JP2011516885A - 標識独立検出のための表面及びその方法 - Google Patents

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Abstract

ここに定義された官能基及びスペーサ基修飾重合体組成物、該組成物に協働する物品、並びに該物品を用いた標識独立検出方法。

Description

本出願は、標識独立検出のための表面及びその方法に関する。
(先に出願した米国出願の利益の請求)
本出願は、2008年4月10日に出願された米国特許出願「U.S. Provisional Application Serial No. 61/123,609, filed on April 10, 2008.」の(優先権の)利益を請求する。本願明細書の内容並びに言及される刊行物、特許及び特許文献の全ての開示を引用し、本願明細書に含まれたものとする。
本開示は、標識独立検出方法及び標識独立検出のための被覆物品に関する。
本出願の開示は表面被覆組成物、標識独立検出のための表面修飾基体、表面修飾基体と合体する物品及び標識独立検出方法を提供する。本開示の物品及び方法は結合タンパク質ための優れた受容力及び優れた検体検出感度を提供できる。
図1は、本開示の実施例における重合体被覆組成物の構造部分を示す図である。
図2は、本開示の実施例における重合体被覆組成物の反応性及び非反応性アミド酸基を有する表面結合構造部分を示す図である。
図3は、本開示の実施例における重合体被覆組成物の反応性及び非反応性アミド酸基を有する表面結合構造部分の一例を示す図である。
図4は、本開示の実施例における重合体被覆組成物の反応性及び非反応性アミド酸基を有する表面結合構造部分の特定な例を示す図である。
図5Aは、本開示の実施例における表面結合実体の活性部位へのリガンドアクセス抑制を示す図である。
図5Bは、本開示の実施例における表面結合実体の活性部位へのリガンドアクセス増進を示す図である。
図6は、本開示の実施例における2つの異なる溶媒中のスペーサ長の増加に伴う炭酸脱水酵素II(CAII)固定化のSulfo−NHS活性化の低下傾向を示すグラフである。
図7は、本開示の実施例におけるスペーサのある場合とない場合の被覆プレートの増進固定化能力結果と比較結果を示すグラフである。
図8は、本開示の実施例におけるスペーサのある場合とない場合の被覆プレートの増進フロセミド結合能力結果と比較結果を示すグラフである。
図9は、本開示の実施例における比較プレート及びスペーサを有する増進被覆プレートに対する計算されたタンパク質有用性を示す表である。
図10は、本開示の実施例における2つの異なる溶媒でのpH及びスペーサ長の関数としてのCAII固定化結果を示すグラフである。
図11は、本開示の実施例における2つの異なる溶媒でのpH及びスペーサ長の関数としての固定化されたCAIIのフロセミド結合結果を示すグラフである。
図12は、本開示の実施例における本開示の被覆製品及び市販の被覆製品で得られたCAII固定化の比較を示すセンサグラムである。
図13は、本開示の実施例における本開示の被覆製品(上部曲線)及び市販の被覆製品(下部曲線)で得られたCAII固定化の比較を示すセンサグラムである。
図面を参照して本開示の様々な実施例について以下に詳細に説明する。様々な実施例に対する言及は本発明の範囲を限定するものではなく、本明細書に添付した特許請求の範囲のみによって制限される。さらに、本明細書に記載された例は、限定することを目的とせず、単に特許請求の範囲に記載された発明の多くの可能な実施例を記載するだけである。
定義:
「アッセイ」、「分析する」又は同様の用語は、例えば、リガンド候補化合物などのような外因性刺激による刺激時における、生体分子のもしくは細胞の、存在、非存在、量、範囲、速度、動態力学、又は、生体分子のもしくは細胞の光学的もしくはバイオインピーダンス反応のタイプを確定するための分析をいう。
「付着した」などの用語は、2つの成分又は化合物の間の任意の化学的相互作用を意味する。形成され得る化学的相互作用のタイプは、選択された出発材料又は反応条件に依存して変化する。開示されている付着の例は、例えば、共有結合、静電気結合、イオン結合、水素結合又は疎水性結合を含む。「付着する」、「付着」、「接着する」、「接着した」、「接着性の」「固定化した」又は同様の用語は、例えば、本開示の表面修飾物質、表面被覆重合体、適合化剤、細胞、リガンド候補化合物及び同様の本開示の実体(entities)を、物理吸着、化学的結合及び同様のプロセス又はこれらの組み合せによって表面に固定化する又は不動化することを一般的にいう。バイオセンサ表面は、開示された表面被覆、アンカー又は連結材料、適合化剤(例えばフィブロネクチン、コラーゲン、ラミン、ゼラチン、ポリリジン、その他)などの修飾物質及びそれらの組み合わせを有するように、修飾され、例えば、タンパク質結合及びリガンド検出などの特定の分子の又は細胞の実体に向けバイオセンサ表面の受容力を増進するようになる。特に、「細胞付着」、「細胞吸着」又は同様の用語は表面への細胞の結合又は相互作用を言い、例えば、培養による、又は、アンカー物質、適合化剤(例えばフィブロネクチン、コラーゲン、ラミン、ゼラチン、ポリリジン、その他)での相互作用による、又は、実体によるものである。
「接触」又は「接触する」は例えば、少なくとも1つの物質が他の物質に近接して物理的に対面又は接触することにより、晒される場合を意味する。
「標的」などの用語は、その活性が細胞シグナリングの仲立ち又は細胞機能を調整する細胞のタンパク質又は非細胞生体分子をいう。標的は、例えば、受容体、フォスファターゼ、キナーゼ、酵素、DNA、RNAなどの実体である。受容体は、例えば、aGタンパク質−共役型受容体(GPCR)、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、トランスポータ、イオンチャネル、インテグリン受容体、ナトリウム/プロトン交換体などの実体である。キナーゼは、例えば、タンパク質キナーゼA、タンパク質キナーゼC、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAP)、細胞外シグナル調節キナーゼ、Srcキナーゼ、Rhoキナーゼ、局所接着キナーゼなどの実体である。酵素は、例えば、膜結合アデニリルシクラーゼ、可溶アデニリルシクラーゼ、プロテアーゼなどの実体である。
「スクリーン」、「スクリーニング」などの用語は、例えば、特定の標的、細胞基型又は細胞システムに作用しているそれらの薬理活性を検討するため1つ以上の化合物又は薬剤候補物質又は生物学的製剤(例えばRNAi、抗体)の系統学の調査をいう。薬理学的又は生物学的活性は、生体上の薬剤の有益又は有害効果を説明する発現である。本開示の態様は特に、バイオセンサ系の高いスループットスクリーニング(HTS)応用に有効である。
「プロファイル」、「プロファイリング」又は同様の用語は、特定の標的を通して媒介された細胞又はタンパク質の光学的又はバイオインピーダンス(bioimpedance)の応答の振幅などの公知又は所定のシグナル出力量に基づいた、1つ以上の細胞の標的を通して生細胞又は細胞システム上の薬剤候補物質化合物の薬理活性又は生物学的作用についての外挿の情報である。
「マーカ」又は同類語は、分子、生体分子又は少なくとも1つの細胞標的の活性を調整することが可能である生物学的製剤をいい、(例えばGq−共役型受容体、Gs−共役型受容体、Gi−共役型受容体、G12/13−共役型受容体、イオンチャネル、受容体チロシンキナーゼ、輸送体、ナトリウム−プロトン交換体、核受容体、細胞キナーゼ、細胞タンパク、その他)、これらにより、バイオセンサによって測定されて確実に検出可能なバイオセンサ出力に結果としてなる。意図された細胞標的及びその次の細胞の現象の分類に従い、マーカは、例えば、GPCR又は受容体チロシンキナーゼ、又は、イオンチャネル又は核受容体、又は、細胞の酵素アデニル酸シクラーゼに対してアクティベータ、例えばアゴニスト、部分的アゴニスト、逆アゴニストとなりえる。マーカは、また、細胞標的の特定の分類のための阻害剤、例えば、アクチンフィラメント又は微小管のための阻害剤もしくは阻害物質、又は、Rhoキナーゼなどのキナーゼのための阻害剤、又は、抗上皮成長因子受容体抗体などの細胞表面分子のための抗体など実体である。
「検出」又は同類語は、リガンド−誘導応答を発見又は検出して、リガンド化合物の非存在から検出した応答を区別する本開示のバイオセンサ装置及び方法の機能をいう。
「識別」又は同類語は、リガンド化合物の標的上の影響の認識だけでなくリガンド化合物の標的上の影響又は標的上の相互作用の性質を分類する本開示の装置及び方法の機能をいう。
「刺激」、「治療候補化合物」、「治療候補」、「予防候補」、「予防薬剤」、「リガンド候補」、「リガンド化合物」又は同様の用語は、バイオセンサ表面に固定化され又は付着した細胞標的又は分離標的と相互作用する可能性について関心ある天然の又は合成された分子又は物質をいう。治療又は予防候補物質は、例えば、化合物、生体分子、ペプチド、タンパク、生体試料、医薬品候補の小分子、医薬品候補の生物学的分子、医薬品候補の小分子−生物学的分子複合体及び同様の物質又は分子の実体又はそれらの組み合せを含んでもよく、それらは具体的には、タンパク、DNA、RNA、イオン、脂質又は同様の生細胞の構造又は成分などの細胞標的又は分離標的の少なくとも1つと相互作用又は結合し得る。
「バイオセンサ」又は同様の用語は、適切な装置と結合して所望の検体を検出できる物品をいう。バイオセンサは、生物学的な構成要素を物理化学的な検出部構成要素と結合することができる。バイオセンサは、通常3つの部分、すなわち、生物学的な成分又は構成要素(例えば組織、微生物、病原体、細胞、細胞成分、受容体などの実体又はそれらの組み合わせ)と、検出部構成要素(例えば光学的、圧電的、電気化学的、熱的、磁気的などの物理化学的な方法で動作する)と、当該両構成要素と協働するトランスデューサと、から構成されている。実施例において、バイオセンサは、タンパク質又は受容体などの表面結合細胞成分又は細胞内にて起こる分子識別、分子相互作用、分子刺激などの現象を検出可能な数量化できる信号に変換できる。ここで用いられるバイオセンサは、静的、動的又はこれらの組み合わせである流体処理システムを含むことができる。実施例において、本開示の1つ以上のバイオセンサはマイクロ−物品に併合することができる。バイオセンサは有効な手段であり、いくつかの典型的な使用及び構成は例えば、「PCT Application No. PCT/US2006/013539 (Pub. No. WO 2006/108183), published Dec. 10, 2006, to Fang, Y., et al., entitled "Label-Free Biosensors and Cells"」及び「U.S. Patent No. 7,175,980」に記載されている。貫通深さ、検出領域又は検知体積を有するバイオセンサに基づく細胞アッセイは例えば、「Fang, Y., et al. "Resonant waveguide grating biosensor for living cell sensing," Biophys. J., 91, 1925-1940 (2006)」に記載されている。マイクロ流体物品であり、いくつかの典型的な使用及び構成並びに製造方法は例えば、「U.S. Patent Nos. 6,677,131, and 7,007,709」に記載されている。「U.S. Patent Publication 20070141231」、「U.S. Patent No. 7,175,980」はマイクロプレート組立体及び方法を記載している。
本開示の連結層化合物、スペーサ、第1単量体及び関係記載の前後関係において、「炭化水素」、「ヒドロカルビル基」などの用語は任意の一価の(−R)又は二価の(−R−)基であり、例えば、ここに説明するように、アルキル炭化水素、芳香族もしくはアリール炭化水素、アルキル置換アリール炭化水素、アルコキシ置換アリール炭化水素、ヘテロアルキル炭化水素、ヘテロ芳香族もしくはヘテロアリール炭化水素、アルキル置換ヘテロアリール炭化水素、アルコキシ置換ヘテロアリール炭化水素などの炭化水素基を含む。実施例において、本開示の連結層化合物、スペーサ又は第1単量体などの化合物又はその部分のいずれの炭化水素は、同一、類似又は少なくとも化学的もしくは物理的に互換性のある炭化水素となるように選択され得、もしあれば、被覆重合体や、例えばガラスもしくは処理たガラスなどの基体材料の無機重合体や、例えば有機金属置換ポリシロキサンなどの有機無機ハイブリッド重合体やそれの組み合わせなどの基体の中又は上の含まれる。
「含む」、「含む」などの用語は、制限的ではなく含むことを意味する。
「約」は、本開示の実施例を記載する際に用いられる、例えば組成の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力、同様の値及び同様の範囲を修飾し、例えば、化合物、組成物、濃度物、使用配合物を作るのに用いられる通常の測定又は取扱処理、これらの処理における偶然誤差や、これらの方法を実行する際に用いられる製造、ソース又は出発物質又は成分の純度の違い、及び同様の事項などにおいて生じうる数量の変動をいう。用語「約」はまた、特定の初期濃度又は混合物を有する組成又は調合の経年変化による違い、及び特定の初期濃度又は混合物を有する組成又は調合の混合又は処理による違いを包含する。用語「約」により修飾された添付の特許請求の範囲は、これらの量に等価な量を含む。
実施例における「本質的に成る」「成る」は、例えば、表面組成、表面組成を生成又は用いる方法、調合、バイオセンサ表面上の組成、物、装置、又は本開示の装置に対して云い、特許請求の範囲に列挙の要素又はステップ、また組成、物品、装置及び本開示の製造又は使用方法の基本的で新規な特性に実質的に影響を及ぼさない他の要素又はステップ、を含むことであり、例えば特定の反応物、特定の添加物又は成分、特定の薬剤、特定の細胞又は細胞株、特定の表面修飾物質又は状態、特定のリガンド候補物質、又は同様の構造、物質又は選択されるプロセス変数である。例えば、実質的に本開示の要素又はステップの基本的な特性に影響を及ぼすか、又は望ましくない特性を現在の本開示に与えてもよいアイテムは例えば、最初の被覆バイオセンサ表面に対する生物学的製剤又は生体分子の減少した親和性、被覆に対する基体表面の減少した親和性、リガンド候補物質などの刺激に応答する異常な又は反対する受容体結合などの特性を含む。いくつかの場合、望ましくない特性の前述の例は、その代わりに、例えば条件の発見又は表面被覆のための生物学的製剤の親和性を減少させる被覆の本開示のバイオセンサ応用においてたいへん望ましく、有益であり得る。
