JP2006258630A - バイオチップ用基板及びバイオチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛋白質、核酸等の検出および分析に用いられる際に、吸着防止剤をコーティングすることなく、検出対象物質の非特異的な吸着・結合を抑制し、検出精度が高いバイオチップ用基板を製造すること。
【解決手段】生理活性物質捕捉分子を固定化し、更に生理活性物質を検出する際に用いられるバイオチップ用基板の製造方法であって、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成する工程、及び高分子物質を含む層を加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップ用基板の製造方法。
【解決手段】生理活性物質捕捉分子を固定化し、更に生理活性物質を検出する際に用いられるバイオチップ用基板の製造方法であって、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成する工程、及び高分子物質を含む層を加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップ用基板の製造方法。
Description
本発明は、生体試料中の多数の蛋白質、核酸等の並列検出および分析に用いられるバイオチップ用基板及びバイオチップに関する。より詳細には、本発明は、プロテオミクス、ならびに遺伝子活性の細胞内蛋白質レベルでの測定に用いられるバイオチップ用基板及びバイオチップに関する。
遺伝子活性の評価や疾患プロセス、薬物効果の生物学的プロセスを含む生物学的プロセスを解読するための試みは、伝統的に、ゲノミクスに焦点が当てられてきたが、プロテオミクスは、細胞の生物学的機能についてより詳細な情報を提供する。プロテオミクスは、遺伝子レベルというよりもむしろ、蛋白質レベルでの発現を検出し、定量することによる、遺伝子活性の定性的かつ定量的な測定を含む。また、蛋白質の翻訳後修飾、蛋白質間の相互作用など遺伝子にコードされない事象の研究を含む。
膨大なゲノム情報の入手が可能となった今日、プロテオミクス研究はますます迅速高効率(ハイスループット)化が求められている。この目的の分子アレイとしてDNAチップが実用化されてきた。一方、生体機能において最も複雑で多様性の高い蛋白質の検出に関しては、プロテインチップが提唱され、最近研究が進められている。プロテインチップとは、蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ(微小な基板)表面に固定化したものを総称する。
膨大なゲノム情報の入手が可能となった今日、プロテオミクス研究はますます迅速高効率(ハイスループット)化が求められている。この目的の分子アレイとしてDNAチップが実用化されてきた。一方、生体機能において最も複雑で多様性の高い蛋白質の検出に関しては、プロテインチップが提唱され、最近研究が進められている。プロテインチップとは、蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ(微小な基板)表面に固定化したものを総称する。
しかし、現状のプロテインチップは一般にDNAチップの延長線上に位置付けられて開発がなされている為、ガラス基板上に蛋白質、またはそれを捕捉する分子をチップ表面に固定化する検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。
プロテインチップのシグナル検出において、プロテインチップ基板への検出対象物質の非特異的な吸着は信号対雑音比を低下させる原因となり、検出精度を低下させる(たとえば、非特許文献1参照)。
このため通常のサンドイッチ法では1次抗体を固定化した後に2次抗体の非特異的吸着を防止するため、吸着防止剤のコーティングが行われているが、これらの非特異的吸着防止能は十分でない。また1次抗体を固定化した後に吸着防止剤をコーティングするため、固定化した1次抗体の上に吸着防止剤がコーティングされてしまい、2次抗体と反応できないという問題があった。このため、1次抗体の固定化後、吸着防止剤をコーティングすることなく、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオチップが求められている。
特開2001−116750号公報
「DNAマイクロアレイ実戦マニュアル」、林崎良英、岡崎康司編、羊土社、2000年、p.57
プロテインチップのシグナル検出において、プロテインチップ基板への検出対象物質の非特異的な吸着は信号対雑音比を低下させる原因となり、検出精度を低下させる(たとえば、非特許文献1参照)。
このため通常のサンドイッチ法では1次抗体を固定化した後に2次抗体の非特異的吸着を防止するため、吸着防止剤のコーティングが行われているが、これらの非特異的吸着防止能は十分でない。また1次抗体を固定化した後に吸着防止剤をコーティングするため、固定化した1次抗体の上に吸着防止剤がコーティングされてしまい、2次抗体と反応できないという問題があった。このため、1次抗体の固定化後、吸着防止剤をコーティングすることなく、生理活性物質の非特異的吸着量の少ないバイオチップが求められている。
本発明は、吸着防止剤をコーティングすることなく、非特異的な吸着・結合を抑制し、検出精度の高いバイオチップ用基板を製造することを目的とする。
本発明は、
(1)生理活性物質捕捉分子を固定化し、更に生理活性物質を検出する際に用いられるバイオチップ用基板の製造方法であって、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成する工程、及び高分子物質を含む層を加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップ用基板の製造方法、
(2)前記ホスホリルコリン基が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基である(1)記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(3)前記活性エステル基がp−ニトロフェニルエステル基である(1)又は(2)記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(4)前記高分子物質が更にブチルメタクリレート基を含む共重合体である(1)〜(3)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(5)前記加湿処理する工程が、40〜75℃の飽和水蒸気中で高分子物質を含む層を処理する工程を含む(1)〜(4)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(6)(1)〜(5)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法で得られたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化することを特徴とするバイオチップの製造方法、
