JP2018044117A - 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板 Download PDF

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Takuya Hatakeyama
卓也 畠山
勝間 勝彦
Katsuhiko Katsuma
勝彦 勝間
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Abstract

【課題】接着性、特に高温下での接着性に優れる熱硬化性樹脂組成物、とりわけ熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板を提供する。【解決手段】ポリエステル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板に関し、更に詳しくは、接着性、特に高温下での接着性に優れる熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板に関するものである。
従来より、熱可塑性樹脂発泡フィルムにアルミニウム箔を積層する接着剤としては、例えば、無溶剤系で収縮が小さいことが好ましく、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト接着剤等が挙げられる(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2012−10268号公報 特開2013−90110号公報
しかしながら、これら上記の接着剤は、アルミニウム箔や発泡体等の被着体を充分に接着させることを目的とするものであるが、耐熱性については不充分であった。接着剤の耐熱性が低ければ、たとえアルミニウム箔や発泡体等の被着体に耐熱性があったとしても、高温環境下において経時で接着性が低下してしまうという問題があり、更なる接着剤の改良が求められる。
そこで、本発明ではこのような背景下において、接着性、特に高温下での接着性に優れる熱硬化性樹脂組成物、とりわけ熱硬化性接着剤組成物、それを用いた熱硬化性接着シート及び薄型平板スピーカー用振動板を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱重合性の樹脂組成物、とりわけ接着剤組成物の中でも、ポリエステル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)とを併用することにより、接着性、特に高温下での接着性に優れた効果を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第1の要旨は、ポリエステル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を含有してなる熱硬化性樹脂組成物[i]に関するものである。
更に、上記第1の要旨の熱硬化性樹脂組成物[i]からなる熱硬化性接着剤組成物[I]を、第2の要旨とする。
また、上記第2の要旨の熱硬化性接着剤組成物[I]層がアルミニウム基材上に形成されてなる熱硬化性接着シートを、第3の要旨とする。
そして、上記第3の要旨の熱硬化性接着シートと、樹脂発泡体とが積層されてなる薄型平板スピーカー用振動板を、第4の要旨とする。
なお、以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物を「熱硬化性樹脂組成物[i]」、熱硬化性接着剤組成物を「熱硬化性接着剤組成物[I]」と表記することがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]は、ポリエステル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を含有してなることから、特に接着剤として用いた際には接着性、特に高温下での接着性に優れるものである。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]は、接着剤の他にも、ガラスやプラスチック等の各種基板の表面保護に用いた際にも良好な密着性を有するものである。
また、上記ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度が30℃以下であると、より接着性に優れるようになる。
上記熱硬化性樹脂組成物[i]が更に、架橋剤(D)を含有するものであると、耐熱性に優れるようになる。
また、上記ポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量が、5,000〜50,000であると、より耐熱性や、初期接着性に優れるようになる。
更に、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及びポリオール系化合物(b3)の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)であると、より一層接着性に優れるようになる。
そして、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量が300〜100,000であると、適度な粘度が得られ取り扱いに優れるとともに、更に接着性に優れるようになる。
また、ポリエステル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(A/B)が、重量比で、5/95〜95/5であると、初期接着性と製膜性に優れるようになる。
そして、上記熱硬化性接着剤組成物[I]層がアルミニウム基材上に形成されてなる熱硬化性接着シートであると、アルミニウム基材との接着性に優れるようになる。
上記熱硬化性接着シートと樹脂発泡体とが積層されてなる薄型平板スピーカー用振動板であると、接着剤層の剥がれ等なく経時安定性に優れるようになる。
また、薄型平板スピーカーが携帯端末機用スピーカーであると、より小型化及び信頼性に優れるようになる。
つぎに、本発明の実施形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。また、「カルボン酸」との用語は、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等を含むものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]は、ポリエステル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を含有するものである。ここで、熱硬化性樹脂組成物[i]の構成成分について説明する。
<ポリエステル系樹脂(A)>
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)は、多価カルボン酸成分(A1)及びポリオール成分(A2)を含む共重合成分を共重合することにより得られる。
〔多価カルボン酸成分(A1)〕
本発明で用いることができる多価カルボン酸成分(A1)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、ジフェン酸、4,4'−オキシジ安息香酸、ナフタレンジカルボン酸、等の芳香族ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;等の2価カルボン酸が挙げられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、凝集力を付与する目的で芳香族ジカルボン酸が好ましく、特に好ましくはイソフタル酸である。
