JP2018109152A - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ウェットグリップ性能、低燃費性をバランス良く改善できるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】所定の結合スチレン量、ビニル含量及び重量平均分子量を有するスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、所定のシランカップリング剤と、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分とを、所定量含有するトレッド用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
近年、自動車に対する安全性への要求に伴い、タイヤ用ゴム材料には、ウェットグリップ性能等の改善が要求されると共に、背反性能である低燃費性との両立が望まれている。
例えば、特許文献1には、希土類元素系触媒を用いて合成された油展ブタジエンゴムや所定のスチレンブタジエンゴム、無機充填剤等を含むゴム組成物により、ウェットグリップ性能等を改善する技術が提案されているが、ウェットグリップ性能と低燃費性の両立について、更なる改善が望まれている。
特開2015−232114号公報
本発明は、前記課題を解決し、ウェットグリップ性能、低燃費性をバランス良く改善できるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、結合スチレン量35〜50質量%、ビニル含量25〜45質量%及び重量平均分子量35万〜70万のスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤と、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分とを含有し、前記ゴム成分100質量%に対して、前記スチレンブタジエンゴムの含有量が60質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が1〜30質量部、前記シリカの含有量が45〜75質量部、前記水酸化アルミニウム及び前記酸化アルミニウムの合計含有量が1〜40質量部、前記芳香族系樹脂の含有量が2〜10質量部、前記軟化剤成分の含有量が20〜40質量部であるトレッド用ゴム組成物に関する。
Figure 2018109152
[式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
本発明は、前記ゴム組成物から作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明は、所定の結合スチレン量、ビニル含量及び重量平均分子量を有するスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、所定のシランカップリング剤と、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分とを、所定量含有するトレッド用ゴム組成物であるので、ウェットグリップ性能、低燃費性をバランス良く改善できる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、所定の結合スチレン量、ビニル含量及び重量平均分子量を有するスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、所定のシランカップリング剤と、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分とを、所定量含有する。
本発明では、以下の作用効果により、ウェットグリップ性能を維持しつつ、低燃費性が改善され、これらの性能バランスが顕著に(相乗的に)改善されるものと推察される。
所定のスチレン含量等を有する本願所定のスチレンブタジエンゴムによりウェットグリップ性能が向上し、更に相溶性の高い芳香族系樹脂の添加により発熱性が向上する。一方、背反性能である低燃費性悪化の懸念があるが、ゴム中のシリカ量を減じてシリカ分散を向上し、更に本願所定のシランカップリング剤により、前記スチレンブタジエンゴムと、シリカや水酸化アルミニウム等との結合を強固にすることで、発熱を低減し、かつ温度分散ピークがシャープになる。これにより、芳香族系樹脂の添加による発熱性を0℃付近にすることができ、ウェットグリップを維持しつつ、低燃費性が向上する。従って、本発明では、本願所定のスチレンブタジエンゴム、シランカップリング剤、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム、芳香族系樹脂の成分を併用することにより、これらの性能バランスが顕著に(相乗的に)改善されるものと考えられる。
また、本発明では、ウェットグリップ性能と低燃費性の両立だけでなく、良好な耐摩耗性も得られる。
本発明では、ゴム成分として、結合スチレン量35〜50質量%、ビニル含量25〜45質量%及び重量平均分子量35万〜70万を有するスチレンブタジエンゴム(以下、高スチレン量SBRとも称する)が使用される。
前記高スチレン量SBRとしては、例えば、アニオン重合法、溶液重合法、乳化重合法等、公知の方法を用いて調製でき、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のモノリチウム開始剤、テトラメチレン−1,4−ジリチウム、ジリチオベンゼン、ジリチオメタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能重合開始剤などを用いて、スチレン、ブタジエンを重合し、所望の重合体を作製できる。市販品も使用できる。
前記高スチレン量SBRの結合スチレン量は、35質量%以上、好ましくは38質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。下限以上にすることで、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。また、該結合スチレン量は、50質量%以下、好ましくは48質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。上限以下にすることで、優れた低燃費性が得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRの結合スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
前記高スチレン量SBRのビニル含量は、25質量%以上、好ましくは28質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。下限以上にすることで、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。また、該ビニル含量は、45質量%以下、好ましくは43質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。上限以下にすることで、優れた低燃費性が得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量とは、ブタジエン部のビニル含量のことを示し、H−NMR測定により算出される。
前記高スチレン量SBRの重量平均分子量(Mw)は、35万以上、好ましくは38万以上、より好ましくは40万以上である。下限以上にすることで、本発明の効果が充分に発揮される傾向がある。また、該Mwは、70万以下、好ましくは65万以下、より好ましくは60万以下である。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分100質量%中、前記高スチレン量SBRの含有量(固形分)は、60質量%以上であり、好ましくは65〜90質量%、より好ましくは70〜85質量%である。下限以上にすることで、ウェットグリップ性能が向上する傾向がある。
前記高スチレン量SBRのスチレンユニット及びブタジエンユニットのランダム性は特に限定されず、用途に応じて、ランダムSBRや傾斜構造SBRを用いることができる。また、分子量分布、単峰性・多峰性も特に限定されず、適宜選択すればよい。
前記高スチレン量SBRは、充填剤と親和性のある極性基で変性されていてもよい。導入される極性基は特に限定されないが、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、グリシジル基、アミド基、カルボキシル基、エーテル基、チオール基、シアノ基、スズやチタンなどの金属原子などが挙げられ、アルコキシシリル基、アミノ基が好ましい。極性基の存在位置は特に限定されず、末端、主鎖中のいずれでもよく、主鎖から分岐したグラフト構造でもよい。また、一つのポリマー鎖中に複数の変性基を有してもよい。
また、前記高スチレン量SBRは、加工性向上の観点より、オイルで伸展されているものでもよい。
上記高スチレン量SBR以外のSBRとして、結合スチレン量5〜34質量%のSBR(以下、低スチレン量SBRとも称する)を含むことが好ましい。低スチレン量SBRの結合スチレン量は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。上限以下にすることで、良好な低燃費性が得られる傾向がある。
前記低スチレン量SBRのビニル含量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、該ビニル含量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。上限以下にすることで、優れた低燃費性が得られる傾向がある。
前記低スチレン量SBRを配合する場合、ゴム成分100質量%中の前記低スチレン量SBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果を充分に発揮できる。
前記高スチレン量SBR、低スチレン量SBR等のSBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されている製品を使用できる。
