JP2018097199A - 半導体素子及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Shiyousuu Watanabe
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Abstract

【課題】メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制すること。【解決手段】基板10と、基板10上に設けられたメサ状の半導体層(アーム導波路24a、24bなど)と、基板10上に設けられ、メサ状の半導体層(アーム導波路24a、24bなど)の両側に埋め込まれた樹脂膜40と、を備え、メサ状の半導体層(アーム導波路24a、24bなど)の脇で且つメサ状の半導体層(アーム導波路24a、24bなど)から離れた位置における樹脂膜40の上面に、樹脂膜40の厚さよりも浅い深さの溝44が設けられている、半導体素子。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体素子及び半導体素子の製造方法に関する。
基板上に設けられたメサ状の半導体層の両側を樹脂膜で埋め込んだ半導体素子が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−205025号公報
メサ状の半導体層の両側を樹脂膜で埋め込む場合、メサの高さが高くなると、メサ状の半導体層の上部において、メサ状の半導体層と樹脂膜とに剥離が生じる場合がある。
そこで、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制することを目的とする。
本願発明は、基板と、前記基板上に設けられたメサ状の半導体層と、前記基板上に設けられ、前記メサ状の半導体層の両側に埋め込まれた樹脂膜と、を備え、前記メサ状の半導体層の脇で且つ前記メサ状の半導体層から離れた位置における前記樹脂膜の上面に、前記樹脂膜の厚さよりも浅い深さの溝が設けられている、半導体素子である。
本願発明は、基板上にメサ状の半導体層を形成する工程と、前記メサ状の半導体層の両側を埋め込むように塗布した樹脂前駆体に対して第1熱処理を行って樹脂中間体を形成する工程と、前記メサ状の半導体層の脇の前記樹脂中間体の上面に前記メサ状の半導体層から離れて設けられ、前記樹脂中間体の厚さよりも浅い深さの溝を形成する工程と、前記溝を形成した後、前記第1熱処理よりも高い温度で前記樹脂中間体に対して第2熱処理を行って樹脂膜を形成する工程と、を備える半導体素子の製造方法である。
本願発明によれば、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制することができる。
図1は、実施例1に係る光半導体素子の光導波路部分の平面図である。 図2は、実施例1に係る光半導体素子の平面図である。 図3(a)は、図2のA−A間の断面図、図3(b)は、図2のB−B間の断面図、図3(c)は、図2のC−C間の断面図である。 図4は、図1に示した光導波路部分に樹脂膜に設けられた溝を加えた平面図である。 図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る光半導体素子の製造方法を示す断面図(その1)である。 図6(a)から図6(c)は、実施例1に係る光半導体素子の製造方法を示す断面図(その2)である。 図7は、シミュレーションに用いたモデルの構造を示す斜視図である。 図8(a)及び図8(b)は、樹脂膜内に発生する引っ張り応力のシミュレーション結果を示す図(その1)である。 図9(a)及び図9(b)は、樹脂膜内に発生する引っ張り応力のシミュレーション結果を示す図(その2)である。 図10は、実施例2に係る光半導体素子の一部を拡大した平面図である。 図11(a)は、実施例3に係る光半導体素子の平面図、図11(b)は、図11(a)のA−A間の断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明は、基板と、前記基板上に設けられたメサ状の半導体層と、前記基板上に設けられ、前記メサ状の半導体層の両側に埋め込まれた樹脂膜と、を備え、前記メサ状の半導体層の脇で且つ前記メサ状の半導体層から離れた位置における前記樹脂膜の上面に、前記樹脂膜の厚さよりも浅い深さの溝が設けられている、半導体素子である。メサ状の半導体層の脇の樹脂膜の上面に溝を設けることで、メサ状の半導体層の側面上部における樹脂膜内に発生する引っ張り応力を低減することができる。これにより、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制することができる。
前記溝に沿って前記樹脂膜の上面に設けられ、前記メサ状の半導体層上に開口を有する無機絶縁膜と、前記無機絶縁膜の前記開口で露出した前記メサ状の半導体層の上面に設けられた電極と、を備えてもよい。樹脂膜の上面に設けられた無機絶縁膜に開口を形成する際に、樹脂膜に残留する引っ張り応力によってメサ状の半導体層と樹脂膜との剥離が発生し易くなるが、樹脂膜に溝が設けられていることで剥離を抑制することができる。
