JP2022024958A - 触媒及び排ガス浄化装置 - Google Patents

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【課題】本開示は、高いシンタリング抑制効果を有する触媒を提供する。【解決手段】本開示の触媒は、Pd及びRhを含有している複数の触媒金属粒子を含有している触媒であって、前記複合化率が、60%以上であり、ここで、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の前記触媒金属粒子を30個以上無作為に選択し、選択された前記触媒金属粒子に対してそれぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算し、かつ選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する前記触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子としたときに、選択された前記触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合を、複合化率とする。【選択図】図1

Description

本開示は、触媒及び排ガス浄化装置に関する。
Pdのような触媒貴金属粒子を含有する触媒は、多くの用途で用いられており、特に排ガス浄化の用途で用いられている。
自動車等の内燃機関、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスは、有害成分、例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び窒素酸化物(NO)等を含む。このため、一般的には、これらの有害成分を分解除去するための排ガス浄化装置が内燃機関に設けられており、当該排ガス浄化装置内に取り付けられた排ガス浄化触媒によって、これらの有害成分が、実質的に無害化されている。
従来、このような排ガス浄化触媒の例としては、金属酸化物担体粒子に白金族元素の微粒子、例えば、パラジウム(Pd)の微粒子等を担持させた触媒が、知られている。
しかしながら、この様な触媒では、高温の排気ガスに曝されたPd微粒子がシンタリングを生じ、これによってその触媒活性が低下する可能性がある。なお、「シンタリング」とは、微粒子が、その微粒子の融点以下の温度で粒成長する現象を意味している。
特許文献1は、Pd微粒子のシンタリングを抑制するために、Pdとロジウム(Rh)とを含有する複合金属微粒子を有する排ガス浄化触媒を開示している。
また、特許文献2は、Rh及びPdを含有している複合金属微粒子を有する排ガス浄化用触媒及びその製造方法を開示している。同文献では、排ガス浄化用触媒の製造に、超撹拌リアクターを用いている。また、同文献において、Rh及びPdを含有している複合金属微粒子は、RhとPdの合計に対するPdの原子百分率の平均が、2原子%~5原子%であり、RhとPdの合計に対するPdの原子百分率のばらつきに関する標準偏差が、5未満である。
特開2017-192935号公報 特開2019-111511号公報
本発明者らは、特許文献1が開示する触媒よりも更にシンタリングを抑制することができる触媒を見出した。
即ち、本開示は、高いシンタリング抑制効果を有する触媒を提供することを目的とする。
本開示者は、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
《態様1》
Pd及びRhを含有している複数の触媒金属粒子を含有している触媒であって、
複合化率が、60%以上であり、
ここで、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の前記触媒金属粒子を30個以上無作為に選択し、選択された前記触媒金属粒子に対してそれぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算し、かつ選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する前記触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子としたときに、選択された前記触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合を、前記複合化率とする、
触媒。
《態様2》
前記触媒金属粒子における、Pd及びRhの原子総数に対するRhの原子総数の割合が、0.5原子%~15原子%である、態様1に記載の触媒。
《態様3》
複数の前記触媒金属粒子の平均一次粒子径が、1nm~200nmである、態様1又は2に記載の触媒。
《態様4》
組成比がCO:2%、HO:10%、及びN:バランスである、リッチ雰囲気ガス、並びに組成比がO:5%、HO:10%、及びN:バランスである、リーン雰囲気ガスを、5分毎に交互に切り替えつつ、1000℃で5時間行う熱耐久処理後における前記複合化率が、60%以上である、態様1~3のいずれか一つに記載の触媒。
《態様5》
複数の前記触媒金属粒子が、担体粒子に担持されている、態様1~4のいずれか一つに記載の触媒。
《態様6》
前記担体粒子が、SiO、MgO、ZrO、Ce、Al、又はTiOから選択される酸化物、又はこれらの複合酸化物である、態様5に記載の触媒。
《態様7》
排ガス浄化用触媒である、態様1~6のいずれか一つに記載の触媒。
《態様8》
基材、及び前記基材上に担持されている、態様7に記載の触媒を有しており、
前記基材は、排ガス流れ上流端及び排ガス流れ下流端を有しており、