かかる芳香族ジカルボン酸の含有割合としては、多価カルボン酸成分(A1)全体に対して、50モル%以下であることが好ましく、特に好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは10〜30モル%である。かかる含有割合が多すぎるとガラス転移温度が高くなり、充分な接着性能が得られなくなる傾向がある。
なお、ポリエステル系樹脂中に分岐点を増やす目的で、3価以上の多価カルボン酸を用いることもでき、かかる3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸等が挙げられる。
かかる3価以上の多価カルボン酸の含有割合としては、接着剤の凝集力を高めることができる点で、多価カルボン酸成分(A1)全体に対して、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは0.1〜5モル%であり、かかる含有量が多すぎるとポリエステル系樹脂の製造時にゲル化が生じやすい傾向がある。
〔ポリオール成分(A2)〕
本発明で用いられるポリオール成分(A2)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール;4,4'−チオジフェノール、4,4'−メチレンジフェノール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、o−,m−及びp−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ナフタレンジオール、p−キシレンジオール及びそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体等の芳香族ジオール;等の2価アルコールが挙げられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、反応性に優れる点で、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等のジオールが好ましく、特に、脂肪族ジオールとしてはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく、脂環族ジオールとしては1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂中に分岐点を増やす目的で3価以上の多価アルコールを用いることもでき、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6−ヘキサントリオール、アダマンタントリオール等が挙げられる。
かかる3価以上の多価アルコールの含有割合としては、ポリオール成分(A2)全体に対して、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは0.1〜5モル%であり、かかる含有割合が多すぎるとポリエステル系樹脂の製造が困難となる傾向がある。
多価カルボン酸成分(A1)とポリオール成分(A2)の配合割合としては、多価カルボン酸成分(A1)1当量あたり、ポリオール成分(A2)が1〜2当量であることが好ましく、特に好ましくは1.1〜1.7当量である。ポリオール成分(A2)の含有割合が低すぎると、酸価が高くなり高分子量化が困難となる傾向があり、高すぎると収率が低下する傾向がある。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)は、上記多価カルボン酸成分(A1)とポリオール成分(A2)を任意の割合で配合し、公知の方法によりエステル化反応及び重縮合反応させることにより得られることが好ましい。エステル化反応や重縮合反応の際には必要に応じて触媒を用いることも好ましく、特に重縮合反応の際には触媒存在下で行うことが好ましい。かかる触媒を用いる場合、エステル化合物反応時に配合したり、重縮合反応時に配合したりすることができる。また、エステル化反応時に添加した触媒を引き続いて重縮合反応時の触媒として用いることとして新たな触媒の配合を行わなくてもよいし、前記触媒を更に配合してもよい。
エステル化反応時の反応温度については、160〜280℃が好ましく、特に好ましくは180〜260℃、更に好ましくは200〜250℃である。かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進みにくい傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすい傾向がある。また、反応時の圧力は通常、常圧(1気圧)下で実施される。
上記エステル化反応が行われた後、重縮合反応が行われる。重縮合反応の反応条件としては、触媒を用いることが好ましく、反応温度を好ましくは220〜280℃、より好ましくは230〜270℃にして、反応系を徐々に減圧して最終的には5hPa以下で反応させることが好ましい。かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進行しにくい傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすい傾向がある。
上記の触媒としては、具体的には、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系等の触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。これらの中でも、触媒活性の高さと色相のバランスから、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、二酸化ゲルマニウムジブチル錫ジラウレートが好ましく、特にジブチル錫ジラウレートが好ましい。
該触媒の配合量は、全共重合成分に対して1〜10,000ppmであることが好ましく、特に好ましくは10〜5,000ppm、更に好ましくは10〜3,000ppmである。かかる配合量が少なすぎると、重縮合反応が充分に進行しにくい傾向があり、多すぎても反応時間短縮等の利点はなく副反応が起こりやすい傾向がある。
また、本発明においては、ポリエステル系樹脂(A)として、側鎖に炭化水素基を含有しないものであることが、高温高湿条件下で放置後の接着力に優れる点で好ましい。
なお、側鎖に炭化水素基を含有しないポリエステル系樹脂(A)とするためには、多価カルボン酸成分(A1)として、側鎖に炭化水素基を含有しない多価カルボン酸成分を用い、かつポリオール成分(A2)として、側鎖に炭化水素基を含有しないポリオールを用いればよい。更に、3官能以上のポリオール成分や多価カルボン酸成分を使用する場合には、これら成分も側鎖に炭化水素基を含有しないものを用いればよい。
上記ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度は30℃以下であることが好ましく、更に−80〜25℃、特に−70〜20℃、殊に−70〜−15℃であることが好ましい。かかるガラス転移温度が高すぎると柔軟性が失われ、初期接着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力が発揮できなくなる傾向があり、低すぎると、機械的強度、耐熱性が低下する傾向がある。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、TAインスツルメント社製の示差走査熱量計「DSC Q20」を用いて測定される値である。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましく、更に10,000〜40,000、特に15,000〜35,000であることが好ましい。
