JP2012226162A - マッハツェンダー変調器を作製する方法、及びマッハツェンダー変調器 - Google Patents

マッハツェンダー変調器を作製する方法、及びマッハツェンダー変調器 Download PDF

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Abstract

【課題】偽マスクの形成をさせると共にクラッド層がコンタクト層から露出することを回避可能にする、マッハツェンダー変調器を作製する方法を提供する。
【解決手段】マッハツェンダー変調器11では、第1のウイング部47aが第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁51aと、第2のウイング部47bが[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁51bを有し、コンタクト層47が[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁51cを有する。故に、偽マスクの形成により導波路部13aの構造が乱されることがない。また、第1のウイング部47aは第1のトレンチ23の外縁23aに到達し、第2のウイング部47bは第2のトレンチ25の外縁25aに到達する。故に、コンタクト層47は、両ウイング部を形成可能な幅の半導体層から形成可能であるので、クラッド層45がコンタクト層47から露出されない。
【選択図】図1

Description

本発明は、マッハツェンダー変調器を作製する方法、及びマッハツェンダー変調器に関する。
特許文献1には、ハイメサ導波路が記載されている。このハイメサ導波路は溝により規定され、この溝には樹脂が埋め込まれている。溝はハイメサ導波路と半絶縁性の外側半導体層とによって規定される。
特許文献2には、多モード干渉導波路(MMI:Multi Mode Interference)素子が記載されている。MMI素子は、溝により規定されるハイメサ導波路を含む。
特開2010−237296号公報 特開2010−79317号公報
ハイメサ構造導波路は、光変調器やMMIカプラ等に使われる。ハイメサ導波路は、その両側に設けられるトレンチによって規定される。ハイメサ導波路を含む光変調器は、活性層に電圧を印加するためにハイメサ導波路の上部にコンタクト層を有するように設計される。特に、光変調器では余分なコンタクト層は、望まれないキャパシタンスを生じさせるので、ハイメサ導波路上に選択的にコンタクト層を設ける。
このメサ構造(つまり、トレンチの外側にコンタクト層がない構造)は例えば以下のように作製される。まず、基板上に下部クラッド層、活性層、上部クラッド層のための複数の半導体膜をエピタキシャル成長する。これらの半導体膜をエッチングして第1のメサ構造を形成した後に、このメサ構造を半絶縁性半導体層で埋め込む。この埋め込みの後に、コンタクト層のための半導体膜を成長すると共にこの半導体膜にウエットエッチングによりパターン形成を行う。トレンチの外側にコンタクト層がない構造を作製するために、パターン形成された半導体膜は、半絶縁性半導体層上には残されることがない。このパターン形成された半導体膜の幅は、ハイメサ導波路の幅より大きく、また2つのトレンチ幅とハイメサ導波路の幅との和より小さい。この後に、ハイメサ導波路のためにマスクを形成すると共に、このマスクを用いたドライエッチングを行って、トレンチ及びハイメサ導波路を形成する。
しかしながら、予測されていない壁が、ドライエッチングの際にトレンチ内に形成されることがある。この壁は、マイクロローディング効果により、ハイメサ導波路を規定するための所望の深さのトレンチを形成できない。
ハイメサ導波路を90度だけ回転させた向きに、別のハイメサ導波路を形成するときには、この別のハイメサ導波路を横切るように、予測されていない壁が形成されることがある。
発明者の検討によれば、この壁の発生は以下の機構により形成されると推察される。ウエットエッチングによりコンタクト層のためのパターン形成された半導体膜は、結晶の面方位に対するハイメサ導波路向きに依存して、パターン形成された半導体膜のエッジは、プロセスのばらつきに起因して逆メサ形状になることがある。この逆メサの下に、ハイメサ導波路のためのマスク用の絶縁膜が残やすい。逆メサエッジに関連した絶縁体は、導波路メサ形成のためのドライエッチングでは除去されないことがある。この残存物は、ドライエッチングの際に偽マスクとして機能する。
偽マスクの形成を回避するために、コンタクト層のためのパターン形成された半導体膜の幅がハイメサ導波路の幅と全く同じかハイメサ導波路よりも少し狭くなるように、コンタクト層のためのパターン形成された半導体膜を形成するとき、この製造方法では「コンタクトマスクの位置と幅」、「メサマスクの位置と幅」、および、「コンタクトホールのマスクの位置と幅」を、極めて正確に合わることが必要である。「コンタクトマスクの位置と幅」または「メサマスクの位置と幅」に目合わせずれが発生するとき、電極の金属がクラッド層に接触することになり、電極の金属原子がInPといった半導体クラッド層を拡散することがある。金属原子が半導体膜中を容易に拡散して変調器のための活性層に到達するとき、著しい特性劣化を引き起こす。これ故に、電極の金属がクラッド層に接触することを避けることが求められる。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、クラッド層がコンタクト層から露出すること及び偽マスクが形成されることの両方を避けることを可能にする、マッハツェンダー変調器を作製する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このマッハツェンダー変調器を提供することを目的とする。
本発明は、マッハツェンダー変調器を作製する方法に係る。この作製方法は、(a)第1のクラッド層のための第1のIII−V化合物半導体膜、第2のクラッド層のための第2のIII−V化合物半導体膜、及びコア層のための第3のIII−V化合物半導体膜を含む半導体積層上に、コンタクト層のための第4のIII−V化合物半導体膜を成長する工程と、(b)前記第4のIII−V化合物半導体膜の[110]方向に延在する第1及び第2のエッジと前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第3のエッジとからなるパターンを有するマスクを前記第4のIII−V化合物半導体膜上に形成する工程と、(c)前記マスクを用いて前記第4のIII−V化合物半導体膜のウエッチエッチングを行って、前記[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁と前記[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有するIII−V化合物半導体層を形成する工程と、(d)前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層上に、絶縁膜を成長する工程と、(e)前記絶縁膜をエッチングして、前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層上に導波路マスクを形成する工程と、(f)前記導波路マスクを用いて前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層をエッチングして、前記マッハツェンダー変調器のための導波路メサと該導波路メサを規定する第1及び第2のトレンチとを含む半導体構造物を形成する工程とを備える。