前記溝は、前記メサ状の半導体層のうちの少なくとも前記電極が設けられた範囲において前記メサ状の半導体層の脇に設けられていてもよい。樹脂膜の上面に設けられた無機絶縁膜に開口を形成する際にメサ状の半導体層と樹脂膜との剥離が発生し易いことから、剥離が発生し易い箇所の樹脂膜に溝が設けられていることで剥離を効果的に抑制することができる。
前記メサ状の半導体層は、コア層と前記コア層を挟む下部クラッド層及び上部クラッド層とを含み、前記電極は、前記コア層を伝搬する光を変調する変調用電極を含み、前記メサ状の半導体層と前記電極とを含んでマッハツェンダ変調器が構成されていてもよい。マッハツェンダ変調器を備える光半導体素子では、樹脂膜の体積が大きくなるため、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離が発生し易くなる。したがって、マッハツェンダ変調器を備える光半導体素子の場合に、メサ状の半導体層の脇の樹脂膜の上面に溝が設けられることが好ましい。
前記溝は、前記メサ状の半導体層の両脇に設けられていてもよい。これにより、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を効果的に抑制できる。
前記メサ状の半導体層は、コア層と前記コア層を挟む下部クラッド層及び上部クラッド層とを含み、前記下部クラッド層は、前記メサ状の半導体層の外側に延在していて、前記溝は、前記下部クラッド層と前記基板とによる段差よりも前記メサ状の半導体層側に位置していてもよい。メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制するにはメサ状の半導体層の近くに溝を設けることが好ましい。したがって、下部クラッド層と基板とによる段差よりもメサ状の半導体層側に溝を設けることで、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を効果的に抑制できる。
本願発明は、基板上にメサ状の半導体層を形成する工程と、前記メサ状の半導体層の両側を埋め込むように塗布した樹脂前駆体に対して第1熱処理を行って樹脂中間体を形成する工程と、前記メサ状の半導体層の脇の前記樹脂中間体の上面に前記メサ状の半導体層から離れて設けられ、前記樹脂中間体の厚さよりも浅い深さの溝を形成する工程と、前記溝を形成した後、前記第1熱処理よりも高い温度で前記樹脂中間体に対して第2熱処理を行って樹脂膜を形成する工程と、を備える半導体素子の製造方法である。メサ状の半導体層の脇の樹脂中間体の上面に溝が形成された状態で樹脂中間体に対して熱処理を行って樹脂膜を形成するため、メサ状の半導体層の側面上部における樹脂膜内に発生する引っ張り応力を低減することができる。これにより、メサ状の半導体層と樹脂膜との剥離を抑制することができる。
前記樹脂膜を形成した後、前記溝に沿うように前記樹脂膜の上面及び前記メサ状の半導体層上に無機絶縁膜を形成する工程と、前記メサ状の半導体層上の前記無機絶縁膜を除去して、前記メサ状の半導体層の上面を露出する開口を形成する工程と、前記無機絶縁膜の前記開口で露出した前記メサ状の半導体層の上面に電極を形成する工程と、を備えていてもよい。樹脂膜の上面に形成した無機絶縁膜に開口を形成する際に、樹脂膜に残留する引っ張り応力によってメサ状の半導体層と樹脂膜との剥離が発生し易くなるが、樹脂膜に溝が設けられていることで剥離を抑制することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本願発明の実施形態に係る半導体素子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、本願発明の効果がある限りにおいて他の成分が含まれていてもよい。
図1は、実施例1に係る光半導体素子100の光導波路部分の平面図である。図1のように、実施例1の光半導体素子100は、基板10上に、入力導波路12、出力導波路14、光カプラ16a、16b、及び複数のマッハツェンダ変調器20が設けられている。このように、実施例1の光半導体素子100は、複数のマッハツェンダ変調器20を備える多値変調器である。
入力導波路12、出力導波路14、及び光カプラ16a、16bは、メサ状の光導波路からなる。光カプラ16a、16bは、MMI(Multimode Interferometer)型の光カプラである。複数のマッハツェンダ変調器20は、メサ状の光導波路の経路を組み合わせた構成をしている。入力導波路12から入力された光は、光カプラ16aで分岐され、マッハツェンダ変調器20を経由した後、光カプラ16bで合波されて、出力導波路14に出力される。実施例1の光半導体素子100の大きさは、例えば10mm×4mmである。
マッハツェンダ変調器20は、基板10上に、2つの光カプラ22a、22bと、2つの光カプラ22a、22bの間に接続された2本のアーム導波路24a、24bと、を備える。光カプラ22a、22b及びアーム導波路24a、24bは、メサ状の光導波路からなる。光カプラ22aは、入力導波路12から入力された光を分岐する。2本のアーム導波路24a、24bは、光カプラ22aで分岐された光を伝搬させる。光カプラ22bは、2本のアーム導波路24a、24bを伝搬した光を合波する。光カプラ22a、22bは、MMI型の光カプラである。複数のマッハツェンダ変調器20の間隔は例えば250μm程度である。ここで、複数のマッハツェンダ変調器20の間隔とは、隣接するマッハツェンダ変調器20それぞれに備わるアーム導波路24a、24bのうちの互いに近い側のアーム導波路の間の距離である。
