JP2018111765A - 粘着剤および、粘着剤製造方法 - Google Patents

粘着剤および、粘着剤製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、好適な性能を発揮する粘着剤を提供する。【解決手段】ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤であって、前記ウレタンプレポリマーが、多重結合を含むモノオール(アクリレート)と、多重結合を含まないモノオール(2−エチルヘキシルグリコール)と、ポリオールと、ポリイソシアネートとからなるウレタンプレポリマーである、粘着剤。前記多重結合を含まないモノオールと、前記多重結合を含むモノオールのモル数の比率が、0.8〜3.5である粘着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤、および、その粘着剤の製造方法に関する。
近年、下記特許文献に記載されているように、ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤の開発が進められている。
特開2015−205989号公報 特開2016−199610号公報
上記特許文献に記載された粘着付与剤は、常温下での使用に対して、好適な性能を発揮するが、高温下および低温下での使用に対して、好適な性能を発揮し難い。本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであって、本発明の課題は、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、好適な性能を発揮する粘着剤を提供することである。
本発明の粘着剤は、ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤であって、前記ウレタンプレポリマーが、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとからなる組成物を用いて作成されることを特徴とする。
また、本発明の粘着剤製造方法は、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとを用いて、ウレタンプレポリマーを作成する作成工程と、前記ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とを混合したものに、光を照射する照射工程とを含み、光重合反応により粘着剤を製造することを特徴とする。
本発明の粘着剤、および粘着剤製造方法によれば、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、好適な性能を発揮する粘着剤を提供することが可能となる。
剥離強度の測定方法を概略的に示す図である。 耐熱保持力の測定方法を概略的に示す図である。 ウレタンフォームと粘着組成物との密着性の測定方法を概略的に示す図である。 実施例1〜5の粘着剤の原料としてのプレポリマーと粘着付与剤との配合量(重量部)、原料としてのポリチオールの配合量(モル比)、および、実施例1〜5の粘着剤の物性評価を示す表である。 実施例6〜10の粘着剤の原料としてのプレポリマーと粘着付与剤との配合量(重量部)、原料としてのポリチオールの配合量(モル比)、および、実施例6〜10の粘着剤の物性評価を示す表である。 実施例11〜14の粘着剤の原料としてのプレポリマーと粘着付与剤との配合量(重量部)、原料としてのポリチオールの配合量(モル比)、および、実施例11〜14の粘着剤の物性評価を示す表である。 比較例1〜4の粘着剤の原料としてのプレポリマーと粘着付与剤との配合量(重量部)、原料としてのポリチオールの配合量(モル比)、および、比較例1〜4の粘着剤の物性評価を示す表である。 図4,5に示すプレポリマーA〜Eを製造するための原料の配合量(重量部)を示す表である。 図5〜7に示すプレポリマーF〜Jを製造するための原料の配合量(重量部)を示す表である。 図6,7に示すプレポリマーK〜Nを製造するための原料の配合量(重量部)を示す表である。
本発明に記載の「粘着剤」は、ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤であって、ウレタンプレポリマーが、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとからなる組成物を用いて作成される。
また、本発明に記載の「粘着剤製造方法」は、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとを用いて、ウレタンプレポリマーを作成する作成工程と、そのウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とを混合したものに、光を照射する照射工程とを含み、光重合反応により粘着剤を製造する。
