JP2018119052A - セルロースアセテートフレークの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性の優れたセルロースアセテートを提供することを目的とする。【解決手段】(a)酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程、(b)生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程、(c)調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程、(d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程、及び(e)スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程を含み、前記混合溶媒は、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒を30重量%以上70重量%以下含有する、セルロースアセテートフレークの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースアセテートフレークの製造方法に関する。
セルロースアセテートは、セルロース誘導体であるセルロースの有機酸エステルの一つであって、その用途は、衣料品繊維、タバコフィルター・チップ、プラスチックス、フィルム、塗料、医薬品、食料、化粧品、建築用途など多岐にわたり、セルロース誘導体の中でも生産量が多く、工業的に重要なものである。
代表的なセルロースアセテートの工業的製法としては無水酢酸を酢化剤、酢酸を希釈剤、硫酸を触媒とするいわゆる酢酸法が挙げられる。酢酸法の基本的工程は、(1)α−セルロース含有率の比較的高いパルプ原料(溶解パルプ)を、離解・解砕後、酢酸を散布混合する前処理工程と、(2)無水酢酸、酢酸および酢化触媒(例えば硫酸)よりなる混酸で、(1)の前処理パルプを反応させる酢化工程と、(3)セルロースアセテートを加水分解して所望の酢化度のセルロースアセテートとする熟成工程と、(4)加水分解反応の終了したセルロースアセテートとを反応溶液から沈澱分離、精製、安定化、乾燥する後処理工程より成る(特許文献1、非特許文献1)。
以上のような方法で製造されるセルロースアセテートは、一般に若干の黄色を帯びており、要求される他の諸性質を満足していても外観に難があり、この点で著しい商品価値の低下を招いている。
それ故、色相の優れたセルロースアセテートを得る方法が開発されてきた。例えば、黄色性の主要因であると指摘されている木材パルプ中のヘミセルロース成分(非特許文献2、3)に対して、セルロースアセテート製造時に有機溶媒を添加することや(特許文献2)、二酸化セルロースを良好な溶解性を有する溶媒に一旦溶解した後、これを回収することで(特許文献3)、透明性に優れたセルロースアセテートを取得できることが開示されている。しかしながら、これらの技術はα−セルロース含有率の低い低品位パルプを用いるときのみ効果を及ぼすものであって、α−セルロース含有率の高いパルプを用いる際は利用できない。
特開昭56−059801号公報 特開平06−157601号公報 特開平06−157602号公報
Macromol.Symp.2004,208,49−60 J. D. Wilson, R. S. Tabke, Tappi, 57, 77 (1974) F. L. Wells, W. C. Shattner, A. Walker, Tappi, 46, 581 (1963)
近年、セルロースアセテートの成形体に薄い色を付ける事が好まれるようになり、より高い透明性を生かしたファッション性が追求されるようになったことから、より高いレベルで黄色性を解決してより優れた色相を有する、透明性に優れたセルロースアセテートが求められている。しかしながら、従来の技術では、このような高い透明性を有するセルロースアセテートを得ることはできなかった。本発明の主たる目的は、透明性の優れたセルロースアセテートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは、高品位パルプを用いるのみでは到達できない優れた透明性の優れたセルロースアセテートを開発するべく、鋭意研究を行い、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、(a)酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程、(b)生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程、(c)調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程、(d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程、及び(e)スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程を含み、前記混合溶媒は、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒を30重量%以上70重量%以下含有する、セルロースアセテートフレークの製造方法に関する。
前記製造方法において、前記混合溶媒における溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒が、アセトンおよび酢酸からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒であってもよい。
前記製造方法において、前記混合溶媒における溶解度パラメーターδが14以上の溶媒が水であってもよい。
本発明によれば、透明性の優れたセルロースアセテートを提供することができる。
セルロースアセテートの分子量分布の一例を示すグラフである。
以下、好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。本開示のセルロースアセテートフレークの製造方法は、(a)酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程、(b)生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程、(c)調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程、(d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程、及び(e)スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程を含み、前記混合溶媒は、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒を30重量%以上70重量%以下含有するものである。
[(a)酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程]
セルロースアセテートのドープを生成する工程においては、酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させる、言い換えれば、セルロースを酢化する酢化反応である。このセルロースは、活性化工程を経ていることが好ましい。活性化工程としては、原料セルロースに酢酸または1〜10重量%の硫酸を含む酢酸(含硫酢酸)を一段または二段に分けて添加して原料セルロースを前処理活性化することが挙げられる。
(原料セルロース)
原料となるセルロース(パルプ)としては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)や綿花リンターなどが使用できる。これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせてもよく、例えば、針葉樹パルプと、綿花リンター又は広葉樹パルプとを併用してもよい。
リンターパルプについて述べる。リンターパルプは、セルロース純度が高く、着色成分が少ないことから、成形品の透明度が高くなるため好ましい。
次に、木材パルプについて述べる。木材パルプは、原料として安定供給できるため及びリンターに比べコスト的に有利であるため好ましい。木材パルプとしては、例えば、広葉樹前加水分解クラフトパルプ等が挙げられる。また、木材パルプは、広葉樹前加水分解クラフトパルプ等を綿状に解砕した解砕パルプを用いることができる。解砕は、例えば、ディスクリファイナーを用いて行うことができる。
