JP2018093739A - 防草材及びそれの使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、除草剤の散布は、草を枯らすだけで、頻繁に散布する必要があり、抜本的な対策とはならない。また、セメントを含有する防草材を振り撒いて散水して地面を被覆する方法も提案されているが、硬化までに時間を有し、雨など降ると施工ができず、さらに硬化前に流れてしまうという課題や、凍結融解によりスケーリングやひび割れが生じるという課題があった。また、セメントはアルカリ性が高く、六価クロムを含有することから、環境面での課題があった。
特許文献1は、酸化マグネシウムと高炉スラグを主成分する雑草繁殖防止材を地表面の土と混合して転圧して押し固めて、その上に散水するため、施工に労力を必要とし、初期強度発現性が低いため、施工後の降雨で流失し易く、さらに凍結融解を受け寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献2と3も特許文献1と同様の酸化マグネシウム系固化材であるため、初期強度発現性が低く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。さらに、これら酸化マグネシウム系抑草材全般に関する課題は、硬化時間が長いため傾斜の強い法面では、施工時の散水や降雨時に流されたりして一定の厚さにできない場合があり、水溜りがある場所では硬化しない場合があった。また、凍結融解を受け寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献4は、焼却灰、スラグ、及び石炭灰の骨材を敷き詰め、その上にクロロプレン系ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、及びアクリル系エマルジョン固化材を散布して固着することを特徴とする防草工法であり、セメントや塩基性物質を使わないため環境にやさしい防草材である。しかしながら、人力や重機で3〜20cmの厚さに敷き詰め、その上に均一にラテックスやエマルジョンを散布する必要があるため、多大な労力がかかった。
これらセメントは単独あるいは2種以上併用して使用することも可能である。これらの中では高炉セメントが六価クロム含有量が低く好ましい。
促進剤の使用量は、セメント100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
1質量部より少ないと早期硬化が得られない場合があり、一方20質量部を超えると十分な作業時間が得られない場合がある。
中空体の密度の範囲は、0.02〜0.2g/cm3が好ましい。0.02g/cm3未満では散水もしくは水に練り混ぜた場合に破損したりする場合がある。一方、0.2g/cm3を超えると、中空体の膜が厚くなり、凍結融解抵抗性が得られない場合がある。
セメント100質量部に対して、表1に示す促進剤と中空体を加え、さらに凝結調整剤0.5質量部、土壌を600質量部加えて防草材を調製した。この防草材を型枠に敷設後、セメント100質量部に対して、水を20質量部散水して試験体を作製した。硬化時間、圧縮強度、凍結融解抵抗性の測定を行った。結果を表1に示す。
また、比較として、普通セメントを用いたモルタルとマグネシア系固化材を調製した。モルタルの配合は、(一社)セメント協会製標準砂と普通ポルトランドセメントの質量比を3/1としたドライモルタルを型枠に敷設し、水セメント比が50質量%となるように水を散水して防草材を調製した。マグネシア系固化材は、中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム100質量部に対して、土壌を500質量部混合したものを型枠に敷設し、水を20質量部散水して防草材を調製した。
普通セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
促進剤A:硫酸アルミニウム、1級試薬
促進剤B:硫酸ナトリウム、1級試薬
促進剤C:炭酸水素ナトリウム、1級試薬
中空体A:アクリロニトリル共重合体、松本油脂製薬社製「マイクロスフェア‐F‐80SDE」、密度0.05g/cm3
中空体B:新潟県糸魚川産籾殻、密度0.1g/cm3
土壌:愛知県産真砂土、5mm篩下、長野県産川砂乾燥品、1.2mm篩下を当量混合
凝結調整剤:無水クエン酸ナトリウム、磐田化学工業社製
水:水道水
砂:(一社)セメント協会製標準砂
マグネシア系固化材:中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム
硬化時間:練混ぜた防草材を指で押してもへこまない時間を測定した。
圧縮強度:一軸圧縮強度は、20℃・相対湿度60%の環境でJIS R 5201に準じて4×4×16cm供試体を作製した。材齢6時間と28日強度を測定し、養生方法は、20℃・相対湿度60%の環境下で気乾養生とした。
凍結融解試験:凍結融解抵抗性は、20℃・相対湿度60%の環境下でJIS R 5201に準じて4×4×16cm供試体を作製し、材齢1日後、脱型し、JIS A 1148「コンクリートの凍結融解試験方法」A法により凍結融解試験を実施し、各サイクル毎に試験体を取り出し、重量減少率を測定した。
セメント100質量部に対し、表2に示す促進剤と中空体を加えたこと以外は実験例1と同様に試験を実施した。結果を表2に示す。
中空体C:アクリロニトリル共重合体、松本油脂製薬社製「マイクロスフェア‐F‐80SDE」、密度0.02g/cm3
中空体D:アクリロニトリル共重合体、松本油脂製薬社製「マイクロスフェア‐F‐80SDE」、密度0.1g/cm3
中空体E:新潟県糸魚川産籾殻、密度0.08g/cm3
中空体F:新潟県糸魚川産籾殻、密度0.12g/cm3
セメント100質量部に対し、表3に示す促進剤、中空体及び土壌を加えたこと以外は、実験例1と同様に試験を実施した。結果を表3に示す。
防草試験:田畑に生い茂った雑草を予め長さ0.5cm以下に草刈機で草刈して、耕運機で田畑を耕し、その上に、芝生の種であるトールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの混合品を40g/m2撒き、足で踏みならし転圧した。その上に、各防草材を基礎面上に均一に厚み3cm、5m2敷設した後、各防草材の合計100質量部に対して水を20質量部散水し、180日後の防草材表面からの生えた芝の本数を測定した。
実験No.1-5の防草材について、セメント100質量部に対して水20質量部を散水ではなく、オムニミキサに加え、練り混ぜたものを型枠または基礎面上に敷設したこと以外は実験例3と同様に実施した。結果を表4に示す。
Claims (6)
- セメント、促進剤、及び土壌を含有してなる防草材。
- さらに、中空体を含有してなる請求項1に記載の防草材。
- 中空体の密度が0.02〜0.2g/cm3である請求項2に記載の防草材。
- 促進剤が硫酸アルミニウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の防草材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防草材を地面に敷き詰めてその上に散水して被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防草材を水で練混ぜて地面に敷き詰めて被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
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JP7361677B2 (ja) | 2020-08-27 | 2023-10-16 | 東興ジオテック株式会社 | 傾斜地の防草工法 |
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