本発明の「粘着剤」および「粘着剤製造方法」では、ウレタンプレポリマーが、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとにより作成される。つまり、ウレタンプレポリマーが、ラジカル反応性の有るモノオールと、ラジカル反応性の無いモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとにより作成される。これにより、多重結合を含む官能基と、多重結合を含まない官能基との少なくとも一方を、末端官能基として有するウレタンプレポリマーが作成される。そして、このウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤との混合物に、光を照射することで、粘着剤が製造される。この粘着剤では、末端官能基として、多重結合を含む官能基を有するウレタンプレポリマーは、多重結合を含む官能基においてポリチオールのチオール基と架橋する。一方、末端官能基として、多重結合を含む官能基を有していないウレタンプレポリマー、つまり、末端官能基として、多重結合を含まない官能基のみを有しているウレタンプレポリマーは、ポリチオールと架橋せずに、遊離している。このため、ウレタンプレポリマーとポリチオールと架橋している成分はゲル分となり、遊離しているウレタンプレポリマー成分はゾル分となる。このように、ポリマー中にゲル分とゾル分とを介在させることで、粘着剤の粘弾性をコントロールする。つまり、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールとの配合比率を調整することで、粘着剤の物性をコントロールし、粘着剤の使用可能な温度範囲を広くする。
上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリイソシアネート」は、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリオール」は、1つの分子に2個以上の水酸基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものがある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることが可能である。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。それら種々のポリオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
また、上記ウレタンプレポリマーの合成において、触媒を用いることが好ましい。触媒は、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよく、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
「多重結合を含むモノオール」は、上記ポリイソシアネートとポリオールとにより合成されたウレタンプレポリマーのイソシアネート基に付加させることが可能なものであればよく、例えば、アリルエーテル基とビニルエーテル基とアクリレート基との少なくとも1つを有するものが挙げられる。具体的には、アリルエーテルグリコール、ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
また、「多重結合を含まないモノオール」は、上記ポリイソシアネートとポリオールとにより合成されたウレタンプレポリマーのイソシアネート基に付加させることが可能なものであればよい。具体的には、例えば、直鎖、分岐又は環状の1価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、デカノール、ウンデカノール、イソオクタデカノール、オクタデセノール、ドコサノール、14−メチルヘキサデカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、 2-エチルヘキシルグリコール等)等が挙げられる。また、グリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングルコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等が挙げられる。
それら「多重結合を含むモノオール」と「多重結合を含まないモノオール」との配合比率、つまり、多重結合を含まないモノオールのモル数に対する多重結合を含むモノオールのモル数の比率(モノオール比)は、0.8〜3.5となることが好ましい。モノオール比を0.8〜3.5にすることで、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、好適な性能を発揮する粘着剤を実現することが可能となる。
また、多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとにより合成されるウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、高過ぎても、低過ぎても、使用可能な温度範囲が狭くなる。このため、上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2500〜22000であることが好ましい。さらに言えば、3000〜20000であることが好ましい。
