JP2018093802A - 穀粉混捏生地とフィリング材によるエピ状組み合わせ食品及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、穀粉混捏生地を展延したものとフィリング材を組み合わせた食品において、平易な方法にて特異的な形状で且つ中のフィリング材が漏れにくい組み合わせ食品及びその焼成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】穀粉混捏生地を展延し、一方の面にフィリング材配置した上で、該面を内側にして巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」に対して、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して傾いており、かつ軸を含む面との交線が軸に対して略直角の切れ目を入れ、切れ残った部分を軸として、切れ目を境に生地が互い違いに折れている状態に加工した状態のあとにホイロ工程を行うことで、きわめて新規で特異的な外観を呈し、しかもフィリング材の漏れの少ない組み合わせ食品及びその焼成物が簡単に得ることができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は穀粉混捏生地とフィリング材による組み合わせ食品及び組み合わせ食品焼成物に関し、詳細には、一方の面にフィリング材配置した上で、該面を内側にして巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」に対して、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して傾いており、かつ軸を含む面との交線が軸に対して略直角の切れ目を入れ、切れ残った部分を軸として、切れ目を境に生地が互い違いに折れている状態にて焼成型内に設置してホイロ工程を行うことを特徴とした組み合わせ食品及びその焼成物であり、中の具材が見えやすいという新規で特異な外観を呈しながらも周囲に付着しにくいという、エピ状組み合わせ食品生地の製造法及びその焼成物であるエピ状組み合わせ食品を簡単に製造することに関する。
従来より、新規な外観を呈する組み合わせ食品は市場より大きな需要があり、特に内部にフィリングなどの具材(本発明においては流動性の高い具材を特にフィリング材と称する)を内包するパン類はその需要にこたえる形で様々な形状の提案されてきた。特にフィリング入りのパン類は中身を見せるとことで具の視認性をあげ、何が入っているかを明らかにすることで、消費者の購入意欲を高める上で重要ではある。しかし、焼成前よりフィリングが露出すると焼成時に天板や焼成型に付着したり流れ出ることで外観が損なわれたりしかねない。
パン類の上方部が開いて中の具材を見せるものは、すでに市場に数多く見られる。
例えばデニッシュと呼ばれるパンは成型時に皿形・船形の成型を施し、中央にフルーツやクリームといったフィリング材を入れるが、パンの上部に開口部があり、フィリング材は焼成中・焼成後を通して器具や天板、他の焼成を受けるパン類に接触しない。焼成後の製品は開口部よりフィリング材が消費者に目視され、購買意欲をそそる。しかしその場合様々なバリエーションがあるとはいえ、開口部は上部に限られた、単一的な外観となる。(非特許文献1)
また、パン生地層とフィリング層とを交互に積層してなるものを帯状に分割してねじり、全体として多条ねじのような形状でフィリング層の端部がパン生地の表面に露出していることを特徴とする菓子パン(特許文献1)といった考案や、ほぼ長円形状もしくは楕円形状の外皮と、この外皮の内部に設けられたアンなどの中味とを備え、前記外皮の上部の幅方向両側には複数のスリツトが適宜に傾斜して間隔的に設けられ、かつこれらのスリツトを介して前記中味が露出し、全体として藤の花あるいは木の葉のような形状であることを特徴とする菓子パン(特許文献2)といった考案がなされてきた。
しかし特許文献1の考案は、フィリング層がパン生地の表面に露出しており、全体の形状が多条ねじのような形状であるので、視覚的な変化に冨み、嗜好の多様化に応えることができるのではあるが、焼成時の周囲の装置や焼成品の包装、喫食時の手などへの付着については特に勘案されておらず、それら課題は特許文献1とは別の課題であり、フィリングの耐熱性や焼成耐性に負うものである。また、特許文献2の考案によれば、中味が露出しているので、これを見ることができ、その確認が容易となり、また全体の形状が藤の花あるいは木の葉のような形状であるので、視覚的な変化に富み、嗜好の多様化に応えることができるのではあるが、やはり特許文献1と同様に露出した中味の周囲への付着に対する対策は特に採られていない。
