JP6985913B2 - 排ガス浄化用触媒、及びその製造方法、並びに一体構造型排ガス浄化用触媒 - Google Patents

排ガス浄化用触媒、及びその製造方法、並びに一体構造型排ガス浄化用触媒 Download PDF

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本発明は、母材粒子上にLa(1-x) Srx FeO3-δ が担持された排ガス浄化用触媒、及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒コンバータに関する。
自動車等の内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)の浄化において、プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等の白金族元素(PGM:Platinum Group Metal)を触媒活性成分として用いた三元触媒(TWC:Three-Way Catalyst)が広く用いられている。しかしながら、PGMは比較的に高価であり、また中長期的な安定供給の確保に懸念がある。そのため、PGMを必須としない新たな触媒材料の開発が検討されている。
例えば、特許文献1(特開2005−125317号公報)には、特定の細孔径及び細孔容積を有するセリア−ジルコニア固溶体を含む担体と、該担体に混合又は担持された活性種としての酸化鉄と、よりなることを特徴とする酸素貯蔵放出材が開示されている。
また、特許文献2(特開平10−216509号公報)には、Y固溶セリア−ジルコニアCe0.6 Zr0.30 0.10 1.95のセリウム系複合酸化物と、このセリウム系複合酸化物に担持されたFeとを有する、酸素吸蔵性セリウム系複合酸化物が開示されている。
一方、特許文献3(特開2010−069451号公報)には、ペロブスカイト型構造を有する酸化物焼成体からなる球状粒子であって、該粒子の平均粒子径が10〜50μmの範囲、比表面積が10m2/g〜40m2/gの範囲にあることを特徴とするペロブスカイト型酸化触媒が開示されている。
さらに、ペロブスカイト型複合酸化物に、アルカリ土類金属酸化物やアルカリ金属を併用した排ガス浄化触媒が検討されている。例えば、特許文献4(特開2010−194487号公報)には、欠陥ペロブスカイト型複合酸化物(BaY2-xScx4又はBaY2-xInx4)とアルカリ土類金属酸化物(BaO)とを含み、粉末X線回折において、実質的に上記欠陥ペロブスカイト型複合酸化物の回折パターンのみが検出される、NOx浄化触媒が開示されている。
一方、特許文献5(WO2014/038294)には、酸素吸放出能を有する所定粒子径の酸化物に、所定粒子径のLaSrFeO3複合酸化物を担持させた第1触媒と貴金属を含む第2触媒とを含有させ排気ガス浄化触媒が開示されている。
特開2005−125317号公報 特開平10−216509号公報 特開2010−069451号公報 特開2010−194487号公報 WO2014/038294
近年、内燃機関の排ガス浄化においては、世界的な排ガス規制の強化にともない、触媒の浄化性能のさらなる向上が求められている。また、エンジン始動直後の所謂コールドスタート時の浄化性能を向上させるため、或いは寒冷地での使用時の浄化性能を向上させるため、排ガス温度が高いエキゾーストマニホールド直下に触媒コンバータを配置する、直下型の触媒コンバータ等の採用が進展している。これにともない、排ガス浄化触媒には、耐熱性のさらなる向上も求められてきている。
さらに、排ガス規制や燃費向上に対応するための空燃比(A/F)制御の高度化にともない、リーン環境(酸化性雰囲気)、ストイキ環境(理論空燃比)、及びリッチ環境(還元性雰囲気)の処理雰囲気の切り替えが精密に行われるようになってきている。ここで、特許文献1の触媒系では、リッチ環境において、酸化鉄(Fe23)から鉄(Fe)が還元生成され、これが高活性な活性種として機能している。しかしながら実際は、特許文献1の触媒系は、高温環境に曝されると担体上の粒子同士がシンタリングして粒成長して、触媒活性サイト(担体上の活性種の粒子)の数が著しく減少してしまい、高温曝露後に触媒性能が大きく劣化するという問題があった。すなわち、特許文献1の酸素貯蔵放出材は、合成直後の性能(初期性能)と高温曝露後の性能(ランニング性能)との乖離が大きく、また高温曝露後の触媒活性サイトの数が少ないという点で、改善の余地が大きく、高温環境下で使用する排ガス浄化触媒として実用性に乏しかった。これらの問題は、特許文献2の触媒系においても、同様に当てはまる。
一方、ペロブスカイト型酸化触媒は、表面積が小さく、所望の活性が得られにくいという問題がある。これを解決するために、特許文献3の触媒系では、CaMnO3触媒を数十μmオーダーに造粒し、所定の比表面積を確保することで、プロピレンの酸化触媒性能を高めている。しかしながら、特許文献3の触媒系は、依然として触媒活性サイトが十分ではなく、また、これを高温環境に曝される排ガス浄化触媒として用いた場合、高温曝露後においてもその比表面積を維持することが難しく、高温環境下で使用する排ガス浄化触媒として実用性に乏しかった。さらに、特許文献4の触媒系では、アルカリ土類金属酸化物やアルカリ金属を併用することで、触媒活性、特に低温活性を向上させているものの、これらは耐熱性が不十分であり、高温環境下で使用する排ガス浄化触媒として実用性に乏しかった。
さらに、特許文献5に記載の排気ガス浄化触媒は、依然として性能が不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、優れた耐熱性を有するのみならず、高温曝露後にも優れた触媒性能を有する、排ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒等を提供することにある。
なお、ここでいう目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも、本発明の他の目的として位置づけることができる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、所定の母材粒子上に所定の複合金属酸化物が担持された排ガス浄化用触媒が、優れた耐熱性を有するのみならず高温曝露後にも優れた触媒性能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