図2は、実施例1に係る光半導体素子100の平面図である。図2では、図1で説明した光導波路部分を細点線で図示している。図2のように、実施例1の光半導体素子100では、メサ状の光導波路がBCB(ベンゾシクロブテン)膜からなる樹脂膜40によって埋め込まれ、樹脂膜40上に無機絶縁膜62を介してBCB膜からなる樹脂膜42が設けられている。配線パターンは、変調用電極26と、変調用電極26とシグナル電極パッド28とを接続する配線30と、を含む。変調用電極26は、アーム導波路24a、24b上に設けられている。変調用電極26にシグナル電極パッド28から配線30を介して高周波の電気信号が供給されることで、アーム導波路24a、24bの屈折率が変化し、アーム導波路24a、24bを伝搬する光の位相が変化する。これにより、アーム導波路24a、24bを伝搬する光は位相変調を受けて、変調された光信号となって出力導波路14に出力される。
図3(a)は、図2のA−A間の断面図、図3(b)は、図2のB−B間の断面図、図3(c)は、図2のC−C間の断面図である。図3(a)から図3(c)のように、例えば半絶縁性のInP基板からなる基板10上に、n型InP(例えばSiが添加されたInP)の下部クラッド層50が設けられている。下部クラッド層50上に、AlGaInAs井戸層及びAlInAsバリア層を含む多重量子井戸構造をしたコア層52が設けられている。コア層52上に、p型InP(例えばZnが添加されたInP)の上部クラッド層54が設けられている。これにより、基板10上に、メサ状の光導波路が設けられている。アーム導波路24a、24bにおいては、下部クラッド層50を共有して互いに電気的に接続されている。すなわち、下部クラッド層50は、アーム導波路24a、24bの間を延在して設けられている。また、アーム導波路24a、24bの間以外においても、下部クラッド層50はメサ状の光導波路の外側に延在していて、基板10との間に段差56を形成している。メサ状の光導波路から張り出した下部クラッド層50の幅は例えば4μmである。段差56の高さは例えば1μm程度である。メサ状の光導波路の高さは例えば2.75μm程度である。1つのマッハツェンダ変調器20におけるアーム導波路24a、24bの間の距離は例えば50μm程度である。
基板10上に、メサ状の光導波路を覆って、例えばSiO膜からなる保護膜58が設けられている。保護膜58の厚さは例えば0.3μm程度である。保護膜58は、メサ状の光導波路上に開口を有する。アーム導波路24a、24b上に設けられた開口に、上部クラッド層54の上面に接するオーミック電極60が設けられている。アーム導波路24a、24bの幅は例えば1.5μm程度であり、オーミック電極60の幅は例えば1μm程度である。このように、オーミック電極60の幅はアーム導波路24a、24bの幅よりも狭い。オーミック電極60の厚さは例えば0.5μm程度である。
保護膜58上に、メサ状の光導波路の両側を埋め込む樹脂膜40が設けられている。樹脂膜40は、メサ状の光導波路の側面全面を覆っている。樹脂膜40の下部クラッド層50が設けられていない部分での厚さは例えば3.75μmである。樹脂膜40の上面には、メサ状の光導波路の脇に溝44が設けられている。溝44はメサ状の光導波路から離れて設けられている。溝44は樹脂膜40の厚さよりも浅い深さを有し、溝44下には樹脂膜40が残存している。メサ状の光導波路と溝44との間の距離は例えば0.5μm〜2μmである。溝44の幅は例えば0.5μm〜3μmである。溝44の深さは例えば0.2μm〜1μmである。
溝44は、メサ状の光導波路に沿って設けられている。すなわち、溝44は、入力導波路12、出力導波路14、光カプラ16a、16b、光カプラ22a、22b、及びアーム導波路24a、24bに沿って設けられている。図4に、図1に示した光導波路部分に樹脂膜40に設けられた溝44を加えた平面図を示す。溝44を点線で図示している。
図3(a)から図3(c)のように、溝44に沿って樹脂膜40の上面に、例えばSiO膜、SiON膜、又はSi膜である無機絶縁膜62が設けられている。無機絶縁膜62の厚さは例えば0.3μm程度である。無機絶縁膜62には、アーム導波路24a、24b上にオーミック電極60を露出する開口が設けられている。オーミック電極60の幅がアーム導波路24a、24bの幅よりも狭いことから、無機絶縁膜62は上部クラッド層54の上面に接している。
無機絶縁膜62上に、樹脂膜42が設けられている。樹脂膜42は、樹脂膜40に設けられた溝44を埋め込んでいる。樹脂膜42の厚さは例えば2μmである。樹脂膜42上に、例えばSiO膜、SiON膜、又はSi膜である無機絶縁膜64が設けられている。無機絶縁膜64の厚さは例えば0.3μm程度である。アーム導波路24a、24b上の樹脂膜42及び無機絶縁膜64に開口が設けられ、開口内にオーミック電極60に接する変調用電極26が設けられている。変調用電極26の厚さは例えば3μmである。変調用電極26の幅はアーム導波路24a、24bの幅よりも広く、変調用電極26は無機絶縁膜64の上面にも接している。また、無機絶縁膜64上には、変調用電極26とシグナル電極パッド28とを接続する配線30が設けられている。