また、伝統的なパン類の中には「エピ」と称されるものがあり、これは混捏した生地を棒状に伸ばし、その上面に入れた切れ目を互い違いに開くことで「麦の穂」のような形状にすることで、特異的な外観と成すものである。(非特許文献2)生地中にベーコンやチーズといった具材を入れた状態で切れ目を入れることで具材が露出した「ベーコンエピ」といったものは一般的であり、その切れ目の入れ方の性格上、具材のあるタイプのエピは、その具材が切れ目のある部位の両端に露出するので、その露出した切れ目の一端を上になるように成型するともう一端の露出した切れ目は必然的に下を向く。既存のエピの具材は耐熱性や焼成耐性が強いものを用いており、ベーコンやチーズといった具材は、焼成時に流動して流れ出さない程度のもので、焼成後の包装や手といった周囲への付着は具材の焼成耐性によるものである。形状的な点からは特に課題を解決するための方法はとられてはいない。
これらのものは現在でも十分に商品価値のあり、事実外観上はそれら発明の課題を解決したものではあるが、市場からはより新しい食感のものを求める声は大きかったし、周囲への付着を軽減するという点も含めて新規な技術は待ち望まれてきた。
特実平1−066877号公報 特実昭62−202181号公報
辻製パン技術専門カレッジ編,「パンの基本大図鑑 Pain Marche」第2刷,講談社,2005年11月2日,p198−201 辻製パン技術専門カレッジ編,「パンの基本大図鑑 Pain Marche」第2刷,講談社,2005年11月2日,p32−35
本発明は、穀粉混捏生地を展延したものとフィリング材を組み合わせた食品において、平易な方法にて特異的な形状で且つ中のフィリング材が漏れにくい組み合わせ食品及びその焼成物を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究した結果、穀粉混捏生地を展延し、一方の面にフィリング材配置した上で、該面を内側にして巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」に対して、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して傾いており、かつ軸を含む面との交線が軸に対して略直角の切れ目を入れ、切れ残った部分を軸として、切れ目を境に生地が互い違いに折れている状態に加工した状態のあとにホイロ工程を行うことで、きわめて新規で特異的な外観を呈し、しかもフィリング材の漏れの少ない組み合わせ食品及びその焼成物が簡単に得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)として、穀粉混捏生地を展延し、一方の面にフィリング材を配置し、該面を内側にして巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」に対して、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸を含む水平面とのなす角が30〜60°となるように、かつ、当該水平面と切れ目の断面との交線が軸方向に対し略直角となるように複数の切れ目を入れ、切れ目によって生じた各片について、互い違いに折り込んだエピ状に成形し、焼成型内に設置してホイロ工程を行うことを特徴とするエピ状組み合わせ食品生地の製造法であり、(2)として、フィリング材が「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して略平行に複数本の線状に配置されていることを特徴とする(1)記載のエピ状組み合わせ食品生地であり、(3)として、(1)ないし(2)のいずれか1項記載のエピ状組み合わせ食品生地を加熱焼成してなるエピ状組み合わせ食品に関するものである。
本発明によれば、従来のものとは大きく差別化された特異的かつ新規な形状であり、且つ具材が漏れ出しにくいという特徴を持つ組み合わせ食品を提供することが可能となる。
「ロール状組み合わせ生地」とその巻き込みの軸、および配置したフィリング材との位置関係を示す模式図。 「ロール状組み合わせ生地」の切れ目の位置関係を示す模式図。 「ロール状組み合わせ生地」の切れ目と切り残しの位置関係を示す模式図。 「ロール状組み合わせ生地」の展開前後の幅およびその大きさを示す図面代用写真。 実施例1の「ロール状組み合わせ生地」に切れ目を入れた状態を示す図面代用写真。 実施例1の「ロール状組み合わせ生地」にエピ成型を施した状態を示す図面代用写真。 実施例1の「ロール状組み合わせ生地」にエピ成型を施したうえで焼成型内にてホイロをとった後の状態を示す図面代用写真。 実施例1のエピ状組み合わせ食品を示す図面代用写真。 実施例1のエピ状組み合わせ食品の底面側を示す図面代用写真。 比較例1の「ロール状組み合わせ生地」に切れ目をいれて、エピ成型を施さずにで焼成型内にてホイロをとった後の状態を示す図面代用写真。 比較例1の組み合わせ食品を示す図面代用写真。 比較例2の「ロール状組み合わせ生地」に切れ目をいれて、エピ成型を施した状態を示す図面代用写真。 比較例2の「ロール状組み合わせ生地」に切れ目をいれて、エピ成型を施したが天板上にてホイロをとった後の状態を示す図面代用写真。 比較例2の組み合わせ食品を示す図面代用写真。
