JP2018104008A - 液体分注装置及び液体分注方法 - Google Patents

液体分注装置及び液体分注方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018104008A
JP2018104008A JP2016250176A JP2016250176A JP2018104008A JP 2018104008 A JP2018104008 A JP 2018104008A JP 2016250176 A JP2016250176 A JP 2016250176A JP 2016250176 A JP2016250176 A JP 2016250176A JP 2018104008 A JP2018104008 A JP 2018104008A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conveyor
liquid
dispensing
sheet
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016250176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6865031B2 (ja
Inventor
曜一 平賀
Yoichi Hiraga
曜一 平賀
博昭 水野
Hiroaki Mizuno
博昭 水野
幸弘 山中
Yukihiro Yamanaka
幸弘 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omori Machinery Co Ltd
Mayekawa Manufacturing Co
Original Assignee
Omori Machinery Co Ltd
Mayekawa Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omori Machinery Co Ltd, Mayekawa Manufacturing Co filed Critical Omori Machinery Co Ltd
Priority to JP2016250176A priority Critical patent/JP6865031B2/ja
Publication of JP2018104008A publication Critical patent/JP2018104008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6865031B2 publication Critical patent/JP6865031B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Basic Packing Technique (AREA)

Abstract

【課題】シートの複数の凹部に分注される液体が低粘性液である場合でも、液体のこぼれをなくし、シートの取り扱いを容易にする。【解決手段】幾つかの実施形態に係る液体分注装置は、被搬送物を搬送するための搬送面を有するコンベアと、前記搬送面を含む前記コンベアの一部を囲う冷却空間を内部に形成する冷却室と、前記冷却室のコンベア搬送方向下流側で、前記被搬送物に含まれるシートに形成された前記複数の凹部の各々に液体を注入し、前記被搬送物が保有する冷熱によって前記複数の凹部に注入された前記液体の少なくとも表層を凍結させるための分注部と、前記冷却室の前記冷却空間を極低温に冷却するための冷却部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、液体をシートに形成された複数の凹部に分注するための液体分注装置及び液体分注方法に関する。
医薬品や食品等の包装分野では、カプセル、錠剤等の固形物や、粉状のものを包装するために、ピールオープンの包装シートやPTP(プレススルーパック)包装シートが用いられている。ピールオープンの包装シートやPTP包装シートなどのポケットを有する包装シートは、カプセルや錠剤等を二枚のアルミ蒸着フィルム或いはプラスチックシートとアルミ箔で挟んだシート状のもので、フィルムに内容物を収納する凹部が形成され、フィルムを引き裂いてポケットから中身を取り出したり、プラスチック部分を強く押すことで蓋部を形成するアルミ膜が裂け、内容物を容易に取り出すことができるようになっている。
例えば、特許文献1にはPTP包装シートの一構成例が開示され、特許文献2には、PTPシートを製造する包装機械の一構成例が開示されている。
特開2014−172656号公報 特開2015−224873号公報
PTP包装シートなどの製造過程において、シートに形成された複数の凹部に固形物や粉状の原料、あるいは液状であっても高粘性液の原料を分注する場合、凹部からの原料のこぼれはあまり発生しないため、シートの取り扱いは比較的容易である。
しかし、シートの凹部に分注される原料が低粘性液の場合、低粘性液の液面が変動しやすいため、凹部の開口まで低粘性液を充填すると凹部からこぼれるおそれがある。そのため、PTP包装シートの製造過程におけるシートの取り扱いに他の原料と比べて特別な配慮が必要となる。また、このような特別な配慮を不要とするためには、深底の凹部を形成したり、凹部の容積に比べて原料液の充填量を低く抑える、等の対策が必要となる。
幾つかの実施形態は、上記課題に鑑み、シートの複数の凹部に分注される液体が低粘性液である場合でも、液体のこぼれをなくし、シートの取り扱いを容易にすることを目的とする。
(1)幾つかの実施形態に係る液体分注装置は、
被搬送物を搬送するための搬送面を有するコンベアと、
前記搬送面を含む前記コンベアの一部を囲う冷却空間を内部に形成する冷却室と、
前記冷却室のコンベア搬送方向下流側で、前記被搬送物に含まれるシートに形成された前記複数の凹部の各々に液体を注入し、前記被搬送物が保有する冷熱によって前記複数の凹部に注入された前記液体の少なくとも表層を凍結させるための分注部と、
前記冷却室の前記冷却空間を極低温に冷却するための冷却部と、
を備える。
本明細書では、「被搬送物」はシートのみ又は少なくとも一部にシートを含む被搬送物を意味する。
上記(1)の構成において、上記冷却室の冷却空間は上記冷却部によって極低温に冷却されているため、上記冷却空間を通るコンベアの搬送面及び上記被搬送物は極低温に冷却される。そのため、上記分注室で被搬送物に形成された複数の凹部に分注された液体は、コンベアの搬送面及び被搬送物が保有する冷熱によって少なくとも表層が凍結する。ここで、「極低温」とは、例えば、−120℃〜−70℃の温度を言う。
