JP4376813B2 - バイオチップ用基板およびバイオチップ - Google Patents

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Description

本発明は、生体試料中の多数の蛋白質、核酸等の並列検出および分析に用いられるバイオチップに関する。より詳細には、本発明は、プロテオミクス、ならびに遺伝子活性の細胞内蛋白質レベルでの測定に用いられるバイオチップ用基板に関する。
遺伝子活性の評価や疾患プロセス、薬物効果の生物学的プロセスを含む生物学的プロセスを解読するための試みは、伝統的に、ゲノミクスに焦点が当てられてきたが、プロテオミクスは、細胞の生物学的機能についてより詳細な情報を提供する。プロテオミクスは、遺伝子レベルというよりもむしろ、蛋白質レベルでの発現を検出し、定量することによる、遺伝子活性の定性的かつ定量的な測定を含む。また、蛋白質の翻訳後修飾、蛋白質間の相互作用など遺伝子にコードされない事象の研究を含む。
膨大なゲノム情報の入手が可能となった今日、プロテオミクス研究はますます迅速高効率(ハイスループット)化が求められている。この目的の分子アレイとしてDNAチップが実用化されてきた。一方、生体機能において最も複雑で多様性の高い蛋白質の検出に関しては、プロテインチップが提唱され、最近研究が進められている。プロテインチップとは、蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ(微小な基板)表面に固定化したものを総称する。
しかし、現状のプロテインチップは一般にDNAチップの延長線上に位置付けられて開発がなされている為、ガラス基板上に蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ表面に固定化する検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
プロテインチップのシグナル検出において、信号対雑音比を低下させる原因として検出対象物質の基板への非特異的な吸着(たとえば、非特許文献1参照)が挙げられる。
固定化する方法としては2通りの方法が実施されている。その一つは蛋白質の物理的吸着による固定化の方法である。この方法では、蛋白質を固定化した後に2次抗体の非特異的吸着を防止するため、吸着防止剤のコーティングが行われているが、これらの非特異的吸着防止能は十分でない。また1次抗体を固定化した後に吸着防止剤をコーティングするため固定化した蛋白質の上にコーティングされてしまい、2次抗体と反応できないという問題があった。このため、1次抗体の固定化後、吸着防止剤をコーティングすることなく、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオチップが求められている。
これを解決するため、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオチップが求められているが、このようなバイオチップを用いた場合、蛋白質を補足させた後の洗浄工程において基板に固定化した蛋白質またはそれを捕捉する分子が流出し、信号が低下するという問題があった。
特開2001−116750号公報 「DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、羊土社、2000年、p.57
本発明の目的は、吸着防止剤をコーティングすることなく、検出対象物質の非特異的な吸着・結合を抑制し、さらに基材洗浄による信号低下を低減することができ、検出精度の高いバイオチップ用基板を得ることである。
本発明は、
(1) 固相基板の表面に生理活性物質を固定化するバイオチップ用基板であって、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を有することを特徴とするバイオチップ用基板、
(2) 固相基板の表面に生理活性物質を固定化するバイオチップ用基板であって、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基有する単量体及びアルキル基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を有することを特徴とするバイオチップ用基板、
(3) ホスホリルコリン基を有する単量体が下記の一般式[1](式中R1は水素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基を示す。pは1〜20の整数を示す。pが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレンオキシ基の連鎖であってもよい。)で表されるものである(1)または(2)記載のバイオチップ用基板、
Figure 0004376813
(4)ホスホリルコリン基を有する単量体が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである(3)記載のバイオチップ用基板、
(5)活性エステル基を有する単量体が下記の一般式[2](式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Yは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基またはアルキル基を示す。Wは活性エステル基を示す。qは1〜20の整数を示す。qが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるYは、それぞれ同一であっても、または異なるアルキレンオキシ基の連鎖であってもよい。)で表されるものである(1)〜(4)いずれか記載のバイオチップ用基板、
Figure 0004376813
(6)活性エステル基を有する単量体がp−ニトロフェニルオキシカルボニル−4.5−エチレングリコールメタクリレートまたはN−ヒドロキシスクシンイミド−4.5−エチレングリコールメタクリレートである(5)記載のバイオチップ用基板、
(7)架橋可能な官能基を有する単量体が下記の一般式[3](式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキル基を示す。ただし、Zはなくても構わない。A、A、Aの内、少なくとも1個は加水分解可能基であり、その他はアルキル基を示す。)で表されるものである(1)〜(6)いずれか記載のバイオチップ用基板、
Figure 0004376813
(8)一般式[3]中において、A、A、Aの内、少なくとも1つはアルコキシル基である(7)記載のバイオチップ用基板、
(9)アルキル基を有する単量体がn―ブチルメタクリレートである(2)〜(8)いずれか記載のバイオチップ用基板、
(10) 固相基板がプラスチック製である(1)〜(9)いずれか記載のバイオチップ用基板、