以下、本発明を具体的に説明する。
(穀粉混捏生地)
本発明においては、小麦粉などの穀粉を主原料とし、水、塩などを加えて混捏し得られる生地(ドウ)を「穀粉混捏生地」とする。
穀粉混捏生地はそれ自体焼成前の状態で単独で成形ができるものであり、同じ穀粉を由来とする生地であっても、流動性があるため型に流し込まなくてはならない、たとえばケーキ生地などは混捏ができないため穀粉混捏生地には入らない。
また、穀粉混捏生地には、大別して層状生地と非層状生地がある。本発明における層状生地とは、穀粉および水を必須成分とする穀粉混捏生地の層と固状ないし可塑状の油脂組成物によって構成される層とが交互に層をなした生地を指し、デニッシュ、クロワッサンなどに代表されるペストリー生地や、折りパイ生地などに代表されるパイ生地など、フラワーシートを折りこんだペストリーなどがあげられる。非層状生地とは、上記層状生地以外の穀粉混捏生地を指し、層状の可塑状の油脂組成物を含まず、具体的にはテーブルロールやバンズ、バターロール、コッペパン、ソフトフランスといったものが挙げられる。本発明においては層状生地でも非層状生地でもどちらでもかまわない。
(穀粉混捏生地の調製)
本考案は穀粉混捏生地を特定の方法で成形して得られるものであるが、この成形に先立って穀粉混捏生地の調製を行う。この穀粉混捏生地の原料の調製は、特に限定されない。
層状生地の場合は、穀粉他の原料を適宜配合し混捏した生地に対して油脂組成物を包み込んだ後、折り重ねて展延したものであり、非層状生地の場合は、穀粉他の原料を適宜配合し混捏して得られる。
穀粉は小麦粉、ライ麦粉や米粉等の穀物粉をさし、また他の原料も水、イースト、食塩、砂糖、調味料、マーガリン、牛乳等の原料などが、層状生地に用いられる油脂組成物も公知の素材をいずれも使用することが出来、バター、マーガリン、コンパウンドマーガリン、ファットスプレッドなどのロールイン用油中水型乳化組成物が例示できる。
従来の層状・非層状生地の原料および製造法を適宜用いることが出来る。
ただし、本発明は焼成型内でホイロ工程に供される必要があり、必然的に適宜用いられる層状・非層状生地の製造工程はホイロ前の工程となる。
穀粉混捏生地は展延を施す。展延の方法は特に限定はされないが、平坦に展延できる方法、一例としてはシーター、麺棒による展延等を用いることが望ましい。
生地の厚み(図1のT)は特に限定されないが、本願発明はフィリング材を包み込む必要があるため、望ましくは20mm以下、さらに望ましくは10mm以下、さらに望ましくは7mm以下、下限は望ましくは1mm以上、さらに望ましくは2mm以上、さらに望ましくは3mm以上であることが好ましい。20mmを越える厚さの場合は、フィリング材と組み合わせた食品が大きくなりすぎたり、フィリング材が少なくなって、喫食用途に用いにくかったり、食品としてのバランスが悪くなりかねない。またが1mmを下回ると穀粉混捏生地の強度が足りず、フィリング材と組み合わせた場合に破れたり、フィリング材とのバランスが悪かったりしかねない。
また、展延した穀粉混捏生地の形状は特に限定はされないものの略矩形であることが望ましい。略矩形でないとロール状に組み合わせた場合に、円筒状ではなく円錐状であったり、中央に行くにつれて太い(細い)といったように形状がいびつになりかねない。
なお、略矩形とは向かい合う辺が略平行の四辺形であり、略平行は向かい合う2辺のなす角が90°±30°のものとする。
展延した穀粉混捏生地の寸法についても特に限定はされない。ここでは「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸(図1のC)に対して平行な辺を幅(図1のW)、垂直な辺を長さ(図1のL)とした場合、幅は望ましくは3cm以上、さらに望ましくは5cm以上であることが好ましく、極端に小さい場合は作業しにくい。また上限も特に限定はされず、この作業のあとの工程である、焼成型の寸法や焼成用設備に応じ適宜調整できるし、大きく作成して切り分けてもよい。長さも特に限定はされないが、望ましくは5cm以上、さらに望ましくは10cm以上であることが好ましい。この作業のあとの工程である巻き込みが十分にできるのであれば適宜調整できる。
(フィリング材とその配置)
展延した穀粉混捏生地の一方の面にフィリング材配置する。