従って、分注室から出た被搬送物は、以後の工程において、凹部からの液体のこぼれを抑制できるため、被搬送物の取り扱いが容易になり、以後の工程での処理時間を短縮できる。
また、冷却室で被搬送物は極低温に冷却されるため、分注後の液体の表層を凍結可能な冷熱を保有できると共に、冷却部の所要動力は液体の表層を凍結するだけの動力で済む。
さらに、液体分注装置を冷却室及び分注部のみで構成するため、コンベアの搬送方向に沿って装置をコンパクトに配置できる。
なお、複数の凹部に注入される液体の容量が微小な場合は、凹部に注入された液体の全量を凍結させてもよい。凹部の容積が微小な場合、全量凍結しても冷却部の消費動力の増加を抑えることができる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記冷却部は、
前記冷却室内で空気流を形成するための送風機と、
前記空気流を冷却するための冷却器と、
前記コンベアの上方及び下方の少なくとも一方から冷気噴射口が前記コンベアの上面又は下面に向けて配置され、前記冷気噴射口に向けて漸減する断面を有する複数の冷気ノズルと、
を含む。
上記(2)の構成によれば、冷気ノズルから噴射されコンベアの上面又は下面に噴き付けられる冷気の衝突噴流を形成できる。これによって、コンベアによって搬送される被搬送物及び被搬送物に含まれるシートの凹部に注入された液体の冷却効果を向上できる。
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
前記分注部は、
前記コンベアの上方に配置され前記シートの前記複数の凹部の各々に前記液体を注入するための複数の分注ノズルと、
前記複数の分注ノズルを前記コンベア搬送方向及び上下方向に沿って駆動するための駆動部と、
前記複数の分注ノズルを、前記シートに対して前記コンベア搬送方向へ並行させながら前記液体を前記複数の凹部に注入する注入動作と、前記注入動作以前の位置に復帰させる復帰動作とを行わせる制御部と、
を含む。
上記(3)の構成によれば、コンベアに搬送される被搬送物のシートに形成された複数の凹部の動きに対して、複数の分注ノズルの動きを追従させながら、凹部に液体を注入できる。そのため、コンベアを停止させることなく、液体の注入が可能となり、分注に要する時間を短縮できる。
(4)一実施形態では、前記(3)の構成において、
前記複数の凹部は、前記被搬送物が前記搬送面に載置されたとき、前記コンベア搬送方向及び前記コンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に配置され、
前記複数の分注ノズルは、前記コンベア搬送方向に沿って1列又は複数列に配置され、前記コンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に配置されると共に、前記複数の分注ノズルの相対的な位置関係が前記複数の凹部の少なくとも一部の相対的な位置関係と同一の位置関係で単一の基部に取り付けられ、
前記単一の基部は前記駆動部によって駆動されると共に、前記単一の基部の動作は前記制御部によって制御される。
上記(4)の構成によれば、上記単一の基部は上記駆動部及び上記制御部によって駆動及び制御されるため、複数の分注ノズルによる複数の凹部への同時分注が可能になり、分注効率を向上できる。
また、複数の分注ノズルを1個の基部に固定したまま動作させるため、複数の分注ノズルの動作制御が容易になり、そのため、上記駆動部及び上記制御部の構成を簡易かつ低コスト化できる。
(5)一実施形態では、前記(3)又は(4)の何れかの構成において、
前記分注部は、前記コンベアの搬送面の一部を囲い、上壁に前記コンベア搬送方向に沿う長辺を有する複数の長孔が形成された分注室をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の分注ノズルを下降させ前記複数の長孔から前記分注室の内部に挿入させる下降動作と、前記下降動作の後で前記複数の分注ノズルを前記シート状被搬送物に対して前記コンベア搬送方向へ並行させながら前記液体を前記複数の凹部に注入する注入動作と、前記注入動作の後で前記複数の分注ノズルを前記分注室の外部へ上昇させる上昇動作と、前記上昇動作の後で前記複数の分注ノズルを前記コンベア搬送方向と逆方向へ移動させて前記下降動作以前の位置に戻る戻り動作と、を行わせるものである。
上記(5)の構成によれば、分注部において、コンベアの周囲を分注室で囲い、液体の分注を分注室の中で行うことで、凹部に注入された液体の温度上昇を抑制でき、冷却部の冷却効率の低下を抑制できると共に、液体への空気中の湿分及び微生物などの混入を防ぎ、液体の正常度を保つことができる。
また、複数の分注ノズルの動作を上記のように制御することで、シートの搬送を停止させることなく複数の凹部に連続的に液体を注入できるので、分注に要する時間を短縮できる。
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記被搬送物が、
前記シートと、
前記シートの上面に当接される上部枠体、及び前記シートの下面に当接される下部枠体と、を有し、前記上部枠体と前記下部枠体とで前記シートを挟持するシート押え治具と、
を含む。
上記(6)の構成によれば、上記シートに上記シート押え治具を装着してコンベア上を搬送させることで、剛性が低いシートであってもコンベア搬送面上の位置決め及び固定、その他の取り扱いが容易になる。
(7)幾つかの実施形態では、前記(6)の構成において、
前記上部枠体は、前記凹部を除く前記シートの上面全面に当接される金属製の枠体であり、
前記下部枠体は、少なくとも前記凹部を除く前記シートの下面全面に当接される金属製の枠体である。
上記(7)の構成によれば、シートの上面及び下面に金属製で熱伝導係数が大きい枠体を当接することで、これら枠体が保有する冷熱でシートの冷却効果を向上できる。また、コンベアによって被搬送物を搬送する間、シートを上下枠体で保護することができる。
なお、この実施形態では、上記下部枠体は、上記凹部を除いて下面全面に当接するものと、凹部を含めて下面全面に当接するものとを含む。前者は下方から吹き付けられる上記冷気の衝突噴流による液体の冷却効果を活かすことができ、後者は下部枠体が保有する冷熱による液体の冷却効果を活かすことができる。
(8)幾つかの実施形態では、前記(6)又は(7)の何れかの構成において、
前記シートを挟持した前記シート押え治具を前記コンベアの設定位置に固定するための固定部をさらに備える。
上記(8)の構成によれば、上記固定部を備えることで、上記被搬送物をコンベア搬送面の設定位置に正確に固定できるので、分注時の凹部からの液体のこぼれを防止し、液体を確実に凹部に分注できる。
(9)幾つかの実施形態に係る液体分注方法は、
複数の凹部が形成されたシートを含む被搬送物をコンベアで搬送する搬送工程と、