上記ウレタンプレポリマーとエンチオール反応するポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールが挙げられる。脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとしては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール、キシレンジチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステルでは、メルカプトカルボン酸として、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等が挙げられ、多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。これらの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましく、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。なお、それら種々のポリチオールのうちの1種または2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーとのエンチオール反応の原料として用いることが可能である。
また、ウレタンプレポリマーの末端官能基である多重結合を含む官能基の全当量数に対する全チオール基の全当量数の比率(エン/チオール比)は、低すぎても、高すぎても、粘着剤の使用可能な温度範囲が狭くなる。具体的には、エン/チオール比が0.7以下、若しくは、2.4以上になると、低温下と高温下との少なくとも一方で、粘着剤の性能が低下する。このため、エン/チオール比を、誤差を考慮して、0.8〜2.3とすることが好ましい。
また、粘着付与剤は、高分子材料に配合されると可塑化作用により粘着性を発揮するものであればよい。具体的には、例えば、ロジン系粘着付与剤、重合ロジン系粘着付与剤、ロジンエステル系粘着付与剤、重合ロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、テルペンフェノール系粘着付与剤、クマロン系粘着付与剤、クマロンインデン系粘着付与剤、スチレン樹脂系粘着付与剤、キシレン樹脂系粘着付与剤、フェノール樹脂系粘着付与剤、ウレタン系粘着付与剤、石油樹脂系粘着付与剤等が挙げられる。
なお、粘着付与剤の配合量が多すぎると、高温下での粘着剤の性能が低下する。このため、粘着付与剤の配合量は、ウレタンプレポリマーの配合量を100重量部とした場合に、1〜30重量部であることが好ましい。さらに好ましくは、1〜20重量部、より好ましくは、1〜15重量部であることが好ましい。
上述したウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、粘着付与剤とを混合し、光を照射することで、エンチオール反応によって、使用可能な温度範囲が広い粘着剤を得ることが可能となっている。なお、チオール基の平均官能基数が2.5未満のチオールを使用した場合には、低温下と高温下との少なくとも一方で、粘着剤の性能が低下する虞がある。このため、チオール基の平均官能基数が2.5以上のポリチオールを使用することが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの末端官能基である多重結合を含む官能基と、チオール基との光重合反応を効果的に行うべく、配合原料に、光重合開始剤を含むことが可能である。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の化合物が挙げられる。アセトフェノン系としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。
ベンゾフェノン系としては、例えば、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。また、チオキサントン系としては、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等が挙げられる。
なお、光重合開始剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマーの100重量部当たり0.01〜5重量部であることが好ましく、さらに言えば、0.1〜3重量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が少なすぎると、光重合開始能力が不足し、原料の重合が速やかに行われず、好ましくない。一方、光重合開始剤の含有量が多すぎると、重合が過度に促進され、架橋密度が高くなり過ぎたり、架橋構造が不均一に形成されたりして好ましくない。
また、上述したウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、粘着付与剤とを混合した原料を用いて粘着剤が形成される際には、離型紙等の上に、混合した原料が目的とする膜厚、例えば、70μmで塗布される。そして、塗布された混合原料の上面から、空気の存在下において紫外線が照射されることで、混合原料が硬化し、粘着剤が形成される。なお、混合原料を硬化させる際の紫外線の照射量は、600〜1800mJ/cm(365nm積算光量)であることが好ましい。また、フィルムに混合原料を塗布する際には、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布装置等を用いることが好ましい。特に、塗布時の粘性流体の温度調整により、粘性流体の粘度を調整することが可能であることから、ダイコーターを用いることが好ましい。
また、上記粘着剤を用いて両面テープを作成する際には、上記手法によりテープ状の粘着剤を作成し、そのテープ状の粘着剤を心材(オールパルプ:14g/m)の一方の面に貼る。そして、再度、テープ状の粘着剤を作成し、そのテープ状の粘着剤を心材の他方の面に貼る。これにより、両面テープが作成される。