このように請求の範囲に記載の発明は、第1に生物学的製剤又は生体分子に高い反応性又は受容性を有する表面基を有し、第2に生体分子が結合した結果の高いリガンド感応性の重合体表面を有する重合体を含みむバイオセンサ被覆組成物と;高い受容性重合体表面を有するバイオセンサ物品の作成方法と;ここで記載するような重合体修飾表面を有する物品を生体分子に接触させる工程を含む生体分子を固定化する方法と;重合体修飾表面を有する物品と;重合体修飾接触表面を有する光学バイオセンサを含む標識独立検出(LID)装置と、を適切に又は本質的に成る。
任意に、随意に、などの用語は、後述の事象又は状況が生じ又は生じないことも有り得るが、本明細書ではそのような事象又は状況が生じる場合(あるいは生じない場合)を意味している。
不確定の物品の「a」又は「an」及びその対応する確定した物品の「the」を含む用語は、数量が明らかに別を書き取らせない限り、少なくとも1つ又は複数の指示を意味している。
本明細書において、範囲は、「約」特定の数値から「約」他の特定の数値まで記載し得る。かかる表現の場合、範囲は、当該特定の数値から当該他の特定の数値までを含む。同様に、数値が「約」を用いた近似表現の場合、当該数値は他の態様を形成すると考える。範囲のおのおのの端点は、それぞれ他方の点(終点及び始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点(終点及び始点)とは独立した意味を有していると考える。本明細書においては多くの数値が記載されているが、当該数値各に「約」等の表現が付いていなくても、その数値は「約」が付いている数値と「約」が付いていない数値を含んでいると考える。例えば、「10」という数値が記載されている場合、「10」そのものと「約10」が記載されていると考える。また数値が提示されている場合、当業者が認識できる範囲を限度に、当該数値以下のものも含み、当該数値以上のものも含み、ある程度の値(可能な値)同士の間の範囲も含むと本明細書において考える。例えば、例えば「10」という数値が記載されている場合、10以下(のある程度の範囲)と10以上(のある程度の範囲)も記載されていると考える。本明細書及び図面においてデータが種々の形式単位フォーマットで表示されており、データは始点や終点を示したり、始点から終点までの範囲を示している。例えば、「10」というデータと「15」というデータが記載されている場合、これら数値より大きいもの、これら数値以上のもの、これら数値より小さいもの、これら数値以下のもの、及びこれら数値そのものが記載されていると考えると共に、10及び15の間の範囲も記載されていると考える。例えば、「10」と「15」が記載されている場合、それらの間の一単位である「11」、「12」、「13」、「14」も全て記載されていると考える。
本明細書には、本開示の方法により作られる物(製品)及び組成物に使用することができる(又はそれらと共に使用できるか、それらを作るために使用できる)化合物、組成物、構成物及び成分が開示されている。これら及びその他の材料は本明細書に開示されており、当該材料の組み合わせ(全部又は一部の組み合わせ)、相互作用結果物、群などが記載されている場合、個々の材料や組み合わされた材料が明記されていなかったりその化合物の置換変更が明記されていないとしても、当該明記されていない材料等も開示されているものと理解される。例えば、例えば、多くの異なる重合体及び生体分子が開示、説明されている場合、当該重合体及び生体分子の組み合わせや置換の全ては開示されたものとする(但し、それを否定する説明がある場合を除く)。従って、分子A、B、Cのクラスと分子D、E、Fのクラスと組み合わせ分子A−Dとが記載されている場合、たとえ個々の分子が記載されていなくても個々の分子及びそれらの組み合わせは記載されているものとする。つまり、上記の例の場合、A、B、CとD、E、Fが開示され且つA−Dの組み合わせが開示されているので、A−Eの組み合わせ、A−Fの組み合わせ、B−Dの組み合わせ、B−Eの組み合わせ、B−Fの組み合わせ、C−Dの組み合わせ、C−Eの組み合わせ及びC−Fの組み合わせは記載されていると考える。同様に、これらのサブセット(部分組み合わせ)又は組み合わせも記載されていると考える。つまり、上記の例の場合、例えば、A−E、B−F、C−Eも記載されていると考える(やはり、A、B、CとD、E、Fが開示され且つA−Dの組み合わせが開示されているので)。この考え方は本明細書の全ての記載に適用される。例えば、開示された化合物や混合物を製造したり使用したりする方法の各工程(ステップ)に適用される。従って、追加できる工程(ステップ)がある場合、各追加工程は本明細書に開示された実施形態実施例又はこれらの組み合わせにおいて実施することができるし、それらは本発明の範囲内のものと考えられる。
従来技術における当業者にとって周知である略語、例えば、「h」又は「hr」は時間、「g」又は「gm」はグラム、「mL」はミリリットル、「RT」は室温、「nm」はナノメートル、及び同様の略語、が用いられている。
開示された構成要素、成分、添加物、細胞タイプ、抗体などの態様及びそれらの範囲のために特定の又は好ましい値は説明のみのためであり、定められた範囲内の他の値又は他の定められた値を除外するものではない。本開示の化合物、組成物、装置及び方法は、ここに記載されている値、特定の値、より特定の値及び好ましい値のいかなる値又はいずれかの組み合せを有するものを含む。
本開示は、一般に標識独立検出(LID)のためのバイオセンサ分野に関する。本開示は、特に、LIDバイオセンサ表面化学及びその調製方法に関する。本開示はさらに、特に、検体検出に関して従前に報告されたよりもより高い濃度でかつより高い感度で受容体(例えばタンパク質)を固定化することができる表面を生成する方法に関する。本開示のLIDバイオセンサは、バイオ分子識別事象の検出のためのより高い感度を有することができる。本開示の組成物、物品及び方法は、例えばEpic(登録商標)システムなどの標識独立検出(LID)又は表面プラズモン共鳴(SPR)に基づいたバイオセンサにかなり適している。本開示の組成物、物品及び方法は、LIDセンサの他の方式である二面偏波式干渉法(DPI)と互換性をも有する。
LIDなど例えば、固定化された受容体へのリガンドの吸着によって誘導された局所屈折率の変化に基づく検出技術のため、生体分子固定化は例えば約2ng/mm以上が望ましい。受容体−リガンド相互作用に起因している屈折率の変化などの結合シグナルは、表面に固定化された受容体の数を増やして大量のリガンド捕獲を容易にするによって、さらに又は代わりに、固定化された受容体の活性又は有効性を増やすことによって増強され得る。
生体分子を固定するための1つの方法は、「WO2006/058237」(文献1)及び「WO2007/078873」(文献2)に記載されているように、無水物化学作用の使用に基づいている。タンパク質などの受容体は、例えば、N末端基のα−アミン、リジン側鎖のエプシロン−アミン、システインスルフヒドリル基、チロシン残基のフェノラートイオン及びヒスチジンのイミダゾリル環を含んでいる無水物基と容易に化学反応ができる官能基を有する(参照1)。
このように、無水物基を含んでいる共重合体は、特に固定化工程の前に活性化工程を実行しなければならないことのなく、かかる機能化された生体分子を固定することにかなり適している。
また、中性pHでの無水物基の高い反応性は、例えば、ガラス又はシリカなどからなる化学的感応センサ表面への無水物共重合体の温和な条件下での付着を可能とし、かかる温和な条件は、多糖(例えばカルボキシメチルデキストラン)の金素子上への付着のために必要とされる過酷な基本的条件の場合ではない。
従来技術の無水物ベースのセンサ表面に固定され得る多数の受容体(例えばタンパク質)にもかかわらず、重大な欠点は、低い活性を呈する固定されたタンパク質のかなりの割合であることである。理論によって束縛されないが、低い活性は、未変性タンパク質空間的構造の不存在又は劣化に起因していると考えられる。従って、予想されるより、検体を検出することに関する感度は、低い。新薬開発などの高いスループットスクリーニング応用に役立てるためには、感度は高くすべきである。
検出可能な結合シグナルを得るために、固定された受容体のネイティブ性質が好ましくは表面にて維持され、そして、固定化された受容体への接触性は界面の層により影響を受けないようにすること好まししい。受容体活性の改善及び固定されたタンパクの固有立体配座の保存に関して、ポリエチレングリコールベース(PEG)被覆は、広く使われていた。PEG基体被覆は、親水環境を提供することができ、疎水性の表面上の吸着及び変性からの表面−固定されたタンパク質を保護することができる。その局面において、タンパク質及びその活性の固有立体配座は、保存され得る。米国の「US 2002/0128234」(文献3)は、特定の応用のために最適化された性質及び構造を有する多機能でポリイオン性の共重合体について言及して、それは分析的で検知目的のためのsynthesized−on型又はapplied−to型基体表面である。被覆は例えば重合体であり、例えば重合体骨格鎖上に付着したPEGsのような移植PEGsを有し、被覆は適切な基体表面上へ堆積される。しかし、単官能性状の表面移植PEG(例えばPEGブラシ)なので、受容体(例えばタンパク質)の固定化密度が単層を上回ることができず検体の非常に低い結合応答を導き、LIDセンサ応用のために不適合である。
スペーサの単層での支持体上の生物学上活性タンパク質の固定化は、固定されたタンパク質の活性を改良することが知られている。米国の「US 5,405,766」(文献4)に例えば生物学上活性タンパク質に順番に結合される二機能性リン脂質に結合されるスペーサを形成する単層の使用が記載されている。この化学作用がタンパク質の活性を改良することができるにもかかわらず、タンパク質の固定化密度は上回ることがでず、上述したPEG単層として低い結合応答を導く。
スペーサは薬物分子のような小さいリガンドを固定することに適していることが知られている。スペーサは、低分子量分子から成る支持体及び配位子分子の間でリンク又は限界として作用する。小さいリガンドが直接支持体に付着するときに、それは認識されべき(例えばタンパク質)分子の結合ポケットに着くまでは伸びることができないか、又は十分に長く支持体から突き出ることができない。スペーサを使用すれば、結果はリガンドにタンパク質の良好な接触性を提供することができるスペーサの長さに等しい距離によって、支持体又はマトリックス表面から突き出ている固定されたリガンドとなる。「Cuatreacasas」(文献5)、そして、「Steers」(文献6)、「Salchert, et al.」(文献7)、そして、「Sperling, et al.」(文献8)は、小分子を固定するスペーサの使用を言及している。Salchert及びSperlingは、小分子付着を改良して、接近しているタンパク質によってより効率的な認識事象を提供するためにマレイミド共重合体に付着するスペーサに関している。
Hermansonによれば(文献9)、大きい分子(例えばタンパク質)の固定化のスペーサの役割は、小分子の固定化のためのそれと異なる。タンパク質のような大きい分子量分子を固定するときに、スペーサ腕の使用がそのままの小さいリガンドを有する臨界として、あってはならない。タンパク質分子の三次元大きさは、スペーサで最も長いものと比較して巨大である。スペーサは、タンパク質の全体的な幅の小さい百分率だけによって、マトリックス表面からタンパク質を延長することができる。かかる例において、非部位特異的化学作用が使われるときに、結果はスペーサを有するマトリックスに少しももしあればタンパク質の直接型付着に勝る利点を提供しない。
「WO2007/049269」(文献11)は、リガンド分子の結合及び検体分子との相互作用において高い性能をを示すカルボン酸基を有する多糖類から成る結合層を言及している。関連多糖類は、アラニンスペーサとの反応によって修飾された。文献は、表面改質がカルボキシメチレート化された多糖類類からカルボン酸基の活性化と比較してスペーサからカルボン酸基のより効率的な活性化を許すと述べている。文献も、合成重合体、ポリ(アクリル酸)又はポリ(メタクリル酸)、効率的な活性化、そして、続く固定化を言及している。しかし、おそらくこれらは重合体の生体適合性を下げるので、リガンド分子は低い活性を呈する。
大部分の自然の多糖類類は、大部分の有機溶剤の溶解性を制限しており、一般に水だけに可溶であり、有機溶剤中の重合体の析出又活性化を難しくしている。対照的に、合成重合体は、概して高く有機溶媒の可溶であるが、上述した低い活性を示す。上述した多糖類又は合成重合体は、本質的に不活性であるので、一般に追加の特異反応又は活性化ステップがセンサ表面の上へそれらを付着するために必要とされる。この追加ステップは資源の消費やその可変性の時間を決め、そして、ガラス又はシリカからなる化学的に敏感なセンサ表面に不適合な厳しい条件をしばしば必要とさせる。、本開示は、実施例において容易にLIDセンサ表面に付着することができる合成重合体に基づく界面化学を提供し、それは非常に高い固定化容量を有し、すなわち、並み外れた1層のタンパク質単層を捕らえて、固定された生体分子の良好な有用性及び活性を提供して、非標識検出センサに互換性を持つものである。
標識独立検出(LID)プラットフォーム(例えば、表面プラスモン共振(SPR)又は共鳴導波格子(RWG)センサ)を使用しているアッセイは、概して、2つのステップ手順:i)センサの表面上の結合パートナー(例えばタンパク質)のうちの1つの固定化と;ii)固定されたタンパク質に対するリガンド(例えば薬剤、タンパク質、オリゴヌクレオチド、その他)の結合と;を使用して実行される。伝統的に、表面への生体分子の結合は表面上のカルボン酸基、例えば、反応性N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル(それから関心のタンパク質上のアミノ基に連結する)に対する活性化を含む。この方法は、例えば、Biacore Affinity Biosensors社及びArtificial Sensing Instruments社によって、それらのそれぞれのLIDプラットフォームのため商業化された。効果的な一方で、活性化ステップは時間がかかって、手間と化学物質の不必要な使用をもたらしている。
他のアプローチは、「前活性化された」化学作用の使用を含むものである。例えば、アルデヒド基を示している表面は、生体分子を結合するために用いられている。しかし、還元ステップは、結合の後、結果として生じるシッフ塩基を安定させることを必要とする。エポキサイド及びイソシアネート官能性を有する表面がも使われたが、しかし、エポキサイド基は反応するのが比較的遅くて、したがって、非常に基本的な条件の下で長く続くインキュベーション時間を必要とする。その一方で、イソシアナート基は極めて反応性があるので、貯蔵安定性問題を示す。これらの問題のため、LIDプラットフォームのための前活性化された化学作用の使用のほとんど記録がない。