<1>Y固溶ジルコニア系酸化物を含有し1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有する母材粒子と、前記母材粒子の表面に担持された、La(1-x) Srx FeO3-δ (但し、xは、0.25≦x≦0.80を満たす数であり、δは、酸素欠損量を示し、0≦δ≦1を満たす数である。)と、を少なくとも有する複合粒子を含有することを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
<2>前記複合粒子が、貴金属元素及び白金族元素を実質的に含有しない<1>に記載の排ガス浄化用触媒。
<3>触媒担体と、前記触媒担体の少なくとも一方の面側に設けられた触媒層と、を少なくとも備え、前記触媒層は、<1>又は<2>に記載の排ガス浄化用触媒を少なくとも含有することを特徴とする、一体構造型排ガス浄化用触媒。
<6>Y固溶ジルコニア系酸化物を含有し1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有する母材粒子の表面に、ランタンイオン、ストロンチウムイオン及び鉄イオンを少なくとも含有する水溶液を付与する工程と、並びに処理後の前記母材粒子を500℃以上1490℃以下で熱処理して、Y固溶ジルコニア系酸化物を含有する母材粒子と前記母材粒子の表面に担持されたLa(1-x) Srx FeO3-δ (但し、xは、0.25≦x≦0.80を満たす数であり、δは、酸素欠損量を示し、0≦δ≦1を満たす数である。)とを有する複合粒子を得る工程と、を少なくとも備えることを特徴とする、排ガス浄化用触媒の製造方法。
<5>前記水溶液中、Laに対するFeの含有比率(Fe/La)が、モル比で、1.2以上2.5以下である<4>に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
<6>前記水溶液中、La及びSrに対するFeの含有比率(Fe/(La+Sr))が、モル比で、0.8以上1.5以下である<4>又は<5>に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
<7>前記複合粒子が、貴金属元素及び白金族元素を実質的に含有しない<4>〜<6>のいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
本発明によれば、優れた耐熱性を有し、高温曝露後にも優れた触媒性能を有する、排ガス浄化用触媒及びその製造方法、並びに排ガス浄化用触媒等を実現することができる。本発明の排ガス浄化用触媒は、母材粒子上に微小な触媒活性点が担持された複合構造の触媒粒子であり、その組成及び構造に基づいて、排ガス中のNOx、CO、HC等を削減する三元触媒(TWC:Three-Way Catalyst)として、特に好適に用いることができる。また、本発明の排ガス浄化用触媒は、貴金属元素(PM)や白金族元素(PGM)を必須成分として用いる必要がないので、経済性も優れる。しかも、耐熱性に劣る従来のゼオライト等を用いた触媒とは異なり、本発明の排ガス浄化用触媒は、エンジン直下型触媒コンバータやタンデム配置の直下型触媒コンバータ等に搭載することができ、これにより、キャニングコストの削減などを図ることができる。
一実施形態の排ガス浄化用触媒100の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。但し、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。なお、本明細書において、例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その上限値「1」及び下限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
図1は、本発明の一実施形態の排ガス浄化用触媒100の概略構成を示す模式図である。この排ガス浄化用触媒100は、イットリウム固溶ジルコニア系酸化物(以降において、「Y固溶ジルコニア系酸化物」と称する場合がある。)を含有し1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有する母材粒子11と、この母材粒子11の表面11aに担持されたLa(1-x) Srx FeO3-δ 21(但し、xは、0.25≦x≦0.80を満たす数であり、δは、酸素欠損量を示し、0≦δ≦1を満たす数である。以降において、単に「LaSrFeO3 21」と称する場合がある。)と、を少なくとも有する複合粒子を含有することを特徴とする。なお、この排ガス浄化用触媒100は、外部環境等に応じてLaSrFeO3 から生じる誘導体31(例えばLaFeO3 やSrFeO3 、酸化鉄(FeOやFe2 3 )或いは鉄単体(Fe)等の還元生成物)を含むものであってもよい。以下、各成分について詳述する。
母材粒子11として用いるY固溶ジルコニア酸化物は、耐熱性に優れているため、高温環境下で使用する排ガス浄化触媒の母材として適している。また、Y固溶ジルコニア系酸化物は、600℃以上の高温での酸素交換速度が速く、排ガスの処理雰囲気の切り替えの応答性に優れている。そのため、Y固溶ジルコニア系酸化物を母材粒子11に用いることで、母材粒子表面酸素の活性化されやすく、結果として触媒反応が促進されて、高いNOx浄化性能が得られる。さらに、本触媒系においては、Y固溶ジルコニア系酸化物を用いることで、例えばアルミナに比して、La、Sr或いはFeの固溶が抑制されるというメリットもある。なお、本明細書において、ジルコニア系酸化物とは、総量に対して、酸化物(ZrO2 )換算でジルコニウムを50質量%以上含有するものを意味する。ここで、Y固溶ジルコニア系酸化物は、鉱石中に通常1〜2質量%程度含まれているハフニウム(Hf)を不可避不純物として含有していても構わない。また、ハフニウムを除く不可避不純物の総量は、0.3質量%以下であることが好ましい。例えば、セリウムやジルコニウムの一部が、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素等で置換されていてもよい。また、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)及び銅(Cu)等の遷移金属元素を含有していてもよい。
