以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「導電体付きシート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「導電体付きシート」は、「導電体付板(基板)」や「導電体付きフィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図24は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、発熱板を備えた自動車を概略的に示す図であり、図2は、発熱板をその板面の法線方向から見た図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った発熱板の断面図である。
図1に示されているように、乗り物の一例としての自動車1は、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等の窓ガラスを有している。ここでは、フロントウィンドウ5が発熱板10で構成されているものを例示する。また、自動車1はバッテリー等の電源7を有している。
この発熱板10をその板面の法線方向から見たものを図2に示す。また、図2の発熱板10のIII−III線に対応する断面図を図3に示す。図3に示された例では、発熱板10は、一対の基板11,12と、一対の基板11,12の間に配置された導電体付きシート20と、基板11,12と導電体付きシート20とを接合する接合層13,14と、を有している。なお、図1および図2に示した例では、発熱板10は湾曲しているが、その他の図では、図示の簡略化および理解の容易化のために、発熱板10および基板11,12を平板状に図示している。
導電体付きシート20は、基材フィルム21と、基材フィルム21の一方の基板11に対面する面上に設けられた発熱用導電体30と、を有する。発熱用導電体30は、導電性細線41を有するパターン導電体40と、パターン導電体40に通電するための一対のバスバー35と、を有する。
また、図1及び図2によく示されているように、発熱板10は、発熱用導電体30に通電するための配線部15を有している。図示された例では、バッテリー等の電源7によって、配線部15から導電体付きシート20の発熱用導電体30に通電し、発熱用導電体30を抵抗加熱により発熱させる。発熱用導電体30で発生した熱は基板11,12に伝わり、基板11,12が温められる。これにより、基板11,12に付着した結露による曇りを取り除くことができる。また、基板11,12に雪や氷が付着している場合には、この雪や氷を溶かすことができる。したがって、乗員の視界が良好に確保される。尚、図示は省略するが、通常は、配線部15は電源7と発熱用導電体30のバスバー35との間に開閉器が挿入(直列に接続)される。そして、発熱板10の加熱が必要な時のみ開閉器を閉じて発熱用導電体30に通電する。
以下、発熱板10の各構成要素について説明する。
まず、基板11,12について説明する。基板11,12は、図1で示された例のように自動車のフロントウィンドウに用いる場合、乗員の視界を妨げないよう可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。このような基板11,12の材質としては、ソーダライムガラスや青板ガラスが例示できる。基板11,12の可視光透過率は90%以上であることが好ましい。ここで、基板11,12の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。なお、基板11,12の一部または全体に着色するなどして、この一部分の可視光透過率を低くしてもよい。この場合、太陽光の直射を遮ったり、車外から車内を視認しにくくしたりすることができる。
また、基板11,12は、1mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。このような厚みであると、強度及び光学特性に優れた基板11,12を得ることができる。一対の基板11,12は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。
次に、接合層13,14について説明する。一方の接合層13が、一方の基板11と導電体付きシート20との間に配置され、一方の基板11と導電体付きシート20とを互いに接合する。他方の接合層14が、他方の基板12と導電体付きシート20との間に配置され、他方の基板12と導電体付きシート20とを互いに接合する。
このような接合層13,14としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。また、接合層13,14は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。典型的な接合層としては、ポリビニルブチラール(PVB)からなる層を例示することができる。接合層13,14の厚みは、それぞれ0.15mm以上1mm以下であることが好ましい。一対の接合層13,14は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、或いは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるように
してもよい。
なお、発熱板10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、発熱板10の基板11,12、接合層13,14、後述する導電体付きシート20の基材フィルム21の、少なくとも一つに何らかの機能を付与するようにしてもよい。発熱板10に付与され得る機能としては、一例として、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、赤外線遮蔽(反射)機能、紫外線遮蔽(反射)機能、防汚機能等を例示することができる。
次に、導電体付きシート20について説明する。導電体付きシート20は、基材フィルム21と、基材フィルム21の一方の基板11に対面する面上に設けられた発熱用導電体30と、を有する。導電体付きシート20は、基板11,12と略同一の平面寸法を有して、発熱板10の全体にわたって配置されている。以下、導電体付きシート20の各構成要素について説明する。
基材フィルム21は、発熱用導電体30を支持する基材として機能する。基材フィルム21は、可視光線波長帯域の波長(380nm〜780nm)を透過する一般に言うところの透明である電気絶縁性のフィルムである。基材フィルム21としては、可視光を透過し、発熱用導電体30を適切に支持し得るものであればいかなる材料でもよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン等を挙げることができる。また、基材フィルム21は、光透過性や、発熱用導電体30の適切な支持性等を考慮すると、0.03mm以上0.20mm以下の厚みを有していることが好ましい。
なお、「透明」とは、当該基材フィルムを介して当該基材フィルムの一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
次に、図4、図6、図8、図10、図12、図14、図17、図19、図21および図23を参照しながら、発熱用導電体30について説明する。図4、図6、図8、図10、図12、図14、図17、図19、図21および図23は、いずれも導電体付きシート20をそのシート面の法線方向から見た平面図であるが、発熱用導電体30のパターン導電体40が互いに異なるパターン構造50を有している。
