JP6350764B2 - ポリウレタン組成物、及び、シート - Google Patents

ポリウレタン組成物、及び、シート Download PDF

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Description

本発明は、段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性に優れるシートが得られるポリウレタン組成物に関する。
ディスプレイ、LED照明、トランジスタ、コンデンサ等の電子機器や電子部品に使用される熱伝導シート、表面保護フィルム等では、耐熱性に優れるシリコンフィルムが広く利用されている。
前記シリコンフィルムにおいては、耐熱性だけでなく、柔軟性、熱伝導性、微粘着性等、使用される用途に応じて様々な特性が必要となっており、要求特性の多様化が進んでいる。これに対し、樹脂設計により様々な要求に応じることができるポリウレタン組成物を用いた代替検討がなされ始めている(例えば、特許文献1を参照。)。
その中でも、電子機器や電子部品等を被覆する用途においては、その表面の細かな段差にも追従できるような優れた段差追従性を有するシートを形成できるポリウレタン組成物の開発が望まれている。しかしながら、未だ所望の段差追従性が得られていないのが実情であった。
更に、電子機器や電子部品の製造に使用される際には、良好な加工適性も必要となる。ポリウレタン組成物により形成されたシートを、電子部品等の製造工程で使用する加工例を1つ挙げる。前記シートは、まず幅広のロールから所望の幅にスリット加工され、次いでその上に電子機器部品を仮固定し、各部品の形状に抜き加工等を行い、加工終了後に前記シートから各部品を分離する加工方法が挙げられる。
この際前記シートに求められるシート加工適性としては、例えば、抜き加工やスリット加工の際に、加工刃の押圧による基材からポリウレタン組成物の硬化物層が剥がれたり、硬化物層の糊粉やカスが発生しない優れた基材密着性と、加工刃に硬化物層が付着したりシートの端面へ硬化物層がはみ出すことがなく、抜き加工したシートとシート外周とが結合したままであることを防ぐ優れたシート保持性とが要求される。これらのシート加工適性を向上させることで、加工刃の洗浄回数を少なくすることができ、歩留まりや作業効率の向上につながるものの、基材密着性とシート保持性とを両立することは困難であった。
特開2010−235734号公報
本発明が解決しようとする課題は、段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性に優れるシートが得られるポリウレタン組成物を提供することである。
本発明は、2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)とを当量比[(a−1)/(a−2)]で0.7〜100の範囲で含有するポリオール(a)を原料とし、水酸基を有するポリウレタン(A)、架橋剤(B)、及び有機溶剤(C)を含有することを特徴とするポリウレタン組成物を提供するものである。また、本発明は、前記ポリウレタン組成物により形成されたことを特徴とするシートを提供するものである。
本発明のポリウレタン組成物より形成されたシートは、段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性に優れるものである。
本発明のポリウレタン組成物は、2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)とを当量比[(a−1)/(a−2)]で0.7〜100の範囲で含有するポリオール(a)を原料とし、水酸基を有するポリウレタン(A)、架橋剤(B)、及び有機溶剤(C)を含有するものである。
前記ポリウレタン(A)としては、原料として、2官能ポリオール(a−1)及び3つの水酸基を有する化合物(a−2)を用い、かつそれらの当量比[(a−1)/(a−2)]が0.7〜100の範囲であることが必須である。これにより、柔軟性と凝集力を適切な範囲で制御でき、架橋密度を制御できるため、段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性に優れるシートが得られる。前記当量比が、0.7を下回る場合には、ポリウレタン自体の凝集力が高すぎる、及び/又は架橋間距離が短すぎるため、シートの柔軟性や伸度が不足し、所望の段差追従性や基材密着性が得られず、また100を超える場合には、架橋間距離が大きくなりすぎるため、シート保持性が得られない、又は、耐久試験時の粘着力上昇による糊残りや移染が発生し、所望の耐汚染性が得られない。前記当量比としては、より一層優れた加工適性及び耐汚染性が得られるため、1〜100の範囲であることが好ましく、1〜80の範囲がより好ましい。
なお、前記当量比は、通常の当量比を示し、例えば、前記2官能ポリオール(a−1)及び3つの水酸基を有する化合物(a−2)を一括で仕込んでポリウレタン(A)を製造する場合には、2官能ポリオール(a−1)の官能基当量/3つの水酸基を有する化合物(a−2)のの官能基当量から算出される当量比を示す。また、前記2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)とを段階的に反応させる場合、例えば、まず2官能ポリオール(a−1)と後述するポリイソシアネート(a−3)とを反応させた後に、更に3つの水酸基を有する化合物(a−2)を反応させた場合には、後述するそれぞれの[NCO/OH]から算出される当量比を示す。
前記ポリウレタン(A)としては、具体的には、例えば、前記2官能ポリオール(a−1)及び3つの水酸基を有する化合物(a−2)を含有するポリオール(a)とポリイソシアネート(a−3)との反応物を用いることができる。
前記2官能ポリオール(a−1)としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール;ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、アクリルジオール、ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンジオールなどを用いることができる。これらの2官能ポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シートに透明性の求められる用途において、ポリオールの結晶性由来のヘイズ発生を抑制するために、比較的汎用であり、低ガラス転移温度品を選定しやすい点から、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、及びポリエステルジオールからなる群より選ばれる1種以上のポリオールを用いることが好ましい。
