JP2018118575A - 乗員保護装置 - Google Patents

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孝彰 二井
Takaaki Nii
孝彰 二井
藤澤 直樹
Naoki Fujisawa
直樹 藤澤
中村 真也
Shinya Nakamura
真也 中村
鈴木 裕之
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
大輝 金本
Daiki Kanemoto
大輝 金本
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Abstract

【課題】車両衝突時にコンソールボックスの開かれた状態の蓋に対するエアバッグや乗員の干渉を抑えることで乗員の保護性をより高める。
【解決手段】乗員保護装置には、コンソールボックスの上部に設けられた蓋の開閉動作に連動する開閉連動機構1と、車両衝突の検知時に作動するシートべルトプリテンショナーなどの作動装置37の動力を利用して、蓋の閉じ方向へ開閉連動機構1を作動させ、コンソールボックスの蓋を閉じる蓋閉部50とが設けられる。
【選択図】図3

Description

本件は、車両の乗員を保護する装置に関する。
乗員保護装置として、車両の衝突時に膨張して展開されるエアバッグが知られている。このエアバッグは、車両衝突時に乗員が移動しうる空間へ展開されることにより乗員を保護するための衝撃吸収体である。
たとえば、車幅方向に並んで設けられたセパレートシートどうしの間に展開されるエアバッグ(「フロントセンターエアバッグ」や「ファーサイドエアバッグ」とも称される)が開発されている。このエアバッグは、乗員を補助的に拘束することによって乗員保護性の向上を図る(特許文献1,2参照)。
特開2015-131586号公報 特開2016-74336号公報
しかしながら、セパレートシートどうしの間にコンソールボックスが配置されている場合には、コンソールボックスの蓋が上方に開かれているときに上述したエアバッグが展開されると、そのエアバッグと蓋が干渉する可能性がある。
また、上述したエアバッグを装備していない車両では、セパレートシートの乗員が車両衝突時にコンソールボックス側へ姿勢変化することで、コンソールボックスで開いた状態の蓋に乗員が接触する可能性がある。
よって、乗員の保護性を高めるうえで改善の余地がある。
本件の乗員保護装置は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、乗員の保護性を高めることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示する乗員保護装置には、コンソールボックスの上部に設けられた蓋の開閉動作に連動する開閉連動機構と、車両衝突時に前記蓋の閉じ方向へ前記開閉連動機構を作動させる蓋閉部とが設けられる。
前記蓋閉部は、車両衝突の検知時に作動する作動装置の動力を用いて、前記蓋の閉じ方向へ前記開閉連動機構を作動させる。
(2)また、前記蓋閉部には、車両衝突時に前記開閉連動機構と前記作動装置との間で動力を伝達させ、車両衝突時以外に前記開閉連動機構と前記作動装置との間での動力伝達を遮断する断接部が設けられることが好ましい。
(3)さらに、前記蓋閉部は、前記コンソールボックスに隣接するシートのシートベルトを車両衝突時に引き込むプリテンショナーの動力を前記作動装置の動力として利用することが好ましい。
(4)そのうえ、前記蓋閉部には、前記シートの位置調節にともなって移動するとともに前記プリテンショナーの動力で作動する第一作動部と、前記第一作動部と連動するとともに前記第一作動部の移動領域に亘って延設された第二作動部とが設けられることが好ましい。
(5)また、前記蓋閉部には、前記作動装置の作動に連動して前記蓋の閉じ方向へ回転する蓋閉ギヤが設けられることが好ましい。この場合の前記開閉連動機構には、前記蓋の開閉動作に連動するとともに前記蓋閉ギヤが車両衝突時に噛み合わせられる被噛合ギヤが設けられることが好ましい。
本件の乗員保護装置によれば、車両衝突時にコンソールボックスの蓋が閉鎖され、この蓋に対するエアバッグや乗員の干渉が抑えられる。よって、乗員の保護性をより高めることができる。
