JP6914071B2 - 防草材及びそれの使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、河川の土手、田畑の畦畔、あるいは、鉄道、道路等の盛土ののり面などの雑草の生育を抑制する防草材及びその使用方法に関する。
河川の土手、鉄道、道路等の盛土ののり面や田畑の畦畔等では、雑草が繁茂し、頻繁な草刈りや除草剤散布が必要であった。草の刈取りには多大の労力を必要とするため、一般的には除草剤を散布する方法が行われている。
しかしながら、除草剤の散布は、草を枯らすだけで、頻繁に散布する必要があり、抜本的な対策とはならない。また、セメントを含有する防草材を振り撒いて散水し、地面を被覆する方法も提案されているが、硬化までに時間を有し、雨などが降ると施工できず、さらに硬化前に流れてしまうという課題があった。さらに、初期凍害が生じたり、収縮ひび割れが生じるという課題があった。
また、セメントを含まない酸化マグネシウム系固化材を散布、又は土壌に混合し、散水して固化させる抑草材とその使用方法が提案されている。(特許文献1,2,3)
特許文献1は、酸化マグネシウムと高炉スラグを主成分する雑草繁殖防止材を、地表面の土壌と混合し転圧して押し固め、その上に散水するため施工に労力を必要とし、初期強度発現性が低いため、施工後の降雨で流失し易く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。
特許文献2及び3も、特許文献1と同様の酸化マグネシウム系固化材であるため、初期強度発現性が低く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。さらに、これら酸化マグネシウム系抑草材全般に関する課題は、硬化時間が長いため、傾斜の強い法面では施工時の散水や降雨時に流されたりして一定の厚さにできない場合があり、さらに水溜りがある場所では硬化しない場合があった。また、初期強度発現性が低いため、貫通力の高いスギナ、ヨシ、笹、チガヤといった植物は貫通して繁茂しやすいことが挙げられる。
特許文献4は、焼却灰、スラグ、及び石炭灰の骨材を敷き詰め、その上にクロロプレン系ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、及びアクリル系エマルジョン固化材を散布して固着することを特徴とする防草工法であり、セメントや塩基性物質を使わないため環境にやさしい防草材である。しかしながら、人力や重機で3〜20cmの厚さに敷き詰め、その上に均一にラテックスやエマルジョンを散布する必要があるため、多大な労力がかかった。また特許文献5に、セメント組成物に廃タイヤ粉砕ゴム粒子含むセメント硬化体が提案されているが、pHが12以上の強アルカリ性となり、周辺の植生への影響や六価クロムの溶出という課題があった。
特開2003−47388号公報 特開2007−330114号公報 特開2014−51849号公報 特開2014−234655号公報 特開2004−323312号公報
本発明は、硬化時間が短くて初期強度発現性が高く、耐初期凍害、ひび割れ抵抗性を有し、草刈の労力が軽減でき、かつ防草効果が持続して環境に優しい防草材及びその使用方法を提供する。
即ち、本発明は、(1)カルシウムアルミネート、ゴムチップ及び土壌を含有してなる防草材、(2)さらに、石膏を含有してなる(1)の防草材、(3)さらに、カルシウムシリケートを含有してなる(1)又は(2)の防草材、(4)カルシウムアルミネートが、CaO/Alモル比1〜3、不純物15質量%以下である(1)〜(3)のいずれかの防草材、(5)さらに、セメント混和用ポリマーを含有してなる(1)〜(4)のいずれかの防草材、(6)(1)〜(5)のいずれかの防草材を地面に敷き詰めて、その上に散水して被覆する防草材の使用方法である。
本発明の防草材は、硬化時間が短くて初期強度発現性が高く、初期凍害やひび割れ抵抗性に優れ、十分な防草効果を有する。さらに、本発明の防草材を使用することで、草刈の労力が軽減でき、防草効果が持続して環境に優しいなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するカルシウムアルミネートは、カルシア原料とアルミナ原料などを混合して、キルンで焼成し、あるいは、電気炉で溶融し冷却して得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称であり、硬化時間が早く、初期強度発現性の高い材料である。カルシウムアルミネートの代表的なものとしてアルミナセメントが挙げられ、通常市販されているものが使用できる。例えば、アルミナセメント1号、アルミナセメント2号などが使用できる。アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高い点から、溶融後に急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましく、CaOとAlとのモル比(CaO/Alモル比)は、1.0〜3.0が好ましく、1.7〜2.5がより好ましい。CaO/Alモル比が1.0〜1.7の場合、セメントや消石灰又は生石灰を配合する事で、硬化時間をより短縮して初期強度発現性を高めることが可能である。
