JP2018114063A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、平線式植毛法のヘッド部に反りや樹脂の白化、亀裂が発生することがなく、十分な植毛強度を確保し、口腔内操作性に優れる歯ブラシを提供する。【解決手段】本発明の歯ブラシは、植毛面12に複数の植毛穴13が設けられたヘッド部10を備え、複数本の用毛を束ねた毛束を、平線15を用いて植毛穴13に2つ折りにして植設した歯ブラシ1において、ヘッド部10の厚さは、2.0mm以上4.0mm以下であり、植毛穴13の植毛穴密度が25穴/cm2以上であり、植毛穴の内径をX、前記平線の厚みをdとし、Xを0.9mm以上、1.3mm以下としたときに、0.37mm≦(X−d)/2≦0.55mmの関係を満足する。【選択図】図2

Description

本発明は、歯ブラシに関する。
歯周病予防のためには、歯頸部や歯間部などの狭い隙間の歯垢を除去することが重要である。そこで、狭い隙間への歯ブラシの毛先の進入性を高めるために、先端が超極細の用毛を使用する、毛束に適度な撓みを付与するために植毛穴を小さくする、植毛穴の配置間隔を広げる、などの検討がなされてきた。
植毛穴を小さくすることは、毛が撓みやすくなり毛先の進入性向上の手段としては非常に有効であるが、穴が小さくなることで毛の量が減り、刷掃実感の低下が発生する。そこで、穴数を増やすことで毛先の進入性と刷掃実感を両立した植毛部仕様が検討されてきた。
平線式植毛法の場合、多穴になるとヘッド部に打ち込まれる平線の数が多くなり、平線によって押し退けられる樹脂も多くなるため、ヘッド部の反りや樹脂の亀裂や白化が発生しやすくなる恐れがあるが、特許文献1には、小穴×多穴でありながら、平線式植毛法のヘッド部に反りや樹脂の白化、亀裂が発生することがなく、十分な植毛強度を確保することのできる歯ブラシが開示されている。
この歯ブラシは、平線によって破壊される樹脂の体積(樹脂破壊体積)を所定範囲に設定することで、ヘッド部の反りの発生を防止している。
特開2005−177377号公報
また、歯ブラシにおいては、操作性を高めて口腔内を隅々まで刷掃できるようにするために、ヘッド部を薄型化することがある。ところが、ヘッド部を薄型化すると、ヘッド部樹脂に対する平線の割合が相対的に増加するため、ヘッド部に反りや樹脂の白化、亀裂が発生しやすくなる。特に「小穴×多穴」の場合は、ヘッド部に打ち込まれる平線の数が多くなりさらに反りや白化、亀裂が発生しやすくなるため、ヘッドを薄型化し、かつ小穴×多穴の植毛部仕様を実現することは不可能であった。
そこで、本発明者らは、さらに実験・研究を進めた結果、ヘッド部の反りは、植毛穴の内径や植毛穴密度、植毛穴に対する平線の打ち込み深さ等と密接な関係があることを見い出した。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、平線式植毛法のヘッド部に反りや樹脂の白化、亀裂が発生することがなく、十分な植毛強度を確保し、口腔内操作性に優れる歯ブラシを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の歯ブラシは、植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、複数本の用毛を束ねた毛束を、平線を用いて前記植毛穴に2つ折りにして植設した歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の厚さは、2.0mm以上4.0mm以下であり、前記植毛穴の外側を直線で結んだ部分の面積を植毛面積(cm)とした時、植毛穴の総数(穴)/植毛面積(cm)で表される植毛穴密度が25穴/cm以上であり、前記植毛穴の内径をX、前記平線の厚みをdとし、Xを0.9mm以上、1.3mm以下としたときに、0.37mm≦(X−d)/2≦0.55mmの関係を満足することを特徴とする。
本発明の一つの態様の歯ブラシにおいて、前記植毛穴に対する前記平線の埋没体積(平線のうち植毛穴の径方向外側でヘッド部内に埋没している一対の埋没部の体積)は、0.06mm以上0.20mm以下であってもよい。
ここで、平線の埋没体積は、平線のうち植毛穴の径方向外側でヘッド部内に埋没している一対の埋没部の体積に相当する。
本発明の一つの態様の歯ブラシにおいて、前記平線が両側面に複数の溝を有する構成であってもよい。
本発明の一つの態様の歯ブラシにおいて、前記ヘッド部は、曲げ弾性率が1000MPa以上、2800MPa以下の樹脂により形成される構成であってもよい。
