JP2018100873A - 生体関連分子固定化用担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体関連物質含有溶液をスポットした際にそのスポット径を小さく維持することが可能な担体の提供。【解決手段】撥水性の樹脂基板と、該樹脂基板上に形成されたアミノアルキルシラン層と、該アミノアルキルシラン層上に形成された多価カルボン酸層を有する生体関連分子固定化用担体であって、前記多価カルボン酸層のカルボキシル基は活性エステル化されており、前記アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出していること特徴とする、生体関連分子固定化用担体。【選択図】図1

Description

本発明は、生体関連分子を固定化するための担体およびその製造方法に関する。
環境や食品に対する安全性及び健全性を求める要望に伴い、環境試料や食品の原料又は製品中の微生物汚染を管理するための技術開発が進んでいる。その手段としては、微生物由来の核酸などの生体関連分子を検出する方法が検出感度及び特異性などの点から有利であり、マイクロアレイやDNAチップ等、表面処理を施した基板上に生体関連分子を固定化した各種担体が開発されている。これらの担体では、精密な点着装置を使用することによって、異なる生体関連分子を含有する多数の溶液が、小さなスポット状で基板上に個別にスポッティングされる。
上記のような生体関連分子を固定化するための担体の例としては、例えば各種材料から作成された基板上に多価アミン層を有し、その上にさらに活性エステル基を有する担体など、基板の表面処理の種類や方法としては数多くのものが知られている(特許文献1、2)。しかしながら、各種基板や表面処理の具体的な種類及び適用条件によって、生体関連分子のスポッティングや検出の性能が大きく影響を受ける場合もあり、従って、さらなる技術開発が必要とされている。
特開2003−161731号公報 特許第4764901号公報
上記の通り、生体関連分子を固定化するための基板の表面処理の種類や方法としては数多くのものが知られており、アミノ基含有化合物の代表的なものの1つとしてアミノアルキルシランが広く知られているが、アミノアルキルシラン処理を行い、その後ポリアクリル酸などの多価カルボン酸を吸着した基板では、その表面に生体関連分子含有溶液をスポットした際にそのスポット径が大きくなる、又はスポット形状が不良となる問題があった。特に、一般に十分な表面処理を行うために、基板に親水化処理を行うことによってアミノアルキルシラン層形成の効率を上げるのが一般的であるが、そのように作製された担体は核酸溶液のスポット形状が悪くなるため、核酸溶液が広がらないようにスポット径を小さく維持できる技術の開発の必要性が存在する。
本願発明者らは、樹脂基板上にアミノアルキルシラン層及び多価カルボン酸層を順に積層した担体を作製する場合において、撥水性の樹脂基板を用いるとともに、該基板を表面処理してアミノアルキルシラン層を形成する際に樹脂基板が露出するようにアミノアルキルシランの導入量を制御することによって上記の課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、撥水性の樹脂基板と、該樹脂基板上に形成されたアミノアルキルシラン層と、該アミノアルキルシラン層上に形成された多価カルボン酸層を有する生体関連分子固定化用担体であって、前記多価カルボン酸層のカルボキシル基は活性エステル化されており、前記アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出していること特徴とする、生体関連分子固定化用担体を提供する。
また、本発明は、撥水性の樹脂基板の上にアミノアルキルシラン層を形成する工程、該アミノアルキルシラン層の上に多価カルボン酸層を形成する工程、及び、該多価カルボン酸層のカルボキシル基を活性エステル化する工程を含む、生体関連分子固定化用担体の製造方法であって、前記アミノアルキルシラン層を形成する工程は、アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出する条件で行われる、製造方法を提供する。
本願発明においては、前述の通り、撥水性の樹脂基板を用いるとともに、該基板を表面処理してアミノアルキルシラン層を形成する際に樹脂基板が露出するようにアミノアルキルシランの導入量を制御することによって、スポット形状が良好な生体関連分子固定化用担体を得ることができる。
実験例1,10,16について、ポリアクリル酸吸着後の基板表面のXPS分析で得られたC1sスペクトルチャートを示す。 実験例1,10,16について、実際のスポット観察画像を示す。 実験例11〜15について、実際のスポット観察画像を示す。
本願発明は、撥水性の樹脂基板と、該樹脂基板上に形成されたアミノアルキルシラン層と、該アミノアルキルシラン層上に形成された多価カルボン酸層を有する生体関連分子固定化用担体であって、前記多価カルボン酸層のカルボキシル基は活性エステル化されており、前記アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出していること特徴とする、生体関連分子固定化用担体を提供する。
