JP2018114702A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷装置における被印刷物の位置決め治具を安価かつ迅速に製作する。
【解決手段】
本発明に係る印刷装置は、テーブルと、インクヘッドと、光照射機構と、移動機構と、記憶部と、設定部と、制御部とを備える。記憶部は、被印刷物5の輪郭線210のデータを含む印刷データを記憶している。設定部は、記憶部に記憶された被印刷物5の輪郭線210のデータに基づいて、輪郭線210の少なくとも一部に沿った側面220aを有する枠220の形状を設定する。制御部は、テーブルに載置されたベース200上に光硬化性インクによって枠220が形成されるように、インクヘッド、光照射機構、および移動機構を制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来から、立体物などの被印刷物に印刷を行う印刷装置として、いわゆる、フラットベッドタイプの印刷装置が知られている。フラットベッドタイプの印刷装置として、例えば、特許文献1には、被印刷物が載置され副走査方向に被印刷物を搬送するテーブルと、主走査方向に移動するインクヘッドおよび紫外線照射ランプとを備え、被印刷物に対して紫外線硬化インクで印刷するプリンタが開示されている。
特開2013−1004号公報
ところで、フラットベッドタイプの印刷装置で被印刷物に印刷を行うにあたっては、被印刷物をテーブル上で位置決めする治具が必要である。治具を製作するには時間およびコストが掛かり、また一度製作した治具の変更は容易ではない。治具が必要であることによって、被印刷物の試作にはコストと時間が掛かり、被印刷物の形状変更への対応が柔軟にいかないことも起こり得る。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被印刷物の位置決め治具を安価かつ迅速に製作し、被印刷物の形状変更にも柔軟に対応することである。
本願発明に係る印刷装置は、被印刷物が載せられるベースが載置されるテーブルと、前記テーブルに載置される前記ベースに光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、前記ベースに吐出される前記光硬化性インクに光を照射する光照射機構と、前記インクヘッドおよび前記光照射機構を前記テーブルに対して移動させる移動機構と、前記被印刷物の輪郭線のデータを含む印刷データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記被印刷物の輪郭線のデータに基づいて前記輪郭線の少なくとも一部に沿った側面を有する枠の形状を設定する設定部と、前記光硬化性インクによって前記ベース上に前記枠が形成されるように、前記インクヘッド、前記光照射機構、および前記移動機構を制御する制御部と、を備える。
また、本発明に係る印刷方法は、被印刷物の輪郭線のデータに基づいて前記輪郭線の少なくとも一部に沿った側面を有する枠の形状を設定する工程と、前記枠の形状に基づいてインクヘッドからベース上に光硬化性インクを吐出し、前記ベース上の前記光硬化性インクに光を照射することによって、前記ベース上に前記光硬化性インクによる前記枠を形成する工程と、前記枠に前記被印刷物を嵌め込む工程と、前記被印刷物に前記インクヘッドから前記光硬化性インクを吐出し前記被印刷物上の前記光硬化性インクに光を照射することで前記被印刷物に印刷を行う工程と、を有する。
上記印刷装置および印刷方法によれば、被印刷物の輪郭線のデータに基づいて、光硬化性インクによって、ベース上に被印刷物を嵌め込む枠を製作することができる。光硬化性インクによってベース上に枠を製作すれば、被印刷物に印刷するときに被印刷物を位置決めするための位置決め治具の製作が不要になり、試作の時間とコストの削減に繋がる。また、枠の印刷は、被印刷物の輪郭線のデータに基づくので、枠を製作するための印刷データを改めて作成する必要がなく、被印刷物の設計変更にも柔軟に対応できる。さらに、枠そのものが印刷データに基づいて製作されるため、枠と印刷データの位置がずれ、結果、印刷位置がずれる不具合も発生しにくい。
なお、上記印刷装置においては、枠は、側面が被印刷物の輪郭線に「沿う」ように形成されるが、後述する第6実施形態に特に示されるように、「沿う」とは必ずしも「密着する」ことを意味せず、適切な間隔を保っている場合も含む。また、後述する図18(a)に係る変形例に特に示されるように、「沿う」とは必ずしも「線として沿う」ことを意味せず、断続する点の集合として沿うことを含む。
実施形態に係る印刷装置を示す斜視図である。 フロントカバーを開けた状態の印刷装置を示す正面図である。 印刷装置の要部を模式的に示した平面図である。 キャリッジ、インクヘッド、および紫外線照射ランプを模式的に示した正面図である。 第1実施形態に係る印刷装置のブロック図である。 印刷データの模式図である。 第1実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 第2実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第2実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 第3実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第3実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 第4実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第4実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 第5実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第5実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 第6実施形態に係る制御装置のブロック図である。 第6実施形態に係る印刷装置で設定された枠の形状の例を示す模式図である。 枠の形状に関する変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、一実施形態に係る印刷装置100を示す斜視図である。図2は、フロントカバー20を開けた状態の印刷装置100を示す正面図である。以下の説明では、印刷装置100を正面から見たときに、印刷装置100から遠ざかる方を前方、印刷装置100に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、印刷装置100を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、印刷装置100の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは、副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向である。主走査方向Yと副走査方向Xとは平面視において直交している。符号Zは、高さ方向、すなわち、上下方向を示している。ただし、主走査方向Y、副走査方向Xおよび高さ方向Zは、特に限定されず、印刷装置100の形態に応じて適宜に設定可能である。