図5(a)から図6(c)は、実施例1に係る光半導体素子100の製造方法を示す断面図である。図5(a)のように、基板10上に、有機金属気相成長(OMVPE:Organo-Metallic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて、下部クラッド層50、コア層52、及び上部クラッド層54を形成する材料の結晶成長を行う。その後、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、結晶成長した材料を加工してメサ状の光導波路を形成する。すなわち、入力導波路12、出力導波路14、光カプラ16a、16b、光カプラ22a、22b、及びアーム導波路24a、24bを形成する。次に、アーム導波路24a、24bの間及びメサ状の光導波路の脇に下部クラッド層50が残存するように下部クラッド層50をエッチングにより除去して基板10を露出させる。これにより、基板10と下部クラッド層50とによる段差56が形成される。次に、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いて、基板10及びメサ状の光導波路を覆う保護膜58を形成する。
次に、保護膜58上に、メサ状の光導波路の両側を埋め込むように樹脂膜40の原材料となる樹脂前駆体をスピン塗布する。次に、樹脂前駆体に対して、ソフトキュア工程である熱処理を行う。熱処理は、例えば窒素雰囲気中で240℃、2分間の条件で行う。この熱処理によって、樹脂前駆体の大部分は樹脂膜になると共に、樹脂膜中に部分的に樹脂前駆体が残存する樹脂中間体46となる。次に、メサ状の光導波路の上部クラッド層54の上面が露出するように、樹脂中間体46をドライエッチングによりエッチバックし、メサ状の光導波路上の保護膜58をドライエッチングにより除去する。これにより、メサ状の光導波路の上部クラッド層54の上面と樹脂中間体46の上面とは略同一面となる。
図5(b)のように、メサ状の光導波路の脇に開口を有するマスク層70を樹脂中間体46上に形成する。マスク層70は、例えばレジストマスクである。マスク層70をマスクに樹脂中間体46をドライエッチングして、メサ状の光導波路の脇の樹脂中間体46の上面に溝44を形成する。溝44は、メサ状の光導波路から離れて形成される。
図5(c)のように、マスク層70を除去した後、樹脂中間体46に対して、ハードキュア工程である熱処理を行う。熱処理は、例えば窒素雰囲気中で350℃、2分間の条件で行う。この熱処理によって、樹脂中間体46に部分的に残存していた樹脂前駆体はほぼ全てが熱硬化されて樹脂膜40になる。
図5(a)及び図5(c)の熱処理による硬化によって樹脂の体積が収縮するため、樹脂膜40内には引っ張り応力が発生する。
図6(a)のように、プラズマCVD法を用いて、溝44に沿うように樹脂膜40の上面に無機絶縁膜62を形成する。無機絶縁膜62上に、アーム導波路24a、24b上に開口を有するマスク層72を形成する。マスク層72の開口の幅は、アーム導波路24a、24bの幅よりも狭い。マスク層72は、例えばレジストマスクである。マスク層72をマスクに、無機絶縁膜62をドライエッチングして、上部クラッド層54の上面が露出した開口66を形成する。
図6(b)のように、真空蒸着法及びリフトオフ法を用いて、上部クラッド層54の上面にオーミック電極60を形成する。
図6(c)のように、無機絶縁膜62上に、樹脂膜42の原材料となる樹脂前駆体をスピン塗布する。次に、樹脂前駆体に対して、ハードキュア工程である熱処理を行う。熱処理は、例えば窒素雰囲気中で350℃、2分間の条件で行う。この熱処理によって、樹脂前駆体は硬化されて樹脂膜42となる。樹脂膜42の上面に、プラズマCVD法を用いて、無機絶縁膜64を形成する。フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、アーム導波路24a、24b上の樹脂膜42及び無機絶縁膜64を除去して開口を形成する。スパッタ法及びリフトオフ法、又は、めっき法を用いて、開口内に埋め込まれてオーミック電極60に接する変調用電極26を形成すると共に、無機絶縁膜64上に変調用電極26に接続された配線30を形成する。
ここで、発明者が行ったシミュレーションについて説明する。発明者は、樹脂膜40の上面に溝44を形成することで、図5(a)及び図5(c)で説明した熱処理による体積収縮によって樹脂膜40内に発生する引っ張り応力がどのように変化するかをシミュレーションした。シミュレーションは、隣接するマッハツェンダ変調器のアーム導波路間の構造を模したモデルを用いて行った。図7は、シミュレーションに用いたモデルの構造を示す斜視図である。図7のように、基板10上に隣接するマッハツェンダ変調器それぞれのアーム導波路24a、24bが設けられた構造を半導体で形成し、アーム導波路24a、24bの間にBCB膜である樹脂膜40が埋め込まれているとした。そして、一方のマッハツェンダ変調器に備わるアーム導波路24aの脇の樹脂膜40の上面に溝44が形成されている又は形成されていない場合についてシミュレーションを行った。
