JP2018103088A - 排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータ - Google Patents

排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータ Download PDF

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【課題】パラジウム表面積が大きく、耐熱性及び三元浄化性能に優れ、製造容易で生産性にも優れる、排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータ等を提供する。【解決手段】還元性雰囲気下において、構成金属元素としてLa及びZr並びに必要に応じてNdを、酸化物換算で以下の質量割合で含むLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子と、前記母材粒子上に担持されたPd触媒粒子と、を少なくとも含有することを特徴とする排ガス浄化用三元触媒。かかる排ガス浄化用三元触媒は、一酸化炭素ガスパルス吸着法により算出されるパラジウム表面積が、8〜30(m2/Pd_g)であることが好ましい。ZrO2:50〜80質量%La2O3:20〜50質量%Nd2O3:0〜20質量%La2O3とNd2O3の合計量:20〜50質量%【選択図】図1

Description

本発明は、Pd触媒粒子が特定の母材粒子上に担持された排ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータに関する。
自動車等の内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)の浄化において、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ等の白金族元素(PGM:Platinum Group Metal)を触媒活性成分として用いた三元触媒(TWC:Three-Way Catalyst)が広く用いられている。従来、三元触媒としては、アルミナ、ジルコニア、セリア等の金属酸化物からなる担体(母材粒子)と、この担体上に担持されたPt等の触媒粒子とを有するものが広く知られている。
この種の排ガス浄化用触媒においては、比較的に高価なPGMの使用量を削減するとともに高い触媒活性を確保するため、微細な粒子の状態で触媒金属を担体上に担持させている。しかしながら、担体上の触媒金属の粒子は、高温環境に曝されると、粒子同士がシンタリングすることで粒成長し、これにより触媒活性サイトが著しく減少してしまうという問題があった。
かかる触媒金属のシンタリングを抑制する技術として、例えば特許文献1には、Al2 3 粒子と所定の金属酸化物の粒子のそれぞれの一次粒子がナノオーダーで混合された混合物を担体とし、この担体上に白金族元素を担持させた排ガス浄化用触媒が開示されている。この技術によれば、Al2 3 の一次粒子と所定の金属酸化物の一次粒子とが、それぞれの粒子間に介在しているため、単独酸化物の一次粒子の粒成長の進行が抑制され、その結果、表面積及び細孔容積の低下が十分に抑制され、担持させる触媒成分の分散性を十分に保持することができるとされている。
また、例えば特許文献2には、AZT酸化物又はAZ酸化物からなる担体と、該担体に担持される一酸化炭素の酸化を触媒する貴金属と、を有する排ガス浄化用酸化触媒が開示されている。この技術によれば、AZT酸化物又はAZ酸化物からなる担体の表面にある塩基点、すなわち塩基性性質を示す原子若しくは原子団のサイトにおいて、酸素原子を介してパラジウムや白金等の貴金属の原子(イオン)が強固に固定(担持)されるため、シンタリング抑制効果が高く貴金属の粒成長を抑制することができるとされている。
しかしながら、特許文献1及び2の排ガス浄化用触媒は、母材粒子としてAl2 3 を用いたディーゼルエンジン用の排ガス浄化用触媒であり、より高温の排ガスを発生するガソリンエンジン等の内燃機関用途においては、耐熱性が不十分で、触媒性能が速やかに低下するという問題がある。
一方、耐熱性を向上させた三元触媒として、特許文献3には、パラジウム含有率が0.05〜7重量%の範囲であり、Pr/(Zr+Pr)原子比が0.05〜0.6の範囲であるZrαPrβPdγ2-δ(但し、α+β+γ=1.000であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)固溶体成分からなる排ガス浄化三元触媒が開示されている。
他方、特許文献4及び5には、酸素ストレージ能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有する助触媒(酸素貯蔵材料)として、イットリウム、ランタン、ネオジム、プラセオジム及びガドリニウム等の希土類元素をドープさせたセリア−ジルコニア系金属酸化物が開示されている。
国際公開第2012/121085号パンフレット 国際公開第2012/137930号パンフレット 特開2013−166130号公報 国際公開第2011/083157号パンフレット 国際公開第2010/097307号パンフレット