発熱用導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35に間に配置されたパターン導電体40と、を有している。バスバー35は、対応する配線部15と電気的に接続されている。一対のバスバー35間には、配線部15と接続された電源7の電圧が印加されるようになる。パターン導電体40は、所定のパターン構造50で配置された導電性細線41によって形成されている。言い換えると、パターン導電体40は、導電性細線41を用いて形成されたパターン構造50を有する。パターン導電体40は、一対のバスバー35間を連結するようにそれぞれ電気的に接続されている。パターン導電体40は、配線部15及びバスバー35を介して電圧を印加されると、抵抗加熱によって発熱する。そして、この熱が接合層13,14を介して基板11,12に伝わることで、基板11,12が温められる。
パターン導電体40のパターン構造50は、第1パターン構造51と、第2パターン構造52と、を少なくとも含む。第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、同一の形状を有する少なくとも1種類の単位パターン構造60により形成される。単位パターン構造60は、2以上の区域からなる。ここで、区域とは、例えば図5に符号A1で示すように、単位パターン構造60を構成する線のことをいい、1つの区域は、単位パターン構造60の2つの頂点、分岐点または端点を結ぶ。
パターン導電体40の一例が、図4、図6、図8、図10、図12、図17、図19、図21および図23に示されている。図4、図6、図8、図10、図12、図17、図19、図21および図23では、パターン導電体40のパターン構造50は、一対のバスバー35間を連結する複数の第1パターン構造51と第2パターン構造52とを有する。複数の第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、一方のバスバー35から他方のバスバー35へ延在しており、第1パターン構造51及び第2パターン構造52の延在方向(第1方向D1)と非平行な方向に、互いから離間して配列されている。とりわけ、図示された例では、第2パターン構造52は、隣り合う2つの第1パターン構造51の間に位置している。
また、他の例として、図14に示された例のように、パターン導電体40のパターン構造50は、一対のバスバー35間に、それぞれがメッシュパターンをなす第1パターン構造51及び第2パターン構造52とを有する。この場合において、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能な単位パターン構造60で形成されている。ここで、平面充填可能なパターンとは、任意の大きさの平面を当該パターンのみで隙間なく敷き詰めることができるパターンをいう。第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ一対のバスバー35間の少なくとも一部の面を充填するよう形成され、一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とは、少なくとも部分的に重なるように形成されている。ここで、第1パターン構造51及び第2パターン構造52が形成される面は、平面に限られず、曲面であってもよい。本実施の形態においては、発熱板10は湾曲しているため、第1パターン構造51及び第2パターン構造52が形成される面は、基板11,12間に組み込まれた際、実際には発熱板10の湾曲に沿った曲面となっている。すなわち、発熱板10内でのパターン導電体40における平面充填可能なパターンは、曲面に沿って形成されている。図14に示す例では、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ一対のバスバー35間の面全体に形成されている。したがって、第1パターン構造51と第2パターン構造52とは、それらの全域が一対のバスバー35間の面に重なって、言い換えると一対のバスバー35間の同一の範囲に形成されている。
なお、図示の例では、一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とが、同一面上に形成され、且つ互いに一部を共有することによって重なっている。しかしながら、この態様に代えて、一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とが、異なる面上に形成され、且つ少なくとも部分的に重なるように形成されていてもよい。具体的には、例えば、基材フィルム21の一方の主面に第1パターン構造51が形成され、他方の主面に第2パターン構造52が形成され、且つシート状のパターン導電体40の法線(曲面状である場合には、いずれかの法線)に沿って見た場合に、第1パターン構造51と第2パターン構造52とが互いに重なるように位置している態様が採用されてもよい。つまり、上述の「一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とが、少なくとも部分的に重なるように形成されている」という記載は、一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とが、同一面上に形成され、且つ互いに一部を共有することによって重なっていること、および、一対のバスバー35間の面に形成された第1パターン構造51と第2パターン構造52とが、異なる面上に形成され、且つシート状のパターン導電体40の法線(曲面状である場合には、いずれかの法線)に沿って見た場合に、互いに重なるように位置していること、のいずれかの態様であることを意味している。
これらのパターン構造50の具体的な例については、図を用いて後に説明する。
このようなパターン導電体40及びバスバー35を構成するための材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン、及び、これらの合金の一以上を例示することができる。パターン導電体40及びバスバー35は、同一の材料を用いて形成されていてもよいし、或いは、互いに異なる材料を用いて形成されていてもよい。
パターン導電体40は、上述したように不透明な金属材料を用いて形成され得る。その一方で、パターン導電体40によって覆われていない基材フィルム21上の領域の割合、すなわち非被覆率(図14に示されたパターンでは、「開口率」とも呼ぶ)は、70%以上99%以下程度と高くなっている。また、導電性細線41の線幅は、2μm以上20μm以下程度となっている。このため、パターン導電体40が設けられている領域は、全体として透明に把握され、パターン導電体40の存在が発熱板10の透視性を害さないようになっている。
図3に示された例では、導電性細線41は、全体として矩形状の断面を有している。上述したように、導電性細線41の幅W、すなわち、発熱板10の板面に沿った幅Wは2μm以上20μm以下とし、高さ(厚さ)H、すなわち、発熱板10の板面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hは1μm以上30μm以下とすることが好ましい。このような寸法の導電性細線41によれば、その導電性細線41が十分に細線化されているので、パターン導電体40を効果的に不可視化することができる。
また、図3に示されたように、導電性細線41は、導電性金属層46、導電性金属層46の表面のうち、基材フィルム21に対向する側の面を覆う第1の暗色層47、導電性金属層46の表面のうち、基板11に対向する側の面及び両側面を覆う第2の暗色層48を含むようにしてもよい。優れた導電性を有する金属材料からなる導電性金属層46は、比較的高い反射率を呈する。そして、パターン導電体40の導電性細線41をなす導電性金属層46によって光が反射されると、その反射した光が視認されるようになり、乗員の視界を妨げる場合がある。また、外部から導電性金属層46が視認されると、意匠性が低下する場合がある。そこで、第1及び第2の暗色層47,48が、導電性金属層46の表面の少なくとも一部分を覆っている。第1及び第2の暗色層47,48は、導電性金属層46よりも可視光の反射率が低い層であればよく、例えば黒色等の暗色の層である。この暗色層47,48によって、導電性金属層46が視認されづらくなり、乗員の視界を良好に確保することができる。また、外部から見たときの意匠性の低下を防ぐことができる。