なお、シミュレーションでは各部の厚さなどを以下のようにした。すなわち、アーム導波路24a、24bの間隔Aを250μmとした。アーム導波路24a、24bの幅W1を1.5μmとした。アーム導波路24a、24bのメサ部の高さHを2.75μmとした。素子分離メサの幅W2を4μm、厚さTを1μmとした。アーム導波路24a、24bの間に埋め込まれた樹脂膜40に全体で28MPaの引っ張り応力が残留しているとした。樹脂膜40の上面に設けた溝44の幅を1μmとし、深さを0.5μmとした。なお、樹脂膜40に残留しているとした28MPaという値は、図5(a)及び図5(c)で説明した熱処理による硬化よって樹脂の体積が収縮した量に相当する値である。
図8(a)から図9(b)は、樹脂膜40内に発生する引っ張り応力のシミュレーション結果を示す図である。図8(a)から図9(b)では、X方向における引っ張り応力の分布を等高線で表している。図8(a)は、溝44が形成されていない場合のシミュレーション結果である。図8(b)は、アーム導波路24aと溝44の中央との距離が1μmである場合のシミュレーション結果である。図9(a)は、アーム導波路24aと溝44の中央との距離が2μmである場合のシミュレーション結果である。図9(b)は、アーム導波路24aと溝44の中央との距離が4μmである場合のシミュレーション結果である。
図8(a)のように、溝44が形成されていない場合、アーム導波路24aの上部であって、アーム導波路24aと樹脂膜40とが接する部分(界面)近傍における樹脂膜40内に大きな引っ張り応力が局所的に発生している。具体的には、103MPa以上の引っ張り応力が発生している。アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が大きくなったのは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、樹脂膜40の下側は基板10などに密着しているのに対して上側は他の部材に密着していないため、樹脂膜40の上側部分では樹脂膜40を形成する際の熱処理による収縮量が大きくなる。このために、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が大きくなったと考えられる。図8(a)から図9(b)で表された引っ張り応力はX方向の引っ張り応力であるので、樹脂膜40がアーム導波路24aから剥がれる方向に働く応力である。このため、溝44が形成されていない場合は、樹脂膜40がアーム導波路24aから剥離して隙間が形成されることが起こり得る。
図8(b)のように、アーム導波路24aから1μm離れた位置に溝44が形成された場合、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が大幅に低減されている。具体的には、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が41MPa〜62MPaとなっている。このように、引っ張り応力が小さくなったのは以下の理由によるものと考えられる。すなわち、樹脂膜40の体積が大きいほど、樹脂膜40を形成する際の熱処理による樹脂の収縮量が大きくなり、樹脂膜40内に大きな引っ張り応力が発生すると考えられる。このため、図8(a)のように溝44が形成されていない場合では、樹脂膜40内に大きな引っ張り応力が発生して、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が大きくなったものと考えられる。これに対して、溝44を形成することで、樹脂膜40内の引っ張り応力を分断させることができる。つまり、樹脂膜40の大きい体積の引っ張り応力によって樹脂膜40が引っ張られても溝44の幅が広がるだけでアーム導波路24a近傍の樹脂膜40までは応力が伝わり難くなる。また、溝44とアーム導波路24aとの間の樹脂膜40の体積は小さいために発生する引っ張り応力は小さい。これらのために、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が小さくなったものと考えられる。
また、図8(b)のように、溝44の側面の外側に位置する樹脂膜40では、引っ張り応力が小さい。引っ張り応力が小さい範囲は、溝44の側面から溝44の深さの約2倍程度の範囲である。また、溝44の底部下に位置する樹脂膜40では、41MPa〜62MPaの比較的大きな引っ張り応力が発生している。しかしながら、図8(a)において、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力よりも小さい。
図9(a)のように、アーム導波路24aから2μm離れた位置に溝44が形成された場合でも、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が低減されている。具体的には、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力の最大値は83MPa〜103MPaとなっている。しかしながら、図8(b)の場合と比べると、引っ張り応力は大きくなっている。これは、図8(b)の場合よりも溝44がアーム導波路24aから離れた位置に設けられているために、以下の2つの理由によって引っ張り応力が大きくなったものと考えられる。1つ目の理由は、溝44がアーム導波路24aから離れていることで、溝44の側面の外側における引っ張り応力の小さい領域がアーム導波路24aまで届かなくなったためと考えられる。2つ目の理由は、溝44とアーム導波路24aとの間をアーム導波路24aの高さ方向に延在する樹脂膜40の体積が大きくなったためと考えられる。