本発明の歯ブラシは、平線式植毛法のヘッド部に反りや樹脂の白化、亀裂が発生することがなく、十分な植毛強度を確保し、口腔内操作性に優れ、奥歯の歯頸部までしっかり磨くことができる。
本発明の実施の形態に係る歯ブラシを示す図であって、(a)平面図、(b)側面図である。 植毛穴を示す図であって、(a)縦横方向に沿う断面図、(b)高さ方向に沿う断面図である。 平線を示す側面図である。 実施例及び比較例の仕様、並びにこれらの評価を示す図である。
以下、本発明の歯ブラシの実施の形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る歯ブラシ1を示す図であって、(a)平面図、(b)側面図である。
歯ブラシ1は、用毛11aの毛束11が植毛されたヘッド部10と、ヘッド部10の後端側から延設されたネック部20と、ネック部20の後端側から延設されたハンドル部30と、を備える。
以下では、ヘッド部10とネック部20とハンドル部30とを合わせてハンドル体40という。
ヘッド部10は、図1(a),(b)に示すように、ハンドル体40のうち、先端側の部位である。
ネック部20は、ハンドル体40のうち、ヘッド部10の後端側に連続する部位である。
ハンドル部30は、図1(a),(b)に示すように、ハンドル体40のうち、ヘッド部10とは反対側の部位であり、指当て部35までの部位である。
以下に各部位の構成について詳述する。
以下では、ヘッド部10の長手方向(図1(a),(b)における左右方向)を縦という。ヘッド部10の短手方向(図1(a)における上下方向)を横という。ヘッド部10の厚み方向(図1(b)における上下方向)を高さまたは厚みという。
ハンドル体40は、全体として長尺状に一体成形されたものであり、例えば、樹脂を材料とし射出成形により得られるものである。
一体成形されたハンドル体40の材質としては、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上、2800MPa以下である樹脂が挙げられ、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアセタール樹脂(POM)、飽和ポリエステル樹脂(PCTA)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポレアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)などが挙げられる。
これらの中でも、ポリプロピレン樹脂は、コストを抑制できる点で好ましい。その一方で、ポリプロピレン樹脂は、曲げ弾性率が1500MPa以上、2000MPa以下であるため、ヘッド部10を薄肉化したときに、反り等が発生しやすい。ところが、後述する本実施形態の歯ブラシ1の形状を採用することによって、ポリプロピレン等の曲げ弾性率が比較的低い樹脂も使用することができる。
上述した樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ハンドル体40は、把持性を向上させるため、例えばエラストマーなどの柔軟な樹脂が部分的又は全体に被覆されていてもよい。
ハンドル体40の曲げ弾性率(JIS7171)、つまりハンドル体40の材質として用いる樹脂の曲げ弾性率は、1000MPa以上、2800MPa以下であることが好ましく、1200MPa以上、2500MPa以下であることがより好ましく、1500MPa以上、2000MPa以下であることが更に好ましい。
なお、本実施形態では、ハンドル体40が全体的に一体成形された構成となっているが、ヘッド部10、ネック部20、ハンドル部30が一体成形されたものに限らない。例えば、ヘッド部10、ネック部20、ハンドル部30のうち、少なくともいずれか一つを別材質で製作してそれぞれを接合させたものでもよい。
また、ヘッド部10、ネック部20、ハンドル部30を別材質で製作する場合には、少なくともヘッド部10の材質として、上述した材質を適用する。この場合、少なくともヘッド部10の曲げ弾性率(JIS7171)が、1000MPa以上、2800MPa以下であることが好ましく、1200MPa以上、2500MPa以下であることがより好ましく、1500MPa以上、2000MPa以下であることが更に好ましい。
ハンドル体40の全体の長さは、操作性等を関して決定することができる。ハンドル体40の全体の長さは、例えば150〜200mm程度である。