さらに、本発明では、カルシウムアルミネート中に含まれるCaOやAl以外の不純物が15質量%以下であることが初期強度発現性の観点から好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。不純物が15質量%を超えると硬化時間が長くなり、低温時には固まらない場合がある。不純物の代表例としては酸化ケイ素があり、その他、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等がCaOやAlの一部に置換したものが挙げられるが、特に限定されるものでない。
カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の面で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。ガラス化率が70%未満であると、初期強度発現性が低下する場合がある。ガラス化率は、加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求める。S及びSの値を用いて、次式によりガラス化率χを算出する。
ガラス化率χ(%)=100×(1−S/S
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。ブレーン比表面積が3000cm/g未満であると、硬化時間が長くなり、初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明で使用する土壌は、砂利、砂、礫、粘土のいずれか1種又は2種以上を含むものでは特に限定されるものではない。山砂、川砂、海砂等のサンド質土壌やシルト質土壌、クレイ質土壌、工事から発生する残土、軽量骨材、再生骨材、スラグ骨材、防草処理を行う箇所の土をそのまま用いるなど、いずれも使用できる。一般には、天然土である真砂土、赤玉土、鹿沼土や乾燥砂は品質が安定しており、より好ましい。
本発明の防草材において、土壌の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、通常、200〜1000質量部が好ましく、300〜700質量部がより好ましい。土壌が200質量部より少ないと、強度発現性は高いが経済的に好ましくない。一方、1000質量部より多いと強度が低く、耐初期凍害性に劣ったり、凹んでしまう可能性がある。
本発明に使用する石膏は、半水石膏と無水石膏が使用でき、強度発現性の点で無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏を水に浸漬させたときのpHは、pH8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pH8よりが高い場合、石膏成分の溶解度が高くなり、初期の強度発現性を阻害する場合がある。ここでいうpHとは、石膏/イオン交換水=1g/100gの20℃における希釈スラリーのpHをイオン交換電極を用いて測定したものである。
石膏の粒度は、ブレーン比表面積で3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上が初期強度発現性と、適正な作業時間が得られる点から好ましい。
石膏の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、50〜200質量部が好ましい。50質量部未満では、作業時間が取れなくなり、強度発現性が低下する場合がある。一方、200質量部を超えると作業時間は十分に取れるが、初期強度が得られない場合がある
本発明で使用するゴムチップは、特に限定されるものではないが、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、イソブチレン、イソプレンゴムなどが使用可能である。特に、天然ゴムが好ましく、天然ゴムを50%以上含有しているものや廃タイヤを切断したものは弾力性が良好で特に好ましい。粒度は0.1〜3mmが散水時の透水性の向上や耐凍害性の観点から好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。0.1mm未満であるとゴムを粉砕しにくいためにコストが上がり経済的でなく、さらに、散水時の透水性が悪く、強度発現性が低下しやすい。一方、3mmを超えると硬化体の表面からゴムチップが剥がれやすくなり、耐久性の点で好ましくない。
本発明に使用するゴムチップの使用量は、カルシウムアルミネートと石膏と土壌の合計100質量部に対して、5〜15質量部が好ましい。5質量部未満では、耐凍害が低下する場合があり、一方、15質量部を超えてもさらなる効果が得られない場合がある。