しかしながら、特許文献3に記載された排ガス浄化三元触媒は、特殊な結晶構造を有する固溶体を得るために空気中800〜1100℃で数十時間もの熱処理を必要としており、生産性に劣る。また、特許文献4及び5は、酸素貯蔵材料としてのセリア−ジルコニア系金属酸化物の開示に留まる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、パラジウム表面積が大きく、耐熱性及び三元浄化性能に優れ、製造容易で生産性にも優れる、排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータ等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定の母材粒子上にPd触媒粒子が担持された新規構造を採用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
(1)構成金属元素としてLa及びZr並びに必要に応じてNdを、酸化物換算で以下の質量割合:ZrO2 50〜80質量%;La2 3 20〜50質量%;Nd2 3 0〜20質量%;La2 3とNd2 3 の合計量が20〜50質量%;で含むLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子と、前記母材粒子上に担持されたPd触媒粒子と、を少なくとも含有することを特徴とする、排ガス浄化用三元触媒。
(2)前記Pd触媒粒子が、金属パラジウム換算で0.1〜10質量%含まれる(1)に記載の排ガス浄化用三元触媒。
(3)前記母材粒子が、1〜100μmの平均粒子径D50を有する(1)又は(2)に記載の排ガス浄化用三元触媒。
(4)一酸化炭素ガスパルス吸着法により算出されるパラジウム表面積が、8〜30(m2 /Pd_g)である(1)〜(3)のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒。
(5)BET比表面積が、10〜50(m2 /g)である(1)〜(4)のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒。
(6)構成金属元素としてLa、Nd及びZrを、酸化物換算で以下の質量割合:ZrO2 50〜80質量%;La2 3 20〜50質量%;Nd2 3 0〜20質量%;La2 3とNd2 3 の合計量が20〜50質量%;で含むLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子を準備する工程、前記母材粒子の表面に、Pdイオンを少なくとも含有する水溶液を付与する工程、並びに処理後の前記母材粒子を熱処理又は化学処理して、前記母材粒子の表面にPd触媒粒子を担持させる工程、を少なくとも有することを特徴とする、排ガス浄化用三元触媒の製造方法。
(7)触媒担体と、前記触媒担体上に設けられた酸素貯蔵層と、前記酸素貯蔵層上に設けられた触媒層とを少なくとも備え、前記触媒層が、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒を含むことを特徴とする、排ガス浄化用触媒コンバータ。
本発明によれば、パラジウム表面積が大きく、耐熱性及び三元浄化性能に優れ、製造容易で生産性にも優れる、排ガス浄化用三元触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用三元触媒等を実現することができる。本発明の排ガス浄化用触媒は、La固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子上に数多くの微小な活性点(Pd触媒粒子)が担持された複合構造の触媒粒子であり、その組成及び構造に基づいて、排ガス中のNOx、CO、HC等を削減する三元触媒(TWC:Tree Way Catalyst)として、特に好適に用いることができる。そして、本発明の排ガス浄化用触媒等は、エンジン直下型触媒コンバータやタンデム配置の直下型触媒コンバータ等に搭載することができ、これにより、キャニングコストの削減などを図ることができる。
実施例6の排ガス浄化用三元触媒(性能評価用サンプル)のSTEMの散乱電子像(ZC像)である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その上限値「1」及び下限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
本実施形態の排ガス浄化用三元触媒は、特定組成のLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子と、この母材粒子上に担持されたPd触媒粒子とを少なくとも含有する。このLa固溶ジルコニア系複合酸化物は、構成元素としてランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、及び酸素(O)を少なくとも含有するものであって、La及びZr並びに必要に応じてNdを、酸化物換算で以下の質量割合で含有するものである。
ZrO2 :50〜80質量%
La2 3 :20〜50質量%
Nd2 3 :0〜20質量%
La2 3とNd2 3 の合計量:20〜50質量%
このような組成を有するLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子を用いることで、母材粒子上に微細なPd触媒粒子が高分散に担持された排ガス浄化用三元触媒を実現することができる。以下、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒における推定作用を、説明する。