前記被搬送物を前記コンベアで搬送しながら、前記被搬送物を極低温冷却する冷却工程と、
前記冷却工程の後で、前記被搬送物を前記コンベアで搬送しながら、前記複数の凹部に液体を注入し、前記被搬送物が保有する冷熱によって前記複数の凹部に注入された前記液体の少なくとも表層を凍結させる分注工程と、
を含む。
上記(9)の方法において、上記冷却工程でシートを含む被搬送物は極低温に冷却される。その後、上記分注工程において、被搬送物が保有する冷熱によって上記複数の凹部に注入された液体の少なくとも表層を凍結させる。
これによって、以後の工程において凹部からの液体のこぼれを抑制でき、従って、被搬送物の取り扱いを容易にでき、以後の工程での処理時間を短縮できる。
また、冷却工程において、被搬送物は極低温に冷却されるため、分注後の液体の表層を凍結可能な冷熱を保有できると共に、液体の表層のみを凍結するだけの冷却負荷で済むため、冷却負荷を低減できる。
さらに、コンベア搬送方向に沿って冷却工程及び分注工程を行うだけであるので、工程全体の所要時間を短縮できる。従って、例えば、製薬などを包装する包装シートの製造工程などに適用しても、製造効率を低下させない。
(10)幾つかの実施形態では、前記(9)の方法において、
前記冷却工程において、
前記被搬送物の周囲温度を−120℃〜−70℃に極低温冷却する。
上記(10)の方法によれば、被搬送物の周囲温度を上記極低温の温度に冷却することで、被搬送物が保有する冷熱量を増加でき、次の分注工程で被搬送物が保有する冷熱によって、シートに形成された凹部に注入された液体の少なくとも表層を凍結できる。これによって、以後の工程において上記凹部からの液体のこぼれを抑制でき、これによって、被搬送物の取り扱いが容易になる。
(11)幾つかの実施形態では、前記(9)又は(10)の方法において、
前記分注工程後、
前記液体を減圧下で昇華させ凍結乾燥するための凍結乾燥工程をさらに含む。
上記(11)の方法によれば、分注工程後に凍結乾燥工程を行うことで、複数の凹部に分注された液体を乾燥粉末又は乾燥固形物にすることができる。この際、冷却工程で液体の少なくとも表層を凍結させることで、シートからの液体のこぼれを抑制でき、凍結乾燥工程における被搬送物の取り扱いが容易になる。また、冷却工程で液体を冷却することで、凍結乾燥工程で必要な冷却負荷を節減できる。
幾つかの実施形態によれば、被搬送物に含まれるシートに形成された複数の凹部に液体を分注する際に、液体が低粘性液である場合でも、液体のこぼれを抑制でき、これによって、シート状被搬送物の取り扱いが容易になる。また、冷却室で極低温に冷却したシートに液体を充填し凍結させるようにしたので、液体充填後の凍結用冷凍設備が不要になり、装置の全長を押さえることが出来る。
一実施形態に係る液体分注装置を概略的に示す全体構成図である。 図中のA−A線に沿う横断面図である。 一実施形態に係る冷却部の冷気ノズルを示す断面図である。 一実施形態に係る液体分注装置の斜視図である。 一実施形態に係る液体分注装置の斜視図である。 (A)は一実施形態に係るシート押え治具の斜視図であり、(B)は該シート押え治具の展開図である。 一実施形態に係るシート押え治具の展開図である。 一実施形態に係る液体分注方法の工程図である。 一実施形態に係る冷凍機の系統図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
幾つかの実施形態に係る液体分注装置10は、図1に示すように、被搬送物22を搬送面に載置しかつ搬送するためのコンベア12を備える。コンベア12の搬送方向に沿って冷却室14と分注部16とが設けられる。冷却室14は、コンベア12の搬送面の一部を囲う冷却空間Sを内部に形成する。冷却空間Sはコンベア12の出入り口を除いて実質的に密閉空間を形成する。冷却空間S内は冷却部20(図2参照)の稼働によって極低温(例えば、−120℃〜−70℃)に冷却される。冷却室14内のコンベア12の搬送面及びシート23(図3参照)を含む被搬送物22は極低温に冷却される。シート23には、上面に複数の凹部24が形成されている。
分注部16は冷却室14よりコンベア搬送方向下流側のコンベア搬送面に設けられ、分注部16で複数の凹部24の各々に液体Lを注入する。凹部24に注入された液体Lは、冷却室14で冷却された被搬送物22が保有する冷熱で冷却され、少なくとも表層が凍結される。
一実施形態では、図2に示すように、冷却部20は、冷却室14の外部に設けられた冷凍機42を備え、冷凍機42から供給される冷媒又はブラインによって冷却空間Sが冷却される。
液体Lは、例えば薬液などの溶液である。シート23は、例えば熱伝導率が大きく伝熱効果が大きいアルミシートなどが用いられる。
上記構成によれば、分注部16で複数の凹部24に注入された液体Lの少なくとも表層が凍結するので、以後の工程において、凹部24からの液体Lのこぼれを抑制でき、これによって、シート23の取り扱いが容易になり、以後の工程での処理時間を短縮できる。
また、冷却室14で被搬送物22は極低温に冷却されるため、分注後の液体Lの表層を凍結可能な冷熱を保有できると共に、冷却部20の所要動力は液体Lの表層を凍結するだけの動力で済む。
また、液体分注装置10は冷却室14及び分注部16のみで構成されるため、コンベア12の搬送方向に沿ってコンパクトに配置できる。
なお、複数の凹部24の容量が微小な場合は、凹部24に注入された液体Lの全量を凍結させるようにしてもよく、全量凍結しても冷却部20の消費動力の増加を抑制できる。
一実施形態では、図1に示すように、冷却室14の上流端にシート23を含む被搬送物22をコンベア12の搬送面に載置するための搬入室26がコンベア12を囲むように設けられる。また、分注部16の下流端に被搬送物22をコンベア12から搬出するための搬出室28がコンベア12を囲むように設けられる。搬入室26及び搬出室28を設けることで、被搬送物22の搬入又は搬出時に外気及び外気の保有熱が直接冷却室14又は分注部16に侵入するのを抑制できる。
一実施形態では、コンベア12は無端状のコンベアが用いられ、搬入室26に設けられた従動スプロケット30及び搬出室28に設けられた駆動スプロケット32に巻回され、これらのスプロケットによって駆動される。
コンベア12はベルトコンベア、チェーンコンベア、その他任意の構成のコンベアを用いることができる。
また、一実施形態では、被搬送物22及びシート23は、図5に示すように、四角形の外形を有する。
一実施形態では、図1に示すように、搬入室26で投入機(不図示)よって被搬送物22がコンベア12のコンベア面に載置される。分注部16で液体Lの表層が凍結された後、被搬送物22は搬出室28から後工程(例えば、凍結乾燥機による凍結乾燥工程)を行うために搬出される。液体Lが薬液の場合、凍結乾燥工程で凹部24に粉末状の製薬が収納された包装シートが製造される。