乗員保護装置の前提となる構成の概要を示す斜視図である。 乗員保護装置の前提となる構成の要部を模式的に示す正面図である。 一実施形態の乗員保護装置のうち要部を示す拡大斜視図である。
本件を実施するための形態を説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
下記の実施形態では、車両の乗員を保護する装置を説明する。この乗員保護装置は、コンソールボックスが設けられた車両に搭載され、コンソールボックスに隣接するシートに着座する乗員を保護対象とする。以下の説明では、保護対象の乗員が着座するシートとして、車幅方向に並んで設けられたセパレートシートを例示する。
なお、本実施形態では、車両の前進方向を前方(図面では矢印「F」で示す)とし、前方の反対方向を後方(図面では矢印「B」で示す)とする。また、重力の作用方向を下方(図面では矢印「D」で示す)とし、下方の反対方向を上方(図面では矢印「U」で示す)とする。さらに、前後方向および上下方向に直交する方向を車幅方向とする。この車幅方向については、前方を基準として左方(図面では矢印「L」で示す)および右方(図面では矢印「R」で示す)に細別する。たとえば、車幅方向の中央側は、車室の右側では左側であり、反対に、車室の左側では右側である。
まず、本件の乗員保護装置の前提構成を述べる。
〔A.前提構成〕
以下、図1および図2を参照して、乗員保護装置の前提となる構成のコンソールボックス2およびその周辺構成を説明する。
〈コンソールボックス〉
図1に示すように、コンソールボックス2は、セパレートシート30どうしの間でフロアパネル9と一体的に結合された箱状の内装品である。ここでは、車幅方向中央に配置されたコンソールボックス2を例示する。
このコンソールボックス2には、フロアパネル9に対して立設された壁部3と、壁部3の上端縁で囲まれる開口(上部開口)4を開閉するフラップ式の蓋5とが設けられている。開いた状態の蓋5は、壁部3から更に上方へ突出するように鉛直方向に延在する。閉じた状態の蓋5は、開口4を覆って水平方向に延在する。
この蓋5は、その開閉動作に応じて回動する枢軸6(図2参照)によって枢支される。なお、枢軸6は、蓋5が前後方向に延在する領域に亘って延設されていてもよいし、蓋5の前端部および後端部の各領域にだけ設けられていてもよい。
ここでは、両開き構造の蓋5を例示する。具体的には、一対の蓋5が車幅方向に並設され、回動する蓋5のそれぞれに車幅方向外側で前後に延びる軸心が設定される。すなわち、一対の蓋5が観音開き構造をなしている。以下、蓋5の左右を区別する場合には、左方の蓋5を「左蓋5L」と称するとともに、右方の蓋5を「右蓋5R」と称する。
さらに、コンソールボックス2には、蓋5の開閉動作と連動する開閉連動機構1が内蔵されている。開閉連動機構1は、後述する乗員保護装置を構成する一要素であり、車両の衝突時に蓋5が開いている場合に、後述する蓋閉部50,60とともに蓋5を閉鎖させる機能を持つ。言い換えると、開閉連動機構1は、車両衝突時以外の通常時にはその機能を発揮せず、乗員の手動操作によりコンソールボックス2の蓋5が開閉されると、この開閉動作を妨げないように連動する。
図2に示すように、開閉連動機構1にはギヤ機構が用いられている。ただし、開閉連動機構1の一部あるいは全部にリンク機構を用いてもよい。
本実施形態の蓋5は両開き構造であることから、開閉連動機構1には、左蓋5Lの開閉動作に連動する第一連動機構10と、右蓋5Rの開閉動作に連動する第二連動機構20とが設けられる。ここでは、第一連動機構10と第二連動機構20とが左右対称に配置されるとともに互いに同期して連動するように設けられている。つまり、開閉連動機構1は、左蓋5Lおよび右蓋5Rを同期して開閉させる開閉同期機構ともいえる。
第一連動機構10および第二連動機構20のそれぞれには、蓋5の枢軸6と一体に結合された回動ギヤ11,21と、各回動ギヤ11,21と噛合して反対方向に回転する反転ギヤ12,22と、二つの連動機構10,20を同期して連動させる同期ギヤ13,23とが設けられている。
これら六つのギヤ11,12,13,21,22,23(以下「ギヤ11等」という)は、コンソールボックス2の壁部3(図1参照)に固定された回転軸に対して双方向へ回転(回動)可能に軸支されている。なお、ここで例示するギヤ11等には、平歯車が用いられている。