本実施形態では、印刷装置100は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。また、印刷装置100は、いわゆる、フラットベッドタイプのプリンタである。
印刷装置100は、立体物などの被印刷物5(図6参照)にインクを吐出して、被印刷物5に印刷を行う装置である。図1に示すように、印刷装置100は、箱状に形成されている。本実施形態では、印刷装置100は、ケース10と、フロントカバー20と、操作パネル25を備えている。ケース10は、底部11と、前壁部12と、後壁部13と、左壁部14と、右壁部15と、天面部16とを有している。底部11は、板状の部材である。前壁部12は、底部11の前端の右部に接続され、底部11の前端の右部から上方に延びている。図示は省略するが、後壁部13は、底部11の後端に接続され、底部11の後端から上方に延びている。左壁部14は、底部11の左端に接続され、底部11の左端から上方に延びている。左壁部14の後端は、後壁部13の左端に接続されている。右壁部15は、底部11の右端に接続され、底部11の右端から上方に延びている。ここでは、右壁部15の前端は、前壁部12の右端に接続され、右壁部15の後端は、後壁部13の右端に接続されている。天面部16は、前壁部12の上端、後壁部13の上端、左壁部14の上端、および、右壁部15の上端にそれぞれ接続されている。図2に示すように、ケース10の前部には、開口17が形成されている。
フロントカバー20は、ケース10の開口17を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー20は、後端を軸に回転可能なように、ケース10に支持されている。
本実施形態では、底部11、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15、天面部16およびフロントカバー20に囲まれることによって、内部空間18が形成されている。内部空間18は、印刷装置100による印刷が行われる空間である。フロントカバー20の後端を軸にして、フロントカバー20を上方に回転させることによって、内部空間18と外部空間とが連通される。
本実施形態では、図1に示すように、フロントカバー20には、窓部21が設けられている。窓部21は、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓部21を通じて内部空間18を視認することが可能である。
操作パネル25は、ケース10の右前部に設けられている。ここでは、操作パネル25は、天面部16の右前部に設けられている。操作パネル25は、作業者が印刷に関する操作を行うパネルである。
次に、印刷装置100の内部構成について説明する。図3は、印刷装置100の要部を模式的に示した平面図である。なお、図3では、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15、天面部16およびフロントカバー20が取り外されている。図4は、キャリッジ61、インクヘッド30および第1紫外線照射ランプ41および第2紫外線照射ランプ42を模式的に示した正面図である。図5は、印刷装置100に係るブロック図である。図2〜図5に示すように、印刷装置100は、インクヘッド30と、インクカートリッジ35と、光照射機構40と、テーブル50と、移動機構60と、制御装置90と、を備えている。制御装置90は、印刷制御部72と、記憶部74と、設定部76と、モード選択部78と、を備えている。移動機構60は、キャリッジ61と、ガイドレール62と、ヘッド駆動装置63と、第1テーブル移動機構64と、第2テーブル移動機構65とを備えている。
インクヘッド30は、キャリッジ61に設けられている。インクヘッド30は、テーブル50上に向けて光硬化性インクを吐出する部材である。本実施形態では、インクヘッド30の数は「6」であるが、インクヘッド30の数は特に限定されない。複数のインクヘッド30は、主走査方向Yに並んで配置されている。図示は省略するが、インクヘッド30の底面には、複数のノズルが形成されている。インクヘッド30では、このノズルから下方に向かって光硬化性インクが吐出される。
複数のインクヘッド30には、それぞれインクカートリッジ35が接続されている。インクヘッド30と、インクカートリッジ35とは、図示しないインクチューブによって接続されている。インクカートリッジ35には、それぞれ色の異なる光硬化性インクが収容されている。光硬化性インクは、例えば、紫外線硬化インクである。紫外線硬化インクは、紫外線が照射されることによって硬化するインクである。複数のインクカートリッジ35のうちの少なくとも一つのインクカートリッジには、グロスインク(透明インク)が収容されている。グロスインクは本来、印刷の艶出し等の表面処理のために使用するインクであるが、厚盛り可能なため、本実施形態においては、被印刷物5の位置決めをするための枠220(図7参照)の形成にも用いられる。紫外線硬化のグロスインクは、紫外線の照射によって即座に硬化するため、厚盛り印刷に適している。本実施形態では、底部11の左後部にインクカートリッジ収容部36が設けられ、インクカートリッジ35は、インクカートリッジ収容部36に収容されている。
図4に示すように、本実施形態では、光照射機構40は、キャリッジ61に設けられている。本実施形態にあっては、光硬化性インクは紫外線硬化インクであるので、光照射機構40は、第1紫外線照射ランプ41および第2紫外線照射ランプ42から構成される。第1紫外線照射ランプ41および第2紫外線照射ランプ42は、テーブル50上に向けて、インクヘッド30から吐出された光硬化性インクを硬化させる紫外線を発する。第1紫外線照射ランプ41は、キャリッジ61の左側面、インクヘッド30よりも左方に配置されている。第2紫外線照射ランプ42は、キャリッジ61の右側面、インクヘッド30よりも右方に配置されている。紫外線照射ランプが、インクヘッド30の左右にあることで、キャリッジ61が主走査方向Yのどちらに移動されるときでも、光照射機構40は、テーブル50上に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射することができる。