本願発明の担体の基板としては撥水性の樹脂基板が使用される。本発明において、撥水性の樹脂とは、親水化処理がなされてない樹脂、又は、親水化処理がされていてもその程度が低い樹脂を意味する。親水化処理がされていない樹脂は任意の種類の樹脂が本発明に使用できる。本発明の撥水性の樹脂としては、親水化処理がされていない樹脂を使用することが好ましいが、コロナ処理又は真空UV処理などの親水化処理を行った樹脂基板であっても親水化の程度が低いものであれば本願発明に使用することも可能である。親水化処理の有無に関わらず、本発明の撥水性の樹脂は、例えば66°以上、好ましくは70°以上、より好ましくは75°以上、特に好ましくは80°以上の表面水接触角を有する。
樹脂基板上へのアミノアルキルシラン層の形成を効率よく行うためには、樹脂基板に親水化処理を行うのが一般的であるが、本願発明では上記のような親水化処理を行わない、又はその程度の低い撥水性の樹脂基板を用い、さらに後述するようにアミノアルキルシラン層形成後にも樹脂基板を露出された担体とすることによって、スポット形状が良好な生体関連分子固定化用担体を得ることができる。
上記の条件を満たす限り樹脂の種類は特に限定されないが、核酸等の生体関連分子の検出は生体関連分子に結合している蛍光物質に基づいて行われることが多いため、自家蛍光がなるべく低い材料を用いることが好ましい。具体的な樹脂の種類としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイド及びポリスルホンなどの有機材料などが挙げられ、これらの2種類以上の混合樹脂を使用してもよい。また、検出感度の向上など、所望の目的に応じて性能を向上できる他の物質を適宜追加してもよく、例えばカーボンブラックなどの黒色顔料を混合してもよい。
本発明においては、樹脂基板の材料としてポリカーボネートを使用することが好ましく、より好ましくは黒色顔料としてのカーボンブラックを含むポリカーボネートが使用される。カーボンブラックの量は当業者が適宜決定することが可能であるが、例えば0.1重量%〜2重量%、好ましくは0.2重量%〜1重量%、より好ましくは0.3重量%〜0.8重量%のカーボンブラックを樹脂中に含むもの材料が使用される。
本発明の生体関連分子固定化用担体では、上記の樹脂基板上にアミノアルキルシラン層が形成される。アミノアルキルシランは、例えばアルキル基の炭素数1〜10、好ましくは2〜5のものが使用され、具体的にはアルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等であり得る。上記のうち、本発明においてはプロピル基が特に好ましい。また、アミノアルキルシランのシランは1つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、例えば炭素数1〜5、好ましくは2〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)で置換されているものを使用することが可能であり、特にエトキシ基で3置換されていることが好ましい。具体的なアミノアルキルシランとしては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−アミノプロピルジメトキシエチルシラン等が挙げられ、本発明においては3−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
本発明におけるアミノアルキルシラン層は、樹脂基板上に形成されるという相対的な位置関係に基づいて便宜的に「層」と表現したものに過ぎず、アミノアルキルシラン層は基板の少なくとも一部の表面上に形成されていればよく、基板の表面全体を完全に覆っていることを意味するものではない。即ち、本発明の担体は、アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出していること特徴とする。本発明においては、上記のようにアミノアルキルシラン層の形成後に撥水性の樹脂基板が露出していることにより、スポット形状が良好な生体関連分子固定化用担体を最終的に得ることができる。
上記の通り、本発明において樹脂基板が露出しているとは、アミノアルキルシラン層の形成後の担体表面の一部に、アミノアルキルシラン層の下の樹脂が露出していることを意味する。樹脂の露出を検出する方法の1つとして、アミノアルキルシラン層の形成後の基板の表面分析を行って表面の物質成分の存在を検出する方法が挙げられる。即ち、本発明の一態様として、表面分析において樹脂由来のピークが検出された場合に、樹脂が露出していると判断することができる。
