JP2018115251A - 粘着体 - Google Patents

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JP2018115251A
JP2018115251A JP2017006211A JP2017006211A JP2018115251A JP 2018115251 A JP2018115251 A JP 2018115251A JP 2017006211 A JP2017006211 A JP 2017006211A JP 2017006211 A JP2017006211 A JP 2017006211A JP 2018115251 A JP2018115251 A JP 2018115251A
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実希 加茂
Miki Kamo
実希 加茂
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Abstract

【課題】被着体を好適に保護することができ、被着体からの剥離時における帯電の防止性に優れるとともに、被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生も効果的に防止することができる再剥離型の粘着体を提供すること。【解決手段】本発明の粘着体は、基材と、ウレタン樹脂および下記式(1)で示される帯電防止剤としての化合物Aを含む材料で構成された再剥離型の粘着剤層とを備える。【化1】(ただし、式(1)中、Mは、NH4またはアルカリ金属原子、Rf1、Rf2は、それぞれ独立に水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子であるか、互いに結合しRf1およびRf2が一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、粘着体に関する。
各種の部材の表面を保護するための表面保護フィルムが広く用いられている。特に、工業製品においては、製造、組立、検査、輸送等の際に被着体の表面を保護し、表面保護の必要がなくなった時点で、被着体から剥離される再剥離型の表面保護フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような表面保護フィルムは、工業製品の製造工程から、組立工程、検査工程、輸送工程等を経て、最終出荷されるまで、同じ表面保護フィルムを使用し続けるケースが多くなってきている。この場合、このような表面保護フィルムは、各工程において、手作業によって貼着、剥離、再貼着される場合が多い。
ところで、被着体から表面保護フィルムを剥離する際に、静電気を発生することがあった。このように静電気が発生すると、被着体の表面に埃等が付着しやすくなったり、被着体の種類等によっては、故障等の欠陥の原因になることもあった。より具体的には、例えば、液晶パネルのような光学部材においては、静電気が発生し、静電気が残ったままの状態で液晶に電圧を印加すると、液晶分子の配向が損失したり、パネルの欠損が生じたりする場合があった。また、上記のような問題の発生を防止する目的で、表面保護フィルムに帯電防止剤を含ませることも考えられるが、このような場合、被着体に帯電防止剤が移行して曇りを生じるという問題があった。
特開2006−182795号公報
本発明の目的は、被着体を好適に保護することができ、被着体からの剥離時における帯電の防止性に優れるとともに、被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生も効果的に防止することができる再剥離型の粘着体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)に記載の本発明により達成される。
(1) 基材と、
ウレタン樹脂および下記式(1)で示される帯電防止剤としての化合物Aを含む材料で構成された再剥離型の粘着剤層とを備えることを特徴とする粘着体。
Figure 2018115251
(ただし、式(1)中、Mは、NHまたはアルカリ金属原子であり、Rf、Rfは、それぞれ独立に水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子であるか、または、互いに結合しRfおよびRfが一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である。)
(2) 前記粘着剤層中の全固形分に対する前記化合物Aの含有率は、0.001質量%以上10質量%以下である上記(1)に記載の粘着体。
(3) 前記粘着剤層中の全固形分に対する前記ウレタン樹脂の含有率は、70質量%以上99.999質量%以下である上記(1)または(2)に記載の粘着体。
(4) 前記粘着剤層の厚さが、1μm以上100μm以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の粘着体。
(5) 前記粘着剤層の表面抵抗率が、1×10Ω/sq以上5×1013Ω/sq未満である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の粘着体。
(6) 前記粘着剤層中に、前記化合物Aは、錯形成した状態で含まれる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の粘着体。
(7) 前記粘着剤層は、テトラグライムを含むものである上記(6)に記載の粘着体。
(8) 前記化合物A:100質量部に対する前記テトラグライムの含有量が、40質量部以上240質量部以下である上記(7)に記載の粘着体。
本発明によれば、被着体を好適に保護することができ、被着体からの剥離時における帯電の防止性に優れるとともに、被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生も効果的に防止することができる再剥離型の粘着体を提供することができる。
本発明の粘着体の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[再剥離型粘着剤組成物]
まず、本発明の粘着体の製造に好適に用いることができる再剥離型粘着剤組成物について説明する。
本発明において、「再剥離型」とは、被着体に貼着した後に当該被着体から剥離する形態で用いられるもののことを指す。
本発明の粘着体の製造に用いる本実施形態の再剥離型粘着剤組成物は、ウレタン樹脂と、下記式(1)で示される化合物Aとを含むものである。
Figure 2018115251
(ただし、式(1)中、Mは、NHまたはアルカリ金属原子であり、Rf、Rfは、それぞれ独立に水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子であるか、または、互いに結合しRfおよびRfが一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である。)
このように、ウレタン樹脂を含むことにより、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体(例えば、粘着フィルム)を被着体から剥離する際の糊残りの問題の発生を効果的に防止することができるとともに、粘着体を被着体に貼着する際において、気泡の混入等を効果的に防止することができ、被着体との密着性、被着体への形状追従性等を優れたものとすることができる。