図2に示すように、テーブル50は、ケース10内の内部空間18に配置されている。テーブル50は、インクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42よりも下方に配置されている。図3に示すように、テーブル50は、平面視において、底部11における主走査方向Yの中央部分に配置されている。
移動機構60は、テーブル50に対して、インクヘッド30および光照射機構40を動かす機構である。この移動は相対的なものであって、本実施形態では、移動機構60は、テーブル50を副走査方向X(前後方向)および高さ方向Z(上下方向)に動かし、インクヘッド30および光照射機構40を主走査方向Y(左右方向)に動かす。勿論、上述の移動方向は一つの例であって、移動機構60が、テーブル50、インクヘッド30、光照射機構40を動かす方向は、上記方向に限定されない。
ガイドレール62は、キャリッジ61を主走査方向Yにガイドするものである。図2に示すように、ガイドレール62は、主走査方向Yに延びている。本実施形態では、ケース10内には、主走査方向Yに延びた内壁19が設けられている。内壁19の左端は、左壁部14に接続され、内壁19の右端は、右壁部15に接続されている。ガイドレール62は、内壁19に固定されている。
キャリッジ61は、ガイドレール62に摺動自在に係合している。キャリッジ61は、ガイドレール62に沿って主走査方向Yへの移動が可能である。図4に示すように、キャリッジ61には、インクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42が設けられている。キャリッジ61において、第1紫外線照射ランプ41および第2紫外線照射ランプ42、複数のインクヘッド30は、主走査方向Yに並ぶように配置されている。
キャリッジ61、インクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42は、一体となって、ガイドレール62に沿って主走査方向Yに移動する。本実施形態では、図3に示すように、キャリッジ61には、ヘッド駆動装置63が接続されている。ヘッド駆動装置63は、キャリッジ61をガイドレール62に沿って主走査方向Yに移動させる装置である。ヘッド駆動装置63が駆動することによって、キャリッジ61、インクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42は、主走査方向Yに移動する。ヘッド駆動装置63の種類は特に限定されないが、例えば、ヘッド駆動装置63は、モーターである。
第1テーブル移動機構64は、テーブル50を副走査方向Xに移動させる。図3に示すように、平面視において、第1テーブル移動機構64は、底部11の主走査方向Yの中央部分に開けられた開口11aの下に設けられている。第1テーブル移動機構64は、第1シャフト64aと、第2シャフト64bと、搬送部材64cと、第1駆動モーター64dとを備えている。第1シャフト64aおよび第2シャフト64bは、副走査方向Xに延びている。第1シャフト64aと第2シャフト64bとは平行に配置されている。第1シャフト64aおよび第2シャフト64bは、底部11に支持されている。搬送部材64cは、第1シャフト64aおよび第2シャフト64bに対して摺動自在に設けられている。本実施形態では、搬送部材64cは、平板64c−1と、第1筒状部64c−2と、第2筒状部64c−3とを有している。平板64c−1は、底部11の開口11aの下方に位置している。図2、図3に示すように、第1筒状部64c−2および第2筒状部64c−3は、中空の筒状のものであって、例えば、ボールブッシュである。第1筒状部64c−2は、平板64c−1の左端に設けられ、第2筒状部64c−3は、平板64c−1の右端に設けられている。第1筒状部64c−2には、第1シャフト64aが摺動自在に挿入されている。第2筒状部64c−3には、第2シャフト64bが摺動自在に挿入されている。図5に示すように、第1駆動モーター64dは、搬送部材64cを副走査方向Xに移動させる駆動源である。図3に示すように、搬送部材64cは、第1駆動モーター64dの駆動によって、第1シャフト64aおよび第2シャフト64bに沿って、副走査方向Xに移動する。搬送部材64cの上には、高さ調整部材65aを介して、テーブル50が載置されている。そこで、第1テーブル移動機構64は、テーブル50を副走査方向Xに移動することができる。
図2に示すように、第2テーブル移動機構65は、テーブル50を高さ方向Z(上下方向)に移動させる機構である。第2テーブル移動機構65は、底部11に設けられた開口11aの下で第1テーブル移動機構64と接続され、開口11aを通ってテーブル50を支持している。第2テーブル移動機構65は、高さ調整部材65aと、第2駆動モーター65bとを備えている。高さ調整部材65aは、高さが可変な部材である。高さ調整部材65aは、高さを調整する機構として、例えば、ラックおよびピニオン機構を備えている。第2駆動モーター65bは、高さ調整部材65aに接続されており、駆動することで、高さ調整部材65aの高さを調整する。高さ調整部材65aの高さが変更されることによって、テーブル50の高さが調整される。
図5に示すように、制御装置90は、印刷制御部72、記憶部74、設定部76、モード選択部78を備えている。制御装置90は、例えば、印刷装置100に接続されたコンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。制御装置90の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。また、各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。印刷制御部72、記憶部74、設定部76、モード選択部78の構成は特に限定されない。
印刷制御部72は、記憶部74、設定部76、モード選択部78、操作パネル25に接続されている。印刷制御部72は、記憶部74に記憶された印刷データ、および操作パネル25に入力された印刷に関する情報に基づいて、被印刷物5への印刷の制御を行う。または、設定部76に設定された枠220の形状に基づいて、枠220の印刷の制御を行う。被印刷物5への印刷を行うか、枠220の印刷を行うかは、モード選択部78で選択される。