前記導波路メサは、前記[110]方向の直線軸に沿って延在する導波路部を含み、前記導波路マスクは、前記第1及び第2のトレンチを規定するための第1及び第2の開口を有し、前記第1及び第2の開口は、それぞれ、前記導波路メサの前記導波路部を規定する第1及び第2の開口部を有し、前記第1及び第2の開口部は前記直線軸の方向に延在し、前記半導体順メサ縁の長さは、前記第1のトレンチの第1の幅WT1と前記第2のトレンチの第2の幅WT2と前記導波路部の導波路幅WGとの合計値より大きく、前記第1及び第2の開口部の長さは前記導波路部の長さ以下である。
本発明に係る作製方法によれば、第1及び第2の半導体逆メサ縁並びに半導体順メサ縁を有するIII−V化合物半導体層上に絶縁膜を成長した後に、この絶縁膜をエッチングして導波路マスクを形成する。絶縁膜の成長の際に、半導体順メサ縁上に絶縁物が堆積されると共に、第1及び第2の半導体逆メサ縁の下側にも絶縁物が堆積される。
この作製方法と異なる作製方法において、第1及び第2の半導体逆メサ縁や半導体順メサ縁が導波路マスクの開口部に現れる場合に、半導体順メサ縁には絶縁物が残らないけれども、絶縁膜のエッチングにより除去されずに第1及び第2の半導体逆メサ縁には絶縁物が残る。導波路マスクを用いてIII−V化合物半導体層及び半導体積層をエッチングする際に、半導体逆メサ縁付近の絶縁物は、望まれない偽マスクとして機能する。
しかしながら、この作製方法では、半導体順メサ縁の長さがトレンチ幅WT1とトレンチ幅WT2と導波路部の導波路幅WGとの合計値より大きくすると共に第1及び第2の開口部の長さは前記導波路部の長さ以下であるので、第1及び第2の半導体逆メサ縁は、導波路マスクの開口部に現れないようにすることが可能である。これ故に、半導体逆メサ縁に起因した偽マスクは形成されない。また、半導体順メサ縁が導波路マスクの開口部に現れるけれども、半導体順メサ縁には偽マスクは形成されない。
本発明に係る作製方法では、前記第1及び第2の開口部は前記半導体順メサ縁を横切るように延在することができる。本発明に係る作製方法によれば、第1及び第2の開口部が半導体順メサ縁を横切る導波路マスクを用いるとき、導波路メサを横切るように偽マスクが形成されない。
本発明に係る作製方法は、前記導波路部の上面に電極を形成する工程を更に備えることができる。前記導波路部は、前記第1のクラッド層、前記コア層、前記第2のクラッド層及び前記コンタクト層を含み、前記第1のクラッド層、前記コア層、前記第2のクラッド層及び前記コンタクト層は、基板上にこの順に配列され、前記コンタクト層は前記[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有し、前記コンタクト層は前記第2のクラッド層の表面が露出しないように前記第2のクラッド層の表面を覆うことが好ましい。
本発明に係る作製方法によれば、第4のIII−V化合物半導体膜のウエッチエッチングのためのマスクのアライメントズレが生じるときがある。しかしながら、半導体順メサ縁の長さがトレンチ幅WT1、トレンチ幅WT2、及び導波路幅WGとの合計値より大きいので、第2のクラッド層の表面が露出しないように、コンタクト層が第2のクラッド層の表面を覆うことができる。
本発明に係る作製方法は、前記導波路マスクを用いたエッチングの後であって、前記電極を形成する前に、前記半導体構造物上に樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜をエッチングしてコンタクト窓を形成することによって、前記コンタクト層の表面を露出させる工程とを備える。前記電極は前記コンタクト窓を介して前記コンタクト層の前記表面に接触を成すことが好ましい。
本発明に係る作製方法によれば、電極はコンタクト窓を介してコンタクト層の前記表面に接触を成し、コンタクト層の下に設けられた半導体に到達することがない。
本発明に係る作製方法では、前記半導体順メサ縁の長さは、前記第1の幅、前記第2の幅及び前記導波路幅の合計値と2マイクロメートルとの和(WT1+WT2+WG+2)マイクロメートル以上であることが好ましい。本発明に係る作製方法によれば、第1及び第2のトレンチが半導体順メサ縁を横切るように形成可能である。
本発明に係る作製方法では、前記絶縁膜はシリコン系無機絶縁膜を含み、前記絶縁膜のエッチングはフッ化炭素系ガスを用いるドライエッチングであることができる。本発明に係る作製方法によれば、フッ化炭素系ガスを用いるドライエッチングによりシリコン系無機絶縁膜を加工するので、半導体順メサ縁には絶縁物を残さないエッチングが可能である。
本発明に係る作製方法では、前記導波路部の前記導波路幅は2マイクロメートル以下であることが好ましい。本発明に係る作製方法によれば、導波路幅は2マイクロメートル以下であるとき、シングルモードの伝送が可能になる。
本発明に係る作製方法では、前記コンタクト層はInGaAs層を含み、前記第4のIII−V化合物半導体膜の前記ウエッチエッチングはリン酸系エッチャントを用いることができる。
本発明に係る作製方法によれば、一実施形態において、InGaAsコンタクト層にリン酸系エッチャントのウエッチエッチングを行って、[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁と[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有するIII−V化合物半導体層を形成できる。
本発明に係る作製方法では、前記半導体構造物は第1及び第2のテラスを含み、前記第1及び第2のテラスの各々は、前記第1のIII−V化合物半導体膜、前記第2のIII−V化合物半導体膜及び前記第3のIII−V化合物半導体膜を含み、前記第1及び第2のテラスは、前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層のエッチングにより形成され、前記第1のトレンチは、前記導波路メサと前記第1のテラスとによって規定され、前記第2のトレンチは、前記導波路メサと前記第2のテラスとによって規定され、前記III−V化合物半導体層のエッチングにより、前記第1のテラス上には、前記第1の半導体逆メサ縁を有する第1のウイング部が形成され、前記第1のウイング部は前記第1のトレンチの外縁に到達し、前記第2のテラス上には、前記III−V化合物半導体層のエッチングにより、前記第2の半導体逆メサ縁を有する第2のウイング部が形成され、前記第2のウイング部は前記第2のトレンチの外縁に到達し、前記第1のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁を有し、前記第2のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁を有する。