また、Y固溶ジルコニア系酸化物は、Y以外の希土類元素(以降において、「他の希土類元素」と称する場合がある。)がさらに固溶したものであってもよい。他の希土類元素がさらに固溶したY固溶ジルコニア系酸化物は、格子酸素欠損(δ)の調整が容易であり、これを用いることで、例えば排ガス浄化性能や耐熱性を向上させたり、担持されるLa(1-x) Srx FeO3-δ 21の分散性を向上させたりすることができる。ここで、他の希土類元素としては、セリウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウムが挙げられる。これらの中でも、結晶構造の安定性や耐熱性等の観点から、セリウム(Ce)、ランタン(La)、及びプラセオジム(Pr)が好ましい。なお、これらの他の希土類金属は、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。また、他の希土類元素が含まれる場合、その含有割合は、特に限定されないが、Y固溶ジルコニア系酸化物の総量に対して、上記列挙した希土類元素の酸化物換算の総量(例えばLa23やCeO2等の総和)で、0.01質量%以上40質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
Y固溶ジルコニア系酸化物の好ましい例としては、Y−Zr−Ox、Y−Nd−Zr−Ox、Y−La−Zr−Ox、Y−Pr−Zr−Ox、Y−Nd−La−Zr−Ox、Y−Nd−Pr−Zr−Ox、Y−La−Pr−Zr−Ox、Y−Zr−Ce−Ox、Y−Nd−Zr−Ce−Ox、Y−La−Zr−Ce−Ox、Y−Pr−Zr−Ce−Ox、Y−Nd−La−Zr−Ce−Ox、Y−Nd−Pr−Zr−Ce−Ox、Y−La−Pr−Zr−Ce−Ox等のY固溶ジルコニアが挙げられるが、これらに特に限定されない。Y固溶ジルコニア系酸化物は、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、これらの例示においては、それぞれの酸化物に含まれる構成元素の組み合わせに着目して表示したものであり、各構成元素の化学量論比を表示するものではない。すなわち、各構成元素の化学量論比は、任意に調整可能である。
ここで、大きな比表面積を保持させて、LaSrFeO3 21の担持量を増大させるとともに、耐熱性を高めて自身の触媒活性サイトの数を増大させる等の観点から、母材粒子11は1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有することが好ましく、より好ましくは1μm以上15μm以下であり、さらに好ましくは1μm以上10μm以下である。なお、本明細書において、平均粒子径D50は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、レーザー回 折式粒度分布測定装置SALD−7100等)で測定されるメディアン径を意味する
母材粒子11は、各種グレードの市販品を用いることができる。また、上述した各種組成のY固溶ジルコニア系酸化物からなる母材粒子11は、当業界で公知の方法で製造することもできる。Y固溶ジルコニア系酸化物の製造方法は、特に限定されないが、共沈法やアルコキシド法が好ましい。
共沈法としては、例えば、ジルコニウム塩、イットリウム塩、及び必要に応じて配合する希土類金属元素を所定の化学量論比で混合した水溶液に、アルカリ物質を添加して加水分解させ或いは前駆体を共沈させ、その加水分解生成物或いは共沈物を焼成する製法が好ましい。ここで用いる各種塩の種類は、特に限定されない。一般的には、塩酸塩、オキシ塩酸塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等が好ましい。また、アルカリ性物質の種類も、特に限定されない。一般的には、アンモニア水溶液が好ましい。アルコキシド法としては、例えば、ジルコニウムアルコキシド、イットリウム、及び必要に応じて配合する希土類金属元素を所定の化学量論比で混合した混合物を加水分解し、その後に焼成する製法が好ましい。ここで用いるアルコキシドの種類は、特に限定されない。一般的には、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシドや、これらのエチレンオキサイド付加物等が好ましい。また、希土類金属元素は、金属アルコキシドとして配合しても、上述した各種塩として配合してもよい。
焼成条件は、常法にしたがえばよく、特に限定されない。焼成雰囲気は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、大気雰囲気のいずれの雰囲気でもよい。焼成温度及び処理時間は、所望するY固溶ジルコニア系酸化物の組成及びその化学量論比によって変動するが、生産性等の観点からは、一般的には、150℃以上1300℃以下で1〜12時間が好ましく、より好ましくは350℃以上800℃以下で2〜4時間である。なお、高温焼成に先立って、真空乾燥機等を用いて減圧乾燥を行い、50℃以上200℃以下で約1〜48時間程度の乾燥処理を行うことが好ましい。
本実施形態の排ガス浄化用触媒100においては、上述した母材粒子11の表面11aに、LaSrFeO3 21が担持されているという複合粒子の構造を有する点に、1つの特徴を有する。典型的には、排気ガス浄化用触媒100は、LaSrFeO3 21の微粒子が、外部環境によってはさらに上述した誘導体31(例えばLaFeO3 やSrFeO3 、酸化鉄或いは鉄単体等の還元生成物)の微粒子が、母材粒子11の表面11aにそれぞれ高分散に付着した複合構造を有する。このような複合粒子構造を採用することにより、この排ガス浄化用触媒100においては、高温曝露後の触媒性能の劣化が大幅に抑制されている。その理由は定かではないが、LaSrFeO3 21は、母材粒子11の表面11aにおいて、外部環境に応じて誘導体(例えば、LaFeO3 やSrFeO3 、酸化鉄や鉄(Fe単体)等)の微粒子を生じさせ、これらの微粒子がLaSrFeO3 21の微粒子間に分散される。そのため、これらの微粒子の存在によって、LaSrFeO3 21同士の接触機会が減じさせられ、これにより、高温曝露によるLaSrFeO3 21のシンタリング及び粒成長が阻害されているためと推察される。