上記の表面分析の方法は当業者が適宜選択することができるが、検出深さが1〜10nm程度と小さい範囲にあるような方法が好ましく、例えばX線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)などが挙げられる。上記のうち、本発明においてはX線光電子分光法(XPS)が好ましい。例えばポリカーボネートの樹脂の基板を用い、アミノアルキルシラン層を形成後にX線光電子分光法で表面を測定した場合、C1sスペクトルの結合エネルギー291.5〜293.5eVの範囲、例えば292.5eV付近に現れるπ−π Shake−upピークが確認された場合に、アミノアルキルシラン層形成後の基板表面にポリカーボネートが露出していると判断することができる。なお、C1sスペクトルにおいてポリカーボネート由来のピークの存在がわずかでも確認されれば、ピークが存在すると判断することが可能である。
また、本発明においては、アミノアルキルシラン層形成後における基板表面をX線光電子分光法で測定することによって得られるケイ素の存在比率が所定の範囲に制御されていることを基準として、アミノアルキルシラン層が樹脂基板を完全に覆うことなく、樹脂基板が露出していると判断することもできる。本発明においては、ケイ素の存在比率が少なくとも0.5〜5.0原子%の範囲に制御されていれば、樹脂基板が露出していると判断することができる。ケイ素の存在比率はより好ましくは0.8〜3.0原子%であり、さらに好ましくは1.0〜2.0原子%である。一般に、基板表面の親水性(濡れ性)が高い方がアミノアルキルシラン層が形成され易く、それに伴いケイ素の存在比率も高くなる。従って、特に撥水性(例えば水接触角66°以上)の樹脂基板を用いた場合、親水性の樹脂基板と比較してアミノアルキルシランの導入量が抑制されて上記のケイ素の存在比率が得やすくなり、結果として樹脂基板が露出された担体を得ることができる。
アミノアルキルシラン層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、アミノアルキルシランを各種溶媒に溶解した溶液に基板を浸漬することによって、アミノアルキルシラン層を形成することができる。溶媒の種類としては水や各種有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコールを使用することができるが、基板の表面粗度を小さくして自家蛍光を押さえるためには、溶媒として水を使用して、アミノアルキルシランが十分に加水分解された水溶液に基板を浸漬することが好ましい。
アミノアルキルシラン溶液の濃度及び浸漬時間は、使用する具体的な化合物の種類、及び、上述したような本願所定の表面分析のピーク又はケイ素存在比率が得られるように当業者が適宜設定することが可能であるが、例えば0.1重量%〜10重量%、好ましくは1重量%〜8重量%の溶液を使用し、浸漬時間は15分〜180分、好ましくは30分〜150分とすることができる。
本発明の核酸固定化用担体では、上記のアミノアルキルシラン層の上にさらに多価カルボン酸層が形成される。このように多価カルボン酸層を形成することによって、担体の表面側にカルボキシル基が導入される。本発明に使用される多価カルボン酸の種類は特に限定されないが、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー等のカルボキシル基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体を使用することができる。多価カルボン酸のカルボキシル基がアミノアルキルシラン層のアミノ基とアミド結合することによって、多価カルボン酸層はアミノアルキルシラン層の上に強固に結合することが可能となる。なお、多価カルボン酸層はその下にある基板及び/又はアミノアルキルシラン層の少なくとも一部の表面上に形成されていればよく、基板及び/又はアミノアルキルシラン層の表面全体を覆っている必要はない。上記の通り、多価カルボン酸層は、カルボキシル基とアミノ基とのアミド結合によって、アミノアルキルシラン層の上に形成されるため、アミノアルキルシラン層形成後に露出していた樹脂基板は多価カルボン酸層形成後にも依然として露出していると想定される。
多価カルボン酸層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、アミノアルキルシラン層が形成された基板を多価カルボン酸の溶液に浸漬する方法が挙げられる。多価カルボン酸の溶液に使用される溶媒は当業者が適宜選択することが可能であり、水や各種有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコールを使用することができるが、本発明においては水溶液を使用することが好ましい。
多価カルボン酸層溶液の分子量、濃度及び浸漬時間は当業者が適宜設定することが可能であるが、例えば、分子量は2.5万〜100万、好ましくは5万〜50万、特に好ましくは10万〜20万が選択され、濃度としては0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に好ましくは1.0重量%〜5.0重量%が選択され、浸漬時間としては例えば1分〜60分、好ましくは5分〜30分、特に好ましくは10分〜20分が選択される。