なお、前述したように、発熱板10の透視性または発熱板10を介した視認性を確保する観点から、非被覆率(開口率)が高くなるように、発熱用導電体30の導電性細線41は基材フィルム21上に形成されている。このため、図3に示すように、接合層13と導電体付きシート20の基材フィルム21とは、導電性細線41の非被覆部、すなわち隣り合う導電性細線41の間となる領域を介して接触している。すなわち、発熱用導電体30は、接合層13内に埋め込まれた状態となっている。
ところで、上述したように、導電性細線を含んだ発熱板を介して光、例えば対向車の照明を観察した場合、尾を引くように観察される光の筋、すなわち光芒が当該照明の周囲に観察される。このような光芒の発生は、発熱板を介した視認性を悪化させることになる。そして、本件発明者らは、鋭意検討を重ねた結果として、光芒の発生する方向が、発熱板への入射光が導電性細線で回折される方向と一致することを知見した。本件発明者らの知見に基づけば、パターン導電体40をなす導電性細線41の長手方向を不規則化することにより、特定の方向へ光芒が延びることを防止し、光芒を目立たなくさせることができる。しかしながら、導電性細線41の配列を完全に不規則化することは、設計負荷を増加させ好ましくない。また、導電性細線41の配列を不規則化すると、導電性細線での光の反射方向が不規則になり、導電性細線41での反射光が明るく輝く不規則な模様となって目立ってしまう。そこで本件発明者らは、さらに鋭意検討を重ね、導電性細線41の配列の規則性を大きく崩すことなく、極めて効果的に光芒を目立たなくさせることを可能にした。以下、光芒の発生原因と、光芒を目立たなくさせる方法について説明する。
光芒は、発熱板10を透過する光が導電性細線41によって回折することで発生する。すなわち、観察される光芒は、導電性細線41によって起こる回折の回折像が筋状に延びることで発生する。発熱板10に導電性細線41を配置する以上、回折像を発生させないことはできない。したがって、発生する回折像について、視認性に対して影響が小さくすることを考える。
発熱板10を介した視認性に対して影響が小さい回折像とは、光芒として認識される筋状の光を含まない像である。このような回折像の一例として、回折像が多方向、好ましくは全方向に延び出して個々の回折像が識別できなくなっているものが考えられる。
ある構造を透過する光の回折像の形状は、その構造について光が透過する部分と遮蔽される部分との境界の形状によって決定される。例えば、長手方向を有する構造、例えば長手方向を有した矩形形状の構造に起因して生じる回折像は、当該構造の長手方向に直交する方向に延びて光芒となる。したがって、一つの構造をなす境界の形状に直交する方向、すなわち1つの構造をなす区域の法線方向が、少なくともその一部において異なっていれば、当該部分によって異なる方向に筋状の光が発生することになり、他の部分によって発生する筋状の光がぼやけることになる。
そのような構造として、本発明では、パターン構造50が有する第1パターン構造51及び第2パターン構造52について、第1パターン構造51は単位パターン構造60が第1方向D1に連なって形成されるか、又は、単位パターン構造60が第2方向D2に連なる連接パターンを第1方向D1に複数並べて形成されるように、第2パターン構造52は単位パターン構造60を第3方向D3に連なる連接パターンを第1方向D1に複数並べて形成されるようにすることを提案する。このようなパターン構造50によれば、単位パターン構造60が第1パターン構造51及び第2パターン構造52によってそれぞれ別の方向に連なるため、2つのパターン構造51,52によって異なる方向に筋状の光が発生することになり、パターン構造50全体によって発生する筋状の光をぼやけさせることができる。
さらに、パターン構造50において、単位パターン構造60をなす区域を曲線、特には円弧とすることで、単位パターン構造60の各位置での法線方向を多方向とすることができる。とりわけ、単位パターン構造60をなす各区域を平行移動すること、及び/または各区域を180°回転させた後に平行移動することにより、一つの単位パターン構造を形成する全ての区域を用いて、1以上の自然数個の半円が形成されることが好ましい。区域の法線方向は互いに反対の2方向あるため、区域の集合が半円をなせば、区域の法線方向は全方向に等しく亘り、全方向に等しく筋状の光が発生するからである。
このようなパターン構造50の具体的な例について、図4乃至図24を参照しながら以下で説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されない。
(パターン構造の第1の例)
まず、パターン構造の第1の例として、図4に示されるパターン構造50について説明する。図4に示すパターン構造50は、図5に示す単位パターン構造60aで形成されている。
図5の単位パターン構造60aは、正六角形の外接円を正六角形の各頂点で分割して6つの円弧とし、1つおきに位置する円弧を180°回転させて形成されている。この6つの円弧が、第1の例における単位パターン構造60aをなす区域である。すなわち、第1の例における単位パターン構造60aは、6つの区域A1〜A6からなる。図5に示すように、区域A1〜A6は、この順で接続されている。この例における単位パターン構造60aと他の単位パターン構造60aとは、区域A1と区域A4、区域A2と区域A5、区域A3と区域A6を、それぞれ共有可能である。また、このように形成された単位パターン構造60aでは、当然に、単位パターン構造60aをなす区域A1〜A6を平行移動すること、及び/または各区域を180°回転させた後に平行移動することにより、一つの単位パターン構造を形成する全ての区域を用いて、1以上の自然数個の半円、具体的には2つの半円が形成される。
図4に示すパターン構造50は、第1パターン構造51、第2パターン構造52、及び第3パターン構造53を有する。第1パターン構造51は、図5に示す単位パターン構造60aが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60aは区域A2と区域A5を共有している。第2パターン構造52は、図5に示す単位パターン構造60aが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60aが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連接パターン52aを第1方向に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60aの区域A1と区域A4を共有する。図4の例において、連接パターン52aは、2つの単位パターン構造60aを有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し30°傾いている。第3パターン構造53は、図5に示す単位パターン構造60aが第1方向D1及び第3方向D3とは異なる第2方向D2に連なる連接パターン53aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン53aの形成及び連接パターン53aを第1方向D1に並べるに際しては、単位パターン構造60aが第2パターン構造52と同様に区域を共有する。図4の例において、連接パターン53aは、4つの単位パターン構造60を有する。また、第2方向D2は、第1方向D1に対し15°傾いている。この場合において、第1パターン構造51、第2パターン構造52及び第3パターン構造53は、それぞれ平面充填可能なパターンとなっている。
(パターン構造の第2の例)