先に述べたとおり、この種の触媒においては、高温環境に曝されると、母材粒子上の触媒粒子同士がシンタリングすることで粒成長し、これにより触媒活性サイトが著しく減少し、触媒性能が低下することが知られている。これに対して、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒においては、外部環境が還元性雰囲気から酸化性雰囲気に切り替えられると、母材粒子に含まれるLa(及び必要に応じてNd)とPd触媒粒子とが複合酸化物や固溶体を形成し、さらに外部環境が酸化性雰囲気から還元性雰囲気に切り替えられると、その複合酸化物や固溶体から微細なPd触媒粒子が母材粒子上に再分散される。すなわち、本実施形態においてPd触媒粒子は、謂わばPdO/La2 3 混合酸化物として用いられており、さらにNdを含有する場合にはPdO/Nd2 3 混合酸化物として用いられており、外部環境の変化に応じて、微細なPd触媒粒子が母材粒子上に高分散に担持されるようになっている。また、母材粒子として、比較的に耐熱性に優れるジルコニア系複合酸化物を用いているため、触媒そのものの耐熱性も高められている。これらが相まった結果、耐熱性及び三元浄化性能に優れる排ガス浄化用三元触媒が実現されたものと推察される。但し、作用はこれらに限定されない。
なお、以上のとおりであるから、上記の母材粒子及びPd触媒粒子は少なくとも還元性雰囲気において確認されればよく、酸化性雰囲気やストイキ雰囲気におけるPd触媒粒子の性状は特に限定されない。ここで本明細書において、還元性雰囲気とは、水素ガス雰囲気下400℃で0.5時間以上、静置した状態を意味する。なお、Pd触媒粒子は、例えば倍率100万倍の走査透過型電子顕微鏡(STEM)、日立ハイテクノロジーズ社製HD−2000等を用いて確認することができる。以下、各成分について詳述する。
La固溶ジルコニア系複合酸化物中のZrの質量割合は、酸化物(ZrO2 )換算で、52〜78質量%が好ましく、より好ましくは55〜76質量%であり、さらに好ましくは55〜75質量%である。ジルコニアは、耐熱性に優れているため、高温環境下で使用する排ガス浄化触媒の母材として適している。また、ジルコニア系複合酸化物は、アルミナに比して、共担持させるLa及びNdの化合物形成が抑制されるというメリットもある。
また、La固溶ジルコニア系複合酸化物中のLaの質量割合は、酸化物(La2 3 )換算で、22〜48質量%が好ましく、より好ましくは24〜45質量%であり、さらに好ましくは25〜45質量%である。このように希土類元素であるLaを固溶させたジルコニア系複合酸化物を用いることで、排ガス浄化性能が高められる傾向にある。また、担持されるPd触媒粒子の分散性が高められる傾向にある。
一方、La固溶ジルコニア系複合酸化物がNdを含む場合(以降において、「LaNd固溶ジルコニア系複合酸化物」ともいう。なお、Ndを含む場合/含まない場合の双方を意図する場合には、「La固溶ジルコニア系複合酸化物」と総称する。)、LaNd固溶ジルコニア系複合酸化物中のNdの質量割合は、酸化物(Nd2 3 )換算で、0〜19質量%が好ましく、より好ましくは0〜18質量%である。このように希土類元素であるNdを固溶させたジルコニア系複合酸化物を用いることで、ジルコニアの耐熱性が向上し、排ガス浄化性能が高められる傾向にある。また、担持されるPd触媒粒子の分散性が高められる傾向にある。
そして、LaNd固溶ジルコニア系複合酸化物中のLa及びNdの合計量は、酸化物(La2 3 及びNd2 3 )換算で、22〜48質量%が好ましく、より好ましくは25〜45質量%であり、さらに好ましくは30〜45質量%である。このように希土類元素であるLa及びNdを所定量固溶させたジルコニア系複合酸化物を用いることで、排ガス浄化性能が高められる傾向にある。
ここで、La固溶ジルコニア系複合酸化物は、上述した構成元素以外に、他の元素を含んでいてもよい。例えば、本発明の効果を著しく損なわない限り、イットリウム、セリウム、スカンジウム、プラセオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウム等の希土類元素を含んでいてもよい。これらの希土類元素は、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、プラセオジム(Pr)は、ジルコニア系複合酸化物中にドープされるLaやNdに置き換えて使用可能であり、好ましい。このとき、La固溶ジルコニア系複合酸化物は、イットリウム、スカンジウム、及びプラセオジムを、これらの酸化物換算の合計で、0〜10質量%含んでいることが好ましく、より好ましくは1〜8質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。
一方、本発明のより高い効果を維持する観点から、上述した希土類元素のうち、セリウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムは、La固溶ジルコニア系複合酸化物中に実質的に含まれないことが好ましい。ここで、実質的に含まないとは、これらの酸化物換算の質量割合が、La固溶ジルコニア系複合酸化物に対して0〜5質量%であることを意味し、より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%である。