また、原料セルロースのαセルロース含量は、不溶解残渣を少なくし、成形品の透明性を損なわないため、90重量%以上であることが好ましく、92重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることがさらに好ましく、97重量%以上であることが最も好ましい。
原料セルロースがシート状の形態で供給されるなど、以降の工程で取扱いにくい場合は、原料セルロースを乾式で解砕処理する工程を経ることが好ましい。
(活性化工程)
原料セルロースに酢酸または1〜10重量%の硫酸を含む酢酸(含硫酢酸)を添加して前処理活性化する活性化工程において、酢酸及び/または含硫酢酸は、原料セルロース100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部を添加することができる。また、セルロースに酢酸及び/または含硫酢酸を添加する方法としては、例えば、酢酸もしくは含硫酢酸を一段階で添加する方法、または、酢酸を添加して一定時間経過後、含硫酢酸を添加する方法、含硫酢酸を添加して一定時間経過後、酢酸を添加する方法等の酢酸または含硫酢酸を2段階以上に分割して添加する方法等が挙げられる。添加の具体的手段としては、噴霧してかき混ぜる方法が挙げられる。
そして、前処理活性化は、セルロースに酢酸及び/または含硫酢酸を添加した後、17〜40℃下で0.2〜48時間静置する、または17〜40℃下で0.1〜24時間密閉及び攪拌すること等により行うことができる。
(酢化反応工程)
酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程(酢化反応工程)について述べる。酸触媒としては、硫酸が好ましい。また、例えば、酢酸、無水酢酸、および硫酸からなる混合物に、セルロースを添加すること、またはセルロースに、酢酸と無水酢酸の混合物および硫酸を添加する等により酢化を開始することができる。そして、ここでセルロースアセテートのドープとは、セルロースアセテートもしくはセルロースアセテートを含む混合物を溶媒に溶解して得られる溶液をいう。
また、これらの混合物には、酢酸と無水酢酸とが含まれていれば、特に限定されないが、酢酸と無水酢酸との割合としては、酢酸300〜600重量部に対し、無水酢酸200〜400重量部であることが好ましく、酢酸350〜530重量部に対し、無水酢酸240〜280重量部であることがより好ましい。
酢化反応における、セルロース、酢酸と無水酢酸の混合物、および硫酸の割合としては、セルロース100重量部に対して、酢酸と無水酢酸の混合物は500〜1,000重量部であることが好ましく、濃硫酸は5〜15重量部であることが好ましく、7〜13重量部であることがより好ましく、8〜11重量部であることがさらに好ましい。
酢化反応工程において、セルロースの酢化反応は、20〜55℃下で酢化を開始した時から30分〜36時間、攪拌することにより行うことができる。
また、セルロースの酢化反応は、例えば、攪拌条件下、酢化を開始した時から5分〜36時間要して20〜55℃に昇温して行うこと、または、撹拌条件下、外部から反応系の内外には一切の熱は加えず行うことができる。酢化反応初期は固液不均一系での反応となり解重合反応を抑えつつ酢化反応を進ませ未反応物を減らすため可能な限り時間を掛けて昇温するのが良いが、生産性の観点からは、2時間以下、さらに好ましくは1時間以下で昇温を行うことが好ましい。
また、酢化反応にかかる時間(以下、酢化時間ともいう。)は、30〜200分であることが望ましい。ここで、酢化時間とは、原料セルロースが反応系内に投入され、無水酢酸と反応を開始した時点から中和剤投入までの時間をいう。
[(b)生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程]
(加水分解(ケン化)反応工程)
生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程は、言い換えれば、セルロースアセテートを加水分解(ケン化)反応工程である。セルロースアセテートのドープを生成する工程(加水分解(ケン化)反応工程)においては、酸触媒として硫酸を用いて酢化反応させることが好ましいところ、硫酸は硫酸エステルとしてセルロースに結合しているため、前記酢化反応終了後、熱安定性向上のためこの硫酸エステルを加水分解(ケン化)して除去する。加水分解(ケン化)に際して、酢化反応停止のために水、希酢酸、又は酢酸マグネシウム水溶液などの中和剤を添加する。そして、水を添加する場合、セルロースアセテートのドープ中に存在する無水酢酸と反応して酢酸を生成させ、加水分解(ケン化)後のセルロースアセテートのドープ中の水分量が酢酸に対し5〜70mol%になるように添加することができる。5mol%未満であると、加水分解(ケン化)反応が進まず解重合が進み、低粘度のセルロースアセテートとなり、70mol%を超えると、酢化反応終了後のセルロースエステル(セルローストリアセテート)が析出し加水分解(ケン化)反応系から出るため、析出したセルロースエステルの加水分解(ケン化)反応が進まなくなる。
ここで、希酢酸とは、1〜50重量%の酢酸水溶液をいう。また、酢酸マグネシウム水溶液は、5〜30重量%であることが好ましい。
また、セルロースアセテートのドープにおける硫酸イオン濃度が高いと効率よく硫酸エステルを除去することができないため、酢酸マグネシウム等の酢酸のアルカリ土類金属塩の水溶液又は酢酸−水混合溶液を添加して不溶性の硫酸塩を形成させることにより、硫酸イオン濃度を低下させることが好ましい。セルロースアセテート100重量部(セルロース換算)に対し、セルロースアセテートのドープ中の硫酸イオンを1〜6重量部に調整することが好ましい。なお、例えば、セルロースアセテートのドープに酢酸マグネシウムの酢酸−水混合溶液を添加することにより、酢化反応の停止とセルロースアセテート100重量部(セルロース換算)に対する硫酸イオンの重量比の低下とを同時に行うこともできる。
加水分解(ケン化)反応の時間(以下、熟成時間ともいう。)は、特に限定されないが、酢化度を52%以上59%以下に調整する場合、100〜300分間行うことが好ましく、目的の酢化度とするためにはその時間を適宜調整すればよい。ここで、熟成時間は、中和剤の投入開始から加水分解(ケン化)反応停止までの時間をいう。
また、加水分解(ケン化)反応は、好ましくは50〜100℃、特に好ましくは70〜90℃の熟成温度で20〜120分間保持することにより行う。ここで、熟成温度とは、熟成時間における反応系内の温度をいう。
加水分解(ケン化)反応工程においては、水と無水酢酸との反応熱を利用することにより、反応系全体を均一でかつ適正な温度に保持することができるため、酢化度が高すぎるものや低すぎるものが生成することが防止される。
[(c)調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程]
調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程について述べる。例えば、セルロースアセテートのドープと水とを混合し、セルロースアセテートを沈殿させる。水は沈澱剤として用いるところ、当該水には、酢酸、または酢酸マグネシウム等が含まれていてもよい。つまり、希酢酸、又は酢酸マグネシウム水溶液等を用いてもよい。セルロースアセテートのドープ中の硫酸塩を溶解し、沈澱物として得られるセルロースアセテート中の硫酸塩を除去しやすいため、水または希酢酸が好ましい。
また、沈殿したセルロースアセテートは、水洗により遊離の金属成分や硫酸成分などを除去してもよい。
そして、セルロースアセテートの熱安定性を高めるため、水洗に加えてさらに、必要に応じて安定剤として、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、特に水酸化カルシウムなどのカルシウム化合物を添加してもよい。また、水洗の際に安定剤を用いてもよい。
セルロースアセテートのドープと水を混合する具体的な手段としては、セルロースアセテートのドープと沈澱剤とを業務用ミキサーを用いて撹拌する方法、またはセルロースアセテートのドープに沈澱剤を添加し、二軸ニーダーを用いて練り込む方法などが挙げられる。例えば、業務用ミキサーを用いて撹拌する方法の場合、セルロースアセテートのドープとセルロースアセテートを沈澱させるのに必要量の沈澱剤とを一度に混合し、撹拌する。二軸ニーダーを用いて練り込む方法の場合、沈澱剤を数回に分けてセルロースアセテートのドープに添加することができるが、沈澱点を超える直前において、セルロースアセテートのドープの0.5〜2倍量の沈澱剤を一度に添加することが好ましい。
[任意工程]
調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程の後、必要に応じて得られたセルロースアセテートのドープの分離及び乾燥処理を行ってもよい。セルロースアセテートのドープの分離は、沈殿剤の混合の後、ろ過、遠心分離などにより脱水することが好ましい。