各連動機構10,20では、各回動ギヤ11,21および各反転ギヤ12,22が互いに噛み合うように配置され、各反転ギヤ12,22および各同期ギヤ13,23も互いに噛み合うように配置されている。さらに、第一連動機構10の同期ギヤ13と第二連動機構20の同期ギヤ23とも互いに噛み合うように配置されている。ただし、連動機構10,20のそれぞれにおいて、各回動ギヤ11,21と各同期ギヤ13,23とは噛み合わないように配置される。
乗員の操作により蓋5が閉じられるときには、ギヤ11等のそれぞれが所定の方向に回転(作動)する。たとえば、前面視で、第一連動機構10の回動ギヤ11および同期ギヤ13は反時計回りに回転し、反転ギヤ12は時計回りに回転する。これと左右対称に配置された第二連動機構20は、回動ギヤ21および同期ギヤ23が時計回りに回転し、反転ギヤ22が反時計回りに回転する。このように、蓋5が閉じるときのギヤ11等のそれぞれの回転方向は予め決まっている。以下、「ギヤ11等のそれぞれの回転方向」を「開閉連動機構1の方向」といい、蓋5が閉じるときの開閉連動機構1の方向を「閉鎖方向」という。つまり、開閉連動機構1の閉鎖方向(所定方向)は、蓋5が閉じる方向(蓋5の閉じ方向)である。なお、蓋5が開けられるときには、開閉連動機構1の方向は、閉鎖方向とは反対方向となる。
ここでは、蓋5の枢軸6が前後方向に延びることから、枢軸6と一体に回転する回動ギヤ11,21が前後方向に延びる軸心まわりに回転する。同様に、反転ギヤ12,22および同期ギヤ13,23も前後方向に延びる軸心まわりに回転する。ギヤ11等は、車幅方向かつ上下方向に沿って配置されるとともに、同じ前後方向領域にそれぞれが配置されている。そのため、ギヤ11等を用いる開閉連動機構1は、図1中に破線で示すように、コンソールボックス2において車幅方向に沿って立設された壁部3(前壁部または後壁部)に内蔵される。
さらに、回動ギヤ11,21よりも反転ギヤ12,22が車幅方向中央側かつ下側に配置され、同様に、反転ギヤ12,22よりも同期ギヤ13,23が車幅方向中央側であって下側に配置されている。言い換えると、各蓋5からの開閉動力が伝達される方向の下流にむかうほど、車幅方向中央側であって下側へシフトしてギヤ11等が配置される。
このような開閉連動機構1が内蔵されるコンソールボックス2に対して左方および右方のそれぞれには、つぎに説明するセパレートシート30が設けられている。
〈セパレートシート〉
セパレートシート30とは、間隔をあけて並設された座席である。ここでいうセパレートシート30には、運転席や助手席のほか、後部座席のうちコンソールボックス2を挟んで隣り合う座席といったコンソールボックス2に隣接する座席が含まれる。
また、セパレートシート30は、位置調節可能に構成される。たとえば、乗員の操作によってセパレートシート30が前後にスライド移動される。
このセパレートシート30には、シートベルト34やこれを係脱するバックル35,シートベルト34のリトラクター(巻取装置,図示省略)といった基本的な安全装置が設けられていることがある。
そのうえ、二種の安全装置がセパレートシート30に配備されている。一方の安全装置は、セパレートシート30において乗員の背部を支持するシートバック31に内蔵されたエアバッグ装置36である。他方の安全装置は、シートベルト34を引き込むプリテンショナー(作動装置)37である。
エアバッグ装置36には、袋状のエアバッグ36aと、このエアバッグ36aにガスを供給して膨張展開させるインフレーター36bとが設けられている。インフレーター36bは、車両衝突時に入力される制御信号に応じて作動し、その作動時には火薬の燃焼などによって発生させたガスをエアバッグ36aに供給する。ガスが供給されたエアバッグ36aは、コンソールボックス2に対して上方の空間(セパレートシート30どうしの間)に膨張展開される。
たとえば、セパレートシート30が車室前方に設けられた座席(運転席や助手席)の場合には、車室の前方空間のうち車幅方向中央にエアバッグ36aが膨張展開される。このことから、本エアバッグ36aは「フロントセンターエアバッグ」とも称される。
また、車両の側面衝突時に発生する衝撃が入力される側に他のエアバッグ(いわゆる「サイドエアバッグ」)が展開される場合には、セパレートシート30の乗員に対して他のエアバッグが膨張展開される側とは反対側(衝撃が入力される側ではない遠い側)に本エアバッグ36aが膨張展開される。このことから、本エアバッグ36aは「ファーサイドエアバッグ」とも称される。