次に、パターン構造の第2の例として、図6に示されるパターン構造50について説明する。図6に示すパターン構造50は、図7に示す単位パターン構造60a、60bで形成されている。
図7の単位パターン構造60a、60bは、それぞれ正方形の外接円を正方形の各頂点で分割して4つの円弧とし、1つおきに位置する円弧を180°回転させて形成されている。単位パターン構造60aと単位パターン構造60bとでは、180°回転させる円弧の位置が異なる。この8つの円弧が、第2の例における単位パターン構造60aの区域A1〜A4及び単位パターン構造60bの区域B1〜B4である。図7に示すように、区域A1〜A4及び区域B1〜B4は、この順で接続されている。また、単位パターン構造60aにおいて180°回転させた円弧は、区域A2、A4であり、単位パターン構造60bにおいて180°回転させた円弧は、区域B1、B3である。この例における単位パターン構造60aと単位パターン構造60bとは、区域A1と区域B3、区域A2と区域B4、区域A3と区域B1、区域A4と区域B2を、それぞれ共有可能である。また、このように形成された各単位パターン構造60a,60bでは、当然に、単位パターン構造60a,60bをなす区域A1〜A4又は区域B1〜B4を平行移動すること、及び/または各区域を180°回転させた後に平行移動することにより、一つの単位パターン構造を形成する全ての区域を用いて、1以上の自然数個の半円、具体的には4つの半円が形成される。
図6に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図7に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60a、60bは、区域A2と区域B4、及び区域A4と区域B2をそれぞれ共有している。第2パターン構造52は、図7に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a、60bが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60a、60bの区域A1と区域B3を共有する。図6の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a、60bを2つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し20°傾いている。この場合において、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能なパターンとなっている。
(パターン構造の第3の例)
次に、パターン構造の第3の例として、図8に示されるパターン構造50について説明する。図8に示すパターン構造50は、図9に示す単位パターン構造60a、60b、60cで形成されている。
図9の単位パターン構造60aは、正方形の外接円を正方形の各頂点で分割して4つの円弧とし、1つおきに位置する円弧を180°回転させて形成されている。単位パターン構造60bは、単位パターン構造60aの180°回転させた2つの円弧と同一の円弧で形成されている。単位パターン構造60cは、正方形の外接円を正方形の各頂点で分割して4つの円弧とし、3つの円弧を180°回転させて形成されている。この10個の円弧が、第3の例における単位パターン構造60aの区域A1〜A4、単位パターン構造60bの区域B1,B2、及び単位パターン構造60cの区域C1〜C4である。図9に示すように、区域A1〜A4及び区域C1〜C4は、この順で接続されている。また、単位パターン構造60aにおいて180°回転させた円弧は、区域A2、A4であり、単位パターン構造60cにおいて180°回転させた円弧は、区域C1,C2,C3である。この例における単位パターン構造60a、60b、60cは、区域A1と区域C3、区域A2と区域C4、区域A3と区域C1、区域A4と区域B1、区域B1と区域C2を、それぞれ共有可能である。
図8に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図9に示す単位パターン構造60a、単位パターン構造60b及び単位パターン構造60cが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60a、60b、60cは、区域A4と区域B1、区域B2と区域C2、及び区域C4と区域A2をそれぞれ共有している。第2パターン構造52は、図9に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a、60b、60cが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60a、60cの区域A1と区域C3を共有する。図8の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a、60b、60cをそれぞれ2つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向に対し20°傾いている。この場合において、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能なパターンとなっている。
(パターン構造の第4の例)
次に、パターン構造の第4の例として、図10に示されるパターン構造50について説明する。図10に示すパターン構造50は、図11に示す単位パターン構造60a、60bで形成されている。
図11の単位パターン構造60a、60bは、それぞれ正八角形の外接円を正八角形の各頂点で分割して8つの円弧とし、1つおきに位置する円弧を180°回転させて形成されている。単位パターン構造60aと単位パターン構造60bとでは、180°回転させる円弧の位置が異なる。この8つの円弧が、第2の例における単位パターン構造60aをなす区域A1〜A8及び単位パターン構造60bをなす区域B1〜B8である。図11に示すように、区域A1〜A8及び区域B1〜B8は、この順で接続されている。また、単位パターン構造60aにおいて180°回転させた円弧は、区域A1、A3、A5、A7であり、単位パターン構造60bにおいて180°回転させた円弧は、区域B2、B4、B6、B8である。この例における単位パターン構造60a、60bは、区域A1と区域B5、区域A2と区域B6、区域A3と区域B7、区域A4と区域B8、区域A5と区域B1、区域A6と区域B2、区域A7と区域B3、区域A8と区域B4を、それぞれ共有可能である。また、このように形成された各単位パターン構造60a,60bでは、当然に、単位パターン構造60a,60bをなす区域A1〜A8又は区域B1〜B8を平行移動すること、及び/または各区域を180°回転させた後に平行移動することにより、一つの単位パターン構造を形成する全ての区域を用いて、1以上の自然数個の半円、具体的には4つの半円が形成される。
図10に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図11に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60a、60bは、区域A3と区域B7、及び区域A7と区域B3をそれぞれ共有している。第2パターン構造52は、図11に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a、60bが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60a、60bの区域A1と区域B5を共有する。図10の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a、60bを3つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し12.5°傾いている。
(パターン構造の第5の例)