かかる数平均分子量が小さすぎると接着剤として充分な凝集力が得られず、耐熱性や機械的強度が低下しやすい傾向があり、数平均分子量が大きすぎると、柔軟性が失われ、初期接着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮しにくい傾向がある。
ポリエステル系樹脂(A)は、結晶化しないことがより好ましいが、結晶化する場合においても、ポリエステル系樹脂(A)の結晶化エネルギーができるだけ低いことがより好ましく、通常35J/g以下、好ましくは20J/g以下であり、特に好ましくは15J/g以下である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]における、ポリエステル系樹脂(A)の含有割合としては、3〜90重量%であることが好ましく、特には5〜80重量%、更には10〜70重量%であることが好ましい。かかるポリエステル系樹脂(A)の含有割合が低すぎると、接着力が低下する傾向があり、高すぎると、耐熱性が低下する傾向がみられる。
かくしてポリエステル系樹脂(A)が得られ、かかるポリエステル系樹脂(A)とともに下記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を用いて本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]が得られる。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)>
かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、エチレン性不飽和基とウレタン結合を有する化合物であり、とりわけ、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)の反応生成物や、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及びポリオール系化合物(b3)の反応生成物が挙げられる。中でも接着性の点から特に好ましくは、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及びポリオール系化合物(b3)の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)である。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;
グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2つ含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3つ以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、エチレン性不飽和基を1〜3個有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物が硬化物の柔軟性を担保できる点と硬化性に優れる点から好ましく、エチレン性不飽和基を1個有する化合物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和基を2個有する化合物として、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和基を3個有する化合物として、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが反応性及び汎用性に優れる点で好ましい。更にこれらの中でも、硬化した時の硬化物の硬化収縮を小さくできる点で、エチレン性不飽和基を1個有する化合物が好ましく、特には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、これら水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
上記多価イソシアネート系化合物(b2)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネート、あるいはこれらポリイソシアネートの3量体化合物または多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、ウレタン化反応時の安定性の点から、ジイソシアネート系化合物が好ましく、特に、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ジイソシアネートが好ましく用いられ、更に好ましくは硬化収縮が小さい点でイソホロンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートが用いられ、殊に好ましくは反応性及び汎用性に優れる点で水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが用いられる。
また、多価イソシアネート系化合物(b2)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ポリオール系化合物(b3)としては、水酸基を2個以上含有する化合物であればよく、例えば、脂肪族ポリオール、脂環族ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリイソプレン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオール等が挙げられる。
上記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、ペンタエリスリトールジアクリレート、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の2個の水酸基を含有する脂肪族アルコール類、キシリトールやソルビトール等の糖アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の3個以上の水酸基を含有する脂肪族アルコール類等が挙げられる。
上記脂環族ポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール等のシクロヘキサンジオール類、水添ビスフェノールA等の水添ビスフェノール類、トリシクロデカンジメタノール等が挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダムあるいはブロック共重合体が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物、環状エステル(ラクトン)の開環重合物、多価アルコールと多価カルボン酸と環状エステルとの3種類の成分による反応物等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトール等)等が挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
上記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、上記ポリエステル系ポリオールの説明中で例示の多価アルコール等が挙げられ、上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等が挙げられる。
なお、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有してもよい。