(7)基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成されたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化する工程、及び加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法、
(8)前記生理活性物質捕捉分子が核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、糖蛋白質、及び抗体の内、少なくとも一つである(6)又は(7)記載のバイオチップの製造方法、
(9)(6)〜(8)いずれか記載のバイオチップの製造方法で得られたバイオチップに、検出する生理活性物質として核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、及び糖蛋白質の内、少なくとも一つの生理活性物質を固定化することを特徴とするバイオチップの使用方法、
である。
(1)生理活性物質捕捉分子を固定化し、更に生理活性物質を検出する際に用いられるバイオチップ用基板の製造方法であって、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成する工程、及び高分子物質を含む層を加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップ用基板の製造方法、
(2)前記ホスホリルコリン基が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基である(1)記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(3)前記活性エステル基がp−ニトロフェニルエステル基である(1)又は(2)記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(4)前記高分子物質が更にブチルメタクリレート基を含む共重合体である(1)〜(3)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(5)前記加湿処理する工程が、40〜75℃の飽和水蒸気中で高分子物質を含む層を処理する工程を含む(1)〜(4)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法、
(6)(1)〜(5)いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法で得られたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化することを特徴とするバイオチップの製造方法、
(7)基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成されたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化する工程、及び加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法、
(8)前記生理活性物質捕捉分子が核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、糖蛋白質、及び抗体の内、少なくとも一つである(6)又は(7)記載のバイオチップの製造方法、
(9)(6)〜(8)いずれか記載のバイオチップの製造方法で得られたバイオチップに、検出する生理活性物質として核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、及び糖蛋白質の内、少なくとも一つの生理活性物質を固定化することを特徴とするバイオチップの使用方法、
である。
本発明のバイオチップ用基板の製造方法によれば、吸着防止剤をコーティングすることなく、加湿処理を施すことにより、検出対象物質の非特異的な吸着・結合を抑制し、検出精度の高いマイクロアレイを得ることができる。
本発明に使用するバイオチップ用基板は、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成している。ホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質は、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質と生理活性物質を固定化する性質とを併せ持つポリマーで、ホスホリルコリン基は生理活性物質の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、活性エステルは生理活性物質を捕捉する分子を固定化する役割を果たす。
このような高分子物質は、各種の方法で得られるが、ホスホリルコリン基を有する単量体及び活性エステル基を有する単量体を共重合する方法が好ましい。。
このような高分子物質は、各種の方法で得られるが、ホスホリルコリン基を有する単量体及び活性エステル基を有する単量体を共重合する方法が好ましい。。
本発明に使用するホスホリルコリン基を有する単量体としては、特に構造を限定しないが、一般式[1]で表される(メタ)アクリル基とホスホリルコリン基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基Xの連鎖を介して結合した化合物であることが好ましい。式中R1は水素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数1〜10のアルキレンオキシ基を示す。pは1〜20の整数を示す。pが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるXは、同一であっても、または異なるアルキレンオキシ基の連鎖であってもよい。