上記手法により製造された粘着剤(両面テープ)に対して、JIS K 0237に基づく方法(90°剥離試験方法)に準拠して剥離強度(N/25mm)を測定する。具体的には、幅25mmの粘着剤を、ポリプロピレン製の板に2kgのローラを1往復させることで圧着する。なお、粘着剤のポリプロピレン製の板への圧着面と反対側の面には、厚さ25μmのPETフィルムが貼着されている。また、図1に示すように、ポリプロピレン製の板10に圧着される粘着剤12の長さは、125mmとする。そして、23℃、50%RHの条件下で、ポリプロピレン製の板10に対して90°の方向に向かって、粘着剤12の一端を300mm/minの速度で、引張り試験機14を用いて、引き剥がす。この際の測定値(N/25mm)が、常温下での剥離強度となる。その方法に準拠して測定された剥離強度(常温)(N/25mm)は、10(N/25mm)以上であることが好ましい。
また、常温下での剥離強度だけでなく、高温下での剥離強度を測定する。詳しくは、ポリプロピレン製の板10に圧着された粘着剤12を、23℃の条件下で30分間放置し、さらに、80℃のオーブン内で10分間放置する。その後に、オーブン内、つまり、80℃の条件下で、ポリプロピレン製の板10に対して90°の方向に向かって、粘着組成物12の一端を300mm/minの速度で、引張り試験機14を用いて、引き剥がす。この際の測定値(N/25mm)が、高温下での剥離強度となる。その方法に準拠して測定された剥離強度(80℃)(N/25mm)は、5(N/25mm)以上であることが好ましい。
また、高い温度状況下での粘着剤の耐熱保持力(mm)を測定する。具体的には、図2に示すように、SUS304板20を鉛直方向に延びるように保持する。そのSUS304板20の下端に、接着面積が25mm×25mmとなるように、粘着剤22を貼り合わせる。なお、粘着剤22のSUS304板20への貼着面と反対側の面には、厚さ25μmのPETフィルムが貼着されている。また、粘着剤22をSUS304板20に貼り合せてから15分間、経過した後に、粘着剤22の下端に、500gの錘24を吊るし、80℃の環境下において、1時間放置する。そして、1時間放置された後の粘着剤22のズレ量(mm)を測定し、そのズレ量が、耐熱保持力(mm)となる。耐熱保持力(mm)は、5mm以下であることが好ましい。
また、粘着剤のフォーム密着性(N/25mm)を測定する。具体的には、図3に示すように、幅30mmのウレタンフォーム(イノアック製ポリウレタンフォーム(厚さ5mm)30の一方の面に、幅25mmの粘着剤32を圧着する。ウレタンフォーム30と粘着剤32との圧着は、2kgのローラを5mm/秒の速度で1往復させることで行われる。なお、粘着剤32のウレタンフォーム30への圧着面と反対側の面には、厚さ25μmのPETフィルムが貼着されている。また、ウレタンフォーム30の一端部は、固定物34によって固定されている。そして、23℃の条件下で30分間放置する。その後に、23℃、50%RHの条件下で、ウレタンフォーム30に対して90°の方向に向かって、粘着剤32の一端を100mm/minの速度で、引張り試験機36を用いて、引き剥がす。この際の測定値(N/25mm)が、フォーム密着性となる。上記方法により測定されたフォーム密着性(N/25mm)は、5(N/25mm)以上であることが好ましい。
また、粘着剤の低温時の粘着性(N/cm)を測定する。具体的には、底面の面積が2cmの鉄製の丸棒(以下、鉄棒)を用意し、その底面に粘着剤を貼り付ける。また、1辺が5cmの立方体形状のウレタンフォームを用意する。これら粘着剤が貼り付いた鉄棒と上記ウレタンフォームを、0℃の恒温槽内において10分間放置する。その後、上記恒温槽内で上記ウレタンフォームの上面に、粘着剤が貼り付けられた鉄棒の底面を、0.2Nの力で3秒間押し付ける。その後に、鉄棒の上端を300mm/minの速度で、引張り試験機を用いて、引き上げる。この際の測定値(N/cm)が、低温環境下での粘着性、すなわち、低温時粘着性となる。その方法に準拠して測定された低温時粘着性(N/cm)は、0.3(N/cm)以上であることが好ましい。
また、粘着剤の高温時の曲面接着性(mm)を測定する。具体的には、粘着剤の一方の面に、ウレタンフォーム(イノアック製ポリウレタンフォーム)(厚さ5mm×幅25mm×長さ120mm)を圧着する。また、粘着剤の他方の面に、ポリプロピレン製の板(厚さ1mm×幅30mm×長さ200)を圧着する。なお、粘着剤へのウレタンフォーム及びポリプロピレン製の板の圧着は、2kgのローラを5mm/秒の速度で1往復させることで行われる。そして、ポリプロピレン製の板を、樹脂製の円筒(φ75mm)の外周面に、周方向に延びるように、固定具等によって密着させ、17時間以上放置する。その後に、樹脂製の円筒を、80℃のオーブン内で4時間放置する。そして、ウレタンフォームの両端の粘着剤からの剥がれ量(浮き量)を測定する。この際の測定値(mm)が、高温時曲面接着性(mm)となる。その方法に準拠して測定された高温時曲面接着性(mm)は、10mm以下であることが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<粘着剤の原料および製造>
図4〜図7に示す配合の原料から、実施例1〜14の粘着剤および比較例1〜4の粘着剤を製造した。以下に、各原料の詳細を示す。