また、式(1)で示される化合物Aを含むことにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生を効果的に防止することができる。
また、化合物Aは、通常の環境下(例えば、23℃、大気圧下)において、単体で固体状をなすものである。このような化合物Aを含むことにより、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体を被着体に貼着した際等における帯電防止剤の被着体への移行の問題を効果的に防止することができる。
また、ウレタン樹脂とともに化合物Aを含むことにより、以下のような効果が得られる。
すなわち、ウレタン樹脂と化合物Aは、親和性に優れているため、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層中における組成の不本意なばらつきを効果的に防止することかでき、各部位で安定的な特性を確実に発揮させることができる。また、再剥離型粘着剤組成物の調製時において、容易かつ確実に混合することができ、気泡の混入を効果的に防止することができる。その結果、再剥離型粘着剤組成物や粘着体の信頼性(例えば、被着体からの剥離時や粘着体の摩擦時等における帯電防止性や、基材と粘着剤層との密着性等)を優れたものとすることができる。
このような優れた効果は、ウレタン樹脂の代わりに他の粘着剤を用いた場合や、化合物Aの代わりに他の帯電防止剤を用いた場合には得られない。
例えば、ウレタン樹脂の代わりに、他の粘着剤を用いた場合、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体(例えば、粘着フィルム)を被着体から剥離する際の糊残りの問題の発生を十分に防止したり、被着体との密着性、被着体への形状追従性等を十分に優れたものとすることが困難になる。
また、化合物Aの代わりに他の帯電防止剤を用いた場合には、ウレタン樹脂(粘着剤)との親和性を十分に優れたものとすることができず、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層中における組成の不本意なばらつきを生じ、各部位で安定的な特性を発揮させることが困難となる。また、再剥離型粘着剤組成物の調製時において、気泡の混入が生じやすくなり、再剥離型粘着剤組成物の生産性、再剥離型粘着剤組成物や粘着体の信頼性を十分に優れたものとすることが困難になる。また、化合物Aの代わりにイオン液体のような通常の環境下(例えば、23℃、大気圧下)において単体で液状をなすものを用いた場合、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体を被着体に貼着した際等におけるブリードアウトの問題を生じやすくなる。
<ウレタン樹脂>
ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを構成成分として含む高分子材料である。
特に、再剥離型粘着剤組成物は、ウレタン樹脂として、ポリエーテルポリオール(a)と、ポリイソシアネート化合物(b)とを含有するOH末端ポリウレタンを含むものであるのが好ましい。以下、上記OH末端ポリウレタンについて詳細に説明する。
OH末端ポリウレタンに含まれるポリエーテルポリオール(a)としては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール、ビスフェノールAをはじめとするビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼンを開始剤として用いて、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させることにより得られるポリエーテルポリオール、具体的にはポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエーテルポリオール(a)の一分子当たりの平均官能基数は2.2以上3.4以下であるのが好ましく、2.3以上3.3以下であるのがより好ましく、2.4以上3.2以下であるのがさらに好ましい。
ポリエーテルポリオール(a)の一分子当たりの平均官能基数は、JIS−K0070に準拠し、アセチル化試薬として無水酢酸を用いた中和滴定法によって得られたOH価(KOHmg/g)と、ゲルパーミエションクロマトグラフィ法(GPC法)によって求めたポリエーテルポリオール(a)の数平均分子量(Mn)とから求めることができる。GPC法によるMnは、例えば、臭化リチウムのジメチルホルムアミド溶液(50mM濃度)を溶媒として、80℃で測定し、ポリスチレン換算で求めることができる。
ポリエーテルポリオール(a)の数平均分子量(Mn)は、300以上7000以下であるのが好ましく、350以上6000以下であるのがより好ましい。
より好ましいポリエーテルポリオール(a)は、数平均分子量700以上3000以下のポリエーテルジオールと、数平均分子量300以上7000以下のポリエーテルトリオールとの混合物であり、中でも、ポリエーテルジオールが2官能ポリプロピレングリコール(a1)であり、ポリエーテルトリオールが3官能ポリプロピレングリコール(a2)である組み合わせが特に好ましい。
2官能ポリプロピレングリコール(a1)の数平均分子量は、700以上3000以下であるのが好ましく、800以上3000以下であるのがより好ましく、900以上2000以下であるのがさらに好ましい。
3官能ポリプロピレングリコール(a2)の数平均分子量は、300以上7000以下であるのが好ましい。
2官能ポリプロピレングリコール(a1)の3官能ポリプロピレングリコール(a2)に対する配合比(モル比)は、0/100以上50/50以下であるのが好ましく、0/100以上43/57以下であるのがより好ましい。
ポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメリックMDI等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4,5,6−テトラメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート、2−メチル−1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルエーテルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、粘着物性や入手の容易さから、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が特に好ましい。
また、上記の2官能イソシアネートと活性水素化合物を反応させてなるイソシアネート末端の生成物も、ポリイソシアネート化合物(b)として好適に用いることができる。活性水素化合物としては、例えば、ジオール化合物、トリオール化合物、テトラオール化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物、アミノアルコール類等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、ピナコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール、ノルボルネンジオール、ノルボルネンジメタノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒドロベンゾイン、1,2−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。
