JP4830293B2 - 複合酸化物とその製造方法及び排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の排ガス浄化用触媒の担体として有用な複合酸化物とその製造方法、及びその複合酸化物を担体とする排ガス浄化用触媒に関する。
従来より自動車の排ガス浄化用触媒として、排ガス中のCO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ-Al2O3からなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)やロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが広く知られている。
排ガス浄化触媒に用いられる担体の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられ、一般にはγ-Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2などが用いられることが多い。また酸素吸放出能をもつCeO2などの機能性酸化物を用いることで、排ガスの雰囲気変動を緩和することも行われている。さらにCeO2−ZrO2複合酸化物を用いれば、耐熱性が向上し酸素吸放出能の熱安定性が向上することも知られている。
ところで直噴ガソリンエンジンの高出力化あるいは高速走行の増加などを背景に、近年の自動車排ガスの温度は 600〜 700℃の高温となっている。しかし従来の触媒においては、実際の排ガス中における耐久性に乏しく、熱によって担体がシンタリングし比表面積が低下することによって浄化性能が低下するという問題がある。また担体のシンタリングに伴って貴金属が粒成長する場合もあり、そうなると浄化性能がさらに低下してしまう。したがって、担体のシンタリングを防止するとともに貴金属の粒成長を抑制することが求められている。
そこで特開平10−202101号公報には、Ce、Al及びZrの各イオンを含む混合溶液に、アルカリ性溶液と過酸化水素水とを添加して複合酸化物の前駆体が分散した懸濁液を形成し、懸濁液に比表面積の大きなγ-Al2O3を添加し、それを焼成して形成された複合酸化物担持担体が記載されている。この複合酸化物は、CeO2とZrO2の固溶体が Al2O3中に高分散状態で分布し、さらにこの複合酸化物がγ-Al2O3の粒界部に分散している。したがってこの複合酸化物担持担体に貴金属を担持した触媒においては、γ-Al2O3の粒界部に介在する複合酸化物が障壁となり、あるいは複合酸化物中の Al2O3が障壁となり、γ-Al2O3及びCeO2−ZrO2固溶体のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。
さらに特開2003−020227号公報には、Zr酸化物と Al2O3との混合物であり、Zr酸化物と Al2O3とがnmスケールで均一に分散した複合酸化物が開示されている。この複合酸化物によれば、互いに固溶しないZr酸化物と Al2O3とが互いの障壁として作用するために、高温時のシンタリングが抑制される。したがってこの複合酸化物に貴金属を担持した触媒においては、高温時のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。
しかしながらγ-Al2O3は、比表面積が大きくかつ耐熱性にある程度優れているといえども、高温雰囲気におけるシンタリングが避けられず、それに担持されている貴金属にもある程度の粒成長が生じ活性が低下する。
そこで、例えば特開平04−122441号公報には、予め熱処理されたアルミナを用いて貴金属を担持させる排ガス浄化用触媒の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、アルミナは既に熱処理されているため、得られた排ガス浄化用触媒は高温の排ガスに晒されても熱劣化がほとんど進行しない。したがって貴金属のシンタリングが生じず安定した浄化性能が得られる。
ところが、CeO2、CeO2−ZrO2複合酸化物などの機能性酸化物を担体とする場合には、予め熱処理するとシンタリングの程度が大きく、触媒とした場合には活性が大きく低下して実用的でないという問題があった。
特開平10−202101号 特開2003−020227号 特開平04−122441号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シンタリングしやすい機能性酸化物を担体として用いる場合において、そのシンタリングを抑制することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の複合酸化物の特徴は、熱処理により予めシンタリングされた平均粒子径が 100nm以下のアルミナ粒子と、アルミナ粒子に担持されたセリウムを含む第2酸化物粒子と、からなり、大気中1000℃での熱処理後の第2酸化物粒子の平均粒子径が1〜20nmであることにある。