無水マレイン酸は、アミノ基のような求核試薬とともに直ちに反応する。小分子、DNA、糖及びペプチドの固定化のための無水マレイン酸共重合体層を有する表面の改質が記載されていたにもかかわらず、無水マレイン酸の加水分解安定性はむしろ低く、そして、このために、それらは広く使われていなかった。疎水性モノマー(例えばスチレン)によって共重合化されるときに、無水マレイン酸の加水分解安定性は増加するが、しかし、これは表面に生体分子の非特異結合を起こす問題に至る。これが質量分析のような若干の応用のための効果であってもよい一方で、それはLIDの問題となる。
有効なLID方法のための局面は、高い生物特異性にある。結合特性(検体による)及び非特異性(遮断剤による)が界面の屈折率の換算に影響して、見分けがつかないので、検体水溶液における「遮断剤」(例えばウシ血清アルブミン、BSA)の取込みは望ましくない。この問題は、複合試料が使用され又は検体が不純である場合、悪化させるだけである。例えばタンパク質の生体分子固定化のための無水物類に関する事柄は、重合体における残留の負電荷の形成及び他の基(例えばスチレン、エチレン、メチルビニルエーテルなど)の影響により不特定の結合である。これらの理由により、LIDのための無水物重合体の使用は潜在的事柄である。
開示の支持体及び方法は、多数の効果を提供する。例えば、支持体は活性化される必要はないく、それはユーザー時間、コスト及び複雑さを節約する。開示された支持体及び方法は生体分子の大量の充填を可能として、それは検体検出に関してより良い感度にを導く。その上、支持体を製造する方法は、支持体の高い体積製造を可能とする。一般に、支持体は安定しているので、結合能がほとんど減される期間を拡張(例えば約6ヵ月)して貯蔵される得る。さらに、被覆基体は酸性条件下で加水分解を遅くして、重合体(例えば無水物重合体)の周知技術を使用して、説明されていなかった条件の下で、それはさまざまな生体分子の結合を可能とする。最後に、支持体及び方法は、アレイシグナル強さ、感度及びタイムリで経済的な方法のアッセイ品質を高め、更にアッセイ特異性をも改善する。
I.支持体及び作成方法:
実施例において、本開示は、以下の重合体から成る標識独立検出支持体のための基体被覆組成物を提供する。重合体は、生体分子を固定するために活性を有している1つ以上の生体分子固定化基(「反応性基」)と;基体に付着するために活性を有している1つ以上の基体付着基と;固定化基の活性を強化する活性を有している1つ以上の非反応性基と、から成る。
生体分子固定化基、基体付着基及び非反応性基は、ここで更に定義される。生体分子固定化基は、重合体骨格鎖及び生体分子固定化基の間にあるスペーサ又は反応性基から更に含むことができる。
実施例において、本開示はアッセイを実行することに有効な支持体を提供する。実施例において、アッセイを実行する支持体は、基体に直接又は間接的に付着した重合体を有する基体を含み、前記重合体は生体分子へ付着か結合できる複数の反応性基と複数のイオン化可能基とを有し、イオン化可能基に対する付着した生体分子を有する反応性基の比が例えば約0.5から約10であり、そして前記重合体は前記重合体の骨格と前記反応性基の少なくとも幾つかとの間に位置するスペーサ単位又はスペーサ基を有する。例えば、支持体が標識独立検出法のために使われる例において、重合体は光反応性基を含む必要はない。
実施例において、本開示は標識独立検出のための物品を提供する。そして、当該物品は、生体分子−反応性接触面組成物から成る基体と;
任意に、その層に堆積された上述の生体分子−反応性接触面組成物を有する連結層と、から成る。
基体は、生体分子固定化基又は反応性基のいずれにでも付着する1つ以上の生体分子を更に含むことができる。
実施例において、本開示は標識独立検出のための物品を提供する。そして、当該物品は、
連結層及び重合体外被から成る重合体被覆接触面を有する基体と、
そして、接触面に付着する生体分子と、から成る。
実施例において、本開示は標識独立検出のための装置を提供する。そして、当該装置は、接触面をおおった重合体を有する上述した物品を有する光学バイオセンサから成る。
実施例において、本開示は標識独立検出のための装置を提供する。そして、当該装置は、上述の接触面を有する生体分子−反応性接触面を有する光学バイオセンサと、生体分子固定化基のいずれでも付着するか又は化学反応した任意に1つ以上の生体分子と、から成る。
実施例において、本開示は支持体を作る方法を提供する。そして、当該方法は、直接又は間接的に基体、生体分子を付着するか又は結合することができる複数の反応性基を有する重合体及び複数のイオン化可能基に付着する工程を含み、例えば、イオン化可能基に対する反応性基の比が約0.5から約10.0まであり、そして、例えば、重合体は複数のスペーサ基、重合体骨格鎖の間であっている各々のスペーサ基及び少なくともいくつかの反応性基を有することができる。
実施例において、本開示は支持体を作る方法を提供する。そして、当該方法は、複数の生体分子−反応性基を有する重合体を直接又は間接的に基体に付着すること;付着した重合体をスペーサ基反応物に接触させること;そして、結果としてのスペーサ基を有する付着した重合体を生体分子−反応性基反応物に接触させること;から成る。生体分子−反応性基反応物は、スペーサ基と反応して、生体分子−反応部位を加えることができる。生体分子−反応性基反応物は、また、それに対して(必要に応じて)追加の生体分子−反応部位を加えるために重合体上の他の利用できる基に反応することができる。
実施例の、上記支持体を作る方法は、結果としてのスペーサ基及び反応性基を有する付着した重合体を、生体分子に接触させて、スペーサ基を有する付かれた重合体及び少なくとも1つの反応性基に付着する生体分子を有する支持体を提供することを更に含むことができる。実施例において、本開示は物品を作る方法を提供する。そして、当該方法は、重合体受け入れ又は機能化された基体を提供する工程と;ここで定義されるように、標識独立検出のための基体被覆組成物と重合体受け入れ又は機能化された基体とを接触させる工程と、から成る。
前記接触させる工程は、機能化された基体に、重合体組成物を、共有結合的又は静電気的に付着させ沈着させて、初期、潜在性、又は開出した反応性基を有する被覆を負わせている。例えば、機能化された基体は、固形基体と反応したシランである。例えば、強化された容量及びLIDのための例えば小分子のための感度のために、開示された物品及び方法は検出を有することができる。実施例において、固定されたタンパク質は強化された活性を提供することができ、例えば、他の周知のLIDの合成界面化学と比較して約2から約5倍より大きい活性が得られる。増加する活性、増加する感度及びタンパク質のためのより大きい感受性の結果として、開示された組成、物品及び方法を使用しているアッセイにおいて消費されるタンパク質は、遙かに少ない量となる。
実施例において、本開示はアッセイを実行するための上述の支持体を使用する方法を提供する。そして、当該方法は、上述の支持体及び検体の標識独立検出のための装置を提供すること;スペーサ基及び少なくとも1つの反応性基に付着する生体分子を有する付着した重合体を有する支持体を、検体のアッセイのための試料に接触させること;検体を検出すること、から成る。
a.基体:
好適な基体は、例えば、マイクロプレート、スライド、又は重合体に付着できる任意の他の材料を含み得る。実施例において、基体がマイクロプレートのとき、ウェルの数及びウェルの質量は分析の規模と範囲に依存して変化する。有益である基体の他の例は、例えば、384ウェルマイクロプレートのような細胞培養表面、96ウェルマイクロプレート、24ウェルディッシュ、8ウェルディッシュ、10cmディッシュ、又はT75フラスコを含み得る。
光学又は電気に関する検出用途に対して、基体は、例えば、透明性、不浸透性もしくは反射性、又は電気伝導性、半導体性もしくは絶縁体性を持ち得る。生物学的用途において、基体材料は例えば、多孔性でも非多孔性でもあり得、有機物材料、無機物材料又はそれらの組み合わせから選択され得る。
実施例において、基体は例えば、プラスチック、重合体もしくは共重合体の物質、セラミック、ガラス、金属、結晶構造の材料、貴金属もしくは半貴金属、金属もしくは非金属酸化物、無機酸化物、無機窒化物、遷移金属など、又はその任意の組み合せを含む。また、基体は、任意の検出デバイス内に設置されるように構成され得る。1つの態様において、センサは例えば、基体の底又は底面に統合され、後の検出に使われる。これらのセンサは例えば、光回折格子、プリズム、電極、及び石英結晶微量天秤が含まれる。検出方法は、蛍光発光、リン光、ケミルミネッセンス、屈折率、質量、電気化学を含むこともあり得、実施例において、基体は共鳴導波管回折格子センサである。
実施例において、基体は無機物から構成され得る。無機物材料の例は、例えば、金属、半導体材料、ガラス、及びセラミック材料が含まれる。基体材料として使われることのできる金属の例は、例えば、金、白金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、クロム、スチィール、ガリウムヒ素又はこれらの組み合わせが含まれる。基体材料として使われる半導体材料は、例えば、シリコン及びゲルマニウムがある。基体材料として使われるガラス及びセラミック材料は、例えば、石英、ガラス、焼結体、アルカリ性土壌アルミノボロシリケートガラス及び他の混合された酸化物が含まれ得る。無機物基体材料のさらなる例は例えば、グラファイト、セレン化亜鉛、マイカ、シリカ、ニオブ酸リチウム及び無機単結晶材料である。実施例において、基体は、例えば、金のセンサ素子などのような金又は金被覆で作られ得る。
実施例において、基体は、多孔性無機物層を包含する。「U.S. Patent No. 6,750,023」に開示されているような基体を製造する方法による任意の浸透性基体が使用され得る。実施例において、基体上の無機物層はガラス又は金属酸化物を包含する。実施例において、無機物層は、シリケート、アルミノシリケート、ボロアルミノシリケート、ボロシリケートガラス(ほう珪酸ガラス)、又はそれらの組み合せを含む。実施例において、無機物層は、TiO、SiO、Al、Cr、CuO、ZnO、Ta、Nb、ZnO又はそれらの組み合せを包含する。実施例において、基体は、Ta、Nb、TiO、Al、シリコン窒化物、又はそれらの混合物を含む層を有するSiOを包含し、その中で、前記層はSiOの表面に近接している。窒化ケイ素はSiNの化学式によって表わされ、前記ケイ素及び窒素の化学量論比は変化し得る。
実施例において、基体は有機物質から生成され得る。有益な有機物質は例えばそれらの寸法安定性及び溶媒に対する抵抗力によって重合体材料から作られる。有機物質の例は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート;ポリビニルクロリド;ポリビニリデンフルオリド;ポリテトラフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリ(メタ)アクリレート;ポリスチレンもしくはポリエチレンなどのポリヒドロカルビル基;エチレン/ビニル酢酸塩共重合体などのような重合体、又はそれらの組み合わせを含む。
実施例において、基体は、1つ以上の生体分子を付着できる群を有する材料から生成され得る。例えば基体はここに記載されている1つ以上の重合体から生成されることができ、すなわち、基体に被覆され、又はに任意の所望の形に成形され得る。よって、生体分子及び他の成分は基体に付着される。
b.重合体:
実施例において、生体分子を基体に結合できる1つ以上の反応性基を有する結合重合体としても知られる重合体は、直接又は間接的に基体に付着できる。重合体上の「反応性基」は生体分子の重合体への付着を可能にする。反応性基はまた、基体に結合する重合体の付着を促進することができる。実施例において、重合体は共有結合的、静電結合的又はそれらの組み合わせにより基体に付着され得る。実施例において、重合体は1つ以上の異なる反応性基を有し得る。実施例において、2つ以上の異なる結合重合体もまた基体に付着され得る。
実施例において、反応性基は例えばアミン又はチオールのような求核基で共有結合を形成することができる。アミン又はチオールは、基体(すなわち、連結層)の表面に付着された生体分子又は分子から誘起され、結合重合体を基体に間接的に付着するために使われる。反応性基の例は、例えば、無水物基、エポキシ基、アルデヒド基、活性化エステル(例えば、脱離基を有するエステルであるn−ヒドロキシこはく酸イミド(NHS))、イソシアネート、イソチオシアネート、スルホン酸クロリド、カーボネート、アリールもしくはアルキルハロゲン化物、アジリジン、マレイミド、トレシル、ビニルスルホン、トシル、アシルでアジド、カルボジイミド活性化カルボン酸、カルボジイミド活性化ホスファート、ヨードアセチルのようなハロアセチル、アクリロイル、ジスルフィド及びピリジルジスルフィドなどの反応性基、又はそれの組み合わせを含む。2つ以上の異なる反応性基は重合体上に存在することができる。
また、重合体は、複数のイオン化可能基も含み得る。イオン化可能基は、特定の反応条件下において荷電される基(すなわち、イオン)に変化させられ得る基である。例えば、塩基を用いて酸を処理することにより、カルボン酸(−C(=O)−OH;イオン化可能基)は、対応するカルボン酸塩(−C(=O)−O−;荷電基)へ変化され得る。荷電基は、正電荷でも負電荷でもあり得る。正電荷の荷電基の例は、アンモニウム基である(−NH )。負電荷の荷電基の例は、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩基群を含む。実施例において、2つ以上の異なるイオン化可能基は結合重合体上に存在することができる。
重合体は、重合体が基体に付着するために使われる技術に応じて、水溶性又は不溶性であり得る。重合体は、線形又は非線形の両方であり得る。例えば、重合体が非線形のとき、重合体は、分岐、超分岐、交差結合、又は樹枝状重合体であり得る。重合体は単独重合体又は共重合体であり得る。