印刷制御部72は、キャリッジ61に接続されたヘッド駆動装置63に接続されている。印刷制御部72は、ヘッド駆動装置63の駆動を制御することで、キャリッジ61に配置されたインクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42の主走査方向Yへの移動を制御する。また、印刷制御部72は、複数のインクヘッド30、第1紫外線照射ランプ41、および第2紫外線照射ランプ42に接続されている。印刷制御部72は、インクヘッド30がテーブル50上に紫外線硬化インクを吐出するタイミングなどを制御する。また、印刷制御部72は、テーブル50上に吐出された紫外線硬化インクに対して、第1紫外線照射ランプ41および第2紫外線照射ランプ42が紫外線を照射するタイミングなどを制御する。
印刷制御部72は、第1テーブル移動機構64の第1駆動モーター64d、第2テーブル移動機構65の第2駆動モーター65bに接続されている。印刷制御部72は、第1テーブル移動機構64の第1駆動モーター64dを制御することによって、テーブル50の副走査方向Xへの移動を制御する。印刷制御部72は、第2テーブル移動機構65の第2駆動モーター65bを制御することによって、テーブル50の高さ方向Zへの移動を制御する。
記憶部74は、被印刷物5の輪郭線のデータを含む印刷データを記憶している。図6は、印刷データの模式図である。符号205は、被印刷物5に印刷を施す印刷部位である。図6に示す例においては、印刷データ中に、被印刷物5が16個配置されている。つまり、図6の例では、1回のセッティングで被印刷物5は16個印刷されるように設定されている。被印刷物5は、立体物であり、例えば、スマートフォンケース等である。被印刷物5を形成する材料は、塩化ビニル、アクリル等である。ここでは、一度に印刷される複数の被印刷物5は、全て同じ種類の被印刷物5であるが、異なる種類の被印刷物5であってもよい。図示は省略するが、印刷部位205には、被印刷物5に印刷する模様や色などのデータが記憶されている。印刷部位205の外周にあたる部位が、被印刷物5の外側輪郭線211である。外側輪郭線211は、平面視したときの被印刷物5の外形線である。印刷部位205の外側輪郭線211の内側にあって隠れ線で表された線は、被印刷物5の内側輪郭線212である。内側輪郭線212は、外側輪郭線211から被印刷物5の厚みが差し引かれた線である。以下、外側輪郭線211および内側輪郭線212を総称する場合には、輪郭線210と呼ぶこととする。
設定部76は、記憶部74と接続され、記憶部74に記憶された被印刷物5の輪郭線210のデータに基づいて、輪郭線210の少なくとも一部に沿った側面を有する枠220(図7参照)の形状を設定する。
モード選択部78は、枠220の印刷を行うモード(以下、枠印刷モードと言う。)か、被印刷物5の印刷を行うモード(以下、印刷モードと言う。)かを作業者が選択する部材である。モード選択部78は、印刷制御部72と接続されている。枠印刷モードが選択されたときには、モード選択部78は、印刷制御部72に、設定部76で設定された形状に基づいて枠220を印刷するよう指令する。印刷モードが選択されたときには、モード選択部78は、印刷制御部72に、記憶部74に記憶された印刷データに基づいて被印刷物5に印刷を行うように指令する。
ベース200は、テーブル50上に載置される部材であって、好ましくは、板状の部材である。ベース200は、枠印刷モードにおいては、被印刷物5を嵌め込むための枠220がその上に形成される部材であり、印刷モードにおいては、その上で被印刷物への印刷が行われる部材である。ベース200の材料は、例えば、塩化ビニル、アクリル等である。ベース200の材料は、光硬化性インクとの接着性が良い材料が望ましい。また、ベース200は、その上に枠220が形成されるため、自重で撓まない程度の強度がある方が好ましく、また、繰り返し使用に耐える程度の耐久性がある方が好ましい。
以下では、設定部76における枠220の形状の設定について、いくつかの実施形態に分けて説明する。いずれの実施形態も、上記に説明した共通の構成要素を含み、同じ構成要素は同じ機能を有する。そこで、以下に記載するいくつかの実施形態の説明においても、これまでに使用した符号と同じ符号を用いるものとする。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る印刷装置100にあっては、枠220の形状は、記憶部74に記憶されている被印刷物5の印刷データに基づいて設定部76により自動で設定される。設定部76は、被印刷物5の印刷データに含まれる輪郭線210のデータに基づき、輪郭線210に沿った側面220a(図7参照)を有する枠220の形状を設定する。本実施形態にあっては、設定部76が枠220を設定する輪郭線は、外側輪郭線211である。
図7は、第1実施形態に係る印刷装置100で設定した枠220の模式図である。図7では、被印刷物5ひとつに対して設定される枠220だけを示している。後述する図9、図11、図13、図15、図17、図18(a)においても同様である。図7に示されるように、枠220は、被印刷物5の外側輪郭線211の外側に、全周に亘って形成されている。枠220の内側の側面220aは、外側輪郭線211に沿って設定されている。枠220の幅は、全周に亘って同じ幅L1である。枠220の幅L1は、予め設定部76内に登録されている。枠220の幅L1は、定数として登録されていてもよいし、あるいは例えば、外側輪郭線211の全周の長さに対する関数として登録されていてもよい。枠220の幅L1は、作業者が適宜変更できるようになっていてもよい。また、枠220の高さTも、全周に亘って一定である。枠220の高さTも、予め設定部76内に登録されている。枠220の高さは、枠としての機能を発揮する必要上、ある程度以上の高さに設定される。枠220の高さTは、少なくとも被印刷物5に対する印刷厚みよりは高く、例えば0.5mm以上に設定される。枠220の高さTもまた、作業者が適宜変更できるようになっていてもよい。
本実施形態に係る印刷装置100で枠220を製作するにあたっては、まず、被印刷物5の外側輪郭線211のデータを含む印刷データが記憶部74に記憶される。また、ベース200が、テーブル50上に載置される。さらに、モード選択部78で、枠印刷モードか印刷モードかが選択される。枠印刷モードが選択された場合は、設定部76によって、例えば制御装置90に接続されたモニターなどに、枠220の完成イメージの画像が映し出される。枠220の形状の設定は、制御装置90によって自動で行われる。枠220の幅L1および高さTの変更を行う場合は、上記画面または上記画面から入る変更画面で行う。