トリオール化合物としては、例えば、グリセロール、1,3,5−ペンタントリオール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−シクロヘキサントリオール、ベンゼントリオール、ダイスラノール1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
テトラオール化合物としては、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール、スレイトール、フコース、リボース、アラビノース、キシロース、リクソース等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、4,4’−ビピペリジン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、3−アミノピロリジン、3−アミノピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、1,2−ジアニリノエタン、フェニレンジアミン、トリジン、2,2’、6,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジエトルトルエンジアミン、4,4’−ビス(sec−ブチルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
トリアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、スペルミジン、2,4,6−トリメチルトリアジン、1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリアザシクロドデセン等が挙げられる。
アミノアルコール類としては、例えば、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−1−シクロペンタンメタノール、2−アミノシクロヘキサノール、4−アミノシクロヘキサノール、1−アミノメチル−1−シクロヘキサノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、セリノール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、ペントロール、3−ピロリジノール、2−ピロリジンメタノール、2−ピペリジンメタノール、3−ピペリジンメタノール、3−ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、ピペラジンエタノール、アミノフェノール等が挙げられる。
また、上記の2官能のイソシアネート化合物を水の存在下、または不在下に多量化させてなる生成物も、ポリイソシアネート化合物(b)として用いることができる。水の存在下に多量化させてなる生成物としては、例えば、ウレア化合物、ビュレット化合物等が挙げられる。また水の不在下に多量化させてなる化合物としては、例えば、イソシアヌレート化合物、ウレトジオン化合物、カルボジイミド化合物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a)のポリイソシアネート化合物(b)に対する配合比(モル比)は、85/15以上40/60以下であるのが好ましく、80/20以上53/47以下であるのがより好ましい。
ポリエーテルポリオール(a)とポリイソシアネート化合物(b)との重合反応は、一般に触媒(c)を用いて行う。
触媒(c)としては、例えば、3級アミン化合物、有機金属化合物等が挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、ウロトロピン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジブロマイド、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジオクチル錫サルファイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫ブロマイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリブチル錫トリクロロアセテート、トリブチル錫トリフレート、トリブチル錫サルファイド、トリオクチル錫クロライド、トリオクチル錫ブロマイド、トリオクチル錫オキサイド、トリオクチル錫アセテート、トリオクチル錫トリクロロアセテート、トリオクチル錫トリフレート、トリオクチル錫サルファイド、錫ジクロライド、錫ジブロマイド、2−エチルヘキサン酸錫、錫オクトエート、錫トリフレート、錫アセチルアセトネート、錫ヘキサフルオロアセチルアセトネート等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えば、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、ジイソプロポキシアルミニウムアセチルアセトネート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、エチルアセトアセトキシアルミニウムビスアセチルアセトネート、アセチルアセトナトアルミニウムビス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウム系、テトライソプロポキシチタン、ジイソプロポキシチタンジクロライド、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトネート、ジクロロチタンビスアセチルアセトネート、テトラブトキシチタン、ジブトキシチタンジクロライド、ジブトキシチタンビスアセチルアセトネート等のチタン系、2−エチルヘキサン酸鉛、オレイン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛、鉛ビスアセチルアセトネートなどの鉛系、ナフテン酸鉄等の鉄系、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等のコバルト系、ナフテン酸鉛等の亜鉛系、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のジルコニウム系、酸化ビスマス等のビスマス系等が挙げられる。
触媒(c)としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジネオデカノエート等の錫系有機金属化合物が好ましい。ジブチル錫化合物は一部トリブチル錫化合物を不純物として含むので、安全性を考慮するとジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオペンタノエート、ジオクチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジネオデカノエート等のジオクチル錫化合物が特に好ましい。