前記高スチレン量SBR以外に使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチル系ゴムなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果の点から、BRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、ハイシス1,4−ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)などが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。また、上記BRの含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含む。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られやすく、良好なウェットグリップ性能、低燃費性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上である。下限以上にすることで、十分な補強性を得ることができ、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上限以下にすることで、良好な転がり抵抗が得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有する。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは90m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記NSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。上限以下にすることで、良好な低燃費性が得られる。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、45質量部以上、好ましくは50質量部以上、より好ましくは55質量部以上である。下限以上にすることで、本発明の効果が充分に得られる。また、上記含有量は、75質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは65質量部以下である。上限以下にすることで、ゴム組成物中において、シリカが均一に分散することが容易となり、良好な低燃費性、ウェットグリップ性能が得られる。
本発明のゴム組成物は、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤を含有する。
Figure 2018109152
[式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
上記式(S1)において、R1005、R1006、R1007及びR1008はそれぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、R1002が炭素数1〜18の一価の炭化水素基である場合は、直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。R1009は直鎖、環状又は分枝のアルキレン基であることが好ましく、特に直鎖状のものが好ましい。R1004は例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状及び枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基等の官能基を有していてもよい。このR1004としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。
上記式(S1)におけるR1002、R1005、R1006、R1007及びR1008の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記式(S1)におけるR1009の例として、直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、分枝状アルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等が挙げられる。
上記式(S1)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。なかでも、加工性と低燃費性の両立の点で、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(Momentive Performance Materials社製のNXTシラン)が特に好ましい。上記シランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるゴム組成物において、前記式(S1)で表されるシランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲において、前記式(S1)で表されるシランカップリング剤以外のシランカップリング剤を更に添加してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
本発明のゴム組成物は、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムを含有する。
水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。上限以下にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。該平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。下限以上にすることで、良好な分散が得られ、優れたウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
なお、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの平均粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡を用いて測定する。平均粒子径は長径を意味し、該長径とは、投影面に対する水酸化アルミニウム粉末や酸化アルミニウム粉末の方向を種々変化させながら該粉末を投影面に投影したときの最長の長さである。
水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。該含有量は、40質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの合計含有量は、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜150質量部、好ましくは40〜120質量部、更に好ましくは60〜100質量部である。
本発明のゴム組成物は、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分を含有する。本発明において、軟化剤成分とは、アセトンに可溶な成分を意味し、具体的には、芳香族系樹脂の他、プロセスオイルや植物油脂等のオイル、液状ジエン系重合体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂等が挙げられる。
芳香族系樹脂とは、構成成分として芳香族化合物を含むポリマーである。芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
芳香族系樹脂としては、例えば、αメチルスチレン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。αメチルスチレン系樹脂としては、α−メチルスチレン単独重合体や、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を上記芳香族化合物で変性して得られる樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。
芳香族系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上、好ましくは4質量部以上である。また、上記含有量は、10質量部以下、好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという理由から、プロセスオイルが好ましい。
液状ジエン系重合体としては、重量平均分子量が50000以下のジエン系重合体であれば特に限定されず、例えば、スチレンブタジエン共重合体(ゴム)、ブタジエン重合体(ゴム)、イソプレン重合体(ゴム)、アクリロニトリルブタジエン共重合体(ゴム)等が挙げられる。なかでも、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)が好ましい。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上である。Mwが1000未満では、耐摩耗性能が低下する傾向がある。また、Mwは、好ましくは50000以下、より好ましくは20000以下、更に好ましくは15000以下である。Mwが50000を超えると、雪氷上性能、特に初期雪氷上性能が低下する傾向がある。また、ゴム成分との分子量の差が小さくなり、軟化剤としての効果が発揮されにくい傾向がある。
クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
テルペン樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノールなどが挙げられる。
ポリテルペンとしては、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。テルペンフェノールとしては、テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。