図4〜図7に示す各「プレポリマー」は、図8〜図10に示す配合(重量比)の原料を以下の方法に従って反応させることで得られる。
まず、1リットル容量のセパラブルフラスコにポリイソシアネートを図に示す量入れて、窒素を流しながらポリオールを攪拌しながら図に示す量添加する。内容物が均一になったことを確認後、触媒(ジブチルチンジラウレート(DBTDL)0.3g)を添加する。そして、1時間かけて80〜90℃になるように、ゆっくりと昇温する。目的の温度に昇温してから2時間後にイソシアネート基含有率をJIS Z1603−1:2007に基づく方法(ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法)に準拠して測定する。そして、プレポリマーA,I,Jでは、イソシアネート基含有率が、0.7〜1.2%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーB,C,D,E,M,Nでは、イソシアネート基含有率が、1.0〜1.2%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーFでは、イソシアネート基含有率が、1.7〜2.2%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーGでは、イソシアネート基含有率が、3.0〜3.5%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーHでは、イソシアネート基含有率が、0.4〜0.9%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーKでは、イソシアネート基含有率が、0.3〜0.8%の範囲内になっていることを確認する。また、プレポリマーLでは、イソシアネート基含有率が、4.5〜5.0%の範囲内になっていることを確認する。そして、イソシアネート基含有率が、各プレポリマーに応じた範囲内になっていない場合には、反応時間を延長する。
イソシアネート基含有率が、各プレポリマーに応じた範囲内になっていることを確認後、ビニルエーテル、アクリレート、アリルエーテルの何れかと、モノオールとを図に示す量、ゆっくりと滴下し、2時間反応を行わせる。2時間経過後に、再度、上記方法に従ってイソシアネート基含有率を測定し、イソシアネート基含有率が0.1%以下になっていることを確認する。そして、イソシアネート基含有率が0.1%以下になっていることを条件として、図に示す各「プレポリマー」が得られる。
なお、上述のようにして得られた「プレポリマーA」の理論分子量は11272であり、「プレポリマーB」の理論分子量は9010であり、「プレポリマーC」の理論分子量は9005であり、「プレポリマーD」の理論分子量は9004であり、「プレポリマーE」の理論分子量は9007であり、「プレポリマーF」の理論分子量は5014であり、「プレポリマーG」の理論分子量は3038であり、「プレポリマーH」の理論分子量は20007であり、「プレポリマーI」の理論分子量は8969であり、「プレポリマーJ」の理論分子量は11269であり、「プレポリマーK」の理論分子量は25254であり、「プレポリマーL」の理論分子量は2155であり、「プレポリマーM」の理論分子量は8993であり、「プレポリマーN」の理論分子量は9006である。
また、「プレポリマーA」のモノオール比は3.44であり、「プレポリマーB」のモノオール比は0.82であり、「プレポリマーC」のモノオール比は0.82であり、「プレポリマーD」のモノオール比は1.00であり、「プレポリマーE」のモノオール比は0.90であり、「プレポリマーF」のモノオール比は1.00であり、「プレポリマーG」のモノオール比は0.82であり、「プレポリマーH」のモノオール比は1.00であり、「プレポリマーI」のモノオール比は0.67であり、「プレポリマーJ」のモノオール比は4.00であり、「プレポリマーK」のモノオール比は1.00であり、「プレポリマーL」のモノオール比は1.00であり、「プレポリマーM」のモノオール比は0.82であり、「プレポリマーN」のモノオール比は0.82である。
・ポリオールa;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:アクトコールD3000(Mw:3000)、三井化学(株)製
・ポリオールb;ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:アクトコールD1000(Mw:1000)、三井化学(株)製
・ポリオールc;2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、商品名:BEPD(Mw:160.3)、Perstorp製
・ポリイソシアネート;TDI、商品名:ルプラネートT−80(Mw:174.2)、BASF製
・モノオール;2−エチルヘキシルグリコール、商品名:EHG(Mw:174.3)、日本乳化剤(株)製
・アクリレート;ヒドロキシエチルアクリレート(Mw:116.1)、大阪有機化学工業(株)製
・ビニルエーテル;ヒドロキシブチルビニルエーテル(Mw:116.2)、日本カーバイド(株)製
・アリルエーテル;ヒドロキシエチルアリルエーテル(Mw:102.13)、日本乳化剤(株)製