フィリング材としては、カスタードクリーム、ホイップクリーム、ガナッシュクリーム、ムース、チョコレート類、各種フルーツ類、ジャム、各種ナッツ類とそのペースト等が揚げられ、焼成耐性の有無にかかわらず用いることができるが、焼成耐性が無いまたは弱い、あるいは焼成しある程度放冷した後には表面が堅くなっているようなものでも、焼成中には型や壁、天板などに接触していると付着するようなものであるものの方が本発明はより好適に用いることができる。
下記に記載の切れ目の入れ方では必ず切れ目にはフィリング材が露出するため、既存の焼成方法を用いると、フィリングは焼成中に流れ出し、天板や焼成装置などに付着しやすい。
フィリング材の展延した穀粉混捏生地への配置の仕方は、特に限定はされないが、フィリング材は穀粉混捏生地のロールされた生地中に満遍なく入っている方がどのような断面をとっても断面にフィリング材が露出するので本発明を用いることでフィリングの漏出を防ぐという課題に対しては、より効果的であり、また喫食時においても満足度が高い。しかし、コスト的、あるいは工程の機械的な制約より、全面ではなく一部にフィリング材を配置することが望ましい場合は、フィリング材が「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸(図1の(a)参照)に対して略平行に複数本の線状に配置されていることが望ましい。
一本で全量を配置するより、複数に分かたれて配置する方が、断面におけるフィリング材の露出において小さい断面にて存在するため焼成時に漏出しにくいし、断面に複数のフィリング材が局在している箇所が見える点も商品価値が高い。
(ロール状組み合わせ生地の成型)
穀粉混捏生地にフィリング材を配置したのち、該面すなわちフィリング材を配置した面を内側にして巻き込むことで、「ロール状組み合わせ生地」を作成する。
(切れ目の作成)
「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸(図2のC)に対して傾いており、かつ軸を含む面との交線が軸に対して略直角(図2のD1や、D2)の切れ目を入れる。
「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸を含む水平面と切れ目の平面がなす角で15°〜90°、望ましくは30°〜85°、さらに望ましくは45°〜85°であることが好ましい。(図2参照、ただし、本文記載のθは図中記載のθ1、θ2を総じて指すものとする。)
ただし、傾いているというのは上限として90°も含む。90°の場合は切断によって生じる面はどちらも天板に対して垂直であるが、生地が可塑性に富むため、変形させてどちらかの面を上方に向けることは可能である。ただし、そういった操作で生地とその中に含まれるフィリング材に必要以上の圧力がかかるので望ましくは85°以下である方が作業しやすく、作業中にフィリング材が吐出しにくい。
切れ目は複数箇所であれば特にその数は限定されないが、それぞれが略平行である必要がある。作業性の点で厳密にその切れ目の角度を限定するのは最終的な見栄えやフィリング材の吐出防止の効果に特段に影響を与えず、機械的・コスト的に望ましくない。特に限定はされないが、略平行であるとはθ1≒θ2であり、θ1=θ2±30°である。(図2参照)なお、図2では平面の切れ目をいれているが、これに類した方向や角度であれば多少は断面がひずんでいてもかまわない。作業工程上、あるいはコスト的に適当な方法で切れ目を入れてかまわない。一例としては調理用はさみによるものが挙げられる。
(「ロール状組み合わせ生地」の切れ目形状)
また該切れ目は「ロール状組み合わせ生地」を完全に切り落とした状態になっておらず、必ず天板上に設置した場合その設置部位の付近で生地がつながっている必要がある。
切れ目自体を「切れ目長さ」(図3のh1部分)、天板上設置部位から切れ目の終わりまでを「切り残し長さ」(図3のh2部分)とした場合、その長さの比である、(切り残し長さ)/(切れ目長さ)は1/10〜1/1が望ましい。1/10より小さいと、後術の互い違いに開く操作の際に「ロール状組み合わせ生地」がちぎれて分断されかねない。1/1より大きいと、切断面が小さく露出した部分からフィリング材が漏れにくい反面、フィリング材が見えにくく、商品価値の点でフィリング材が生地に完全に覆われたものと差異が小さい。また、切断面が小さい中でフィリング材の露出を大きくするため、生地を大きくひずませると、フィリング材が吐出しやすくなり逆効果になりかねない。
切れ目は切り残した部分を固定端として(図4(a)参照)、切れ目を境に生地が互い違いに折れている状態にする。(図4(b)参照、これを「エピ状に成型する」と称する。)