次に、パターン構造の第5の例として、図12に示されるパターン構造50について説明する。図12に示すパターン構造50は、図13に示す単位パターン構造60a、60b、60c、60eで形成されている。なお、単位パターン構造60a、60bは、パターン構造の第4の例と同じであるため、説明を省略する。
図13の単位パターン構造60c、60eは、それぞれ単位パターン構造60bをなす円弧のうち180°回転させた円弧と同一の円弧からなる。この8つの円弧が、第5の例における単位パターン構造60cをなす区域C1〜C4及び単位パターン構造60eをなす区域E1〜E4である。図13に示すように、区域C1〜C4及び区域E1〜E4が、この順で接続されている。この例における単位パターン構造60a、60b、60c、60eは、区域A1と区域B5、区域A2と区域E3、区域A3と区域B7、区域A4と区域C4、区域A5と区域B1、区域A6と区域E1、区域A7と区域B3、区域A8と区域C2、区域B2と区域C3、区域B4と区域E4、区域B6と区域C1、区域B8と区域E2を、それぞれ共有可能である。
図12に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図13に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60a、60b、60c、60eは、区域A3と区域B7、区域A7と区域B3、区域A8と区域C2、区域A6と区域E1、区域B1との区域C3、及び区域B4と区域E4を、それぞれ共有している。第2パターン構造52は、図11に示す単位パターン構造60a、60b、60c、60eが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a、60b、60c、60eが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60a、60b、60c、60eの区域A1と区域B5、区域A2と区域E3、及び区域B6と区域C1をそれぞれ共有する。図12の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a、60b、60c、60eを3つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し12.5°傾いている。この場合において、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能なパターンとなっている。
(パターン構造の第6の例)
次に、パターン構造の第6の例として、図14に示されるパターン構造50について説明する。図14に示すパターン構造50は、第1の例と同じ図5に示す単位パターン構造60aで形成されている。
図14に示すパターン構造50は、図15に示す第1パターン構造51及び図16に示す第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図5に示す単位パターン構造60aが第1方向D1に連なって形成されている。さらに、第1パターン構造51は、第1方向D1に非平行な方向にも連なって形成されている。すなわち、第1パターン構造51は、単位パターン構造60aを2次元配列して形成される。この場合において、互いに隣接する単位パターン構造60aは、区域A1と区域A4、区域A2と区域A5及び区域A3と区域A6を、それぞれ共有している。第2パターン構造52は、図5に示す単位パターン構造60aが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。さらに、第2パターン構造52は、第1パターン構造51と同様に、第1方向D1とは非平行な方向にも連なって形成されている。この場合においても、互いに隣接する単位パターン構造60aは、区域A1と区域A4、区域A2と区域A5及び区域A3と区域A6を、それぞれ共有している。また、第3方向D3は、第1方向に対し30°傾いている。
上述したように、図14に示すパターン構造50の第6の例では、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能なパターンであり、それぞれ一対のバスバー35間の面全体を充填するよう形成されている。したがって、第1パターン構造51と第2パターン構造52とは、それらの全域が一対のバスバー35間の面に重なって形成されている。
(パターン構造の第7の例)
次に、パターン構造の第7の例として、図17に示されるパターン構造50について説明する。図17に示すパターン構造50は、図18に示す単位パターン構造60aで形成されている。
図18の単位パターン構造60aは、中心角45°の基準の円弧(A1)と、基準の円弧(A1)の一方の端部の接線方向に関して当該基準の円弧(A1)と線対称となる円弧(A2)と、基準の円弧(A1)の一方の端部に関して当該基準の円弧(A1)と点対称となる円弧(A3)と、基準の円弧(A1)の一方の端部の接線方向に直交する方向に関して当該基準の円弧(A1)と線対称となる円弧(A4)と、をこの順で接続することによって形成されている。この4つの円弧が、第7の例における単位パターン構造60aの区域A1〜A4である。図18に示すように、区域A1〜A4は、この順で接続されている。
図17に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図18に示す単位パターン構造60aが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60aは、区域A1と区域A2の間の頂点と区域A3と区域A4の間の頂点とを共有している。第2パターン構造52は、図18に示す単位パターン構造60aが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60aが第1パターン構造51と同様に区域の間の頂点を共有し、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60aの区域A1と区域A4の間の頂点と区域A2と区域A3との間の頂点とを共有する。図17の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60aを3つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し12.5°傾いている。
(パターン構造の第8の例)
次に、パターン構造の第8の例として、図19に示されるパターン構造50について説明する。図19に示すパターン構造50は、図20に示す単位パターン構造60a1〜60a6、及び区域B1〜B6で形成されている。なお、単位パターン構造60a1〜60a6は、それぞれパターン構造の第4の例の単位パターン構造60a(図11参照)と同じであるため、説明を省略する。
図20の区域B1〜B6は、中心角90°で切り取られた同一の半径を有する円弧である。図示された例においては、区域B1〜B6の円弧の弦の長さは、単位パターン構造60a1〜60a6の区域A1〜A8の円弧の弦の長さと同一である。区域B1と区域B6、区域B2と区域B3、区域B4と区域B5は、それぞれ平行移動によって互いに重なり合う。図20に示すように、単位パターン構造60a1と単位パターン構造60a2、単位パターン構造60a3と単位パターン構造60a4、単位パターン構造60a5と単位パターン構造60a6が、それぞれ隣り合っている。これらの各対が隣り合う方向と交差する方向で、単位パターン構造60a1、60a3、60a5及び単位パターン構造60a2、60a4、60a6が、それぞれこの順で並んでいる。単位パターン構造60a1の区域A5とA6との間の頂点と単位パターン構造60a2の区域A8とA1との間の頂点を、区域B1が接続している。単位パターン構造60a1の区域A6とA7との間の頂点と単位パターン構造60a3の区域A3とA4との間の頂点を、区域B2が接続している。単位パターン構造60a2の区域A6とA7との間の頂点と単位パターン構造60a4の区域A3とA4との間の頂点を、区域B3が接続している。単位パターン構造60a3の区域A7とA8との間の頂点と単位パターン構造60a5の区域A2とA3との間の頂点を、区域B4が接続している。単位パターン構造60a4の区域A7とA8との間の頂点と単位パターン構造60a6の区域A2とA3との間の頂点を、区域B5が接続している。単位パターン構造60a5の区域A5とA6との間の頂点と単位パターン構造60a6の区域A8とA1との間の頂点を、区域B6が接続している。