<架橋剤>
再剥離型粘着剤組成物は、架橋剤を含むものであってもよい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中に含まれるウレタン樹脂を架橋することができ、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層2を、架橋構造を有するウレタン樹脂を含む材料で構成されたものとすることができる。すなわち、再剥離型粘着剤組成物中に含まれるウレタン樹脂をプレポリマーとして機能させることができる。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤が好適に用いられる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等)、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート等)、キシリレンジイソシアネート(1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート等)等の芳香族ポリイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等)、3−イソシアネートメチル−3,5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の非環式脂肪族イソシアネート等の多価イソシアネート化合物等が挙げられる。
なお、多価イソシアネート化合物は、例えば、上記化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含むイソシアヌレート型変性体等であってもよい。
再剥離型粘着剤組成物中の全固形分に対するウレタン樹脂および架橋剤の含有率の和は、70質量%以上99.999質量%以下であるのが好ましく、77質量%以上99.998質量%以下であるのがより好ましく、80質量%以上99.997質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなウレタン樹脂を含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。特に、化合物Aの含有率が低くなりすぎることを防止しつつ、上記のような効果を得ることができるため、化合物Aを併用することによる効果をより効果的に発揮させることができる。
なお、再剥離型粘着剤組成物が複数種のウレタン樹脂(ポリウレタン系樹脂)を含む場合、これら複数種のウレタン樹脂の含有率の総和が、前述した条件を満足するのが好ましい。
<化合物A>
化合物Aは、再剥離型粘着剤組成物中において、いかなる形態で含まれるものであってもよいが、錯形成した状態で含まれるもの、すなわち、化合物Aが錯化合物(錯体)の一部を構成するものとして含まれるものであるのが好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層中における化合物Aの不本意な会合や凝集をより効果的に防止することができ、化合物Aを含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、化合物Aの含有率が比較的低い場合であっても前述したような化合物Aを含むことによる効果を十分に発揮させることができる。その結果、他の成分(例えば、ポリウレタン等)の含有率を高めることができ、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の特性のさらなる向上を図ることができる。
式(1)中、Mは、NHまたはアルカリ金属原子であればよいが、アルカリ金属イオンであるのが好ましく、Kであるのがより好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をより効果的に防止することができる。また、高温環境下におかれた際の臭気の発生等をより効果的に防止することができる。
式(1)中、Rf、Rfは、それぞれ独立に水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子であるか、または、互いに結合しRfおよびRfが一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基であればよい。
水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基としては、例えば、
アルキル基のうちの少なくとも一部の水素原子がフッ素原子で置換されたもの等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基(アルキル基を構成するすべての水素原子がフッ素原子で置換されたもの)であるのが好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性(粘着体を被着体から剥離する際の糊残りのしにくさや、粘着体の剥離、再貼着を繰り返した場合における粘着力の低下のしにくさ等)をより優れたものとすることができる。
また、水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基は、直鎖状の構造を有するものであるのが好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をより効果的に防止することができる。また、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
また、Rf、Rfが水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である場合、当該官能基の炭素数は、1以上6以下であるのが好ましく、1以上4以下であるのがより好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をより効果的に防止することができる。また、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
また、Rf、Rfが水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子である場合、RfとRfとは、異なる化学構造を有するものであってもよいが、同一の化学構造を有するものであるのが好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をより効果的に防止することができる。また、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。また、化合物Aの合成が容易となり、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の生産コストの低減の観点からも有利である。
Rf、Rfが、互いに結合しRfおよびRfが一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である場合(分子内に環状構造を有するものである場合)、当該化合物Aとしては、例えば、下記式(2)で示されるものが挙げられる。
Figure 2018115251