前記触媒は、前記排ガス流れ上流端から、前記排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内に、又は前記排ガス流れ上流端から、前記基材の前記排ガス流れ上流端と前記排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内に担持されている、排ガス浄化装置。
《態様9》
前記触媒が、前記基材上に形成されている最表層に含有されている、態様8に記載の排ガス浄化装置。
《態様10》
前記最表層と前記基材との間に下側層を有している、態様9に記載の排ガス浄化装置。
《態様11》
前記基材が、ハニカム基材であり、前記触媒が、前記ハニカム基材の流路内に担持されている、態様8~10のいずれか一つに記載の排ガス浄化装置。
本開示によれば、高いシンタリング抑制効果を有する触媒を提供することができる。
図1は、実施例1及び比較例1の触媒の複合化率を比較したグラフである。 図2は、PdーRh系の2元状態図である。 図3は、実施例1及び比較例1の触媒の熱耐久試験前後における複合化率を比較したグラフである。 図4は、実施例1~4、比較例1~4、並びに参考例1及び2の触媒の耐久試験後における粒子径を比較したグラフである。 図5は、本開示の第1の実施形態に従う排ガス浄化装置1の一部分を示す模式図である。 図6は、実施例5、比較例5及び6、並びに参考例3の排ガス浄化装置について、HC成分を50%浄化できる状態になるまでの時間(THC50%浄化到達時間)を示すグラフである。 図7は、実施例5~8、並びに比較例5及び8~10の排ガス浄化装置について、触媒の添加量とTHC50%浄化到達時間との関係を示すグラフである。 図8は、実施例5及び9、並びに比較例5及び11の排ガス浄化装置について、触媒が担持されている部分の排ガス流れ上流端からの長さとTHC50%浄化到達時間との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
《触媒》
本開示の触媒は、Pd及びRhを含有している複数の触媒金属粒子を含有している触媒であって、複合化率が、60%以上である。ここで、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の触媒金属粒子を30個以上無作為に選択し、選択された触媒金属粒子に対してそれぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算し、かつ選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子としたときに、選択された触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合を、複合化率とする。
原理によって限定されるものではないが、本開示の触媒によって、シンタリングをより抑制することができる原理は、以下のとおりである。
従来、Pd粒子のシンタリングを抑制する観点から、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子が、知られている。しかしながら、従来の製造方法によって製造された、このような触媒金属粒子は、一応のシンタリング抑制効果は有するものの、その効果は、十分に大きくなかった。これは、従来の製造方法によって製造された、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子では、粒子内部におけるPdとRhとの原子レベルでの複合化が十分でないことによると考えられる。
シンタリング抑制効果を向上させる手段として、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の製造において、Rhの仕込み比を大きくし、成り行きで狙いの組成の触媒金属粒子を製造することが考えられる。しかしながら、この様な手段を採用した場合には、製造される複数の触媒金属粒子におけるRhの分布がブロードとなってしまい、高い複合化率を実現することができなかった。また、Rhは希少かつ高価な原料であることから、製造に必要なRhは、可能な限り少ないことが求められる。
更には、図2に示すように、PdとRhとは、状態図上、常温において固溶困難な形である。したがって、PdとRhとを原子レベルで複合化するためには、製造時において予めPdとRhとが近接した状態とすることが必要であり、そのために取りうる触媒金属粒子中におけるRhの含有量の範囲は、従来は0.5原子%~6.5原子%であり、その範囲は狭かった。
本発明者らは、鋭意研究した結果、マイクロリアクターを用いた製造方法によって、従来の触媒金属粒子よりも高い複合化率を有する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子を製造できることを見出した。
本開示のPd及びRhを含有している複数の触媒金属粒子を含有している触媒は、従来の製造方法によって製造された触媒が含有している複数の触媒金属粒子よりも、更に複合化された触媒金属粒子を含有している。そのため、従来の触媒金属粒子よりも更にシンタリングを抑制することができる。また、マイクロリアクターを用いて製造することで、触媒金属粒子中におけるRhの含有量の範囲を、0.5原子%~15.0原子%という、従来よりも広い範囲とすることができる。
なお、本開示の触媒は、特に、排ガス浄化用触媒として用いてよい。
〈触媒金属粒子〉
本開示の触媒が含有している触媒金属粒子は、Pd及びRhを含有している。
複数の触媒金属粒子の平均一次粒子径は、1nm~200nmであってよい。