図19に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図20に示す単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造が第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造は、単位パターン構造60a1の全ての区域と単位パターン構造60a5の全ての区域、単位パターン構造60a2の全ての区域と単位パターン構造60a6の全ての区域、区域B1と区域B6を、それぞれ共有して連なっている。言い換えると、第1パターン構造51では、単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造が、その一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a1の全ての区域、単位パターン構造60a2の全ての区域、及び区域B1でなる部分)を、他の単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造の一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a5の全ての区域、単位パターン構造60a6の全ての区域、及び区域B6でなる部分)に重ねることで、単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった複数の構造が連なって第1パターン構造51が形成されている。すなわち、本例では、パターン部分を互いに重ねることが、結果的に、区域の共有状態を形成している。第2パターン構造52は、図20に示す単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造が第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造が第1パターン構造51と同様に区域を共有している。また、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、単位パターン構造60a2の全ての区域と単位パターン構造60a5の全ての区域を共有する。言い換えると、第2パターン構造52では、連接パターン52aが、その一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a2でなる部分)を、他の連接パターン52aの一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a5でなる部分)に重ねることで、複数の連接パターン52aが連なって第2パターン構造52が形成されている。すなわち、パターン部分を互いに重ねることが、結果的に、区域の共有状態を形成している。図19の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a1〜60a6及び区域B1〜B6が組み合わさった構造を2つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し12.5°傾いている。
(パターン構造の第9の例)
次に、パターン構造の第9の例として、図21に示されるパターン構造50について説明する。図21に示すパターン構造50は、図22に示す単位パターン構造60a1〜60a15、及び区域B1〜B18で形成されている。なお、単位パターン構造60a1〜60a15は、それぞれパターン構造の第4の例の単位パターン構造60a(図11参照)と同じであるため、説明を省略する。また、図示の都合上、図22においては単位パターン構造60a1〜60a15の区域A1〜A7については符号の図示を省略する。各符号と図示された区域は、図11の単位パターン構造60aと同一である。
図22の区域B1〜B18は、中心角90°で切り取られた同一の半径を有する円弧である。図示された例においては、区域B1〜B18の円弧の弦の長さは、単位パターン構造60a1〜60a15の区域A1〜A8の弦の長さと同一である。図示された例において、区域B1と区域B4、B9、B13、区域B2と区域B3、B7、B8、B14、区域B5と区域B11、B12、B16、B17、区域B6と区域B10、B15、B18は、それぞれ平行移動によって互いに重なり合う。また、図22に示すように、単位パターン構造60a1と単位パターン構造60a2、単位パターン構造60a3と単位パターン構造60a4、単位パターン構造60a5と単位パターン構造60a6、単位パターン構造60a7と単位パターン構造60a8、単位パターン構造60a8と単位パターン構造60a9、単位パターン構造60a10と単位パターン構造60a11、単位パターン構造60a12と単位パターン構造60a13、単位パターン構造60a14と単位パターン構造60a15が、それぞれ隣り合っている。これらの各対が隣り合う方向と交差する方向で、単位パターン構造60a1、60a3、60a7、60a10、単位パターン構造60a2、60a4、60a5、60a8、60a11、60a12、60a14及び単位パターン構造60a6、60a9、60a13、60a15が、それぞれこの順で並んでいる。単位パターン構造60a1、60a2の間、単位パターン構造60a3、60a4の間、単位パターン構造60a7、60a8の間、及び単位パターン構造60a10、60a11の間の、区域A4とA5との間の頂点と区域A1とA2との間の頂点を区域B1、B4、B9、B13がそれぞれ接続している。単位パターン構造60a1、60a3の間、単位パターン構造60a2、60a4の間、単位パターン構造60a5、60a8の間、単位パターン構造60a6、60a9の間、及び単位パターン構造60a11、60a12の間の、区域A7とA8との間の頂点と区域A2とA3との間の頂点を区域B2、B3、B7、B8、B14がそれぞれ接続している。単位パターン構造60a4、60a5の間、単位パターン構造60a7、60a10の間、単位パターン構造60a8、60a11の間、単位パターン構造60a12、60a14、及び単位パターン構造60a13、60a15の間の、区域A6とA7との間の頂点と区域A3とA4との間の頂点を区域B5、B11、B12、B16、B17がそれぞれ接続している。単位パターン構造60a5、60a6の間、単位パターン構造60a8、60a9の間、単位パターン構造60a12、60a13の間、及び単位パターン構造60a14、60a15の間の、区域A5とA6との間の頂点と区域A8とA1との間の頂点を区域B6、B10、B15、B18がそれぞれ接続している。