また、乾燥処理は、その方法としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、送風や減圧などの条件下乾燥を行うことができる。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥が挙げられる。
[(d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程]
沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程について述べる。当該工程を経ることにより、得られるセルロースアセテートフレークは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布において、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率を12%以下とすることができる。なお、セルロースアセテートをスラリーにするとは、セルロースアセテートを溶媒中で懸濁した状態にすることをいう。
セルロースアセテートに黄色を帯びさせる原因となる着色物質としては、分子量の低いセルロースアセテートを含む多糖類のアセテート化合物が主なものであることを本発明者らは見出した。沈殿によって得られたセルロースアセテートを、混合溶媒に分散してスラリーとする工程は、このような分子量の低い多糖類のアセテート化合物を低減しようとするものである。なお、このような分子量の低い多糖類のアセテート化合物の分子量としては、例えば、10,000程度のものが挙げられる。
本開示の溶解度パラメーターδについては、例えば、H. Burrell;Off. Dig.,29,1069(1957)を参照できる。また、この溶解度パラメーターδは、例えば、J.H. Hildebrand,R.L.Scott;“Solubility of Non−electrolytes”Chap.20,Rein hold(1950)に記載されているように、下記式に従って求めることができる。
δ=(E/V)0.5
〔式中、Eはモル蒸発熱(cal)を示し、Vは分子容(cc)を示す〕。
溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒としては、以下のものが例示できる。アセトン(10.0)(括弧内は溶解度パラメーターδの値、以下同じ)、メチルエチルケトン(9.3)、ジエチルケトン(8.8)、メチルイソブチルケトン(8.4)、ジイソプロピルケトン(8.0)などのケトン類;ジオキサン(9.9)、テトラヒドロフラン(10.2)などのエーテル類;ギ酸(12.1)、酢酸(10.2)、プロピオン酸(9.9)、酪酸(10.5)などの有機酸;酢酸メチル(9.6)、酢酸エチル(9.1)、酢酸イソプロピル(8.4)、酢酸ブチル(8.5)、酢酸アミル(8.5)、酢酸セロソルブ(8.7)、プロピオン酸メチル(8.9)、プロピオン酸エチル(8.4)、乳酸エチル(10.0)などのエステル類;メチルセロソルブ(9.9)、エチルセロソルブ(10.5)、ブチルセロソルブ(8.9)、メチルセロソルブアセテート(9.2)、セロソルブアセテート(10.0)などのセロソルブ類;エチルカルビトール(9.6)、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール(8.9)などのカルビトール類;クロロホルム(9.3)、ジクロロメタン(10.2)、ジクロロエタン(9.5)、四塩化炭素(8.6)などのハロゲン化炭化水素類;ニトロメタン(12.7)、ニトロエタン(11.1)、ニトロプロパン(10.3)などのニトロ化合物;アセトニトリル(11.9)、N,N−ジメチルホルムアミド(12.1)、N,N−ジエチルホルムアミド(10.6)、ジメチルアセトアミド(10.8)、ジエチルアセトアミド(9.9)などの非プロトン性極性溶媒;及びこれらの混合溶媒など。
これらの中でも、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒としては、アセトンおよび酢酸からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましく、アセトンおよび酢酸からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒の中でも、低分子量成分を効率よく溶出するためには溶解度パラメーターδは、8〜12.5、8〜12、8.5〜11.5、9〜11、9〜10.5の順に好ましい。
溶解度パラメーターδが14以上の溶媒としては、以下のものが例示できる。水(23.4);メタノール(14.5)、エチレングリコール(14.6)などのアルコール類;ホルムアミド(19.2)、メチルアセトアミド(14.6)などのアミド類;ジメチルスルホキシド(14.5)などのスルホキシド類など。
これらの中でも、溶解度パラメーターδが14以上の溶媒としては、水を含有することが好ましく、水がより好ましい。
溶解度パラメーターδが14以上の溶媒の溶解度パラメーターδの上限値は、特に限定されないが、24以下であってよい。
混合溶媒としては、セルロースアセテートを完全に溶解することなく、膨潤又は部分的に溶解する溶媒を使用することが好ましい。セルロースアセテートを膨潤又は部分的に溶解する溶媒は、低分子量成分を溶解・溶出可能な溶媒であればよく、ピークトップ分子量の1/4を超える分子量を有する高分子量成分を分画できる限り、溶媒に溶解する低分子量成分及び高分子量成分の割合は特に制限されない。セルロースアセテートの低分子量成分を除去し、高分子量成分を効率よく得るためには、常温(25℃)で、固形分濃度5重量%となるようにセルロースアセテートを溶媒に分散・溶解させたとき、溶媒に分散・溶解したセルロースアセテートのうち0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、さらに好ましくは5〜15重量%を溶解する溶媒を用いるのが好ましい。0.1重量%未満であると、繰り返し洗浄しても低分子量成分を溶出できず、30重量%を超えると経済的でなく、工業的に効率よくセルロースアセテートを製造することが困難となる。
混合溶媒は、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒を30重量%以上70重量%以下含有することが好ましい。セルロースアセテートの必要以上の溶解を抑えて、低分子量成分を選択的に溶出させることが可能となるためである。
また、前記混合溶媒における溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒がアセトン、溶解度パラメーターδが14以上の溶媒が水である場合、アセトン及び水の混合割合が重量比で水/アセトン=30/70以上70/30以下であることが好ましく、水/アセトン=40/60以上60/40以下であることがより好ましい。
前記混合溶媒の使用量は、特に制限されず、広い範囲から選択でき、例えば、セルロースアセテート10重量部に対して、5重量部以上200重量部以下が好ましく、10重量部以上100重量部以下がより好ましく、75重量部以上95重量部以下が最も好ましい。
(d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程においては、当該分散を撹拌によって行うことが好ましい。また、当該撹拌の時間は、5分以上120分以下が好ましく、20分以上90以下がより好ましい。
[(e)スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程]
スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程について述べる。沈殿によって得られたセルロースアセテートを、スラリーとした後、例えば、ろ過及び遠心分離などにより溶媒とセルロースアセテートとを分離する方法など挙げられる。また、必要に応じて、低分子量成分の溶出効率を高めるため、加温又は加熱下、例えば、30℃〜溶媒沸点の範囲(例えば、40〜90℃程度)で行ってもよい。
溶媒による洗浄処理に供されたセルロースアセテートは、通常、ろ過、遠心分離などにより分離され、乾燥される。乾燥は、その方法としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、送風や減圧などの条件下乾燥を行うことができる。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥が挙げられる。