前記2官能ポリオール(a−1)の数平均分子量としては、より一層優れた凝集力が得られる点から、100〜20,000の範囲であることが好ましく、150〜10,000の範囲がより好ましい。なお、前記2官能ポリオール(a−1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、以下の条件にて測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記3つの水酸基を有する化合物(a−2)としては、例えば、グリセリンとプロピレンオキサイドとの付加物、トリメチロールプロパンとプロピレンオキサイドとの付加物等のプロピレンオキサイド付加物;グリセリンを開始剤として、プロピレンオキサイドを付加した後に、その末端にエチンオキサイドを更に付加したもの、グリセリンを開始剤として、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドの混合物を付加したもの、トリメチロールプロパンを開始剤として、プロピレンオキサイドを付加した後に、その末端にエチンオキサイドを更に付加したもの、トリメチロールプロパンを開始剤として、プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイドの混合物を付加したもの等のプロピレンオキサイド及びエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオールなどを用いることができる。これらの3つの水酸基を有する化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン組成物に柔軟性を付与し、被着体へのより一層優れた濡れ性、基材密着性、及びシート保持性が得られ、ポリウレタンの親水性向上により、耐汚染性をより一層向上できる点から、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオールを用いることが好ましい。
前記3つの水酸基を有する化合物(a−2)の数平均分子量としては、良好な柔軟性、基材密着性、及びシート保持性が得られる点から、1,500〜10,000の範囲であることが好ましく、2,000〜5,000の範囲であることがより好ましい。なお、前記3つの水酸基を有する化合物(a−2)の数平均分子量は、前記2官能ポリオール(a−1)と同様に測定して得られた値を示す。
前記ポリオール(a)には、前記2官能ポリオール(a−1)及び3つの水酸基を有する化合物(a−2)以外にも、必要に応じて、4つ以上の水酸基を有する化合物やいわゆる鎖伸長剤等を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(a−3)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン(A)の製造方法としては、例えば、ポリイソシアネート(a−3)が有するイソシアネート基のモル比に対し、ポリオール(a)が有する水酸基のモル比が過剰となるように両者を反応させる方法が挙げられる。なお、前記反応は、後述する有機溶媒(C)中で行ってもよい。また、ポリオール(a)は、一括で仕込んでも、反応を制御しながら2回以上に分けて仕込んでもよく、更には例えば、先に2官能ポリオール(a−1)とポリイソシアネート(a−3)とを反応させた後に、次いで3つの水酸基を有する化合物(a−2)を反応させる方法等を用いてもよい。いずれの場合であっても、前記ポリオール(a)が有する水酸基とポリイソシアネート(a−3)が有するイソシアネート基とのモル比(NCO/OH)としては、反応性制御の容易性及びシート化物の機械的強度の点から、0.3〜0.99の範囲であることが好ましく、0.5〜0.99の範囲であることがより好ましい。
前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量としては、柔軟性及び機械的強度を高いレベルで両立できる点から、10,000〜700,000の範囲であることが好ましく、30,000〜500,000の範囲であることがより好ましい。なお、前記ポリウレタン(A)の重量平均分子量は、前記2官能ポリオール(a−1)の数平均分子量と同様に測定した値を示す。
前記ポリウレタン(A)中の水酸基の含有量としては、後述する架橋剤(B)との架橋密度や架橋間距離を最適化できるため、より一層優れた基材密着性及びシート保持性が得られる点から、0.005〜0.3mol/kgの範囲であることが好ましく、0.01〜0.28mol/kgの範囲がより好ましく、0.04〜0.25mol/kgの範囲が特に好ましい。なお、前記ポリウレタン(A)中における水酸基の含有量は、前記ポリウレタン(A)を構成する各原料の合計質量に対する、前記原料中に占める水酸基の含有量を示す。
前記ポリウレタン(A)中におけるウレタン結合の含有量としては、凝集力が制御でき、より一層優れた基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性が得られる点から、0.2mol/kg以上であることが好ましく、0.2〜10mol/kgの範囲がより好ましく、0.4〜5mol/kgの範囲が更に好ましく、0.5〜5mol/kgの範囲が特に好ましい。なお、前記ポリウレタン(A)中におけるウレタン結合の含有量は、前記ポリウレタン(A)を構成する各原料の合計質量に対する、前記原料中に占めるウレタン結合構造の含有量を示す。
前記架橋剤(B)としては、例えば、ポリイソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、メラミン架橋剤等を用いることができる。これらの架橋剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン(A)が有する水酸基と反応し、3次元架橋を形成することにより、良好な機械的強度、段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性が得られる点から、ポリイソシアネート架橋剤を用いることが好ましい。
前記ポリイソシアネート架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、トリレンジイソシアネートのヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等を用いることができる。これらの架橋剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記架橋剤(B)の使用量としては、段差追従性、基材密着性及びシート保持性を高いレベルで両立できる点から、前記ポリウレタン(A)(固形分)100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.05〜15質量部の範囲がより好ましく、0.1〜10質量部の範囲が更に好ましい。