上記ポリオレフィン系ポリオールとしては、飽和炭化水素骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン等のホモポリマーまたはコポリマーを有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
上記ポリブタジエン系ポリオールとしては、炭化水素骨格としてブタジエンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリブタジエンポリオールであってもよい。
上記ポリイソプレン系ポリオールとしては、炭化水素骨格としてイソプレンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリイソプレン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリイソプレンポリオールであってもよい。
上記(メタ)アクリル系ポリオールとしては、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体の分子内にヒドロキシル基を少なくとも2つ有しているものが挙げられ、かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記ポリシロキサン系ポリオールとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオール、メチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオールが好ましく、硬化物(接着剤)の柔軟性の点で、ポリエーテル系ポリオールが特に好ましく、中でもポリテトラメチレングリコールが最も好ましい。
また、ポリオール系化合物(b3)は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明においては、ポリオール系化合物(b3)の数平均分子量が200〜3,000であることが好ましく、特には250〜2,000、更には300〜1,000であることが好ましい。かかる数平均分子量が小さすぎると架橋密度が上がりすぎて基材との密着不良となる傾向があり、大きすぎると結晶性が高くなり高粘度となる傾向がある。
なお、上記の数平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による数平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本ウォーターズ社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
本発明において、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、次のようにして製造することができる。下記の説明は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及びポリオール系化合物(b3)を反応させてなるものについての説明であるが、かかる方法に準じて行うことにより、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させてなるものも製造できる。
例えば、
(1)上記の水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)、ポリオール系化合物(b3)を、反応器に一括または別々に仕込み反応させる方法、
(2)ポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)を反応させる方法、
(3)多価イソシアネート系化合物(b2)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)とを予め反応させて得られる反応生成物に、ポリオール系化合物(b3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から(2)の方法が好ましい。
ポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応には、公知の反応手段を用いることができる。その際、例えば、多価イソシアネート系化合物(b2)中のイソシアネート基:ポリオール系化合物(b3)中の水酸基とのモル比を通常2n:(2n−2)(nは2以上の整数)程度にすることにより、イソシアネート基を残存させた末端イソシアネート基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を得ることができ、該化合物を得た後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との付加反応を行うことができる。
上記ポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)とを予め反応させて得られる反応生成物と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との付加反応にも、公知の反応手段を用いることができる。
反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との反応モル比は、例えば、多価イソシアネート系化合物(b2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)の水酸基が1個である場合は、反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)が1:2程度であり、多価イソシアネート系化合物(b2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)の水酸基が1個である場合は、反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)が1:3程度である。
この反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が得られる。
かかるポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応、更にその反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクテン酸亜鉛、オクテン酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒、無機ジルコニウム、有機ジルコニウム、ジルコニウム単体等のジルコニウム系触媒、2−エチルヘキサン酸亜鉛/ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の2種類以上の触媒を併用したものが挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。なお、これらの触媒は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、ポリオール系化合物(b3)と多価イソシアネート系化合物(b2)との反応、更にその反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
また、反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