本発明に係る作製方法によれば、テラス及び導波路メサがトレンチを規定しており、ウイング部がテラス上に設けられる。これ故に、導波路マスクを用いてIII−V化合物半導体層及び半導体積層をエッチングして導波路メサを形成する際に、逆メサ縁における偽マスクに起因してトレンチ内に壁が形成されることを避けることができる。これ故に、本作製方法によれば、トレンチ内の壁によるマイクロローディング効果が、適切なトレンチ形成を妨げることを避けることができる。
本発明に係る作製方法では、前記第1のウイング部の幅は1マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であり、前記第2のウイング部の幅は1マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であることができる。
本発明に係る作製方法によれば、テラス上のウイング部の幅が1マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であるので、導波路メサへの逆バイアス印加による高速変調を妨げない。
本発明に係る作製方法では、前記半導体順メサ縁の長さは、前記第1の幅、前記第2の幅及び前記導波路幅の合計値と10マイクロメートルとの和(WT1+WT2+WG+10)以下であることが好ましい。
本発明に係る作製方法によれば、合計値と10マイクロメートルとの和が(WT1+WT2+WG+10)以下であるので、テラス上のウイング部の幅が導波路メサへの逆バイアス印加による高速変調を妨げない。
本発明に係るマッハツェンダー変調器は、(a)第1のアーム導波路のための第1の導波路メサと、(b)第2のアーム導波路のための第2の導波路メサと、(c)前記第1及び第2のアーム導波路に接続された第1の合分波器と、(d)前記第1及び第2のアーム導波路に接続された第2の合分波器と、(e)第1、第2及び第3のテラスと、(f)前記第1のテラスと前記第1の導波路メサとによって規定される第1のトレンチと、(g)前記第1の導波路メサと前記第2のテラスとによって規定される第2のトレンチと、(h)前記第2のテラスと前記第2の導波路メサとによって規定される第3のトレンチと、(i)前記第2の導波路メサと前記第3のテラスとによって規定される第4のトレンチと、(j)前記第1のテラス上に設けられた第1のウイング部と、(k)前記第2のテラス上に設けられた第2のウイング部と、(m)前記第1〜第3のテラス、前記第1及び第2の導波路メサ、並びに前記第1及び第2のトレンチ上に設けられると共に、前記第1の導波路メサ上にコンタクト窓を有する樹脂体と、(n)前記第1及び第2のウイング部、前記第1の導波路メサ、前記樹脂体、及び前記第1及び第2のテラス上に設けられると共に、前記樹脂体の前記コンタクト窓を介して前記第1の導波路メサに接触を成す電極とを備える。前記第1のアーム導波路の前記第1の導波路メサは、直線軸に沿って延在する導波路部を含み、前記導波路部は、第1のIII−V化合物半導体からなる第1のクラッド層、第2のIII−V化合物半導体からなる第2のクラッド層、第3のIII−V化合物半導体からなるコア層及び第4のIII−V化合物半導体からなるコンタクト層を含み、前記第1及び第2のテラスの各々は、前記第1のIII−V化合物半導体からなる半導体層、前記第2のIII−V化合物半導体からなる半導体層及び前記第3のIII−V化合物半導体からなる半導体層を含み、前記第1及び第2のウイング部は前記第4のIII−V化合物半導体からなり、前記第1のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁を有し、前記第2のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁を有し、前記コンタクト層は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有する。前記第1及び第2のウイング部は、それぞれ、前記[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁を有する。前記第1のウイング部は前記第1のトレンチの外縁に到達し、前記第2のウイング部は前記第2のトレンチの外縁に到達する。
このマッハツェンダー変調器では、第1のウイング部が第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁を有し、第2のウイング部が第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁を有し、コンタクト層が第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有する。これ故に、偽マスクの形成により導波路部の構造が乱されることがない。
また、第1のウイング部は第1のトレンチの外縁に到達し、第2のウイング部は第2のトレンチの外縁に到達する。これ故に、コンタクト層は、両ウイング部を形成可能な幅の第4のIII−V化合物半導体から形成可能な構造であるので、クラッド層がコンタクト層から露出されない。
以上説明したように、本発明によれば、マッハツェンダー変調器を作製する方法を提供され、このマッハツェンダー変調器を作製する方法によれば、クラッド層がコンタクト層から露出すること及び偽マスクが形成されることを避けることを可能にする。また、本発明によれば、このマッハツェンダー変調器が提供される。
図1は、本実施の形態に係るマッハツェンダー変調器を概略的に示す図面である。 図2は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図3は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図4は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図5は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図6は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図7は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図8は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図9は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図10は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図11は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図12は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。 図13は、トレンチ内に壁が形成される製造方法を概略的に示す図面である。 図14は、導波路メサ上に選択的にコンタクト層を残す作製方法を概略的に示す図面である。