上述のようにして、設定部76において、図7に示すような枠220の形状が設定されると、印刷制御部72は、インクヘッド30、光照射機構40、および移動機構60を制御して、ベース200上に枠220を形成させる。枠220の材料は、インクヘッド30から吐出される光硬化性樹脂であり、その形成方法は、被印刷物5への印刷と同様である。印刷制御部72は、ヘッド駆動装置63を制御して、キャリッジ61に配置されたインクヘッド30および光照射機構40を主走査方向Yに移動させ、また、第1テーブル移動機構64の第1駆動モーター64dおよび第2テーブル移動機構65の第2駆動モーター65bを制御して、テーブル50を副走査方向Xおよび高さ方向Zに移動させる。印刷制御部72は、上記キャリッジ61およびテーブル50の動きに連動させて、インクヘッド30に紫外線硬化インクを吐出させる。インクヘッド30が光硬化性インクを吐出するのは、枠220が設定されているベース200上の領域に対してである。紫外線硬化インクが吐出された領域には、光照射機構40によって紫外線が照射される。このようにして、印刷装置100は、被印刷物5を嵌め込む枠220をベース200上に形成する。
上記第1の実施形態に係る印刷装置100によれば、被印刷物5の外側輪郭線211のデータに基づいて、光硬化性インクによって、ベース200上に被印刷物5を嵌め込む枠220を製作することができる。光硬化性インクによってベース200上に枠220を製作すれば、被印刷物5に印刷するときに被印刷物5を位置決めするための位置決め治具の製作が不要になり、試作の時間とコストの削減に繋がる。また、枠220の印刷は、被印刷物5の外側輪郭線211のデータに基づくので、枠220を製作するための印刷データを改めて作成する必要がなく、被印刷物5の設計変更にも柔軟に対応できる。さらに、枠220そのものが印刷データに基づいて製作されるため、枠220と印刷データの位置がずれ、結果、印刷位置がずれる不具合も発生しにくい。
また、枠220がある程度以上の高さを持つことで、被印刷物5の固定が安定し、印刷位置がずれる危険を低減することができる。枠220の高さTは、紫外線硬化インクが複数回重ね塗りされ、厚盛り印刷されることで実現される。印刷1回で盛られる紫外線硬化インクの高さはおおよそ分かっており、枠220の高さTは、重ね塗りされる回数として印刷制御部72に把握される。例えば、感光性樹脂を含んだ高粘度のグロスインクは、繰り返し印刷を行えば、最大5mm程度まで厚盛りすることができる。
また、図6に示すように、被印刷物5の印刷データには複数の被印刷物5のデータが含まれていてもよい。設定部76は、複数の被印刷物5を含む印刷データに基づいて、複数の被印刷物5それぞれについて枠220の形状を設定する。
枠220がベース200上に形成された後、被印刷物5が枠220に嵌め込まれる。そして、印刷モードで、被印刷物5に対して画像の印刷が行われる。印刷制御部72は、ベース200上に載せられかつ枠220に嵌め込まれた被印刷物5に対して印刷データに基づいて印刷を行うように、インクヘッド30、光照射機構40、および移動機構60を制御する。それにより、安価で位置決め精度の高い印刷を、被印刷物5に対して行うことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る印刷装置100は、輪郭線210の一部に対して枠220を設定できるように構成された実施形態である。本実施形態に係る印刷装置100は、枠220を設定する対象となる輪郭線210の部分が入力される第1入力部81を備える。図8に、本実施形態に係る制御装置90のブロック図を示す。図8に示されるように、第1入力部81も、制御装置90の一部であって、ソフトウェア、あるいはハードウェアによって構成される。第1入力部81も、設定部76と同様に、コンピュータに接続されたモニター等を介して入力操作が行われる。ただし、第1入力部81の構成は特に限定されない。第1入力部81は、設定部76と接続されている。設定部76は、輪郭線210のうち第1入力部81に入力された部分に対して枠220を設定する。
図9は、本実施形態に係る印刷装置100によって設定された枠220の形状の例を示す模式図である。図9は、上方Uから見た平面図であって、図9の左方が印刷装置100の左方Lである。図9に示されるように、枠220は、被印刷物5の外側輪郭線211の外側に断続的に形成されている。枠220は、輪郭線210のうちのいくつかの部分(以下、対象部分215と呼ぶ。)に対してだけ設定されている。図9の場合、対象部分215は、被印刷物5の外側輪郭線211の四隅付近の4箇所である。対象部分215は、輪郭線210の1箇所または2箇所以上の部分に設定される。図9に示されるように、枠220は、被印刷物5の形状によっては被印刷物5の全周に亘るものでなくともよく、断続的な枠であっても枠として十分に機能する。
枠220を設定するとき、作業者は、第1入力部81が画像として映し出されたモニターを見ながら、対象部分215を入力する。対象部分215の入力方法は、例えば、マウスのドラッグなどによって輪郭線210のうちの所望の部分を作業者が指定する方法である。あるいは、第1入力部81が自動的に分割した輪郭線210のうちの所望の部分を選択する方法である。あるいは、メニューに登録されている選択肢(例えば、「全周」、「四隅」、「対角二隅」等)から、作業者が選択する方法である。勿論、上記方法は例示であって、対象部分215の入力方法は、上記方法に限られるものではない。
上記のように本実施形態に係る印刷装置100では、輪郭線210の一または二以上の対象部分215に沿った側面220aを有する枠220が設定される。本実施形態によれば、被印刷物5を嵌める枠として必要な部分だけを備えた枠220を形成することができ、必要でない部分は形成されない。従って、枠220の形成に要する時間および光硬化性樹脂を節約することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る印刷装置100は、被印刷物5の外側だけでなく内側にも枠220を設定できるように構成された実施形態である。本実施形態に係る印刷装置100は、枠220を設定する対象となる輪郭線を、外側輪郭線211および内側輪郭線212のいずれか、または両方から選択できるように構成された第2入力部82を備える。図10は、本実施形態に係る制御装置90のブロック図である。第2入力部82も、制御装置90の一部であって、ソフトウェア、あるいはハードウェアによって構成される。第2入力部82も、設定部76と同様に、コンピュータに接続されたモニター等を介して入力操作が行われる。ただし、第2入力部82の構成は特に限定されない。第2入力部82は、設定部76と接続されている。設定部76は、第2入力部82に入力された輪郭線(外側輪郭線211および内側輪郭線212のいずれか、または両方)に対して枠220を設定する。設定部76は、外側輪郭線211に対しては、外側輪郭線211の外側に枠220を設定する。また、設定部76は、内側輪郭線212に対しては、内側輪郭線212の内側に枠220を設定する。