前記有機溶剤(C)としては、ポリウレタン(A)の製造安定性やポリウレタン組成物の塗工性を向上するために使用されるものであり、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、sec−ブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール溶媒などを用いることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒(C)の使用量としては、塗工性の点から、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して20〜200質量部の範囲であることが好ましく、40〜180質量部の範囲がより好ましい。
本発明のポリウレタン組成物としては、前記ポリウレタン(A)、架橋剤(B)、及び、有機溶剤(C)を必須成分として含有するが、必要に応じて、その他の添加剤を更に含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、カルボジイミド化合物、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、チキソ付与剤、分散剤、増感剤、ウレタン化触媒、重合禁止剤、レベリング剤、粘着付与剤、整泡剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐汚染性が得られる点から、カルボジイミド化合物を含有することが好ましい。
前記カルボジイミド化合物としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N'−エチルカルボジイミドメチオジド、N−tert−ブチル−N’−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメソ−p−トルエンスルホネート、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物;カルボジイミド化触媒の存在下でポリイソシアネートを公知の縮合反応により得られるポリカルボジイミド等を用いることができる。これらのカルボジイミド化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリウレタン(A)の水酸基と反応し、より一層優れた耐汚染性が得られることから、イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物を用いることが好ましい。
前記カルボジイミド化合物としては、例えば、「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−05」、「カルボジライトV−07」、「カルボジライトV−09」、「カルボジライトE−01」「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−03A」、「カルボジライトE−04」(以上、日清紡ケミカル株式会社製)等が市販品として入手することができる。
前記カルボジイミド化合物を用いる場合の使用量としては、より一層優れた耐汚染性が得られる点から、前記ポリウレタン(A)100質量部に対して0.1〜7質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜5質量部の範囲であることがより好ましい。
本発明で用いるポリウレタン組成物の製造方法としては、例えば、前記有機溶媒(C)中に前記ポリウレタン(A)が溶解した混合物に、前記架橋剤(B)、更に必要に応じて前記その他の添加剤を添加し、混合する方法が挙げられる。
本発明のポリウレタン組成物によりシートを形成する方法としては、例えば、前記ポリウレタン組成物をプラスチック基材上に塗工し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。
前記プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレー等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドなどを用いて得られるシート又はフィルムを使用することができる。これらのプラスチック基材の表面は、離型処理、帯電防止処理、コロナ処理等が施されていてもよい。また、これらの前記プラスチック基材の厚さとしては、例えば10〜200μmの範囲である。
前記プラスチック基材に前記ポリウレタン組成物を塗工する方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等による塗工方法が挙げられる。
前記シートの有機溶剤(C)乾燥後の厚さとしては、例えば5〜100μmの範囲である。
前記プラスチック基材上にポリウレタン組成物を塗工した後、前記ポリウレタン組成物を乾燥させる方法としては、例えば50〜120℃で30秒〜30分間乾燥させる方法が挙げられる。また、乾燥後、硬化反応を促進する点から例えば30℃〜50℃の温度でエージングを行っても良い。
以上、本発明のポリウレタン組成物は優れた段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性を有するものである。よって、前記ポリウレタン組成物から得られるシートは、熱伝導シート、表面保護シート、粗面接着シート等として好適に使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量;2,000、以下「PPG2000」と略記する。)1,550質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する。)を165質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量;3,000、以下「EOPO3000」と略記する。)を800質量部、酢酸エチル1,540質量部をセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことを確認し、冷却して、不揮発分;62質量%、水酸基の含有量;0.16mol/kg、重量平均分子量;112,700、ポリオキシアルキレンの含有量;15.4mol/kg、オキシエチレン構造とオキシプロピレン構造とのモル比;9/102、ウレタン結合の含有量:0.78mol/kgのポリウレタン(A−1)溶液を得た。このポリウレタン(A−1)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(以下、「HDIヌレート」と略記する。)を3.6質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、1.9である。