本発明で使用するカルシウムシリケートは、3CaO・SiOや2CaO・SiO等が挙げられるが、特に限定されるものではない。中でも、γ−2CaO・SiOが大気中の二酸化炭素を吸収して強度を増加させるため、最も好ましい。
γ−2CaO・SiOは、2CaO・SiOで表される化合物の中で、低温相として知られるものであり、高温相であるα−2CaO・SiOやβ−2CaO・SiOとは異なるものである。これらの化合物はいずれも2CaO・SiOで同じ化学組成を有するが、結晶構造が異なる。セメントクリンカ中に存在する2CaO・SiOは、β−2CaO・SiOである。β−2CaO・SiOは水硬性を有するが、γ−2CaO・SiOは水硬性を持たず、大気中の二酸化炭素を吸収して硬化する特性がある。
カルシウムシリケートの粒度は、特に制限されないが、ブレーン比表面積3000cm/g以上が好ましく、4,000〜8,000cm/gがより好ましい。ブレーン比表面積が3,000cm/g未満では、強度が充分に得られない場合がある。一方、8,000cm/gを超えても更なる効果の増進が期待できない。
本発明で使用するカルシウムシリケートの使用量は、カルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対して、50〜500質量部が好ましい。50質量部未満では、強度発現性が低下する場合がある。一方、500質量部を超えると作業時間が取れにくく、初期強度が得られない場合がある。
本発明で使用するセメント混和用ポリマーは、粘弾性を付与し、ひび割れや凍結融解を低減させる目的で使用する。本発明のセメント混和用ポリマーは、例えば、JIS A 6203で規定されるセメント混和用のポリマーであり、水の中にポリマーの微粒子が分散しているポリマーディスパージョンや、ゴムラテックス又は樹脂エマルジョンに安定剤などを加えたものを乾燥して得られる再乳化形粉末樹脂などを総称するものである。例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴムなどのゴムラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル・酢酸ビニル・ビニルバーサテート系共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマーなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。セメント混和用ポリマーは、液状のものでも粉状のものでも使用できる。使用方法は特に限定されるものではなく、地面に敷き詰めた防草材に液状のものを散布することも可能であり、粉状のものを散水する水と混合して使用することもできる。セメント混和用ポリマーの使用量は、カルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。1質量部未満では、ひび割れの抑制効果が低い場合があり、一方、50質量部を超えると十分な強度が得られない場合がある。
本発明では、ひび割れ抵抗性を向上させる目的で繊維類を使用することができる。繊維類としては、ビニロン繊維、プロピレン繊維、ナイロン繊維等の高分子繊維類、鋼繊維、ガラス繊維、並びに、炭素繊維に代表される無機繊維類が挙げられるが、特に限定されるものではない。
繊維類の使用量は、防草材100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましく、0.08〜2質量部がより好ましい。0.05質量部未満ではひび割れ抵抗性を向上させる効果が発揮されない場合があり、一方、5質量部を超えると粘性が高くなり作業性が悪くなる場合がある。繊維の長さは、コテ仕上げ面の美観の点から15mm以下が好ましい。
水の使用量は、本発明の防草材の合計100質量部に対して10〜30質量部が好ましい。10質量部未満では散水しても全体に水が浸透しない場合があり、一方、30質量部を超えると十分な強度が得られない場合がある。
本発明では、凝結調整剤を使用することが可能である。凝結調整剤は、カルシウムアルミネートの凝結を促進、遅延するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸化アルカリ、アルカリ金属塩化物塩、アルカリ金属炭酸塩、オキシカルボン酸又はその塩、リン酸又はその塩、デキストリン、ショ糖、ポリアクリル酸又はその塩、減水剤、高性能減水剤などを1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明では、酸化マグネシウムなどの低pHの固化材、ウッドチップ、もみ殻などの嵩をあげる増量材、塩化カルシウム、石灰石微粉末、フライアッシュ、カオリン、シラス、珪藻土及びシリカフュームなどの混和材料、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、減水剤、流動化剤、ポリマー、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、着色剤などを1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良く、あるいは、あらかじめ一部又は全部を混合しておいても差し支えない。事前に混合し、現場で水を散水または混合する方法が品質面で好ましい。事前に混合する場合、土壌は乾燥状態であることが好ましい。また土壌は、防草処理を行う箇所の土壌をそのまま用いることも可能である。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