一実施形態では、図2に示すように、冷却部20は、冷却室14の内部でコンベア12の上方及び下方の少なくとも一方からコンベア12の上面又は下面に向かう空気流aを形成するための送風機34を備える。空気流aは冷却室14の内部に設けられた冷却器36で冷却され、これによって、冷却空間Sが冷却される。
また、図3に示すように、複数の冷気ノズル38がコンベア12の上方又は下方に設けられる。冷気ノズル38は、冷気噴射口38bがコンベア12の上面又は下面に向けて配置され、冷気噴射口38bに向けて漸減する断面を有する。
上記構成によれば、冷却器36で冷却された空気流aは、冷気噴射口38bからコンベア12の上面又は下面に向かって噴出しコンベア12の上面又は下面に衝突する衝突噴流Fcとなる。
衝突噴流Fcによってコンベア12の搬送面及び被搬送物22が冷却されるため、被搬送物22等が保有する冷熱によって複数の凹部24に分注された液体Lの冷却効果を高めることができる。
図2及び図3に図示した実施形態では、複数の冷気ノズル38がコンベア12の上下に設けられ、冷気ノズル38の冷気噴射口38bがコンベア12の上面及び下面に向けられている。冷気噴射口38bからコンベア12の上面及び下面に衝突噴流Fcが噴出するので、液体Lの冷却効果を高めることができる。
一実施形態では、図2に示すように、冷却室14の外側に冷凍機42が設けられ、冷却空間Sの上部に設けられた冷却器36の内部に冷却管44が設けられる。冷却管44は管路46を介して冷凍機42に接続される。冷凍機42で冷却されたブラインが管路46を介して冷却管44に循環される。冷却室14の内部で送風機34により空気流aが形成され、冷却器36を通る空気流aは冷却管44によって冷却される。
一実施形態では、図3に示すように、冷気ノズル38は漏斗状の断面を有し、先端側に冷気の流れ方向に沿って等断面積の助走流路を形成する小径の噴出部38aを有する。複数の冷気ノズル38は一側が開放されたケーシング40に設けられ、空気流aは開放側からケーシング40に入り、冷気ノズル38に進入する。空気流aが噴出部38aを通ることで、乱流成分が除去され整流されて到達距離が長い衝突噴流Fcが形成される。衝突噴流Fcがコンベア12の上面又は下面に衝突することで、液体Lの冷却効果を向上できる。
複数の冷気ノズル38の各々は、長手方向がコンベア搬送方向と交差する方向に沿うスリット状の冷気噴射口38bを有し、複数の冷気ノズル38がコンベア搬送方向に沿って並列に並べられる(上記構成の冷気ノズルを備え、コンベアで搬送される被冷却物を連続的に冷却する冷却装置の構成について、詳しくは国際公開第2006/046317号公報を参照)。
図4及び図5は一実施形態に係る液体分注装置10を示し、図4は、冷却室14及び後述する分注室62の外観を示し、図5は冷却室14及び分注室62のハウジングを透過してこれらの内部を示す図である。
一実施形態では、分注部16は、図4及び図5に示すように、複数の分注ノズル50を備える。複数の分注ノズル50は、コンベア12の搬送面の上方に配置され、複数の凹部24の各々に液体Lを注入するために用いられる。複数の分注ノズル50は、駆動部52によってコンベア搬送方向(図4及び図5中の矢印b方向)及び上下方向に沿って移動する。
制御部54は、複数の分注ノズル50が設定された動作を行うように駆動部52を制御する。即ち、複数の分注ノズル50は、駆動部52によって、シート23に対してコンベア搬送方向へ並行しながら液体Lを複数の凹部24に注入する注入動作と、この注入動作以前の位置に復帰する復帰動作とを行う。
これによって、シート23に形成された複数の凹部24のコンベア搬送方向の動きに対して、複数の分注ノズル50を並行させ凹部24の動きを追従させながら、凹部24に液体Lを注入できる。従って、コンベア12を停止させることなく、液体Lの注入が可能になる。
一実施形態では、図4及び図5に示すように、複数の分注ノズル50の各々は供給ホース56を介して複数のボンベ58の各々に接続される。ボンベ58の各々には液体Lが貯留され、各ボンベ58の各分注ノズル50への液体Lの供給動作は制御部54によって制御される。
一実施形態では、図4及び図5に示すように、駆動部52は第1の駆動部52a及び第2の駆動部52bを含む。第1の駆動部52aは基部60が上下方向へスライド可能に設けられ、基部60を上下方向の所望位置に移動可能である。第2の駆動部52bは第1の駆動部52aがコンベア搬送方向へスライド可能に設けられ、基部60に取り付けられた複数の分注ノズル50をコンベア搬送方向の所望位置に移動可能である。
一実施形態では、図4及び図5に示すように、分注部16は、コンベア12の搬送面の一部を囲うように配置された分注室62を有し、分注室62の内部にコンベア12の搬送面を囲う空間Sが形成される。図4に示すように、分注室62の上壁にコンベア搬送方向に沿う長辺を有する複数の長孔64が形成される。複数の長孔64はコンベア幅方向と交差する方向に並列に配置され、複数の長孔64の間隔は分注ノズル50の間隔と同一に設定される。
この実施形態では、制御部54は、複数の分注ノズル50を下降させ複数の長孔64から分注室62の内部に挿入させる下降動作と、この下降動作の後で、複数の分注ノズル50をシート23に対してコンベア搬送方向へ並行させながら液体Lを複数の凹部24に注入する注入動作と、この注入動作の後で、複数の分注ノズル50を分注室62の外部へ上昇させる上昇動作と、この上昇動作の後で、複数の分注ノズル50をコンベア搬送方向と逆方向へ移動させて上記下降動作以前の位置に戻る戻り動作と、を行わせる。
このように、分注部16において、液体Lの分注を空間Sの中で行うことができるので、凹部24に注入された液体Lの温度上昇を抑制でき、これによって、液体分注装置全体の冷却効率を向上できる。
また、分注部16において、コンベア12の周囲を分注室62で囲うことで、微生物などの混入を防止でき、液体Lの正常度を保持できる。
また、複数の分注ノズル50の動作を上記のように制御することで、被搬送物22の搬送を停止させることなく複数の凹部24に連続的に液体Lを注入できるので、分注に要する時間を短縮できる。
また、例示的な実施形態では、複数の長孔64に複数の分注ノズル50の出入りを許容しながら複数の長孔64の開口を閉鎖するシャッタを備え、分注ノズル50が長孔64に挿入されないとき、上記シャッタで長孔64を閉じるように構成するようにしてもよい。これによって、外部からの空間Sへの熱侵入を抑制でき、冷却効率をさらに向上できる。
