備え、前記複数回に分けて行う切断工程の一回あたりの切断量は、前記測定工程の測定結果に応じて決定されること、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載の光学シート(10)の切断方法において、前記光学シート(10)の前記光学機能層(11)には、前記光学的機能を備えた形状を含む光学的機能領域(10a)が多面付けされて配置されており、前記切断工程では、前記光学的機能領域(10a)それぞれを個々に切断すること、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第6の発明は、第5の発明に記載の光学シート(10)の切断方法において、互いに隣り合う前記光学的機能領域(10a)の間には、切断予定線(DL)が形成されており、前記切断工程では、前記切断予定線(DL)に沿って切断を行うこと、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第7の発明は、第5の発明又は第6の発明に記載の光学シート(10)の切断方法において、前記光学シート(10)の前記光学的機能領域(10a)が多面付けされた領域の外周域には、切断予定線(DL)に対応する位置にアライメントマーク(AM)が形成されており、前記切断工程では、前記アライメントマーク(AM)を用いて切断位置の位置合わせを行うこと、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかに記載の光学シート(10)の切断方法において、前記切断工程は、ダウンカットで行われること、を特徴とする光学シート(10)の切断方法である。
本発明の光学シートの切断方法によれば、樹脂製の光学シートをバリの発生を抑えて切断することができる。
本発明により切断を行う光学シート10の多面付け体MSをシート面に対する法線方向から見た図である。 図1中の矢印a−aの位置で光学シート10の多面付け体MSを切断した断面図である。 本実施形態の切断方法における各工程の流れを説明するフローチャートである。 貼付工程を示す図である。 測定工程を示す図である。 保持工程を示す図である。 切断工程を示す図である。 後述の切断工程で回転刃Bが切断を行っている状態を示す図である。 粘着層42の層厚を変化させて切断実験を行った結果を示す図である。 切断回数を変化させて切断実験を行った結果を示す図である。 本実施形態の光学シート10を光照射装置1に適用する例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明により切断を行う光学シート10の多面付け体MSをシート面に対する法線方向から見た図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、光学シート10として説明を行う。しかし、これは、光学板、光学フィルとして捉えてもよい。板、シート、フィルム等の言葉は、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面に関しても同様であるとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
また、以下の説明において、図1に示されている面を表面と呼び、図1の紙面奥側の面を裏面と呼び説明を行うが、この表裏の向きを限定するものではない。
本実施形態の光学シートの多面付け体MSには、複数の光学シート10が格子状に多面付けされている。各光学シート10の間には、ダイシングラインDLが形成されている。ダイシングラインDLは、切断工程において不図示の光学的検出装置(光学的手段)で認識される光学検知用マークであり、光学シート10の多面付け体MSから個片の光学シート10を切り出す際の切断予定線である。
光学シート10の多面付け体MSにおいて、光学シート10が多面付けされた領域の外周域には、アライメントマークAMが形成されている。アライメントマークAMは、光学的検出装置で認識される光学検知用マークであり、光学シートの多面付け体MSから個片の光学シート10を切り出す際の位置合わせに用いるマークである。アライメントマークAMは、各ダイシングラインDLに対応する位置、具体的には、各ダイシングラインDLの長手方向の両端部に形成されている。
ダイシングラインDL及びアライメントマークAMは、光学シート10の多面付け体MSの製造時に、原版からの賦型により形成される。