本実施形態に係る制御装置90は、図10に示されるように、第2入力部82のほかに第1入力部81も備えている。即ち、枠220を設定する対象として、対象部分215を指定した上で、対象部分215のそれぞれについて外側輪郭線211および内側輪郭線212のいずれか、または両方を指定できるように構成されている。制御装置90が上記のように構成されることによって、枠220の設定の自由度を高めることができる。
図11は、本実施形態に係る印刷装置100によって設定された枠220の形状の例を示す模式図である。図11は、上方Uから見た平面図であり、図11の左方が印刷装置100の左方Lである。図11に示す例では、枠220は、被印刷物5に対して、後方Rr側の二隅および前方F側の1箇所に設定されている。上記三個所それぞれについて、外側輪郭線211の外側および内側輪郭線212の内側に、枠220が設定されている。図11においては、それぞれの対象部分215について、外側輪郭線211の外側に配置される枠(以下、外枠221と呼ぶ。)、および内側輪郭線212の内側に配置される枠(以下、内枠222と呼ぶ。)の両方が設定されているが、それぞれの対象部分215について外枠221だけを設定するか、内枠222だけを設定するか、両者を設定するかは自由である。
上記のように本実施形態に係る印刷装置100では、枠220の対象となる輪郭線は、被印刷物5の外側輪郭線211および内側輪郭線212のうちの少なくとも一方であり、設定部76は、外側輪郭線211に対しては外側輪郭線211の外側に枠220を設定し、内側輪郭線212に対しては内側輪郭線212の内側に枠220を設定する。例えば、被印刷物5の内側にのみ内枠222を形成すれば、外枠221は形成されない。外枠221が形成されなければ、枠220はベース200上においてスペースを占有しない。そこで、複数の被印刷物5を、より密集させてベース200上に配置することができる。また、外枠221と内枠222の両方を形成すれば、被印刷物5は外枠221と内枠222に挟まれる形となり、より安定して被印刷物5をベース200上に固定することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る印刷装置100は、枠220が高さの異なる複数の部分を有するように設定することが可能に構成されている。図12は、本実施形態に係る制御装置90のブロック図である。図12に示されるように、制御装置90は、第1入力部81と、第1実施形態とは異なる仕様の第2入力部82a(以下、第4実施形態の説明においては、単に「第2入力部82a」と呼ぶ。)、第3入力部83を備える。本実施形態における第2入力部82aおよび第3入力部83も、制御装置90の一部であって、ソフトウェア、あるいはハードウェアによって構成される。第2入力部82aおよび第3入力部83も、設定部76等と同様に、コンピュータに接続されたモニターを介して入力操作が行われる。ただし、第2入力部82aおよび第3入力部83の構成は特に限定されない。
第2入力部82aは、第1入力部81で指定されたそれぞれの対象部分215に対して、外枠221および内枠222のほかに、外側輪郭線211の内側かつ内側輪郭線212の外側である領域に下枠223を設定することが可能に構成されている。つまり、平面視において、下枠223は、被印刷物5が存在する領域上に設定される。
第3入力部83は、枠220が設定されたそれぞれの領域に対して、個別に枠220の高さを設定可能に構成されている。
第2入力部82aおよび第3入力部83は、設定部76と接続されている。設定部76は、第2入力部82aで設定された領域ごとに、枠の高さが第3入力部83に入力された高さと同じになるように枠220を設定する。
図13は、本実施形態に係る印刷装置100によって設定された枠220の形状の例を示す模式図であって、被印刷物5および枠220の縦断面を表す図である。図13の上方は印刷装置100の上方Uと、図13の左方は印刷装置100の左方Lと一致している。図13に示される断面において、被印刷物5の左方L側の底面BLは、右方R側の底面BRよりも上方に位置している。つまり、被印刷物5の左方L側の底面BLは、被印刷物5が載置されたベース200の上面から浮いた状態になっている。図13の例において、被印刷物5の左方L側の部分に対する枠220は、外枠221L、内枠222L、および下枠223Lから成っている。下枠223Lの高さT3は、被印刷物5の左方L側の底面BLとベース200の上面との距離と同じである。被印刷物5の左方L側の外枠221Lの高さはT1であり、内枠222Lの高さはT2である。一方、被印刷物5の右方R側の底面BRはベース200に接触している。そこで、被印刷物5の右方R側の部分に対する枠220は、外枠221Rおよび内枠222Rからなり、下枠は設定されていない。被印刷物5の右方R側の部分に対する外枠221Rの枠高さはT4であり、内枠222Rの枠高さはT5である。
左方L側の各枠の高さT1、T2、およびT3は、それぞれ異なる高さに設定されている。図13の例の場合、下枠223Lの高さT3がT1、T2よりも低いのは、被印刷物5の底面の段差によるがたつきを解消するためである。下枠223Lを設定しなければ、被印刷物5は、左方L側の底面BLと右方R側の底面BRとの段差によって、載置したときにがたつく虞がある。内枠222Lの高さT2が、外枠221Lの高さT1よりも低く設定されているのは、被印刷物5の内部の天面に内枠222Lが接触しないようにするためである。右方R側の外枠221Rの高さT4と内枠222Rの高さT5との関係も、T1とT2との関係と同様である。各領域の枠の高さの設定は、例えば、第3入力部83に数値を書き込むことで入力される。
上記のように、本実施形態に係る印刷装置100は、外側輪郭線211の内側かつ内側輪郭線212の外側である領域、即ち被印刷物5が存在する領域上に枠220を設定可能に構成されている。また、本実施形態に係る印刷装置100は、高さの異なる複数の部分を有する枠220をベース200上に形成することができるように構成されている。上記構成を備えることによって、枠220は、被印刷物5の底面を支持するように配置される下枠を有することができ、外枠および内枠と異なる高さを下枠に対して付与することができる。そこで、被印刷物5が底面に段差を備える場合などであっても、下枠が被印刷物5の底面を支持し、安定して被印刷物5を固定することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る印刷装置100は、枠220の側面220aが上方にいくほど輪郭線210から遠ざかるように、または枠220の側面220aが上方にいくほど輪郭線210に近づくように設定することができるよう構成された実施形態である。図14に、本実施形態に係る制御装置90のブロック図を示す。制御装置90は、枠220の側面220aが、上方に向かうほど輪郭線210から遠ざかる傾斜面(以下、この傾斜を順傾斜と称する。)を備えるか、上方に向かうほど輪郭線210に近づく傾斜面(以下、この傾斜を逆傾斜と称する。)を備えるか、あるいは鉛直な側面220aを備えるかを選択できるように構成された第4入力部84を備える。第4入力部84も、制御装置90の一部であって、ソフトウェア、あるいはハードウェアによって構成される。第4入力部84も、設定部76等と同様に、コンピュータに接続されたモニターを介して入力操作が行われる。ただし、第4入力部84の構成は特に限定されない。第4入力部84は、設定部76と接続されている。設定部76は、第4入力部84に入力された傾斜方向と、側面220aの傾斜方向とが同じになるように枠220を設定する。