なお、母材粒子11上のLaSrFeO3 21の存在は、走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)による観察、粉末X線回折(XRD:X‐ray Diffraction、例えば2θ=32.2°近辺のLaSrFeO3 の(110)ピークや2θ=32.1°近辺のLaSrFeO3 の(110)ピーク等)、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)、X線光電分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy、又はESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)等の各種測定方法により把握することができる。
また、LaSrFeO3 (さらにはLaFeO3 やSrFeO3 )は、ペロブスカイト型の結晶構造をとり得る酸化物である。このLaSrFeO3 21による排ガス浄化の触媒作用は、リーン環境〜ストイキ環境〜リッチ環境の全域にわたって触媒活性を呈する。その理由は定かではないが、LaSrFeO3 21は、そのものの自身が触媒活性成分として機能するのみならず、外部環境に応じて生じる上述した種々の誘導体も触媒活性成分として機能すること、並びに、還元状態では高活性な活性種であるFe(単体)が存在し、それ故にストイキ環境〜リッチ環境において特に強い触媒活性を呈することによるものと推察される。これらが相まった結果、本実施形態の排ガス浄化用触媒100は、リーン環境〜ストイキ環境〜リッチ環境の全域にわたって排ガス浄化の触媒作用が補強され、その結果、貴金属元素(PM)や白金族元素(PGM)を必須成分として用いていないにも関わらず、優れた排ガス浄化性能が呈される。
ここで、触媒活性をより高めるとともにシンタリング及び粒成長を阻害する観点から、LaSrFeO3 21は、1nm以上80nm以下の平均結晶子径を有することが好ましく、より好ましくは10nm以上70nm以下、さらに好ましくは20nm以上65nm以下である。LaSrFeO3 21の平均結晶子は、例えば耐久処理後の排ガス浄化用触媒100のXRD回折パターンから算出することができる。このような微粒子サイズのLaSrFeO3 21を母材粒子11の表面11aに存在させることで、表面積がより高く維持され易く、また、触媒活性サイトがより多く維持され易い傾向にある。
なお、結晶子とは、一般に単結晶とみなせる最大の集まりのことをいい、その結晶子の大きさのことを結晶子径という。また、本明細書において、平均結晶子径は、X線回折装置を用いて回折パターンを測定し、その測定結果に基づいて下記式(2)で表されるScherrerの式より算出した値を意味する。
結晶子径 D(Å)=K・λ/(β・cosθ) ・・・(2)
式(2)中、KはScherrer定数であり、ここではK=0.9とする。また、λは使用したX線管球の波長、βは半値幅、θは回折角(rad)である。
ここで、本実施形態の排ガス浄化用触媒100において、La(1-x) Srx FeO3 中に表わされるxは、Sr及びLnの相対的な含有割合を示す。このxは、特に限定されないが、耐熱性及び高温曝露後の触媒性能に優れる高性能な触媒を得る観点から、0.25以上0.80以下が好ましく、より好ましくは0.30以上0.75以下、さらに好ましくは0.35以上0.70以下である。
また、排ガス浄化用触媒100中のLaSrFeO3 21の含有量は、特に限定されないが、リーン環境〜ストイキ環境〜リッチ環境の全域にわたる触媒性能を向上させる等の観点から、排ガス浄化用触媒100の総量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下である。
なお、本実施形態の排ガス浄化用触媒100においては、上述したLaSrFeO3 21、さらにはその誘導体であるLaFeO3 やSrFeO3 、酸化鉄(Fe23、Fe34、FeO)や鉄(Fe単体)以外に、上述したLa、Sr及びFe以外の希土類元素或いは遷移金属元素(以降において、「他の希土類元素」或いは「他の遷移金属元素」」と称する場合がある。)の酸化物等が母材粒子11上に存在していてもよい。他の希土類元素としては、セリウム、スカンジウム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウム等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、他の遷移金属元素としては、クロム、コバルト、ニッケル、チタン、マンガン、タングステン及び銅等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
一方、本実施形態の排ガス浄化用触媒100が酸化鉄を含む場合、酸化鉄の含有量は、特に限定されないが、触媒性能及び低温活性を向上させる等の観点から、排ガス浄化用触媒100の総量に対して、Fe23、Fe34及びFeOの3種の合計のFe23換算で、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上6質量%以下である。
本実施形態の排ガス浄化用触媒100は、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)等の貴金属元素(PM)や白金族元素(PGM)を必須成分として用いなくとも、優れた耐熱性を有し、高温曝露後にも優れた触媒性能を有する。したがって、経済性及び安定供給等の観点からは、一つの好適態様として、貴金属元素(PM)及び白金族元素(PGM)を実質的に含有しない排ガス浄化用触媒100が挙げられる。ここで、実質的に含有しないとは、貴金属元素(PM)及び白金族元素(PGM)の総量が、排ガス浄化用触媒100の全量に対して、0質量%以上1.0質量%未満の範囲内にあることを意味し、より好ましくは0質量%以上0.5質量%未満、さらに好ましくは0質量%以上0.3質量%未満である。