また、アライメントマークAM及びダイシングラインDLは、凹凸形状からなるパターンの集合体として形成してもよい。凹凸形状としては、例えば、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン、ドットパターン等の少なくとも1種類からなるパターンの集合体であればよい。アライメントマークAM及びダイシングラインDLを、凹凸形状からなるパターンの集合体として形成することにより、ダイシングラインの視認性が向上するため、後述の切断工程による切断を行ったときに、切断面におけるうねり、ずれ等の発生を低減できる。
個々の光学シート10には、その中央部に、光学的機能を備えた形状を含む光学的機能領域10aが設けられている。
図2は、図1中の矢印a−aの位置で光学シート10の多面付け体MSを切断した断面図である。
光学シート10の多面付け体MSは、光学機能層11と、基材層12とを備えている。
光学機能層11は、光学的機能領域10aとなる凹凸形状が表面に賦型されており、透明な樹脂により形成されている。また、光学機能層11の表面には、図1に示したアライメントマークAM、ダイシングラインDLが形成されている。
光学機能層11は、凹凸形状、アライメントマークAM、ダイシングラインDLに対応する型形状が形成された原版を用いて、例えば、基材層12上に塗布された紫外線硬化樹脂を賦型して凹凸形状を形成し、紫外線を照射して硬化させることにより形成できる。
光学機能層11を形成する紫外線硬化樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート等を用いることができる。なお、光学機能層11を形成するための材料は、紫外線硬化樹脂に限定されない。光学機能層11は、例えば、電子線硬化樹脂で形成してもよい。また、上記各パターンは、原版から賦型する例に限らず、上記各部の形状を有する原版から作製された樹脂の中間版を用いて賦型してもよい。
本実施形態の光学的機能領域10aは、DOE(回折光学素子)を構成している。光学的機能領域10aは、断面形状において、複数の凸部111aが並んで配置された高屈折率部111を備えている。高屈折率部111は、断面の奥行き方向に延在している。
高屈折率部111は、上述したように原版を用いて、電離放射線硬化性樹脂組成物を賦型して、硬化させることにより形成されている。なお、本実施形態では、凸部111aを底部と頂部の2−levelの形状とした例を示したが、凸部111aを2−levelよりも多い多段の階段形状としてもよい。
また、凸部111aの間に形成されている凹部112及び凸部111aの頂部付近の空間113を含む上方の領域には、空気が存在している。そのため、凹部112及び空間113は、高屈折率部111よりも屈折率が低い低屈折率部114となっている。これら高屈折率部111及び低屈折率部114が交互に並んで配置された周期構造により、光を整形する作用を備える回折層115が構成されている。
なお、図1及び図2では、簡単のため光学的機能領域10aに配置され周期構造の一例を示したに過ぎないが、実際には、光学的機能領域10aには、異なる周期構造を持つ複数の領域が多数配置されている。この点は、従来から公知のDOEの形態であり、詳しい説明は、省略する。
基材層12は、光学機能層11を賦型する際のベースとなる部材である。基材層12としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレン(MBS)樹脂、メタクリル酸メチル・スチレン(MS)樹脂、アクリル・スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等の透明樹脂を用いることができる。なお、図示しないが、基材層12上には、塗布された紫外線硬化樹脂等との密着性を高めるための密着層を形成してもよい。
上述したように、光学シート10の多面付け体MSには、多数の光学シート10が多面付けされており、単体の光学シート10を製造するための中間形態となっている。光学シート10は、光学シート10の多面付け体MSから個々の光学シート10毎に切断されて個片化され、例えば、センサの光照射部等に光学シート10を組み付けられて利用される。
しかし、光学シート10を切断後に完全にばらばらな状態とすると、後の組み付け工程における取り扱い性が低下する。光学シート10の多面付け体MSの切断に利用できそうな切断方法として、半導体の製造プロセスでは、多面付け体を切断してその後の取り扱いを容易にする手法として、ダイシング装置を利用した切断方法が行われている。そこで、本実施形態における光学シート10の多面付け体MSを切断する方法では、半導体の製造プロセスにおいて用いられるダイシング装置を利用して、光学シート10の多面付け体MSを半固定した状態で切断を行う。
ここで、半導体のダイシングと同じ方法(以下、従来のダイシングと呼ぶ)で光学シート10の多面付け体MSを切断したのでは、適切に光学シート10を個片化することができない。光学シート10は、樹脂製であることから、従来のダイシングでは、回転刃の高速回転によって発生する熱によって、光学シート10自体がダメージを受けてしまい、切断面の荒れが発生したり、光学シート10が溶けてバリとして残ったり、切断したはずの隣り合う光学シート10同士が繋がってしまったりする。