本発明では、防草材の使用方法は特に限定されるものではない。例えば、地面の雑草を草刈機等で1cm以下程度に草刈し、刈り取った雑草を取り除いた上に防草材を敷き詰めて散水し被覆する方法、あるいは、練混ぜた防草材を吹き付けて被覆する方法等が挙げられる。草刈後に除草剤を散布してから、防草材を被覆することがより好ましい。
防草材を草刈した地面に敷き詰めて、その上に散水して表面を固化させて被覆する場合、地面に防草材を敷き詰めてならし、その上にジョウロ等で散水する方法が好ましい。敷き詰める厚さは特に限定されるものではないが、地面の凸部で1〜3cmの厚さが好ましい。1cm以下であると全体に被覆することができにくくなるため、防草効果が低くなる場合があり、一方、3cm以上では防草効果は高いが材料費が高くなり、多大な労力がかかるため好ましくない。
本発明の防草材から土壌を除いたものを、草刈した地面に敷設し、地面の土と混合攪拌させて被覆する場合は、バックホウやスタビライザーなどを用いて混合攪拌させることが可能である。さらに転圧をすることで硬い地盤とすることも可能である。
以下、本発明を実験例に基づいて説明する。
(実験例1)
表1のカルシウムアルミネート100質量部に対して、石膏を100質量部、土壌を400質量部、凝結調整剤0.2質量部、カルシウムアルミネートと石膏と土壌の合計100質量部に対してゴムチップを7質量部加えて防草材を調製した。この防草材を型枠に敷設後、敷き詰めた防草材100質量部に対して、水を17質量部散水して試験体を作製した。硬化時間、圧縮強度、初期凍害抵抗性の測定を行った。結果を表1に示す。
また、比較として、普通セメントを用いたモルタルとマグネシア系固化材を調製した。モルタルの配合は、(社)セメント協会製標準砂と普通ポルトランドセメントの質量比を3/1としたドライモルタルを型枠に敷設し、水セメント比が50質量%となるように水を散水して防草材を調製した。マグネシア系固化材は、中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム100質量部に対して、土壌を500質量部混合したものを型枠に敷設し、水を17質量部散水して防草材を調製した。
<使用材料>
カルシウムアルミネート:炭酸カルシウムと酸化アルミニウムのCaO/Alモル比を変え、さらにシリカを加えて1650℃で溶融、急冷してガラス化率を95%とし、粉砕してブレーン比表面積5000cm/gとした。シリカ含有量を不純物含有量とした。
石膏A:天然無水石膏、ブレーン比表面積値5000cm/g
土壌A:糸魚川産石灰砂、2.5mm篩下
ゴムチップA:廃タイヤ粉砕品1〜2mm、市販品
凝結調整剤:無水クエン酸ナトリウム、磐田化学工業社製
水:水道水
砂:(社)セメント協会製標準砂
マグネシア系固化材:中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム
<測定方法>
硬化時間:練混ぜた防草材を指で押してもへこまない時間を測定した。
圧縮強度:JISR5201の三連型枠に敷設し、敷設した防草材100質量部に対して17質量部の水を散水して供試体を作製した。養生方法は、20℃・相対湿度60%の環境下で気乾養生とし、材齢12時間と28日強度を測定した。
初期凍害抵抗性:20℃・相対湿度60%の環境下で圧縮強度と同様な方法で供試体を作製後、直ちに、−10℃の環境下で材齢7日まで養生した。その後材齢28日まで、20℃・相対湿度60%の環境下で気乾養生した後、圧縮強度を測定した。初期凍害抵抗性(%)は、比較として20℃・相対湿度60%の環境下で練混ぜ、気乾養生した供試体の28日圧縮強度に対する強度の割合とした。さらに、供試体表面のひび割れの有無を確認した。
Figure 0006914071
表1から、本発明の防草材は、硬化時間が短く初期強度発現性が良好で、初期凍害抵抗性に優れることが分かる。
(実験例2)
表2に示すように、実験No.1-4のカルシウムアルミネート100質量部に対し、石膏の種類と使用量を変え、さらに、カルシウムアルミネートと石膏と土壌の合計100質量部に対し、ゴムチップの種類と使用量を変えたこと以外は実験例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
<使用材料>
カルシウムアルミネート:CaO/Alモル比2.2、ガラス化率95%、不純物含有量3質量%、ブレーン比表面積値5000cm