ホスホリルコリン基を有する単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−(メタ)アクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン等を挙げられるが、入手性から2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
ホスホリルコリン基を有する単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−(メタ)アクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン等を挙げられるが、入手性から2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
本発明に使用する活性エステル基を有する単量体としては、特に構造を限定しないが、一般式[2]で表される(メタ)アクリル基と活性エステル基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基の連鎖またはアルキル基を介して結合した化合物であることが好ましい。式中R2は水素原子またはメチル基を示し、Yは炭素数1〜10のアルキレングリコール残基またはアルキル基を示す。Wは活性エステル基を示す。qは1〜20の整数を示す。qが2以上20以下の整数である場合、繰り返されるYは、それぞれ同一であっても、または異なるアルキレングリコール残基の連鎖であってもよい。
本発明における「活性エステル基」とは、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。実際的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
このような活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、p−ニトロフェニルエステル基又はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基が好ましい。
本発明における「活性エステル基」とは、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。実際的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
このような活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、p−ニトロフェニルエステル基又はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基が好ましい。
本発明に使用する高分子物質は、ホスホリルコリン基、及び活性エステル基以外に他の基を含んでもよい。例えば、アルキル基を有する単量体を共重合させてもよく、アルキル基を有する単量体としてはn―ブチルメタクリレートが好ましい。
本発明に使用する高分子物質の合成方法は、特に限定されるものではないが、合成の容易さから、少なくともホスホリルコリン基を有する単量体及び活性エステル基を有する単量体を含む混合物を、重合開始剤存在下、溶媒中でラジカル重合することが好ましい。
本発明に使用する高分子物質は、基材表面を該高分子物質で被覆することにより、生理活性物質の非特異的吸着を抑制する性質、特定の生理活性物質を固定化する性質を容易に付与することが可能である。
(基板の素材)
本発明に使用するバイオチップ用基板の基材は、ガラス、プラスチック、金属その他を用いることができるが、表面処理の容易性、量産性の観点から、プラスチックが好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィンを用いることがより好ましい。ここで飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体をさす。
本発明に使用するバイオチップ用基板の基材は、ガラス、プラスチック、金属その他を用いることができるが、表面処理の容易性、量産性の観点から、プラスチックが好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、含フッ素樹脂等を用いることが好ましく、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、成形性に特に優れる飽和環状ポリオレフィンを用いることがより好ましい。ここで飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体をさす。
基材表面への高分子物質の被覆は、例えば有機溶剤に高分子化合物を0.05〜10重量%濃度になるように溶解した高分子溶液を調製し、浸漬、吹きつけ等の公知の方法で基材表面に塗布した後、室温下ないしは加温下にて乾燥させることにより行われる。
有機溶剤としてはエタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム等の単独溶媒またはこれらの混合溶剤が使用される。中でも、エタノール、メタノールがプラスチック基材を変性させず、乾燥させやすいため好ましい。
(加湿工程)
本発明におけるバイオチップ用基板の加湿工程は、検出する生理活性物質を塗布する前に、40〜75℃、好ましくは50〜65℃の飽和水蒸気中で基板を処理することが好ましい。
生理活性物質捕捉分子に抗体などを用いる場合には捕捉分子の失活を防ぐため、捕捉分子の基板への固定化前に加湿処理を行うことが好ましい。
生理活性物質捕捉分子にDNA、アプタマーなどの核酸を用いる場合には、捕捉分子の基板への固定化後にも加湿処理を行うことができる。
本発明におけるバイオチップ用基板の加湿工程は、検出する生理活性物質を塗布する前に、40〜75℃、好ましくは50〜65℃の飽和水蒸気中で基板を処理することが好ましい。
生理活性物質捕捉分子に抗体などを用いる場合には捕捉分子の失活を防ぐため、捕捉分子の基板への固定化前に加湿処理を行うことが好ましい。
生理活性物質捕捉分子にDNA、アプタマーなどの核酸を用いる場合には、捕捉分子の基板への固定化後にも加湿処理を行うことができる。
本発明のバイオチップ用基板を使用して各種の生理活性物質を固定化することができる。固定化する生理活性物質として核酸を用いる場合、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基の導入位置は分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端にアミノ基が導入されていることが好ましい。生理活性物質がアプタマー、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、糖蛋白質の場合もアミノ基を有することが好ましい。