かくして上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が得られる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量は、300〜100,000であることが好ましく、更に1,000〜60,000、特には1,500〜50,000、殊に2,000〜30,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化した時の硬化物(接着剤)の硬化収縮が大きくなる傾向にあり、大きすぎると粘度が高くなり取り扱いが困難になる傾向がある。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(昭和電工社製、「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の粘度については、60℃における粘度で、500〜100,000mPa・sであることが好ましく、特には800〜50,000mPa・s、更には1,000〜35,000mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が高すぎると大量の希釈剤を使用しなければならず、作業性が低下する傾向があり、低すぎると接着性が低下する傾向がある。
なお、粘度の測定方法はE型粘度計による。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]における、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合としては、3〜70重量%であることが好ましく、特には5〜60重量%、更には10〜50重量%であることが好ましい。かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合が低すぎると、耐熱性が低下する傾向があり、高すぎると、接着力が低下する傾向がみられる。
また、ポリエステル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(A/B)は、重量比で、5/95〜95/5であることが、初期接着力と製膜性の両立の点から好ましく、特には10/90〜90/10、更には20/80〜80/20であることが好ましい。
<熱重合開始剤(C)>
熱重合開始剤としては、通常、油溶性の公知のものが使用され、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピネート)、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソオブチレート、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1,1'−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のパーオキサイド系化合物、エチルメチルケトンペルオキシド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート等が挙げられ、これらは1種を単独または2種以上を併せて用いることができる。
中でもパーオキサイド系化合物が好ましく用いられ、更にジラウロイルパーオキサイドが特に好ましい。
熱重合開始剤(C)の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、更には0.1〜15重量部、特には0.2〜10重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると耐熱性が低下する傾向があり、多すぎると接着性が低下する傾向がある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]は、上記(A)〜(C)を含有することにより得られるが、耐熱性の点で、更に架橋剤(D)を含有することが好ましい。
<架橋剤(D)>
架橋剤(D)としては、ポリエステル系樹脂に含まれる水酸基及びカルボキシル基の少なくとも一方と反応する官能基を有する化合物であればいかなるものでも用いることができ、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、メラミン化合物等が挙げられる。これらの中でも初期接着性と機械的強度、耐熱性をバランスよく両立できる点から、特にポリイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられ、また、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート付加物やイソホロンジイソシアネート付加物等のイソシアネート付加物等が挙げられる。なお、上記ポリイソシアネート化合物は、フェノール、ラクタム等でイソシアネート部分が保護されたものでも使用することができる。
これら架橋剤(D)は、その1種を単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
架橋剤(D)の含有量は、ポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量と用途目的により適宜選択できるが、通常は、ポリエステル系樹脂(A)に含まれる水酸基及びカルボキシル基の少なくとも一方の1当量に対して、架橋剤(D)に含まれる反応性基が0.2〜10当量となる割合で架橋剤を含有することが好ましく、特に好ましくは0.5〜4当量であり、更に好ましくは1〜3当量である。架橋剤(D)に含まれる反応性基の当量数が少なすぎると凝集力が低下し、充分な耐熱性が得られない傾向があり、多すぎると柔軟性が低下し、初期接着性が低下し、指圧程度の圧力で充分な接着力を発揮できなくなる傾向がある。
かくして本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]が得られ、この熱硬化性樹脂組成物[i]は、接着剤やコーティング剤、表面保護剤、等に好ましく用いられる。
更に、本発明においては、上記熱硬化性樹脂組成物[i]から熱硬化性接着剤組成物[I]を得ることができ、得られる本発明の熱硬化性接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」と略すことがある)[I]は、上記架橋剤(D)を含有すると、架橋剤による架橋によって、より耐熱性に優れる熱硬化性接着剤となる。
架橋剤による架橋は、通常、常温(約23℃)〜60℃程度の温度で、数分〜数週間の条件で、進行させることができる。
上記架橋剤(D)の含有量は、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、固形分換算で3〜30重量部であることが好ましく、更に好ましくは4〜25重量部、特に好ましくは5〜20重量部である。架橋剤(D)が少なすぎると、凝集力が低下し、充分な耐久性、特に耐熱性が得られない傾向があり、多すぎると柔軟性、及び接着力が低下し剥離が起こりやすくなる傾向がある。
本発明においては、熱硬化性樹脂組成物[i]として、上記(A)〜(C)、好ましくは更に架橋剤(D)を含有させる他に、レベリング剤を含有することが接着剤用途に用いた際に接着剤層の表面均一性を向上させる点で好ましい。
レベリング剤の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物[i]に対して0.01〜5重量%であることが好ましく、特には0.1〜2重量%であることが好ましい。レベリング剤が少なすぎると熱硬化性樹脂組成物[i]を塗工し乾燥した後、接着剤層の表面にはじきが発生し表面均一性が得難くなる傾向があり、多すぎると接着性の低下を招くおそれがある。