本開示の製造方法によれば、酢化度が52%以上59%以下であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布において、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率が12%以下であるセルロースアセテートを得ることができる。これは高いレベルで黄色性を解決してより優れた色相を有する透明性に優れたセルロースアセテートである。
[酢化度]
本開示の製造方法においては、セルロースアセテートの酢化度を、52%以上59%以下に調整するところ、酢化度の下限値としては、53%以上であることが好ましく、53.7%以上であることがより好ましく、54%以上であることがさらに好ましい。酢化度が52%未満であると、得られるセルロースアセテートを成形体とした場合に、成形体の寸法安定性、耐湿性、又は耐熱性などが低くなる。一方、酢化度の上限値としては、57%以下であることが好ましく、56%以下であることがより好ましく、55.5%以下であることがさらに好ましい。酢化度が59%を超えると、得られるセルロースアセテートを成形体とした場合に、成形体の強度に優れるが脆くなり、例えば、衣料用等の繊維材料、メガネやサングラスのフレーム等の成形品として用いる場合、これらの用途に適した伸度等のやわらかさを得るために可塑剤を大量に添加する必要が生じ、ブリードアウトを生じる可能性が高くなる。
ここで、酢化度とは、セルロース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
なお、上記の測定法に準じて求めた酢化度を下記式でアセチル置換度に換算することができる。これは、最も一般的なセルロースアセテートの置換度の求め方である。下記式によれば、例えば、酢化度52%はアセチル置換度で2.21、酢化度59%はアセチル置換度で2.71となる。
DS=162.14×AV×0.01/(60.052−42.037×AV×0.01)
DS:アセチル置換度
AV:酢化度(%)
[ゲルパーミエーションクロマトグラフィー]
本開示の製造方法によれば、得られるセルロースアセテートフレークについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布において、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率が12%以下にすることができるところ、その上限値は11.0%以下であることが好ましく、10.0%以下であることがより好ましく、9.0%以下であることがさらに好ましい。ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率が12%を超えると、セルロースアセテートの黄色味が強くなる傾向がある。一方、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率の下限値は1.0%以上であることが好ましく、4.0%以上であることがより好ましく、6.0%以上であることがさらに好ましい。ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率を1.0%未満にしようとすると、安定して製造することが難しくなる。また、4.0%未満とすると、色相の改善により得られる透明性が6.0%以上のものとそれほど異ならないにもかかわらず収率が低下する。
ここで、低分子量成分とは、セルロースアセテートのゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布において、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する成分をいう。ピークトップ分子量とは、示差屈折計による最大強度を有する分子量をいう。低分子量成分としては、例えば、当該セルロースアセテートの構成糖によるダイマー、トリマー、及びオリゴマー等の重合度の低い成分を挙げることができる。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布において、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布における全領域のピーク面積に対するピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有するピーク面積の割合をいう。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラム)は、横軸に分子量、縦軸にRI(示差屈折計による強度)をとるものである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量及び分子量分布の測定方法としては、以下のものが挙げられる。すなわち、N−メチル−2−ピロリドンに0.1mol/LとなるようにLiBr(臭化リチウム)を添加した溶液(以下「溶液A」という)にセルロースアセテートを溶解した溶液を、カラム接続したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(本体:(株)島津製作所製 HPLC Prominence+解析プログラム:Lab Solutions Ver.5.73)を用いて、55℃の温度でRI(示差屈折計)にて測定する。カラムは、ガードカラム(アジレント・テクノロジー(株)製 PolyPore GUARD サイズ50×7.5mm)と本カラム(前段カラム:アジレント・テクノロジー(株)製 PolyPore サイズ300×7.5mm、後段カラム:アジレント・テクノロジー(株)製 PolyPore サイズ300×7.5mm)から成る。また、使用(測定)条件は、移動相:溶液A、カラム温度:55℃にて行う。尚、ポリマーの分子量及び分子量分布の算出には、アジレント・テクノロジー(株)製のポリメチルメタクリレート(M−M−10セット)の既知の分子量と該セルロースアセテートのGPC測定値(Retention Time)との関係を用いる。このようにして得られるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラム)の一例を図1に示す。図1の横軸は、分子量、縦軸はRI(示差屈折計による強度)である。
[6%粘度]
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークは、6%粘度が30mPa・s以上200mPa・s以下であることが好ましい。また、6%粘度の下限値は40mPa・s以上であることがより好ましく、50mPa・s以上であることがさらに好ましく、60mPa・s以上であることが最も好ましい。6%粘度が30mPa・s未満であると、得られるセルロースアセテートを成形体にしようとする場合に、射出成型における流動性が高すぎ金型から洩れ出る可能性が高くなる。一方、6%粘度の上限値は180mPa・s以下であることがより好ましく、160mPa・s以下であることがさらに好ましく、140mPa・s以下であることが最も好ましい。6%粘度が200mPa・sを超えると、得られるセルロースアセテートを成形体にしようとする場合に、射出成型における流動性が低く成形体の表面平滑性が悪化する可能性がある。
6%粘度は、セルロースアセテートの製造における前述の酢化反応工程および加水分解(ケン化)反応工程における反応時間、触媒量、反応温度、反応温度を適宜調整することにより調整することができる。
ここで、6%粘度は、セルロースアセテートを95%アセトン水溶液に6wt/vol%となるよう溶解させ、オストワルド粘度計を用いた流化時間により求められるものである。
[重量平均分子量]
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークは、重量平均分子量が50,000以上500,000以下であることが好ましい。また、重量平均分子量の下限値は100,000以上であることがより好ましく、140,000以上であることがさらに好ましく、180,000以上であることが最も好ましい。重量平均分子量が50,000未満であると、得られるセルロースアセテートを成形体にしようとする場合に、射出成型における流動性が高すぎ金型から洩れ出る可能性が高くなる。一方、重量平均分子量の上限値は400,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることが更に好ましく、250,000以下であることが最も好ましい。重量平均分子量が500,000を超えると、得られるセルロースアセテートを成形体にしようとする場合に、射出成型における流動性が低く成形体の表面平滑性が悪化する可能性がある。
ここで、重量平均分子量(Mw)とは個々の分子にその分子量を掛けて加重平均をとった値であり、GPCで測定する。なお、数平均分子量(Mn)は単純な1分子あたりの平均値であり、GPCで測定する。