図9(b)のように、アーム導波路24aから4μm離れた位置に溝44が形成された場合でも、図8(b)及び図9(a)と同様に、溝44の側面の外側に位置する樹脂膜40内の引っ張り応力が小さい。しかしながら、溝44がアーム導波路24aから大きく離れた位置に設けられているため、溝44の側面の外側における引っ張り応力の小さい領域がアーム導波路24aまで届いていない。また、溝44とアーム導波路24aとの間をアーム導波路24aの高さ方向に延在する樹脂膜40の体積が大きくなる。これらのために、アーム導波路24aの側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力の最大値は103MPa以上と大きくなっている。
図8(b)及び図9(a)のように、メサ状の光導波路の脇における樹脂膜40の上面に溝44を設けることで、メサ状の光導波路の側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力を低減できる。例えば、図8(b)及び図9(a)から、溝44のメサ状の光導波路側の端とメサ状の光導波路の溝44側の端との間隔は、溝44の深さの3倍以下の場合が好ましく、2倍以下の場合がより好ましく、1倍以下の場合がさらに好ましい。一方、図9(b)のように、メサ状の光導波路から遠く離れた位置に溝44を形成しても、メサ状の光導波路の側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力の低減効果は得られ難い。したがって、溝44は、溝44によってメサ状の光導波路の側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力が低減できる範囲でメサ状の光導波路から離れて設けられていることが好ましい。例えば、メサ状の光導波路のメサ部の高さが2.75μmである場合、溝44はメサ状の光導波路から3.5μmよりも近くに設けられることが好ましく、3μmよりも近くに設けられていることがより好ましい。なお、溝44とメサ状の光導波路との間をメサ状の光導波路の高さ方向に延在する樹脂膜40の体積が、メサ状の光導波路の側面における樹脂膜40内の引っ張り応力に影響を与えると考えられる。したがって、メサ状の光導波路のメサ部の高さが2.75μmよりも低い場合では、メサの高さに応じて溝44をメサ状の光導波路から4μmより離した位置に設けても引っ張り応力による樹脂膜の剥離は起こり難いと考えられる。
なお、溝44の側面の外側における引っ張り応力の小さい領域の大きさは、溝44の深さに依存すると考えられる。すなわち、溝44を深くするほど、溝44の側面の外側における引っ張り応力の小さい領域は大きくなると考えられる。したがって、溝44を深くすれば、溝44をメサ状の光導波路から離して設けても、メサ状の光導波路の側面における樹脂膜40内の引っ張り応力を小さくできると考えられる。しかしながら、溝44を深くし過ぎると、アーム導波路24a、24b上にオーミック電極60を形成する工程において、オーミック電極60の幅を精度良く形成することが難しくなる。したがって、溝44の深さは、0.2μm以上且つ1μm以下の場合が好ましく、0.4μm以上且つ0.9μm以下の場合がより好ましく、0.6μm以上且つ0.8μm以下の場合がさらに好ましい。
実施例1によれば、図2から図3(c)のように、メサ状の光導波路(メサ状の半導体層)の両側が樹脂膜40で埋め込まれていて、メサ状の光導波路の脇の樹脂膜40の上面に溝44が設けられている。溝44は、メサ状の光導波路から離れて設けられている。これにより、図8(b)及び図9(a)のように、メサ状の光導波路の側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力を低減することができる。このため、メサ状の光導波路と樹脂膜40との剥離を抑制することができる。
実施例1の製造方法によれば、図5(a)のように、基板10上にメサ状の光導波路を形成した後、メサ状の光導波路の両側を埋め込むように塗布した樹脂前駆体に対して熱処理を行って樹脂中間体46を形成する。図5(b)のように、メサ状の光導波路の脇の樹脂中間体46の上面に、メサ状の光導波路から離れた溝44を形成する。図5(c)のように、溝44を形成した後、樹脂中間体46を形成するときの熱処理よりも高い温度で樹脂中間体46に対して熱処理を行って樹脂膜40を形成する。このように、まず比較的低い温度の熱処理によって樹脂中間体46を形成した後に樹脂中間体46の上面に溝44を形成し、樹脂中間体46の上面に溝44が形成された状態で比較的高い温度の熱処理によって樹脂膜40を形成する。これにより、比較的高い温度の熱処理において樹脂膜40内に発生している引っ張り応力は溝44で分断されるため、メサ状の光導波路の側面上部における樹脂膜40内の引っ張り応力を低減することができる。よって、メサ状の光導波路と樹脂膜40との剥離を抑制することができる。