プリテンショナー37は、インフレーター36bと同様に、車両衝突時に入力される制御信号に応じて作動し、その作動時には火薬の燃焼などによってガスを発生させる。そのガスの動力でシートベルト34が引き込まれる。ただし、プリテンショナー37の動力に電力を用いてもよい。この場合には、シートベルト34を引き込むための電動モータがプリテンショナー37に設けられる。
ここでは、プリテンショナー37としてシートベルト34のバックル35を引き込むバックルプリテンショナーを例示する。このプリテンショナー37は、シートベルト34のバックル35に対して一体的に接続されており、セパレートシート30の位置調節にともなってその前後位置が変動する。また、プリテンショナー37は、シートベルト34のバックル35よりも下方に配置されている。ただし、プリテンショナー37として、シートベルト34のリトラクターを引き込むリトラクタープリテンショナーを用いてもよい。
上述したエアバッグ装置36やプリテンショナー37といった安全装置は、CAN(Controller Area Network)やFlexRayといった車載ネットワークの通信ライン39に接続されている。この通信ライン39には、安全装置を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit,ECU)40や各種のセンサー41といったさまざまな車載機器が情報伝達可能に接続されている。
なお、電子制御装置40は、マイクロプロセッサやROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などを集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。
この電子制御装置40は、車両の衝突を検知する加速度センサー(Gセンサー)などのセンサー41からの情報に基づいて、各種の安全装置を制御する。たとえば、センサー41から車両衝突の検知信号が送信された電子制御装置40は、エアバッグ装置36のインフレーター36bを作動させる制御信号やプリテンショナー37を作動させる制御信号を出力する。そして、制御信号に応じてインフレーター36bやプリテンショナー37が作動することで、エアバッグ36aが膨張展開し、シートベルト34が引き込まれる。
〔B.一実施形態〕
つづいて、上述した前提構成に加えて、閉鎖方向へ開閉連動機構1を作動させる乗員保護装置の一実施形態で説明する。この実施形態で説明する乗員保護装置は、車両が側面衝突(以下「側突」と略称する)した際にコンソールボックス2の蓋5を閉鎖させる。
まず、図3を参照して、一実施形態の乗員保護装置を詳述する。
[B−1.構成]
本実施形態の乗員保護装置には、上述した開閉連動機構1と、車両側突の検知時に作動する装置の動力を用いて開閉連動機構1を閉鎖方向へ作動させる蓋閉部50とが設けられる。蓋閉部50は、車両衝突時に蓋5が開いている場合に、開閉連動機構1とともに蓋5を閉鎖させる機能を持つ。
ここでは、蓋閉部50の動力源に用いられる作動装置として、プリテンショナー37を例示する。すなわち、プリテンショナー37の動力は、本来の目的であるシートベルト34の引き込みのほかに、コンソールボックス2の蓋5を閉鎖させるという他の目的にも用いられる。そのため、蓋閉部50は、プリテンショナー37の動力を利用してコンソールボックス2の蓋5を閉鎖させる機構とも言える。
本実施形態の蓋閉部50は、開閉連動機構1の各連動機構10,20と連動する一対のラックアンドピニオン機構14,24と、一方のラックアンドピニオン機構14と連動するスプールギヤ(蓋閉ギヤ,第一作動部)51と、一方のラックアンドピニオン機構14とスプールギヤ51との間の動力伝達を断接する断接機構(断接部)52とを有する。
本実施形態では、一対のラックアンドピニオン機構14,24は互いに左右対称であって、基本的に同様の構成を有する。この蓋閉部50では、スプールギヤ51および断接機構52が第一連動機構10側に設けられていることから、下記の説明では蓋閉部50の第一連動機構10側に着目して説明する。
〈ラックアンドピニオン機構〉
ラックアンドピニオン機構14には、ラックギヤ15およびピニオンギヤ(被噛合ギヤ,第二作動部)16が設けられている。