ヘッド部10は、平面視において4つの頂部が曲線で隅切りされた略四角形の平板状の形状を有する。ヘッド部10の寸法は、口腔内操作性などの特性を勘案して決定される。ヘッド部10の幅は、大きすぎると口腔内での操作性が低下し、小さすぎると、植毛される毛束11の数が少なくなりすぎて、清掃効果が損なわれやすい。このため、ヘッド部10の横幅の最大幅は、例えば5mm〜16mm程度に設定され、口腔内への挿入性から11mm以下が好ましい。
ヘッド部10の長さは、長すぎると口腔内での操作性が損なわれやすく、短すぎると植毛される毛束11の数が少なくなりすぎて、清掃効果が損なわれやすい。このため、ヘッド部10の長さは、例えば10mm〜33mmの範囲で設定される。
ヘッド部10の厚さ(高さ)tは、2.0mm以上4.0mm以下の範囲内が好ましく、2.5mm以上3.5mm以下の範囲内がより好ましい。図1(b)に示すように、ヘッド部10の厚さtがこの上限値以下であれば、歯ブラシ1の口腔内の操作性を向上させることができる。また、ヘッド部10の最小厚さがこの下限値以上であれば、ヘッド部10の強度低下を防止できる。
図1(a)に示すように、ヘッド部10の表面である植毛面12には、複数の植毛穴13が形成される。植毛穴13の内径Xは0.9mm〜1.3mmの範囲内が好ましい。この範囲内であることで、植毛穴13は小穴となり、毛束11の外径が細くなる。植毛穴13の内径Xは1.0mm〜1.3mmの範囲であることがより好ましく、1.1mm〜1.3mmであることがさらに好ましい。各植毛穴13には、毛束11がそれぞれ植毛されている。
毛束11を構成する用毛11aとしては、毛先に向かって漸次その径が小さくなる用毛(テーパー毛)、毛先の丸め部を除いて外径がほぼ同一である用毛(ストレート毛)、毛先がヘラ状、球状、先割れ状などの形状になっている用毛を用いることができる。
用毛11aの材質としては、例えば、ポリアミド(例:6−12ナイロン、6−10ナイロン)、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例:ポリプロピレン)、エラストマー(例:オレフィン系、スチレン系)などの合成樹脂材料が挙げられる。これらの樹脂材料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、用毛11aは、芯部とこの芯部の外側に設けられた少なくとも1層以上の鞘部とを有する多重芯鞘構造(二重芯鞘構造)を有するポリエステル製用毛も好ましい。多重芯鞘構造(二重芯鞘構造)を有すると、芯部と鞘部とで異なるポリエステルを用いることができるため、機械的物性の調整が容易になる。そのため、コシの強く、歯垢の掻き取り性がより高い用毛を容易に得ることができる。芯部と鞘部の用毛に用いることができる異なるポリエステルの組み合わせとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
よって、本実施形態では、用毛11aとして、芯部がポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、鞘部がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなる二重芯鞘構造(二重芯鞘ST毛)の用毛を用いている。このため、コシの強く、歯垢の掻き取り性がより高い用毛を容易に得ることができる。
用毛11aの横断面形状は円形が好ましいが、円形に必ずしも限定されるものではなく、歯ブラシ1の目的用途に応じて任意の形状とすることができる。例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等。)、異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形等)等とすることができる。
毛束11を構成する用毛11aは、全てが同じ太さであってもよいし、2種以上の異なる太さの用毛11aが組み合わされてもよい。また、口腔内の使用性や使用感の点から、選択された用毛11aの直径が小さいほど、用毛11aの毛丈を短くすることが好ましい。また、使用感や、刷掃感、清掃効果、耐久性などの目的に応じて、太さの異なる複数本の用毛11aを組み合わせて用いてもよい。
ネック部20の長さは、ヘッド部10を口腔内に挿入したときにネック部20が唇に触れるために、例えば、25〜70mmであることが好ましい。
本実施形態におけるネック部20は、幅が最小値となる位置21から後端側に向かうのに従って漸次大きくなるように形成されている。ネック部20の幅は、材質等を勘案して決定でき、例えば、ネック部20の最小幅は3.5mm以上、4.5mm以下が好ましく、3.7mm以上、4.3mm以下がより好ましい。上記下限値以上であれば、ネック部20の強度をより高められ、上記上限値以下であれば、唇が閉じやすく、また奥歯への到達性を高められるとともに、口腔内での操作性をより高められる。