(ただし、式(2)中、Mは、NHまたはアルカリ金属原子であり、nは2以上4以下の整数である。)
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をより効果的に防止することができる。また、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
式(1)中、Rf、Rfは、いずれも、フッ素原子であるのが好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体における静電気の発生をさらに効果的に防止することができる。また、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の再剥離性をさらに優れたものとすることができる。また、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の生産コストの低減の観点からも有利である。
再剥離型粘着剤組成物中の全固形分に対する化合物Aの含有率は、0.001質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.002質量%以上5質量%以下であるのがより好ましく、0.003質量%以上1質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような化合物Aを含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。特に、ウレタン樹脂の含有率が低くなりすぎることを防止しつつ、上記のような効果を得ることができるため、ウレタン樹脂と併用することによる効果をより効果的に発揮させることができる。
なお、再剥離型粘着剤組成物が式(1)で示される化合物Aを複数種含む場合、これら複数種の化合物の含有率の総和が、前述した条件を満足するのが好ましい。
<配位子>
再剥離型粘着剤組成物は、化合物Aに配位し得る物質(配位子)を含むものであってもよい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層中において、化合物Aが、錯形成した状態で存在することができ、化合物Aの被着体への移行をより効果的に防止することができる。
配位子として機能する化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒドロフラン、クラウンエーテル等のエーテル化合物;ビピリジン、テトラキストリフルオロメチルビピリジン等のピリジン化合物;チオエーテル化合物等が挙げられる。
中でも、エーテル化合物が好ましく、分子内に複数個のエーテル酸素を有する化合物がより好ましく、テトラグライムがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層中における化合物Aの不本意な会合や凝集をさらに効果的に防止することができる。また、上記のような化合物は、それ自体が高沸点であるとともに、化合物Aとの間でより安定性の高い錯化合物(錯体)を形成することができる。以上のようなことから、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層中に、より安定的に存在することができ、化合物Aの被着体への移行がより効果的に防止される。また、再剥離型粘着剤組成物や、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の生産コストを抑制することができる。再剥離型粘着剤組成物の調製時において、より速やかに、化合物Aに配位することができ、再剥離型粘着剤組成物の生産性向上の観点からも有利である。また、これらの化合物は、配位子として機能するだけでなく、再剥離型粘着剤組成物中において溶媒、分散媒として機能することができる。このため、配位子として機能する化合物を過剰量用いた場合であっても、溶媒、分散媒全体の含有率を低減させる必要がないため、再剥離型粘着剤組成物の取り扱いのしやすさ(例えば、塗工のしやすさ)等を犠牲にしなくてもよい。
化合物A:100質量部に対する、配位子として機能する化合物の含有量は、40質量部以上であるのが好ましく、60質量部以上であるのがより好ましく、80質量部以上であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層中において、化合物Aが錯形成した状態をより安定的に保持することができ、前述したような効果がより顕著に発揮される。
再剥離型粘着剤組成物がテトラグライムを含むものである場合、化合物A:100質量部に対する、テトラグライムの含有量は、40質量部以上240質量部以下であるのが好ましく、50質量部以上220質量部以下であるのがより好ましく、60質量部以上200質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物中や、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層中において、化合物Aが錯形成した状態をさらに安定的に保持することができ、前述したような効果がさらに顕著に発揮される。
なお、前述した配位子として機能する化合物は、そのうちの一部が化合物Aに配位していれば、前述したような効果が得られるものであり、再剥離型粘着剤組成物中には、化合物Aに配位していない状態のものが含まれていてもよい。例えば、前述した配位子として機能する化合物の一部は、ウレタン樹脂等を溶解または分散させる溶媒、分散媒として機能するものであってもよい。
<その他の成分>
再剥離型粘着剤組成物は、前述した以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、ロジン、ロジンエステル等の粘着付与剤、改質剤、防錆剤、スメクタイト、カオリン、タルク、マイカ、バーミキュライト、パイロフィライト、炭酸カルシウム、酸化チタン等の充填剤、難燃剤、加水分解防止剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、滑剤、プライマー、ウレタン樹脂以外の粘着剤(樹脂材料)、帯電防止剤、重合禁止剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤、溶剤、分散媒、消泡剤等が挙げられる。
再剥離型粘着剤組成物が可塑剤を含むものであると、再剥離型粘着剤組成物の柔軟性、弾性をより優れたものとすることができる。また、再剥離型粘着剤組成物の再剥離性をより優れたものとすることができ、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体(例えば、粘着フィルム)を被着体から剥離する際の手めくり感をより優れたものとすることができる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸系可塑剤;フタル酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化アマニ油、エポキシ化ステアリン酸ブチル等のエポキシ系可塑剤等が挙げられる。
再剥離型粘着剤組成物が溶剤、分散媒を含むものであると、再剥離型粘着剤組成物の取り扱いのしやすさ(例えば、粘着剤層を形成する際の塗工性等)をより優れたものとすることができる。