引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のマッハツェンダー変調器を作製する方法、及びマッハツェンダー変調器に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係るマッハツェンダー変調器を概略的に示す図面である。図1の(a)部を参照すると、マッハツェンダー変調器11が示される。マッハツェンダー変調器11は、第1の導波路メサ13と、第2の導波路メサ15と、第1の合分波器17と、第2の合分波器19と、テラス21と、第1のトレンチ23と、第2のトレンチ25と、第3のトレンチ27と、第4のトレンチ29とを備える。第1の導波路メサ13は、第1のアーム導波路14のために設けられる。第2の導波路メサ15は第2のアーム導波路16のために設けられる。第1の合分波器17は、第1及び第2のアーム導波路14、16に接続される。第2の合分波器19は、第1及び第2のアーム導波路14、16に接続される。第1の合分波器17は、マッハツェンダー変調器11の一端面12aに到達する第1及び第2のI/O導波路18a、18bに接続される。第2の合分波器19は、マッハツェンダー変調器11の他端面12bに到達する第3のI/O導波路18cに接続され、またマッハツェンダー変調器11の端面から離れた位置で終端する屈曲導波路18dに接続される。テラス21は、第1〜第4のテラス21a、21b、21c、21dを含む。第1のトレンチ23は、第1のテラス21aと第1の導波路メサ13とによって規定される。第2のトレンチ25は、第1の導波路メサ13と第2のテラス21bとによって規定される。第3のトレンチ27は、第2のテラス21bと第2の導波路メサ15とによって規定される。第4のトレンチ29は、第2の導波路メサ25と第3のテラス21cとによって規定される。
図1の(b)部は、図1の(a)部における破線BOXで示されたマッハツェンダー変調器11の導波路部分を示す。図1の(b)に示されるように、第1のアーム導波路14の第1の導波路メサ13は、直線軸Axに沿って延在する導波路部13aと、直線軸Axから外れるように屈曲する導波路部13bとを含む。
図1の(c)部は、図1の(a)部及び(b)部におけるI−I線にそった断面を示す。図1の(c)部を参照すると、導波路部13aは、第1のIII−V化合物半導体からなる第1のクラッド層41、第2のIII−V化合物半導体からなる第2のクラッド層43、第3のIII−V化合物半導体からなるコア層45及び第4のIII−V化合物半導体からなるコンタクト層47を含む。テラス21a〜21dの各々は、第1のIII−V化合物半導体からなる半導体膜41a、第2のIII−V化合物半導体からなる半導体膜43a及び第3のIII−V化合物半導体からなる半導体膜45aを含む。本実施例では、テラス21a〜21dの各々は、導波路部13aと同様の半導体層の積層を含む。第1のテラス21a上には第1のウイング部47aが設けられ、第1のウイング部47aはコンタクト層47と同じ第4のIII−V化合物半導体からなる。第2のテラス21b上には第2のウイング部47bが設けられ、第2のウイング部47bはコンタクト層47と同じ第4のIII−V化合物半導体からなる。
図1の(b)部を参照すると、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向及び第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向を示す結晶座標系CRが示される。第1のウイング部47aは、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する第1の半導体逆メサ縁49aと、第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁51aを有する。第1のウイング部47aは第1のトレンチ23の外縁23aに到達する。第2のウイング部47bは、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する第2の半導体逆メサ縁49bと、第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁51bを有する。第2のウイング部47bは第2のトレンチ25の外縁に到達する。コンタクト層47は、第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁51cを有する。コンタクト層47は、トレンチ23の内縁23bに到達する。
図1の(c)部を参照すると、マッハツェンダー変調器11は樹脂体57並びに電極59a及び電極59bを更に備え、樹脂体57は、第1〜第3のテラス21a〜21c、並びに第1及び第2のトレンチ23、25上に設けられる。また、樹脂体57は、第1の導波路メサ上13にコンタクト窓57aを有する。電極59aは、第1及び第2のウイング部47a、47b、第1の導波路メサ13、樹脂体57、並びに第1及び第2のテラス21a、21b上に設けられる。電極59aは、樹脂体57のコンタクト窓57aを介して第1の導波路メサ13のコンタクト層47に接触を成す。図1の(b)部を参照すると、電極59aは導波路部13aの中心から両側に等しい幅で設けられる。
第1及び第2のウイング部47a、47b、第1の導波路メサ13、樹脂体57、並びに第1及び第2のテラス21a、21bは基板61の主面61a上に設けられ、基板61の裏面61b上には別の電極59bが接触を成す。基板61は例えばIII−V化合物半導体からなることができ、III−V化合物半導体は例えばInP等であることができる。必要な場合には、樹脂体57上には、樹脂体57を保護する保護膜63を設けることができる。保護膜63も、第1の導波路メサ上13にコンタクト窓63aを有する。テラス21a、21b上のウイング部47a、47bの幅が1マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であるので、導波路メサへの逆バイアス印加による高速変調を妨げない。電極59aは、図1の(b)部に示されるように、コンタクト窓63aを覆う部分から更に軸Axの方向に延長された延長部を含み、この延長部から引き出された引出電極がパッド電極に至る。