実施例において、重合体は無水マレイン酸及び第1単量体から調製された共重合体を含む。実施例において、結合重合体における無水マレイン酸の量は、第1単量体の化学量論(すなわち、モル濃度又はモル量)により、5%から50%、5%から45%、5%から40%、5%から35%、5%から30%、5%から25%、10%から50%、15%から50%、20%から50%、25%から50%、又は30%から50%である。実施例において、第1単量体は、重合体の無水マレイン酸基の安定性を改善するように選択される。実施例において、第1単量体は基板に対する生体分子の非特異結合を低減する。実施例において、重合体での無水マレイン酸の量は第1単量体の約50%(モル:モル濃度)である。実施例において、第1単量体は例えば、スチレン、テトラデセン、オクタデセン、メチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジビニルベンゼン、エチレン、ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、重合化可能なオリゴ(エチレングリコール)もしくは重合化可能オリゴ(エチレンオキサイド)、プロピレン、イソブチレン、ビニルアセテート、メタクリレート、アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、又はこれらの組み合わせを含む。
実施例において、重合体は、ポリ(ビニル酢酸塩−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(イソブチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ(無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン)、ポリ(無水マレイン酸−alt−1−テトラデセン)、ポリ(無水マレイン酸−alt−メチルビニルエーテル)、ポリ(トリエチレングリコールメチルビニルエーテル−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)、又は、それらの組み合わせを含む。
実施例において、重合体は下記式及び図1に示すような第1単量体(R)が足りない量体を有する重合体を含む。
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
実施例において、重合体は下記式の量体を有する共重合体を含む。
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)−(Y))−CH−R−}
実施例において、重合体は下記式の量体を有する共重合体を含む。
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R)−R−}
実施例において、重合は下記式の量体を有する共重合体を含む。
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)−(Y))−CH−R−}
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R)−R−}
上記式において、
が二価の−(C2−6アルキレン)−のようなヒドロカルビル基であり;
が約6から約30個の原子を含む二価のスペーサであり;
が一価の−(C1−6アルキル)のようなヒドロカルビル基であり;
Xが反応性基もしくはその塩であり;
Yが表面実質的基もしくはその塩であり;
mが約10から約10,000であり;
nが約10から約10,000であり;
oが約10から約10,000であり、
又はその塩である。
実施例において、特定の共重合体は上記式であり、そこで、例えば、
が二価のエチレン−(CH−CH)−であり;
が例えば、約2から約6個のアルキレングリコール単位、約3から約5個のアルキレングリコール単位及び約4個のエチレングリコール単位を含むポリアルキレングリコール部分からなる二価のスペーサであり;
が一価のプロピル基であり;
XがN−ヒドロキシスクシンイミド基(NHS)又はスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド基(sulfo−NHS)又はその塩のような反応性基又は脱離基であり、置換又は交換され例えばアミド−C(=O)−NH−結合などの生体分子との連結であり;
Yがカルボキシル基又はアミド形成部、−NH、−NHR、又は−NRのような連結層又は基体表面と共有結合又は静電的協働してアミド結合又はアミド連鎖−C(=O)NH−、−C(=O)NHR−、又は−C(=O)NR−を形成する表面実質的基であり;
mが約10から約10,000であり;
nが約10から約10,000であり;
oが約10から約10,000であり、
又はその塩である。
実施例において、R二価のスペーサの特定の実施例は次式である。
−NR−(CH−(O−CH−CH−C(=O)−O−
ここで、Rは独立に水素又は一価の−(C1−6アルキル)であり、pが約2から約6である。実施例において、逆付も達成できる。可能であるが、アミノ末端は典型的に重合体骨格に付着し、カルボキシ末端は典型的に反応性基に付着される。
実施例において、R二価のスペーサの他の特定の実施例の下記式を示す。
−NR−(CH−(O−CH−CH−C(=O)−O−
ここで各Rは独立に水素又は一価の−(C1−6アルキル)であり、pが約3から約5である。
重合体は、光反応又は活性基を含まない。光反応性基は、例えば、同じような又は異なる分子によって提供されるように、近接した化学構造に結合する結果得られた共有結合を有する活性化種の生成を受ける特異的な提供された外部刺激に影響される。光反応性基は分子における原子の基であり、分子はそれら共有結合を所有し、共有結合は蓄電条件下で変化しないが、しかしながら、他の分子を有する共有結合から外部エネルギー源によって活性化される。光反応性基は、フリーラジカル又は特にナイトレン、炭素、及び電磁エネルギーが吸収したケトンの励起状態のような活性種を生成する。
C.イオン化可能基に対する反応性基の比:
実施例において、カルボキシl−C(=O)(OH)基などのイオン化可能基に対するNHS又はsNHSなどの生体分子反応性基の比は、例えば、約0.01から約100(0.01≦R/I≦100、ここでR/Iはイオン化可能基に対する反応性基の比を示す)、及び約0.1から約10であり得る。
重合体の反応性基の数が例えば、反応可能及びイオン化可能なサイトすべてのの約1%未満である時、まだ可能であるが、生体分子の付着は高い効率より低くなるであろう。加えて、又は代わりに、反応可能及びイオン化可能なサイトすべての約1%未満の利用できるイオン化可能基がある場合、生体分子の付着及び続く結合された生体分子への結合は、高い反応性基及びイオン化可能基が高い時に比べて高い効率より低くなるであろう。
実施例において、イオン化可能基に対する反応性基の比は約0.5から5.0である。実施例において、より低いエンドポイント比は、0.5、0.6、0.7、0、8、0、9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.5、又は5.0であり、より高いエンドポイントは、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、8.0、9.0、9.5、又は10.0であり任意のより低い及びより高いエンドポイントは、前記比率の範囲を形成することができる。実施例において、イオン化可能基に対する反応性基の比は、約0.5から9.0、約0.5から8.0、約0.5から7.0、約0.5から6.0、約0.5から0.5、約0.5から4.0、約0.5から3.0、約0.6から3.0、約0.65から3.0、約0.67から3.0である。
当業者は、反応性基(例えばNHS)もイオン化可能な基(例えばSulfo−NHSにおいて見つかるスルホン酸基)を有することができると認識するであろう。例えばSulfo−NHS試薬又は反応基形成部での完全活性化が可能な場合、NHS基当たりのスルホン酸基の比は1であり、すなわち、NHS反応性当たりの1つのスルホン酸基が形成される。しかし、活性化は概して完全でないか又は100%未満でない。その結果、反応していないカルボン酸基は1未満のイオン化可能基に対する生体分子反応基の比を作る。
重合体上に存在する反応性基及びイオン化可能基の構造及び数は多くの方法でコントロールされ得る。実施例において、重合体はイオン化可能基を有する反応性基及び単量体を有している単量体から合成され得る。実施例において、選択された単量体の化学量論は反応性基及びイオン化可能基の比をコントロールできる。実施例において、まさに反応性基を有する重合体は処理され、反応性基のいくつかは、基体に重合体が結合する前にイオン化可能基に置換される。出発重合体は市販で入手することができ又は周知技術を使うことにより合成され得る。実施例において、重合体は基体に付着することができ、付着された重合体は、反応性基とイオン化可能基を塗布するために様々な試薬で処理され、反応性基はイオン化可能基に置換される。実施例において、反応性基を有する重合体は基体に付着することができ、基体は反応性基と反応しイオン化可能基を生成する。
図2を参照すると、本開示の重合体(200)は、例えば繰り返し単位の{R−無水マレイン酸残基}を有しており、ここで、Rは、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、オクタデセン、テトラデセン、ビニル酢酸塩、スチレンや、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテルなどのビニルエーテル類や、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリジノンなどのような、無水マレイン酸と共重合された不飽和単量体の残基であり得る。この重合体は、溶液中又は基体表面に付着時に、例えば、"非反応性"基又は"不活性"基又は量体(230)のようなW−Rブロッキング薬剤(ここで、Wが例えば、NH、OH又はSH,のような求核基であり、Rは水素又は置換もしくは非置換C1−C6アルキル基(直鎖又は分岐鎖)、オリゴ(エチレン酸化物)又はオリゴ(エチレングリコール)、又はジメチルアミノプロピル又はジエチルアミノプロピルなどのジアルキルアミンである)と更に反応でる。このように、"非反応性"基又は"不活性"基又は量体(230)は−NHR置換基の"非反応性"だけに関連する。量体(210)及び量体(220)のような他の重合体骨格カルボキシのようにW−Rでの無水物環開から起こる同伴のカルボキシル基は、重合体骨格鎖からスペーサ分離を有さずに生体分子と反応することにも利用できる。加えて、又は代わりに、カルボキシルは選択的にイオン基又はイオン化可能基に変換され得る。
無水物のブロッキング薬剤との反応は環開してカルボン酸(例えば、イオン化可能基)を生成する。これはプレブロックと称する。そこで、プリブロックされた重合体は必要であれば基体(240)の表面に適用され得る。基体が求核基Yを有し、Yが、例えば、NH、OH、又はSHである場合、これらの基は、予めブロックされた重合体上に存在する表面反応性量体(220)の無水マレイン酸基と反応して、予めプリブロックされた重合体と基体との間に共有結合を形成して、結果、−Y−となる。実施例において、表面と化学反応した表面反応性量体(220)は、例えば、生体分子と更に反応できるカルボキシル基のような第2の反応性基を有することができる。このように、表面反応性量体(220)の反応していないカルボキシル及び反応性量体(210)の反応していないカルボキシルは、スペーサを経て重合体骨格鎖に付着するか又はR量体(210)のRをつなぐ反応基(X)に加えて、生体分子との反応のための部位を提供できる。
イオン化可能基に対する反応性基の比は特定の量の試薬を使うことによってコントロールされ得る。重合体の他の特性(例えば、疎水性)は重合体(例えば、疎水性単量体の選択)を調製するために使われる出発材料をコントロールすることによって又は、誘導体化剤又はブロッキング薬剤の適切な選択により必要に応じて変化し得る。実施例において、イオン化可能基に対する反応性基の比は1つ以上の反応性基(210)を不活性基に変えることによってコントロールされ得る。実施例において、重合体上に存在している反応性基の約10%から約50%は、ブロック又は不活性化されている。用語「ブロック」は、不活性化基に対して重合体上に存在する反応性基の変換であり、不活性基は生体分子に共有結合の付着を形成しない。実施例において、ブロックされている反応性基の量は約10%、約12%、約14%、約16%、約18%、約20%、約22%、約24%、約26%、約28%、約30%、約32%、約34%、約36%、約38%、約40%、約42%、約44%、約46%、約48%、又は約50%であり、任意の値が範囲の下位(下側)エンドポイント及び上位(上側)エンドポイントを形成することができる。実施例では、反応性基の量が約10%から約45%まで、10%から約40%まで、10%から約35%まで、15%から約35%まで、20%から約35%まで、又は約25%から約35%までがブロックされる。
実施例において、ブロッキング薬剤は基体に結合重合体が付着する前に重合体と反応する。あるいは、重合体はブロッキング薬剤でブロッキングすることにより続いて初めに基体に付着できる。実施例において、ブロッキング薬剤は例えば少なくとも1つの求核基を含み、重合体は例えばは少なくとも1つの求電子基を含み、そしてブロッキング薬剤は例えば求電子基と求核基との間の反応によって重合体に付着される。実施例において、ブロッキング薬剤は例えば結合重合体に共有結合で付着されている。例えばブロッキング薬剤は、アミノ基、ヒドロキシル基、又はチオール基を含むとき、結合重合体(例えば、エポキシ、無水物、活性化エーテル基)上に存在している求電子基と反応し共有結合共有結合を生成する。
実施例において、ブロッキング薬剤(遮断薬)は例えば、アルキルアミン、アルキルヒドロキシアミン、又はアルコキシアルキルアミンを含む。「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどのような1から25個の炭素原子の分岐又は非分岐飽和炭化水素基を示す。より長い鎖のアルキル基の例は例えばオレイン酸基又はパルミテート基を含む。「低級アルキル」基は、1から6個の炭素原子からなるアルキル基である。「アルキルヒドロキシ」は前記で定義されたアルキル基であり、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基に置き換えられている。「アルキルアルコキシ」は前記で定義されているようにアルキル基であり、少なくとも1つの水素原子は、アルコキシ基−ORと置き換えられており、Rは前記で定義されているようにアルキル基である。