Mw/Mnの値が比較的大きい場合、つまり、分子量のばらつきが比較的大きい場合でも、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率が12%以下とすることでYI値と吸光度法色相が低く、透明性が優れるセルロースアセテートを得ることができる。
[構成糖比]
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークは、構成糖分析において、グルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量の和におけるグルコースのモル含量の割合が97%以上であることが好ましく、97.5%以上であることがより好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、98.5%以上であることが最も好ましい。グルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量の和におけるグルコースのモル含量の割合は97%未満であると、セルロースアセテートが黄色を帯びる傾向があるため望ましくない。
構成糖分析におけるグルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量の和におけるグルコースのモル含量の割合は以下の方法により求めることができる。
セルロースアセテートを硫酸によって加水分解し、炭酸バリウムによって中和し、ろ紙およびイオン交換フィルターによってろ過した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法のうち、HPLC−CADによって得られたデータからグルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量を算出し、グルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量の和におけるグルコースのモル含量の割合を求めることができる。
[成形体]
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークを成形して成形体としてもよい。成形方法としては、射出成形、押出成形、真空成形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形、ガス注入成形等が挙げられる。
当該成形体の形状は特に制限されないが、例えば、ペレット、フィルム、シート、ファイバーなどであってよい。これらは、OA・家電機器分野、電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動車等の輸送車両分野、家具・建材等の住宅関連分野、雑貨分野等において適した形状である。
成形体は、本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークと可塑剤を混合、乾燥して得られる可塑剤が吸着したセルロースアセテートを用いて製造してもよい。具体的には、例えば、可塑剤が吸着したセルロースアセテートを、一軸又は二軸押出機などの押出機で混練してペレットに調製する方法、加熱ロールやバンバリーミキサー等の混練機で溶融混練して調製する方法が挙げられる。また、ペレットに調製した後、例えば、T−ダイを装着した一軸または二軸押出機を用いて、再溶解し、フィルム等を成形してもよい。
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレークに可塑剤を混合する場合、セルロースアセテートと可塑剤との混合は、遊星ミル、ヘンシェルミキサー、振動ミル、ボールミルなどの混合機により行うことができる。短時間で均質な混合分散が可能であるため、ヘンシェルミキサーを用いることが好ましい。また、混合の程度は特に限定されるものではないが、例えば、ヘンシェルミキサーの場合、好ましくは10分〜1時間混合する。
また、セルロースアセテートと可塑剤の混合後、乾燥を行うことができる。乾燥方法としては、例えば、50〜105℃下で、1〜48時間静置して乾燥する方法が挙げられる。
可塑剤としては、例えば以下のものを挙げることができる。芳香族カルボン酸エステル[フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸ジC1−12アルキルエステル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸C1−6アルコキシC1−12アルキルエステル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸C1−12アルキル・アリール−C1−3アルキルエステル、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチレングリコレートなどのC1−6アルキルフタリルC2−4アルキレングリコレート、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルなどのトリメリット酸トリC1−12アルキルエステル、ピロメリット酸テトラオクチルなどのピロメリット酸テトラC1−12アルキルエステルなど];リン酸エステル[リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニルなど];脂肪酸エステル[アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブトキシエトキシエチル・ベンジル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチルなど];多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)の低級脂肪酸エステル[トリアセチン、ジグリセリンテトラアセテートなど];グリコールエステル(ジプロピレングリコールジベンゾエートなど);クエン酸エステル[クエン酸アセチルトリブチルなど];アミド類[N−ブチルベンゼンスルホンアミドなど];エステルオリゴマー(カプロラクトンオリゴマーなど)などを含有してもよい。これらの可塑剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの可塑剤の中でも、セルロースアセテートと相溶性が良いため、フタル酸ジエチル、リン酸トリフェニルまたはトリアセチンを用いることが好ましい。
本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレーク100重量部に対し、これらの可塑剤を40重量部程度まで添加しても、成形体の製造工程通過性の低下が生じにくい。成形体の製造工程通過性の低下の例としては、例えば、セルロースアセテートの成形体製造工程において、可塑剤を添加したセルロースアセテートをホッパーを用いて押出機に送る場合に、ホッパー内でブリッジが生じること等が挙げられる。本開示の製造方法により得られるセルロースアセテートフレーク100重量部に対し、可塑剤の添加量は、20〜40重量部が好ましく、24〜36重量部がより好ましく、26〜34重量部がさらに好ましい。可塑剤の添加量が、20重量部未満であると、成形体のスポット状の斑が生じやすくなり、40重量部を超えると、成形体の曲げ強さが低くなる。
セルロースアセテートと可塑剤の混合時に、成形体の用途・仕様に応じ、慣用の添加剤として、例えば、他の安定化剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、耐光安定剤など);着色剤(染料、顔料など);帯電防止剤;難燃助剤;滑剤;アンチブロッキング剤;分散剤;流動化剤;ドリッピング防止剤;抗菌剤などを含んでいてもよい。また、他のセルロースエステル(例えば、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどの無機酸エステル)や他の高分子などを併用してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりそ
の技術的範囲が限定されるものではない。
後述する実施例に記載の各物性は以下の方法で評価した。
<酢化度>
セルロースアセテートの酢化度は、ASTM−D−817−91(セルロースアセテートなどの試験方法)における酢化度の測定方法により求めた。乾燥したセルロースアセテート1.9gを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)150mlに溶解した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを添加し、25℃で2時間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法でブランク試験を行い、下記式に従って酢化度を算出した。