図2は、植毛穴13を示す図であって、(a)縦横方向に沿う断面図、(b)高さ方向に沿う断面図である。図3は、平線15を示す側面図である。
以下では、平線15の長手方向(図2(a)および図3における左右方向)を縦という。平線15の短手方向(図2(a)における上下方向)を横または厚みという。平線15の厚み方向(図2(b)および図3における上下方向)を高さという。
毛束11の植毛方法は、用毛11aの毛束を二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線15を植毛穴13に打ち込むことによって毛束11を植毛穴13に植設する、平線式植毛法による。植毛強度は、8N以上が好ましく、10N以上がより好ましく、15N以上が特に好ましい。
平線15は、植毛穴13の中心部を通り、且つ、植毛穴13を跨ぐように植毛穴13に打設される。平線15の材質としては、例えば、真鍮やステンレスなどの金属片を挙げることができ、その他にも硬質プラスチックや生分解性プラスチックなどを挙げることができる。
図3に示すように、平線15の厚みdは、0.15mm〜0.30mmであることが好ましく、0.18mm〜0.25mmであることがより好ましく、0.18mm〜0.22mmであることが更に好ましい。
平線15の高さHは1.0mm〜1.5mmであることが好ましく、1.0mm〜1.3mmであることがより好ましい。
平線15の長さL1は1.4mm〜1.8mmであることが好ましい。
平線15は、各側面15a,15aに複数の溝16がそれぞれ形成されているものが好ましい。溝16の幅W1は、0.1〜0.3mm、高さh1は0.03〜0.075mmである。
なお、溝16の形状や数等は図示したものに限らない。また、平線15の抜けにくさから溝付きのものが好ましいが、これに限らない。溝のない平面板状の平線を用いてもよい。
ヘッド部10の植毛面12には、複数の植毛穴13が形成されているが、その配列パターンは特に問わない。例えば、図1(a)に示すように、植毛穴13が、ヘッド部10の幅方向に3〜5列及びヘッド部10の長さ方向に10〜12列で形成された配列であってもよいし、一部の未植毛領域を囲むようなU字配列であってもよい。
どのような毛穴配列であっても、植毛穴13の外側(接線)を直線で結んだ部分の面積植毛範囲13Aの面積を植毛面積(cm)とした時、植毛穴13の総数(穴)/植毛面積(cm)で表される植毛穴密度(単位面積当たりの植毛穴の数)が、25穴/cm以上であることが好ましく、28穴/cm以上であることがより好ましく、30穴/cm以上であることが更に好ましい。また、40穴/cm以下であることが好ましく、37穴/cmであることがより好ましい。この範囲にあることで、植毛穴密度が高まり(穴数増えることで毛の量が増加)、細い毛束でも高い刷掃実感を維持できる。
本実施形態の歯ブラシ1では、図2(a)に示すように、植毛穴13の内径をX、平線15の厚みをdとし、Xを0.9mm以上、1.3mm以下としたときに、次の式(1)を満足するように設定される。
0.37mm≦(X−d)/2≦0.55mm・・・(1)
図2(b)に示すように、植毛穴13の穴深さMは、2.2〜3.5mmの範囲内が好ましい。また、ヘッド部10の背面厚み(植毛穴13の穴底13bからヘッド部10の裏面14までの厚みN)は、植毛穴13の穴深さを確保するために0.7mm以下が好ましい。植毛穴ピッチ(隣接する2つの植毛穴13の中心間の距離)は、1.2〜2.4mmが好ましい。
ここで、一つの植毛穴13の面積から平線15の面積を引いて得られる実植毛総面積A中の用毛総面積Bの割合をパッキングファクター(B/A×100%)とする。
平線式植毛法では、毛束11が折り畳まれて平線15によってヘッド部10に固定されるため、一定以上のパッキングファクターで植毛すると、図2(a)、(b)に示すように、式(1)の(X−d)/2の値は毛束11の厚みと関係し、これは植毛穴13の穴底13bから平線15の底面15cまでの距離を示す指標となり、平線15の打ち込み深さを示す指標にもなる。
歯ブラシ1は、図1(b)に示したようにヘッド部10の厚さtが薄く、植毛穴13の植毛穴密度が高いとヘッド部10に反りが生じやすい。ヘッド部10を薄型化した歯ブラシ1においては、平線15が植毛穴13に対して浅く打ち込まれると、ヘッド部10に反りが発生してしまう。これは、植毛穴13の開口付近の樹脂が穴径を拡げるように押し退けられることで、植毛面12が拡張することが原因と考えられる。そのため、植毛穴13の植毛穴密度が高いほど平線15の打ち込み数が増えるので、ヘッド部10に反りが顕著になり易い。