折り曲げて展開した「ロール状組み合わせ生地」の幅(「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸と鉛直方向に対して垂直な方向の展開した「ロール状組み合わせ生地」の大きさ、図4のE2に相当)が展開前の「ロール状組み合わせ生地」の幅(同じく「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸と鉛直方向に対して垂直な方向の「ロール状組み合わせ生地」の大きさ、図4のE1に相当)の3倍以下、望ましくは2倍以下であるほうが望ましい。
展開した「ロール状組み合わせ生地」の幅が展開前の「ロール状組み合わせ生地」の幅に比べて3倍を越えると切断面から露出するフィリング材が大きくなり、またこのあとの工程のホイロ工程においても十分に下向き露出面を閉じることができなくなり、フィリング材が漏出しやすくなる。一方、下限は特にないが、1倍に近いと切れ目はあるがフィリング材が露出していない状態であり、商品価値の点で既存の商品と差異が小さい。
焼成型内に設置した状態でホイロ工程に供し生地を発酵する。発酵の条件は、温度は27〜39℃、より好ましくは30〜38℃であり、湿度は50〜90%、より好ましくは60〜80%で、約2倍〜3倍程度に生地を膨張させる。なお、温度および湿度は、それぞれ雰囲気の条件である。
焼成型内にてホイロを行うことで、上方に向いた切断面が見えながらも下方に向いた切断面に対して切り残した部分が底蓋となり、さらに限定された大きさの焼成型内でホイロ工程を行うことで、「ロール状組み合わせ生地」の穀粉混捏生地部分は膨張して十分に覆いきれて無かった底蓋部を拡充して、フィリング材が漏出しにくい構造となる。
焼成型の幅(設置した「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して垂直かつ水平方向の長さ)は、展開前の「ロール状組み合わせ生地」の幅(図4のW2に相当)の3倍以下、望ましくは2倍以下であるほうが望ましい。
焼成型の幅が展開前の「ロール状組み合わせ生地」の幅に比べて3倍を越えるとホイロ工程で膨張した穀粉混捏生地が下向き露出面を閉じることができなくなり、フィリング材が漏出しやすくなる。一方、下限は特にないが、1倍に近いと切れ目はあるがフィリング材が露出していない状態であり、商品価値の点で既存の商品と差異が小さい。
焼成型の長さ(焼成型の幅に対して垂直かつ水平方向の長さ)は特に限定はされないが、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸方向の長さ(「ロール状組み合わせ生地」の長さと称する)の0.8倍から1.2倍程度が望ましい。「ロール状組み合わせ生地」の端にフィリング材が露出している場合は折り込んで露出しないようにして型に設置する方がフィリング材漏出を防ぐ点から望ましく、そのため焼成型の長さが「ロール状組み合わせ生地」の長さの0.8倍程度でも特にかまわない。一方で1.2倍を越えると穀粉混捏生地の膨張が焼成型の幅方向と長さ方向の双方に「逃げる」ため下方を向いた切断面の底蓋としての機能を若干そぎかねないが、幅方向の規定ほど厳密には影響はしない。最終的なロール状組み合わせ生地の焼成後の形状に合わせて適宜調節できる。
(加熱焼成)
ホイロ工程を終えたロール状組み合わせ生地の加熱焼成は、従来よりある穀粉混捏生地の加熱焼成方法を適宜用いることができる。
一例として、上火170〜250℃、下火170〜220℃、10〜30分間焼成の条件が例示できる。
あるいはロール状組み合わせ生地を一旦解凍した上で保存し適当な機会に加熱焼成することもできる。このようにして、ロール状組み合わせ生地焼成物を得ることができる。
このようにして得られたロール状組み合わせ生地焼成物は、特異的な形状で且つ中のフィリングが漏れにくいものとなる。
以下に本発明をより具体的な実施例、比較例にて説明する。なお、以下に記載する「部」「%」は特に指定しない限り、「重量部」「重量%」を用いるものとする。
(実施例1)
(穀粉混捏生地の調整)
強力粉(商品名「イーグル」、日本製粉株式会社製)80部、薄力粉(商品名「バイオレット」、日清製粉株式会社製)20部、生イースト3部、上白糖4部、食塩2部、加糖卵黄調製品(商品名「プロダッシュ800」、不二製油株式会社製)15部に水45部を加え、縦型ミキサーを使用して低速4分ミキシングを行い、リタード(−6℃、60分〜)をとった後、折り込み油脂(商品名「メサージュシート300、不二製油株式会社製)を対粉40%にて折り込み、リバースシーターで4つ折りと3つ折りを各1回、さらにリタード(−6℃一晩〜)をとった後、3つ折りをし(層数36層)、穀粉混捏生地を調整した。
(穀粉混捏生地の整形)