[実施例2]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量;2,000、以下「PPG2000」と略記する。)990質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する。)を150質量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量;3,000、以下「EOPO3000」と略記する。)を1,460質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.2質量部、酢酸エチル1,730質量部をセパラブルフラスコに仕込み、70℃まで加温し反応させた。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、不揮発分;60質量%、粘度:4,100mPa・s、水酸基の含有量;0.23mol/kg、重量平均分子量;84,000、ポリオキシアルキレンの含有量;16.6mol/kg、オキシエチレン構造とオキシプロピレン構造とのモル比;15/85、ウレタン結合の含有量:0.69mol/kgのポリウレタン(A−2)溶液を得た。ポリウレタン(A−2)溶液100質量部に対して、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(以下、「HDIヌレート」と略記する。)をポリウレタン(A−2)の固形分に対して5質量部配合し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、0.7である。
[実施例3]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量:10,000、以下「PPG10000」と略記する。)を1760質量部、HDIを40質量部、EOPO3000を230質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.2質量部、酢酸エチル1,095質量部をセパラブルフラスコに仕込み、70℃まで加温し反応させた。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、不揮発分;65質量%、粘度:12,000mPa・s、水酸基の含有量;0.08mol/kg、重量平均分子量;120,000、ポリオキシアルキレンの含有量;16.6mol/kg、オキシエチレン構造とオキシプロピレン構造とのモル比;5/95、ウレタン結合の含有量:0.23mol/kgのポリウレタン(A−3)溶液を得た。ポリウレタン(A−3)溶液100質量部に対して、架橋剤としてHDIヌレートをポリウレタン(A−3)の固形分に対して10質量部配合し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、1.5である。
[実施例4]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にPPG3000を1,560質量部、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略記する。)を110質量部、EOPO3000を680質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチル995質量部をセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;72質量%、粘度;6,800mPa・s、水酸基の含有量;0.14mol/kg、重量平均分子量;46,000、ポリオキシアルキレンの含有量;15.4mol/kg、オキシエチレン構造とオキシプロピレン構造とのモル比;1/15、ウレタン結合の含有量:0.56mol/kgのポリウレタン(A−4)溶液を得た。このポリウレタン(A−4)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを3.3質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、1.5である。
[実施例5]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量;400、以下「PPG400」と略記する。)を200質量部、HDIを85質量部、EOPO3000を308質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;53質量%、水酸基の含有量;0.029mol/kg、重量平均分子量;109,000、ウレタン結合の含有量:3.3mol/kgのポリウレタン(A−5)溶液を得た。このポリウレタン(A−5)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを2.8質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、3.3である。
[実施例6]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリエステルジオール(DIC株式会社製「MX2420」、数平均分子量;2000、以下「PEs」と略記する。)を1,015質量部、HDIを105質量部、EOPO3000を450質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;44質量%、水酸基の含有量;0.12mol/kg、重量平均分子量;86,900、ウレタン結合の含有量:0.8mol/kgのポリウレタン(A−6)溶液を得た。このポリウレタン(A−6)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを1.6質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、2.3である。