(11) プラスチックが飽和環状ポリオレフィンである(10)記載のバイオチップ用基板、
(12) 固相基板がガラス製である(1)〜(9)いずれか記載のバイオチップ用基板、
(13) (1)〜(12)いずれか記載のバイオチップ用基板に生理活性物質を固定化したバイオチップ、
である。
本発明によれば、吸着防止剤をコーティングすることなく、検出対象物質の非特異的な吸着・結合を抑制し、さらに基材洗浄による信号低下を低減することができ、検出精度のバイオチップ用基板を得ることができる。
本発明に使用する高分子化合物は、ホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基を有する単量体を共重合していることを特徴とする。この高分子化合物は、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質、生理活性物質を固定化する性質および高分子主鎖同士を架橋させる性質を併せ持つポリマーで、ホスホリルコリン基が生理活性物質の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、活性エステルが生理活性物質を固定化する役割を果たす。
本発明に使用する架橋可能な官能基を有する単量体は、架橋可能な官能基の反応が高分子化合物合成中に進行しないものであれば特に制限されるものではないが、一般式[3]で表される単量体であることが好ましい。
架橋可能な官能基としては、例えば加水分解によりシラノール基を生成する官能基やグリシジル基などが用いられるが、より低温で架橋できることから加水分解によりシラノール基を生成する官能基が好ましい。
加水分解によりシラノール基を生成する官能基を有する単量体は、(メタ)アクリル基と加水分解によりシラノール基を生成する官能基が炭素数1〜20のアルキル鎖を介して、または直接結合した化合物である。加水分解によりシラノール基を生成する官能基とは、水と接触すると容易に加水分解を受けシラノール基を生成する基であり、例えば、ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、フェノキシシリル基、アセトキシシリル基等を挙げることができる。なかでもアルコキシシリル基がシラノール基を生成し易い点から好ましい。アルコキシシリル基を含有する単量体としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、8−(メタ)アクリロキシオクタニルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロキシウンデニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン化合物等を挙げることができる。なかでも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランがホスホリルコリン基を有する単量体との共重合性が優れている点、入手が容易である点等から好ましい。これらのアルコキシシリル基を有する単量体は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
本発明に使用するホスホリルコリン基を有する単量体は、特に構造を限定しないが、一般式[1]で表される(メタ)アクリル基とホスホリルコリン基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基Xの連鎖を介して結合した化合物であることが好ましい。式中のアルキレンオキシ基Xの繰り返し数は1〜20の整数であり、繰り返し数2以上20以下の場合は、繰り返されるアルキレンオキシ基の炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。ホスホリルコリン基を有する単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−(メタ)アクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン等を挙げられるが、入手性から2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
本発明に使用する活性エステル基を有する単量体は、特に構造を限定しないが、一般式[2]で表される(メタ)アクリル基と活性エステル基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基の連鎖またはアルキル基を介して結合した化合物であることが好ましい。アルキレンオキシ基Yの繰り返し数は1〜20の整数であり、繰り返し数2以上20以下の場合は、繰り返されるアルキレンオキシ基の炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。
本発明に使用する「活性エステル基」は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。実際的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
このような活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、p−ニトロフェニルエステル基又はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基が好ましい。
本発明に使用する高分子化合物は、ホスホリルコリン基、活性エステル基および架橋可能な官能基以外に他の基を含んでもよい。例えば、アルキル基を有する単量体を共重合させてもよく、アルキル基を有する単量体としてはブチルメタクリレート基が好ましい。
本発明の高分子化合物の合成方法は、特に限定されるものではないが、合成の容易さから、少なくともホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体および架橋可能基を有する単量体を含む混合物を、重合開始剤存在下、溶媒中でラジカル重合することが好ましい。
溶媒としてはそれぞれの単量体が溶解するものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。プラスチック基材に該高分子化合物を塗布する場合は、エタノール、メタノールが基材を変性させないため好ましい。
重合開始剤としては通常のラジカル開始剤ならいずれでもよく、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチルニトリル(以下「AIBN」という)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1 −カルボニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。