複数の触媒金属粒子の平均一次粒子径は、1nm以上、10nm以上、25nm以上、又は50nm以上であってよく、200nm以下、150nm以下、100nm以下、又は75nm以下であってよい。
なお、平均一次粒子径は、例えばCOパルス吸着法によって求めたBET比表面積に基づいて求めることができる。
また、触媒金属粒子において、Pd及びRhの原子総数に対するRhの原子総数の割合は、0.5原子%~15.0原子%であってよい。
Pd及びRhの原子総数に対するRhの原子総数の割合は、0.5原子%以上、1.0原子%以上、2.5原子%以上、又は5.0原子%以上であってよく、15.0原子%以下、12.5原子%以下、10.0原子%以下、又は7.5原子%以下であってよい。
なお、Pd及びRhの原子数は、例えばエネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)によって測定することができる。
(複合化率)
本開示の触媒金属粒子は、複合化率が60%以上である。
複合化率は、60%以上、65%以上、70%以上、又は75%以上であってよく、100%以下、95%以下、90%以下、又は85%以下であってよい。
ここで、複合化率とは、触媒金属粒子全体に対する、PdとRhとが十分に複合されている触媒金属粒子の量を示す指標である。より具体的には、本開示において、複合化率は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の触媒金属粒子を30個以上無作為に選択し、選択された触媒金属粒子に対してそれぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算し、かつ選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子としたときに、選択された触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合として、定義される。
本開示の触媒金属粒子は、シンタリングを抑制する効果が高い。したがって、例えば耐久試験後においても、高い複合化率が維持されていることができる。より具体的には、本開示の触媒金属粒子は、組成比がCO:2%、HO:10%、及びN:バランスである、リッチ雰囲気ガス、並びに組成比がO:5%、HO:10%、及びN:バランスである、リーン雰囲気ガスを、5分毎に交互に切り替えつつ、1000℃で5時間行う熱耐久処理後における複合化率も、60%以上であってよい。
熱耐久処理後における複合化率は、60%以上、65%以上、70%以上、又は75%以上であってよく、100%以下、95%以下、90%以下、又は85%以下であってよい。
〈担体粒子〉
本開示の触媒において、複数の触媒金属粒子は、担体粒子に担持されていることができる。
ここで、担体粒子は、SiO、MgO、ZrO、Ce、Al、又はTiOから選択される酸化物、又はこれらの複合酸化物であってよい。
《触媒の製造方法》
本開示の触媒が含有する触媒金属粒子は、例えば、硝酸Pd及び硝酸Rhとの混合溶液と水酸化テトラエチルアンモニウム溶液とを、マイクロリアクターにて反応させることによって得ることができる。
触媒金属粒子の担体粒子への担持は、公知の方法、例えば含侵法によって担持させることができるが、これに限定されない。
《排ガス浄化装置》
本開示の排ガス浄化装置は、基材、及び基材上に担持されている、排ガス浄化用触媒としての本開示の触媒を有している。ここで、基材は、排ガス流れ上流端及び排ガス流れ下流端を有しており、触媒は、排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内に、又は排ガス流れ上流端から、基材の排ガス流れ上流端と排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内に担持されている。
排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端側、特に排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内、又は排ガス流れ上流端から、基材の排ガス流れ上流端と排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内は、内燃機関、例えばエンジンから排出される高温の排ガスが最初に流入する箇所であるため、排ガス浄化装置の他の部分と比較して、高温になりがちである。そのため、従来の排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端周辺では触媒金属がシンタリングしやすく、排ガス浄化装置の暖機性が不十分となり得る。
このような問題を解決する方法としては、シンタリングの影響を見越して、例えばこのような領域内に触媒金属を多量に配置する等が考えられる。しかしながら、資源リスクの観点から、触媒金属として用いられる貴金属を低減することが望ましい。
本開示の排ガス浄化装置は、排ガス流入時に高温になりがちである、このような領域内に、高いシンタリング抑制効果を有する本開示の触媒を配置している。これにより、本開示の排ガス浄化装置は、暖機性を維持及び向上することができる。
基材のうち本開示の触媒が担持されている部分には、更に他の排ガス浄化用触媒が担持されていてもよい。また、基材のうち本開示の触媒が担持されていない部分には、他の排ガス浄化用触媒が担持されていてよい。
なお、本開示の排ガス浄化装置は、乗物用、例えば自動車用であってよい。
図5は、本開示の第1の実施形態に従う排ガス浄化装置1の一部分を示す模式図である。