本願発明の核酸固定化用担体において、上記の通り形成された多価カルボン酸層のカルボキシル基は活性エステル化される。カルボキシル基を活性エステル化して活性エステル基を形成することによって、最終的に核酸固定化用担体として核酸溶液をスポッティングする際に核酸を安定的に固定化することが可能となる。活性エステル基の種類及びその形成手段は、核酸固定化用担体としての用途に適切なものを当業者が適宜選択することが可能であり特に限定されないが、例えばニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、N−ヒドロキシノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基などが挙げられ、本発明においてはN−ヒドロキシスクシンイミド基が好ましい。活性エステル基を形成する方法としては、例えば1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの脱水縮合剤と、上記のような活性エステル基に対応する各種求電子性基導入剤(N-ヒドロキシスクシンイミドなど)を緩衝液に溶解した溶液中に浸漬することによって、多価カルボン酸層のカルボキシル基を活性エステル化することができる。
上記により得られる本発明の生体関連分子固定化用担体は、その表面上に生体関連分子を固定化することができる。本発明における生体関連分子は好ましくは核酸である。核酸含有溶液を生体関連分子固定化用担体に点着し、担体上に結合されなかった未反応の核酸溶液を洗浄することにより、核酸が固定化された担体を得ることができる。担体上に核酸含有溶液をスポットする方法は核酸含有溶液を保持したピンを担体上に接触させて点着する方法、あるいは核酸含有溶液をインクジェットにより担体上に吹き付ける方法などがあるが、特に限定されず、当業者に知られる任意の装置及び方法等を使用して行うことが可能である。
上記のように作製された核酸固定化担体は、被検試料中の標的核酸の存在の検出に使用することができる。例えば、核酸としてDNAを使用する場合を例示すると、被検試料からDNAを抽出して増幅し、それを核酸固定化担体(DNAチップやマイクロアレイなど)上の核酸とハイブリダイズさせて検出することにより、被検試料中の特定の微生物汚染の有無などを確認することができる。DNAを抽出する方法としては、例えばフェノール抽出法、フェノール・クロロホルム抽出法、アルカリ溶解法、ボイリング法が挙げられる。また、市販のDNA抽出試薬や核酸自動抽出装置を用いてDNAを抽出する方法が挙げられる。
抽出されたDNAは、必要によりそのターゲット領域が核酸増幅方法により増幅される。ターゲット領域とは、染色体DNAのうち、核酸増幅方法により増幅できる領域であり、検出対象の微生物を検出することができるものであれば特に制限されず、目的に応じて適宜設定することができる。例えば、被検試料に検出対象の微生物と異なる種類の細胞が含まれる場合には、ターゲット領域は、検出対象の微生物に特異的な配列を有することが好ましい。また、目的によっては、複数種の微生物に共通する配列を有するものであってもよい。核酸増幅方法としては、PCR法(polymerase chain reaction)、SDA法(strand displacement amplification)、LCR法(ligase chain reaction)、LAMP法(loop-mediated isothermal amplification),ICAN法(isothermal and chimeric primer-initiated amplification of nucleic acids)などが存在し、その中でもPCR法を用いることが好ましい。例えばPCR法で増幅されるターゲット領域の長さとしては、通常80〜1000塩基、好ましくは100〜500塩基が挙げられる。
増幅されたDNAは、本発明の核酸固定化担体を用いて検出される。担体上に固定化されている核酸(プローブ)は、特定の遺伝子やタンパク質などの多種の生体関連分子が混在し、他と区別しにくく直接には選択が困難である場合に、標的とする生体関連分子にのみ結合させることで、検出可能にする検出子である。例えば、生体関連分子として、特定の微生物の核酸を検出する場合、プローブには、この微生物の核酸が有する塩基配列と相補的な配列を有するDNA断片が用いられ、核酸とのハイブリダイゼーションが行われる。プローブには通常1〜200塩基、好ましくは10〜150塩基のDNAが固定化される。DNAは一本鎖、二本鎖のいずれも固定化することができる。また、標的の生体関連分子を蛍光物質などで予め標識しておくことで、プローブに結合した生体関連分子を検出することができる。生体関連分子とプローブの結合反応に用いられる溶液には、生体関連分子の他、例えばクエン酸−生理食塩水にSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を添加した緩衝液などが含有される。
以下、実施例に基づいて本願の態様をさらに詳細に説明する。
[実験例1]