溶剤、分散媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒドロフラン、クラウンエーテル等のエーテル系溶剤;ビピリジン、テトラキストリフルオロメチルビピリジン等のピリジン系溶剤;チオエーテル系溶剤;水等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
再剥離型粘着剤組成物は、ウレタン樹脂以外の粘着剤(樹脂材料)を含むものであってもよいが、ウレタン樹脂以外の粘着剤の含有率は、ウレタン樹脂の含有率よりも低いものであるのが好ましい。
再剥離型粘着剤組成物中の全固形分に対するウレタン樹脂以外の粘着剤の含有率は、30質量%以下であるのが好ましく、20質量%以下であるのがより好ましい。
再剥離型粘着剤組成物中の固形分濃度は、20質量%以上70質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上65質量%以下であるのがより好ましく、40質量%以上60質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の塗工性をより優れたものとすることができる。
[粘着体]
次に、本発明の粘着体について説明する。
図1は、本発明の粘着体の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
図1に示すように、粘着体としての粘着フィルム(再剥離型粘着フィルム)10は、基材1と、粘着剤層2とを備える。そして、粘着剤層2は、ウレタン樹脂および上記式(1)で示される化合物Aを含む材料で構成されたものである。
これにより、被着体を好適に保護することができ、被着体からの剥離時や粘着体の摩擦時等における帯電の防止性に優れるとともに、被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生も効果的に防止することができる再剥離型の粘着フィルム10を提供することができる。
なお、本明細書において、「フィルム」にはシートの概念が含まれるものとする。
基材1は、粘着剤層2を支持する機能を有するものである。
基材1は、例えば、緻密なフィルム状、織布、不織布、紙、多孔質体等、いかなる形態のものであってもよい。
基材1の構成材料は、特に限定されず、例えば、樹脂材料、金属材料、パルプ等の植物性繊維、羊毛等の動物性繊維等が挙げられるが、樹脂材料が好適に用いられる。
基材1を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;アセテート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材1は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、滑剤、プライマー、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
また、基材1は、単層より構成されるものであってもよいし、複数の層を備える積層体であってもよい。また、基材1は、例えば、厚さ方向に組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
また、基材1は、粘着剤層2との密着性を高めるための表面処理が施されたものであってもよい。
これにより、粘着剤層2と被着体との密着力に対して、基材1と粘着剤層2との密着力を、特に大きいものとすることができ、粘着フィルム10を被着体から剥離する際の糊残りの発生や、基材1と粘着剤層2との間での層間剥離をより効果的に防止することができる。
このような表面処理としては、例えば、酸化法や凹凸化法等によるものが挙げられる。
上記酸化法としては、例えば、コロナ放電処理(コロナ処理)、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えば、ブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理法は、基材1を構成する材料に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ処理が効果および操作性等の面から好ましい。
また、プライマー処理を施すこともできる。
基材1の厚さは、特に限定されないが、15μm以上300μm以下であるのが好ましく、20μm以上75μm以下であるのがより好ましい。
粘着剤層2は、ウレタン樹脂および上記式(1)で示される化合物Aを含む材料で構成されたものであればよいが、前述した再剥離型粘着剤組成物を用いることにより好適に形成することができる。
粘着剤層2中の全固形分に対するウレタン樹脂の含有率は、70質量%以上99.999質量%以下であるのが好ましく、77質量%以上99.998質量%以下であるのがより好ましく、80質量%以上99.997質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなウレタン樹脂を含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。特に、化合物Aの含有率が低くなりすぎることを防止しつつ、上記のような効果を得ることができるため、化合物Aを併用することによる効果をより効果的に発揮させることができる。
粘着剤層2中の全固形分に対する化合物Aの含有率は、0.001質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.002質量%以上5質量%以下であるのがより好ましく、0.003質量%以上1質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような化合物Aを含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。特に、ウレタン樹脂の含有率が低くなりすぎることを防止しつつ、上記のような効果を得ることができるため、ウレタン樹脂と併用することによる効果をより効果的に発揮させることができる。
粘着剤層2中において、化合物Aは、錯形成した状態で含まれているのが好ましい。
これにより、粘着剤層2中における化合物Aの不本意な会合や凝集をより効果的に防止することができ、化合物Aを含むことによる効果をより顕著に発揮させることができる。
粘着剤層2は、テトラグライムを含むものであるのが好ましい。
これにより、粘着剤層2中における化合物Aの不本意な会合や凝集をさらに効果的に防止することができ、化合物Aを含むことによる効果をさらに顕著に発揮させることができる。また、錯化合物(錯体)の安定性を優れたものしつつ、粘着フィルム10の生産コストを抑制することができる。
化合物A:100質量部に対する、テトラグライムの含有量は、40質量部以上240質量部以下であるのが好ましく、50質量部以上220質量部以下であるのがより好ましく、60質量部以上200質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粘着剤層2中において、化合物Aが錯形成した状態をさらに安定的に保持することができ、前述したような効果がさらに顕著に発揮される。