アルミナ粒子の平均粒子径は 100nm以下であることが望ましい。
そして本発明の複合酸化物を製造する本発明の製造方法の特徴は、アルミナを熱処理してシンタリングさせアルミナ粒子を調製する熱処理工程と、セリウムを含む第2酸化物を湿式法でアルミナ粒子に担持する担持工程と、を行うことにある。
担持工程は、アルミナ粒子の存在下で、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から第2酸化物の前駆体を析出させて複合粒子を形成する析出工程と、複合粒子を酸化雰囲気で焼成してアルミナ粒子に第2酸化物粒子を担持する焼成工程と、を行うことが好ましい。この場合、析出工程は、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液にアルミナ粒子を混合し、その後アルミナ粒子の表面に第2酸化物の前駆体を析出させて複合粒子を形成することが特に望ましい。
なお析出工程は、溶液のpHを調整することで前駆体を析出させることが望ましい。
また本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、本発明の複合酸化物に触媒金属を担持してなることにある。
本発明の複合酸化物によれば、アルミナ粒子の表面に微細な第2酸化物粒子が担持されている。したがってアルミナ粒子が拡散障壁となるので、第2酸化物粒子の粒成長が抑制され、第2酸化物の機能の低下が抑制される。またアルミナ粒子は予めシンタリングされているので、それ以上の粒成長が抑制されている。したがって貴金属を担持した排ガス浄化用触媒の場合には、アルミナ粒子及び第2酸化物粒子に担持されている貴金属の粒成長が抑制されるため、第2酸化物の機能の低下の抑制と貴金属の粒成長の抑制との両者の相乗作用によって耐久後も高い活性が発現される。
そして本発明の複合酸化物の製造方法によれば、上記した優れた特性をもつ複合酸化物を、安定して容易に製造することができる。またアルミナ粒子の平均粒子径が 100nm以下となるようにシンタリングさせておくことで、第2酸化物前駆体の偏析を特に抑制でき、第2酸化物粒子の分散性が向上する。さらに析出工程において、アルミナ粒子の存在下で、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から第2酸化物前駆体を析出させるようにすれば、第2酸化物前駆体の偏析を効果的に抑制することができ、第2酸化物粒子の分散性がさらに向上する。
本発明の複合酸化物は、予めシンタリングされたアルミナ粒子と、アルミナ粒子に担持されたセリウムを含む第2酸化物粒子と、から構成されている。アルミナ粒子は、第2酸化物粒子の拡散の障壁となって第2酸化物粒子の粒成長を抑制するものである。またアルミナ粒子は予め熱処理によってシンタリングしたものであり、γ相を用いることも可能であるが、α相、θ相あるいはδ相のアルミナが好ましい。またランタノイド元素などで安定化された安定化アルミナを用いることもできる。
アルミナ粒子は、平均粒子径が 100nm以下であることが好ましい。これにより複合酸化物の製造時に第2酸化物前駆体の偏析を抑制することができ、第2酸化物粒子の分散性が向上する。なおアルミナ粒子の比表面積は特に制限されないが、アルミナ粒子のみを1000℃で熱処理した場合の比表面積が50m2/g以上の範囲が最適である。比表面積がこの範囲より小さいと製造時に第2酸化物前駆体が偏析する場合がある。
第2酸化物粒子は機能性酸化物として機能するものであり、自動車の排ガス浄化用触媒に用いる場合には、少なくともセリウムを含む酸化物を用いる。またセリウムを含む酸化物を第2酸化物として用いることで、本発明の効果が最大に発現され、第2酸化物粒子の粒成長による性能劣化を最大に抑制することができる。このような第2酸化物としては、CeO2、CeO2−ZrO2複合酸化物、CeO2−ZrO2−Y2O3複合酸化物、CeO2−ZrO2−Al2O3 複合酸化物などが例示される。
本発明の複合酸化物においては、大気中1000℃での熱処理後の第2酸化物粒子の平均粒子径が1〜20nmである。このように微細な状態でアルミナ粒子に担持されていることで、第2酸化物粒子の機能が最大に発現され、触媒とした場合には高い浄化活性が発現される。
アルミナ粒子と第2酸化物粒子の組成比率は、重量比でアルミナ粒子:第2酸化物粒子が80:20〜20:80の範囲が好ましい。第2酸化物粒子の組成割合がこれより少ないとその機能の発現が困難となり、実用的な触媒とはならない。また第2酸化物粒子の組成割合がこれより多くなると、アルミナ粒子の濃度が相対的に少なくなる結果、第2酸化物粒子の粒成長が生じ易くなる。
本発明の複合酸化物の製造方法では、アルミナを熱処理してシンタリングさせアルミナ粒子を調製する熱処理工程と、セリウムを含む第2酸化物を湿式法でアルミナ粒子に担持する担持工程と、を行っている。