実施例において、ブロッキング薬剤は、アンモニア、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドロキシルアミン、メトキシエチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、2−アミノ−2−メチル−l−プロパノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ジメチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、ポリエチレングリコールもしくはアミン−終端−ポリエチレングリコール、トリツマ(Trizma)塩酸塩、又はその任意の化合物を含む。実施例において、ブロッキング薬剤は例えば、水、HS、アルコール(ROH)、又はアルキルチオール(RSH)を含み、ここで、Rは前記で定義されているようにアルキル基である。
重合体上に存在するイオン化可能基に対する反応性基の比を有する開示されている支持体は、先行技術のセンサ支持体に対して非常に多くの利点を有する。イオン化可能基に対する反応性基の比は担持量の増加又は基体に対する重合体の付着(連結層の使用での直接的に又は間接的な)を可能にする。以下に議論されているように、基体への重合体の付着は穏やかな条件にあり、例えば、EDC/NHSでの予めの活性化を必要としない。これは支持体の製造における時間とコストの節約になる。択一的に又は付加的に、疎水性又は親水性のような結合重合体の他の特性でもってイオン化可能基に対する反応性基の比をコントロールすることにより、支持体の有効性を増加することができる。
実施例において、開示されている支持体は例えば、支持体と生体分子の間のより高い結合能力を有する。理論に制限される必要はないが、より多くの結合重合体が基体に担持されるならば、より多くの生体分子が重合体に付着すると考えられる。また、より多くの生体分子が基体に付着されるならば、支持体の性能もまた増進される。実施例において、いったん生体分子が重合体に付着すると、固定化された生体分子は検体との結合のために更に利用でき又はアクセスできる。実施例において、開示されている重合体はより優れた柔軟性を持ち、また重合体と生体分子の間により優れた結合形成を可能にする。開示されている重合体は、増加したアッセイの感度及びSN比を提供する。
d.支持体の調製
基体に付着される重合体の量は、重合体、生体分子及び検出すべき検体の選択に応じて変化し得る。実施例において、重合体は、少なくとも1つの単層を含む。実施例において、重合体は約10Åから約2000Åの厚さを有する。実施例において、重合体被覆の膜厚は、10Å、20Å、40Å、60Å、80Å、100Å、150Å、200Å、300Å、400Å、又は500Åの低限界値及び750Å、1000Å、1250Å、1500Å、1750Å、又は2000Åの高限界値を有し、任意の低限界値は厚い領域を形成するために任意の高限界値と組み合わせることができる。
実施例において、重合体は周知技術を使って基体に付着できる。例えば、基体は重合体の溶液に浸され得る。実施例において、重合体は噴射され、蒸着され、スクリーン印刷され、又はロボット制御でピン印刷され又は基体にマークを付けられる。これは、十分にまとめられた基体上かそれとも底辺挿入部上に(例えば、マイクロプレートを形成するために、穴のあるプレートに対して底辺挿入部が付着する前に)施されるであろう。
実施例において、支持体は例えば、重合体を直接又は間接的に基体に付着することによって作られ、重合体は生体分子に付着できる複数の反応性基を有する。重合体が直接又は間接的に基体に付着されるとき、重合体は共有結合的かそれとも非共有結合的(例えば、静電的)に付着され得る。図2は重合体が基体に付着する1つの特徴を表現しており、求核基Z(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、又はチオール基)は、新しい共有結合を生成するために重合体の無水物基と反応する。
実施例において、重合体が間接的に基体に付着するとき、連結層が使われる。連結層は、基体の外表面に共有結合又は静電的に付着され得る。基体に関する「外表面」という表現は、晒される又は操作を施される領域である。例えば、接触する際、溶媒又は試薬と接触することができる基体上の任意の表面は、基体の外表面と見なされる。このように、連結層は基体及び重合体に付着できる。
実施例において、開示されている基体は、基体に共有結合で結合した連結層を有している。しかしながら、異なる連結層は共有結合で基体に結合されている連結層と結合して、他の方法によって基体に付着され得ると考えられる。例えば、1つの連結層は、基体に共有結合で結合され得、第2の連結層は静電的に基体に結合され得る。実施例において、連結層が静電的に基体に結合されるとき、連結層を形成するために使われる化合物は正電荷を帯び、基体の外表面は網状に負電荷が存在するように処理され、その結果、連結層化合物及び基体の外表面は静電結合を形成することができる。
実施例において、基体の外表面は、連結層との共有結合を形成できる基が存在するように誘導化され得る。この連結層は基体に対して直接又は間接的に共有結合できる。連結層が間接的に基体に結合される場合、基体と連結層の両方に共有結合できるリンカー保有基が使われることができる。リンカー保有基の例は例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、エーテル基、ポリエーテル基、ポリアミン基、又はポリチオエーテル基等がある。リンカー保有基が使用され無い場合、連結層が基体に共有結合で結合され、これは直接の共有結合性の付着として言及される。
実施例において、連結層は、結合重合体と反応できる1つ以上の反応官能基を含む化合物から誘導される。連結層に関する「から誘導される」という表現は、それが基体に付着されるとき結果的に生じる残基又は連結層化合物として定義される。重合体の官能基は重合体の連結層への付着を可能にする。実施例において、連結層化合物の官能基は例えば、アミノ基、チオール基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アクリル酸基、有機酸基及び無機酸基、活性化エステル基、アルデヒド基、エポキシド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、それらの誘導物又はそれらの塩又はそれらの組み合せを含む。
実施例において、例えば、基体は、少なくとも1つのアミノ基を含む重合体でアミン修飾され得る。このような重合体の例は、例えば、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アリル)アミン又はシリル化されたポリエチレンイミンがある。実施例において、基体はアミノシランで修飾され得る。実施例において、例えば、少なくとも1つアミノシラン、又はアンモニアと反応したエポキシシランもしくは水と反応したイソシアナトシランなどのアミン含有基へ変換できるシラン担持基を含むシラン混合物で、基体はアミン修飾される。実施例において、連結層は直鎖又は分岐鎖のアミノシラン、アミノアルコキシシラン、アミノアルキルシラン、アミノアリールシラン、アミノアリールオキシシラン、又はその誘導物又は塩から誘導される。実施例において、連結層は3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N’−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン、又はアミノプロピルシルセスキクオアン(aminopropylsilsesquixoxane)などの化合物から誘導される。連結層化合物又は好適な代替もしくは等価化合物は市販されもしくは容易に調製されている。一般的に例えば、Pludemann,Silane Coupling Agents, (1982)、Gelest, Inc.,(www.gelest.com)を参照。
実施例において、基体が金からなるとき、重合体は、例えば、11−アミノ−1−ウンデカンチオール塩酸塩などのようなアミノアルキルチオールによって付着される。
連結層は周知技術を使って開示されている任意の基体に付着できる。例えば、基体は連結層化合物の溶液に浸漬され得る。実施例において、連結層化合物は、噴射され、蒸着され、スクリーン印刷され、又はロボット制御でピン印刷され又は基体にマークを付けられ得る。これは、十分に組み立てられた基体上又は底辺挿入部上(例えば、マイクロプレートを形成する底辺挿入部の穴のあるプレートへの付着前に)に施され得る。
実施例において、基体は金のチップを含んでおり、重合体はアミノチオールによって基体に間接的に付着されたポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)を含み、そして、重合体中におけるイオン化可能基に対する反応性基の比は、約0.67から3.0である。実施例において、基体は、Ta、Nb、TiO、Al、シリコン窒化物、SiO又はその混合物を含む層を有するガラス基体を含み、重合体は連結層によって基体に間接的に付着されたポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)を包含し、連結層はアミノプロピルシラン(例えば、ガンマ−アミノプロピルシラン)から誘導される。イオン化可能基に対する反応性基の比は約0.67から3.0である。実施例において、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)は、重合体が基体に付着する前にメトキシエチルアミンでプリブロックされる。
II.使用方法:
実施例において、本開示は、生体分子を固定化する方法を提供し、当該方法は例えば、上記重合体被覆物品を生体分子に接触する工程と、その接触物品を洗浄及び乾燥する工程とを含む。生体分子は例えば、少なくともタンパク質もしくはタンパク質の混合物、核酸、病原体、細胞構造成分、細胞,などの実体又はそれらの組み合わせである。
実施例において、本開示は、重合体修飾支持体で検体をアッセイする方法を提供する。実施例において当該方法は、当該検体を有するサンプルを当該支持体に接触を行う工程と結合された検体検出する工程を含み、当該支持体は基体とその基体に直接に又は間接的に付着された重合体からなり、当該重合体は生体分子に結合することができる複数の反応性基とイオン化可能基を有しており、当該イオン化可能基に対する当該反応性基の比は約0.5から約10であり、当該反応性基の少なくとも一部は重合体骨格と反応性基の間にスペーサ単位を有する。
実施例において、1つ以上の異なる生体分子は基体に付着され、様々な生物学的センサを作り出し得る。実施例において、生体分子は、結合重合体に共有結合又は静電的に付着付着され得る。生体分子は共有結合又は非共有結合を通して他の分子に対して特有の親和性を示すことができる。有効な生体分子の例は例えば、核酸分子、抗体、ペプチド、小分子、レクチン、修飾された多糖類、合成複合巨大分子、機能化されたナノ構造、合成重合体、修飾もしくはブロックされたヌクレオチドもしくはヌクレオシド、修飾もしくはブロックされたアミノ酸、蛍光団、発色団、リガンド、キレート、アプタマ、薬物(例えば、小分子)及びハプテンなどの実体又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
実施例において、生体分子は例えば、タンパク質であり得る。タンパク質は、ペプチド、タンパク質もしくはペプチドの断片、膜結合タンパク質、又は核タンパク質を含むことができる。タンパク質は任意の長さであり、1つ以上のアミノ酸又はその変種を含むことができる。タンパク質は分析する前に例えばプロテアーゼ消化によって断片化され得る。分析されるタンパク質サンプルもまた、サンプルの複雑性を低下するために分画又は分離される場合がある。断片化及び分画もまた同様のアッセイにおいて一緒に使用され得る。このような断片化及び分画は、タンパク質の分析を単純化でき拡張することができる。
実施例において、生体分子はウィルスであり、例えば、1型単純ヘルペスウィルス、2型単純ヘルペス、サイトメガロウィルス、エプスタインバーウィルス、水痘帯状ヘルペスウィルス、ヒトヘルペスウィルス6、ヒトヘルペスウィルス7、ヒトヘルペスウィルス8、天然痘ウィルス、水痘性口内炎ウィルス、A型肝炎ウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、D型肝炎ウィルス、E型肝炎ウィルス、ライノウィルス、コロナウィルス、A型インフルエンザ、B型インフルエンザ、麻疹ウィルス、ポリオーマウィルス属、ヒトパピローマウィルス、呼吸器合胞体ウィルス、アデノウィルス、コクサッキーウィルス、テングウィルス、ムンプスウィルス、ポリオウィルス、狂犬病ウィルス、ラウス肉腫ウィルス、黄熱病ウィルス、エボラウィルス、マールブルグウィルス、ラッサ熱ウィルス、東方ウマ脳炎ウィルス、日本脳炎ウィルス、セントルイス脳炎ウィルス、マリーバレー脳炎ウィルス、ウェストナイルウィルス、リフトバレー熱ウィルス、ロタウィルスA、ロタウィルスB、ロタウィルスC、シンドビスウィルス、サル免疫不全ウィルス、ヒトT細胞白血病ウィルス1型、ハンタウィルス、風疹ウィルス、サン免疫不全ウィルス、ヒト免疫不全ウィルス1型、ワクシアウィルス、重傷急性呼吸器症候群、ヒト免疫不全ウィルス2型、レンチウィルス、バキュロウィルス、アデノウィルスなどのウィルス、又は、それらの任意の菌株又は変異型が含まれる。
実施例において、生体分子は核酸を包含する。核酸は例えば、オリゴヌクレオチド、デオキシリボ核酸(DNA)又はその断片、リボ核酸(RNA)又はその断片、ペプチド核酸(PNA)又はその断片であり得る。核酸は任意の発生源から得られた核酸であり、例えば、細胞内で自然に生じ細胞から得られる核酸、組み換え技術によって作成された核酸、又は化学的に合成された核酸などがある。例えば、核酸はcDNA又はゲノムDNA又は天然に生じるDNAと一致するヌクレオチド配列を有するように合成されたDNAであり得る。核酸もまた核酸(例えば、変化、欠失、置換又は少なくとも1つの核酸残基の添加)又は天然に生じない核酸から突然変異又は修正される場合がある。
実施例において、核酸は発現ベクター(例えば、プラスミド又はウィルスベースのベクター)のようなベクター内に存在することができる。実施例において、ベクターは染色体に組み込まれたベクターである。核酸は、線形又は円形であり、任意のサイズであり得る。実施例において、核酸は1本鎖又は2本鎖のDNA又はRNAであり得る。
実施例において、核酸は機能的な核酸であり得る。機能性核酸は、例えば標的分子に結合する、特定の反応に触媒作用を及ぼす特有の機能を有する核酸分子である。機能性核酸分子は分類され、例えば、アンチセンス分子、アプタマ、リボザイム、三重鎖形成分子、RNA干渉、及び外部ガイド配列を含む。機能性核酸分子は影響因子、阻害物質、修飾物質、標的分子によって有された比活性の刺激因子として作用し、又は、機能性核酸分子は任意の他の分子と独立してデノボ活性を有することができる。