このマッハツェンダー変調器11では、第1のウイング部47aが第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁51aを有し、第2のウイング部47bが第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁51bを有し、コンタクト層47が第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁51cを有する。これ故に、偽マスクの形成により導波路部13aの構造が乱されることがない。
また、第1のウイング部47aは第1のトレンチ23の外縁23aに到達し、第2のウイング部47bは第2のトレンチ25の外縁25aに到達する。これ故に、コンタクト層47は、両ウイング部を形成可能な幅の第4のIII−V化合物半導体から形成される構造を有するので、クラッド層45がコンタクト層47から露出されない。
次いで、マッハツェンダー変調器を作製する方法を説明する。図2〜図12は、マッハツェンダー変調器を作製する方法における主要な工程を示す図面である。図2の(a)部に示されるように、半導体基板71を準備して成長炉に配置した後に、工程S101において、半導体基板71上に半導体積層72を成長炉で成長して、エピタキシャル基板E1を形成する。半導体積層72は、半導体基板71の主面71a上に順にエピタキシャルに成長された複数の半導体膜を含み、第1のクラッド層のための第1のIII−V化合物半導体膜73、コア層のための第3のIII−V化合物半導体膜74及び第2のクラッド層のための第2のIII−V化合物半導体膜75を含むことができる。
図2の(b)部に示されるように、工程S102において、半導体積層72上に、コンタクト層のための第4のIII−V化合物半導体膜76を成長炉で成長して、エピタキシャル基板Eを形成する。
エピタキシャル基板Eの一例(有機金属気相成長法)。
半導体基板71:n型InP。
第3のIII−V化合物半導体膜74:GaInAsP、380nm、バンドギャップ波長1.38μm。
第1のIII−V化合物半導体膜73:n型InP、厚さ1500nm。
第2のIII−V化合物半導体膜75:p型InP、厚さ1600nm。
第4のIII−V化合物半導体膜76:p型InGaAs、厚さ500nm。
図3の(a)部に示されるように、工程S103において、エピタキシャル基板E上に第1の絶縁膜77を成長すると共に、この絶縁膜77上にレジストマスク78を形成する。このレジストマスク78は、第4のIII−V化合物半導体膜76の[110]方向に延在する第1及び第2のエッジ78a、78bと第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第3のエッジとからなるパターンを有する。絶縁膜77は、例えばSiN等のシリコン系無機絶縁物等からなることができる。
図3の(b)部に示されるように、工程S104において、レジストマスク78を用いて第1の絶縁膜77をエッチングして、絶縁体マスク79を形成する。この絶縁体マスク79は、第4のIII−V化合物半導体膜76の[110]方向に延在する第1及び第2のエッジ79a、79bと第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第3のエッジとからなるパターンを有する。これによって、絶縁体マスク79を第4のIII−V化合物半導体膜76上に形成できる。
図4の(a)部及び(b)部に示されるように、工程S105において、絶縁膜マスク79を用いて第4のIII−V化合物半導体膜76をエッチングしてIII−V化合物半導体層80を形成する。一実施形態において、第4のIII−V化合物半導体膜76がInGaAs層であるとき、この半導体層にリン酸系エッチャントのウエットエッチングを行って[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁と[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有するIII−V化合物半導体層を形成できる。
図4の(a)部は図5に示されたII−II線に沿った断面を示し、図4の(b)部は図5に示されたIII−III線に沿った断面を示す。図4の(a)部及び(b)部においては、断面の違いを座標系CRで示す。このエッチングにより、基板生産物SPが形成される。このエッチングの後に、絶縁膜マスク79を除去する。図4の(a)部を参照すると、III−V化合物半導体層80は、[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁80a、80bを有する。図4の(b)部を参照すると、III−V化合物半導体層80は、[1−10]方向に延在する第1及び第2の半導体順メサ縁80c、80dを有する。
図5は、半導体積層72上に設けられたIII−V化合物半導体層80を示す図面である。図5には、後の工程で形成されるトレンチ溝TCH1、TCH2及び導波路メサMESAが破線で描かれている。図5には、トレンチ溝TCH1、TCH2の一部の一部は直線軸Axの方向に延在し、導波路メサMESAの一部は直線軸Axの方向に延在する導波路部LWGを有する。導波路部LWGの導波路幅WGは2マイクロメートル以下であることができる。導波路幅WGが2マイクロメートル以下であるとき、シングルモードの伝送が可能になる。単一モード導波路の形成のためには、導波路幅WGは1.2μm〜1.8μm程度であることが好ましい。
図5に示されるように、III−V化合物半導体層80の長さL80は導波路部LWGより短い。また、半導体順メサ縁80c、80dの各々における幅W80は、第1の幅WT1、第2の幅WT2及び導波路幅WGの合計値より大きい。また、トレンチ溝TCH1、TCH2及び導波路メサMESAは半導体順メサ縁80c、80dのためのマスクパターン縁を横切るように延在する。半導体順メサ縁80c、80dの各々における幅W80は、第1の幅WT1、第2の幅WT2及び導波路幅WGの合計値と2マイクロメートルとの和(WT1+WT2+WG+2)以上であることがよい。
図6の(a)部及び(b)部に示されるように、工程S106では、III−V化合物半導体層80及び半導体積層72上に、絶縁膜81を成長する。絶縁膜81は、例えばSiN等のシリコン系無機絶縁物等からなることができる。絶縁膜81の堆積では、図6の(a)部に示されるように、III−V化合物半導体層80の逆メサエッジ80a、80bの下側にも絶縁物が堆積される。また、絶縁膜81は、図6の(a)部に示されるように、III−V化合物半導体層80の順メサエッジ80c、80dの上面に絶縁膜が成長される。
