JP2018121418A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流センサの検出精度を高めるとともに、静電誘導ノイズを低減すること。【解決手段】電力変換装置10は、パワーモジュールを収納するパワーモジュールケース20と、このパワーモジュールケース20に設けられ前記パワーモジュールからモータへ接続されるバスバー30と、このバスバー30に流れる電流を検出する電流センサ40とを備える。この電流センサ40は、前記パワーモジュールケース20の中に配置された磁気コア41と、この磁気コア41のギャップに配置されたホール素子42とからなる。前記パワーモジュールケース20は、1つの面23に冷却器50を備える。この冷却器50は、前記磁気コア41に接触して熱交換をすることが可能な突出部54を有している。【選択図】図1
Description
本発明は、電力変換装置の改良技術に関する。
電力変換装置は、例えばバッテリとモータの間に配置されバッテリで貯えた電力を制御してモータへ供給する。車両に搭載されたモータを電力変換装置によって制御する場合には、パワーモジュールといわれる3相のインバータ回路によって、直流電流を3相の交流電流に変換している。
この際、パワーモジュールからモータへ出力される電流は、電流センサによって検出している。電流センサを、パワーモジュールに内蔵もしくは隣接させることにより、発熱源であるバスバーからの熱伝達経路は、3相出力バスバーから電流センサケースやパワーモジュールケース、磁気コア及びホール素子への経路となる。磁気コア及びホール素子の周囲には、熱抵抗が高い空気層が少ない。このため、磁気コア及びホール素子は、熱害を受けやすくなっている。この結果、弊害として高温での使用範囲が増加して、精度悪化に繋がってしまう。これに対し、冷却技術が各種提案されてきた(例えば、特許文献1)。
また、磁気コア及びホール素子をパワーモジュールケースに内蔵した場合に、バスバーと磁気コアとの間隔が増すので、静電誘導ノイズによる耐性が悪化しないような配慮が必要である。
特許文献1で知られている電力変換装置は、ヒートシンクに固定されたセンサモジュールを備える。このセンサモジュールは、樹脂製ケースに電流センサを内蔵した構成である。この電流センサは、パワーモジュールからモータへ接続されたバスバーに流れる電流を検出する。この電流センサは、樹脂製ケースの中に配置された磁気コアと、この磁気コアのギャップに配置されたホール素子とからなる。
しかし、バスバーが発生した熱は、樹脂製ケースを介してヒートシンクに間接的に伝わる。バスバーから磁気コア及びホール素子へ伝わる熱量を抑制して、電流センサの検出精度を高めるには、更なる改良の余地がある。また、静電誘導ノイズを低減するには、改良の余地がある。
本発明は電流センサの検出精度を高めるとともに、静電誘導ノイズを低減することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、モータをスイッチングするパワーモジュールを収納するパワーモジュールケースと、このパワーモジュールケースに設けられ前記パワーモジュールから前記モータへ接続されるバスバーと、このバスバーに流れる電流を検出する電流センサと、を備える電力変換装置において、
前記電流センサは、前記パワーモジュールケースの中に配置された磁気コアと、この磁気コアのギャップに配置されたホール素子とからなり、
前記パワーモジュールケースは、1つの面に冷却器を備え、
この冷却器は、フレームグラウンドの機能を有するとともに、前記磁気コアに接触した突出部を有し、
前記パワーモジュールケースには、前記突出部を嵌め込んで位置決め可能な空間部が設けられていることを特徴とする。
前記電流センサは、前記パワーモジュールケースの中に配置された磁気コアと、この磁気コアのギャップに配置されたホール素子とからなり、
前記パワーモジュールケースは、1つの面に冷却器を備え、
この冷却器は、フレームグラウンドの機能を有するとともに、前記磁気コアに接触した突出部を有し、
前記パワーモジュールケースには、前記突出部を嵌め込んで位置決め可能な空間部が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ウォータージャケット等の冷却器の突出部が、電流センサの磁気コアに接触している。バスバーが発生した熱は磁気コアに伝わる。この熱を、磁気コアから突出部を介して冷却器へ伝えることができる。磁気コアの温度が下がることにより、この磁気コアの周囲の温度も下がる。これにより、パワーモジュールケースに磁気コアを固定するコア固定部材の熱膨張を低減することができる。コア固定部材が熱膨張することによって、このコア固定部材から磁気コアやホール素子へ加わる応力を、低減することができる。この結果、電流センサの検出精度を高めることができる。