調整した穀粉混捏生地をさらにリバースシーターで3mmに圧延し、幅13cmに整えた生地上にフィリング材(商品名「なめらかチョコスイート」、不二製油株式会社製)を幅に対して平行線状に搾り出した上で、同じく幅に対して平行な軸をもってフィリング材を巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」を作成し、リタードで休める(30分〜)。
その後、長さ15cm程度(90g程度)になるよう切り分け、焼成型(商品名「新IFトレー角190×65」、伊藤景パック産業株式会社)に入れる。
ここで、1cm幅に調理用はさみで「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して傾いており、かつ軸を含む面との交線が軸に対して略直角の切れ目を入れ(図5参照)、エピ成型する(図6参照)。
焼成型に収まって、かつエピ成型を施された、「ロール状組み合わせ生地」温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロをとった(図7参照)後、上火200℃/下火190℃、18分焼成を行い、エピ状組み合わせ食品を調製した(図8参照)。
得られたエピ状組み合わせ食品は一見従来のエピに似てはいるものの、印象的な「麦の穂」のような外へと向かった張り出し部がなく、型に納まった形状であり、フィリングも上部からはよく視認される状態であった。
また、エピ状組み合わせ食品を焼成型から取り出し底面側から観察したところ、フィリングの漏出は認められなかった(図9参照)し、焼成型への付着もなかった。
(比較例1)
実施例1の製造工程において、切れ目を入れたのちエピ成型をしないという点以外は同じ配合と手順にて、組み合わせ食品を得た。(ホイロ後:図10、焼成後図11参照)
得られた組み合わせ食品はフィリングの漏出は認められないし、焼成型への付着もなかったものの、単に上部に切れ目の入った、従来よりあるフィリング材の内包されたパンの範疇を越えるものではなかった。
(比較例2)
実施例1の製造工程において、切れ目を入れたのちエピ成型をするものの、焼成型には入れずにホイロをするという点以外は同じ配合と手順にて、組み合わせ食品を得た。(エピ成型後:図12、ホイロ後:図13、焼成後図14参照)
得られた組み合わせ食品は従来よりあるエピと外見上似かよっており、またフィリングの漏出や焼成型への付着が認められた。
A:展延した穀粉混捏生地
B:フィリング材
C:「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸
W:展延した穀粉混捏生地の幅
L:展延した穀粉混捏生地の長さ
T:展延した穀粉混捏生地の厚み
、D:切れ目を構成する面と巻き込みの軸を含む面との交線と巻き込みの軸とがなす角
θ1、θ2:「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸と切れ目の平面がなす角
:穀粉混捏生地の切れ目形状における「切れ目長さ」
:穀粉混捏生地の切れ目形状における「切り残し長さ」
:「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸と鉛直方向に対して垂直な方向の展開した「ロール状組み合わせ生地」の大きさ
:展開前の「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸と鉛直方向の大きさ
本発明により、穀粉混捏生地を展延したものとフィリング材を組み合わせた食品において、平易な方法にて特異的な形状で且つ中のフィリング材が漏れにくい組み合わせ食品及びその焼成物を製造する方法を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 穀粉混捏生地を展延し、一方の面にフィリング材を配置し、該面を内側にして巻き込んだ「ロール状組み合わせ生地」に対して、「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸を含む水平面とのなす角が15°〜90°となるように、かつ、当該水平面と切れ目の断面との交線が軸方向に対し略直角となるように複数の切れ目を入れ、切れ目によって生じた各片について、互い違いに折り込んだエピ状に成形し、焼成型内に設置してホイロ工程を行うことを特徴とするエピ状組み合わせ食品生地の製造法。
  2. フィリング材が「ロール状組み合わせ生地」の巻き込みの軸に対して略平行に複数本の線状に配置されていることを特徴とする請求項1記載のエピ状組み合わせ食品生地。
  3. 請求項1ないし請求項2のいずれか1項記載のエピ状組み合わせ食品生地を加熱焼成してなるエピ状組み合わせ食品。
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