なお、La固溶ジルコニア系複合酸化物は、ジルコニア鉱石中に通常1〜2質量%程度含まれているハフニウム(Hf)を不可避不純物として含有していても構わない。ここで、ハフニウムを除く不可避不純物の総量は、0.3質量%以下であることが好ましい。また、La固溶ジルコニア系複合酸化物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、ジルコニウムの一部が、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素等で置換されていてもよい。さらにまた、La固溶ジルコニア系複合酸化物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)等の遷移金属元素を含有していてもよい。
上述した特定組成のLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子は、大きな比表面積を保持させる観点から、1〜100μmの平均粒子径D50を有することが好ましく、より好ましくは1.5〜60μmであり、さらに好ましくは2〜30μmである。なお、本明細書において、平均粒子径D50は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−3100等)で測定されるメディアン径を意味する。
母在粒子は、各種グレードの市販品を用いることができる。また、上述した組成のLa固溶ジルコニア系複合酸化物は、当業界で公知の方法で製造することもできる。La固溶ジルコニア系複合酸化物の製造方法は、特に限定されないが、共沈法やアルコキシド法が好ましい。
共沈法としては、例えば、ジルコニウム塩、ランタン塩及び必要に応じて配合するネオジム塩や他の希土類金属元素を所定の化学量論比で混合した水溶液に、アルカリ物質を添加して加水分解させ或いは前駆体を共沈させ、その加水分解生成物或いは共沈物を焼成する製法が好ましい。ここで用いる各種塩の種類は、特に限定されない。一般的には、塩酸塩、オキシ塩酸塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等が好ましい。また、アルカリ性物質の種類も、特に限定されない。一般的には、アンモニア水溶液が好ましい。アルコキシド法としては、例えば、ジルコニウムアルコキシド、ランタンアルコキシド及び必要に応じて配合するネオジムアルコキシドや希土類金属元素を所定の化学量論比で混合した混合物を加水分解し、その後に焼成する製法が好ましい。ここで用いるアルコキシドの種類は、特に限定されない。一般的には、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシドや、これらのエチレンオキサイド付加物等が好ましい。また、希土類金属元素は、金属アルコキシドとして配合しても、上述した各種塩として配合してもよい。
焼成条件は、常法にしたがえばよく、特に限定されない。焼成雰囲気は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、中性雰囲気のいずれの雰囲気でもよい。焼成温度及び処理時間は、所望するLa固溶ジルコニア系複合酸化物の組成及びその化学量論比によって変動するが、生産性等の観点からは、一般的には、150℃〜1300℃で1〜12時間が好ましく、より好ましくは350℃〜800℃で2〜4時間である。なお、高温焼成に先立って、真空乾燥機等を用いて減圧乾燥を行い、約50℃〜200℃で約1〜48時間程度の乾燥処理を行うことが好ましい。
母材粒子上に担持されるPd触媒粒子は、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒において主たる触媒活性サイトとして機能する。このPd触媒粒子は、上述したとおり、外部環境に応じてPdO/La2 3の複合酸化物や固溶体、場合によってはPdO/Nd2 3 混合酸化物や固溶体、PdO、金属Pdに変化し得るものである。したがって、Pd触媒粒子の酸化状態は、特に限定されないが、還元性雰囲気下において、PdO又は金属Pdの粒子であることが好ましい。
母材粒子上に担持されるPd触媒粒子の含有量は、所望性能に応じて適宜決定でき、特に限定されないが、リーン環境〜ストイキ環境〜リッチ環境の全域にわたる触媒性能を向上させ、また低温活性を向上させる等の観点から、排ガス浄化用三元触媒の総量に対する金属パラジウム換算量で、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜8質量%であり、さらに好ましくは0.3〜6質量%である。
母材粒子上に担持されるPd触媒粒子は、触媒活性サイトを多く維持し、高い触媒性能を得る等の観点から、1〜90nmの平均結晶子径を有することが好ましく、より好ましくは3〜80nmである。なお、結晶子とは、一般に単結晶とみなせる最大の集まりのことをいい、その結晶子の大きさのことを結晶子径という。また、本明細書において、平均結晶子径は、X線回折装置を用いて回折パターンを測定し、その測定結果に基づいて下記式(1)で表されるScherrerの式より算出した値を意味する。
結晶子径 D(Å)=K・λ/(β・cosθ) ・・・(1)
式(1)中、KはScherrer定数であり、ここではK=0.9とする。また、λは使用したX線管球の波長、βは半値幅、θは回折角(rad)である。