重合体が基体に付着するとすぐに、1つ以上の生体分子は前記技術を使うことによって重合体に付着され得る。実施例において、生体分子が核酸又はタンパク質であるとき、核酸又はタンパク質は公知技術を使うことによって、重合体上に印刷され得る。重合体層に付着できる生体分子の量は、例えば、選択された生体分子及び重合体及び検出された検体中のものによって変化できる。実施例において、1つ以上の異なる生体分子は支持体上の異なる位置に配置され得る。異なる生体分子が使用される場合、生体分子は、同時に又は異なる時に印刷され得る。
実施例において、生体分子は、生体分子を含む組成物中にピンの先端を入れることによって支持体上に堆積(即ち、付着)され得る。組成物から先端を戻すとき、組成物中で先端は組成物を含み支持体に組成物を移動する。例えば、この堆積は、ピンアレイを使うことによって成し遂げられる。堆積ステップは例えば、自動のロボットによるプリンターによって実行される。このようなロボットによるシステムは、例えば、Intelligent Automation Systems (IAS)社、Cambridge,Mass社から市販で入手することができる。
ピンは固体又は空洞であり得る。固体ピンの先端は一般的に平らで、ピンの直径は基体に移動した液体の量で決定される。くぼんだ底部を有する固体のピンもまた使用され得る。実施例において、単一サンプルを有するマルチプルアレイの印刷を可能にするために、くぼみのあるピンには、固体ピンより大きいサンプル量を保持し、それ故、単一の担持から印刷される1つ以上のアレイを許可するものが使用される。くぼみピンは印刷毛細管、ピンセット、割りピンを含む。好適な割りピンの例は、TeleChemInternational (Sunnyvale,Calif.)社開発のマイクロスポッティッングピンである。実施例において、ここでは、PointTech製のピンが使用できる。ここに記載されたスポッティッング溶液には、例えば、ジェネティックアンドバイオロボティックススポッタ(Genetixand Biorobotics spotters)を含む市販の多くのスポッタが使用できる。
付着した1つ以上の生体分子を有する開示されている支持体のどれもは、支持体が検体に接触する検体のアッセイに使うことができる。支持体が検体に接触すると、生体分子と検体の間の化学相互作用が生じ、結合した検体を生成する。しかし、相互作用は重合体と検体の間の或る範囲で起こり得る。生体分子と検体の間の相互作用の性質は生体分子と選択された検体に非常に依存する。実施例において、生体分子と検体の間の相互作用は例えば、静電気結合、水素結合、疎水結合或いは共有結合の形成をもたらし得る。実施例においては、生体分子と検体の間で静電気相互作用が生じ得る。
検体は、任意の天然物又は化合物であり得る。基体上の生体分子に結合され得る検体の例は、例えば、オリゴフクレオチド、核酸、タンパク質、ペプチド、抗体、抗原、ハプテン、又は小分子(例えば、調合薬)が含まれる。前記の任意の生体分子は、開示されている方法のための検体であり得る。実施例において、1つ以上の検体の溶液が調製され、マイクロプレートの外表面に付着された生体分子を有する1つ以上のウェルに加えられる。実施例において、異なる生体分子は異なるウェルのマイクロプレートに付着され得る。従って、異なる生体分子と異なる検体の間の多くの異なる相互作用を検出することが可能である。実施例において、タンパク質はタンパク質と第2のタンパク質又は小分子との間の相互作用を調べるためにマイクロプレート上に固定化され得る。また、小分子は、小分子と第2の小分子との間の相互作用又はタンパク質を調べるために開示されている技術を使うことによってマイクロプレート上に固定化され得る。実施例において、生体分子は第2のオリゴヌクレオチド(すなわち、検体)を複合化(hybridize)できるオリゴヌクレオチドであり得る。実施例において、基体がマイクロプレートのときアッセイは高生産性(ハイスループット)アッセイであり得る。
実施例において、アレイは開示の任意の方法において使用され得る。実施例において、アレイは基体上に複数の生体分子を含んでおり、生体分子は支持体に接して別々の位置及び規定された位置上にある。アレイは遺伝子発現、病気診断、創薬(薬理ゲノム学)及び毒物学的研究(トキシコゲノミクス)のような広い範囲の用途に使われてきた。典型的は方法はターゲットに結合するアレイ中において前記化合物を確認するために関心のあるターゲットを有する生体分子のアレイと接触することを含む。アレイは一般的にマクロアレイ又はマイクロアレイとして記載され、違いはサンプルのスポットのサイズである。実施例において、アレイは少なくとも96又は384個の明確かつ定義された位置を包含する。
」「
アレイを生産する方法は周知である。例えば、「Fodor et al., 1991, Science, 251:767-773」は、小型化され、実質的にアドレス可能なペプチドのアレイを合成する戦略をマスキングするフォト‐プロテクトされたアミノ酸及びフォトリソグラフィックを利用するin situ方式を記載している。このin situ方式は近年、オリゴヌクレオチド(U.S. Pat. No. 5,744,305)の小型化されたアレイの合成を拡大してきている。固定化されたオリゴヌクレオチドの空間的にアドレス可能なアレイを製造する他のin situ合成方法は、「Southern, 1992, Genomics, 13:1008-1017;」「 Southern & Maskos, 1993, Nucl. Acids Res., 21:4663-4669;」「Southern & Maskos, 1992, Nucl. Acids Res., 20:1679-1684;」「 Southern & Maskos, 1992, Nucl. Acids Res., 20:1675-1678」参照。この方法において、従来のオリゴヌクレオチド合成試薬は固定化されたオリゴヌクレオチドのアレイを作成するために物理的にマスクされたガラススライド上に投薬された。米国の「U.S. Pat. No. 5,807,522」には、基体上に規定量液体をくみ上げるのに効果的な条件下、基体上でキャピラリーディスペンサーをしかけることによって各々のアレイのアドレスにおいて既知の量の試薬を投薬することを含む生物サンプルのマイクロアレイを製造する堆積方法が記載されている。
実施例において、核酸又はタンパク質のアレイは、開示されている基体のいずれかに印刷され得る。米国の「U.S. Published Application No. 2003/0228601, to Sabatini」に記載技術は、異なるアレイ又は開示されている方法において使用できる核酸ライブラリーに関して使用できる。
実施例において、開示されている支持体は例えば、リファレンス領域とサンプル領域をもつ表面を有している。いくつかの異なる体積技術(例えば、コンタクトピンプリンティング、非接触プリンティング、マイクロコンタクトプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレープリンティング、スタンピング、スプレーイング)は、単独の支持体上においてリファレンス領域及びサンプル領域を作成するために使用され得る。サンプル領域は、検体と固定化された生体分子との間の相互作用の検出を可能にし、一方、レファレンス領域は検体と固定化された生体分子との間の相互作用の検出に悪影響を及ぼし得る誤った変化の取り消しを可能にする。1つの実施例において、サンプル領域及びリファレンス領域はマイクロプレートのウェル内に取り込まれる。
実施例において、重合体を有する支持体の所定の領域は特に、ブロッキングを堆積させることによって又は活性化剤によって不活性化される。例えば、重合体がポリ(エチレン−無水マレイン酸)(EMA)のような活性アミン被覆であるとき、前記ブロッキング剤のいずれかは不活性化剤として使用され得る。また、アミンを含有していない試薬は、重合体を不活性な状態にさせるために重合体上に存在する反応性基を加水分解するために使われ得る。このように、生体分子は、不活性化剤で処理されていない領域でセンサに唯一結合する。
実施例において、生体分子は重合体に付着され、支持体は不活性化因子に晒され、リファレンス領域として使われることができる支持体の印刷されていない領域を不活性化又はブロックする。
生体分子に付着した支持体が検体に接触するとすぐに、結合した検体は検出される。前記のように、開示されている基体の利点の1つは検体の非特異的な結合が減らされることである。
実施例において、結合された検体は検出の目的のために標識され得る。使用される検出技術によっては、実施例において、検体は検出する前に検出可能なトレーサで標識され得る。検体と検出可能なトレーサの間の相互作用は任意の化学的相互作用又は物理的相互作用を含むことができ、例えば、共有結合、イオン相互作用、又はルイス酸−ルイス塩基相互作用を含む。「検出可能なトレーサ」は、(1)前記のように検体と相互作用できる少なくとも1つの基を有する化合物、(2)周知技術を使って検出できる少なくとも1つの基を有する化合物、の任意の化合物として定義される。実施例において、検体は支持体に接触する前に標識され得る。実施例において、検体は、検体が支持体と接触した後に標識化することができる。検出可能なトレーサの例は例えば、蛍光及び酵素のトレーサを含む。
実施例において、結合された検体の検出は例えば、蛍光、リン光、ケミルミネッセンス、バイオルミネッセンス、ラマン分光法、光散乱分析、質量分析などの方法及び他の周知技術を用いて行われる。実施例において、結合された検体は標識独立検出(LID)よって検出される。LIDの例は例えば、屈折率センサ(表面プラズモン共鳴、共鳴導波路回折格子システム、又は偏光解析法)、音波センサ、又は質量分析又は水晶振動子微量天秤などのような質量センサを含む。
要約すれば、開示されている支持体及び方法は多量の生体分子の担持を可能にし、検体の検出に関してより高い感度をもたらす。開示されている支持体及び方法もまた多くの異なる基体と相溶性が良い。開示されている支持体の調製は穏やかな条件を用い、結果得られる支持体は、均一性に関連して優れた貯蔵安定性を示し、基体への生体分子の付着を安定した再現性を有する。最終的に、支持体及び方法はまた、タイムリーで経済的な方法においてアレイのシグナル強度、感度及びアッセイの品質を増加させ、さらに、アッセイの特異性を向上させる。
実施例において、本開示は例えば、非標識又は標識独立検出(LID)センサに用いられる表面組成物を提供し、より詳しくは、結合生体分子のための表面組成物を提供する。実施例において、組成物は例えば、合成重合体−被覆LID基体を含む。本開示の被覆センサは、現在利用できる被覆センサと比較してバイオアッセイの利点を有することができる。
センサ表面に付着するときに、本開示の重合体は少なくとも1つの反応性基、例えば生体分子を結合するための少なくとも1つの反応の側鎖基を有するアミド酸基、を含むことができる。アミド酸は、窒素と化合する酸、すなわちカルボン酸及びアミド基を含んでいる化合物である。開示された重合体のアミド酸基は図1の一般式を有することができ、例えば、Rがスペーサ例えば、線形の脂肪族鎖又は酸素を与えられた脂肪族鎖であり、そして、例えば、Xが反応性基、非反応性基又は両方の基である。実施例において、例えば、Xは生体分子を結合するための反応性基である。例えば、Rは線状鎖である。Rは例えば、それらが約24個未満のアルキレングリコール単位又はそれの組み合わせを含むようなアルキル鎖、低分子量ポリエーテル鎖であり得る。アミド、エステル、炭酸エステル基又はペプチド結合を含んでいる他の線状鎖も選ばれ得る。実施例において、Rがアルキルであるときに、例えば、それは約3から約8個の炭素原子まで、そして、約4から約6個まで炭素原子を有することができる、そして、Rがポリ(アルキレングリコール)であるときに、例えば、それは約2から約24個のアルキレングリコール単位(例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール単位)を、又は約2から約6個のグリコール単位(例えば4個のエチレングリコール又は4個のプロピレングリコール単位又はこれらの組み合わせ)を有することができる。
実施例において、例えば、Xは生体分子に対する結合ができるいかなる反応性基でもよい。適切なX基は、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルでもよく、又は、s置換N−ヒドロキシスクシンイミド、例えばSulfo−NHSでもよい。Sulfo−NHSは、タンパク質のアミン基及び表面のカルボン酸基の間のカルボジイミド促進アミド結合形成のために使われ得る。sulfo−NHSは、水及び有機溶剤の可溶であって、長命で、水においてよりゆっくり加水分解されるので、特に適している(文献12)。
驚くべきことに、我々は、開示されたコー被覆組成物、物品及び方法が大量の生体分子(例えばタンパク質)の捕獲を可能して、加えて、小分子での相互作用のための高い応答をに提供するということを発見した。高い応答性は、結合応答に関連し、例えば、NHS活性カルボキシメチルデキストラン(NHS/CM5)についての以前報告されたものより約2から約5倍大きい、そして、下記実施例3の記載されているような結合応答を示している。例えば、Biacore(NHS/CM5)基体に実行されるフロセミド/CAII結合アッセイのための結合応答は約50RUであが、本開示のスペーサ及びsulfo−NHS修飾アミド酸被覆基体上のものは約250RUと比較される。例えば、図13参照。本開示の被覆組成物及びそれらの成分重合体は、無水マレイン酸の共重合体のような重合体担持無水物基でアミノ酸化合物から例えばアミノ基の間の反応によって容易に調製され得る。例えば、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)又はポリ(メチルビニルエーテル−alt−無水マレイン酸)は優れた開始共反応物重合体材料である。重合体の無水物反応基も重合体のセンサ表面への都合の良い付着を可能とし、例えば、ここで、センサは例えば、アミノアルキルシラン特にガンマアミノプロピルシランのような第1級アミノ基を有する連結層で予め被覆されている。無水物共重合体に化学反応するアミノ酸化合物は、例えば、ガンマアミノ酪酸(GABA)、アミノヘキサン酸、アミノオクタン酸や、例えば、Quanta Biodesign (www.quantabiodesign.com)社から得られるアミノPEGn酸、例えば、アミノPEG酸、アミノPEG酸、アミノPEG12酸、アミノPEG24酸などの化合物の少なくとも1つででもよい。