熱処理条件は、アルミナがシンタリングする条件であればよく、 600〜1200℃が好ましい。また熱処理雰囲気は、大気中など酸化性雰囲気でもよいし、還元性雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気で熱処理することも可能である。
担持工程は、例えばアルミナ粒子と第2酸化物粒子とを水中で混合し、それを焼成する方法がある。しかしこの場合は、焼成時あるいは触媒としての使用時に第2酸化物粒子が粒成長する恐れがある。そこで、アルミナ粒子の存在下において、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から第2酸化物前駆体を析出させて複合粒子を形成する析出工程を行うことが望ましい。第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から第2酸化物前駆体を析出させ、そこへアルミナ粒子を混合する方法では、上記と同様に焼成時あるいは触媒としての使用時に第2酸化物粒子が粒成長する恐れがある。
第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から第2酸化物前駆体を析出させるには、溶液のpHを調整して沈殿を析出させる沈殿法、金属アルコキシドを加水分解するゾルゲル法のいずれも用いることができる。しかしアルコキシド法では原料が高価であること、反応の制御が難しいことから、溶液のpHを調整して沈殿を析出させる方法を採用することが望ましい。
溶液のpHを調整して第2酸化物前駆体の沈殿を析出させる方法には、例えば以下の3つの方法がある。
(1)第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液中にアルミナ粒子を混合しておき、そのpHを調整する方法。
(2)アルミナ粒子とpH調整物質を含む溶液中に、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液を混合する方法。
(3)アルミナ粒子を分散させた分散液に、第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液とpH調整物質を含む溶液を同時に混合する方法。
しかし(3)の方法では、得られる複合酸化物における第2酸化物粒子の粒径がやや大きくなる傾向が見られるので、(1)又は(2)の方法を採用することが特に望ましい。
本発明の製造方法においては、アルミナ粒子の平均粒子径は 100nm以下であることが特に望ましい。アルミナ粒子の平均粒子径が 100nmより大きくなると、上記した溶液のpHを調整して沈殿を析出させる場合に第2酸化物前駆体の沈殿に偏析が生じ易く、得られる複合酸化物では第2酸化物粒子の平均粒子径は小さくても分散性が低下する場合がある。そのため、大気中1000℃での熱処理後の第2酸化物粒子の平均粒子径が20nmを超えるようになり、好ましくない。しかし担持工程の方法によっては、 100nmを超えるアルミナ粒子を用いても初期では微細な第2酸化物粒子を担持できる場合があるが、熱処理後には平均粒子径は大きくなってしまう。
本発明の排ガス浄化用触媒は、本発明の複合酸化物に貴金属を担持してなる。貴金属としては、Pt、Rh、Pd、Irなど、従来の排ガス浄化用触媒に用いられているものを用いることができる。貴金属の担持量は、活性とコストの観点から 0.1〜10重量%とすることが好ましい。また貴金属を担持するには、吸着担持法、吸水担持法のいずれも用いることができる。卑金属など他の触媒金属を貴金属と共に担持することができることは言うまでもない。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
1.熱処理工程
γ-Al2O3粉末(比表面積: 140m2/g、平均粒子径:60nm)を大気中にて 900℃で5時間熱処理し、比表面積が 120m2/g、平均粒子径が80nmのアルミナ粉末を調製した。このアルミナ粉末は、大気中にて1000℃で5時間焼成後の比表面積が90m2/gである。
2.担持工程
CeO2として28重量%の濃度の硝酸セリウム水溶液 176.3gと、ZrO2として18重量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液 240.0gと、30%過酸化水素水80gと、上記アルミナ粉末32.5gとを、1Lのポリビーカ中で撹拌混合した。
一方、別の3Lのポリビーカにイオン交換水1200gと、25%アンモニア水 500gとを撹拌混合した。これを撹拌しながら、上記混合溶液を10ml/分の速度で滴下し、沈殿物を得た。
この沈殿物を濾過・洗浄し、大気中にて 400℃で5時間仮焼成した後、大気中にて 700℃で5時間本焼成し、比表面積が 102m2/gの複合酸化物を得た。
この複合酸化物をTEMにて観察したところ、図1に示すように、平均粒子径が80nmのアルミナ粒子1(第1酸化物粒子)と、アルミナ粒子1の表面及び細孔内に担持された平均粒子径が8nmのCeO2−ZrO2固溶体粒子2(第2酸化物粒子)とから構成されていた。