また、冷却器は、フレームグラウンドの機能を有している。磁気コアは、冷却器の突出部と接触することによって、冷却器に電気的に接続される。パワーモジュールのオン時に、バスバーと磁気コアとホール素子との間に発生した、浮遊容量によって生じるノイズ電量を、磁気コアから冷却器へ逃がすことができる。この結果、静電誘導ノイズを低減することができる。
また、パワーモジュールケースの空間部に、突出部を嵌め込むことによって、パワーモジュールケースに対する冷却器の位置決めを容易に行うことができる。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る電力変換装置について、図1〜図2に基づき説明する。
図1(a),(b)及び図2(a)に示されるように、電力変換装置10は、モータをスイッチングするパワーモジュールを収納するパワーモジュールケース20と、このパワーモジュールケース20に設けられパワーモジュールからモータへ接続される複数(例えば6個)のバスバー30と、この複数のバスバー30に流れる電流を検出する複数の電流センサ40と、を備える。バッテリ及びモータは周知であるため、図示は省略する。
パワーモジュールケース20は樹脂製品であって、上面21に回路基板22を備え、下面23(1つの面23)に冷却器50を備える。回路基板22及び冷却器50は、パワーモジュールケース20にビス等の固定部材により固定されている。パワーモジュールケース20には、下面23に開放された複数のコア装着孔24と、この複数のコア装着孔24の上面から複数のコア装着孔24へ向かって突出した複数のバスバー装着凸部25とが形成されている。バスバー装着凸部25の先端部分には、バスバー30が埋設されている。バスバー装着凸部25の基端部分には、センサ挿入孔26が形成されている。
各電流センサ40は、それぞれ磁気コア41とホール素子42とからなる、ホール素子方式電流センサである。磁気コア41は、略C形状を呈しており、パワーモジュールケース20の中に配置されている。つまり、この磁気コア41は、C形のギャップを、上向き且つバスバー装着凸部25に嵌合した状態で、コア装着孔24内に位置している。この磁気コア41は、コア装着孔24内に充填されたコア固定部材27によって、パワーモジュールケース20に固定されている。
ホール素子42は、回路基板22に実装されるとともに、センサ挿入孔26に所定深さまで挿入されている。この挿入位置は、磁気コア41のギャップの位置に相当する。この結果、ホール素子42は、磁気コア41のギャップに配置されている。
冷却器50は、平板状の下板51と上板52との間の流路53を冷媒が流れるものである。この冷却器50は、例えばアルミニウム合金製等の導電性を有したウォータージャケットによって構成されることにより、フレームグラウンドの機能を有する。流路53を流れる冷却水等の冷媒によって、電力変換装置10を冷却することができる。
この冷却器50は、複数の磁気コア41に個別に接触した複数の突出部54を有する。この突出部54は、例えば、上板52が磁気コア41の底面41aに向かって膨出している。冷却器50がパワーモジュールケース20に組み付けられた状態において、膨出した突出部54の先端面54a(上端面54a)は、磁気コア41の底面41aに面接触している。つまり、磁気コア41の底面41aに対して、突出部54の先端面54aが概ね全面にわたって接触している。
突出部54の先端面54aの大きさは、伝熱面積を広げるために、極力大きいことが好ましい。例えば、図2(a),(b)に示されるように、突出部54の先端面54aは、磁気コア41の幅Wcと同等の幅を有した四角形である。このようにすることによって、突出部54を、磁気コア41の底面41aに完全に面接触することが可能な、いわゆる台座のような形状とすることができる。
図1(b)及び図2(a)に示されるように、パワーモジュールケース20には、突出部54を嵌め込んで位置決め可能な空間部28が設けられている。詳しく述べると、この空間部28は、コア装着孔24内に充填されたコア固定部材27に形成されている。突出部54をパワーモジュールケース20の空間部28に嵌め込むことによって、パワーモジュールケース20に対する冷却器50の位置決めを容易に行うことができる。
図2(c)に示されるように、複数の突出部54は、複数のバスバー30の配置に合わせて冷却器50に配置されている。