粘着剤層2の厚さは、特に限定されないが、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、3μm以上50μm以下であるのがより好ましく、5μm以上30μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粘着フィルム10の被着体への密着性をより優れたものとしつつ、被着体からの剥離時等における粘着剤層2の層内破壊等をより効果的に防止することができる。
粘着剤層2の表面抵抗率は、1×10Ω/sq以上5×1013Ω/sq未満であるのが好ましく、1×10Ω/sq以上1×1012Ω/sq未満であるのがより好ましい。
これにより、粘着フィルム10の被着体からの剥離時や粘着フィルム10の摩擦時等における帯電をより効果的に防止することができる。
なお、粘着剤層2の表面抵抗率は、JIS K6911に準じた測定により求めることができる。
表面抵抗率は、例えば、エーディーシー社製、デジタル・エレクトロメータ8252等を用いた測定により求めることができる。
表面抵抗率を求めるための測定の条件は、例えば、温度:23℃、湿度:50%RH、電圧:500V、主電極直径:50mm、ガード電極内径:70mmとすることができる。
また、粘着フィルム10のヘーズ(JIS K7136:2000に準じて測定した値)は、2.0%以下であるのが好ましく、1.0%以下であるのがより好ましく、0.8%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粘着フィルム10の透明性が非常に高いものとなり、粘着フィルム10を被着体に貼着した状態で、当該被着体の状態をより好適に視認することができる。したがって、例えば、被着体の表面を保護しつつ、被着体の検査等をより好適に行うことができる。
本発明の粘着体は、被着体からの剥離時における帯電の防止性に優れるとともに、被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生も効果的に防止することができる再剥離型の粘着体である。
本発明の粘着体が貼着される被着体の種類は、特に限定されないが、光学部材や電子部材は、各種部材の中でも、粘着体の剥離により、不本意な帯電や被着体の曇りを生じた場合の悪影響の程度が特に大きいものである。これに対し、本発明によれば、このような光学部材や電子部材に適用した場合でも、被着体からの剥離時における帯電や被着体への帯電防止剤の移行による被着体の曇りの発生を効果的に防止することができる。したがって、被着体が光学部材や電子部材である場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
光学部材としては、例えば、有機EL、液晶パネル、LED等の表示部材(ディスプレイ)、偏光板、レンズ、プリズム等が挙げられる。
電子部材としては、例えば、半導体チップやそのパッケージ等が挙げられる。
[粘着フィルムの製造方法]
次に、本発明の粘着フィルムの製造方法について説明する。
前述したような基材1を用意する。
そして、粘着剤層2を形成する。粘着剤層2の形成方法は、特に限定されないが、用意した基材1の一方の面上に、前述した再剥離型粘着剤組成物を付与することにより好適に形成することができる。
粘着剤層2を形成するための再剥離型粘着剤組成物の付与は、例えば、液状の再剥離型粘着剤組成物(塗工液)を、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、バーコート等の各種塗布法により、基材1上に塗布することにより行うことができる。
塗工液の塗膜を固化させることにより、粘着剤層2を形成することができる。
粘着剤層2は、塗工液としての再剥離型粘着剤組成物と異なる組成を有するものであってもよい。例えば、再剥離型粘着剤組成物を塗工した後、含まれる溶媒を除去してもよいし、硬化反応、架橋反応を進行させることにより、重合度、架橋度を異なるものとしてもよい。
また、粘着剤層2の形成に際して、再剥離型粘着剤組成物と他の成分とを混合して、塗工液を調整してもよい。例えば、粘着剤層2の形成に際して、再剥離型粘着剤組成物と溶媒とを混合してもよい。
塗工液は塗工可能なものであればよく、塗工液における固形分濃度は、特に限定されないが、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上5質量%以下であるのがより好ましい。
塗工液の乾燥温度は、100℃以上130℃以下であるのが好ましい。
これにより、構成材料の不本意な変性劣化等をより効果的に防止しつつ、粘着体の生産性をより優れたものとすることができる。また、塗工液がテトラグライムを含む場合において、当該テトラグライムの不本意な揮発をより効果的に防止することができ、粘着剤層中におけるテトラグライムの含有率をより好適に制御することができる。
また、粘着剤層2は、いったん剥離ライナー上に形成し、その後、基材1に貼り合せてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、粘着体(例えば、粘着フィルム)は、基材と粘着剤層との間に、少なくとも1層の中間層を有するものであってもよい。
また、粘着体(例えば、粘着フィルム)は、基材の粘着剤層に対向する面とは反対の面側に、少なくとも1層の被覆層を有するものであってもよい。例えば、基材の粘着剤層に対向する面とは反対の面側は、印刷層が設けられていてもよい。また、印刷層との密着性を向上させるために、印刷用コート層等が設けられていてもよい。また、粘着フィルムの表面を保護する等の機能を有するコート層が設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、粘着体が、フィルム状の基材を備え、粘着体全体としてのフィルム状をなす粘着フィルムである場合について代表的に説明したが、基材の形状、粘着体の形状は、フィルム状に限らず、いかなるものであってもよい。
また、前述した化合物Aは、粘着剤層以外の部位に含まれていてもよい。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(23℃)、相対湿度50%において行ったものである。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(23℃)、相対湿度50%における数値である。
[1]粘着フィルムの製造
(実施例1)
ポリエーテルポリオールおよびポリイソシアネート化合物を含有するOH末端ポリウレタン:80質量部(固形分)、下記式(3)で示される化合物A:1質量部、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製「コロネートHL」):8.0質量部(固形分)、テトラグライム:1質量部の混合物を、固形分が50質量%となるようにトルエンで希釈し、液状の粘着剤組成物(再剥離型粘着剤組成物)を調製した。化合物Aは、テトラグライムを配位子として錯形成した状態で粘着剤組成物(再剥離型粘着剤組成物)中に含まれていた。
Figure 2018115251
次に、上記のように調製した粘着剤組成物を、剥離ライナーであるシリコーン処理された厚み38μmのポリエステルフィルムの剥離処理がなされた面上に、グラビアコータにより、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmとなるように塗布し、その後、100℃で1分間乾燥した。