上記レベリング剤としては、例えば、アクリル系、シリコン系、フッ素系等のレベリング剤があり、具体的にはアクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリマー等が挙げられる。中でも、接着性の点からアクリル系共重合物のアクリル系レベリング剤が好適に用いられる。
〔その他添加剤〕
上記熱硬化性樹脂組成物[i]、更には熱硬化性接着剤組成物[I]には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、重合禁止剤、帯電防止剤、その他の接着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、ポリオール等の可塑剤、軟化剤、安定剤、耐電防止剤、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の従来公知の添加剤や、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料等の粉体、粒子状等の添加剤、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができるが、これら添加剤の配合量は、組成物全体の30重量%以下であることが好ましく、特に好ましくは20重量%以下である。
また、上記添加剤の他にも、熱硬化性樹脂組成物[i]の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
かくして熱硬化性樹脂組成物[i]層を形成するための熱硬化性樹脂組成物、とりわけ熱硬化性接着剤組成物[I]が得られ、この熱硬化性樹脂組成物[i]、とりわけ熱硬化性接着剤組成物[I]は、有機溶剤に溶解されて、アルミニウム基材や離型樹脂フィルム等の基材上に塗工され、乾燥されて熱硬化性接着剤組成物[I]層を形成することになる。
かかる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソホロン、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤等が挙げられ、これらは単独または2種以上併用して用いることができる。中でも、溶液安定性の点で芳香族系溶剤とケトン系溶剤を併用することが好ましく、具体的には、芳香族系溶剤50〜90重量%とケトン系溶剤10〜50重量%の混合溶剤が好ましい。また必要に応じてエチルセロソルブ、セルソルブアセテート等を併用することもできる。
上記熱硬化性樹脂組成物[i]、とりわけ、熱硬化性接着剤組成物[I]を塗工するに当たっては、上記有機溶剤により、熱硬化性樹脂組成物[i]の樹脂分濃度を10〜40重量%とすることが好ましく、特には20〜30重量%とすることが好ましい。かかる濃度が低すぎると接着剤を厚く塗工することが困難となる傾向があり、高すぎると溶液安定性が低下し、塗工しにくくなる傾向がある。
上記熱硬化性樹脂組成物[i]の塗工方法としては、例えば、グラビアコート、ダイコート、コンマコート、ディップコート、アプリケーター塗工等の公知の方法を用いることができるが、中でも厚みの均一性の点からアプリケーター塗工が好ましい。
上記塗工後の熱硬化性樹脂組成物[i]の乾燥としては、例えば、大気下や真空下で乾燥すればよく、生産性の点から、加熱乾燥することが好ましい。加熱乾燥としては、通常30〜130℃、特には50〜120℃の温度下で、1分〜1時間乾燥することが好ましい。
上記乾燥後の熱硬化性樹脂組成物[i]層の厚みとしては、通常1〜200μm、好ましくは2〜100μmであり、薄すぎると接着性が低下する傾向があり、厚すぎると生産性が低下する傾向がある。
アルミニウム基材上に、熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層が形成されることにより、熱硬化性接着シートが得られるが、その他の熱硬化性接着シートの製造方法として、例えば、(1)離型樹脂フィルム上に、熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層を形成した後に、かかる熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層の上に、アルミニウム基材を貼り合せる方法、更に、(2)離型樹脂フィルム上に、熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層を形成し、かかる熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層の上に、更に別の離型樹脂フィルムを貼り付けて、離型樹脂フィルムが両面に貼り付いている接着剤組成物シートを一旦作製した後、一方の離型樹脂フィルムを剥がし、その剥がした面に、アルミニウム基材を貼り合せる方法等も挙げられる。これらの中でも、作業性の点から、アルミニウム基材上に熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層を形成する方法より、離型樹脂フィルム上に熱硬化性樹脂組成物[i](接着剤組成物[I])層を形成する方法が好ましく、更に保管性の点から上記(2)の方法がより好ましい。
かくしてアルミニウム基材上に熱硬化性樹脂組成物[i]層、とりわけ熱硬化性接着剤組成物[I]層が形成された本発明の熱硬化性接着シートが得られる。
また、本発明の熱硬化性接着シート(以下、「接着シート」と略すことがある)を被着体に接着させるに際しては、該被着体に接着シートの接着剤面を接触させ、加熱したり、加圧したりすることにより、接着することができる。具体的には、例えば、50〜200℃で加熱したり、線圧1〜1000N/cmで加圧したり、更には加熱と加圧を併用することにより行われる。また、例えば、加圧ロールを加熱したラミネーターを用いて連続成形法、加熱した成形用金型等を用いて加熱圧縮して接着する方法(いわゆるバッチ式)等により、加圧一体化する方法が挙げられる。
<薄型平板スピーカー用振動板>
上記接着シートの熱硬化性接着剤組成物[I]層上に、更に、樹脂発泡体を積層することにより、本発明の薄型平板スピーカー用振動板(以下、「振動板」と略すことがある)が得られる。
〔樹脂発泡体〕
上記樹脂発泡体の気泡の平均径は、通常0.1〜1000μmであり、好ましくは0.1〜100μmである。かかる気泡の生成方法としては、例えば、ガス過飽和、気泡核生成及び気泡成長を進行させる方法、発泡剤を用いる方法、フィラーを充填した成形体を延伸させる方法等があり、その生成方法は限定されない。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、非晶性PETコポリマー(PETG)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメタクリルイミド(PMI)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、環状ポリオレフィン(COP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂、塩化ビニル等の塩素系樹脂、熱可塑性エラストマー等の発泡体が挙げられ、好ましくはPET樹脂発泡体、PMI樹脂発泡体等が用いられる。上記樹脂発泡体を構成する樹脂は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
また、上記樹脂発泡体としては、市販されているものでもよく、製造してもよい。