なお、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒は、Pd以外の貴金属元素(PM)及び白金族元素(PGM)を含有していてもよいが、高温条件での使用などを考慮すると、Pd以外の貴金属元素(PM)及び白金族元素(PGM)を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、Pd以外の貴金属元素(PM)及び白金族元素(PGM)の総量が、排ガス浄化用三元触媒の全量に対して、0〜1.0質量%の範囲内にあることを意味し、より好ましくは0〜0.5質量%、さらに好ましくは0〜0.3質量%である。
本実施形態の排ガス浄化用三元触媒の形状は、特に限定されない。例えば、母材粒子上にPd触媒粒子が担持された複合粒子の集合体である触媒粉末のまま用いることができる。また、例えば、触媒粉末を任意の形状に成形して、粒状やペレット状の成形触媒とすることができる。また、この排ガス浄化用三元触媒を触媒担体に担持させることもできる。ここで用いる触媒担体としては、当業界で公知のものを適宜選択することができる。代表的には、コージェライト製、シリコンカーバイド製、窒化珪素製等のセラミックモノリス担体、ステンレス製等のメタルハニカム担体、ステンレス製等のワイヤメッシュ担体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらは、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒は、高い触媒性能を得る等の観点から、一酸化炭素ガスパルス吸着法により算出されるパラジウム1gあたりの金属表面積(MSA:Metal Surface Area)、すなわちパラジウム表面積が8〜30(m2 /Pd_g)であることが好ましく、より好ましくは10〜30(m2 /Pd_g)であり、さらに好ましくは13〜30(m2 /Pd_g)である。ここで本明細書において、排ガス浄化用三元触媒のパラジウム表面積は、測定対象となる排ガス浄化用三元触媒にエージング処理(高温耐久処理)を施したサンプルを用いて、例えば、金属分散度測定装置(商品名:BEL−METAL−3、マイクロベル・トラック株式会社性)等のガス吸着測定装置を用いて測定される触媒単位質量あたりのCO吸着量(cc/g)から、後述する実施例に記載の換算式で求められる値を意味する。なお、このエージング処理は、三元触媒のランニング性能の安定化を図る目的で行うものである。このエージング処理においては、水分濃度10%の大気雰囲気下1050℃で12時間の熱処理を施した後、水素ガス雰囲気下400℃で0.5時間の還元処理を行うものとする。
さらに、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒は、高い触媒性能を得る等の観点から、BET一点法によるBET比表面積が、10〜50m2 /gであることが好ましく、より好ましくは12〜50m2 /gであり、さらに好ましくは15〜50m2 /gである。ここで本明細書において、排ガス浄化用三元触媒のBET比表面積は、測定対象となる排ガス浄化用三元触媒に上述したエージング処理(高温耐久処理)を施したサンプルを用いて測定される値とする。
上述した排ガス浄化用三元触媒は、例えば内燃機関の排ガス浄化用触媒、とりわけガソリン自動車の排ガス浄化用触媒として有用である。
排ガス浄化用三元触媒の製造方法は、上述したとおり、La固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子上にPd触媒粒子が担持された構成のものが得られる限り、特に限定されない。排ガス浄化用三元触媒を再現性よく簡易且つ低コストで製造する観点からは、蒸発乾固法(含浸法)等が好ましい。
蒸発乾固法としては、上述した母材粒子に、Pdイオンを少なくとも含有する水溶液を含浸させ、その後に熱処理又は化学処理する製法が好ましい。この含浸処理により、Pdイオンが、母材粒子の表面に高分散状態で吸着(付着)される。なお、Pdイオンは、パラジウムの各種塩として水溶液に配合することができる。ここで用いる各種塩の種類は、特に限定されない。一般的には、塩酸塩、オキシ塩酸塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等が好ましい。また、水溶液中のPdイオンの含有割合は、得られる排ガス浄化用三元触媒においてPd触媒粒子が所望の含有割合となるように適宜調整することができ、特に限定されない。また、言うまでもないが、ここで用いる水溶液は、上述した任意成分、例えばイットウム、スカンジウム、プラセオジム等の希土類元素や遷移金属元素、さらには不可避不純物を含んでいてもよい。
熱処理及び化学処理の条件は、常法にしたがえばよく、特に限定されない。例えば、熱処理時の雰囲気は、酸化性雰囲気、大気雰囲気、還元性雰囲気のいずれでもよい。熱処理温度及びその時間は、所望するLa固溶ジルコニア系複合酸化物の組成及びその化学量論比によって変動するが、Pd触媒粒子の生成及び生産性等の観点からは、一般的には、500〜1100℃で0.1〜12時間が好ましく、より好ましくは550℃〜800℃で0.5〜6時間である。なお、熱処理に先立って、真空乾燥機等を用いて減圧乾燥を行い、約50℃〜200℃で約1〜48時間程度の乾燥処理を行ってもよい。また、化学処理としては、上記蒸発乾固法における含浸処理の後に、塩基性成分を用いてPdイオンを担体表面にて加水分解させてもよい。ここで用いる塩基性成分は、アンモニア、エタノールアミン等のアミン類、苛性ソーダ、水酸化ストロンチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。これらの熱処理や化学処理により、ナノオーダーサイズに高分散したPd触媒粒子が、母材粒子の表面に生成される。