一実施形態では、図4及び図5に示すように、複数の凹部24は、被搬送物22がコンベア12の搬送面に載置されたとき、コンベア搬送方向及びコンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に設けられる。また、複数の分注ノズル50は、コンベア搬送方向に沿って一列又は複数列配置され、かつコンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に配置される。また、複数の分注ノズル50は、複数の分注ノズル50の相対的な位置関係が複数の凹部24のうち少なくとも一部の相対的な位置関係と同一の位置関係で単一の基部60に取り付けられる。単一の基部60は駆動部52によって駆動されると共に、基部60の動作は制御部54によって制御される。
上記構成によれば、単一の基部60は駆動部52及び制御部54によって駆動及び制御されるため、複数の分注ノズル50による複数の凹部24への分注が同時に可能になり、分注効率を向上できる。
また、複数の分注ノズル50を1個の基部60に固定したまま同時に動作させるため、複数の分注ノズル50の動作制御が容易になり、そのため、駆動部52及び制御部54の構成を簡易かつ低コスト化できる。
別な実施形態では、基部60を複数設け、複数の基部60に夫々複数の分注ノズル50を取り付け、複数の基部60を第1の駆動部52aに取り付けるか、又は複数の基部60を夫々別な駆動部に取り付けるようにしてもよい。
一実施形態では、図5に示すように、複数の凹部24は、シート23にコンベア搬送方向及びコンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列設けられると共に、複数の分注ノズル50は、コンベア搬送方向と交差する方向に沿って一列に配置されると共に、コンベア搬送方向と交差する方向において凹部24と同数の分注ノズル50が設けられる。
上記構成によって、基部60をコンベア搬送方向と交差する方向へ移動させることなく、コンベア搬送方向に沿う移動のみによって、すべての凹部24に液体Lを注入できる。これによって、基部60の動きを簡素化できるため、制御部54の構成を簡易かつ低コスト化できる。
一実施形態では、図5に示すように、複数の凹部24は、被搬送物22がコンベア12の搬送面に載置されたとき、シート23にコンベア搬送方向及びコンベア搬送方向と直交する方向(図4及び図5中の矢印c方向。以下「コンベア幅方向」とも言う。)に沿って複数列設けられる。また、複数の分注ノズル50は、コンベア搬送方向に沿って一列に配置されると共に、コンベア幅方向に沿って凹部24の数と同数の分注ノズル50が設けられる。
上記構成によれば、コンベア幅方向に配置されたすべての凹部24に同時に液体Lを分注できる。また、基部60をコンベア幅方向へ移動させることなく、コンベア搬送方向に沿う移動のみによってすべての凹部24に液体Lを注入できるため、基部60の動きを簡素化できると共に、基部60の動きを制御する制御部54の構成をさらに簡易かつ低コスト化できる。
幾つかの実施形態では、図6及び図7に示すように、被搬送物22(22a、22b)は、シート23と、シート押え治具66(66a、66b)とを含む。シート押え治具66は、シート23の上面に当接される上部枠体68(68a、68b)と、シート23の下面に当接される下部枠体70(70a、70b)とを備える。シート23が上部枠体68及び下部枠体70で挟持された被搬送物22がコンベア12に載置され搬送される。
これによって、シート23の剛性が低い場合であっても、上下枠体68及び70の装着によって強度が付与されるので、コンベア搬送面上の位置決めが容易になるなど、被搬送物22の取り扱いが容易になる。
一実施形態では、図6に示すように、被搬送物22(22a)を構成するシート押え治具66(66a)の上部枠体68(68a)は、凹部24を除くシート23の上面全面に当接される金属製の枠体であり、下部枠体70(70a)は、少なくとも凹部24を除くシート23の下面全面に当接される金属製の枠体である。
このように、シート23の上面及び下面に金属製で熱伝導係数が大きい上下枠体68(68a)及び70(70a)を当接することで、これら枠体が保有する冷熱でシート23の冷却効果を高めることができる。また、シート23を上下枠体68及び70で保護しながら搬送できる。また、被搬送物22(22a)の剛性を高め、コンベア搬送面への位置決め、その他取り扱いが容易になる。
図示した実施形態では、図6に示す下部枠体70(70a)は、凹部24を除くシート23の下面全面を覆うように形成されている。この実施形態では、冷却された空気流aが直接凹部24に噴き付けられるので、凹部24に注入された液体Lの冷却効果を高めることができる。
別な実施形態では、下部枠体70(70a)は凹部24を含むシート23の下面全面を覆いかつ下面全面に当接するように形成されてもよい。この実施形態では、下部枠体70の保有する冷熱による液体Lの冷却効果を向上できる。
例示的な実施形態では、図7に示すように、被搬送物22(22b)を構成するシート押え治具66(66b)は、シート23の上面の周縁部のみに当接する上部枠体68(68b)と、シート23の下面の周縁部のみに当接する下部枠体70(70b)を有する。
この実施形態によれば、上下枠体を軽量化及び低コスト化できると共に、シート23に装着される上下枠体68(68b)、70(70b)によって、被搬送物22(22b)の剛性を高め、コンベア搬送面への位置決め、その他取り扱いが容易になる。
一実施形態では、図6及び図7に示すように、下部枠体70(70a、70b)の上面四隅に突起72が形成され、突起72がシート23及び上部枠体68(68a、68b)の四隅に形成された孔74及び76に嵌入することで、シート23及び上部枠体68及び下部枠体70を互いに位置決めできる。
一実施形態では、図6及び図7に示すように、シート押え治具66(66a、66b)は、被搬送物22をコンベア12の設定位置に固定するための固定部78をさらに備える。
固定部78を備えることで、被搬送物22をコンベア搬送面の設定位置に正確に固定できるので、分注部16における凹部24からの液体Lのこぼれを防止し、液体Lを確実に凹部24に注入できる。
図示した実施形態では、固定部78は、下部枠体70の下面四隅に設けられた突起である。固定部78である該突起がコンベア12の搬送面に設けられた凹部(不図示)に嵌入することで、被搬送物22はコンベア搬送面の所定位置に固定される。
なお、一実施形態では、被搬送物22がコンベア幅方向への移動のみを規制し、コンベア搬送方向の移動を規制しない固定部を設けるようにしてもよい。これによって、被搬送物22のシート23の幅方向の位置ずれを防止できるので、被搬送物22をコンベア搬送面の設定位置に固定できる。そのため、分注部16において凹部24へ液体Lを注入でき、凹部24からの液体Lのこぼれを抑制できる。
