JP7014511B2 - 防草材及びそれの使用方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、除草剤の散布は、草を枯らすだけで、頻繁に散布する必要があり、抜本的な対策とはならない。また、セメントを含有する防草材を振り撒いて散水して地面を被覆する方法も提案されているが、硬化までに時間を要し、雨など降ると施工ができず、硬化前に流れてしまうという課題や、凍結融解によりスケーリングやひび割れが生じるという課題があった。
特許文献1は、酸化マグネシウムと高炉スラグを主成分する雑草繁殖防止材を地表面の土と混合して転圧して押し固めて、その上に散水するため、施工に労力を必要とし、初期強度発現性が低いため、施工後の降雨で流失し易く、さらに凍結融解を受けるため寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献2と3も特許文献1と同様の酸化マグネシウム系固化材であるため、初期強度発現性が低く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。さらに、これら酸化マグネシウム系抑草材全般に関する課題は、硬化時間が長いため傾斜の強い法面では、施工時の散水や降雨時に流されたりして一定の厚さにできない場合があり、水溜りがある場所では硬化しない場合があった。また、凍結融解を受ける寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献4は、焼却灰、スラグ、及び石炭灰の骨材を敷き詰め、その上にクロロプレン系ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、及びアクリル系エマルジョン固化材を散布して固着することを特徴とする防草工法であり、セメントや塩基性物質を使わないため環境にやさしい防草材である。しかしながら、人力や重機で3~20cmの厚さに敷き詰め、その上に均一にラテックスやエマルジョンを散布する必要があるため、多大な労力がかかるのに加え、防草効果が低いという課題があった。
これらのセメントは、単独あるいは2種以上併用して使用することも可能である。中でも高炉セメントは六価クロム含有量が低く、環境面で好ましい。
セメントの使用量は、特に限定されるものではないが、アルカリ刺激材100質量部に対して、500~2,000質量部が好ましい。500質量部未満では、強度発現性が低下する場合がある。一方、2,000質量部を超えると凍結融解抵抗性が劣る場合がある。
骨材を粉砕機で粉砕あるいは造粒・篩分けして、所定のサイズに粒度調製した。比較として、市販の石灰砂と珪砂を用いた。
これら骨材を細骨材としてモルタルを調製した。配合は、表1に示すアルカリ刺激材100質量部に対して、骨材2,000質量部加えて防草材を調製した。この防草材を5×5×20cmの型枠に敷設後、防草材100質量部に対して、水を15質量部散水して試験体を作製し、凍結融解抵抗性を測定した。
比較として、普通セメントを用いたモルタルとマグネシア系固化材を調製した。モルタルの配合は、(一社)セメント協会製標準砂と普通ポルトランドセメントの質量比を3/1としたドライモルタルを型枠に敷設し、水セメント比が50%となるように水を散水して試験体を調製した。マグネシア系固化材は、中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム100質量部に対して、土壌を600質量部混合したものを型枠に敷設し、水を20質量部散水して試験体を調製した。
結果を表1に示す。
アルカリ刺激材A:水酸化ナトリウム
アルカリ刺激材B:水酸化カリウム
アルカリ刺激材C:炭酸リチウム
アルカリ刺激材D:塩化カルシウム
アルカリ刺激材E:水酸化マグネシウム
アルカリ刺激材F:酸化マグネシウム
アルカリ刺激材G:アルカリ刺激材Aとアルカリ刺激材Eを等量混合したもの
骨材A1:ゴミ焼却灰を原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材A2:ゴミ焼却灰を原料とした骨材、粒径0.001~0.1mm
骨材B:下水汚泥焼却灰を原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材C:石炭スラグを原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材D1:高炉スラグを原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材D2:高炉スラグを原料とした骨材、粒径0.001~0.1mm
骨材E1:石炭灰を原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材E2:石炭灰を原料とした骨材、粒径0.001~0.1mm
骨材F:火山灰を原料とした骨材、粒径0.1~5mm
骨材G:骨材A1と骨材C1の等量混合物
骨材H1:珪砂、粒径0.1~5mm
骨材H2:珪砂、粒径0.001~0.1mm
骨材I:石灰砂、粒径0.1~5mm
水:水道水
普通セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
砂:(社)セメント協会製標準砂
マグネシア系固化材:中国産マグネシウムを焼成した酸化マグネシウム(市販品)
凍結融解試験:凍結融解抵抗性は、20℃・相対湿度60%の環境でJIS R 5201に準じて5×5×20cm供試体を作製し、材齢1日後、脱型し、JIS A1148「コンクリ-トの凍結融解試験方法」A法により凍結融解試験を実施し、所定のサイクル毎に試験体を取り出して重量減少率を測定した。
実験例1の実験No.1-5の骨材D1、アルカリ刺激材Aを使用し、表2のように、アルカリ刺激材100質量部に対して骨材、セメント及び土壌の添加割合を変え、硬化時間、凍結融解後の防草・ひび割れ試験を実施したこと以外は実験例1と同様に行った。
また、比較として、実験例1で使用した普通セメントを用いたモルタル(実験No.1-20)、マグネシア系固化材(実験No.1-21)についても同様の試験を行った。
結果を表2に示す。
硬化時間:練混ぜた防草材を指で押してもへこまない時間を測定した。
防草試験・ひび割れ試験:30cm×40cmのトレーに田畑の土を15cm敷きならし、芝生の種であるトールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの混合品を40g/m2撒き、その上に防草材を基礎面上に均一に厚み3cm敷設した後、防草材の合計100質量部に対して水を15質量部散水した。材齢1日後、1日間-10℃の恒温室に入れた後、1日間20℃の恒温室に入れ、これを10サイクル実施した後、屋外に置き、100日後のひび割れの本数、防草材表面からの生えた芝の本数を測定した。
実験例2の実験No.2-5、1-20、1-21の各防草材について、防草材の合計100質量部に対して水15質量部を、散水ではなくオムニミキサに加え、練り混ぜたものを型枠または基礎面上に敷設したこと以外は実験例2と同様に実施した(実験No.3-1、3-2、3-3)。
結果を表3に示す。
Claims (3)
- アルカリ刺激材、並びに、焼却灰、スラグ及び火山灰から選ばれた一種又は二種以上の粒子径0.1~50mmの骨材を含有し、さらに土壌を含有してなる防草材(但し、石炭灰を含有するものを除く)を地面に敷き詰め、その上に散水して被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
- アルカリ刺激材、並びに、焼却灰、スラグ及び火山灰から選ばれた一種又は二種以上の粒子径0.1~50mmの骨材を含有し、さらに土壌を含有してなる防草材(但し、石炭灰を含有するものを除く)を水と練り混ぜ、地面に敷き詰めて被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
- 上記アルカリ刺激材がアルカリ金属類である請求項1又は2記載の防草材の使用方法。
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