本開示の第1の実施形態に従う排ガス浄化装置1は、基材10、及び基材10上にこの順で積層されている第1のコート層20及び第2のコート層30を有している。ここで、基材10のうち図5の左側端が排ガス流れ上流端であり、図5の右側端が排ガス流れ下流端である。排ガスは、白い矢印2で示す方向に流通する。第2のコート層30のうち、排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域35内に、本開示の触媒が担持されている。ここで、第2のコート層30は、最表層であり、第1のコート層20は、下側層である。
なお、図5は、本開示の触媒及び本開示の排ガス浄化装置を限定する趣旨ではない。
〈基材〉
基材は、排ガス流れ上流端及び排ガス流れ下流端を有している。ここで、排ガス流れ上流端とは、排ガス浄化装置の使用時において、基材の端部のうち、内燃機関から排出される排ガスが流入する側を意味している。また、排ガス流れ下流端とは、基材の端部のうち、排ガスが流出する側を意味している。一般的には、排ガスの温度は、排ガス流れ上流端側から排ガス流れ下流端側に向かうにつれて低下すると考えられる。
基材は、排ガス浄化装置において、排ガス浄化用触媒を担持するために用いられる任意の基材を用いることができる。このような基材は、例えばセラミックス製、又は金属製のものを用いることができる。セラミックス製の基材としては、例えばコージェライト、SiC等の基材を挙げることができる。
基材は、排ガスを通過させる流路を有していてよい。流路の構造は、例えば、ハニカム構造、フォーム構造、又はプレート構造を有していてよい。
基材がハニカム基材である場合、触媒は、ハニカム基材の流路内に配置されていてよい。
基材の排ガス流れ上流端から排ガス流れ下流端までの長さは特に限定されず、排ガス浄化装置として一般的に用いられているものと同様の長さであってよい。
より具体的には、例えば、基材の排ガス流れ上流端から排ガス流れ下流端までの長さは、50mm~300mmであってよい。この長さは、50mm以上、80mm以上、100mm以上、又は150mm以上であってよく、300mm以下、250mm以下、200mm以下、又は180mm以下であってよい。
〈排ガス浄化用触媒〉
排ガス浄化用触媒としては、本開示の触媒が用いられる。
本開示の排ガス浄化装置において、本開示の触媒は、基材のうち排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内に、又は排ガス流れ上流端から、基材の排ガス流れ上流端と排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内に担持されている。本開示の触媒は、この領域内全体又は一部分にわたって担持されていることができる。
ここで、本開示の触媒は、基材のうち排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって5mm~30mmまでの長さの領域内に担持されていてよい。本開示の触媒は、基材のうち排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって5mm以上、10mm以上、13mm以上、又は15mm以上の長さの領域内に担持されていてよく、30mm以下、25mm以下、20mm以下、又は18mm以下の長さの領域内に配置されていてよい。
また、本開示の触媒は、基材のうち排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって50%の領域内に担持されていてよい。本開示の触媒は、基材のうち排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって5%以上、10%以上、15%以上、又は20%以上の長さの領域内に担持されていてよく、50%以下、45%以下、40%以下、又は35%以下の長さの領域内に配置されていてよい。
本開示の触媒が基材に担持される具体的な態様は特に限定されない。例えば、排ガス浄化用触媒は、基材上に形成されている触媒コート層に含有されていることによって、基材に担持されていることができる。
〈最表層〉
本開示において、本開示の触媒は、基材上に形成されている最表層に含有されていることができる。ここで、最表層は、基材の流路内の最表にある層である。
最表層は、基材上にわたって形成されていてよい。最表層は、本開示の触媒以外に、他の排ガス浄化用触媒を含有していてよい。最表層は、他にも、バインダ等を含有していてもよい。
なお、最表層が基材上にわたって形成されている場合、本開示の触媒は、最表層のうち、排ガス流れ上流端から、排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内に、又は排ガス流れ上流端から、基材の排ガス流れ上流端と排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内に含有されていることができる。
本開示の排ガス浄化装置は、最表層と基材との間に更に下側層を有していてよい。
《実施例1~4、比較例1~4、並びに参考例1及び2》
〈実施例1〉
31.25gの硝酸Pd溶液(Pdの質量に換算して5.00g)をビーカーに投入した。更に9.28gの硝酸Rh溶液(Rhの質量に換算して0.26g)をこのビーカーに投入した。これら2種類の硝酸金属溶液を混合して調製した混合溶液を更に1時間以上にわたって撹拌した。
なお、Pdが5.00gであることは、0.0470モルであることに相当し、かつRhが0.26gであることは、0.0025モルであることに相当する。すなわち、上記の混合溶液中のPd及びRh全体に対するRhの原子数での割合は5.0原子%である。
次に、35質量%の水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)溶液を、ビーカーに量り取り、水で希釈した。