上記樹脂発泡体は、汎用の樹脂発泡体の中でも、低密度でかつ硬度が高く、耐熱性が高く、通気性の高いものが好ましい。低密度であることで積層時の振動板の重量を軽減し、振動板に適した積層構造となる。また、この樹脂発泡体はロール等による絞りに耐えられる可撓性のあるものが好ましい。
本発明に用いる樹脂発泡体の密度としては、振動吸収性の点で、JIS K 6401において、10kg/m3以下、特には0.01〜5kg/m3であることが好ましい。
上記樹脂発泡体の厚みは、1〜1000μmであることが好ましく、更に2〜500μm、特に3〜300μmであることが好ましい。
〔振動板の製造方法〕
上記樹脂発泡体を、上記接着シートの接着剤組成物[I]層上に積層することで、薄型平板スピーカー用振動板が得られる。上記積層方法としては、上記接着シートの接着剤組成物[I]層上に樹脂発泡体を配置した後、(1)80〜200℃の温度により熱硬化する方法、(2)80〜200℃の温度の下、0.5〜100MPaの圧力で、加圧一体化する方法等が挙げられる。加圧一体化する方法としては、例えば、加圧ロールを加熱したラミネーターを用いて連続成形して接着する方法、加熱した成形用金型等を用いて加熱圧縮して接着する方法(いわゆるバッチ式)等が挙げられる。
また、他の実施形態として、樹脂発泡体を挟むように一対の接着シートが積層されている薄型平板スピーカー用振動板とすることもできる。この薄型平板スピーカー用振動板の製造方法としては、上記樹脂発泡体を上記一対の接着シートの接着剤層側と接するように配置した後、(1)80〜200℃の温度により熱硬化する方法、(2)80〜200℃の温度の下、0.5〜100MPaの圧力で、加圧一体化する方法等が挙げられる。
本発明の薄型平板スピーカー用振動板は、上記接着シートと樹脂発泡体からなることから、耐熱性に優れ、接着剤層の剥がれ等なく経時安定性に優れるものとなる。このような薄型平板スピーカー用振動板は、よりスピーカーの小型化及び信頼性の向上化が図れることから、携帯端末機用スピーカーに用いることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例及び比較例に先立って、下記に示す熱硬化性接着剤組成物の各成分及び基材を用意した。
<ポリエステル系樹脂(A−1)>
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分としてイソフタル酸9.6部及びセバシン酸46.8部、ポリオール成分としてネオペンチルグリコール27.1部、1,4−ブタンジオール13.0部、1,6−ヘキサンジオール3.0部及びトリメチロールプロパン3.0部、触媒としてテトラブチルチタネート0.01部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。その後、内温260℃まで上げ、触媒としてテトラブチルチタネート0.01部を仕込み、1.33hPaまで減圧し、3時間かけて重縮合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A−1)(ガラス転移温度−50℃、数平均分子量21000)を得た。
<ポリエステル系樹脂(A−2)>
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管及び真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A1)としてイソフタル酸9.2部、セバシン酸22.3部、アゼライン酸20.7部、ポリオール成分(A2)としてエチレングリコール8.9部、シクロヘキサンジメタノール38.9部、触媒として二酸化ゲルマニウム0.02部仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。その後、内温270℃まで上げ1.33hPaまで減圧し、3時間かけて重縮合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A−1)(ガラス転移温度−25℃、数平均分子量27000)を得た。
<ポリエステル系樹脂(A−3)>
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管および真空装置の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分(A1)としてテレフタル酸21.0部、イソフタル酸16.6部、およびアジピン酸23.0部、ポリオール成分(A2)としてエチレングリコール18.4部、ネオペンチルグリコール21.0部、触媒として二酸化ゲルマニウム0.02部を仕込み、内温250℃まで徐々に温度を上げ、4時間かけてエステル化反応を行った。その後、内温270℃まで上げ1.33hPaまで減圧し、3時間かけて重合反応を行い、ポリエステル系樹脂(A−3)(ガラス転移温度10℃、数平均分子量27000)を得た。
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート37.5g(0.17モル)、ポリテトラメチレングリコールジオール25.5g(水酸基価167mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量672;0.04モル)、ポリエステルトリオール13.4g(水酸基価262mgKOH/g;水酸基価から計算される分子量642;0.02モル)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.02gを仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が11%以下となった時点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.6g(0.2モル)、重合禁止剤としてメトキシフェノール0.04gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)(エチレン性不飽和基濃度:2.0mmol/g、重量平均分子量:3,400)を得た。
<製造例1:ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−2)>
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(イソシアネート基含有量:21.0%)を29.3g(0.05モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価120mgKOH/g)を70.7g(0.15モル)、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール0.06g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−2)(エチレン性不飽和基濃度6.0mmol/g;重量平均分子量は10,500)70gと、ペンタエリスリトールテトラアクリレート30gの混合物を得た。
<熱重合開始剤(C−1)>
ジラウロイルパーオキサイド(日油社製、パーロイルL)
<架橋剤(D−1)>
イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL−55E)
<アルミニウム基材>
日本テストパネル社製アルミ板「A1050P」(厚み1.0mm)
<離型PETフィルム>
・三井化学東セロ社製の「SPPET−O1BU38」(厚み38μm)
・三井化学東セロ社製の「SPPET−O3BU38」(厚み38μm)
<PET発泡体>
・王子タック社製の「CR50/OP1/G7B」(厚み50μm)
〔実施例1〕