図6及び図7に図示した実施形態では、固定部78は、下部枠体70の下面四隅に設けられた突起と、コンベア12の各プラスチックチェーンの外側面とで構成される。
一実施形態では、図5に示すように、分注部16において、シート23が液体注入位置に来た時、シート押え治具66のコンベア搬送方向上流側辺及び下流側辺を把持するチャック80を備える。チャック80は制御部54によって動作され、シート23が液体注入位置に来た時、上方に突出してシート押え治具66を把持し、シート押え治具66が搬送方向に動かないように固定する。
上記構成によって、分注時シート23を正確に位置決めでき、複数の凹部24が微小面積を有する場合でも、正確に複数の凹部24の各々に液体Lを注入できる。
幾つかの実施形態に係る液体分注方法は、図8に示すように、少なくともコンベア搬送工程S12と、冷却工程S14と、分注工程S16とを含む。
コンベア搬送工程S12では、複数の凹部24が形成されたシート23を含む被搬送物22を搬送する。冷却工程S14では、被搬送物22をコンベア12で搬送しながら、被搬送物22を極低温冷却する。分注工程S16は、冷却工程S14の後で行われ、被搬送物22をコンベア12で搬送しながら、複数の凹部24に液体Lを注入し、被搬送物22が保有する冷却熱を利用して、複数の凹部24に注入された液体Lの少なくとも表層を凍結させる。
上記方法によれば、冷却工程S14において極低温冷却された被搬送物22が保有する冷熱によって、分注工程S16において液体Lの少なくとも表層を凍結させることで、以後の工程において、凹部24からの液体Lのこぼれを抑制でき、被搬送物22の取り扱いが容易になり、以後の工程で処理時間を短縮できる。
また、冷却工程S14において、被搬送物22は極低温に冷却されるため、分注後の液体Lの表層を凍結可能な冷熱を保有できると共に、液体Lの表層のみを凍結するだけの冷却負荷で済むため、冷却負荷を低減できる。
さらに、コンベア搬送工程S12中、コンベア搬送方向に沿って冷却工程S14及び分注工程S16を行うだけであるので、工程全体の所要時間を短縮できる。従って、例えば製薬などを包装する包装シートの製造工程などに適用しても、製造効率を低下させない。
一実施形態では、図1に示すように、冷却工程S14は冷却室14の中で行われ、分注工程S16は分注室62で行われる。
一実施形態では、図1及び図8に示すように、複数の凹部24が形成されたシート23を含む被搬送物22が投入機(不図示)によって搬入室26のコンベア12の搬送面に載置される(シート投入工程S10)。また、分注工程S16の後で、被搬送物22は搬出室28に搬送され、搬出室28から後工程(例えば凍結乾燥工程など)へ送られる(シート排出工程S18)。
一実施形態では、冷却工程S14において、被搬送物22の周囲温度を−120℃〜−70℃に極低温冷却する。
このように、被搬送物22の周囲温度を上記温度範囲に極低温冷却することで、次の分注工程S16で被搬送物22が保有する冷熱によってシート23に注入された液体Lの少なくとも表層を凍結できる。これによって、以後の工程において凹部24からの液体Lのこぼれを抑制でき、被搬送物22の取り扱いが容易になる。
また、分注部16において、コンベア12の周囲を分注室62で囲うことで、微生物などの混入を防止でき、液体Lの正常度を保持できる。
一実施形態では、図8に示すように、分注工程S16の後で、液体Lを減圧下で昇華させ凍結乾燥するための凍結乾燥工程S20をさらに含む。
このように、凍結乾燥工程S20を行うことで、複数の凹部24に分注された液体Lを乾燥粉末にすることができる。この際、冷却工程S14で液体Lの表層を凍結させることで、シート23からの液体Lのこぼれを抑制でき、凍結乾燥工程S20におけるシート23の取り扱いが容易になる。また、冷却工程S14で液体Lを冷却することで、凍結乾燥工程S20で必要な冷熱を補助し、凍結乾燥工程S20で必要な冷熱をつくるための動力を節減できる。
この実施形態では、包装シートに収納される粉末状の薬剤などの製造に適用できる。
図9は、冷却工程S14において冷却室14の冷却空間Sを−120℃〜−70℃に冷却するための冷凍機42の一例を示す。
図9において、冷凍機42は空気を冷媒として用いる冷凍機であり、冷媒循環路82に圧縮機84及び膨張機86が設けられる。圧縮機84及び膨張機86はモータ88の単一の出力軸88aに接続される。圧縮機84で圧縮された高温高圧の冷媒は、一次冷却器90で冷却水wと熱交換して一次冷却される。一次冷却された冷媒は、さらに冷却熱回収熱交換器92で冷却器36から戻る冷媒と熱交換されてさらに冷却され、膨張機86に送られる。膨張機86に供給された冷媒は膨張機86で膨張して冷却され、−70℃〜−120℃の温度となって冷却器36に送られる。冷却器36で冷却管44を流れる冷媒は冷却空間Sの空気を冷却した後、冷却熱回収熱交換器92に戻る。
空気を冷媒とする冷凍機42は、−70℃以下の低温域では、NH,CO、代替フロン等を冷媒とする通常の汎用性ある冷凍機より高いCOP(成績係数)を有する。
また、冷凍機42は、凍結乾燥工程S20で用いられる凍結乾燥機に必要な冷却熱を供給できる。従って、冷凍機42によって冷却空間Sの冷却と凍結乾燥機の冷却とを兼用できる(空気冷媒を用いる冷凍機の詳細は、詳しくは特開2013−44517号公報を参照)。
幾つかの実施形態によれば、シートに形成された複数の凹部に液体を分注する際に、液体が低粘性液である場合でも、液体のこぼれを抑制できるため、シートの取り扱いが容易になる。そのため、例えば、製薬などを包装する包装シートの製造工程に適用する場合、その製造時間を短縮できるが、包装シートの製造工程以外の用途にも適用可能であることは勿論である。
10 液体分注装置
12 コンベア
14 冷却室
16 分注部
20 冷却部
22(22a、22b) 被搬送物
23 シート
24 凹部
26 搬入室
28 搬出室
30 従動スプロケット
32 駆動スプロケット
34 送風機
36 冷却器
38 冷気ノズル
38a 噴出部
38b 冷気噴出口
40 ケーシング
42 冷凍機
44 冷却管
46、48 管路
50 分注ノズル
52 駆動部
52a 第1の駆動部
52b 第2の駆動部
54 制御部
56 供給ホース
58 ボンベ
60 基部
62 分注室
64 長孔
66(66a、66b) シート押え治具
68(68a、68b) 上部枠体
70(70a、70b) 下部枠体
72 突起
74、76 孔
78 固定部
80 チャック
82 冷媒循環路
84 圧縮機
86 膨張機
88 モータ
88a 出力軸
90 一次冷却器
92 冷却熱回収熱交換器
Fc 衝突噴流
L 液体
冷却空間
空間
a 空気流
b コンベア搬送方向
c コンベア幅方向

Claims (10)