ラックギヤ15は、ピニオンギヤ16に噛み合うほか、開閉連動機構1の第一連動機構10においてコンソールボックス2の蓋5の開閉動作に連動するギヤ11,12,13の少なくとも一つと噛み合うように配置される。ここでのラックギヤ15は、反転ギヤ12および同期ギヤ13と噛み合っており、反転ギヤ12と同期ギヤ13とがラックギヤ15を介して噛み合うように、反転ギヤ12と同期ギヤ13との間に介装されている。このラックギヤ15は、上下に延在するように配置される。
ピニオンギヤ16は、ラックギヤ15に対して車幅方向外側であって反転ギヤ12に対して下方に配置される。このピニオンギヤ16は、ラックギヤ15に対して車幅方向内側の同期ギヤ13に対しても下方に配置される。
このように、車幅方向外側で上下に配置された反転ギヤ12およびピニオンギヤ16と車幅方向内側で反転ギヤ12よりも下方かつピニオンギヤ16よりも上方に配置された同期ギヤ13とにラックギヤ15が挟まれている。そのため、ラックギヤ15は支持部材なしで往復動可能である。
上記したピニオンギヤ16は、つぎに説明するスプールギヤ51が軸方向に移動しうる領域(移動領域)に亘って延設されている。ただし、第二連動機構20のピニオンギヤ26は、ラックギヤ25との噛み合いに必要な軸方向寸法が確保されていればよく、第一連動機構10のピニオンギヤ16のように軸方向に延設されていなくてもよい。図3では、軸方向寸法がギヤ11等と同等に設定されたピニオンギヤ26を例示している。
〈スプールギヤ〉
スプールギヤ51は、回転軸53に対して回転自在に設けられ、ワイヤや紐などの動力伝達線59でプリテンショナー37に接続されている。
このスプールギヤ51は、回転軸53の軸方向(前後方向)の各端部に設けられたフランジ部51aと、これらのフランジ部51aの間で動力伝達線59が巻き回されたスプール部51bとを有する。
フランジ部51aの外周部には、ピニオンギヤ16に噛合可能な歯部が設けられている。スプール部51bに巻回される動力伝達線59は、車両側突時にスプールギヤ51を回転させる動力伝達部材である。この動力伝達線59は、プリテンショナー37の作動時に引き込まれ(白抜きの矢印で示す)、スプールギヤ51が開閉連動機構1を閉鎖方向に作動させる方向(黒塗りの矢印で示す)に回転するように巻回されている。
また、スプールギヤ51は、動力伝達線59を介してプリテンショナー37と一体的に接続されており、プリテンショナー37と同様に、セパレートシート30の位置調節にともなってその前後位置が変動する。そこで、スプールギヤ51は、回転軸53に対して回転自在であるだけでなく、前後方向へ摺動可能に軸支される。この回転軸53は、つぎに説明する断接機構52に含まれる。
〈断接機構〉
断接機構52は、車両側突時以外にはラックアンドピニオン機構14とスプールギヤ51とを連動させずに動力伝達を遮断し、車両側突時にはラックアンドピニオン機構14とスプールギヤ51とを連動させて動力伝達する。断接機構52は、ピニオンギヤ16に対して側突時以外には噛み合っていないスプールギヤ51を側突時に噛み合わせることで動力を伝達させるメカニカル機構である。
この断接機構52には、スプールギヤ51の回転軸53のほか、この回転軸53を回動自在に支持する支持機構54が設けられている。
回転軸53は、ピニオンギヤ16と同様に、スプールギヤ51の移動しうる領域に延設されている。この回転軸53は、軸支するスプールギヤ51がその上方のピニオンギヤ16に当接して噛み合うことで回動範囲の上限が制限され、支持機構54で回動範囲の下限が制限される。
支持機構54には、回転軸53と一体的に結合されたアーム部54aと、アーム部54aを回動自在に支持する回動軸54bと、アーム部54aの回動範囲のうち下限を制限する制限部54cとが設けられている。
アーム部54aは、その回動軸54bに対して車幅方向内側かつ上方にスプールギヤ51の回転軸53を接続するように結合される。
制限部54cは、アーム部54aの下方への回動を制限する部材である。たとえば、コンソールボックス2の壁部3から突設された制限部54cに上方からアーム部54aが自重で当接することで、アーム部54aの下方への回動が制限される。
アーム部54aが回動範囲の下限に位置するときには、このアーム部54aに結合された回転軸53に軸支されるスプールギヤ51がピニオンギヤ16に対して離隔しており、スプールギヤ51とピニオンギヤ16とは噛み合わない。一方、アーム部54aが回動範囲の上限に位置するときには、このアーム部54aに結合された回転軸53に軸支されるスプールギヤ51がピニオンギヤ16に対して近接し、スプールギヤ51とピニオンギヤ16とが噛み合う。