図14に示されるように、本実施形態に係る制御装置90は、第4入力部84の他に、第1入力部81、第2入力部82を備えている。本実施形態においては、第4入力部84は、第1入力部81および第2入力部82で指定された、被印刷物5の各対象部分に対する外枠または内枠に対して、個別に傾斜を設定する。
傾斜方向の設定は、例えば、メニューから選択肢を選択することによって行われる。メニューには、順傾斜、逆傾斜、および鉛直の3種類の選択肢が用意されている。作業者は、枠220の部分ごとに、メニューから選択肢を選択する。あるいは、同じ傾斜方向を一括で選択できるように構成されていてもよい。
図15は、本実施形態に係る印刷装置100によって設定された枠220の形状の例を示す模式図であって、被印刷物5および枠220の縦断面を表す図である。図15(a)の例に係る外枠221は、順傾斜した側面221aを備えている。また、内枠222も、順傾斜した側面222aを備えている。そこで、枠220は上方に向かって開いている。このような枠220によれば、被印刷物5の挿入が容易である。
一方、図15(b)の例に係る外枠221は、逆傾斜した側面221aを備え、内枠222も逆傾斜した側面222aを備えている。従って、枠220は、上方に向かって狭まっている。そこで、一度挿入された被印刷物5は、枠220の弾性力によって締め付けられる。従って、一度枠220に挿入された被印刷物5の固定が安定する。
図15に示された例では、外枠221の側面221aの傾斜方向と、内枠222の側面222aの傾斜方向とは同じであったが、同じでなくともよい。例えば、外枠221の側面221aが逆傾斜の傾斜面を備え、内枠222の側面222aが鉛直面を備えていてもよい。外枠/内枠および順傾斜/逆傾斜/鉛直の組み合わせにより、被印刷物5に対する枠220の嵌め合い固さを適度に調整することができる。
上記のように、本実施形態に係る印刷装置100は、側面220aが上方にいくほど輪郭線210から遠ざかるように傾斜した傾斜面を備えるように枠220を設定することが可能に構成されている。また、本実施形態に係る印刷装置100は、側面220aが上方にいくほど輪郭線210に近づくように傾斜した傾斜面を備えるように枠220を設定することも可能に構成されている。上記のような構成を備えることによって、本実施形態に係る印刷装置100は、枠220に対して被印刷物5を挿入しやすくすることもでき(側面220aが上方にいくほど輪郭線210から遠ざかる場合)、また固定を強固にすることもできる(側面220aが上方にいくほど輪郭線210に近づく場合)。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る印刷装置100は、被印刷物5の輪郭線210と枠220の側面220aとを離間して設定できるように構成された実施形態である。図16は、本実施形態に係る制御装置90のブロック図である。制御装置90は、輪郭線210と枠220の側面220aとの距離を入力できるように構成された第5入力部85を備える。第5入力部85も、制御装置90の一部であって、ソフトウェア、あるいはハードウェアによって構成される。第5入力部85も、設定部76等と同様に、コンピュータに接続されたモニターを介して入力操作が行われる。ただし、第5入力部85の構成は特に限定されない。第5入力部85は、設定部76と接続されている。設定部76は、第5入力部85に入力された距離と、輪郭線210−側面220a間の距離とが同じになるように枠220を設定する。
図16に示されるように、本実施形態に係る制御装置90は、第5入力部85の他に、第1入力部81、第2入力部82を備えている。第5入力部は、第1入力部81および第2入力部82で指定された、被印刷物5の各対象部分に対する外枠または内枠について、個別に輪郭線との距離を設定する。
図17は、本実施形態に係る印刷装置100によって設定された枠220の例を示す模式図である。図17は、上方Uから見た平面図であって、図17の左方は、印刷装置100の左方Lと一致している。図17に示される例においては、外側輪郭線211と外枠221の側面221aとの間に、離間距離L2が設定されている。離間距離L2は、例えば、被印刷物5に許容されている寸法許容差を見込んだ距離である。被印刷物5の外側輪郭線211の寸法許容差が±0.5mmである場合、離間距離L2は+0.5mmよりも大きく、例えば、「+0.7mm」と入力される。
上記のように、本実施形態に係る印刷装置100は、被印刷物5の輪郭線210と枠220の側面220aとを離間して枠220を設定できるように構成されている。離間距離L2を入力することで、被印刷物5と枠220との適切な嵌め合い固さが実現できる。
なお、離間距離L2にはマイナスの値が入力されてもよい。例えば、外側輪郭線211に対する離間距離L2にマイナスの値が入力された場合には、外枠221は、印刷データにおける外側輪郭線211よりも内側に食い込んで設定される。内側輪郭線に対する場合も、内側/外側が逆になるが、外側輪郭線の場合と同様である。上記マイナス設定は、例えば、枠220の弾性力を利用して、被印刷物5を強固に固定したい場合などに利用される。
以上、実施の形態について説明したが、ここに開示する印刷装置100は、上述の実施形態に限られるものではない。例えば、本願発明に係る印刷装置100は、被印刷物5の三次元データに基づいて、設定部76が枠220の最適な形状を自動的に設定するように構成されていてもよい。