本実施形態では、従来のダイシングでは適切に切断できなかった光学シート10の多面付け体MSを、以下のようにして適切に切断可能とした。以下、この切断方法について説明する。
図3は、本実施形態の切断方法における各工程の流れを説明するフローチャートである。
図4Aは、貼付工程を示す図である。
図4Bは、測定工程を示す図である。
図4Cは、保持工程を示す図である。
図4Dは、切断工程を示す図である。
本実施形態の切断方法では、図3に示すフローに沿って、各種工程を順次行うことで切断を行う。
S11では、粘着シート40を、粘着層42が基材層12に接合する向きで貼り合せる貼付行程を行う(図4A参照)。ここで、粘着シート40は、粘着材保持層41と、粘着層42とが積層された構造となっている。
粘着材保持層41は、粘着材を保持する層であり、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PO(ポリオレフィン)やPET等により構成されている。
粘着層42は、紫外線硬化型の粘着材により構成されており、例えば、アクリル系の紫外線光型樹脂やゴム系、シリコーン系の材料等により構成されている。なお、粘着層42は、後述の切断工程までは、紫外線の照射がされておらず、粘着性を維持した状態となっている。また、粘着層42は、その層厚が10μm以下であることが必要である。この理由については,後述する。
S12では、光学シート10(多面付け体MS)と粘着シート40とが接合された状態でその全体の層厚Tを測定する測定工程を行う(図4B参照)。光学シート10(多面付け体MS)及び粘着シート40のいずれについても、それらを構成する各層の厚さがばらつくので、切断条件を設定するために実際の層厚Tを切断前に測定を行うものである。この測定は、例えば、接触式、又は、レーザー変位等による非接触式厚み測定器等を用いて行うことができる。測定結果は、次の切断条件設定工程で利用する。なお、ここでは、光学シート10(多面付け体MS)と粘着シート40とが接合された状態で測定を行うこととしたが、光学シート10の層厚と粘着シート40の層厚とを別々に測定して加算し、光学シート10と粘着シート40とを合せた全体の層厚Tとして求めてもよい。
S13では、切断条件設定工程を行う。この工程では、先の測定工程で得られた光学シート10と粘着シート40とを合せた全体の層厚Tを用いて、回転刃B(図4D、図5参照)の切り込み深さを演算する。
図5は、後述の切断工程で回転刃Bが切断を行っている状態を示す図である。
回転刃Bは、図5に示すように、粘着材保持層41の概ね半分の深さまで切り込むように切り込み深さを設定される。本実施形態では、予め測定工程を行い、その測定結果を用いて、この切断条件設定工程で適切な切り込み深さを設定するので、後述する切断用ベース50まで切断してしまったり、基材層12を十分に切断できなかったりすることを防止できる。なお、基材層12の切断が不十分であると、切断工程を終えて個片の光学シート10をピックアップするときに、隣の光学シート10も持ち上げてしまうおそれが生じる。
S14では、粘着材保持層41を切断用ベース50に保持する保持工程を行う(図4C参照)。切断用ベース50は、多数の吸引口を有しており、粘着材保持層41を吸着して保持を行う。
S15では、回転刃Bにより光学機能層11側から粘着材保持層41に到達するまで切断する切断工程(図4D、図5参照)を行う。回転刃Bは、ダウンカットとなるように回転させ、切断用ベース50を回転刃Bに対して相対的に移動させながら切断が行われる。なお、回転刃Bをアップカットとしてしまうと、バリの発生を誘発し、適切な切断が不可能である。
切断工程では、ダイシングラインDL(切断予定線)に沿って切断を行う。また、切断工程では、アライメントマークAMを光学的に読み取って、このアライメントマークAMを用いて切断位置の位置合わせを行う。これにより、位置合わせを正確に行うことができ、また、両端のアライメントマークAMを参照することにより、回転刃BとダイシングラインDLとの相対的な傾きも補正可能である。
少なくともこの切断工程を終了するまでは、粘着層42の粘着材は、硬化前の状態で粘着性を維持した状態であり、多面付け体MSを粘着保持している。そして、先に述べたように、粘着層42は、その層厚が10μm以下であることが必要である。
光学シート10の切断において、粘着層42の層厚の変化の影響を調べるために、粘着層42の層厚を25μmから5μmまで変えながら、他の条件を固定して切断を行う実験を行った。