図7の(a)部及び(b)部に示されるように、工程S107では、絶縁膜81上に、導波路メサ及びトレンチを規定するパターンを有するレジストマスク82を形成する。レジストマスク82は、直線軸Axの方向に延在する一対の開口82a、82bを有し、本実施例では、該一対の開口82a、82bは[110]方向に延在する。
次いで、図8の(a)部及び(b)部に示されるように、工程S108では、絶縁膜81をエッチングして、III−V化合物半導体層80及び半導体積層72上に導波路マスク83を形成する。絶縁膜81のエッチングは、例えばCFガスを用いるドライエッチングであることができる。CF等のフッ化炭素系ガスをエッチングガスとして用いるドライエッチングによりシリコン系無機絶縁膜を加工するので、半導体順メサ縁には絶縁物を残さないエッチングが可能である。導波路マスク83は、第1及び第2のトレンチ(図5のトレンチTCH1、TCH2)をそれぞれ規定するための第1及び第2の開口83a、83bを有する。第1及び第2の開口83a、83bは、図5の導波路メサMESAの導波路部LWGを規定するように延在する。第1及び第2の開口83a、83bは、それぞれ、直線軸Axの方向に延在する第1及び第2の開口部を有し、本実施例では、第1及び第2の開口部は[110]方向に延在する。図5に示されるように、導波路部LWGの長さは第1及び第2の開口部の長さL80以下である。半導体順メサ縁80c、80dの幅W80は第1のトレンチTCH1の第1の幅WT1と第2のトレンチTCH2の第2の幅WT2と導波路部LWGの導波路幅WGとの合計値より大きい。これ故に、半導体逆メサ縁80a、80bは、第1及び第2のトレンチが形成さされる半導体積層72上に位置しない。
図9の(a)部及び図10の(a)部に示されるように、工程S109では、導波路マスク83を用いてIII−V化合物半導体層80及び半導体積層72をエッチングして、マッハツェンダー変調器のための半導体構造物72eを形成する。半導体構造物72eは、マッハツェンダー変調器のための導波路メサ85と該導波路メサ85を規定する第1及び第2のトレンチ86a、86bとを含む。半導体構造物72eは、複数の半導体層73e、74e、75eを含む。
図9の(b)部及び図10の(b)部に示されるように、工程S109では、導波路マスク83を用いたエッチングの後に、半導体構造物72e上に絶縁膜87及び樹脂膜88を形成する。樹脂膜88は、スピンコートした後にベークを行うことにより形成される。絶縁膜87は例えばSiN等のシリコン系無機絶縁物等からなることができる。樹脂膜88としては、例えばBCB樹脂等を用いることができる。樹脂膜88はトレンチ86a、86bに充填され、また半導体構造物72e及び導波路メサ85を覆う。
図11の(a)部に示されるように、工程S110では、樹脂膜88をエッチングして、エッチングされた樹脂体89を形成する。樹脂体89は、エッチングにより形成されたコンタクト窓89aを有する。コンタクト窓89aを形成することによって、コンタクト層80eの表面80fを露出させる。
図11の(b)部に示されるように、工程S111では、樹脂体89の表面に保護膜90を形成する。保護膜90は、コンタクト窓89aの位置に合わせた開口90aを有する。保護膜90としては、SiONやSiOといったシリコン系無機絶縁体を用いることができる。
図12の(a)部に示されるように、工程S112では、導波路部LWGの上面に電極91を形成すると共に、基板71上に別の電極92を形成する。電極91はコンタクト窓89aを介してコンタクト層93dの表面に接触を成す。電極92は基板71の裏面71bの全体に接触を成す。電極91は樹脂体89及び保護膜90上に位置する。導波路部LWGは、第1のクラッド層93a、コア層93b、第2のクラッド層93c及びコンタクト層93dを含む。第1のクラッド層93a、コア層93b、第2のクラッド層93c及びコンタクト層93dは、基板71上にこの順に配列される。コンタクト層93dは第2のクラッド層93cの表面が露出しないように第2のクラッド層93cの表面の全体を覆う。電極91は、ウイング部の半導体逆メサ縁80a、80bの少なくともいずれか一方の上を通過してテラス上に延在する。このマッハツェンダー変調器では、ウイング部の幅は短いので、ウイング部による寄生キャパシタンスに起因する最高変調速度の低下は小さい。
半導体構造物72eは第1及び第2のテラスTR1、TR2を含む。第1及び第2のテラスTR1、TR2の各々は、導波路部LWGと同じ半導体層の積層を含む。第1のテラスTR1上には、半導体逆メサ縁80aを有する第1のウイング部WIG1が形成される。半導体逆メサ縁80aは、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する。このウイング部WIG1は、コンタクト層93dと同じ半導体材料からなる。第1のウイング部WIG1は第1のトレンチTCH1の外縁に到達する。第2のテラスTR2上には、半導体逆メサ縁80bを有する第2のウイング部WIG2が形成される。半導体逆メサ縁80bは、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する。このウイング部WIG2は、コンタクト層93dと同じ半導体材料からなる。第2のウイング部WIG2は第2のトレンチTCH2の外縁に到達する。コンタクト層93d、第1及び第2のウイング部WIG1、WIG2は、第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有する。
上記の作製方法により得られた導波路構造は、図1に示されたマッハツェンダー変調器に適用可能である。
図12の(b)部に示されるマッハツェンダー変調器MZ0の導波路構造の一例。
半導体基板71:n型InP。
下側クラッド層93a:n型InP、厚さ1500nm。
コア層93b:GaInAsP、380nm、バンドギャップ波長1.38μm。
上側クラッド層93c:p型InP、厚さ1600nm。
コンタクト層:p型InGaAs、厚さ500nm。
上部電極:TiW/Pt/Au/AuZn。
下部電極:AuGe。
図12の(b)部に示されるように、マッハツェンダー変調器MZ0は、パルス状の電気信号により変調される。この変調において、導波路のpn接合には逆バイアスが印加される。テラス上のコンタクト層(ウイング部)の幅は1μm以上5μm以下が好ましい。製造時には、1μm程度のマスクアライメント誤差がある。この幅が1μmよりも小さいとき、偽マスクの形成によりトレンチに壁が形成されてしまうことになる。この幅が5μmよりも大きいとき、絶縁膜と樹脂体と保護膜上に電極と電極パッドが形成される。この部分で、寄生キャパシタを生成される。高速の光変調器として用いる場合には大きな寄生キャパシタンスは好ましくない。