なお、排ガス浄化用触媒100の形状は、特に限定されない。母材粒子11上にLaSrFeO3 21が担持された触媒粒子の集合体である触媒粉末のまま用いることができる。また、例えば、この触媒粉末を任意の形状に成形して、粒状やペレット状の成形触媒とすることができる。さらに、この排ガス浄化用触媒100を触媒担体に保持(担持)させて、一体構造型排ガス浄化用触媒として使用することもできる。ここで用いる触媒担体としては、当業界で公知のものを適宜選択することができる。代表的には、コージェライト、シリコンカーバイド、窒化珪素等のセラミックモノリス担体、ステンレス製等のメタルハニカム担体、ステンレス製等のワイヤメッシュ担体、スチールウール状のニットワイヤ担体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、また、その形状も、特に限定されず、例えば角柱状、円筒状、球状、ハニカム状、シート状等の任意の形状のものが選択可能である。これらは、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上述した排ガス浄化用触媒100は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ジェットエンジン、ボイラー、ガスタービン等の排ガスを浄化するための触媒として用いることができ、例えば内燃機関の排ガス浄化用触媒、とりわけ自動車の排ガス浄化用触媒として有用である。
本実施形態の排ガス浄化用触媒100の製造方法は、上述したとおり母材粒子11上にLaSrFeO3 21が担持された構成のものが得られる限り、特に限定されない。上述した構成の排ガス浄化用触媒100を再現性よく簡易且つ低コストで製造する観点からは、蒸発乾固法(含浸法)等が好ましい。
蒸発乾固法としては、上述した母材粒子11に、ランタンイオン、ストロンチウムイオン及び鉄イオンを少なくとも含有する水溶液を含浸させ、その後に焼成する製法が好ましい。この含浸処理により、ランタンイオン、ストロンチウムイオン及び鉄イオンが、母材粒子11の表面11aにそれぞれ高分散状態で吸着(付着)される。ここで、ランタンイオン、ストロンチウムイオン及び鉄イオンは、各種塩として水溶液に配合することができる。ここで用いる各種塩の種類は、特に限定されない。一般的には、硫酸塩、塩酸塩、オキシ塩酸塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、塩化物、酸化物、複合酸化物、錯塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩等が好ましい。
含浸処理後、必要に応じて、固液分離処理、水洗処理、例えば大気中50℃以上200℃以下程度の温度で水分を除去する乾燥処理等を常法にしたがって行うことができる。乾燥処理は、自然乾燥でもよいし、ドラム式乾燥機、減圧乾燥機、スプレードライ等の乾燥装置を使用してもよい。また、乾燥処理の際の雰囲気は、大気中、真空中、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。なお、乾燥の前後に、さらに必要に応じて粉砕処理や分級処理等を行ってもよい。
焼成条件は、常法にしたがえばよく、特に限定されない。加熱手段は、特に限定されず、例えば電気炉やガス炉等の公知の機器を用いることができる。焼成雰囲気は、酸化性雰囲気、大気雰囲気が好ましい。焼成温度及び処理時間は、所望する組成及びその化学量論比によって変動するが、LaSrFeO3 21の生成及び生産性等の観点からは、一般的には、500℃以上1490℃以下で0.1〜12時間が好ましく、より好ましくは550℃以上800℃以下で0.5〜6時間である。なお、高温焼成に先立って、真空乾燥機等を用いて減圧乾燥を行い、50℃以上200℃以下で約1〜48時間程度の乾燥処理を行ってもよい。この焼成処理により、ナノオーダーサイズに高分散したLaSrFeO3 21が、また処理条件によってはさらにLaFeO3 、各種の酸化鉄や鉄単体の微粒子等が、母材粒子11の表面11a上に生成(合成)される。
前記水溶液中のLa及びFeの含有比率(Fe/La)は、適宜調整でき、特に限定されないが、得られる排ガス浄化用触媒100の触媒活性をより高めるとともにシンタリング及び粒成長を阻害して高温曝露後の触媒性能の劣化を抑制する観点から、前記水溶液中のLaに対するFeの含有比率(Fe/La)は、La及びFeのモル比換算で、1.2以上が好ましく、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.4以上である。なお、Fe/Laの上限は、特に限定されないが、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下、さらに好ましくは2.1以下である。
同様に、前記水溶液中のLa及びSrに対するFeの含有比率(Fe/(La+Sr))は、適宜調整でき、特に限定されないが、得られる排ガス浄化用触媒100の触媒活性をより高めるとともにシンタリング及び粒成長を阻害して高温曝露後の触媒性能の劣化を抑制する観点から、La、Sr及びFeのモル比換算で0.8以上1.5以下が好ましく、より好ましくは0.9以上1.4以下、さらに好ましくは0.95以上1.3以下である。
なお、前記水溶液は、必要に応じて、セリウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及びルテチウム等の希土類元素、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属元素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属元素、コバルト、ニッケル、チタン、銅等の遷移金属元素を含有していてもよい。なお、これらは、1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び遷移金属元素は、無機酸塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物、複合酸化物、及び錯塩等として水溶液に供給することができる。