本発明の高分子化合物の化学構造は、少なくともホスホリルコリン基、活性エステル基及び架橋可能な官能基を有する各単量体が共重合されたものであれば、その結合方式がランダム、ブロック、グラフト等いずれの形態をなしていてもかまわない。
本発明の高分子化合物の分子量は、高分子化合物と未反応の単量体との分離精製が容易になることから、数平均分子量は5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。
本発明の高分子化合物は、基材表面を該高分子化合物で被覆することにより、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質、特定の生理活性物質を固定化する性質を容易に付与することが可能である。さらに、高分子主鎖同士を架橋させる性質を併せ持つことから、基材表面を被覆した後に、架橋させることが可能である。これにより、基材上の高分子に不溶性を付与することができ、基材洗浄による信号低下を低減することができる。
基材表面への高分子化合物の被覆は、例えば有機溶剤に高分子化合物を0.05〜10重量%濃度になるように溶解した高分子溶液を調製し、浸漬、吹きつけ等の公知の方法で基材表面に塗布した後、室温下ないしは加温下にて乾燥させることにより行われる。その後、架橋可能な官能基に応じた任意の方法で高分子の主鎖同士を架橋させる。架橋可能な官能基が加水分解によりシラノール基を生成する官能基の場合の高分子化合物の被覆については、有機溶剤中に水を含有させた混合溶液を用いてもよい。含有される水により加水分解が生じ、該合成高分子中にシラノール基が生成し、さらに加熱することにより主鎖同士が結合され、高分子化合物が不溶になる。
含水量が少ないとシラノール基の生成が不十分で、架橋結合が弱くなる。一方、含水量が多くなると高分子化合物が溶媒に不溶となる恐れがある。理論上加水分解によりシラノール基を生成するのに必要な水が含有されていれば十分であるが、溶液の調製の容易さを考えると、含水量が約0.01〜15重量%程度のものが好ましい。
有機溶剤としてはエタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等の単独溶媒またはこれらの混合溶剤が使用される。中でも、エタノール、メタノールがプラスチック基材を変性させず、乾燥させやすいため好ましい。また、溶液中で高分子化合物を加水分解させる場合にも、水と任意の割合で混ざるので好ましい。
本発明の高分子化合物を溶解した溶液を基材表面に塗布した後、乾燥させる工程において、高分子化合物中のシラノール基は、他の高分子化合物中のシラノール基、水酸基、アミノ基等と脱水縮合して架橋を形成する。さらに基材表面に水酸基、カルボニル基、アミノ基などがある場合も同様に脱水縮合し、基材表面と化学的に結合することができる。シラノール基の脱水縮合により形成される共有結合は加水分解されにくい性質があるので、基材表面に被覆された高分子化合物は容易に溶解したり、基材から脱離してしまうことはない。シラノール基の脱水縮合は加熱処理により促進される。高分子化合物が熱により変成されない温度範囲内、例えば、60〜120℃で5分間〜24時間加熱処理するのが好ましい。
本発明の高分子化合物を基材に塗布することで容易に基材に生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質を与えることができる。さらに該高分子化合物を架橋することで、基材上の高分子化合物に不溶性を付与することができる。これらのことより、該高分子化合物を塗布した基材はバイオチップ用基板に好適に用いることができる。
本発明のバイオチップ用基板を使用して各種の生理活性物質を固定化することができる。固定化する生理活性物質として核酸を用いる場合、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基の導入位置は分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端にアミノ基が導入されていることが好ましい。生理活性物質がアプタマー、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、糖蛋白質の場合もアミノ基を有することが好ましい。
以下に本発明に使用する高分子化合物の合成例を示す。
(合成例1)
MPC、n−ブチルメタクリレート(BMA)、MEO4.5NP、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MPTES)をそれぞれ順に0.25mol/L、0.65mol/L、0.05mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこにさらに0.002mol/LのAIBNを添加し、均一になるまで撹拌した。その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で3時間反応させた後、反応溶液をジエチルエーテルとクロロホルムの混合溶媒中に滴下し、沈殿を収集した。得られた高分子化合物を1H―NMRで測定し、0.64ppm付近に現れるMPDESのSiに結合したメチレンに帰属されるピーク、1.46および1.65ppm付近に現れるBMAのメチレンに帰属されるピーク、3.34ppm付近に現れるMPCのトリメチルに帰属されるピーク、7.6および8.4ppm付近に現れるMEO4.5NPのベンゼン環に帰属されるピーク、それぞれの積分値より、この高分子化合物の組成比を算出した。表1に結果を示した。
(合成例2)
MPC、BMA、MEO4.5NP、MPTESをそれぞれ順に0.25mol/L、0.68mol/L、0.05mol/L、0.02mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。その後、実施例1と同様の方法で高分子化合物を重合、収集した。この高分子化合物についても組成比を1H―NMRで測定し、表1に示す結果を得た。
(合成例3)
MPC、BMA、MEO4.5NP、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン(MPDES)をそれぞれ順に0.25mol/L、0.65mol/L、0.05mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。その後、実施例1と同様の方法で高分子化合物を重合、収集した。この高分子化合物についても組成比を1H―NMRで測定し、表1に示す結果を得た。
(合成例4)
MPC、BMA、MEO4.5NPをそれぞれ順に0.25mol/L、0.70mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。その後は実施例1と同様の方法で、高分子化合物を重合、収集した。この高分子化合物についても組成比を1H―NMRで測定し、表1に示す結果を得た。