[実施例7]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量;200、以下「PPG200」と略記する。)を1,202質量部、HDIを1,017質量部、EOPO3000を163質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;64質量%、水酸基の含有量;0.029mol/kg、重量平均分子量;210,700、ウレタン結合の含有量:5.1mol/kgのポリウレタン(A−7)溶液を得た。このポリウレタン(A−7)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを0.7質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、73.7である。
[実施例8]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にPPG2000を1,002質量部、HDIを85質量部、EOPO3000を18質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;71質量%、水酸基の含有量;0.007mol/kg、重量平均分子量;451,500、ウレタン結合の含有量:0.9mol/kgのポリウレタン(A−8)溶液を得た。このポリウレタン(A−8)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを0.7質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、55.7である。
[実施例9]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラネートT5652」、数平均分子量;2000、以下「PC」と略記する。)を1,015質量部、HDIを105質量部、EOPO3000を450質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;49質量%、水酸基の含有量;0.12mol/kg、重量平均分子量;90,500、ウレタン結合の含有量:0.8mol/kgのポリウレタン(A−9)溶液を得た。このポリウレタン(A−9)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを1.6質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、2.3である。
[実施例10]
実施例1において、HDIヌレート3.6質量部に代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「HDI−TMP」と略記する。)を4.7質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてポリウレタン組成物を得た。
[実施例11]
実施例6において、HDIヌレート3.6質量部に代えて、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「TDI−TMP」と略記する。)を4.7質量部に変更した以外は実施例4と同様にしてポリウレタン組成物を得た。
[実施例12]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリオキシメチレングリコール(数平均分子量;1000、以下「PTMG1000」と略記する。)を1,032質量部、HDIを260質量部、EOPO3000を1820質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;44質量%、水酸基の含有量;0.11mol/kg、重量平均分子量;75,080、ウレタン結合の含有量:1.4mol/kgのポリウレタン(A−10)溶液を得た。このポリウレタン(A−10)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを1.5質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、1.1である。
[実施例13]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にポリオキシエチレングリコール(数平均分子量;200、以下「PEG200」と略記する。)を1,025質量部、HDIを194質量部、EOPO3000を449質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;52質量%、水酸基の含有量;0.24mol/kg、重量平均分子量;36,200、ウレタン結合の含有量:1.0mol/kgのポリウレタン(A−11)溶液を得た。このポリウレタン(A−11)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを3.3質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、22.8である。
[実施例14]
実施例6において、ポリウレタン(A−6)の不揮発分100質量部に対して、日清紡株式会社カルボジイミド化合物「カルボジライトV−05」(以下、「V−05」と略記する。)を1質量部加えた以外は実施例6と同様にしてポリウレタン組成物を得た。
[比較例1]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にPPG3000を1,558質量部、HDIを152質量部、EOPO3000を1,641質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;76質量%、水酸基の含有量;0.23mol/kg、重量平均分子量;51,160、ウレタン結合の含有量:0.54mol/kgのポリウレタン(A’−1)溶液を得た。このポリウレタン(A’−1)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを5.6質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、0.6である。
[比較例2]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器にPPG2000を1,023質量部、HDIを84質量部、EOPO3000を10質量部、ジオクチル錫ジラウレートを0.03質量部、酢酸エチルをセパラブルフラスコに仕込み、75℃まで加温した。ジブチルアミンと塩酸による滴定法でイソシアネート基含有率が仕込み量から算出した含有率になったことにより反応の終了を確認し、冷却して、不揮発分;55質量%、水酸基の含有量;0.004mol/kg、重量平均分子量;207,220、ウレタン結合の含有量:0.92mol/kgのポリウレタン(A’−2)溶液を得た。このポリウレタン(A’−2)溶液100質量部に、シートを製造する直前に架橋剤としてHDIヌレートを8.1質量部添加し、ポリウレタン組成物を得た。なお、[(a−1)/(a−2)]は、102.3である。