図21に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図22に示す単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造が第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造は、単位パターン構造60a2の全ての区域と単位パターン構造60a14の全ての区域を、共有して連なっている。言い換えると、第1パターン構造51では、単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造が、その一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a2の全ての区域でなる部分)を、他の単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造の一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a14の全ての区域でなる部分)に重ねることで、単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった複数の構造が連なって第1パターン構造51が形成されている。すなわち、本例でも、パターン部分を互いに重ねることが、結果的に、区域の共有状態を形成している第2パターン構造52は、図22に示す単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造が第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造が第1パターン構造51と同様に区域を共有する。また、連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、単位パターン構造60a1の全ての区域と単位パターン構造60a15の全ての区域を共有する。言い換えると、第2パターン構造52では、連接パターン52aが、その一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a1でなる部分)を、他の連接パターン52aの一部の区域でなるパターン部分(単位パターン構造60a15でなる部分)に重ねることで、複数の連接パターン52aが連なって第2パターン構造52が形成されている。すなわち、パターン部分を互いに重ねることが、結果的に、区域の共有状態を形成している。図21の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a1〜60a15及び区域B1〜B18が組み合わさった構造を2つずつ有する。また、第3方向D3は、第1方向D1に対し10°傾いている。
(パターン構造の第10の例)
次に、パターン構造の第10の例として、図23に示されるパターン構造50について説明する。図23に示すパターン構造50は、図24に示す単位パターン構造60a、60b、60cで形成されている。なお、単位パターン構造60aは、パターン構造の第4の例の単位パターン構造60a(図11参照)と同じであるため、説明を省略する。
図24の単位パターン構造60bは、中心角90°で切り取られた同一の半径を有する2つの円弧と、単位パターン構造60aの180°回転させた円弧である区域A3、A7と同一の円弧と、で形成されている。各円弧の弦の長さは、同一となっている。図示された例において、単位パターン構造60bは、これらの円弧の弦が正方形を形成し、その正方形に外接する形状となるように接続されて形成されている。単位パターン構造60cは、中心角90°で切り取られた同一の半径を有する2つの円弧と、単位パターン構造60aの180°回転させた円弧である区域A1、A5と同一の円弧と、で形成されている。各円弧の弦の長さは、同一となっている。図示された例において、単位パターン構造60cは、これらの円弧の弦が正方形を形成し、その正方形に外接する形状となるように接続されて形成されている。これらの円弧が、第10の例における単位パターン構造60bの区域B1〜B4、及び単位パターン構造60cの区域C1〜C4である。図24に示すように、区域B1〜B4及び区域C1〜C4は、この順で接続されている。この例における単位パターン構造60a、60b、60cは、区域A3と区域B4、区域A7と区域B2、区域A1と区域C3、区域A5と区域C1を、それぞれ共有可能である。
図23に示すパターン構造50は、第1パターン構造51及び第2パターン構造52を有する。第1パターン構造51は、図24に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1に連なって形成されている。この場合において、例えば、互いに隣接する単位パターン構造60a、60bは、区域A3と区域B4及び区域A7と区域B2をそれぞれ共有している。第2パターン構造52は、図24に示す単位パターン構造60a及び単位パターン構造60bが第1方向D1とは異なる第3方向D3に連なり、連なりの端部の単位パターン構造60aに単位パターン構造60cが連なる連接パターン52aを第1方向D1に複数並べて形成されている。この場合において、例えば、連接パターン52aの形成には、単位パターン構造60a、60bが第1パターン構造51と同様に区域を共有し、連なりの端部において単位パターン構造60a、60cが区域A1と区域C3を共有する。連接パターン52aを第1方向D1に並べるに際しては、互いに隣接する連接パターン52aに含まれる単位パターン構造60a、60cの区域A5と区域C1を共有する。図23の例において、連接パターン52aは、単位パターン構造60a、60bをそれぞれ5つずつ有し、単位パターン構造60cを1つ有する。また、第3方向D3は、第1方向に対し12.5°傾いている。この場合において、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、それぞれ平面充填可能なパターンとなっている。
パターン構造の第1〜第10の例において、単位パターン構造60が第1パターン構造51及び第2パターン構造52によってそれぞれ別の方向に連なるため、2つのパターン構造51,52によって異なる方向に筋状の光が発生することになり、また、区域の法線方向は全方向に亘るため、パターン構造50全体によって発生する筋状の光をぼやけさせることができる。したがって、パターン導電体40がこのパターン構造50を有する発熱用導電体30においては、発生する光芒を目立たなくさせることができる。
パターン構造の第1の例においては、単位パターン構造60が第3パターン構造53をさらに有するので、3つのパターン構造51,52,53によって異なる方向に筋状の光が発生する。具体的には、パターン構造の第1の例においては、第1パターン構造51に含まれる単位パターン構造60がそれぞれ別の向きで配置された3種の区域を有し、それぞれの向きの区域が同じ長さであるため、第1パターン構造51によって発生する光芒が延びる方向は、3方向に均等に延びる。すなわち、1つの光芒が延びる方向を基準の0°の方向と考えると、第1パターン構造51による光芒は、0°−180°方向、60°−240°方向、120°−300°方向の3方向に延びる。また、第1パターン構造51が連なる方向である第1方向D1に対し、第2パターン構造52が連なる方向である第2方向D2は、15°傾いており、第3パターン構造53が連なる方向である第3方向D3は、30°傾いている。したがって、第1パターン構造51によって発生する光芒が延びる方向に対し、第2パターン構造52によって発生する光芒が延びる方向は、15°傾き、第3パターン構造53によって発生する光芒が延びる方向は、30°傾く。よって、第2パターン構造52による光芒は、15°−195°方向、75°−225°方向、135°−215°方向の3方向に延び、第3パターン構造53による光芒は、30°−210°方向、90°−270°方向、150°−330°方向の3方向に延びる。それぞれのパターン構造によって異なる方向に光芒が発生するため、パターン構造50全体によって発生する光芒をより目立たなくさせることができる
また、パターン構造の第1、第2、第4、第6及び第9の例において、単位パターン構造60をなす各区域を平行移動すること、及び/または各区域を180°回転させた後に平行移動することにより、一つの単位パターン構造を形成する全ての区域を用いて、1以上の自然数個の半円が形成されるため、区域の法線方向は全方向に等しく亘る。これにより、全方向に等しく筋状の光が発生するため、発生する光芒をより目立たなくさせることができる。