かくして得られる排ガス浄化用触媒100は、触媒粒子の集合体である粉末のまま使用することができ、また、当業界で公知の触媒や助触媒や触媒担体、当業界で公知の添加剤と混合して使用することができる。さらに、排ガス浄化用触媒100は、これを含む組成物を予め調製し、これを任意の所定形状に成形して、粒状やペレット状の成形体(成形触媒)として使用することもできる。なお、成形体の作製時には、各種公知の分散装置、混練装置、成形装置を用いることができる。ここで成形体として用いる場合、成形体中の排ガス浄化用触媒100の含有量は、特に限定されないが、総量に対して10質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましく20質量%以上99質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上99質量%以下である。
併用可能な公知の触媒や助触媒や触媒担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、セリア−ジルコニア、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化プラセオジム等の金属酸化物乃至は金属複合酸化物;希土類元素及び/又は遷移元素がドープされたジルコニアやセリア−ジルコニア等の複合酸化物;ペロブスカイト型酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−ボリア等のアルミナを含む複合酸化物;バリウム化合物、ゼオライト等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、併用する触媒や助触媒や触媒担体の使用割合は、要求性能などに応じて適宜設定でき、特に限定されないが、総量に対して合計で0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、合計で0.05質量%以上10質量%以下がより好ましく、合計で0.1質量%以上8質量%以下がさらに好ましい。
また、併用可能な添加剤としては、各種バインダー、非イオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤等の分散安定化剤、pH調整剤、粘度調整剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。バインダーとしては、アルミナゾル、チタニアゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル等の種々のゾルが挙げられるが、これらに特に限定されない。また、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸チタン、酢酸チタン、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム等の可溶性の塩もバインダーとして使用することができる。その他、酢酸、硝酸、塩酸、硫酸等の酸も、バインダーとして使用することができる。なお、バインダーの使用量は、特に限定されず、成形体の維持に必要な程度の量であれば構わない。なお、上述した添加剤の使用割合は、要求性能などに応じて適宜設定でき、特に限定されないが、総量に対して合計で0.01〜20質量%が好ましく、合計で0.05〜10質量%がより好ましく、合計で0.1〜8質量%がさらに好ましい。
上記のようにして得られる排ガス浄化用触媒100に、必要に応じて、貴金属元素や白金族元素をさらに担持させてもよい。貴金属元素や白金族元素の担持方法は、公知の手法を適用でき、特に限定されない。例えば、貴金属元素や白金族元素を含む塩の溶液を調製し、排ガス浄化用触媒100にこの含塩溶液を含浸させ、その後に焼成することにより、貴金属元素や白金族元素の担持を行うことができる。含塩溶液としては、特に限定されないが、硝酸塩水溶液、ジニトロジアンミン硝酸塩溶液、塩化物水溶液等が好ましい。また、焼成処理も、特に限定されないが、350℃以上1000℃以下で約1〜12時間が好ましい。なお、高温焼成に先立って、真空乾燥機等を用いて減圧乾燥を行い、50℃以上200℃以下で約1〜48時間程度の乾燥処理を行うことが好ましい。
上述した一体型構造型触媒は、触媒担体とこの触媒担体の少なくとも一方の面側に設けられた触媒層とを少なくとも備える積層構造の触媒部材(積層触媒部材)である。このような構成を採用することで、装置への組み込みが容易となる等、種々の用途への適用可能性が増大する。例えば排ガス浄化用途においては、触媒担体としてハニカム構造担体等を用い、ガス流が通過する流路内にこの一体型構造型触媒を設置し、ハニカム構造担体のセル内にガス流を通過させることで、高効率に排ガス浄化を行うことができる。
ここで、本明細書において、「触媒担体の少なくとも一方の面側に設けられた」とは、触媒担体の一方の面と触媒層との間に任意の他の層(例えばプライマー層、接着層等)が介在した態様を包含する意味である。すなわち、本明細書において、「一方の面側に設ける」とは、触媒担体と触媒層とが直接載置された態様、触媒担体と触媒層とが任意の他の層を介して離間して配置された態様の双方を含む意味で用いている。また、触媒層は、触媒担体の一面のみに設けられていても、複数の面(例えば、一方の主面及び他方の主面等)に設けられていてもよいことを意味する。
上述した層構成を有する一体型構造型触媒は、常法にしたがい製造することができる。例えば、上述した排ガス浄化用触媒を触媒担体の表面に被覆(担持)させることで得ることができる。具体的には、上述した排ガス浄化用触媒と水系媒体と必要に応じて当業界で公知のバインダー、他の触媒、助触媒、OSC材、母材粒子、添加剤等とを所望の配合割合で混合してスラリー状混合物を調製し、得られたスラリー状混合物をハニカム構造担体等の触媒担体の表面に付与し、乾燥、焼成する方法が好ましく用いられる。このとき、上述した排ガス浄化用触媒を強固に支持体に付着させ或いは結合させるために、上述したバインダー等を用いることが好ましい。
スラリー状混合物の調製時に用いる水系媒体は、スラリー中で排ガス浄化用触媒が均一に分散できる量を用いればよい。このとき、必要に応じてpH調整のための酸や塩基を配合したり、粘性の調整やスラリー分散性向上のための界面活性剤や分散用樹脂等を配合したりすることができる。スラリーの混合方法としては、ボールミル等による粉砕混合等、公知の粉砕方法又は混合方法を適用することができる。触媒担体上にスラリー状混合物を付与する際には、常法にしたがって、各種公知のコーティング法、ウォッシュコート法、ゾーンコート法を適用することができる。