カーボンブラックを含有するポリカーボネート基板(白石工業株式会社製 以下、黒色PC基板)を準備し、接触角計(共和界面株式会社製 DropMaster700)を用いて水接触角を測定した。次に、5重量%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液に黒色PC基板を2時間浸漬した後、取り出し、純水で洗浄後、70℃で2時間乾燥した。この基板をX線光電子分光分析機(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製 K-Alpha XPS system)で測定し、Siの存在比率を確認した。次に、ESCAの測定を実施していない部分について、1%ポリアクリル酸水溶液に10分間浸漬した後、取り出し、純水で洗浄後、80℃で2時間乾燥した。この基板をX線光電子分光分析機で測定し、C1sスペクトルを得た。ピーク分離後のチャートを図1に示す。
その後、ESCAの測定を実施していない部分について、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)200mlに0.1Mの1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩と0.1MのN−ヒドロキシスクシンイミドを溶解した活性化液中に10分間浸漬することによって活性化した。得られた固体支持体に、オリゴDNA(10μM)を含む30%PEG300溶液をスポッティングし、80℃で1時間加熱後、スポット形状を実体顕微鏡(ライカマイクロシステムズ株式会社 Leica EZ4D)で撮影した。また、デジタルカメラ内蔵の実体顕微鏡で撮影したスポット画像を基に画像処理ソフト上で各スポットの直径を測定し、X軸方向とY軸方向の直径の平均によりスポット径を算出した。
[実験例2]
3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液への浸漬時間を30分間に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例3]
3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液の濃度を1%に、浸漬時間を30分間に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例4]
3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液の濃度を0.1%に、浸漬時間を30分間に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例5]
黒色PCをカーボンブラック非含有PCに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例6]
黒色PCをポリブチレンテレフタレート(PBT)に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例7]
黒色PCをポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例8]
黒色PCをポリプロピレン(PP)に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例9]
黒色PCをポリメチルペンテン(PMP)に代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例10]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入した黒色PCに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例11]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入したカーボンブラック非含有PCに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例12]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入したPBTに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例13]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入したPMMAに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例14]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入したPPに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例15]
黒色PCを、コロナ照射により表面に親水基を導入したPMPに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
[実験例16]
黒色PCを、真空UV照射により表面に親水基を導入した黒色PCに代えた以外は、実験例1と同様に基板を作成した。
実験例1〜13について、使用した樹脂基板、行った親水化処理、表面処理前の水接触角、アミノアルキルシラン層形成後のSiの存在比率、X線光電子分光分析による樹脂ピーク検出の有無、スポット形状およびスポット径を表1に示す。