(実施例2)
1.熱処理工程
実施例1と同様に行い、比表面積が 120m2/g、平均粒子径が80nmのアルミナ粉末を調製した。
2.担持工程
CeO2として28重量%の濃度の硝酸セリウム水溶液 176.3gと、ZrO2として18重量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液 240.0gと、30%過酸化水素水80gとを、1Lのポリビーカ中で撹拌混合した。
また別に、3Lのポリビーカにイオン交換水1200gと、上記アルミナ粉末32.5gと、25%アンモニア水 500gとを撹拌混合した。これを撹拌しながら、上記混合溶液を10ml/分の速度で滴下し、沈殿物を得た。
この沈殿物を濾過・洗浄し、大気中にて 400℃で5時間仮焼成した後、大気中にて 700℃で5時間本焼成し、比表面積が 103m2/gの複合酸化物を得た。この複合酸化物をTEMにて観察したところ、平均粒子径が80nmのアルミナ粒子と、アルミナ粒子の表面及び細孔内に担持された平均粒子径が10nmのCeO2−ZrO2固溶体粒子とから構成されていた。
(実施例3)
1.熱処理工程
実施例1と同様に行い、比表面積が 120m2/g、平均粒子径が80nmのアルミナ粉末を調製した。
2.担持工程
CeO2として28重量%の濃度の硝酸セリウム水溶液 176.3gと、ZrO2として18重量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液 240.0gと、30%過酸化水素水80gとを、1Lのポリビーカ中で撹拌混合した。
また別の1Lのポリビーカで、イオン交換水 200gと、25%アンモニア水 140gとを撹拌混合した。
さらに別の3Lのポリビーカに、イオン交換水1200gと、上記アルミナ粉末32.5gを撹拌混合した。これを撹拌しながら、上記2種類の混合溶液をそれぞれ別々に撹拌しながら、10ml/分の速度で同時に滴下し、沈殿物を得た。
この沈殿物を濾過・洗浄し、大気中にて 400℃で5時間仮焼成した後、大気中にて 700℃で5時間本焼成し、比表面積が 102m2/gの複合酸化物を得た。この複合酸化物をTEMにて観察したところ、平均粒子径が80nmのアルミナ粒子と、アルミナ粒子の表面及び細孔内に担持された平均粒子径が12nmのCeO2−ZrO2固溶体粒子とから構成されていた。
(比較例1)
1.熱処理工程
γ-Al2O3の種類を変えたこと以外は実施例1と同様に行い、比表面積が 110m2/g、平均粒子径が 200nmのアルミナ粉末を調製した。このアルミナ粉末は、大気中にて1000℃で5時間焼成後の比表面積が84m2/gである。
2.担持工程
上記アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、比表面積が98m2/gの複合酸化物を得た。得られた複合酸化物をTEMにて観察したところ、平均粒子径が 200nmのアルミナ粒子と、アルミナ粒子の表面及び細孔内に担持された平均粒子径が18nmのCeO2−ZrO2固溶体粒子とから構成されていた。
(比較例2)
アルミナ粉末を用いず、したがって熱処理工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様である。
得られたCeO2−ZrO2固溶体は、比表面積が65m2/g、平均粒子径が22nmであった。
(比較例3)
1.熱処理工程
γ-Al2O3の種類を変えたこと以外は実施例1と同様に行い、比表面積が 120m2/g、平均粒子径が80nmのアルミナ粉末を調製した。このアルミナ粉末は、大気中にて1000℃で5時間焼成後の比表面積が90m2/gである。
2.担持工程
CeO2として28重量%の濃度の硝酸セリウム水溶液 176.3gと、ZrO2として18重量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液 240.0gと、30%過酸化水素水80gと、上記アルミナ粉末32.5gと、イオン交換水1200gと、を撹拌混合した。
そこへ25%アンモニア水 500gを素早く入れて撹拌して沈殿物を得たこと以外は実施例1と同様に行い、比表面積が 106m2/gの複合酸化物を得た。得られた複合酸化物をTEMにて観察したところ、平均粒子径が80nmのアルミナ粒子と、平均粒子径が10nmのCeO2−ZrO2固溶体粒子とからなり、CeO2−ZrO2固溶体粒子は単独で存在するものもあればアルミナ粒子に担持されているものもあり、分散が均一とはいえなかった。
<試験・評価>
実施例及び比較例で調製された各複合酸化物を、大気中1000℃で5時間熱処理し、その後の比表面積とアルミナ粒子及びCeO2−ZrO2固溶体粒子の平均粒子径とを測定した。結果表1に示す。なお表1には、熱処理前の比表面積と平均粒子径を初期値として示している。
Figure 0004830293