酢化度(%)=[6.5×(B−A)×F]/W
(式中、Aは試料での1N−硫酸の滴定量(ml)、Bはブランク試験での1N−硫酸の滴定量(ml)、Fは1N−硫酸の濃度ファクター、Wは試料の重量を示す)。
<6%粘度>
セルロースアセテートの6%粘度は、下記の方法で測定した。三角フラスコに乾燥試料3.00g、95%アセトン水溶液を39.90g入れ、密栓して約1.5時間攪拌した。その後、回転振盪機で約1時間振盪して完溶させた。得られた6wt/vol%の溶液を所定のオストワルド粘度計の標線まで移し、25±1℃で約15分間整温した。計時標線間の流下時間を測定し、次式(1)により6%粘度を算出した。
6%粘度(mPa・s)=流下時間(s)×粘度計係数 (1)
粘度計係数は、粘度計校正用標準液[昭和石油社製、商品名「JS−200」(JIS Z 8809に準拠)]を用いて上記と同様の操作で流下時間を測定し、次式(2)より求めた。
粘度計係数={標準液絶対粘度(mPa・s)×溶液の密度(0.827g/cm)}/{標準液の密度(g/cm)×標準液の流下秒数(s) (2)
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率>
セルロースアセテートの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率(%)は、下記条件を用いて、ゲルパーミエーションクロマトフラフィー(GPC)により求めた。
GPC測定条件
ガードカラム:PolyPore GUARD サイズ50×7.5mm(アジレント・テクノロジー株式会社)
カラム:PolyPore サイズ300×7.5mm×2本(アジレント・テクノロジー株式会社)
溶離液:NMP + 0.1M LiBr
サンプル濃度:0.50%w/v
注入量:50μL
カラム温度:55℃
流量:0.5mL/min
検出器:RI(示差屈折計)
装置:HPLC Prominence+解析プログラムLab Solutions Ver.5.73(株式会社島津製作所製)
標準試料:ポリメチルメタクリレート(M−M−10セット)(アジレント・テクノロジー株式会社)
<構成糖分析>
セルロースアセテートを硫酸によって加水分解し、炭酸バリウムによって中和し、ろ紙およびイオン交換フィルターによってろ過した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法のうち、HPLC−CAD(Agilent1200シリーズシステム)から得られたデータを用いて、グルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量を算出し、グルコース、キシロースおよびマンノースのモル含量の和におけるグルコースのモル含量の割合を求めた。
HPL−CADC測定条件は、以下のとおりである。
カラム:Asahipak NH2P−50 4E(4.6mmI.D.×250mm)
ガードカラム:Asahipak NH2P−50G 4A(4.6mmI.D.×10mm)
カラム温度:20℃
移動相:水/アセトニトリル=25/75(v/v)
移動相流速:1.0mL/min
検出器:CoronaPlus CAD検出器(ESA Biosciences製)
窒素ガス圧力:35psi
ネブライザー:30℃
<吸光度法色相>
セルロースアセテート濃度既知のDMSO溶液をサンプルとして調製し、波長λ=430nmの吸光度および波長740nmの吸光度をそれぞれ測定して吸光度の差を求め、さらにセルロースアセテート濃度を100%換算して得られた値を吸光度法色相とする。セルロースアセテートの吸光度法色相は、下記の方法で測定した。
(1)セルロースアセテートの含水率測定
赤外線水分計(METTLER TOLEDO HB43)を用いて、セルロースアセ
テートの含水率を測定し、記録用紙に記録した。
(2)吸光度の測定
まずサンプル調製を行った。1)三角フラスコにDMSO95.00gを計量した。2)三角フラスコにスターラー回転子を入れ、セロファン、シリコン栓をして攪拌した。3)セルロースアセテートサンプル5.00gを薬包紙等に計量し攪拌している三角フラスコ内に添加した。4)セロファン、シリコン栓をしてスターラーで1hr攪拌した。5)回転振盪機(高速)で2hr振盪した。6)回転振盪機から取り外した後30分間静置し脱泡し、サンプルを調製した。
次に、吸光度の測定を行った。サンプル調製後直ちに、つまり回転振盪機から取り外した後30分間静置し脱泡した後直ちに、島津製作所社製UV−1700にて波長λ=430nmおよび740nmの吸光度を測定した。具体的には、1)測定する30分以上前に装置の電源を入れ、装置が安定化したことを確認した。2)10cmガラスセルにレファレンス、ブランク液としてDMSOを入れベースライン補正を行った。3)三角フラスコ内のサンプルを気泡が発生しないように10cmガラスセルに移した。4)手前の測定側セルをサンプルが注入されたガラスセルに入れ替えた。5)スタートボタンを押して測定を開始した。6)表示された測定結果を記録用紙に記録した。
(3)吸光度法色相
以下の計算式で得られた数値をセルロースアセテートのその溶媒における「吸光度法色
相」値とした。
吸光度法色相(cm−1)=吸光度(A−B)/セル厚(cm)/セルロースアセテート
濃度(重量%)×100
吸光度:分光光度計 島津製作所社製UV−1700
A:430nmの吸光度(液の黄色味を測定)
B:740nmの吸光度(液の濁りを測定:ベースライン)
セルロースアセテート濃度(重量%):絶乾セルロースアセテート重量(g)/セルロー
スアセテート溶液全体重量(g)×100
絶乾セルロースアセテート重量(g):セルロースアセテートの重量(g)×(1−含水率(%)/100)
含水率(%):上記赤外線水分計で測定した値
波長430nmにおける吸光度法色相は、その値が小さいほどセルロースアセテートの黄色味が少なく、色相に優れることを意味する。
<比較例1>
αセルロース含量97.8wt%の針葉樹サルファイトパルプをディスクリファイナーで綿状に解砕し、解砕パルプを得た。100重量部の解砕パルプ(含水率8%)に26.8重量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後、前処理として60時間静置し活性化した(活性化工程)。
活性化したパルプを、323重量部の酢酸、245重量部の無水酢酸、13.1重量部の硫酸からなる混合物に加えた。当該混合物は予め5℃に冷却しておいた。40分を要して5℃から40℃の最高温度に調整し、パルプを混合物に加えた時点から90分間酢化した(酢化反応工程)。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量(熟成硫酸量)が2.5重量部に調整されるように3分間かけて添加した。さらに、水を添加し、反応浴水分(熟成水分)濃度を50mol%とした後、反応浴を65分かけて75℃に昇温した。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表わしたものに100を乗じてmol%で示した。その後、85℃で110分間熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースアセテートを含む反応混合物を得た(加水分解(ケン化)反応工程)。
得られたセルロースアセテートを含む反応混合物に希酢酸(10wt%)を二軸ニーダーを用いて練り込み、練込沈澱方式でセルロースアセテートを沈澱させた。このとき、セルロースアセテートを含む反応混合物に対し、3回に分け希酢酸を練り込んだ。セルロースアセテートを含む反応混合物に対し1回目に0.4倍量(重量比)の希酢酸(10wt%)を練り込み反応混合物が均一になった後、2回目に0.5倍量(重量比)、3回目に0.6倍量(重量比)、合計で1.5倍量(重量比)を添加した。希酢酸(10wt%)を3回目に0.6倍量(重量比)添加した際に沈澱が生じた。
沈澱したセルロースアセテートを水洗し、希水酸化カルシウム水溶液(20ppm)に浸漬した後、濾別し乾燥し、マキノ式粉砕機(槇野産業株式会社製、型番:DD−2−3.7)を用いて粉砕した。粉砕条件は、回転速度2450rpm、スクリーン径φ5.0mmとした。
この時点でのセルロースアセテートについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、構成糖比、吸光度法色相をそれぞれ測定した。酢化度は55.4%、6%粘度は113mPa・s、数平均分子量(Mn)は77643、重量平均分子量(Mw)は226566、吸光度法色相は0.144cm−1、構成糖比はグルコース98.5mol%、キシロース0.7mol%、及びマンノース0.8mol%であった.
このセルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加えた後、45℃で1時間撹拌してセルロースアセテートスラリーを得た。セルロースアセテートスラリーを布バッグ(三栄化工株式会社製、ポリエステル200T)でろ過した後、ろ物を蒸留水150重量部で洗浄、遠心脱水(回転数1000rpm、3分間)した。その後、80℃にて12時間乾燥しセルロースアセテートフレークを取得した。回収率は100%であった。なお、回収率は、洗浄に供したセルロースアセテートに対する回収率を重量比で示したものである。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<比較例2>
セルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート10重量部に25wt%酢酸水溶液90重量部を加えた以外は、比較例1と同様にして、セルロースアセテートフレークを取得した。回収率は100%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例1>
セルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート10重量部に35wt%酢酸水溶液90重量部を加えた以外は、比較例1と同様にして、セルロースアセテートフレークを取得した。回収率は99%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例2>
セルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート10重量部に50wt%酢酸水溶液90重量部を加えた以外は、比較例1と同様にして、セルロースアセテートフレークを取得した。回収率は96%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<比較例3>
セルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート10重量部に75wt%酢酸水溶液90重量部を加えた以外は、比較例1と同様にして、セルロースアセテートスラリーを得た。セルロースアセテートスラリーを布バッグ(三栄化工株式会社製、ポリエステル200T)でろ過したが、濾物が存在しなかった。よって、セルロースアセテートフレークの回収率は0%であった。
<実施例3>
セルロースアセテート10重量部に蒸留水90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート6重量部に50wt%アセトン水溶液83重量部を加え、ろ物を蒸留水150重量部で洗浄する工程に代えて、ろ物を蒸留水55重量部で洗浄した以外は、比較例1と同様にして、セルロースアセテートフレークを取得した。回収率は98%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例4>
αセルロース含量99.8wt%の綿花リンターパルプをディスクリファイナーで綿状に解砕し、解砕パルプを得た。100重量部の解砕パルプ(含水率8%)に18.3重量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後60時間静置し、その後38.2重量部の酢酸、1.2重量部の硫酸からなる混合物を噴霧し、良くかき混ぜてさらに1時間静置し活性化した(活性化工程)。
活性化したパルプを、334.5重量部の酢酸、241.7重量部の無水酢酸、11.9重量部の硫酸からなる混合物に加えた。当該混合物は予め5℃に冷却しておいた。43分を要して5℃から45℃の最高温度に調整し、パルプを混合物に加えた時点から110分間酢化した(酢化反応工程)。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量(熟成硫酸量)が2.0重量部に調整されるように3分間かけて添加した。さらに、水を添加し、反応浴水分(熟成水分)濃度を48mol%とした後、反応浴を65分かけて75℃に昇温した。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表わしたものに100を乗じてmol%で示した。その後、85℃で110分間熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースアセテートを含む反応混合物を得た(加水分解(ケン化)反応工程)。
得られたセルロースアセテートを含む反応混合物に希酢酸(10wt%)を二軸ニーダーを用いて練り込み、練込沈澱方式でセルロースアセテートを沈澱させた。このとき、セルロースアセテートを含む反応混合物に対し、3回に分け希酢酸を練り込んだ。セルロースアセテートを含む反応混合物に対し1回目に0.4倍量(重量比)の希酢酸(10wt%)を練り込み反応混合物が均一になった後、2回目に0.5倍量(重量比)、3回目に0.6倍量(重量比)、合計で1.5倍量(重量比)を添加した。希酢酸(10wt%)を3回目に0.6倍量(重量比)添加した際に沈澱が生じた。
沈澱したセルロースアセテートを水洗し、希水酸化カルシウム水溶液(20ppm)に浸漬した後、濾別し乾燥し、マキノ式粉砕機(槇野産業株式会社製、型番:DD−2−3.7)を用いて粉砕した。粉砕条件は、回転速度2450rpm、スクリーン径φ5.0mmとした。
この時点でのセルロースアセテートについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、構成糖比、吸光度法色相をそれぞれ測定した。酢化度は55.2%、6%粘度は114mPa・s、数平均分子量(Mn)は89173、重量平均分子量(Mw)は224222、吸光度法色相は0.080cm−1、構成糖比はグルコース99.8mol%及びキシロース0.2mol%であった。
このセルロースアセテート10重量部に35wt%酢酸水溶液90重量部を加えた後、45℃で1時間撹拌してセルロースアセテートスラリーを得た。セルロースアセテートスラリーを布バッグ(三栄化工株式会社製、ポリエステル200T)でろ過した後、ろ物を蒸留水150重量部で洗浄、遠心脱水(回転数1000rpm、3分間)した。その後、80℃にて12時間乾燥しセルロースアセテートを取得した。回収率は99%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例5>
セルロースアセテート10重量部に35wt%酢酸水溶液90重量部を加える工程に代えて、セルロースアセテート10重量部に50wt%酢酸水溶液90重量部を加えた以外は、実施例4と同様にして、セルロースアセテートフレークを取得した。回収率は96%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例6>
αセルロース含量99.6wt%の綿花リンターパルプをディスクリファイナーで綿状に解砕し、解砕パルプを得た。100重量部の解砕パルプ(含水率8%)に18.3重量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後60時間静置し、その後38.2重量部の酢酸、1.2重量部の硫酸からなる混合物を噴霧し、良くかき混ぜてさらに1時間静置し活性化した(活性化工程)。