これに対し、平線15が植毛穴13に対してある程度深く打ち込まれた場合は、ヘッド部10に反りが生じにくい。理由は明らかではないが、植毛穴13に対して平線15を深く打ち込むことによって、植毛穴13の底側へ樹脂が押し退けられるため、植毛穴13の開口側の穴径に変化が生じにくくなったためと考えられる。したがって、植毛面12が拡張することがなく、ヘッド部10に反りが発生しづらくなるものと推定される。
よって、本実施形態のように、ヘッド部10を薄型化した歯ブラシ1においては、式(1)の範囲内に収まるように条件を設定することで、ヘッド部10の反りや樹脂の白化、亀裂の発生が防止される。式(1)から、植毛穴13に対する平線15の打ち込み深さが0.45mm以上であることが良好な植毛強度が得られるために好ましい。さらに、式(1)から、植毛穴13に対する平線15の打ち込み深さが0.55mm以下であることがよりヘッド部10の強度を保つことができるために好ましい。また、植毛穴13に対する平線15の打ち込み深さが上記範囲内にあることで、植毛穴13が小さくなり毛束径が細くなるので、歯の狭いすき間への進入性を高めることができる。
さらに、歯ブラシ1では、植毛穴13に対する平線15の埋没体積が、0.06mm以上、0.20mm以下、特に好ましくは、0.08mm以上、0.13mm以下の範囲内にあることで、小穴で植毛穴密度が高くても、ヘッド部10の反り・樹脂の白化や亀裂を防ぐことが可能である。
植毛穴13は、内径Xが0.9mm〜1.3mmである。このため、平線15は、長手方向の両端からそれぞれ0.2mm〜0.25mmの範囲がヘッド部10の樹脂に埋没する。平線15の埋没体積は、平線15のうち植毛穴13の径方向外側でヘッド部10内に埋没している一対の埋没部15b,15bの体積に相当する。
歯ブラシ1では、植毛穴13に対する平線15の埋没体積が小さく設定されているので、平線15により押し退けられる樹脂の量が少なくなる。したがって、ヘッド部10の反りが防止される。
平線15が両方の側面15a,15aに複数の溝16を有する溝付き平線の場合、これら溝16内に樹脂が入り込むことで平線15により押し退けられる樹脂の量が抑えられて、ヘッド部10の反りがより防止される。また、平線15の各溝16内に樹脂が入り込むことによって、植毛穴13から平線15が抜けにくくなる。よって、上記抜け防止効果をより得るためには、溝無し平線よりも溝付き平線15の方が好適である。
上述したように、本実施形態のヘッド部10は、曲げ弾性率が1000MPa以上、2800MPa以下の樹脂からなる。すなわち、ポリプロピレン樹脂のように、汎用樹脂を用いることにより、歯ブラシ1のコストを抑制できる。
しかも、上述したように、ヘッド部10の反り対策が施されているので、薄肉化したヘッド部10を汎用樹脂で形成しても、反り等が発生しづらい。
また、図2(b)に示すように、植毛穴13の穴深さMを確保するために、ヘッド部10の背面厚みNを0.7mm以下に設定することによって、植毛穴13に対して平線15を底打ちしてもヘッド部10が反りにくく、また、十分な植毛強度を確保できる。
パッキングファクター(B/A×100%)の値については、70〜90%が好ましく、75〜85%がより好ましい。この範囲内のパッキングファクターで、植毛穴13の穴底13bから平線15の底面15cまでの距離を、上述した式(1)の範囲内に設定すると、上記の良好な植毛強度が得られる上、ヘッド部10に樹脂の白化等が起こらないので、より好ましい。
なお、植毛穴13の配列パターンは、上述したパターンに限られず、いわゆる格子状、千鳥状等でもよい。植毛穴密度が、25穴/cm以上40穴/cm以下であれば、いかなる配列パターンであってもよい。
[実施例]
図4は、実施例及び比較例の仕様、並びにこれらの評価を示す図である。
以下では、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(使用材料)
<実施例1〜3、比較例1〜2>
ハンドル体40;ポリプロピレン樹脂
用毛11a;二重芯鞘ST毛(芯部:PBT、鞘部:PET)
(実施例1〜3、比較例1〜2)
図1のハンドル体40を射出成形により作製し、用毛11aの毛束11を二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線15を植毛穴13に打ち込む。このようにして、毛束11を植毛穴13に植設した。
各歯ブラシ1の評価は、口腔内操作性として奥歯の歯頸部の清掃効果、ヘッド部10の反り、樹脂の白化・亀裂の発生、植毛強度について行った。