触媒担体上にスラリー状混合物を付与した後においては、常法にしたがい乾燥や焼成を行うことにより、本実施形態の一体型構造型触媒を得ることができる。なお、乾燥温度は、特に限定されないが、例えば70〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。また、焼成温度は、特に限定されないが、例えば300〜650℃が好ましく、400〜600℃がより好ましい。このとき用いる加熱手段については、例えば電気炉やガス炉等の公知の加熱手段によって行うことができる。
なお、上述した一体型構造型触媒において、触媒層の層構成は、単層、複層のいずれでもよいが、自動車排ガス用途の場合には、排気ガス規制の強化の趨勢等を考慮し触媒性能を高める観点からは、二層以上の積層構造が好ましい。このとき、上述した排ガス浄化用触媒の総被覆量は、特に限定されないが、触媒性能や圧損のバランス等の観点から、20〜350g/Lが好ましく、50〜300g/Lがより好ましい。
自動車排ガス用途において、上述した排ガス浄化用触媒や一体型構造型触媒は、各種エンジンの排気系に配置することができる。その設置個数及び設置箇所は、排ガス規制に応じて適宜設計できる。例えば、排ガスの規制が厳しい場合には、設置箇所を2以上とし、設置箇所は排気系の直下触媒の後方の床下位置に配置することができる。
以下に試験例、実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらによりなんら限定されるものではない。すなわち、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更することができる。また、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における好ましい上限値又は好ましい下限値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
(実施例1)
母材粒子として、Y固溶ジルコニア系酸化物(Y−ZrO2 と記載,Y2 3 :35質量%、ZrO2 :65質量%、D50=6.4μm、BET比表面積:72m2 /g)を用いた。なお、本明細書において、BET比表面積は、比表面積/細孔分布測定装置(商品名:BELSORP-mini II、マイクロトラック・ベル株式会社製)及び解析用ソフトウェア(商品名:BEL_Master、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用い、BET一点法により求めた値を意味する。
次に、硝酸ランタン六水和物、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄九水和物を水に溶解して、それぞれの酸化物(La2 3、SrO、Fe2 3 )のモル比換算で、0.031molのLa、0.031molのSr、及び0.047molのFeを含有する水溶液1を調製した。
上記母材粒子にこの水溶液1を含浸させ、600℃で30min焼成することにより、実施例1のパウダー触媒(x=0.33のLa(1-x) Srx FeO3-δ が14.07質量%担持されたY−ZrO2 パウダー触媒、La2 3 換算のLa含有量:6.80質量%、SrO換算のSr含有量:2.13質量%、Fe2 3 換算のFe含有量:5.00質量%)を得た。
得られた実施例1のパウダー触媒を水に分散させ、ポットミルでミリングを行い、D50=4.1μmとなるまで粉砕して、触媒スラリーを得た。この触媒スラリーを、ウォッシュコート法により600cpsi,3.5milのコージェライトハニカム担体上にコーティングした後に乾燥させて触媒層を設けることで、ハニカム担体の容積1Lあたり150gの触媒が担持された、実施例1のハニカム触媒(排ガス浄化用触媒、一体型構造型触媒)を得た。
その後、得られたハニカム触媒を耐久炉内で高温曝露処理(耐久処理)を行った。なお、高温曝露処理としては、外部雰囲気をA/F=12.8、及び酸素雰囲気に順次切り替えを繰り返しながら、980℃で6時間の熱処理を行った。
(実施例2)
硝酸ランタン六水和物、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄九水和物を水に溶解して、それぞれの酸化物(La2 3、SrO、Fe2 3 )のモル比換算で、0.024molのLa、0.046molのSr、及び0.047molのFeを含有する水溶液2を調製した。
水溶液1に代えて、この水溶液2を用いる以外は、実施例1と同様に行い、実施例2のパウダー触媒及び排ガス浄化用触媒(x=0.49のLa(1-x) Srx FeO3-δ が13.56質量%担持されたY−ZrO2 パウダー触媒、La2 3 換算のLa含有量:5.13質量%、SrO換算のSr含有量:3.20質量%、Fe2 3 換算のFe含有量:5.00質量%)を得た。
(参考例1)
硝酸ランタン六水和物、硝酸鉄九水和物を水に溶解して、それぞれの酸化物(La2 3、Fe2 3 )のモル比換算で、0.033molのLa、及び0.047molのFeを含有する水溶液3を調製した。
水溶液1に代えて、この水溶液3を用いる以外は、実施例1と同様に行い、参考例1のパウダー触媒及び排ガス浄化用触媒(x=0.00のLa(1-x) Srx FeO3-δ が10.63質量%担持されたY−ZrO2 パウダー触媒、La2 3 換算のLa含有量:7.13質量%、Fe2 3 換算のFe含有量:5.00質量%)を得た。
(比較例1)
硝酸ランタン六水和物、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄九水和物を水に溶解して、それぞれの酸化物(La2 3、SrO、Fe2 3 )のモル比換算で、0.039molのLa、0.016molのSr、及び0.047molのFeを含有する水溶液4を調製した。
水溶液1に代えて、この水溶液4を用いる以外は、実施例1と同様に行い、比較例1のパウダー触媒及び排ガス浄化用触媒(x=0.17のLa(1-x) Srx FeO3-δ が14.71質量%担持されたY−ZrO2 パウダー触媒、La2 3 換算のLa含有量:8.53質量%、SrO換算のSr含有量:1.08質量%、Fe2 3 換算のFe含有量:5.00質量%)を得た。
<粉末X線回折測定>