軟化剤成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以上、好ましくは25質量部以上である。また、上記含有量は、40質量部以下、好ましくは38質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
軟化剤成分としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株);出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;可塑剤、滑剤などの加工助剤;等を例示できる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記トレッド用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤに好適に使用可能である。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1(高スチレン量SBR):結合スチレン量40質量%、ビニル含量30質量%、Mw50万
SBR1−1(高スチレン量SBR):結合スチレン量45質量%、ビニル含量35質量%、Mw60万
SBR2(低スチレン量SBR):結合スチレン量10質量%、ビニル含量40質量%、Mw20万
SBR2−1(低スチレン量SBR):結合スチレン量15質量%、ビニル含量35質量%、Mw20万
BR:シス含量97質量%
シリカ:NSA175m/g
シランカップリング剤1:3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン
シランカップリング剤2:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
水酸化アルミニウム:平均一次粒子径:1μm
カーボンブラック:NSA:114m/g
オイル(可塑剤):(株)ジャパンエナジー製のNC300(オイル)
樹脂1:αメチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Tg:43℃)
樹脂2:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンTO125(軟化点:125℃、芳香族変性テルペン樹脂)
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
5%オイル含有粉末硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(加硫剤、オイル分5質量%)
加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン
(製造例1 SBR1(高スチレン量SBR)の合成)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)、1,3−ブタジエン、スチレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルを重合反応器内に投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン及びn−ブチルリチウムを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノールを含むヘキサン溶液を加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)を加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液からSBR1を回収した。
(製造例1−1 SBR1−1(高スチレン量SBR)の合成)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、メチルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥してSBR1−1を得た。
(製造例2 SBR2(低スチレン量SBR)の合成)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、ヘキサン、1,3−ブタジエン、スチレン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルを投入した。次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン及びn−ブチルリチウムを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。
撹拌速度を130rpm、反応器内温度を65℃とし、単量体を反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を3時間行った。次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドを添加し、15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥してSBR2を得た。
(製造例2−1 SBR2−1(低スチレン量SBR)の合成)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥してSBR2−1を得た。
<実施例及び比較例>
表1、2に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤を除く各種薬品を、バンバリーミキサーにて、150℃で5分間混練りした。得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を添加して、オープンロールを用いて、80℃で12分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、170℃の条件下で20分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を得た。
得られた試験用タイヤについて、以下の評価を行った。なお、表1は比較例5、表2は比較例2−5を基準比較例とする。
(転がり抵抗)
試験用タイヤのトレッドから採取したサンプルを、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、60℃における損失正接(tanδ)を測定した。基準比較例のtanδを100とし、以下の計算式により指数表示した。指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。85以上の場合、実用的に良好な低燃費性が得られる。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(ウェットグリップ性能)
試験用タイヤのトレッドから採取したサンプルを、レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機(ARES)を使用して、ねじりモードで、粘弾性パラメータを測定した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%でtanδを測定した。基準比較例のtanδを100とし、以下の計算式により指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(耐摩耗性)
試験用タイヤのトレッドから採取したサンプルを、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定し、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(基準比較例の摩耗量)/(各配合の摩耗量)×100
Figure 2018109152
Figure 2018109152
表1から、所定の結合スチレン量、ビニル含量及び重量平均分子量を有する高スチレン量SBRと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、特定シランカップリング剤と、芳香族系樹脂とを含むカーボンブラック・シリカ配合の実施例では、ウェットグリップ性能、低燃費性の性能バランスが顕著に改善された。また、耐摩耗性も顕著に改善された。
表2から、所定の結合スチレン量、ビニル含量及び重量平均分子量を有する高スチレン量SBRと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、特定シランカップリング剤と、芳香族系樹脂とを併用することにより、前記性能バランス、更には耐摩耗性も含む性能バランスが相乗的に性能が改善されることが明らかとなった。

Claims (2)

  1. 結合スチレン量35〜50質量%、ビニル含量25〜45質量%及び重量平均分子量35万〜70万のスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムと、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤と、芳香族系樹脂を含む軟化剤成分とを含有し、
    前記ゴム成分100質量%に対して、前記スチレンブタジエンゴムの含有量が60質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が1〜30質量部、前記シリカの含有量が45〜75質量部、前記水酸化アルミニウム及び前記酸化アルミニウムの合計含有量が1〜40質量部、前記芳香族系樹脂の含有量が2〜10質量部、前記軟化剤成分の含有量が20〜40質量部である
    トレッド用ゴム組成物。
    Figure 2018109152
    [式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
  2. 請求項1記載のゴム組成物から作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
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