また、上述のようにして得られた各「プレポリマー」100重量部に含まれる末端官能基としての多重結合を含む官能基、つまり、アリルエーテル基とビニルエーテル基とアクリレート基との少なくとも1つの全当量数を演算する。そして、演算された当量数に、図4〜図7に示すエンチオール比(当量比)を乗じることで、原料として必要なポリチオールに含まれるチオール基の当量数が演算される。なお、図4〜図7に示すポリチオールの配合比は、上記プレポリマー100重量部に対するモル数である。このため、チオール基の当量数が、ポリチオールの配合比に応じた比率とされる。具体的には、例えば、チオール基の当量数Aである場合において、実施例1では、ポリチオールAに対して、モル比100とされているため、ポリチオールAのチオール基の当量数はAとされる。また、例えば、ポリチオールAに対して、モル比50とされ、ポリチオールBに対して、モル比50とされている場合には、ポリチオールAのチオール基の当量数はA/2とされ、ポリチオールBのチオール基の当量数はA/2とされる。そして、各ポリチオールのチオール基の当量数と、各ポリチオールの官能基数とに基づいて、各ポリチオールのモル数が演算される。この演算されたモル数の各ポリチオールと、上記プレポリマー100重量部と、粘着付与剤とを計量し、80℃に加温した後に、混合撹拌する。
・ポリチオールA;官能基数3、トリメチロールプロパントリス、商品名:TMMP(Mw:398.5)、SC有機化学(株)製
・ポリチオールB;官能基数4、ペンタエリスリトールテトラキス、商品名:PEMP(Mw:488.6)、SC有機化学(株)製
・ポリチオールC;官能基数6、ジペンタエリスリトールヘキサキス、商品名:DPMP(Mw:783.0)、SC有機化学(株)製
・粘着付与剤;ロジン系粘着付与剤、商品名:スーパーエステルA100、荒川化学工業(株)製
なお、各ウレタンプレポリマーと反応が行われるチオール基の平均官能基数を、図4〜図7の「平均官能基数」の欄に示す。また、各ウレタンプレポリマーのビニルエーテル基とアリルエーテル基とアクリレート基とのうちの1つの全当量数に対する全チオール基の全当量数の比率を、図4〜図7の「エン/チオール比」の欄に示す。
そして、図4〜図7に示す配合比で混合された原料、つまり、混合されたプレポリマーとチオールと粘着付与剤とを離型紙の上に、70μmの膜厚で塗布する。そして、空気の存在下において上記混合原料の上面から紫外線を照射する。これにより、塗布された混合原料が硬化し、実施例1〜14の粘着剤および比較例1〜4の粘着剤が製造される。ちなみに、混合原料を硬化させる際の紫外線の照射量は、800mJ/cm(365nm積算光量)とされている。そして、上記手法によりテープ状の粘着剤を作成し、そのテープ状の粘着剤を心材(オールパルプ:14g/m)の一方の面に貼る。そして、再度、テープ状の粘着剤を作成し、そのテープ状の粘着剤を心材の他方の面に貼る。これにより、両面テープが作成される。
<粘着剤の物性評価>
上述のように製造された実施例1〜14の粘着剤(両面テープ)、および、比較例1〜4の粘着剤(両面テープ)に対して、以下の方法によって物性評価を行なった。
まず、JIS K 0237に基づく方法(90°剥離試験方法)に準拠して、粘着剤のポリプロピレン製の板に対する剥離強度(常温)(N/25mm)及び、剥離強度(80℃)(N/25mm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「90°剥離強度(常温)(N/25mm)」及び、「90°剥離強度(80℃)(N/25mm)」の欄に示しておく。なお、「90°剥離強度(常温)(N/25mm)」は、10(N/25mm)以上のものを良好と判断し、「90°剥離強度(80℃)(N/25mm)」は、5(N/25mm)以上のものを良好と判断する。
また、上述した方法に準拠して、耐熱保持力(mm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「耐熱保持力(mm)」の欄に示しておく。なお、「耐熱保持力(mm)」は、5mm以下のものを良好と判断する。
また、上述した方法に準拠して、フォーム密着性(N/25mm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「フォーム密着性(N/25mm)」の欄に示しておく。なお、「フォーム密着性(N/25mm)」は、5(N/25mm)以上のものを良好と判断する。
また、上述した方法に準拠して、低温時粘着性(N/cm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「低温時粘着性(N/cm)」の欄に示しておく。なお、「低温時粘着性(N/cm)」は、0.3(N/cm)以上のものを良好と判断する。
また、上述した方法に準拠して、高温時曲面接着性(mm)を測定した。その測定結果を、図4〜図7の「高温時曲面接着性(mm)」の欄に示しておく。なお、「高温時曲面接着性(mm)」は、10mm以下のものを良好と判断する。
以上の評価結果から、アクリレートとアリルエーテルとビニルエーテルとの少なくとも1つ、つまり、多重結合を含むモノオールと、2−エチルヘキシルグリコール、つまり、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとから作成されるプレポリマーを、粘着剤の原料として用いて、多重結合を含まないモノオールのモル数に対する多重結合を含むモノオールのモル数の比率、つまり、モノオール比を0.8〜3.5にすることで、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、粘着剤の好適な性能を発揮することが可能であることが解る。