[シートの加工方法1]
厚さ50μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、実施例及び比較例で得られたポリウレタンを、乾燥後の膜厚が100μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥させた。これに表面が離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、40℃で3日間養生することで、シートを得た。
[シートの加工方法2]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、実施例及び比較例で得られたポリウレタンを、乾燥後の膜厚が100μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥させた。これに表面が離型処理された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、40℃で3日間養生することで、シートを得た。
[段差追従性の評価方法]
[シートの加工方法1]にて得られたシートを30mm×30mmの大きさに裁断したものを試験片とした。この試験片を20mm×20mmの大きさに裁断した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが上におかれたガラス板上に貼り付け、PETフィルム及び試験片の間の空隙を目視観察し、以下のように評価した。
「◎」:PETフィルムと試験片との間に空隙がない(完全追従)
「○」:PETフィルムと試験片との間に一部空気が入り、浮きが生じている(一部追従)
「×」:PETフィルムの周りに空気があり、試験片が浮いている(完全剥離)
[基材密着性の評価方法]
[シートの加工方法2]にて得られたシートを30mm×30mmの大きさに裁断したものを試験片とした。試験片から離型PETフィルムを剥離し、これをポリウレタン層側からクロスカッターにてカットし、指で10回擦った際のポリウレタン層の粉の発生、及び脱落の有無を目視で観察し、以下のように評価した。
「◎」:ポリウレタン層の粉の発生、及び脱落がない。
「○」:ポリウレタン層が僅かに毛羽立つが、糊粉とび脱落はない。
「△」: ポリウレタン層の粉が僅かに発生しているが、脱落はない。
「×」:ポリウレタン層の粉が多く確認でき、脱落も確認される。
[シート保持性の評価方法]
[シートの加工方法2]にて得られたシートを100mm×150mmの大きさに裁断したものを試験片とした。PETフィルム側から、離型PETフィルムを切らずにPETフィルムとポリウレタン層のみを10mm幅100mm長さにて5mm間隔で4個ずつ40枚分、打抜き加工し、1回打抜毎に抜き刃にポリウレタン層が付着しているか確認した。続いて、1枚ごとにPETフィルム側から剥離し、きれいに切り離しができているか、及びポリウレタン層のはみだしがないか目視で観察し、以下のように評価した。
「◎」:抜き刃にポリウレタンが全く付着しておらず、ポリウレタン層のはみだしなく切り離しができている。
「○」:抜き刃にポリウレタンが付着するため刃の拭きとりが1〜2回必要。ポリウレタン層のはみだしなく切り離しができている。
「△」: 抜き刃にポリウレタンが付着するため刃の拭きとりが3〜5回必要。ポリウレタン層は僅かに糊のはみだしが確認される。
「×」:抜き刃の刃にポリウレタンが広く付着するため刃の拭きとりが6回以上必要。ポリウレタン層のはみだしが確認される、又はシートの切り離しができない。
[耐汚染性の評価方法]
[シートの加工方法2]にて得られたシートを30mm×30mmの大きさに裁断したものを試験片とし、これから離型PETを剥離し、ガラス板に貼り付けた。その時、シートとガラス板との間に気泡を入れるようにした。該試験片を60℃、湿度90%の条件下で72時間放置した。その後、23℃環境下で24時間放置した後に、ガラス板からシートを手で剥離し、ガラス板の下部よりLEDライトを照射し、汚染状況を目視、及び顕微鏡で観察して以下のように評価した。
「◎」:ガラス板に汚染が全くない。
「○」:ガラス板の一部に顕微鏡で汚染が確認される。(目視確認不可)
「△」:ガラス板の一部に目視で汚染が確認される。
「×」:ガラス板の全面に汚染、又はポリウレタン組成物の硬化物の脱落が確認される。
Figure 0006350764
Figure 0006350764
本発明のポリウレタン組成物により形成されたシートは、優れた段差追従性、基材密着性、シート保持性、及び耐汚染性を有することが分かった。
一方、比較例1は、2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)との当量比が本発明で規定する範囲を下回る態様であるが、段差追従性、及び耐汚染性が不良であった。
比較例2は、2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)との当量比が本発明で規定する範囲を超える態様であるが、段差追従性、及び基材密着性が不良であった。

Claims (4)

  1. 2官能ポリオール(a−1)と3つの水酸基を有する化合物(a−2)とを当量比[(a−1)/(a−2)]で0.7〜100の範囲で含有するポリオール(a)を原料とし、水酸基を有するポリウレタン(A)、架橋剤(B)、及び有機溶剤(C)を含有し、
    前記ポリウレタン(A)中の水酸基の含有量が、0.01〜0.28mol/kgの範囲であり、
    前記2官能ポリオール(a−1)が、ポリエーテルジオールであり、かつ、
    前記3つの水酸基を有する化合物(a−2)が、グリセリン若しくはトリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加物又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオールであることを特徴とするポリウレタン組成物。
  2. 前記ポリウレタン(A)中のウレタン結合の含有量が、0.2mol/kg以上である請求項1記載のポリウレタン組成物。
  3. 前記3つの水酸基を有する化合物(a−2)が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオールである請求項1又は2記載のポリウレタン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のポリウレタン組成物により形成されたことを特徴とするシート。
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