図6は、粘着層42の層厚を変化させて切断実験を行った結果を示す図である。
この図6に示した切断実験では、光学機能層11の厚さを10μmに固定した。基材層12の厚さは、500μmであり、粘着材保持層41の厚さは、120μmである。また、回転刃Bの回転速度は、30,000rpmとし、送り速度は、5mm/secである。また、切断中は、純水を切断部分に掛け流しながら、切削屑の除去及び冷却を行った。さらに、図6の実験は、切断を2回に分けて切断深さを徐々に深くして行った。なお、切断を複数回に分ける点については、後述する。
図6中の切断表面の評価は、40倍の顕微鏡を用いた目視観察の評価結果である。
バリ判定についても、40倍の顕微鏡を用いた目視観察の評価結果である。
ピックアップ性の評価は、切断後の個片の光学シート10をロボットにより吸着保持してピックアップを行い、1つの光学シート10のみを正しくピックアップできる割合で評価した。ピックアップ性が××は、1回もピックアップが成功しなかった(ピックアップできない、又は、他の光学シート10が繋がってピックアップされた)ことを示し、△は、成功する場合と、成功しない場合とがあったことを示し、○は、全て正常にピックアップできたことを示している。
図6の結果から明らかなように、粘着層42の層厚を10μm以下とすることが、良好な切断結果を得るために必要である。この理由としては、粘着層42は、紫外線照射前の粘着性を備えた状態では、比較的柔らかい状態となっているので、その柔らかい粘着層42の厚さが厚いと、樹脂製の光学シート10(多面付け体MS)を十分に保持することができないからであると考えられる。このような現象は、樹脂と比較して剛性の高いシリコンウェハを切断する従来の切断方法では生じないものであり、本発明が取り扱う樹脂製の光学シート10に特有の現象である。
また、切断工程は、1回で一気に切断を行わずに、複数回に分けて、徐々に切り込み深さを深くするようにして行う。切断工程を分割する回数が切断結果にどのような影響を与えるのかを調べるために、他の条件を固定して切断回数のみを変更して切断実験を行った。
図7は、切断回数を変化させて切断実験を行った結果を示す図である。
図7の切断実験において、粘着層42の層厚は、良好な結果が得られる10μmに固定した。また、その他の切断条件は、切断回数を除き、上記図6の切断実験と同じとした。
また、切断を複数回に分ける場合に、1回あたりの切り込み深さは、先に切断条件設定工程で設定した最終的な切り込み深さを、切断回数で割った深さずつ順次深くしていく方法で行った。
図7の結果から明らかなように、切断工程は、少なくとも2回以上に分けて行うことが望ましい。
また、ダイシングラインDLは、可能な限り幅が狭い方が、光学シート10の取り数が多くなるので望ましい、その一方で、回転刃Bの幅を薄くすることにも限界がある。さらに、切断後の光学シート10の許容寸法公差も切断時には、重要な項目である。これらのことから、以下の条件を満たすことが望ましいといえる。
切断予定線の線幅をWLとし、回転刃の厚さをWBとしたときに、0.08≦WL≦0.45、及び、WL−0.05≦WB≦WL+0.05を満たすことが望ましい。
この関係式を満たすことにより、例えば、ピックアップした個片をトレイ、ホルダ(図8参照)、ケース等に入れる際、正しく入らないといったエラーを低減することが期待できる。また、WBが大きくなると、回転刃Bに含まれるダイヤモンドの量が多くなるので高価になったり、切削抵抗が大きくなったりするので、好ましくない。
図8は、本実施形態の光学シート10を光照射装置1に適用する例を示す図である。
図8に示すように、光照射装置1は、光学シート10、ホルダ20及び光源部30を備える。
ホルダ20は、光学シート10を搭載するためのケースである。ホルダ20は、例えば、ポリアミド、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックにより形成される。ホルダ20を変形しにくくするため、ポリカーボネート等にガラスファイバーを含有させてもよい。光学シート10は、ホルダ20の内部に接着剤(不図示)を介して固定される。
光源部30は、光学シート10に光を投影する。光源部30は、赤外光、青色光等を発するLED(発光ダイオード)素子31を備える。LED素子31は、例えば、GaP,GaAs,GaAlAs,GaAsP,AlInGaP等の化合物半導体単結晶又はInGaN等の各種GaN系化合物半導体単結晶からなる材料を適宜に選択することにより、紫外光から赤外光までの発光波長が得られる。LED素子31は、基板32上に実装されている。本実施形態の光源部30は、1つのLED素子31を備えているが、より多くの光量を得るために、複数のLED素子31を備えた構成としてもよい。