X線回折装置(商品名:X’Pert PRO MPD,ヤマト科学株式会社製)を用いて、実施例1、参考例1、及び比較例1の耐久処理後のハニカム触媒の触媒層から約0.1mgのサンプルをそれぞれ採取し、下記条件で粉末X線回折測定を行ったところ、実施例1では、2θ=32.0°付近にLaSrFeO3 結晶の固有ピーク(131)が確認された。一方、参考例1及び比較例1では、2θ=32.0°付近のLaSrFeO3 結晶の固有ピーク(131)は認められず、2θ=32.3°付近のLaFeO3 結晶の固有ピーク(002)が確認された。
ターゲット:Cu
K−Alpha1[A]:1.5406
X線出力設定:40mA,45kV
<平均結晶子径の測定>
さらに、上記式(2)の基づきLa(1-x) Srx FeO3-δ 粒子の平均結晶子径を算出したところ、実施例1の排ガス浄化用触媒のLa(1-x) Srx FeO3 粒子の平均結晶子径は29.1nmであった。一方、参考例1の排ガス浄化用触媒のLaFeO3 粒子の平均結晶子径は63.1nmであった。なお、シェラー法による計算は、上述した2θ=32.0°付近の強いピーク(131)及び2θ=32.3°付近の強いピーク(002)に基づいて、市販のソフトウェア(スペクトリス社製、PANalytical X'Pert High Score Plus 3.0)を用いて行った。
<排ガス浄化率の測定(HC、CO、NOx)>
得られた実施例1〜2、参考例1及び比較例1のパウダー触媒を、ウォッシュコート法によりハニカム担体上にそれぞれ塗布し乾燥させて触媒層を設けた後、耐久炉内で高温曝露処理(耐久処理)を行い、排ガス浄化用触媒サンプル(一体型構造型触媒)をそれぞれ作製した。なお、高温曝露処理としては、外部雰囲気をA/F=12.8、及び酸素雰囲気に順次切り替えを繰り返しながら、980℃で6時間の熱処理を行った。
〔作製条件〕
ハニカム担体:コーニングインターナショナル社製、φ1 inch x 50 mmL (25 cc), 600 cpsi/3.5mil
触媒担持量 :150 g/L
その後、電気炉から取り出したコアサンプルをモデルガス反応装置にセットした。排ガス浄化率は、下記組成のモデルガスを用いて、触媒出口側のガスを分析し、「浄化率(%)=100*(INLETガス濃度−触媒OUTガス濃度)÷ INLETガス濃度」の計算式に基づいて算出した。
[モデルガス評価条件]
モデルガス装置: SIGU4012 HORIBA社製
分析計 : MEXA-7100 HORIBA社製
触媒入り口温度: 600℃
ガス組成 : CO2=14.00%, O2=0.49%, NO=0.05%, CO=0.50%,
H2=0.17%, iso-C5H12=0.01%, C3H6=0.02%,
H2O=10.00%, N2 balance
A/Fパータベーション = ±14.7±0.6, 1Hz(Rich=CO, Lean=O2で調整)
表1に、排ガス浄化率の測定結果を示す。本発明に相当する実施例1及び2の一体型構造型触媒は、CO浄化率、HC浄化率、及びNOx浄化率のいずれにおいても、参考例1及び比較例1の一体型構造型触媒に比して有意に性能向上していることが確認された。
Figure 0006985913
本発明は、排ガス中のNOx、CO、HC等を削減する触媒として広く且つ有効に利用することができ、特に耐熱性が要求されるエンジン直下型触媒コンバータやタンデム配置の直下型触媒コンバータ等の三元触媒(TWC: Three-Way Catalyst)として殊に有効に利用することができる。
11 ・・・母材粒子
11a・・・表面
21 ・・・LaSrFeO3
31 ・・・誘導体
100 ・・・排ガス浄化用触媒

Claims (7)

  1. Y固溶ジルコニア系酸化物を含有し1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有する母材粒子と、
    前記母材粒子の表面に担持された、La(1-x) Srx FeO3-δ (但し、xは、0.25≦x≦0.80を満たす数であり、δは、酸素欠損量を示し、0≦δ≦1を満たす数である。)と、
    を少なくとも有する複合粒子を含有することを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記複合粒子が、貴金属元素及び白金族元素を実質的に含有しない
    請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 触媒担体と、
    前記触媒担体の少なくとも一方の面側に設けられた触媒層と、を少なくとも備え、
    前記触媒層は、請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒を少なくとも含有することを特徴とする、
    一体構造型排ガス浄化用触媒。
  4. Y固溶ジルコニア系酸化物を含有し1μm以上30μm以下の平均粒子径D50を有する母材粒子の表面に、ランタンイオン、ストロンチウムイオン及び鉄イオンを少なくとも含有する水溶液を付与する工程と、並びに
    処理後の前記母材粒子を500℃以上1490℃以下で熱処理して、Y固溶ジルコニア系酸化物を含有する母材粒子と前記母材粒子の表面に担持されたLa(1-x) Srx FeO3-δ (但し、xは、0.25≦x≦0.80を満たす数であり、δは、酸素欠損量を示し、0≦δ≦1を満たす数である。)とを有する複合粒子を得る工程と、
    を少なくとも備えることを特徴とする、
    排ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 前記水溶液中、Laに対するFeの含有比率(Fe/La)が、モル比で、1.2以上2.5以下である
    請求項4に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記水溶液中、La及びSrに対するFeの含有比率(Fe/(La+Sr))が、モル比で、0.8以上1.5以下である
    請求項4又は5に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  7. 前記複合粒子が、貴金属元素及び白金族元素を実質的に含有しない
    請求項4〜6のいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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