図13は、トレンチ内に壁が形成される製造方法を概略的に示す図面である。図13の(a)部は、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する半導体逆メサ縁を、トレンチを形成する半導体積層上に形成するときに形成される壁を示す。トレンチを形成する半導体積層上に、第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体逆メサ縁を形成するとき、偽マスクが形成される。図13の(b)部に示されるように、半導体逆メサ縁の下側に残る絶縁物からなる偽マスクの影響に起因するマイクロローディング効果により、トレンチの深さが設計値に比べて浅くなる。
図13の(c)部は、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する半導体逆メサ縁を、トレンチを形成する半導体積層上に形成するときに形成される壁を示す。トレンチを形成する半導体積層上に、第4のIII−V化合物半導体の[110]方向に延在する半導体逆メサ縁を形成するとき、偽マスクが形成される。半導体逆メサ縁の下側に残る絶縁物からなる偽マスクの形成により、壁はトレンチと交差する方向に延在する。
図14は、導波路メサ上に選択的にコンタクト層を残す作製方法を概略的に示す図面である。コンタクト層の半導体逆メサ縁の作用を避けるために、エッチングにより導波路メサの幅に合わせてIII−V化合物半導体膜を加工しているので、目合わせズレに起因して、上部クラッド層の一部がコンタクト層によって覆われていない。これ故に、上部クラッド層と電極が直接に接触することになり、電極の金属原子が上部クラッド層を拡散する。
以上説明したように、図13及び図14のいずれに示される作製方法でも、所望の直線導波路を作製することはできない。なお、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明によれば、偽マスクの形成をさせると共にクラッド層がコンタクト層から露出することを避けることを可能にする、マッハツェンダー変調器を作製する方法が提供される。また、本発明によれば、このマッハツェンダー変調器が提供される。
11…マッハツェンダー変調器、13…第1の導波路メサ、13a…導波路部、14…第1のアーム導波路、15…第2の導波路メサ、16…第2のアーム導波路、17…第1の合分波器、19…第2の合分波器、21…テラス、21a、21b、21c、21d…第1〜第4のテラス、23…第1のトレンチ、25…第2のトレンチ、27…第3のトレンチ、29…第4のトレンチ、41…第1のクラッド層、43…第2のクラッド層、45…コア層、47…コンタクト層、47a…第1のウイング部、47b…第2のウイング部、49a、49b…半導体逆メサ縁、51a、51b、51c…半導体順メサ縁、57…樹脂体、61…基板、63…保護膜、71…半導体基板、72…半導体積層、73…第1のIII−V化合物半導体膜、74…第3のIII−V化合物半導体膜、75…第2のIII−V化合物半導体膜、76…第4のIII−V化合物半導体膜、E…エピタキシャル基板、77…絶縁膜、80…III−V化合物半導体層、80a、80b…半導体逆メサ縁、80c、80d…半導体順メサ縁、TCH1、TCH2…トレンチ溝、MESA…導波路メサ、Ax…直線軸、LWG…導波路部、WG…導波路幅、83…導波路マスク、85…導波路メサ、87…絶縁膜、88…樹脂膜、89…樹脂体、90…保護膜、93a…第1のクラッド層、93b…コア層、93c…第2のクラッド層、93d…コンタクト層、TR1、TR2…第1及び第2のテラス、WIG1、WIG2…第1及び第2のウイング部。

Claims (11)

  1. マッハツェンダー変調器を作製する方法であって、
    第1のクラッド層のための第1のIII−V化合物半導体膜、第2のクラッド層のための第2のIII−V化合物半導体膜、及びコア層のための第3のIII−V化合物半導体膜を含む半導体積層上に、コンタクト層のための第4のIII−V化合物半導体膜を成長する工程と、
    前記第4のIII−V化合物半導体膜の[110]方向に延在する第1及び第2のエッジと前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第3のエッジとからなるパターンを有するマスクを前記第4のIII−V化合物半導体膜の上に形成する工程と、
    前記マスクを用いて前記第4のIII−V化合物半導体膜のウエットエッチングを行って、前記[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁と前記[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有するIII−V化合物半導体層を形成する工程と、
    前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層上に、絶縁膜を成長する工程と、
    前記絶縁膜をエッチングして、前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層上に導波路マスクを形成する工程と、
    前記導波路マスクを用いて前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層をエッチングして、前記マッハツェンダー変調器のための導波路メサと該導波路メサを規定する第1及び第2のトレンチとを含む半導体構造物を形成する工程と、
    を備え、
    前記導波路メサは、前記[110]方向の直線軸に沿って延在する導波路部を含み、
    前記導波路マスクは、前記第1及び第2のトレンチを規定するための第1及び第2の開口を有し、
    前記第1及び第2の開口は、それぞれ、前記導波路メサの前記導波路部を規定する第1及び第2の開口部を有し、
    前記第1及び第2の開口部は前記直線軸の方向に延在し、
    前記半導体順メサ縁の長さは、前記第1のトレンチの第1の幅WT1、前記第2のトレンチの第2の幅WT2、及び前記導波路部の導波路幅WGの合計値より大きく、
    前記導波路部の長さは前記第1及び第2の開口部の長さ以下である、マッハツェンダー変調器を作製する方法。
  2. 前記第1及び第2の開口部は前記半導体順メサ縁を横切るように延在する、請求項1に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  3. 前記導波路部の上面に電極を形成する工程を更に備え、
    前記導波路部は、前記第1のクラッド層、前記コア層、前記第2のクラッド層及び前記コンタクト層を含み、
    前記第1のクラッド層、前記コア層、前記第2のクラッド層及び前記コンタクト層は基板の上にこの順に配列され、
    前記コンタクト層は前記[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有し、