なお、成形触媒の作製時には、各種公知の分散装置、混練装置、成形装置を用いることができる。また、触媒担体に排ガス浄化用三元触媒を保持させる際には、各種公知のコーティング法、ウォッシュコート法、ゾーンコート法を適用することができる。
本実施形態の排ガス浄化用三元触媒は、排ガス浄化用触媒コンバータの触媒層に配合して用いることができる。例えば、上述したセラミックモノリス担体等の触媒担体に、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒を含有する触媒層を設けることで実施可能である。また、排ガス浄化用触媒コンバータの触媒エリアは、触媒層が1つのみの単層であっても、2以上の触媒層からなる積層体であっても、1以上の触媒層と当業界で公知の1以上の他の層とを組み合わせた積層体のいずれでもよい。例えば、排ガス浄化用触媒コンバータが触媒担体上に酸素貯蔵層及び触媒層を少なくとも有する多層構成の場合には、少なくとも、触媒層に本実施形態の排ガス浄化用三元触媒を含有させることで、耐熱性及び三元浄化性能に優れる排ガス浄化用触媒コンバータとすることができる。排気ガス規制の強化の趨勢を考慮すると、層構成は、2層以上が好ましい。
触媒層の形成方法は、常法にしたがって行えばよく、特に限定されない。一例を挙げると、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒と、水系媒体と、必要に応じて当業界で公知のバインダー、他の触媒、助触媒粒子、OSC材、母材粒子、添加剤等とを所望の配合割合で混合してスラリー状混合物を調製し、得られたスラリー状混合物を触媒担体の表面に付与し、乾燥、焼成することができる。この際、必要に応じてpH調整のために酸や塩基を配合したり、粘性の調整やスラリー分散性向上のための界面活性剤や分散用樹脂等を配合したりすることができる。なお、スラリーの混合方法としては、ボールミル等による粉砕混合が適用可能であるが、他の粉砕、或いは混合方法を適用することもできる。
触媒担体へのスラリー状混合物の付与方法は、常法にしたがって行えばよく、特に限定されない。各種公知のコーティング法、ウォッシュコート法、ゾーンコート法を適用することができる。そして、スラリー状混合物の付与後においては、常法にしたがい乾燥や焼成を行うことにより、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒を含有する触媒層を備える排ガス浄化用触媒コンバータを得ることができる。
上述した排ガス浄化用触媒コンバータは、各種エンジンの排気系に配置することができる。排ガス浄化用触媒コンバータの設置個数及び設置箇所は、排ガスの規制に応じて適宜設計できる。例えば、排ガスの規制が厳しい場合には、設置箇所を2以上とし、設置箇所は排気系の直下触媒の後方の床下位置に配置することができる。そして、本実施形態の排ガス浄化用三元触媒を含有する触媒組成物や排ガス浄化用触媒コンバータによれば、低温での始動時のみならず、高温での高速走行時を含む種々の走行仕様において、CO、HC、NOxの浄化反応に優れた効果を発揮することができる。
以下に試験例、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらによりなんら限定されるものではない。すなわち、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更することができる。
[パラジウム表面積の測定]
パラジウム表面積(m2 /Pd_g)は、まず各々の性能評価用サンプル試料のCO吸着量M(cc/g)を一酸化炭素ガスパルス吸着法により測定し、単純理想モデルにおけるCO吸着量あたりのPd表面積(3517.487m2 /mmol)を係数Wとして用い、これらCO吸着量M及び係数W、並びに標準状態の理想気体の体積(22.4L/mol)とから、下記式(2)に基づいて算出した。
パラジウム表面積(m2 /g_Pd)=W*M/22.4 ・・・(2)
なお、このとき用いた係数Wは、1質量%のPdを担持させたアルミナ粒子(パラジウム平均結晶子径:45.4nm、密度:12.023g/cc、表面積10.99215m2 /g)の、一酸化炭素ガスパルス吸着法におけるCO吸着量(0.07cc/g)に基づいて算出した。
また、一酸化炭素ガスパルス吸着法によるCO吸着量Mの測定では、金属分散度測定装置(商品名:BEL−METAL−3、マイクロベル・トラック株式会社性)を用い、400℃で水素雰囲気下にて還元後、ヘリウムガスによりパージし、25℃に冷却した条件にて、CO吸着が見られなくなるまで1分毎に10%COガスパルスを注入して、性能評価用サンプル試料のCO吸着量を算出した。なお、排ガス浄化用三元触媒のパラジウム表面積の測定においては、いずれも水分濃度10%の大気雰囲気下1050℃で12時間の熱処理を施したサンプル1.0gを用いた。
[BET比表面積の測定]
BET比表面積は、比表面積/細孔分布測定装置(商品名:BELSORP-mini II、マイクロトラック・ベル株式会社製)及び解析用ソフトウェア(商品名:BEL_Master、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、BET一点法により求めた。なお、排ガス浄化用三元触媒のBET比表面積の測定においては、いずれも水分濃度10%の大気雰囲気下1050℃で12時間の熱処理を施したサンプル0.1gを用いた。