アミノ−dPEG酸(登録商標)の構造は、下記式である。
−(CH−(O−CH−CH−C(=O)−O−
実施例において、開始ベース重合体は、反応性アミド酸基及び非反応性アミド酸基を含む。非反応性アミド酸は例えば図2のRのような側鎖基に関連して、それはアミド酸のアミド一部に連結されるが、生体分子には化学反応しない。その状況において、非反応性アミド酸が単官能アミノ化合物の反応によって作られ得る。かかる単官能アミノ化合物は、例えば、エタノールアミン、メチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、メトキシエチルアミンなどの化合物又はそれらの組み合わせ少なくとも1つである。
実施例において、本開示はLIDセンサを調製するために用いることができる被覆組成物を提供する。被覆組成物は非常に高いタンパク質固定化能力を有し、固定化されたタンパク質の著しく改善された活性を有することができる。実施例において、"高いタンパク質固定化能力"は例えば実施例3にて比較的に記載されているように、以前報告されたものより少なくとも約2から約5倍大きいことを意味する。例えば、これは本開示の物品及び方法による33,500RUのBiacore機器上のCAII固定化応答に相当し(1,000RU応答が固定化されたタンパク質約1ng/mmに相当にすると仮定すると、タンパク質の約33.5ng/mm)、一方、「Myszka et al., "Comparative analysis of 10 small molecules binding to carbonic anhydrase II by different investigators using Biacore technology", Analytical Biochemistry, 359 (2006) 94-105」によって報告されているように、セットアップでNHS/CM5を使って僅か約6,950RU程度が得られた。
本開示の被覆のいずれも含むような非標識検出バイオセンサなどの本開示の物品は、例えば、低分子量検体及び高分子量表面結合受容体(例えばタンパク質)間の生体分子認識事象に高感度を提供することができる。固定化されたタンパク質は増進された活性を呈し、無水物基のみ担持の重合体からなるものの他の表面化学反応に比較して例えば、約2から約10倍、そして約2から約6倍より大きい活性を示す。米国の「US2007/0154348, to Frutos」を参照。
センサ被覆の増進感度及び本開示により調製された物品は、例えば、薬剤発見又は他の小分子発見研究に使用する例えば、高いスループットスクリーニング(HTS)システムの使用に互換性を持つことができる。
本開示は、低タンパク質濃度を使用している非標識検出のためのセンサ調製を可能とし、更に、他の低感応性LID技術と比較してかなりのコストと時間限界の減少を有する非標識又は標識独立アッセイを提供することができる。低タンパク質濃度は、アッセイが例えば、約25μg/mLのタンパク質溶液や10μg/mL以下のタンパク質溶液を使用して実行され得ることを意味する。従来のアッセイは、概してより高いタンパク濃度例えば約250μg/mL(以前の「Myszka,etal.,」を参照)を使用することで実行される。
本開示の表面被覆の表面化学反応は容易に実行され、SPRに基づくような非標識検出、Epic(登録商標)バイオセンサプレート(コーニング社から)のような共鳴グレーティング、二面偏波式干渉法(DPI)、及びマイクロ流体処理システムを任意に含むものなど多くの非標識検出プラットフォームと互換性を有する。
図をまた参照すると、図3は例えば本開示の重合体と関連した特定の表面の一般式を示す。
当該式中、例えばRがエチレン残基−(CH−CH)−であり;
が約6炭素原子又は例えば、4エチレングリコール単位を含むポリエチレングリコール部分を含むスペーサであり;
がプロピル基などのアルキル基であり;
Zが例えば、スルホン酸基又はN−ヒドロキシスクシンイミド反応性エステル基と関連したスルホン酸基の塩であり;
Yが表面のアミド結合又は連結層NHであり;
mが約10から約10,000であり;
nが約10から約10,000であり;
oが約10から約10,000であり得る。
本開示の表面修飾重合体被覆の一例が図4の表面反応生成物として例示される。図4は、表面と協働する重合体とのsulfo−NHSの反応を示す。表面重合体は市販のEpic(登録商標)プレートにおけるプロピルアミン−誘導化ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)とのアミノPEG酸の反応によって調製された。結果の重合体は、スペーサを有するs−NHS基を有する反応性アミド酸量体及びスペーサを有さないもの(それぞれ、太い矢印)、非反応性アミド酸量体(例えばプロピルアミン)、表面付着基(例えば−C(=O)NH−)、並びにイオン化可能もしくは既イオン化(示された)カルボキシ基を含む。
図5A及び5Bは、本開示の実施例における比較誘導化表面及び本開示の誘導化表面上の直接タンパク質(例えば、炭酸脱水酵素II)固定化の例を模式的に示す。図5Aは、無水マレイン酸共重合体処理された基質(520)(WO2006/058237及びWO2007/078873に記載されたように処理された)上に固定化された炭酸脱水酵素II(510)を示す。固定化された炭酸脱水酵素II(510)は、活性部位又は関心ある受容体部位(530)及び阻害されたサイトアクセス(540)を有する。図5Bは、本開示のアミド酸及びスペーサ誘導化(550)表面(520)上の活性部位又は関心ある受容体部位(530)を有する炭酸脱水酵素II(510)を示す。図5A及び5Bの矢印は、固定化されたタンパク質の受容体結合部位又は活性部位への小分子候補物質のそれぞれ妨げられ又は制限されたアクセス(540)及び寛容又は制限されないアクセス(545)を示す。
図6は、炭酸脱水酵素II(CAII)固定化のためのSulfo−NHS(sNHS)を有する活性化上のスペーサの長さの関係を示し、そして、線(610)が水において活性化したsNHS反応基を有する開示の表面重合体のためのデータポイントを表し、線(620)はDMSOにおいて活性化されるsNHS反応基を有する開示の表面重合体のためのデータポイントを表す。驚くべきことに、約n=4より長かったPEGスペーサは、絶えず低い結合応答を示した。理論によって制限されないが、例えば、より長いPEG修飾は、それらがそれらの親水挙動及び排除体積のためにタンパク質をはね返すことができるので、よりアクセスできることができないか又はより低い結合反応を有することができないと信じられいる。これは、また、PEGsが非特異的タンパク質吸着を防ぐ理由及びPEGsがタンパク質の変性を防ぐ理由であり得る。それで、PEGsがスペーサとして作用することができると共に、スペーサの分子量があまりに高い場合、それらはまた、タンパク質をはね返すことができる。スペーサのカルボン酸基及び骨格鎖のカルボン酸基の活性化は、いずれのDMSO又は水においても達成された。上記したように、NHS活性化は、NHS活性エステルにカルボン酸基を転換することができる。スペーサ端のカルボン酸は、NHS活性エステルに変換される。例えば、全部カルボン酸に関するEDC及びNHSの相対量に応じて、重合体骨格鎖上の一部のカルボン酸はNHS活性化はエステルへ変換され得る。例えば、図4参照。
図7は、本開示のスペーサを有する反応性アミド酸を使ってマイクロプレートが調製された(右側バー)時の比較例1(左側バー)のプレートと比較した、CAIIのための増進又は上級な固定化能力を示す。同様に、図8はCAIIが本開示のスペーサベース被覆で固定化されたとき(dEMA−PEG4sNHS;右側バー)の結合応答の典型的な著しい改善を、比較例1(dEMA;左側バー)と比較して示す。
図9は、検体:受容体の比率は1:1(ストイキオメトリ)であり、相対屈折率増大増加量(RII)並びに受容体及び検体分子量(Mw)を想定した観察された結合応答を考慮して計算されたタンパク質の有用性、期待される結合応答の表を示す。結果は、受容体又はアクセスに対する有用性の利得が、例えば、本開示の反応性アミド酸で被覆したマイクロプレート(dEMA−PEG4−sNHS)を使って、比較例1のプレートと比較して約2倍から約3倍であることを示す。
図9に示されるdEMAデータ(上の表)及びdEMA−PEG4sNHSデータ(下の表)においては、薬剤のMwは331であり、タンパク質のMwは30,000であり、薬剤のRIIは0.357であり、そして、タンパク質のRIIは0.180であった。
CAII固定化及びフロセミド結合応答は図10及び図11のそれぞれのチャートに示される。これらのCAII固定化及びフロセミド結合アッセイは、CAIIが酢酸緩衝液100マイクログラム/mLだけで固定されたことを除いて、実施例1にて説明したように、実行された。さまざまなPEG量体スペーサ長s(n=4、8、12、及び24)を有するプレート表面は3つのpH(それぞれ5.8、7.4及び9.2)にて水及びDMSOにおいて評価されて、コントロール(EA/sNHSat pH5.8)と比較された。EA/NHSコントロールは、エタノールアミンとの反応によって不活性化されているエチレン−無水マレイン酸共重合体(dEMA)の無水物基の全てを有する重合体に関連して、対応する非反応性アミド酸残基を形成し、まず最初に下式の量体を有する。
−{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
式中、
が二価の−(CH−CH)−であり;
が二価の−(CH−CH)−であり;
Xが−OHであり;
mが約10から約10,000であり、
又はその塩であり、そして、その後、sulfo−NHSとの反応にて少なくとも下式の量体となる。
−{−CH(C(=O)(sNHS))−CH(C(=O)NH−CH−CH−(OH))−(CH−CH)−}
例:
以下の例は本開示を使用する方法を充分に説明するのに役立てて、更に、本開示のさまざまな局面を実行するために考察される最良の態様の具体例を例示するものである。これらの例は、本開示の範囲を制限せず、図示する目的のためにむしろ示される。
比較例1:
CAIIの直接固定化は非反応性アミド酸のみ(WO2007/078873に記載のように)含み反応性アミド酸基を含まない無水マレイン酸共重合体上で完成させた。この被覆製品は市販品であり、例えば、コーニング社から入手可能な384−ウェルCorningEpic(登録商標)プレートである。比較表面を使用したウシ炭酸脱水酵素アイソザイムII(CAII)の固定化とフロセミドの結合は以下の実施例1に記載したように実行された。
比較例2:
比較表面として非反応性アミド酸とEDC/NHSで活性化されたカルボン酸を含むマレイン酸共重合体(すなわち加水分解された無水マレイン酸共重合体)上のCAIIの直接固定化は以下の実施例1に記載したように実行された。
実施例1:
反応性アミド酸スペーサを有する表面の調製:
誘導化ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)("dEMA"は例えば米国の「US patent application publication US2007/0154348, to Frutos, et al., entitled Supports for Assaying Analytes and Methods of Making and Using Thereof, published July 5, 2007」を参照)の表面被覆を有している市販のEpic(登録商標)プレート(ProductID38043)は以下のように処理された。50mMホウ酸塩緩衝液pH9.2の25マイクロリットル(マイクロL)の400mMアミノPEG−4酸スペーサ(Quanta Biodesign社から)は、プレートの各々のウェル穴に添加された。溶液はピペッタで5分間、混合され、プレートは1分間、回転を下げられて閉じ込められた気泡を除去し、それから周囲室温(RT)で、約1時間インキューベートした。そしてインキューベートしたプレートはピペッタを用いて水で6回洗浄された。洗浄後、DMSOの200mMEDC/50mMSulfo−NHSの25マイクロリットルは、プレートの各々のウェル穴に添加された。溶液はピペッタで5分間、混合され、800rpmに1分間、回転を下げられた。プレートは周囲室温(RT)で5分間、放置された。最後にプレートはピペッタを用いて水で6回洗浄された。
タンパク質固定化:酢酸緩衝液の100、75、50、25、及び10マイクログラム/mLCAII、pH5.5は、実施例1及び比較例2に従って調製されたプレートの各々のウェル穴に添加された。そしてプレートは800rpmに1分間、回転を下げられ、生体分子固定化が4℃で約16時間に亘って実行された。固定化応答はEpic(登録商標)プラットフォームを使用して測定された。固定化応答は図7に示される。実施例1の結果はdEMA−PEG4−sNHS(右側バー)及び比較例dEMA(左側バー)として示される。
小分子の結合(フロセミド):10マイクロMフロセミド溶液は、ここの前後に示した調製表面を有するEpic(登録商標)プレートの各々のウェル穴に添加された。Epic(登録商標)プラットフォームが用いられ、結合アッセイを達成して、結果を記録した。
実施例2:
反応性アミド酸スペーサを有する調製表面:図10及び11は実施例の結果を示し、異なる鎖長を有するスペーサの無水物重合体への付着に関するpHの影響を示す。3つのpHのもの、pH9.2(ホウ酸塩緩衝液)、7.4(PBS)及び5.5(酢酸緩衝液)がスペーサを重合体へ付着するために用いられた。市販のEpic(登録商標)プレート(ProductID38043)が以下の手順で処理された。上記の緩衝液での10mMアミノPEG−4酸、アミノPEG−8酸、アミノPEG−12酸又はアミノPEG−24酸スペーサ(QuantaBiodesign)の15マイクロリットルは別々に、Epic(登録商標)プレートの各々のウェル穴に添加された。溶液はピペッタを用いて混合され、プレートは1分間、回転を下げられて閉じ込められた気泡を除去し、それから周囲室温(RT)で、約30分間インキューベートした。インキューベート後、プレートは3回、水で洗浄された。洗浄後、DMSO又は水での10マイクロリットルの200mMEDC/50mMSulfo−NHSは16−チャネルハンドピペッタを用いて各々のウェル穴に添加された。プレート、800rpmに1分間、回転を下げられた。プレートは周囲室温(RT)で30分間、放置された。最後に、プレートはプレート洗浄機で洗浄された。プレートはCAII固定化のために評価された。図10参照。フロセミド結合では図11参照。