ここでのアーム部54aは、回動範囲の下限に位置するときに前面視で十時の方向に延在し、回動範囲の上限に位置するときに前面視で十一時の方向に延在する。ただし、回転軸53の回動範囲は、回動軸54bに対して車幅方向内側かつ上方(前面視で九時の位置と十二時との間)の範囲であればよい。
このように構成された断接機構52では、車両側突時におけるスプールギヤ51の慣性や動力伝達線59の引き込みによって、スプールギヤ51に対して車幅方向外側へ向かう外力が作用する。この外力は、支持機構54において、スプールギヤ51およびその回転軸53を車幅方向外側かつ上方へ移動させる回動力に変換される。これにより、支持機構54のアーム部54aが回動範囲の上限に移動する。
このようにして、断接機構52は、車両側突時以外にはピニオンギヤ16に対してスプールギヤ51を離隔させて噛み合わない状態にし、車両側突時にはピニオンギヤ16に対してスプールギヤ51を近接させて噛み合う状態にする。
[B−2.作用および効果]
本実施形態の乗員保護装置は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)車両側突の検知時には、プリテンショナー37が作動して動力伝達線59が引き込まれ、この動力伝達線59が巻回されたスプールギヤ51が回転する。この回転力は、スプールギヤ51からラックアンドピニオン機構14を介して開閉連動機構1に伝達され、開閉連動機構1を閉鎖方向に作動させる。したがって、車両側突の検知時に作動するプリテンショナー37の動力を用いてコンソールボックス2の蓋5を閉鎖させることができる。そのため、コンソールボックス2の蓋5に対するエアバッグ36aや乗員の干渉を抑えることができる。よって、乗員の保護性をより高めることができる。
(2)上述した乗員保護装置の断接機構52は、車両側突時以外にはスプールギヤ51がピニオンギヤ16に対して噛み合わない状態とし、車両側突時にはスプールギヤ51がピニオンギヤ16に対して噛み合う状態とする。そのため、車両側突時以外には、コンソールボックス2の蓋5の開閉動作にスプールギヤ51が連動しないようにすることができる。
仮に、ピニオンギヤ16とスプールギヤ51とが常に噛み合う場合には、コンソールボックス2の蓋5が開閉するたびにスプールギヤ51が連動して回動するため、スプールギヤ51に巻回された動力伝達線59のゆるみやたるみを招きうる。しかしながら、上述した乗員保護装置では、断接機構52により、車両側突時以外では蓋5の開閉動作とスプールギヤ51とが連動しないようになっているため、スプールギヤ51に巻回された動力伝達線59のゆるみやたるみを防ぐことができる。これにより、車両側突時にスプールギヤ51を回転させることができ、コンソールボックス2の蓋5を閉鎖させることができる。
(3)また、蓋閉部50は、プリテンショナー37の動力を利用してコンソールボックス2の蓋5を閉鎖させるため、コンソールボックス2の蓋5を閉じるのに専用の動力源を設ける必要がない。よって、構造の簡素化に寄与する。
(4)そのうえ、ピニオンギヤ16がスプールギヤ51の移動しうる領域に亘って延設されているため、セパレートシート30の位置調節にともなってスプールギヤ51の位置が前後に変動したとしても、このスプールギヤ51とピニオンギヤ16とを噛み合わせることができる。
(5)さらに、車両側突時には、プリテンショナー37の作動に連動して、開閉連動機構1を閉鎖方向へ作動させる方向に回転するスプールギヤ51がピニオンギヤ16に噛み合わせられる。そのため、プリテンショナー37の動力を、スプールギヤ51,ピニオンギヤ16,ラックギヤ15,25およびギヤ11等の回転運動や並進運動に変換して、コンソールボックス2の蓋5を閉じる動力に用いることができる。
(6)そのほか、ラックギヤ15が上下に延在するため、ラックギヤ15に噛み合うピニオンギヤ16やこれに噛み合うスプールギヤ51を簡素な構成で下方に配置することができる。このようにプリテンショナー37の動力が入力される箇所を下方に配置することで、シートベルト34のバックル35よりも下方に配置されたプリテンショナー37に接続される動力伝達線59の取り回し性を向上させることができる。
〔C.変形例〕