  1. 被搬送物を搬送するための搬送面を有するコンベアと、
    前記搬送面を含む前記コンベアの一部を囲う冷却空間を内部に形成する冷却室と、
    前記冷却室のコンベア搬送方向下流側で、前記被搬送物に含まれるシートに形成された前記複数の凹部の各々に液体を注入し、前記被搬送物が保有する冷熱によって前記複数の凹部に注入された前記液体の少なくとも表層を凍結させるための分注部と、
    前記冷却室の前記冷却空間を極低温に冷却するための冷却部と、
    を備えることを特徴とする液体分注装置。
  2. 前記冷却部は、
    前記冷却室内で空気流を形成するための送風機と、
    前記空気流を冷却するための冷却器と、
    前記コンベアの上方及び下方の少なくとも一方から冷気噴射口が前記コンベアの上面又は下面に向けて配置され、前記冷気噴射口に向けて漸減する断面を有する複数の冷気ノズルと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体分注装置。
  3. 前記分注部は、
    前記コンベアの上方に配置され前記シートの前記複数の凹部の各々に前記液体を注入するための複数の分注ノズルと、
    前記複数の分注ノズルを前記コンベア搬送方向及び上下方向に沿って駆動するための駆動部と、
    前記複数の分注ノズルを、前記シートに対して前記コンベア搬送方向へ並行させながら前記液体を前記複数の凹部に注入する注入動作と、前記注入動作以前の位置に復帰させる復帰動作とを行わせる制御部と、
    を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体分注装置。
  4. 前記複数の凹部は、前記被搬送物が前記搬送面に載置されたとき、前記コンベア搬送方向及び前記コンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に配置され、
    前記複数の分注ノズルは、前記コンベア搬送方向に沿って1列又は複数列に配置され、前記コンベア搬送方向と交差する方向に沿って複数列に配置されると共に、前記複数の分注ノズルの相対的な位置関係が前記複数の凹部の少なくとも一部の相対的な位置関係と同一の位置関係で単一の基部に取り付けられ、
    前記単一の基部は前記駆動部によって駆動されると共に、前記単一の基部の動作は前記制御部によって制御されることを特徴とする請求項3に記載の液体分注装置。
  5. 前記分注部は、前記コンベアの搬送面の一部を囲い、上壁に前記コンベア搬送方向に沿う長辺を有する複数の長孔が形成された分注室をさらに備え、
    前記制御部は、前記複数の分注ノズルを下降させ前記複数の長孔から前記分注室の内部に挿入させる下降動作と、前記下降動作の後で前記複数の分注ノズルを前記被搬送物に対して前記コンベア搬送方向へ並行させながら前記液体を前記複数の凹部に注入する注入動作と、前記注入動作の後で前記複数の分注ノズルを前記分注室の外部へ上昇させる上昇動作と、前記上昇動作の後で前記複数の分注ノズルを前記コンベア搬送方向と逆方向へ移動させて前記下降動作以前の位置に戻る戻り動作と、を行わせるものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の液体分注装置。
  6. 前記被搬送物が、
    前記シートと、
    前記シートの上面に当接される上部枠体、及び前記シートの下面に当接される下部枠体を有し、前記上部枠体と前記下部枠体とで前記シートを挟持するシート押え治具と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体分注装置。
  7. 前記上部枠体は、前記凹部を除く前記シートの上面全面に当接される金属製の枠体であり、
    前記下部枠体は、少なくとも前記凹部を除く前記シートの下面全面に当接される金属製の枠体であることを特徴とする請求項6に記載の液体分注装置。
  8. 前記シートを挟持した前記シート押え治具を前記コンベアの設定位置に固定するための固定部をさらに備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体分注装置。
  9. 複数の凹部が形成されたシートを含む被搬送物をコンベアで搬送する搬送工程と、
    前記被搬送物を前記コンベアで搬送しながら、前記被搬送物を極低温冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程の後で、前記被搬送物を前記コンベアで搬送しながら、前記複数の凹部に液体を注入し、前記被搬送物が保有する冷熱によって前記複数の凹部に注入された前記液体の少なくとも表層を凍結させる分注工程と、
    を含むことを特徴とする液体分注方法。
  10. 前記冷却工程において、
    前記被搬送物の周囲温度を−120℃以上−70℃以下に極低温冷却することを特徴とする請求項9に記載の液体分注方法。

JP2016250176A 2016-12-22 2016-12-22 液体分注装置及び液体分注方法 Active JP6865031B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016250176A JP6865031B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 液体分注装置及び液体分注方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016250176A JP6865031B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 液体分注装置及び液体分注方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018104008A true JP2018104008A (ja) 2018-07-05
JP6865031B2 JP6865031B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=62786305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016250176A Active JP6865031B2 (ja) 2016-12-22 2016-12-22 液体分注装置及び液体分注方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6865031B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4225623A (en) * 1978-08-28 1980-09-30 Stussi William E Preparation of fruit-on-the-top sundae-style yogurt