    前記コンタクト層は前記第2のクラッド層の表面が露出しないように前記第2のクラッド層の表面を覆う、請求項1又は請求項2に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  4. 前記導波路マスクを用いたエッチングの後であって、前記電極を形成する前に、前記半導体構造物の上に樹脂膜を形成する工程と、
    前記樹脂膜をエッチングしてコンタクト窓を形成することによって、前記コンタクト層の表面を露出させる工程と、
    を備え、
    前記電極は前記コンタクト窓を介して前記コンタクト層の前記表面に接触を成す、請求項3に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  5. 前記半導体順メサ縁の長さは、前記第1の幅、前記第2の幅及び前記導波路幅の合計値と2マイクロメートルとの和(WT1+WT2+WG+2)以上である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  6. 前記絶縁膜はシリコン系無機絶縁膜を含み、
    前記絶縁膜のエッチングはフッ化炭素系ガスを用いるドライエッチングである、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  7. 前記導波路部の前記導波路幅は2マイクロメートル以下である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  8. 前記コンタクト層はInGaAs層を含み、
    前記第4のIII−V化合物半導体膜の前記ウエットエッチングはリン酸系エッチャントを用いる、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  9. 前記半導体構造物は第1及び第2のテラスを含み、
    前記第1及び第2のテラスの各々は、前記第1のIII−V化合物半導体膜、前記第2のIII−V化合物半導体膜及び前記第3のIII−V化合物半導体膜を含み、
    前記第1及び第2のテラスは、前記III−V化合物半導体層及び前記半導体積層のエッチングにより形成され、
    前記第1のトレンチは、前記導波路メサと前記第1のテラスとによって規定され、
    前記第2のトレンチは、前記導波路メサと前記第2のテラスとによって規定され、
    前記III−V化合物半導体層のエッチングにより、前記第1のテラス上には、前記第1の半導体逆メサ縁を有する第1のウイング部が形成され、
    前記第1のウイング部は前記第1のトレンチの外縁に到達し、
    前記第2のテラス上には、前記III−V化合物半導体層のエッチングにより、前記第2の半導体逆メサ縁を有する第2のウイング部が形成され、
    前記第2のウイング部は前記第2のトレンチの外縁に到達し、
    前記第1のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁を有し、
    前記第2のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体膜の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁を有する、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  10. 前記第1のウイング部の幅は1μm以上5μm以下であり、
    前記第2のウイング部の幅は1μm以上5μm以下である、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載されたマッハツェンダー変調器を作製する方法。
  11. マッハツェンダー変調器であって、
    第1のアーム導波路のための第1の導波路メサと、
    第2のアーム導波路のための第2の導波路メサと、
    前記第1及び第2のアーム導波路に接続された第1の合分波器と、
    前記第1及び第2のアーム導波路に接続された第2の合分波器と、
    第1、第2及び第3のテラスと、
    前記第1のテラスと前記第1の導波路メサとによって規定される第1のトレンチと、
    前記第1の導波路メサと前記第2のテラスとによって規定される第2のトレンチと、
    前記第2のテラスと前記第2の導波路メサとによって規定される第3のトレンチと、
    前記第2の導波路メサと前記第3のテラスとによって規定される第4のトレンチと、
    前記第1のテラスの上に設けられた第1のウイング部と、
    前記第2のテラスの上に設けられた第2のウイング部と、
    前記第1〜第3のテラス、前記第1及び第2の導波路メサ、並びに前記第1及び第2のトレンチの上に設けられると共に、前記第1の導波路メサ上にコンタクト窓を有する樹脂体と、
    前記第1及び第2のウイング部、前記第1の導波路メサ、前記樹脂体、及び前記第1及び第2のテラスの上に設けられると共に、前記樹脂体の前記コンタクト窓を介して前記第1の導波路メサに接触を成す電極と、
    を備え、
    前記第1のアーム導波路の前記第1の導波路メサは、直線軸に沿って延在する導波路部を含み、
    前記導波路部は、第1のIII−V化合物半導体からなる第1のクラッド層、第2のIII−V化合物半導体からなる第2のクラッド層、第3のIII−V化合物半導体からなるコア層及び第4のIII−V化合物半導体からなるコンタクト層を含み、
    前記第1及び第2のテラスの各々は、前記第1のIII−V化合物半導体からなる半導体層、前記第2のIII−V化合物半導体からなる半導体層及び前記第3のIII−V化合物半導体からなる半導体層を含み、
    前記第1及び第2のウイング部は前記第4のIII−V化合物半導体からなり、
    前記第1のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第1の半導体順メサ縁を有し、
    前記第2のウイング部は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する第2の半導体順メサ縁を有し、
    前記コンタクト層は、前記第4のIII−V化合物半導体の[1−10]方向に延在する半導体順メサ縁を有し、
    前記第1及び第2のウイング部は、それぞれ、前記[110]方向に延在する第1及び第2の半導体逆メサ縁を有し、
    前記第1のウイング部は前記第1のトレンチの外縁に到達し、
    前記第2のウイング部は前記第2のトレンチの外縁に到達する、マッハツェンダー変調器。
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WO2024084708A1 (ja) * 2022-10-21 2024-04-25 日本電信電話株式会社 半導体光導波路及びその製造方法

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