なお、第1の例において、パターン構造50は、第1パターン構造51を有さず、第2パターン構造52と第3パターン構造53のみを有してもよい。すなわち、単位パターン構造60が第1方向に連なって形成される第1パターン構造51が存在しなくてもよい。このような場合でも、単位パターン構造60が第2パターン構造52及び第3パターン構造53によってそれぞれ別の方向に連なるため、2つのパターン構造52,53によって異なる方向に筋状の光が発生することになる。したがって、パターン導電体40がこのパターン構造50を有する発熱用導電体30においても、発生する光芒を目立たなくさせることができる。なお、この態様においては、本発明でいう「第1パターン構造」は、実施の形態に係る第3パターン構造53に対応する。
また、第1の例において、パターン構造50は、第3パターン構造53を有さず、第1パターン構造51と第2パターン構造52のみを有してもよい。このような場合でも、上述したように、単位パターン構造60が第1パターン構造51及び第2パターン構造52によってそれぞれ別の方向に連なるため、パターン導電体40がこのパターン構造50を有する発熱用導電体30においては、発生する光芒を目立たなくさせることができる。
なお、パターン構造の第1〜第10の例においては、第2パターン構造52が1種類の連接パターン52aしか有していなかった。しかしながら、第2パターン構造52が複数の種類の連接パターンを有していてもよい。
また、パターン構造の第1〜第10の例において、互いに隣接する単位パターン構造60が共有する区域は、区域全体を共有していた。しかしながら、区域の共有は、少なくとも部分的であってもよい。また、パターン構造の第8及び第9の例(図19、21)のよう、互いに隣接する単位パターン構造60が複数の区域を共有してもよい。
パターン構造の第1〜第3、第5、第6の例では、第1パターン構造51及び第2パターン構造52は、平面充填可能なパターンとなっている。この場合、パターン導電体40が規則的なパターン構造50によって導電性細線41が配置されるため、導電性細線41による外部からの光の反射方向が規則的になる。したがって、パターン導電体40を有する発熱板10を介した視界において、導電性細線41での反射光が明るく輝く不規則な模様となって目立つことを防止することができる。
単位パターン構造60は、第1、第2、第4〜第7及び第10の例のように、4以上の区域からなることが好ましく、第1及び第6の例のように、6の区域からなることがより好ましい。この場合、少ない種類の単位パターン構造60のみで連接パターンを形成することができる。したがって、簡易な単位パターン構造60のみでパターン構造50を形成することができる。
第1〜第5、第7〜第10の例のように、第1パターン構造51及び第2パターン構造52が第1方向と非平行な方向に配列されていると、発熱板10においてパターン構造50で配置される導電性細線41の密度を小さくすることができる。光芒の発生原因となる導電性細線41の密度が小さいと、発生する光芒の密度もまた小さくなる。すなわち、発生する光芒の明るさを低減することができる。
上述した例において、単位パターン構造60は区域によってある領域を画成しており、1つの単位パターン構造60において区域は連続していた。しかしながら、これに限らず、例えば単位パターン構造60において、区域の任意の位置に切欠が設けられている等して、区域が不連続であってもよい。
次に、発熱板10の製造方法の一例について、説明する。
まず、基材フィルム21上に第1の暗色層47を形成するようになる暗色膜を設ける。
次に、導電性金属層46を形成するようになる金属膜を暗色膜上に設ける。金属膜は、公知の方法で形成され得る。例えば、銅箔等の金属箔を貼着する方法、電界めっき及び無電界めっきを含むめっき法、スパッタリング法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、又はこれらの二以上を組み合わせた方法を採用することができる。
その後、金属膜上に、レジストパターンを設ける。レジストパターンは、形成されるべきパターン導電体40に対応した形、すなわちパターン構造50の形となっている。このレジストパターンは、公知のフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより形成することができる。
次に、レジストパターンをマスクとして、金属膜及び暗色膜をエッチングする。このエッチングにより、金属膜及び暗色膜がレジストパターンと略同一のパターンにパターニングされる。この結果、パターニングされた金属膜から、導電性細線41の一部をなすようになる導電性金属層46が、形成される。また、パターニングされた暗色膜から、導電性細線41の一部をなすようになる第1の暗色層47が、形成される。
なお、エッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。その後、レジストパターンを除去する。
その後、導電性金属層46の第1の暗色層47が設けられた面と反対側の面及び側面に第2の暗色層48を形成する。第2の暗色層48は、例えば導電性金属層46をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層46をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる第2の暗色層48を形成することができる。また、導電性金属層46の表面に第2の暗色層48を設けるようにしてもよい。また、導電性金属層46の表面を粗化して第2の暗色層48を設けるようにしてもよい。
以上の工程によって、基材フィルム21上に発熱用導電体30が形成され、導電体付きシート20が作製される。
最後に、発熱用導電体30の側から接合層13及び基板11を積層して、導電体付きシート20と基板11とを接合する。同様に、基材フィルム21の側から接合層14及び基板12を積層して、導電体付きシート20と基板12とを接合する。これにより、図3に示した発熱板10が作製される。
以上のように、本実施の形態の発熱用導電体30では、第1パターン構造51は、単位パターン構造60が第1方向に連なって形成されるか、又は、単位パターン構造60が第1方向とは異なる第2方向に連なる連接パターンを第1方向に複数並べて形成され、第2パターン構造52は、単位パターン構造60が第1方向及び第2方向とは異なる第3方向に連なる連接パターンを第1方向に複数並べて形成されることで、発熱用導電体によって発生する光芒を目立たなくすることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
上述した実施の形態では、発熱板10が、基材フィルム21を有している導電体付きシート20を備える例を示したが、製造過程において基材フィルム21を剥離させる等によって、発熱板10中に基材フィルム21を有さないようにしてもよい。この場合、発熱板10の全体を薄型にすることができ、また軽量化することができる。さらに、発熱用導電体30から生じる熱を、発熱板10全体により早く伝達させることもできる。
前述した実施の形態において、発熱板10が曲面状に形成されている例を示したが、この例に限られず、発熱板10が、平板状に形成されていてもよい。
発熱板10は、自動車1のリアウィンドウ、サイドウィンドウやサンルーフに用いてもよい。また、自動車以外の、鉄道車両、航空機、船舶、宇宙船等の乗り物の窓或いは扉の透明部分に用いてもよい。
さらに、発熱板10は、乗り物以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅の窓或いは扉の透明部分、建物の窓又は扉、冷蔵庫、展示箱、戸棚等の收納乃至保管設備の窓あるいは扉の透明部分等に使用することもできる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。