(実施例1−3)
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工して固相基板を作成した。この固相基板をそれぞれ合成例1−3にてえられた高分子化合物の0.3重量%エタノール溶液に浸漬、風乾することにより、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基有する単量体及びアルキル基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を導入した。
(比較例1)
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工して固相基板を作成した。この固相基板を合成例4にて得られた高分子化合物の0.3重量%エタノール溶液に浸漬、風乾することにより、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及びアルキル基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を導入した。
(評価実験)
次に該基板上でサンドイッチ法を実施した。詳細はまず、該基板に自動スポッターにより表1に示した希釈倍率で調製された一次抗体である抗マウスIgG2aをスポット後、室温4℃の環境下に24時間静置した。その後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することにより活性エステルを失活させた。その後1.0%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬した。
その後、抗原であるマウス IgG2aと抗原抗体反応を実施後、0.1wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて30分間洗浄した。
洗浄後、二次抗体であるビオチン標識抗マウス IgG2aと抗原抗体反応を実施し、0.1wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて30分間洗浄した。
最後にCy5標識されたストレプトアビジンと反応させた後、0.1wt%の非イオン性界面活性剤Tween20(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)を添加した1×SSCバッファ(Zymed Laboratories, Inc.製SSC20×Bufferを希釈して使用)で室温にて30分間洗浄した。
各スポットについて蛍光量測定を行った。結果を表2に示す。
実施例および比較例における蛍光量の測定には、Packard BioChip Technologies社製マイクロアレイスキャナー「ScanArray」を用いた。測定条件は、レーザー出力90%、PMT感度60%、励起波長649nm、測定波長670nm、解像度50μmであった。
実施例は、高いスポットシグナル値が観測されたが、比較例1は低いスポットシグナル値をしめした。
Figure 0004376813
Figure 0004376813

Claims (13)

  1. 固相基板の表面に生理活性物質を固定化するバイオチップ用基板であって、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を有することを特徴とするバイオチップ用基板。
  2. 固相基板の表面に生理活性物質を固定化するバイオチップ用基板であって、基板表面にホスホリルコリン基を有する単量体、活性エステル基を有する単量体及び架橋可能な官能基有する単量体及びアルキル基を有する単量体を共重合してなる高分子化合物を含む層を有することを特徴とするバイオチップ用基板。
  3. ホスホリルコリン基を有する単量体が下記の一般式[1](式中R1は水素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基を示す。pは1〜20の整数を示す。pが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレンオキシ基の連鎖であってもよい。)で表されるものである請求項1または2記載のバイオチップ用基板。
    Figure 0004376813
  4. ホスホリルコリン基を有する単量体が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである請求項3記載のバイオチップ用基板。
  5. 活性エステル基を有する単量体が下記の一般式[2](式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Yは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基またはアルキル基を示す。Wは活性エステル基を示す。qは1〜20の整数を示す。qが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるYは、それぞれ同一であっても、または異なるアルキレンオキシ基の連鎖であってもよい。)で表されるものである請求項1〜4いずれか記載のバイオチップ用基板。
    Figure 0004376813
  6. 活性エステル基を有する単量体がp−ニトロフェニルオキシカルボニル−4.5−エチレングリコールメタクリレートまたはN−ヒドロキシスクシンイミド−4.5−エチレングリコールメタクリレートである請求項5記載のバイオチップ用基板。
  7. 架橋可能な官能基を有する単量体が下記の一般式[3](式中Rは水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキル基を示す。ただし、Zはなくても構わない。A、A、Aの内、少なくとも1個は加水分解可能基であり、その他はアルキル基を示す。)で表されるものである請求項1〜6いずれか記載のバイオチップ用基板。
    Figure 0004376813
  8. 一般式[3]中において、A、A、Aの内、少なくとも1つはアルコキシル基である請求項7記載のバイオチップ用基板。
  9. アルキル基を有する単量体がn―ブチルメタクリレートである請求項2〜8いずれか記載のバイオチップ用基板。
  10. 固相基板がプラスチック製である請求項1〜9いずれか記載のバイオチップ用基板。
  11. プラスチックが飽和環状ポリオレフィンである請求項10記載のバイオチップ用基板。
  12. 固相基板がガラス製である請求項1〜9いずれか記載のバイオチップ用基板。
  13. 請求項1〜12いずれか記載のバイオチップ用基板に生理活性物質を固定化したバイオチップ。
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