また、図3(a)のように、溝44に沿って樹脂膜40の上面に無機絶縁膜62が設けられている。無機絶縁膜62は、アーム導波路24a、24b上に開口を有していて、この開口で露出したアーム導波路24a、24bの上面にオーミック電極60が設けられている。無機絶縁膜62及びオーミック電極60は次のように形成される。図6(a)のように、溝44に沿うように樹脂膜40の上面に無機絶縁膜62を形成する。アーム導波路24a、24b上の無機絶縁膜62を除去して、アーム導波路24a、24bの上面を露出する開口66を形成する。図6(b)のように、開口66で露出したアーム導波路24a、24bの上面にオーミック電極60を形成する。樹脂膜40の上面に溝44が設けられていない場合、無機絶縁膜62を除去してアーム導波路24a、24b上に開口66を形成する際に、樹脂膜40内に残留する引っ張り応力によってアーム導波路24a、24bと樹脂膜40とが剥離し易い。しかしながら、実施例1のように、樹脂膜40の上面に溝44が設けられていることで、無機絶縁膜62を除去してアーム導波路24a、24b上に開口66を形成した場合でも、アーム導波路24a、24bと樹脂膜40との剥離を抑制することができる。
また、図2から図3(c)のように、溝44はメサ状の光導波路の両脇に設けられている。メサ状の光導波路の片側にのみ溝44が設けられている場合でもよいが、メサ状の光導波路と樹脂膜40との剥離を効果的に抑制する点から、メサ状の光導波路の両脇に溝44が設けられていることが好ましい。なお、メサ状の光導波路の片側にのみ溝44が設けられている場合は、メサ状の光導波路の両側を埋め込む樹脂膜40のうちの体積の大きい方側に溝44が設けられていることが好ましい。また、メサ状の光導波路の片側において、溝44が複数本設けられていてもよい。
また、図8(b)から図9(b)のように、メサ状の光導波路と樹脂膜40との剥離を効果的に抑制する点から、溝44はメサ状の光導波路からあまり離れずに設けられている場合が好ましい。したがって、図3(a)から図3(c)のように、溝44は、メサ状の光導波路に含まれ且つメサ状の光導波路の外側に延在する下部クラッド層50と基板10とによる段差56よりもメサ状の光導波路側に位置して設けられていることが好ましい。
図3(a)から図3(c)のように、溝44の断面形状は、底面と側面が略直角な矩形形状である場合を例に示したが、この場合に限られない。溝44の断面形状は、側面が傾斜した矩形形状である場合や、半円形形状である場合や、くさび形状である場合など、その他の形状をしていてもよい。
図4のように、溝44は、入力導波路12から出力導波路14にかけて延在している場合を例に示したが、所々で分断されていてもよい。
図10は、実施例2に係る光半導体素子200の一部を拡大した平面図である。なお、図10では、変調用電極26、無機絶縁膜64、樹脂膜42、無機絶縁膜62を透視して、溝44a、44bやオーミック電極60などを図示している。図10のように、実施例2の光半導体素子200では、樹脂膜40の上面に設けられた溝44a、44bは、オーミック電極60が設けられた範囲のアーム導波路24a、24bの脇にのみ設けられている。すなわち、入力導波路12、出力導波路14、光カプラ16a、16b、及び光カプラ22a、22bの脇の樹脂膜40の上面には溝は設けられていない。
アーム導波路24a、24bの一方側の脇には、例えば3μm以下の間隔Tで配列した複数の溝44aが設けられている。オーミック電極60の端と溝44aの端との長さLも例えば3μm以下となっている。アーム導波路24a、24bの他方側の脇には、オーミック電極60よりも長い溝44bが1本設けられている。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
実施例2のように、樹脂膜40の上面に設けられた溝44a、44bは、メサ状の光導波路のうちの少なくともオーミック電極60が設けられた範囲におけるメサ状の光導波路の脇に設けられていることが好ましい。実施例1で説明したように、オーミック電極60を形成するにあたって無機絶縁膜62に開口66を形成するが、開口66を形成する際にメサ状の光導波路と樹脂膜40とに剥離が生じ易い。したがって、溝44は剥離が生じ易い箇所に少なくとも設けられることが好ましいためである。
複数の溝44aの間隔T、及び、オーミック電極60の端と溝44aの端との長さLは、3μm以下の場合が好ましい。3μmよりも長くなると、溝44aが設けられていない範囲に位置するメサ状の光導波路の側面において樹脂膜40の剥離が起こり易くなるためである。
実施例2では、溝44bはオーミック電極60よりも長い場合を例に示したが、短い場合でもよい。溝44bがオーミック電極60よりも短い場合は、オーミック電極60の端と溝44bの端との長さは3μm以下の場合が好ましい。
また、メサ状の光導波路の一方側の脇と他方側の脇とに異なる形状をした溝が設けられている場合でもよいし、同じ形状をした溝が設けられている場合でもよい。