光源部30は、光学シート10及びホルダ20の背面側に取り付けられる。
光照射装置1において、光源部30から投影された光は、光学シート10の光学的機能領域10aでの回折現象により、所定範囲に広げられて照射される。
本実施形態の光照射装置1を、例えば、静脈認証に用いる場合、赤外光を照射する光照射装置から、認証すべき人の手のひら、指先等に赤外光を照射して、映し出された静脈の模様を撮影することにより、本人か否かを認証することができる。
以上説明したように、本実施形態の切断方法によれば、粘着層42の層厚を規定し、また、複数回に分けて切断を行うので、樹脂製の光学シート10(及び光学シート10の多面付け体MS)をバリの発生を抑えて切断することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、光学シート10は、DOEである例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、光学的機能領域10aは、他の光学的機能を備えた形状であってもよい。例えば、光拡散機能を備えた凹凸形状であってもよいし、マイクロレンズアレイの形状が賦型された形状であってもよい。
(2)実施形態において、光学シート10は、2層構造である例を挙げて説明した。これに限らず、さらに層を追加した形態であってもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
10 光学シート
10a 光学的機能領域
11 光学機能層
12 基材層
40 粘着シート
41 粘着材保持層
42 粘着層
50 切断用ベース
111 高屈折率部
111a 凸部
112 凹部
113 空間
114 低屈折率部
115 回折層

Claims (8)

  1. 樹脂により形成されている基材層と、
    樹脂により形成され、前記基材層の一方の面に積層されており、光学的機能を備えた形状を有する光学機能層と、
    を備える光学シートの切断方法であって、
    粘着材により構成され層厚が10μm以下である粘着層と、前記粘着材を保持する粘着材保持層とが積層された粘着シートを、前記粘着層が前記基材層に接合する向きで貼り合せる貼付行程と、
    前記粘着材保持層を切断用ベースに保持する保持工程と、
    回転刃により前記光学機能層側から前記粘着材保持層に到達するまで切断する切断工程と、
    を備える光学シートの切断方法。
  2. 請求項1に記載の光学シートの切断方法において、
    粘着材は、紫外線硬化型の粘着材であって、硬化前の状態で光学シートの切断を行うこと、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学シートの切断方法において、
    前記切断工程は、複数回に分けて行うこと、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  4. 請求項3に記載の光学シートの切断方法において、
    前記光学シートと前記粘着シートとを合せた層厚を測定する測定工程をさらに備え、
    前記複数回に分けて行う切断工程の一回あたりの切断量は、前記測定工程の測定結果に応じて決定されること、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学シートの切断方法において、
    前記光学シートの前記光学機能層には、前記光学的機能を備えた形状を含む光学的機能領域が多面付けされて配置されており、
    前記切断工程では、前記光学的機能領域それぞれを個々に切断すること、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  6. 請求項5に記載の光学シートの切断方法において、
    互いに隣り合う前記光学的機能領域の間には、切断予定線が形成されており、
    前記切断工程では、前記切断予定線に沿って切断を行うこと、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の光学シートの切断方法において、
    前記光学シートの前記光学的機能領域が多面付けされた領域の外周域には、切断予定線に対応する位置にアライメントマークが形成されており、
    前記切断工程では、前記アライメントマークを用いて切断位置の位置合わせを行うこと、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光学シートの切断方法において、
    前記切断工程は、ダウンカットで行われること、
    を特徴とする光学シートの切断方法。
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