また、ここまでに説明された全ての実施形態において、枠220の形状は、輪郭線210に沿った側面220aに対して、例えば、一定の幅L1(図7参照)を持つ、帯状の形状であった。しかしながら、枠220の形状は上記帯状の形状に限られない。図18は、枠220の形状に関する変形例を示す模式図である。図18(a)は、ベース200上を上方Uから見た平面図であって、図18(a)の左方は、印刷装置100の左方Lと一致している。図18(a)に示されるように、枠220は、輪郭線210に沿って断続的に存在する柱状の形状を有していてもよい。枠220の側面が輪郭線210に「沿う」とは、必ずしも線として連続的に沿うことを意味せず、図18(a)のように、断続する点の集合として沿う場合も含まれる。図18(b)も、ベース200上を上方から見た平面図であって、図18(b)の左方は、印刷装置100の左方Lと一致している。図18(b)では、ベース200上に載置された16個の被印刷物5全てが図示されている。図18(b)は、被印刷物5の外側輪郭線211の外側の、ベース200上すべてが枠220となっている変形例である。図18(b)のような形状であっても、枠220はその機能を果たすことができる。
ここまでに説明された実施形態において、枠220の上面はベース200に平行な面として図示されていたが、ベース200に平行でなくともよい。例えば、枠220の上面は、ベース200に対して傾斜していてもよい。例えば、外枠221の上面に内側に向かって下がる傾斜がつけられていれば、上記傾斜に沿って内側に滑り込ませるように被印刷物5をはめ込むことができ、はめ込みやすい。もちろん、枠220の上面には、外側に向かって下がる傾斜がつけられていてもよい。外側に向かって下がる傾斜は、内枠222の場合にはめ込みやすく、有利である。上記のような傾斜は枠220の上面の一部であってもよい。
第5実施形態の変形例として、本願発明に係る印刷装置100は、枠220の傾斜面の角度を数値入力できるように構成されていてもよい。上記実施形態によれば、例えば、被印刷物5の内側で、被印刷物5の傾斜した内面に倣う内枠222を形成したいときなどに効果を発揮する。
5 被印刷物
30 インクヘッド
40 光照射機構
50 テーブル
60 移動機構
70 記憶部
76 設定部
81 第1入力部
82 第2入力部
83 第3入力部
84 第4入力部
85 第5入力部
90 制御装置
100 印刷装置
200 ベース
210 輪郭線
211 内側輪郭線
212 外側輪郭線
215 対象部分
220 枠
220a 側面
221 内枠
222 外枠
223 下枠

Claims (13)

  1. 被印刷物が載せられるベースが載置されるテーブルと、
    前記テーブルに載置される前記ベースに光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、
    前記ベースに吐出される前記光硬化性インクに光を照射する光照射機構と、
    前記インクヘッドおよび前記光照射機構を前記テーブルに対して移動させる移動機構と、
    前記被印刷物の輪郭線のデータを含む印刷データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記被印刷物の輪郭線のデータに基づいて、前記輪郭線の少なくとも一部に沿った側面を有する枠の形状を設定する設定部と、
    前記光硬化性インクによって前記ベース上に前記枠が形成されるように前記インクヘッド、前記光照射機構、および前記移動機構を制御する制御部と、
    を備えた印刷装置。
  2. 前記制御部は、前記ベース上に載せられかつ前記枠に嵌め込まれた前記被印刷物に対して前記印刷データに基づいて印刷を行うように前記インクヘッド、前記光照射機構、および前記移動機構を制御する、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記設定部は、前記枠の高さを、前記被印刷物に吐出されて硬化された前記光硬化性インクの高さよりも高く設定する、
    請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記設定部は、前記枠の高さを、0.5mm以上に設定する、
    請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記印刷データには、複数の被印刷物のデータが含まれ、
    前記設定部は、前記印刷データに基づいて、前記複数の被印刷物のそれぞれについて前記枠の形状を設定する、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の印刷装置。
  6. 前記設定部は、前記輪郭線の一または二以上の部分に沿った側面を有する枠を設定する、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の印刷装置。
  7. 前記輪郭線は、前記被印刷物の外側の輪郭線および内側の輪郭線のうちの少なくとも一方であり、
    前記設定部は、前記外側の輪郭線に対しては前記外側の輪郭線の外側に前記枠を設定し、前記内側の輪郭線に対しては前記内側の輪郭線の内側に前記枠を設定する、
    請求項1〜6のいずれか一つに記載の印刷装置。
  8. 前記輪郭線は、前記被印刷物の外側の輪郭線および内側の輪郭線であり、
    前記設定部は、前記外側の輪郭線の内側かつ前記内側の輪郭線の外側である領域に前記枠を設定する、
    請求項7に記載の印刷装置。
  9. 前記設定部は、前記枠が高さの異なる複数の部分を有するように前記枠を設定する、
    請求項8に記載の印刷装置。
  10. 前記設定部は、前記側面が上方にいくほど前記輪郭線から遠ざかるように傾斜した傾斜面を備えるように前記枠を設定する、
    請求項1〜9のいずれか一つに記載の印刷装置。
  11. 前記設定部は、前記側面が上方にいくほど前記輪郭線に近づくように傾斜した傾斜面を備えるように前記枠を設定する、
    請求項1〜10のいずれか一つに記載の印刷装置。
  12. 前記設定部は、前記輪郭線と前記側面とが離間するように前記枠を設定する、
    請求項1〜11のいずれか一つに記載の印刷装置。
  13. 被印刷物の輪郭線のデータに基づいて、前記輪郭線の少なくとも一部に沿った側面を有する枠の形状を設定する工程と、
    前記枠の形状に基づいてインクヘッドからベース上に光硬化性インクを吐出し、前記ベース上の前記光硬化性インクに光を照射することによって、前記ベース上に前記光硬化性インクによる前記枠を形成する工程と、
    前記枠に前記被印刷物を嵌め込む工程と、
    前記被印刷物に前記インクヘッドから前記光硬化性インクを吐出し前記被印刷物上の前記光硬化性インクに光を照射することで、前記被印刷物に印刷を行う工程と、
    を有する、印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6433106B1 (ja) * 2018-08-28 2018-12-05 株式会社 ウィンクラス 印刷方法
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