その後、粘着剤層上に、基材として、厚みが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、粘着フィルムを得た。
(実施例2〜9)
粘着剤層の組成、厚さを表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを製造した。
(比較例1)
粘着剤組成物の調製において、式(1)で示される化合物Aを用いなかった以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを製造した。
(比較例2)
粘着剤層の組成、厚さを表1に示すようにした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを製造した。
前記各実施例および比較例の粘着フィルムの粘着剤層の組成、厚さを表1にまとめて示した。
なお、表1中、ウレタン樹脂をPU、式(3)で示される化合物AをA1、下記式(4)で示される化合物AをA2、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)をTG、帯電防止剤としての1−オクチル−4−メチルピリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)イミドをAA1で示した。
Figure 2018115251
Figure 2018115251
[2]評価
前記各実施例および各比較例の粘着フィルム(剥離ライナーで保護された状態の粘着フィルム)について、幅25mm×縦150mmの大きさに切断し、それぞれ複数の試験片を得た。
<表面抵抗率>
前記各実施例および各比較例の粘着フィルムについて、100mm×100mmの大きさに切断し、剥離ライナーを剥離し、露出した粘着剤層について、JIS K6911に準じた測定を行うことにより、表面抵抗率を求め、以下の基準に従い評価した。なお、エーディーシー社製、デジタル・エレクトロメータ8252を用い、温度:23℃、湿度50%RH、電圧:500V、主電極直径:50mm、ガード電極内径:70mmという条件で測定を行った。
A:表面抵抗率が1×10Ω/sq以上1×1010Ω/sq未満である。
B:表面抵抗率が1×1010Ω/sq以上1×1012Ω/sq未満である。
C:表面抵抗率が1×1012Ω/sq以上1×1013Ω/sq未満である。
D:表面抵抗率が1×1013Ω/sq以上5×1013Ω/sq未満である。
E:表面抵抗率が5×1013Ω/sq以上である。
<ヘーズ>
前記各実施例および各比較例の試験片から剥離ライナーを剥離し粘着剤層を露出させた。粘着剤層を露出させた状態の粘着フィルムの試験片について、JIS K7136:2000に準じて、ヘーズメーター(日本電色工業社製、NDH5000)を用いてヘーズ(%)を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:ヘーズが0.7%未満である。
B:ヘーズが0.7%以上1.0%未満である。
C:ヘーズが1.0%以上1.5%未満である。
D:ヘーズが1.5%以上2.0%未満である。
E:ヘーズが2.0%以上である。
<帯電防止性>
前記各実施例および各比較例の試験片から剥離ライナーを剥離し、予め除電しておいたガラス板に対して2kgローラーで1往復圧着した。このとき、粘着フィルムの一方の端部が、ガラス板から1cm分はみだした状態になるようにした。
24時間放置した後に、ガラス板からはみだした側の端部を、剥離角度:150度、剥離速度:10m/分となるようにして剥離した。そして、粘着フィルムから5cm離れた位置に固定した静電電位測定機(シシド静電気社製、STATIRON−M2)にて、剥離帯電圧を測定し、以下の基準に従い評価した。
A:剥離帯電圧が200V未満である。
B:剥離帯電圧が200V以上500V未満である。
C:剥離帯電圧が500V以上1000V未満である。
D:剥離帯電圧が1000V以上5000V未満である。
E:剥離帯電圧が5000V以上である。
<帯電防止剤の移行による曇りの防止性>
前記各実施例および各比較例の試験片から剥離ライナーを剥離し、ガラス板に対して2kgローラーで1往復圧着した。
次に、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1日間静置後、40℃、80%RH(相対湿度)の環境下で7日間静置し、再び23℃、50%RH(相対湿度)の環境下へと戻して1日間静置した。
その後、剥離角度:150度、剥離速度:0.3m/分で粘着フィルムを剥離し、ガラス板の粘着フィルムが剥離された部位を観察し、以下の基準に基づき評価した。
A:被着体の粘着フィルムを貼着した部位の曇りがまったく認められない。
B:被着体の粘着フィルムを貼着した部位の曇りがほとんど認められない。
C:被着体の粘着フィルムを貼着した部位の曇りがわずかに認められる。
D:被着体の粘着フィルムを貼着した部位の曇りが認められるが、被着体の状態の視認に支障はない。
E:被着体の粘着フィルムを貼着した部位の曇りが顕著に認められ、被着体の状態の視認に支障がある。
これらの結果を、表2にまとめて示す。
Figure 2018115251
表2から明らかなように、本発明では優れた結果が得られたのに対し、比較例では満足のいく結果が得られなかった。
10…粘着フィルム(再剥離型粘着フィルム)
1…基材
2…粘着剤層

Claims (8)

  1. 基材と、
    ウレタン樹脂および下記式(1)で示される帯電防止剤としての化合物Aを含む材料で構成された再剥離型の粘着剤層とを備えることを特徴とする粘着体。
    Figure 2018115251
    (ただし、式(1)中、Mは、NHまたはアルカリ金属原子であり、Rf、Rfは、それぞれ独立に水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基もしくはフッ素原子であるか、または、互いに結合しRfおよびRfが一体として水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素基である。)
  2. 前記粘着剤層中の全固形分に対する前記化合物Aの含有率は、0.001質量%以上10質量%以下である請求項1に記載の粘着体。
  3. 前記粘着剤層中の全固形分に対する前記ウレタン樹脂の含有率は、70質量%以上99.999質量%以下である請求項1または2に記載の粘着体。
  4. 前記粘着剤層の厚さが、1μm以上100μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘着体。
  5. 前記粘着剤層の表面抵抗率が、1×10Ω/sq以上5×1013Ω/sq未満である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘着体。
  6. 前記粘着剤層中に、前記化合物Aは、錯形成した状態で含まれる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘着体。
  7. 前記粘着剤層は、テトラグライムを含むものである請求項6に記載の粘着体。
  8. 前記化合物A:100質量部に対する前記テトラグライムの含有量が、40質量部以上240質量部以下である請求項7に記載の粘着体。
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