具体的には、図4〜図6に示すように、実施例1〜14の粘着剤では、プレポリマーA〜H,M,Nが用いられており、プレポリマーA〜H,M,Nでのモノオール比は、図8〜図10に示すように、0.82〜3.44とされている。そして、実施例1〜14の粘着剤では、全ての物性評価において、良好な評価結果とされている。つまり、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、粘着剤の好適な性能を発揮している。一方、図7に示すように、比較例1,2の粘着剤では、プレポリマーI,Jが用いられており、プレポリマーI,Jでのモノオール比は、図9に示すように、0.67若しくは、4.00とされている。そして、比較例1の粘着剤では、耐熱保持力(mm)と高温時曲面接着性(mm)との物性評価において、良好でない評価結果とされており、高温下での使用に対して、粘着剤の好適な性能を発揮していない。また、比較例2の粘着剤では、剥離強度(80℃)(N/25mm)とフォーム密着性(N/25mm)と低温時粘着性(N/cm)と高温時曲面接着性(mm)との物性評価において、良好でない評価結果とされており、低温下及び高温下での使用に対して、粘着剤の好適な性能を発揮していない。このことから、モノオール比を0.8〜3.5にすることで、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、粘着剤の好適な性能を発揮することが可能であることが解る。
また、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、高過ぎても、低過ぎても、粘着剤の使用可能な温度範囲が狭くなる。具体的には、図4〜図6に示すように、実施例1〜14の全ての粘着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は3038〜20007であり、常温下での使用だけでなく、高温下および低温下での使用に対しても、粘着剤の好適な性能を発揮している。一方、図7に示すように、比較例3の粘着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は25254であり、比較例4の粘着剤では、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は2155である。そして、比較例3の粘着剤では、耐熱保持力(mm)と高温時曲面接着性(mm)との物性評価において、良好でない評価結果とされており、高温下での使用に対して、粘着剤の好適な性能を発揮していない。また、比較例4の粘着剤では、低温時粘着性(N/cm)と高温時曲面接着性(mm)との物性評価において、良好でない評価結果とされており、低温下及び高温下での使用に対して、粘着剤の好適な性能を発揮していない。このことから、ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、誤差を考慮して、2500〜22000であることが好ましい。

Claims (7)

  1. ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とからなる組成物を用いて作成される粘着剤であって、
    前記ウレタンプレポリマーが、
    多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとからなる組成物を用いて作成されることを特徴とする粘着剤。
  2. 前記多重結合を含まないモノオールのモル数に対する前記多重結合を含むモノオールのモル数の比率が、0.8〜3.5であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が、2500〜22000であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着剤。
  4. 前記多重結合を含む官能基の全当量数に対する前記ポリチオールが有するチオール基の全当量数の比率が、0.8〜2.3であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の粘着剤。
  5. 前記ポリチオールの平均官能基数が、2.5以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の粘着剤。
  6. 前記粘着付与剤の量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜30重量部であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の粘着剤。
  7. 多重結合を含むモノオールと、多重結合を含まないモノオールと、ポリオールと、ポリイソシアネートとを用いて、ウレタンプレポリマーを作成する作成工程と、
    前記ウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、粘着付与剤とを混合したものに、光を照射する照射工程と
    を含み、光重合反応により粘着剤を製造する粘着剤製造方法。
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