ポリエステル系樹脂(A−1)溶液(酢酸エチルで希釈した後の樹脂分51.7%)96.7部(樹脂分50部)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)50部、熱重合開始剤(C−1)2部、及び、架橋剤(D−1)4部をフラスコ中で、常温(23℃)で混合し、熱硬化性接着剤組成物[I]を調製した。これを乾燥後の熱硬化性接着剤組成物[I]の厚さが10μmになるように、離型PETフィルム「SPPET−O3BU38」上に、アプリケーターで塗工し、80℃で3分間乾燥させた後、離型PETフィルム「SPPET−O1BU38」を貼り合わせることで熱硬化性接着剤組成物シートを得た。
かかる接着剤組成物シートから、離型PETフィルム「SPPET−O1BU38」を剥がしながら、その剥がした面に、ラミネーターで、常温で1m/分、1.5MPaにてアルミニウム基材を貼り合わせ、熱硬化性接着シートを作製した。その後、かかる熱硬化性接着シートから、もう一方の離型PETフィルム「SPPET−O3BU38」を剥がしながら、その剥がした面に、同じ条件で、PET発泡体を貼り合わせることで、「アルミニウム基材−接着剤組成物層−PET発泡体」の積層体[α−1]を得た。その後、この積層体を150℃で10分間加熱し、接着剤組成物層が硬化した「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の積層体[β−1]を得た。
なお、上記「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の積層体は、本発明の薄型平板スピーカー用振動板に相当するものである。
〔実施例2〕
実施例1において、ポリエステル系樹脂(A−1)溶液をポリエステル系樹脂(A−2)溶液に、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)をウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−2)に変更した以外は同様に行い、「アルミニウム基材−接着剤組成物層−PET発泡体」の積層体[α−2]及び、「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の積層体[β−2]を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、ポリエステル系樹脂(A−1)溶液をポリエステル系樹脂(A−3)溶液に変更した以外は同様に行い、「アルミニウム基材−接着剤組成物層−PET発泡体」の積層体[α−3]及び、「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の積層体[β−3]を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、接着剤組成物として、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)と熱重合開始剤(C−1)とを配合しなかった以外は同様に行い、「アルミニウム基材−接着剤組成物層−PET発泡体」の積層体[α’−1]及び、「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の積層体[β’−1]を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、接着剤組成物として、ポリエステル系樹脂(A−1)溶液と架橋剤(D−1)を配合しなかった以外は同様に行い、「アルミニウム基材−接着剤組成物層−PET発泡体」の積層体を得ようとしたが、積層体を形成できなかった。
上記で得られた実施例および比較例の「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の各積層体について、下記の測定方法に従って、それぞれ特性評価を行った。その結果を表1に示す。
〔接着性評価〕
上記「アルミニウム基材−接着剤層−PET発泡体」の各積層体を、15cm×2.5cmにカットし、23℃の環境下、JIS Z 0237の接着力の測定方法に準じ、アルミニウム基材と接着剤層とのピール強度(N/25mm)を測定した。また、150℃で5分放置した後の150℃環境下での接着性についても下記に示す基準にて評価した。
○・・・アルミニウム基材を剥がすのに抵抗があった
×・・・アルミニウム基材を剥がすのに抵抗がなかった
Figure 2018044117
上記表1の結果より、実施例1〜3においては、常温下でも良好な接着性を有するとともに、高温下においても接着性を維持しているのに対して、比較例1においては、高温下では接着性が著しく低下するものであり、比較例2においては、積層体を形成することすらできないものであった。
従って、実施例の積層体、すなわち、実施例の薄型平板スピーカー用振動板は、時として高温となる携帯端末機のスピーカーとして最適であることが分かった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物[i]は、薄型平板スピーカー用振動板の構成部材である接着シートとして適しており、アルミニウム基材との接着性、特に高温下での接着性が非常に優れることから、携帯端末機用スピーカーの振動板の他、電子部品用スピーカー、精密機器用スピーカー、車載用スピーカー等の振動板としても好適に用いることができる。また、フレキシブル基板、とりわけフレキシブルプリント配線板(FPC)の接着剤にも有用である。更に、ガラス、プラスチック等の各種基板の表面保護にも用いることができる。

Claims (11)

  1. ポリエステル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び熱重合開始剤(C)を含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度が30℃以下であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 更に、架橋剤(D)を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. ポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量が、5,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)、多価イソシアネート系化合物(b2)及びポリオール系化合物(b3)の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量が300〜100,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. ポリエステル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(A/B)が、重量比で、5/95〜95/5であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物[i]からなることを特徴とする熱硬化性接着剤組成物。
  9. 請求項8記載の熱硬化性接着剤組成物[I]層がアルミニウム基材上に形成されてなることを特徴とする熱硬化性接着シート。
  10. 請求項9記載の熱硬化性接着シートと樹脂発泡体とが積層されてなることを特徴とする薄型平板スピーカー用振動板。
  11. 薄型平板スピーカーが携帯端末機用スピーカーであることを特徴とする請求項10記載の薄型平板スピーカー用振動板。
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