表1
*「−」:測定せず。
表1の実験例1、10、16に示すとおり、親水化処理により接触角が低下し、それに応じてアミノアルキルシラン層の導入量(Siの存在比率)が増加した。実験例1では良好なスポットが得られたのに対し、実験例10ではスポットがにじみ、実験例16では処理膜が破損したようなスポット形態が観察された。
また、図1のC1sスペクトルチャートが示すとおり、アミノアルキルシラン層形成後のX線光電子分光分析において、実験例1および実験例10では、束縛エネルギー292.5eV付近に現れるPCに由来するπ−π Shake−upピークが確認された。このことから、これらの実験条件で作成した基板では、アミノアルキルシラン層が薄く形成されPC面が露出していると推察される。一方で、実験例16ではπ−π Shake−upピークが確認できなかった。そのため、実験例16では、基板表面が厚いアミノアルキルシラン層に覆われていてPC面は露出していないと推察される。
これらのことから、実験例1では撥水性の基板が露出するようにアミノアルキルシラン層が薄く形成されている状態であり、この状態であれば良好なスポット形状が得られることがわかる。また、実験例10では親水化された基板が露出している状態であり、このような状態では、良好なスポットが得られるものの一部にじみが生じることがわかる。さらに、実験例16では基板がアミノアルキルシラン層に覆われ露出していない状態であり、このような状態では、スポット形状は不良となることがわかる。
以上のことから、アミノアルキルシラン層形成後の基板の露出状態と、露出している樹脂基板表面の濡れ性を制御することでスポット形状を安定化できることがわかる。
また、表1の実験例2〜4に示すとおり、3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液の濃度や浸漬時間を変更することで、アミノアルキルシラン層がさらに薄く形成され樹脂が露出した基板を作成することができるが、いずれもスポット形状は良好であり、Si存在比率が0.64原子%程度の基板の場合でも、実験例1と同様にスポット形状を安定化できることが分かる。
さらに、表1の実験例5〜9、11〜15に示すとおり、親水化処理を行っていないサンプルの水接触角は72.8〜106.6°であり、スポット形状は良好であった。その一方で、親水化処理を行ったサンプルでは水接触角が46.6〜72.8°に低下し、Si存在比率は1.42〜3.11原子%であった。この範囲のSi存在比率であれば、薄いアミノアルキルシラン層が形成され樹脂基板表面が露出していると推察される。スポット形状は、水接触角が66.1°以上の基板を用いた場合(実験例14、15)は良好であり、水接触角がそれよりも低い基板を用いた場合(実験例11〜13)にはにじみが発生した。
以上のことから、露出した樹脂基板表面の濡れ性はスポット形状に大きく影響し、アミノアルキルシラン層が薄く形成され樹脂表面が露出していると推察される基板において、露出している樹脂表面の水接触角が66.1°以上であれば、にじみがなく良好なスポットが得られることがわかる。

Claims (7)

  1. 撥水性の樹脂基板と、該樹脂基板上に形成されたアミノアルキルシラン層と、該アミノアルキルシラン層上に形成された多価カルボン酸層を有する生体関連分子固定化用担体であって、前記多価カルボン酸層のカルボキシル基は活性エステル化されており、前記アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出していること特徴とする、生体関連分子固定化用担体。
  2. 前記樹脂基板表面の水接触角が66°以上である、請求項1に記載の生体関連分子固定化用担体。
  3. 前記アミノアルキルシラン層の形成後の基板の表面分析において前記樹脂由来のピークが検出される、請求項1又は2に生体関連分子固定化用担体。
  4. 前記アミノアルキルシラン層形成後の基板表面のケイ素の存在比率が0.5〜5.0原子%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体関連分子固定化用担体。
  5. 前記樹脂基板が、ポリカーボネートであり、前記アミノアルキルシラン層形成後の基板表面のX線光電子分光分析のC1sスペクトルにおいてπ−π Shake−upピークが検出される、請求項1〜4いずれか1項に記載の生体関連分子固定化担体。
  6. 前記樹脂基板が黒色顔料含有のポリカーボネートである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体関連分子固定化用担体。
  7. 撥水性の樹脂基板の上にアミノアルキルシラン層を形成する工程、該アミノアルキルシラン層の上に多価カルボン酸層を形成する工程、及び、該多価カルボン酸層のカルボキシル基を活性エステル化する工程を含む、生体関連分子固定化用担体の製造方法であって、前記アミノアルキルシラン層を形成する工程は、アミノアルキルシラン層の形成後に前記樹脂基板が露出する条件で行われる、製造方法。
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