上記の混合溶液及びTEAH溶液を、それぞれマイクロリアクター(エム・テクニック社製ULREA(登録商標))にセットした。これらを、混合溶液のpHが10以上の量となる流量で流し、反応部のディスク回転速度を1000rpm、反応場の温度を70℃に保って反応させた。
得られたPd-Rh微粒子薬液を、担体粒子(ZrO-CeO複合酸化物担体)に担持し、実施例1の触媒を調製した。なお、得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子数での割合は、5.0原子%であった。
〈実施例2~4〉
得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子%が、それぞれ約1.0原子%、3.0原子%、及び7.0原子%となるようにしたことを除いて、実施例1と同様にして、実施例2~4の触媒を調製した。
〈参考例1〉
硝酸Rhを用いなかったことを除いて、すなわち、得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子%が0.0原子%となるようにしたことを除いて、実施例1と同様にして、参考例1の触媒を調製した。
〈比較例1〉
実施例1と同様にして混合溶液を調製及び撹拌した。
次に、この混合溶液のpHが10以上となるように、35質量%のTEAH溶液を、この混合溶液に添加した。その後、合計金属濃度が0.5質量%になるように、純水で混合溶液の濃度を調整した。
得られたPd-Rh微粒子薬液を、担体粒子(Al-CeO-ZrO複合酸化物担体)に担持し、触媒を調製した。なお、得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子数での割合は、5.0原子%であった。
〈比較例2~4〉
得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子%が、それぞれ約1.0%、3.0%、及び7.0%となるようにしたことを除いて、比較例1と同様にして、比較例2~4の触媒を調製した。
〈参考例2〉
硝酸Rhを用いなかったことを除いて、すなわち、得られた触媒におけるPd及びRh全体に対するRhの原子%が0.0%となるようにしたことを除いて、比較例1と同様にして、参考例1の触媒を調製した。
〈熱耐久試験〉
実施例1~4、比較例1~4、並びに参考例1及び2の触媒について、それぞれ3gのペレットを調製した。
それぞれのペレットについて、熱耐久試験装置にセットし、N雰囲気下でペレットの温度を1100℃まで昇温させた。その後、温度を1100℃に維持しつつ、リッチ雰囲気ガスとリーン雰囲気ガスとを5分毎に切り替えてペレットに流通させるサイクルを、5時間繰り返し、最後はリッチ雰囲気ガスの流通で終了させた。最後に、N雰囲気下でペレットの温度を常温まで低下させた。
なお、それぞれのガスの流量は、10L/分であった。また、リッチ雰囲気ガスの組成は、CO:2%、HO:10%、及びN:バランスであり、リーン雰囲気ガスの組成は、O:5%、HO:10%、及びN:バランスであった。
〈評価1:エネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)〉
(方法)
エネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)により、熱耐久試験前後の実施例1及び比較例1の触媒の複合化率を求めた。より具体的には、以下のようにした。
熱耐久試験前後の実施例1及び比較例1のペレットを、それぞれ走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の触媒金属粒子を30個無作為に選択した。選択された触媒金属粒子に対して、それぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算した。選択された触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子とした。最後に、選択された触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合を算出して、複合化率とした。
(結果)
図1は、実施例1及び比較例1の触媒の複合化率を比較したグラフである。また、図3は、実施例1及び比較例1の触媒の熱耐久試験前後における複合化率を比較したグラフである。
実施例1と比較例1と触媒では、触媒金属粒子全体でのRh含有率が5.0原子%であることから、触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率となるのは、Rh含有率が3.0原子%~7.0原子%となっている触媒金属粒子である。
図1及び3に示すように、熱耐久試験前では、この範囲の組成となる触媒金属粒子の選択された触媒金属粒子全体の数に対する比率は、実施例1では約94%であり、比較例1では約57%であった。また、熱耐久試験後では、この範囲の組成となる粒子の選択された触媒金属粒子全体の数に対する比率は、実施例1では約80%であり、比較例1では約33%であった。
〈評価3:COパルス吸着法〉
(方法)
COパルス吸着法によって測定されるBET比表面積に基づいて、熱耐久試験後の実施例1~4、比較例1~4、並びに参考例1及び2の触媒の平均一次粒子径を求めた。
(結果)
表1は、実施例1~4、比較例1~4、並びに参考例1及び2の触媒の製造条件と熱耐久試験後の平均一次粒子径とをまとめた表である。また、図4は、耐久試験後における、実施例1及び比較例1の触媒が含有している触媒金属粒子の粒子径を比較したグラフである。