各比較例の複合酸化物は、1000℃での熱処理後にCeO2−ZrO2固溶体粒子の粒成長が著しく20nmを超えているのに対し、各実施例の複合酸化物ではCeO2−ZrO2固溶体粒子の粒成長の度合いが小さく抑制されていることがわかる。またアルミナ粒径は、熱処理後も変化していない。
すなわち比較例1では、アルミナ粒子の平均粒径が 200nmと大きいために、沈殿析出時にCeO2−ZrO2固溶体の前駆体が偏析し、1000℃での熱処理時にアルミナ粒子上の担持密度が高い部位において粒成長が進行したものと推察される。
また比較例2では、アルミナ粒子が介在しないためにCeO2−ZrO2固溶体が自由に移動でき、そのため1000℃での熱処理時に粒成長したものと推察される。
さらに比較例3では、CeO2−ZrO2固溶体の分散度合いが不均一であるために、1000℃での熱処理時に粒成長したものと推察される。
しかし各実施例では、平均粒子径が 100nm以下のアルミナ粒子を用いて前駆体沈殿を析出させているため偏析が抑制される。また、アルミナ粒子が拡散障壁となってCeO2−ZrO2固溶体どうしの粒成長が抑制される。さらにアルミナ粒子は予めシンタリングされているので、それ以上のシンタリングが抑制される。これらの相乗作用によって、CeO2−ZrO2固溶体粒子の粒成長が抑制されたものと考えられる。
したがって各実施例の複合酸化物を担体として貴金属を担持してなる触媒においては、担体のシンタリングが抑制されているため、それに伴う貴金属の粒成長も抑制される。これにより耐久後も高い浄化活性が発現される。
次に、各実施例及び各比較例の複合酸化物粉末に所定濃度のジニトロジアミン白金溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後 300℃で3時間焼成してPtを担持した。Ptの担持量は1重量%である。これを定法にて 0.5〜1mmのペレットとし、ペレット触媒を調製した。
得られた各ペレット触媒をそれぞれ固定床流通式反応装置に配置し、表2に示すモデルガスをリーンガス5分とリッチガス5分で交互にSV=15,000 h-1で流しながら、それぞれ入りガス温度1000℃で5時間保持する耐久試験を行った。
Figure 0004830293
Figure 0004830293
そして耐久試験後の各ペレット触媒に、表3に示すストイキ定常モデルガスを流しながら、 100℃から 500℃まで12℃/分で昇温し、その間のC3H6浄化率を測定した。そしてC3H6の50%浄化温度を求め、結果を表4に示す。
Figure 0004830293
表4より、各実施例の触媒は各比較例の触媒に比べて耐久試験後の浄化活性が高いことがわかり、これはCeO2−ZrO2固溶体粒子の粒成長が抑制され、担体のシンタリングが抑制されたことによる効果であることが明らかである。
本発明の複合酸化物は、酸化触媒、三元触媒、NOx 選択還元触媒、NOx 吸蔵還元触媒、水素生成触媒など、各種触媒に利用することができる。
本発明の一実施例の複合酸化物を示す説明図である。
符号の説明
1:アルミナ粒子
2:CeO2−ZrO2固溶体粒子(第2酸化物粒子)

Claims (7)

  1. 熱処理により予めシンタリングされたアルミナ粒子と、該アルミナ粒子に担持されたセリウムを含む第2酸化物粒子と、からなり、大気中1000℃での熱処理後の該第2酸化物粒子の平均粒子径が1〜20nmであることを特徴とする複合酸化物。
  2. 前記アルミナ粒子の平均粒子径は 100nm以下である請求項1に記載の複合酸化物。
  3. アルミナを熱処理してシンタリングさせる熱処理工程と、
    セリウムを含む第2酸化物を湿式法で該アルミナ粒子に担持する担持工程と、を行うにあたり、
    該担持工程は、該アルミナ粒子の存在下で該第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液から該第2酸化物の前駆体を析出させて複合粒子を形成する析出工程と、該複合粒子を酸化雰囲気で焼成して該アルミナ粒子に第2酸化物粒子を担持する焼成工程と、を行うことを特徴とする複合酸化物の製造方法。
  4. 前記アルミナ粒子の平均粒子径は 100nm以下である請求項3に記載の複合酸化物の製造方法。
  5. 前記析出工程は、前記第2酸化物を構成する金属イオンを含む溶液に前記アルミナ粒子を混合し、その後前記アルミナ粒子の表面に前記第2酸化物の前駆体を析出させて複合粒子を形成する請求項3に記載の複合酸化物の製造方法。
  6. 前記析出工程は、前記溶液のpHを調整することで前記前駆体を析出させる請求項3又は請求項5に記載の複合酸化物の製造方法。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の複合酸化物に触媒金属を担持してなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
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