(実施例1)
母材粒子として、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:23質量%、ZrO:77質量%:D50=2.7μm、BET比表面積:70m/g)を用いた。次に、硝酸パラジウム(II)溶液(PdO換算で20質量%含有)を調製し、上記La固溶ジルコニア系複合酸化物に硝酸パラジウム(II)溶液を含浸させ、600℃で30分間焼成することにより、実施例1のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)を得た。
その後、得られたパウダー触媒を炉内で静置し、水分濃度10%の大気雰囲気下1050℃で12時間の熱処理を行った後、水素ガス雰囲気下400℃で0.5時間の還元処理を行うことにより実施例1の性能評価用サンプル(排ガス浄化用三元触媒)を得た。
倍率100万倍で走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて排ガス浄化用三元触媒粉末サンプルを観察したところ、平均粒子径D50が1〜100μmの母材粒子上に、微細なPd触媒粒子が担持されていることが確認された。
(実施例2)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:30質量%、ZrO:70質量%:D50=3.1μm、BET比表面積:60m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(実施例3)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:40質量%、ZrO:60質量%:D50=2.7μm、BET比表面積:55m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(実施例4)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:50質量%、ZrO:50質量%:D50=1.8μm、BET比表面積:41m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例4のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(実施例5)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、LaNd固溶ジルコニア系複合酸化物(La:23質量%、Nd:18質量%、ZrO:59質量%:D50=2.5μm、BET比表面積:51m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例5のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(実施例6)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、LaNd固溶ジルコニア系複合酸化物(La:30質量%、Nd:9質量%、ZrO:61質量%:D50=2.5μm、BET比表面積:55m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例6のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(比較例1)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、ジルコニア系酸化物(ZrO:100質量%:D50=0.1μm、BET比表面積:25m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(比較例2)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:3質量%、ZrO:97質量%:D50=1.1μm、BET比表面積:51m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例2のパウダー触媒(排ガス浄化用三元触媒、Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(比較例3)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:8質量%、ZrO:92質量%:D50=2.6μm、BET比表面積:71m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例3の排ガス浄化用三元触媒(Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(比較例4)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:15質量%、ZrO:85質量%:D50=3.3μm、BET比表面積:67m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例4の排ガス浄化用三元触媒(Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
(比較例5)