Figure 2022024958000002
表1及び図4に示すように、耐久試験後における、実施例1及び比較例1の触媒が含有している触媒金属粒子の粒子径は、実施例1~4の触媒では、それぞれ42、72、51、及び48であった。これに対して、比較例1~4の触媒ではそれぞれ、80、99、77、及び104であった。実施例1~4の触媒は、いずれも同様のRh含有率であった比較例1~4と比較して、平均一次粒子径が小さかった。このことは、実施例1~4の触媒が、比較例1~4と比較してよりシンタリングを抑制することができることを示している。
《実施例5~9及び比較例5~12》
〈比較例5〉
全体に対してAlが96質量%かつLaOが4質量%であるLaO複合化Al、全体に対してAlが30質量%、CeOが27質量%、ZrOが35質量%、Laが4質量%、及びYが4質量%である複合酸化物に硝酸パラジウムを担持させたもの、硝酸バリウム、及びAl系バインダを、蒸留水に投入して懸濁して、第1のスラリーを調製した。
第1のスラリーを、基材としてのコージェライトハニカム基材(875cc、600セル六角、壁厚2mil)に流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材の壁面をコーティングした。この際、基材の容量に対して、LaO複合化Alが40g/L、複合酸化物が45g/L、Pdが0.74g/L、かつ硝酸バリウムが5g/Lであった。
そして、第1のスラリーでコーティングされた基材を、120℃で保たれた乾燥機内に入れて2時間乾燥させ、その後、電気炉に入れて500℃で2時間焼成した。
これにより、基材上に第1のコート層を形成した。ここで、第1のコート層は、下側層である。
次いで、全体に対してAlが96質量%かつLaOが4質量%であるLaO複合化Al、全体に対してAlが30質量%、CeOが20質量%、ZrOが44質量%、Ndが2質量%、Laが2質量%、及びYが2質量%である複合酸化物に硝酸ロジウムを担持させたもの、及びAl系バインダを、蒸留水に投入して懸濁して、第2のスラリーを調製した。
第2のスラリーを、第1のコート層が形成されている基材に流し込み、ブロアーで不要分を吹き払うことで、基材の壁面をコーティングした。この際、基材の容量に対して、LaO複合化Alが63g/L、複合酸化物が38g/L、かつRhが0.80g/Lであった。
そして、第2のスラリーでコーティングされた基材を、120℃で保たれた乾燥機内に入れて2時間乾燥させ、その後、電気炉に入れて500℃で2時間焼成した。
これにより、第1のコート層上に第2のコート層を形成した。ここで、第2のコート層は、最表層である。
以上により、2層コート排ガス浄化装置を形成した。
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に硝酸パラジウムを含浸させてPdを担持させ、乾燥させた後に、電気炉に入れて500℃で2時間焼成した。なお、この操作によって担持されたPdは、0.42g/Lであった。
これにより、比較例5の排ガス浄化装置を調製した。
〈比較例6〉
比較例6の排ガス浄化装置におけるRhの量が最終的に0.8g/Lとなるように、2層コート排ガス浄化装置の調製に使用した硝酸ロジウムの量を減少させたことを除いて、比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製した。
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に硝酸パラジウム及び硝酸ロジウムを含浸させてPd及びRhを担持させ、乾燥させた後に、電気炉に入れて500℃で2時間焼成した。なお、この操作によって担持されたPdは、0.42g/Lであり、Rhは、原子比でPd:Rh=95:5であった。
これにより、比較例6の排ガス浄化装置を調製した。
〈実施例5〉
実施例5の排ガス浄化装置におけるRhの量が0.8g/Lとなるように、2層コート排ガス浄化装置の調製に使用した硝酸ロジウムの量を調節したことを除いて、比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製した。
次いで、実施例1と同様にして調製したPd-Rh微粒子薬液を、2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させ、乾燥させた後に、電気炉に入れて500℃で2時間焼成した。なお、この操作によって担持されたPdは、0.42g/Lであり、Rhは、原子比でPd:Rh=95:5であった。
これにより、実施例5の排ガス浄化装置を調製した。
〈比較例7〉
第1のコート層において、基材の容量に対して、LaO複合化Alが40g/L、複合酸化物が45g/L、Pdが1.16g/L、かつ硝酸バリウムが5g/Lとなるようにしたことを除いて比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製し、比較例7の排ガス浄化装置とした。
〈参考例3〉
第1のスラリーとして、全体に対してAlが96質量%かつLaOが4質量%であるLaO複合化Al、全体に対してAlが30質量%、CeOが27質量%、ZrOが35質量%、Laが4質量%、及びYが4質量%である複合酸化物に硝酸パラジウムを担持させたものに更に実施例1と同様にして調製したPd-Rh微粒子薬液を含浸させたもの、硝酸バリウム、及びAl系バインダを、蒸留水に投入して懸濁したものを用いたことを除いて比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製し、参考例3の排ガス浄化装置とした。
〈比較例8〉