最後に、上述した実施形態のその他の変形例について述べる。
一実施形態の乗員保護装置に関し、作動装置はプリテンショナーに限られず、コンソールボックスの蓋を閉じる機能を持った専用の電動モータやアクチュエータであってもよい。この場合には、動力伝達線の配線作業や断接機構を省略することができる。
また、車両側突時にスプールギヤをピニオンギヤへ確実に噛み合わせるために、動力伝達線を増設してもよい。たとえば、スプールギヤの回転軸やアーム部に動力伝達線を結合し、この動力伝達線が車両側突時に引っ張られることによって、回転軸およびこれに軸支されたスプールギヤを強制的にピニオンギヤへ噛み合わせてもよい。
そのほか、コンソールボックスの蓋は、左右に並設されるものに限られず、前後に並設されてもよい。一方、コンソールボックスの蓋は、両開き構造に限られず、片開き構造(すなわち一つの蓋)であってもよい。この場合には、開閉連動機構の構造を簡素化することができる。
コンソールボックスの蓋が前後に並設される場合には、ベベルギヤあるいはウォームギヤといった動力の伝達方向を変換する機構(変換機構)を開閉連動機構や蓋閉部に用いることが好ましい。このような変換機構を用いることで、作動装置の動力が伝達される方向を任意の箇所で変換することができる。よって、コンソールボックスの蓋を閉鎖させることができる。さらに、開閉連動機構や蓋閉部における各ギヤの設計自由度を向上させることができる。
なお、上述した乗員保護装置は、車両の側突時のほか、前面衝突時や後面衝突時といった他の形態の衝突時にコンソールボックスの蓋を閉鎖させてもよい。
1 開閉連動機構(開閉同期機構)
2 コンソールボックス
3 壁部
4 開口
5 蓋
6 枢軸
10 第一連動機構
11 回動ギヤ
12 反転ギヤ
13 同期ギヤ
14 ラックアンドピニオン機構
15 ラックギヤ
16 ピニオンギヤ(被噛合ギヤ,第二作動部)
30 セパレートシート(車載装備品)
34 シートベルト
35 バックル
36 エアバッグ装置
36a エアバッグ
37 プリテンショナー(作動装置)
40 電子制御装置
41 センサー
50 蓋閉部
51 スプールギヤ(蓋閉ギヤ,第一作動部)
52 断接機構(断接部)
53 回転軸
54 支持機構
54a アーム部
54b 回動軸
54c 制限部
59 動力伝達線(動力伝達部材)

Claims (5)

  1. コンソールボックスの上部に設けられた蓋の開閉動作に連動する開閉連動機構と、
    車両衝突の検知時に作動する作動装置の動力を用いて、前記蓋の閉じ方向へ前記開閉連動機構を作動させる蓋閉部と
    を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記蓋閉部は、車両衝突時に前記開閉連動機構と前記作動装置との間で動力を伝達させ、車両衝突時以外に前記開閉連動機構と前記作動装置との間での動力伝達を遮断する断接部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載された乗員保護装置。
  3. 前記蓋閉部は、前記コンソールボックスに隣接するシートのシートベルトを車両衝突時に引き込むプリテンショナーの動力を前記作動装置の動力として利用する
    ことを特徴とする請求項2に記載された乗員保護装置。
  4. 前記蓋閉部は、前記シートの位置調節にともなって移動するとともに前記プリテンショナーの動力で作動する第一作動部と、前記第一作動部と連動するとともに前記第一作動部の移動領域に亘って延設された第二作動部とを有する
    ことを特徴とする請求項3に記載された乗員保護装置。
  5. 前記蓋閉部は、前記作動装置の作動に連動して前記蓋の閉じ方向へ回転する蓋閉ギヤを有し、
    前記開閉連動機構は、前記蓋の開閉動作に連動するとともに前記蓋閉ギヤが車両衝突時に噛み合わせられる被噛合ギヤを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載された乗員保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113119868A (zh) * 2020-01-10 2021-07-16 上海汽车集团股份有限公司 一种车辆扶手箱装置

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