石膏B:半水石膏、市販品、ブレーン比表面積値4800cm/g
ゴムチップB:廃タイヤ粉砕品0.6〜1mm、市販品
ゴムチップC:廃タイヤ粉砕品0.3〜0.6mm、市販品
ゴムチップD:廃タイヤ粉砕品0.1〜0.3mm、市販品
ゴムチップE:天然ゴム粉砕品0.1〜0.3mm、市販品
Figure 0006914071
表2から、本発明の防草材は、硬化時間が短く初期強度発現性が良好で、初期凍害抵抗性に優れることが分かる。
(実験例3)
実験例1の実験No.1-4の防草材について、表3に示す割合でカルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対してカルシウムシリケートの種類と使用量を変えたこと、並びに、土壌の種類と使用量を変えたこと以外は、実験例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
<使用材料>
カルシウムシリケートA:γ−2CaO・SiO。試薬の炭酸カルシウム2モル及び二酸化ケイ素1モルを混合粉砕した後、電気炉で焼成し合成した。ブレーン比表面積値4000cm/g。
カルシウムシリケート B:β−2CaO・SiO試薬の炭酸カルシウム2モル及び二酸化ケイ素1モルを混合粉砕した後、電気炉で焼成し合成した。ブレーン比表面積値4000cm/g。
土壌B:愛知県産真砂土、2.5mm篩下
Figure 0006914071
(実験例4)
実験例1の実験No.1-4の防草材について、表4に示す割合でカルシウムアルミネートと石膏の合計100質量部に対してセメント混和用ポリマーを使用したこと以外は、実験例1と同様に行い、乾燥収縮量(長さ変化率)の測定、並びに、防草・ひび割れ試験を行った。
また、比較として、実験例1で使用した普通セメントを用いたモルタル(実験No.1-8)、マグネシア系固化材(実験No.1-9)についても同様の試験を行った。
結果を表4に示す。
<使用材料>
セメント混和用ポリマーA: SBR系エマルジョン、固形分濃度20%
セメント混和用ポリマーB:EVA系エマルジョン、固形分濃度20%
<測定方法>
乾燥収縮量(長さ変化率):供試体は、各防草材の合計100質量部に対して水を17質量部散水し、JIS A 1129−3のモルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法、ダイヤルゲージ法に準拠し、温度20℃、湿度60%の環境下で、材齢2日を基点として材齢28日の長さ変化率を測定した。
防草試験・ひび割れ試験:田畑に生い茂った雑草を予め長さ0.5cm以下に草刈機で草刈し、耕運機で田畑を耕し、その上に、芝生の種であるトールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの混合品を40g/m撒き、足で踏みならして転圧した。その上に、各防草材を基礎面上に均一に厚み3cmで5m敷設した後、各防草材の合計100質量部に対して水を17質量部散水し、180日後のひび割れの本数、防草材表面からの生えた芝の本数を測定した。
Figure 0006914071
表4から、本発明の防草材はひび割れが少なく、かつ芝が少なく防草効果に優れることが分かる。また、本発明の防草材は、セメント混和用ポリマーを併用すると、収縮量が少なくなり、ひび割れが抑えられ、芝が抑制できることが分かる。一方、モルタルやマグネシア系固化材は、収縮量が大きく、ひび割れも多く、芝が多く生えることが分かる。
本発明の防草材及びその使用方法により、草刈の労力を軽減でき、防草の持続性が確保できるなどの効果を奏する。河川の土手、田畑の畦畔、あるいは、鉄道、道路等の盛土ののり面などの雑草の生育を抑制することができるので、土木分野などで広範に使用される。

Claims (7)

  1. カルシウムアルミネート、ゴムチップ及び土壌を含有してなり、前記ゴムチップの粒度が0.1〜3mmである防草材。
  2. カルシウムアルミネート、ゴムチップ、石膏及び土壌を含有してなり、前記カルシウムアルミネートと前記石膏と前記土壌の合計100質量部に対して、前記ゴムチップを5〜15質量部含有する防草材。
  3. さらに、石膏を含有してなる請求項に記載の防草材。
  4. さらに、カルシウムシリケートを含有してなる請求項1〜3のうちいずれか1項記載の防草材。
  5. カルシウムアルミネートが、CaO/Alモル比1〜3、不純物15質量%以下である請求項1〜4のうちいずれか1項記載の防草材。
  6. さらに、セメント混和用ポリマーを含有してなる請求項1〜5のうちいずれか1項記載の防草材。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項記載の防草材を、地面に敷き詰めてその上に散水して被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
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