実施例1で用いたLa固溶ジルコニア系複合酸化物に代えて、La固溶ジルコニア系複合酸化物(La:75質量%、ZrO:25質量%:D50=3.5μm、BET比表面積:27m/g)を用いること以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例5の排ガス浄化用三元触媒(Pd換算の担持量:1.0質量%)及び性能評価用サンプルを得た。
得られた実施例1〜6及び比較例1〜5の性能評価用サンプルについて、パラジウム表面積及びBET比表面積の測定をそれぞれ行った。表1に測定結果を示す。また、実施例6の排ガス浄化用三元触媒(性能評価用サンプル)のSTEM写真を、図1に示す。
表1から明らかなとおり、本発明に相当する実施例1〜6の排ガス浄化用三元触媒は、比較例1〜5の排ガス浄化用三元触媒に対して、パラジウム表面積が大きいことが確認された。また、希土類元素の固溶量が大きくなるにつれてBET比表面積が低下する傾向にあることも示された。一方、パラジウム表面積とBET比表面積との明確な相関関係は確認できなかった。このことから、排ガス浄化用三元触媒の触媒活性サイトの数は、必ずしもBET比表面積に比例するものではないことが示されるとともに、BET比表面積が比較的に小さくてもパラジウム表面積が大きく触媒性能に優れる排ガス浄化用三元触媒を実現し得ることが確認された。
[HC及びNO浄化性能のラボ測定]
次に、上記の性能評価用サンプルについて、HC及びNO浄化性能をそれぞれ評価した。ここでは、炉内で空気雰囲気下、800℃、20時間の熱処理をした性能評価用サンプルを、50mg秤量ずつしてサンプルホルダーに入れ、TPDリアクター(昇温脱離ガス分析装置、商品名:BEL Mass、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、モデルガスの定常気流中300℃で浄化性能試験を行った。
ここで用いたモデルガス組成を、表2に示す。
なお、HC浄化率及びNO浄化率は、下記式(3)及び(4)に基づいて算出した。
HC浄化率(%)=100−(HC−MASSピーク強度(測定時)/HC−MASSピーク強度(Blank))×100 ・・・(3)
NO浄化率(%)=100−(NO−MASSピーク強度(測定時)/NO−MASSピーク強度(Blank))×100 ・・・(4)
HC及びNO浄化性能の測定結果を、表3に示す。
表3から明らかなとおり、本発明に相当する実施例の排ガス浄化用三元触媒は、HC浄化率50%以上及びNO浄化率40%以上をいずれも達成しており、比較例の排ガス浄化用三元触媒に比して、触媒性能に優れることが確認された。
本発明の排ガス浄化用三元触媒及び排ガス浄化用触媒コンバータは、排ガス中のNOx、CO、HC等を削減する三元触媒として、広く且つ有効に利用することができ、ディーゼルエンジンよりも耐熱性が要求されるガソリンエンジン用途において殊に有効に利用可能である。また、本発明の排ガス浄化用三元触媒は、エンジン直下型触媒コンバータやタンデム配置の直下型触媒コンバータ等のTWCとして有効に利用することができる。

Claims (7)

  1. 構成金属元素としてLa及びZr並びに必要に応じてNdを、酸化物換算で以下の質量割合:
    ZrO2 50〜80質量%;
    La2 3 20〜50質量%;
    Nd2 3 0〜20質量%;
    La2 3とNd2 3 の合計量が20〜50質量%;
    で含むLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子と、
    前記母材粒子上に担持されたPd触媒粒子と、
    を少なくとも含有することを特徴とする、
    排ガス浄化用三元触媒。
  2. 前記Pd触媒粒子が、金属パラジウム換算で0.1〜10質量%含まれる
    請求項1に記載の排ガス浄化用三元触媒。
  3. 前記母材粒子が、1〜100μmの平均粒子径D50を有する
    請求項1又は2に記載の排ガス浄化用三元触媒。
  4. 一酸化炭素ガスパルス吸着法により算出されるパラジウム表面積が、8〜30(m2 /Pd_g)である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒。
  5. BET比表面積が、10〜50(m2 /g)である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒。
  6. 構成金属元素としてLa及びZr並びに必要に応じてNdを、酸化物換算で以下の質量割合:
    ZrO2 50〜80質量%;
    La2 3 20〜50質量%;
    Nd2 3 0〜20質量%;
    La2 3とNd2 3 の合計量が20〜50質量%;
    で含むLa固溶ジルコニア系複合酸化物の母材粒子を準備する工程、
    前記母材粒子の表面に、Pdイオンを少なくとも含有する水溶液を付与する工程、並びに
    処理後の前記母材粒子を熱処理又は化学処理して、前記母材粒子の表面にPd触媒粒子を担持させる工程、を少なくとも有することを特徴とする、
    排ガス浄化用三元触媒の製造方法。
  7. 触媒担体と、前記触媒担体上に設けられた酸素貯蔵層と、前記酸素貯蔵層上に設けられた触媒層とを少なくとも備え、
    前記触媒層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化用三元触媒を含むことを特徴とする、
    排ガス浄化用触媒コンバータ。
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