(奥歯の歯頸部の清掃効果の評価方法)
10人のモニターが、実施例1〜3、及び比較例1〜2の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の奥歯の歯頸部の清掃効果を下記の評価基準で評価した。
歯頸部の清掃実感に関しては、上記モニターに5段階で評価してもらった。具体的には、「清掃感を非常に感じる」を5点、「清掃感をやや感じる」を4点、「清掃感を感じる」を3点、「清掃感をあまり感じない」を2点、「清掃感を感じない」を1点とした。
モニター10人の平均点が、4.0以上の場合を◎とし、3.0以上4.0未満の場合を○とし、2.0以上3.0未満の場合を△とし、2.0未満の場合を×と評価した。
(ヘッド部の反りの評価方法)
毛束を植毛された歯ブラシハンドルを側面からマイクロスコープ(キーエンス社:VHX−100)にて撮影する。毛束を植毛していない未植毛ハンドルの画像に評価歯ブラシの画像を重ねあわせ、ヘッド部の先端のパーティングラインのズレをデジタルノギスにて測定し、ヘッド部10の反りとした(n=6)。反りの評価は、次の3段階の評価で行った。
◎:0.5mm未満
△:0.5mm以上、0.7mm未満
×:0.7mm以上
(樹脂の白化・亀裂の発生の評価方法)
歯ブラシの亀裂・白化の発生について目視にて確認し(n=1000)、評価した。具体的には、亀裂・白化の発生率が0%の場合は「◎」、20%未満の場合は「○」、20%以上の場合は「×」として評価した。
(植毛強度の評価方法)
1穴中の全刷毛を専用器具によってつかみ、島津製作所製オートグラフを用いて植毛穴から毛束が抜けるまでの最大引張応力(N)を測定(引張速度20mm/min)(n=20)し、その値に応じて評価した。具体的には、平均値が15N以上の場合は「○」、8N以上15N未満の場合は「△」、8N未満の場合は「×」として評価した。
図4に示すように、歯ブラシ1の実施例1〜3は、ヘッド部10の厚さtが2.0mm〜4.0mmの範囲内であり、植毛穴密度が25穴/cm以上、Xは0.9mm以上、1.3mm以下で、式(1)を満足するため、口腔内操作性、ヘッド部10の反り、樹脂の白化・亀裂の発生、植毛強度の各評価において、良好な結果が得られることが確認された。
さらに、歯ブラシ1の実施例1〜3は、植毛穴13に対する平線15の埋没体積が0.06mm以上、0.20mm以下であった。
また、歯ブラシ1の実施例1〜3は、植毛穴13の穴底13bから平線15の底面15cまでの距離が0.5mm以下であった。0.5mm以下であると、平線15が深く打ち込まれているため、ヘッド部10が反りにくい効果が得られた。
一方、歯ブラシ1の比較例1〜2は、口腔内操作性、ヘッド部10の反り、樹脂の白化・亀裂の発生、植毛強度の各評価項目のいずれかにおいて、満足できる結果が得られないことが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…歯ブラシ、10…ヘッド部、11…毛束、11a…用毛、12…植毛面、13…植毛穴、15…平線、15a…側面、16…溝、20…ネック部、30…ハンドル部、35…指掛け突部、t…厚さ、X…植毛穴の内径

Claims (4)

  1. 植毛面に複数の植毛穴が設けられたヘッド部を備え、複数本の用毛を束ねた毛束を、平線を用いて前記植毛穴に2つ折りにして植設した歯ブラシにおいて、
    前記ヘッド部の厚さは、2.0mm以上、4.0mm以下であり、
    前記植毛穴の植毛穴密度が25穴/cm以上であり、
    前記植毛穴の内径をX、前記平線の厚みをdとし、
    Xを0.9mm以上、1.3mm以下としたときに、
    0.37mm≦(X−d)/2≦0.55mm
    の関係を満足することを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記植毛穴に対する前記平線の埋没体積は、0.06mm以上、0.20mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記平線が両側面に複数の溝を有することを特徴とする請求項1または2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記ヘッド部は、曲げ弾性率が1000MPa以上、2800MPa以下の樹脂により形成されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の歯ブラシ。
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