(実施例1)
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工して固相基板を作成した。固相基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルカルボニルオキシエチルメタクリレート共重合体の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入した。
次に該基板を、純水で充分に湿ったろ紙とともにシャーレ中で密閉し、65℃の環境下に1時間静置して、加湿処理を行った。
そして、該基板上でサンドイッチ法を実施した。詳細はまず、該基板に自動スポッターにより表1に示した希釈倍率で調製された一次抗体である抗マウスIgG2aをスポット後、室温4℃の環境下に24時間静置した。その後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することにより活性エステルを失活させた。その後1.0%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬した。
その後、抗原であるマウス IgG2aと抗原抗体反応を実施後、二次抗体であるビオチン標識抗マウス IgG2aと抗原抗体反応を実施した。最後にCy5標識されたストレプトアビジンと反応させ、各スポットについて蛍光量測定を行った。結果を表1に示す。
飽和環状ポリオレフィン樹脂をスライドガラス形状(寸法:76mm×26mm×1mm)に加工して固相基板を作成した。固相基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルカルボニルオキシエチルメタクリレート共重合体の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入した。
次に該基板を、純水で充分に湿ったろ紙とともにシャーレ中で密閉し、65℃の環境下に1時間静置して、加湿処理を行った。
そして、該基板上でサンドイッチ法を実施した。詳細はまず、該基板に自動スポッターにより表1に示した希釈倍率で調製された一次抗体である抗マウスIgG2aをスポット後、室温4℃の環境下に24時間静置した。その後、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することにより活性エステルを失活させた。その後1.0%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬した。
その後、抗原であるマウス IgG2aと抗原抗体反応を実施後、二次抗体であるビオチン標識抗マウス IgG2aと抗原抗体反応を実施した。最後にCy5標識されたストレプトアビジンと反応させ、各スポットについて蛍光量測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
加湿処理を50℃の環境下で行った以外ははすべて実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
加湿処理を50℃の環境下で行った以外ははすべて実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
加湿処理を行わなかった以外はすべて実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
加湿処理を行わなかった以外はすべて実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
実施例および比較例における蛍光量の測定には、Packard BioChip Technologies社製マイクロアレイスキャナー「ScanArray」を用いた。測定条件は、レーザー出力90%、PMT感度60%、励起波長649nm、測定波長670nm、解像度50μmであった。
実施例は、いずれの比較例よりもバックグランド値が低く、S/N比が大きい結果になった。
実施例は、いずれの比較例よりもバックグランド値が低く、S/N比が大きい結果になった。
Claims (9)
- 生理活性物質捕捉分子を固定化し、更に生理活性物質を検出する際に用いられるバイオチップ用基板の製造方法であって、基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成する工程、及び高分子物質を含む層を加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップ用基板の製造方法。
- 前記ホスホリルコリン基が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基である請求項1記載のバイオチップ用基板の製造方法。
- 前記活性エステル基がp−ニトロフェニルエステル基である請求項1又は2記載のバイオチップ用基板の製造方法。
- 前記高分子物質が更にブチルメタクリレート基を含む共重合体である請求項1〜3いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法。
- 前記加湿処理する工程が、40〜75℃の飽和水蒸気中で高分子物質を含む層を処理する工程を含む請求項1〜4いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載のバイオチップ用基板の製造方法で得られたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化することを特徴とするバイオチップの製造方法。
- 基板表面にホスホリルコリン基及び活性エステル基を有する高分子物質を含む層を形成されたバイオチップ用基板に、生理活性物質捕捉分子を固定化する工程、及び加湿処理する工程、を含むことを特徴とするバイオチップの製造方法。
- 前記生理活性物質捕捉分子が核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、糖蛋白質、及び抗体の内、少なくとも一つである請求項6又は7記載のバイオチップの製造方法。
- 請求項6〜8いずれか記載のバイオチップの製造方法で得られたバイオチップに、検出する生理活性物質として核酸、蛋白質、オリゴペプチド、糖鎖、及び糖蛋白質の内、少なくとも一つの生理活性物質を固定化することを特徴とするバイオチップの使用方法。
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