実施例3
SPRバイオセンサアッセイ:CAII固定化能力及びスルホンアミド(フロセミド)結合の評価はBiacoreT100機器(SPRバイオセンサ)によって達成された。実施例1にて説明したように被覆は、メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びアミノプロピルトリエトキシシランの加水分解及び縮合によって得られた混合ポリシロキサンからなるアミノ−シロキサン−チオール連結層を使用して、剥き出し金のセンサ素子に適用され、そして、Biacore社から市販されているSPRバイオセンサプレートの既被覆センサ素子("CM5"、カルボキシメチルデキストラン材料)と比較された。結果は、実施例1の組成物でのSPRバイオセンサプレート被覆がCM5被覆SPRバイオセンサプレートの場合よりも約5倍を実行したことを示した。

CM5センサ素子上の活性化及びCAII固定化:CM5センサ素子は受け取ったままで修飾なしで使用された。リン酸塩緩衝食塩水(PBS)、pH7.4がランニング緩衝液として使用された。CM5センサ素子は0.4MEDC及び0.1MNHSの1:1の割合の7分間注入(10マイクロL/分)で活性化された。CAIIは10mM酢酸ナトリウムpH5.0での100マイクログラム/mLCAII溶液の7分間注入で表面に結合された。残留する基は1.0MエタノールアミンpH8.5の7分間注入で不活性化された。
実施例1の被覆上の活性化及びCAII固定化:AnSIAキットAuセンサ素子(剥き出し金)(GEHealthcare;www.biacore.comから入手可能)は上記のアミノ−シロキサン−チオールの薄膜連結層でまず被覆された。それから、40mol%プロピルアミンで誘導されたプロピルアミン誘導化ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)被覆は、米国の「US2007/0154348」にて以前に記載されたようにして、バイオセンサ表面に適用された。そして、誘導化ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)被覆センサ素子は、50mMホウ酸塩緩衝液pH9.2での10mMアミノPEG−4酸スペーサの5mL中に30分間浸漬処理された。そしてセンサ素子は水で洗浄された。洗浄後、センサ表面は、0.4MEDC及び0.1MNHSの1:1の割合の12分間注入(10マイクロリットル/分)で活性化された。CAIIは20mM酢酸ナトリウムpH5.0での100マイクログラム/mLCAII溶液の7分間注入で表面に結合された。残留する基は1.0MエタノールアミンpH8の7分間注入で不活性化された。
スルホンアミド(フロセミド)結合:30マイクロMフロセミド溶液は3%DMSOでPBSの希釈により調製された。フロセミド溶液は実施例1の表面及び市販のCM5表面へそれぞれ60秒間の接触時間及び900及び300秒間の解離時間で注入された。除体積効果を修正するために、DMSOキャリブレーション系列は、調製された。センサグラムは、溶媒修正が続くCM5基準表面のために記録される結合応答を減算することによって処理された。
図12を参照すると、図12は、本開示の被覆プレート生成物(1220;上方トレース)市販の被覆CM5プレート生成物(1210;下方トレース)とでのCAII固定化のために得られたセンサグラムの比較を示す。固定化は、CM5プレートの約6,950応答単位RUと比較して本開示の被覆プレート生成物では約33,520応答単位であった。本開示の被覆プレート生成物では、市販のCM5被覆プレート生成物と比較して約5倍(4.8)の向上が得られた。
図13は、本開示の被覆プレート(1320;上方トレース)及び市販被覆プレート(1310;下方トレース)でフロセミド結合のために得られたセンサグラムの比較を示す。結合応答は、実施例1の被覆プレート及びCM5被覆プレート上に固定化されたCAIIにおいて、それぞれ250RU及び50RUであり、フロセミド結合にて約5倍の向上が得られた。
CM5被覆プレート上のCAII固定化の6,950応答単位(RU)及び結合応答の50RUは非常に良好に公表データに一致していた。例えば「"Comparative analysis using Biacore Technology," Papalia, et al., Anal Biochem. 359, 94-105 (2006)」を参照。これらのまた他の結果は本開示の物品及び方法によって得られることができる有意な利益であることを示す。
本開示は、さまざまな特定の実施例及び議出に関して記載された。しかし、本開示の精神と範囲内の残ると共に、多くの変更及び改質が可能であると理解されなければならない。

Claims (25)

  1. アッセイ支持体であって、基体と、前記基体に直接又は間接的に付着した重合体と、を含み、
    前記重合体は複数の反応性基及び複数のイオン化可能基を有し、前記反応性基の少なくとも1つは前記重合体の骨格と前記反応性基の間に位置するスペーサ単位を有することを特徴とする支持体。
  2. 前記基体は、プラスチック、重合体もしくは共重合体の物質、セラミック、ガラス、金属、結晶構造の材料、貴金属もしくは半貴金属、金属もしくは非金属酸化物、無機酸化物、無機窒化物、遷移金属、又はその任意の組み合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  3. 前記基体は、アミノシランを有する連結層で修飾され、前記重合体は、少なくとも1つのアミノ基又はこれらの組み合わせを有することを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  4. 前記重合体は、連結層によって直接又は間接的に基体に付着され、前記連結層は共有結合的、静電結合的又はそれらの組み合わせにより前記基体の外表面に付着されることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  5. 前記連結層は直鎖又は分岐鎖のアミノシラン、アミノアルコキシシラン、アミノアルキルシラン、アミノアリールシラン、アミノアリールオキシシラン、アミノシロキサンチオール又はこれらの組み合わせ又はこれらの塩の少なくとも1つを含む化合物から得られることを特徴とする請求項3に記載の支持体。
  6. 前記連結層は3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N’−(ベータ−アミノエチル)−3−アミノプロピルメトキシシラン、又はアミノプロピルシルセスキクオアンを含む化合物から得られることを特徴とする請求項3に記載の支持体。
  7. 前記反応性基は、無水物基、エポキシ基、アルデヒド基、活性化エステル、スクシンイミド、イソシアネート、イソチオシアネート、スルホン酸クロリド、カーボネート、アリールハロゲン化物もしくはアルキルハロゲン化物、アジリジン、マレイミド、トレシル、ビニルスルホン、トシル、アシルアジド、カルボジイミド活性化カルボン酸、カルボジイミド活性化ホスファート、ハロアセチル、ジスルフィド、ピリジルジスルフィド又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  8. 前記イオン化可能基は正電荷基又は負電荷基に転換され得ることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  9. 前記重合体は、無水マレイン酸共重合体及び第1単量体を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  10. 前記第1単量体は、スチレン、テトラデセン、オクタデセン、メチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジビニルベンゼン、エチレンアクリルアミド、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド、重合化可能なオリゴ(エチレングリコール)もしくは重合化可能オリゴ(エチレンオキサイド)、プロピレン、イソブチレン、ビニルアセテート、メタクリレート、アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項9に記載の支持体。
  11. 前記重合体は、ポリ(ビニル酢酸塩−無水マレイン酸)、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(イソブチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ(無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン)、ポリ(無水マレイン酸−alt−1−テトラデセン)、ポリ(無水マレイン酸−alt−メチルビニルエーテル)、ポリ(トリエチレングリコールメチルビニルエーテル−co−無水マレイン酸)、ポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  12. 前記重合体は、反応性基と、イオン化可能基と、記重合体骨格及び前記反応性基の間にある少なくとも1つスペーサと、を有するポリ(エチレン−alt−無水マレイン酸)を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  13. 前記重合体は、下記式の量体、
    −{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
    {式中、
    が二価の−(C2−6アルキレン)−であり;
    が約6から約30個の原子を含む二価のスペーサであり;
    Xが反応性基もしくはその塩であり;
    mが約10から約10,000である}
    又はその塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  14. 前記重合体は、下記式の量体からなる共重合体、
    −{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R−(X))−R−}
    −{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)−(Y))−CH−R−}
    −{−CH(C(=O)(OH))−CH(C(=O)NH−R)−R−}
    {式中、
    が二価の−(C2−6アルキレン)−であり;
    が約6から約30個の原子を含む二価のスペーサであり;
    が一価の−(C1−6アルキル)であり;
    Xが反応性基もしくはその塩であり;
    Yが表面実質的基もしくはその塩であり;
    mが約10から約10,000であり;
    nが約10から約10,000であり;
    oが約10から約10,000である}
    又はその塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  15. 前記量体の式において、
    が−(−CH−CH−)−であり;
    が約2から約6個のアルキレングリコール単位を含むポリアルキレングリコール部分からなる二価のスペーサであり;
    がプロピル基であり;
    Xがスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド基もしくはその塩であり;
    Yが表面実質的基であり;
    mが約10から約10,000であり;
    nが約10から約10,000であり;
    oが約10から約10,000である}
    又はその塩を含むことを特徴とする請求項14に記載の支持体。
  16. 前記量体の式において、Rが下記式の二価のスペーサ、
    −NR−(CH−(O−CH−CH−C(=O)−O−
    {式中、各Rが水素又は一価の−(C1−6アルキル)であり、かつpが約2から約6であることを特徴とする請求項14に記載の支持体。
  17. 前記重合体の反応性基に付着された1つ以上の生体分子を更に含み、前記生体分子は、自然の、合成もしくは修飾されたオリゴヌクレオチド、自然のもしくは修飾されたヌクレオチドもしくはヌクレオシド、核酸(DNA)もしくは(RNA)もしくはその断片、自然のもしくは修飾されたアミノ酸を含むペプチド、抗体、ハプテン、生物学的リガンド、キレート、アプタマ、脂質、糖類、小分子、レクチン、修飾された多糖類、合成複合巨大分子、機能化されたナノ構造、合成重合体、蛍光団、発色団、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  18. 生体分子は共有結合的又は静電結合的に重合体へ結合されていることを特徴とする請求項17に記載の支持体。
  19. 複数の生体分子は支持体上に存在し、前記生体分子は離散して支持体上の位置を確定してアレイを生成することを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  20. 請求項1に記載の支持体を作成する方法であって、
    スペーサ基の付着を可能とする複数の基を有する重合体が直接又は間接的に付着した基体を用意する工程と、
    付着した重合体をスペーサ基形成部に接触させる工程と、
    スペーサ基を有する結果の付着した重合体を反応性基形成部に接触する工程と、を含む方法。
  21. スペーサ基及び反応性基を有する結果の付着した重合体を生体分子に接触させて、スペーサ基と少なくとも1つの反応性基に付着した生体分子とを有する付着した重合体を有する支持体を生成する工程を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 検体のアッセイを実行するであって、
    請求項17に記載の支持体を検体を含む試料に接触させる工程と、
    結合した検体を検出する工程と、を含む方法。
  23. イオン化可能基に対する付着した生体分子を有する反応性基の比が約0.5から約10であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 生体分子又は反応性基に付着した細胞を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の支持体。
  25. イオン化可能基に対する反応性基の比が約0.5から約10であることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
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