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させる硝酸パラジウムの量を増加させ、この操作によって担持されたPdを1.67g/Lとしたことを除いて比較例5と同様にして、比較例8の排ガス浄化装置を調製した。
〈比較例9〉
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させる硝酸パラジウムの量を増加させ、この操作によって担持されたPdを2.09g/Lとしたことを除いて比較例5と同様にして、比較例9の排ガス浄化装置を調製した。
〈比較例10〉
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させる硝酸パラジウムの量を増加させ、この操作によって担持されたPdを3.34g/Lとしたことを除いて比較例5と同様にして、比較例9の排ガス浄化装置を調製した。
〈実施例6〉
実施例6の排ガス浄化装置におけるRhの量が0.8g/Lとなるように、2層コート排ガス浄化装置の調製に使用した硝酸ロジウムの量を調節したことを除いて、比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製した。
次いで、2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させるPd-Rh微粒子薬液の量を増加させ、この操作によって担持されたPdを1.67g/Lとし、Rhを原子比でPd:Rh=95:5としたことを除いて実施例5と同様にして、実施例6の排ガス浄化装置を調製した。
〈実施例7〉
実施例7の排ガス浄化装置におけるRhの量が0.8g/Lとなるように、2層コート排ガス浄化装置の調製に使用した硝酸ロジウムの量を調節したことを除いて、比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製した。
次いで、2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させるPd-Rh微粒子薬液の量を増加させ、この操作によって担持されたPdを2.09g/Lとし、Rhを原子比でPd:Rh=95:5としたことを除いて実施例5と同様にして、実施例7の排ガス浄化装置を調製した。
〈実施例8〉
実施例8の排ガス浄化装置におけるRhの量が0.8g/Lとなるように、2層コート排ガス浄化装置の調製に使用した硝酸ロジウムの量を調節したことを除いて、比較例5と同様にして、2層コート排ガス浄化装置を調製した。
次いで、2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から20mmまでの領域に含浸させるPd-Rh微粒子薬液の量を増加させ、この操作によって担持されたPdを3.34g/Lとし、Rhを原子比でPd:Rh=95:5としたことを除いて実施例5と同様にして、実施例8の排ガス浄化装置を調製した。
〈比較例11〉
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から10mmまでの領域に硝酸パラジウムを含浸させたことを除いて比較例5と同様にして、比較例11の排ガス浄化装置を調製した。
〈実施例9〉
2層コート排ガス浄化装置の排ガス流れ上流端から10mmまでの領域にPd-Rh微粒子薬液の量を含浸させたことを除いて実施例5と同様にして、実施例9の排ガス浄化装置を調製した。
〈耐久試験〉
各例の排ガス浄化装置について、実際のエンジンを用いて耐久試験を実施した。具体的には、各例の排ガス浄化装置をV型8気筒エンジンの排気系にそれぞれ装着し、触媒床温950℃で50時間にわたり、ストイキ及びリーンの各雰囲気の排ガスを一定時間(3:1の比率)ずつ繰り返して流すことにより行った。
〈暖機性の評価〉
耐久試験後の各例の排ガス浄化装置について、排ガス流れ上流端側から空燃比(A/F)14.4の排ガスを供給し、Ga=16g/sでの暖機性を評価した。より具体的には、HC成分を50%浄化できる状態になるまでの時間(THC50%浄化到達時間)を測定した。なお、THC50%浄化到達時間が短い程、暖機性が高いと理解される。
〈結果〉
各例の排ガス浄化装置の構成及び暖機性の評価結果を、表2及び図6~8にまとめた。
Figure 2022024958000003
表1及び図6に示すように、触媒の種類及び触媒が配置されている層を異ならせた比較例5~7、実施例5、並びに参考例1を比較した。
第2のコート層、すなわち最表層にPd及びRhが複合化された触媒を担持した実施例5におけるTHC50%浄化到達時間は、18.0秒であった。また、第2のコート層にPdのみを担持した比較例5におけるTHC50%浄化到達時間は、19.5秒であった。更に、第2のコート層に複合化されていないPd及びRhを担持した比較例6におけるTHC50%浄化到達時間は、19.4秒であった。
すなわち、実施例5は、比較例5及び6よりもTHC50%浄化到達時間が短かった。
また、第1のコート層、すなわち下側層に触媒を担持した比較例7及び参考例3におけるTHC50%浄化到達時間は、それぞれ順に、24.2秒及び24.3秒であり、大きな差はみられなかった。
表1及び図7に示すように、触媒の種類及び添加量を異ならせた比較例5及び8~10、並びに実施例5~8を比較した。
第2のコート層にPd及びRhが複合化された触媒を担持した実施例5~8におけるTHC50%浄化到達時間は、それぞれ順に、18.0秒、14.0秒、13.0秒、及び11.6秒であった。また、第2のコート層にPdのみを担持した比較例5及び8~10におけるTHC50%浄化到達時間は、それぞれ順に、19.5秒、14.7秒、13.8秒、及び12.0秒であった。