なお、複数の突出部54は、図2(d)に示される変形例の構成とすることができる。変形例の突出部54Aは、冷却器50とは別部材によって構成されている。つまり、変形例の突出部54Aは、アルミニウム合金等の熱伝導性且つ導電性の良好な材質によって構成されており、冷却器50の上板52に接合等によって固定されている。この変形例の突出部54Aの形状及び大きさは、上記図2(a)に示される突出部54と同等である。
以上の説明をまとめると、次の通りである。突出部54,54Aが磁気コア41に接触している。バスバー30が発生した熱は磁気コア41に伝わる。この熱を、磁気コア41から突出部54,54Aを介して冷却器50へ伝えることができる。磁気コア41の温度が下がることにより、この磁気コア41の周囲の温度も下がる。これにより、パワーモジュールケース20に磁気コア41を固定するコア固定部材27の熱膨張を低減することができる。コア固定部材27が熱膨張することによって、コア固定部材27から磁気コア41やホール素子42へ加わる応力を、低減することができる。この結果、電流センサ40の検出精度を高めることができる。
また、磁気コア41は、フレームグラウンドの機能を有している冷却器50の、突出部54,54Aと接触することによって、冷却器50に電気的に接続される。パワーモジュールのオン時に、バスバー30と磁気コア41とホール素子42との間に発生した、浮遊容量によって生じるノイズ電量を、磁気コア41から冷却器50へ逃がすことができる。この結果、静電誘導ノイズを低減することができる。
本発明は、車両に搭載される電力変換装置に好適である。
10…電力変換装置、20…パワーモジュールケース、28…空間部、30…バスバー、40…電流センサ、41…磁気コア、42…ホール素子、50…冷却器、54,54A…突出部。
Claims (1)
- モータをスイッチングするパワーモジュールを収納するパワーモジュールケースと、このパワーモジュールケースに設けられ前記パワーモジュールから前記モータへ接続されるバスバーと、このバスバーに流れる電流を検出する電流センサと、を備える電力変換装置において、
前記電流センサは、前記パワーモジュールケースの中に配置された磁気コアと、この磁気コアのギャップに配置されたホール素子とからなり、
前記パワーモジュールケースは、1つの面に冷却器を備え、
この冷却器は、フレームグラウンドの機能を有するとともに、前記磁気コアに接触した突出部を有し、
前記パワーモジュールケースには、前記突出部を嵌め込んで位置決め可能な空間部が設けられていることを特徴とする電力変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017010477A JP2018121418A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電力変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017010477A JP2018121418A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電力変換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=63044059
Family Applications (1)
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JP2017010477A Pending JP2018121418A (ja) | 2017-01-24 | 2017-01-24 | 電力変換装置 |
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JP (1) | JP2018121418A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112311201A (zh) * | 2019-07-24 | 2021-02-02 | 株式会社京滨 | 电力转换装置 |
WO2021090603A1 (ja) * | 2019-11-05 | 2021-05-14 | 株式会社デンソー | センサユニット |
DE202021101496U1 (de) | 2020-04-30 | 2021-06-17 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Stromerfassungsvorrichtung |
-
2017
- 2017-01-24 JP JP2017010477A patent/JP2018121418A/ja active Pending
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