図11(a)は、実施例3に係る光半導体素子300の平面図、図11(b)は、図11(a)のA−A間の断面図である。図11(a)のように、実施例3の光半導体素子300では、マッハツェンダ変調器20が1つだけ設けられている。変調用電極26に接続された配線30は、メサ状の光導波路の上部を跨がずにシグナル電極パッド28に接続されている。図11(b)のように、メサ状の光導波路の両側を埋め込む樹脂膜40の上面に設けられた無機絶縁膜62上には樹脂膜42が設けられていない。その他の構成は、実施例1と同じであるため説明を省略する。
実施例1及び実施例2では、光半導体素子が複数のマッハツェンダ変調器を備えた多値変調器である場合を例に説明したが、実施例3のように、光半導体素子は1つのマッハツェンダ変調器だけを備えている場合でもよい。
なお、実施例1から実施例3では、樹脂膜40は、感光性又は非感光性のBCB膜である場合を例に示したが、熱硬化性樹脂膜であれば、ポリイミド膜などの他の樹脂膜の場合でもよい。
実施例1から実施例3では、アーム導波路24a、24bと、アーム導波路24a、24b上に設けられた変調用電極26と、を有するマッハツェンダ変調器20を備えた光半導体素子の場合を例に示したがこれに限られない。メサ状の半導体層と、メサ状の半導体層の両側を埋め込む樹脂膜と、を有する半導体素子であれば、光半導体素子以外の半導体素子でもよい。しかしながら、マッハツェンダ変調器を備えた光半導体素子では、メサが高いことに起因してメサ状の光導波路の両側を埋め込む樹脂膜の体積が大きくなるため、樹脂膜内の引っ張り応力が大きくなって、メサ状の光導波路と樹脂膜とが剥離し易い。したがって、マッハツェンダ変調器を備えた光半導体素子の場合に、本願発明を適用することが好ましい。
10 基板
12 入力導波路
14 出力導波路
16a、16b 光カプラ
20 マッハツェンダ変調器
22a、22b 光カプラ
24a、24b アーム導波路
26 変調用電極
28 シグナル電極パッド
30 配線
40 樹脂膜
42 樹脂膜
44〜44b 溝
46 樹脂中間体
50 下部クラッド層
52 コア層
54 上部クラッド層
56 段差
58 保護膜
60 オーミック電極
62 無機絶縁膜
64 無機絶縁膜
66 開口
70、72 マスク層
100〜300 光半導体素子

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられたメサ状の半導体層と、
    前記基板上に設けられ、前記メサ状の半導体層の両側に埋め込まれた樹脂膜と、を備え、
    前記メサ状の半導体層の脇で且つ前記メサ状の半導体層から離れた位置における前記樹脂膜の上面に、前記樹脂膜の厚さよりも浅い深さの溝が設けられている、半導体素子。
  2. 前記溝に沿って前記樹脂膜の上面に設けられ、前記メサ状の半導体層上に開口を有する無機絶縁膜と、
    前記無機絶縁膜の前記開口で露出した前記メサ状の半導体層の上面に設けられた電極と、を備える、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記溝は、前記メサ状の半導体層のうちの少なくとも前記電極が設けられた範囲において前記メサ状の半導体層の脇に設けられている、請求項2に記載の半導体素子。
  4. 前記メサ状の半導体層は、コア層と前記コア層を挟む下部クラッド層及び上部クラッド層とを含み、
    前記電極は、前記コア層を伝搬する光を変調する変調用電極を含み、
    前記メサ状の半導体層と前記電極とを含んでマッハツェンダ変調器が構成されている、請求項2または3に記載の半導体素子。
  5. 前記溝は、前記メサ状の半導体層の両脇に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体素子。
  6. 前記メサ状の半導体層は、コア層と前記コア層を挟む下部クラッド層及び上部クラッド層とを含み、
    前記下部クラッド層は、前記メサ状の半導体層の外側に延在していて、
    前記溝は、前記下部クラッド層と前記基板とによる段差よりも前記メサ状の半導体層側に位置している、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体素子。
  7. 基板上にメサ状の半導体層を形成する工程と、
    前記メサ状の半導体層の両側を埋め込むように塗布した樹脂前駆体に対して第1熱処理を行って樹脂中間体を形成する工程と、
    前記メサ状の半導体層の脇の前記樹脂中間体の上面に前記メサ状の半導体層から離れて設けられ、前記樹脂中間体の厚さよりも浅い深さの溝を形成する工程と、
    前記溝を形成した後、前記第1熱処理よりも高い温度で前記樹脂中間体に対して第2熱処理を行って樹脂膜を形成する工程と、を備える半導体素子の製造方法。
  8. 前記樹脂膜を形成した後、前記溝に沿うように前記樹脂膜の上面及び前記メサ状の半導体層上に無機絶縁膜を形成する工程と、
    前記メサ状の半導体層上の前記無機絶縁膜を除去して、前記メサ状の半導体層の上面を露出する開口を形成する工程と、
    前記無機絶縁膜の前記開口で露出した前記メサ状の半導体層の上面に電極を形成する工程と、を備える、請求項7に記載の半導体素子の製造方法。
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