すなわち、実施例5~8及び比較例5及び8~10では、いずれも触媒の添加量の増加に応じてTHC50%浄化到達時間が減少した。また、触媒の添加量が同じであれば、実施例5~8の方が、比較例5及び8~10よりもTHC50%浄化到達時間が短かった。
表1及び図8に示すように、触媒の種類及び触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さを異ならせた実施例5及び9、並びに比較例5及び11を比較した。なお、図8において、横軸の「前部担持幅(mm)」は、触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さを意味している。
第2のコート層にPd及びRhが複合化された触媒を担持し、かつ触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが20mmであった実施例5におけるTHC50%浄化到達時間は、18.0秒であった。実施例5と同様の触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが10mmであった実施例6におけるTHC50%浄化到達時間は、18.5秒であった。
また、第2のコート層にPdのみを担持し、かつ触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが20mmであった比較例5におけるTHC50%浄化到達時間は、19.5秒であった。比較例5と同様の触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが10mmであった比較例11におけるTHC50%浄化到達時間は、19.0秒であった。
すなわち、実施例5及び9を比較すると、触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが長かった実施例5の方が、THC50%浄化到達時間が短かった。なお、比較例5及び11では、触媒が配置された部分の排ガス流れ上流端からの長さが長かった比較例5の方が、THC50%浄化到達時間が長かった。
1 排ガス浄化装置
10 基材
20 第1のコート層
30 第2のコート層

Claims (11)

  1. Pd及びRhを含有している複数の触媒金属粒子を含有している触媒であって、
    複合化率が、60%以上であり、
    ここで、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって観察して、面積円相当径が1nm以上の前記触媒金属粒子を30個以上無作為に選択し、選択された前記触媒金属粒子に対してそれぞれエネルギー分散型X線分析(EDX)によって元素分析を行い、選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率を原子数割合で計算し、かつ選択された前記触媒金属粒子全体でのRh含有率に対して60%~140%のRh含有率を有する前記触媒金属粒子を、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子としたときに、選択された前記触媒金属粒子全体の数に対する、PdとRhとが複合化された触媒金属粒子の数の割合を、前記複合化率とする、
    触媒。
  2. 前記触媒金属粒子における、Pd及びRhの原子総数に対するRhの原子総数の割合が、0.5原子%~15.0原子%である、請求項1に記載の触媒。
  3. 複数の前記触媒金属粒子の平均一次粒子径が、1nm~200nmである、請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 組成比がCO:2%、HO:10%、及びN:バランスである、リッチ雰囲気ガス、並びに組成比がO:5%、HO:10%、及びN:バランスである、リーン雰囲気ガスを、5分毎に交互に切り替えつつ、1000℃で5時間行う熱耐久処理後における前記複合化率が、60%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
  5. 複数の前記触媒金属粒子が、担体粒子に担持されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
  6. 前記担体粒子が、SiO、MgO、ZrO、Ce、Al、又はTiOから選択される酸化物、又はこれらの複合酸化物である、請求項5に記載の触媒。
  7. 排ガス浄化用触媒である、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒。
  8. 基材、及び前記基材上に担持されている、請求項7に記載の触媒を有しており、
    前記基材は、排ガス流れ上流端及び排ガス流れ下流端を有しており、
    前記触媒は、前記排ガス流れ上流端から、前記排ガス流れ下流端方向に向かって30mmまでの長さの領域内に、又は前記排ガス流れ上流端から、前記基材の前記排ガス流れ上流端と前記排ガス流れ下流端との間の距離の50%の領域内に担持されている、排ガス浄化装置。
  9. 前記触媒が、前記基材上に形成されている最表層に含有されている、請求項8に記載の排ガス浄化装置。
  10. 前記最表層と前記基材との間に下側層を有している、請求項9に記載の排ガス浄化装置。
  11. 前記基材が、ハニカム基材であり、前記触媒が、前記ハニカム基材の流路内に担持されている、請求項8~10のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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