活性化したパルプを、334.5重量部の酢酸、241.7重量部の無水酢酸、11.9重量部の硫酸からなる混合物に加えた。当該混合物は予め5℃に冷却しておいた。43分を要して5℃から45℃の最高温度に調整し、パルプを混合物に加えた時点から110分間酢化した(酢化反応工程)。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量(熟成硫酸量)が2.0重量部に調整されるように3分間かけて添加した。さらに、水を添加し、反応浴水分(熟成水分)濃度を52mol%とした後、反応浴を65分かけて75℃に昇温した。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表わしたものに100を乗じてmol%で示した。その後、85℃で110分間熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースアセテートを含む反応混合物を得た(加水分解(ケン化)反応工程)。
得られたセルロースアセテートを含む反応混合物に希酢酸(10wt%)を二軸ニーダーを用いて練り込み、練込沈澱方式でセルロースアセテートを沈澱させた。このとき、セルロースアセテートを含む反応混合物に対し、3回に分け希酢酸を練り込んだ。セルロースアセテートを含む反応混合物に対し1回目に0.4倍量(重量比)の希酢酸(10wt%)を練り込み反応混合物が均一になった後、2回目に0.5倍量(重量比)、3回目に0.6倍量(重量比)、合計で1.5倍量(重量比)を添加した。希酢酸(10wt%)を3回目に0.6倍量(重量比)添加した際に沈澱が生じた。
沈澱したセルロースアセテートを水洗し、希水酸化カルシウム水溶液(20ppm)に浸漬した後、濾別し乾燥し、マキノ式粉砕機(槇野産業株式会社製、型番:DD−2−3.7)を用いて粉砕した。粉砕条件は、回転速度2450rpm、スクリーン径φ5.0mmとした。
この時点でのセルロースアセテートについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、構成糖比、吸光度法色相をそれぞれ測定した。酢化度は55.3%、6%粘度は124mPa・s、数平均分子量(Mn)は105692、重量平均分子量(Mw)は238337、吸光度法色相は0.178cm−1、構成糖比はグルコース99.6mol%及びキシロース0.4mol%であった。
このセルロースアセテート10重量部に35wt%酢酸水溶液90重量部を加えた後、45℃で1時間撹拌してセルロースアセテートスラリーを得た。セルロースアセテートスラリーを布バッグ(三栄化工株式会社製、ポリエステル200T)でろ過した後、ろ物を蒸留水150重量部で洗浄、遠心脱水(回転数1000rpm、3分間)した。その後、80℃にて12時間乾燥しセルロースアセテートを取得した。回収率99%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
<実施例7>
αセルロース含量97.5wt%の針葉樹サルファイトパルプをディスクリファイナーで綿状に解砕し、解砕パルプを得た。100重量部の解砕パルプ(含水率8%)に26.8重量部の酢酸を噴霧し、良くかき混ぜた後、前処理として60時間静置し活性化した(活性化工程)。
活性化したパルプを、323重量部の酢酸、245重量部の無水酢酸、13.1重量部の硫酸からなる混合物に加えた。当該混合物は予め5℃に冷却しておいた。40分を要して5℃から47℃の最高温度に調整し、パルプを混合物に加えた時点から100分間酢化した(酢化反応工程)。中和剤(24%酢酸マグネシウム水溶液)を、硫酸量(熟成硫酸量)が2.5重量部に調整されるように3分間かけて添加した。さらに、、水を添加し、反応浴水分(熟成水分)濃度を38.6mol%とした後、反応浴を65分かけて75℃に昇温した。なお、熟成水分濃度は、反応浴水分の酢酸に対する割合をモル比で表わしたものに100を乗じてmol%で示した。その後、85℃で110分間熟成を行ない、酢酸マグネシウムで硫酸を中和することで熟成を停止し、セルロースアセテートを含む反応混合物を得た(加水分解(ケン化)反応工程)。
得られたセルロースアセテートを含む反応混合物に希酢酸(10wt%)を二軸ニーダーを用いて練り込み、練込沈澱方式でセルロースアセテートを沈澱させた。このとき、セルロースアセテートを含む反応混合物に対し、3回に分け希酢酸を練り込んだ。セルロースアセテートを含む反応混合物に対し1回目に0.4倍量(重量比)の希酢酸(10wt%)を練り込み反応混合物が均一になった後、2回目に0.5倍量(重量比)、3回目に0.6倍量(重量比)、合計で1.5倍量(重量比)を添加した。希酢酸(10wt%)を3回目に0.6倍量(重量比)添加した際に沈澱が生じた。
沈澱したセルロースアセテートを水洗し、希水酸化カルシウム水溶液(20ppm)に浸漬した後、濾別し乾燥し、マキノ式粉砕機(槇野産業株式会社製、型番:DD−2−3.7)を用いて粉砕した。粉砕条件は、回転速度2450rpm、スクリーン径φ5.0mmとした。
この時点でのセルロースアセテートについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、構成糖比、吸光度法色相をそれぞれ測定した。酢化度は55.1%、6%粘度は56mPa・s、数平均分子量(Mn)は66892、重量平均分子量(Mw)は181473、吸光度法色相0.103cm−1、構成糖比がグルコース97.6mol%、キシロース1.5mol%及びマンノース0.9mol%であった。
このセルロースアセテート6重量部に50wt%アセトン水溶液83重量部を加えた後、45℃で1時間撹拌してセルロースアセテートスラリーを得た。セルロースアセテートスラリーを布バッグ(三栄化工株式会社製、ポリエステル200T)でろ過した後、ろ物を蒸留水55重量部で洗浄、遠心脱水(回転数1000rpm、3分間)した。その後、80℃にて12時間乾燥しセルロースアセテート取得した。回収率は98%であった。
得られたセルロースアセテートフレークについて、酢化度、6%粘度、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピークトップ分子量の1/4以下の分子量を有する低分子量成分の含有率、吸光度法色相を測定した。結果は、表1に示した。
Figure 2018119052

実施例1〜7と比較例1〜3との対比から、本開示のセルロースアセテートフレークの製造方法によれば、吸光度法色相が低く、透明性が優れるセルロースアセテートを製造できることが確認された。

Claims (3)

  1. (a)酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程、
    (b)生成したセルロースアセテートを加水分解して酢化度を52%以上59%以下に調整する工程、
    (c)調整したセルロースアセテートを水の存在下で沈殿させる工程、
    (d)沈殿によって得られたセルロースアセテートを、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒及び溶解度パラメーターδが14以上の溶媒からなる混合溶媒に分散してスラリーとする工程、
    及び(e)スラリーからセルロースアセテートを分離してフレークとする工程を含み、
    前記混合溶媒は、溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒を30重量%以上70重量%以下含有する、
    セルロースアセテートフレークの製造方法。
  2. 前記混合溶媒における溶解度パラメーターδが8〜13の溶媒が、アセトンおよび酢酸からなる群より選択される少なくとも一種の溶媒である、請求項1に記載のセルロースアセテートフレークの製造方法。
  3. 前記混合溶媒における溶解度パラメーターδが14以上の溶媒が水である、請求項1または2に記載のセルロースアセテートフレークの製造方法。
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