JPH0241397A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 高粘度物の急速固化成形方法並びにその装置
JPH08327229A (ja) * 1995-05-26 1996-12-13 Mutual Corp 薬液の凍結乾燥方法及び凍結乾燥薬剤の充填包装方法並びに薬液の凍結乾燥に用いる容器ブロック
JPH0995306A (ja) * 1995-09-28 1997-04-08 Ckd Corp 充填包装方法及びその装置
JP2003011905A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Hisaka Works Ltd 容器入り食品の製造装置及び製造方法
JP2007110911A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Mayekawa Mfg Co Ltd 流動性食品の成形凍結方法及び装置
JP2011524972A (ja) * 2008-06-19 2011-09-08 サド,ヤミル アディブ マシーズ 滴下した液体窒素の直接接触による超高速食品冷凍装置
JP2013236615A (ja) * 2012-11-26 2013-11-28 Shima System:Kk 飲料又は調味料の処理方法
JP2014118174A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Seiko Corp パウチ開口装置および液体充填方法
JP2015010738A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社前川製作所 凍結乾燥システムおよび凍結乾燥方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4225623A (en) * 1978-08-28 1980-09-30 Stussi William E Preparation of fruit-on-the-top sundae-style yogurt
JPH0241397A (ja) * 1988-07-29 1990-02-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 高粘度物の急速固化成形方法並びにその装置
JPH08327229A (ja) * 1995-05-26 1996-12-13 Mutual Corp 薬液の凍結乾燥方法及び凍結乾燥薬剤の充填包装方法並びに薬液の凍結乾燥に用いる容器ブロック
JPH0995306A (ja) * 1995-09-28 1997-04-08 Ckd Corp 充填包装方法及びその装置
JP2003011905A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Hisaka Works Ltd 容器入り食品の製造装置及び製造方法
JP2007110911A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Mayekawa Mfg Co Ltd 流動性食品の成形凍結方法及び装置
JP2011524972A (ja) * 2008-06-19 2011-09-08 サド,ヤミル アディブ マシーズ 滴下した液体窒素の直接接触による超高速食品冷凍装置
JP2013236615A (ja) * 2012-11-26 2013-11-28 Shima System:Kk 飲料又は調味料の処理方法
JP2014118174A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Seiko Corp パウチ開口装置および液体充填方法
JP2015010738A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社前川製作所 凍結乾燥システムおよび凍結乾燥方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6865031B2 (ja) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4227970B2 (ja) 高温部品の冷却装置、及び、高温部品の冷却方法
CN107406024B (zh) 鸥翼门型危险品保管装置
JP6865031B2 (ja) 液体分注装置及び液体分注方法
CN107406023A (zh) 危险品保管装置
JP2018104007A (ja) 液体分注装置及び液体分注方法
CZ296463B6 (cs) Tesnicí zarízení pro systém udrzování teploty výrobku umístených na palete
KR102241126B1 (ko) 아이스팩 자동 포장장치
JP6691364B2 (ja) 凍結乾燥剤の製造方法及び製造システム
KR101693617B1 (ko) 프리저 장치
JP2007307460A (ja) 成型固化物冷却方法及びそのコンベヤ装置
TW201836950A (zh) 輸送機及搬送方法
JP3724645B2 (ja) 環境試験装置
JP2022019867A (ja) 保持ハンド及び物品収納方法
JP6823234B2 (ja) 包装シート製造装置
JP2003104337A (ja) 冷却装置
JP6255173B2 (ja) 反転装置及び容器詰め装置
TW201008836A (en) Device for replacing gas in container and method for the same
KR101209772B1 (ko) 웨이퍼의 드라이 오븐 시스템 및 웨이퍼의 건조 방법
JP2004212094A (ja) 環境試験装置
JP2004212093A (ja) 環境試験装置
TWI547426B (zh) 紙容器發泡裝置
KR101790474B1 (ko) 액체원료 저장탱크
JP5154157B2 (ja) 物品搬送装置およびピッキング設備
JP2004212092A (ja) 環境試験装置
TWI817277B (zh) 樹脂供給機構及具備其的樹脂封裝裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6865031

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250