JP2018091599A - 管式熱交換器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、ヒートポンプ式の熱源機においてコストの増加を抑制しつつ熱交換性能の向上を図った二重管式熱交換器が開示されている。
本発明の一態様は、前記中空の管において、長手方向の垂直断面全体に捻りが付与されており、管表層の捻り角が10°以上80゜以下であることが好ましい。
本発明の一態様は、前記中空の管において、管表層に複数の螺旋状の溝を有しており、個々の溝深さが50μm以下であり、且つ、それら溝の捻り角が10°以上80゜以下であることが好ましい。
本発明の一態様は、前記中空の管が1つ又は2つ以上の押出素管から得られたことが好ましい。
本発明の一態様は、外管と該外管の内側に収容された内管を備え、前記外管と内管の間あるいは前記内管の内側に少なくとも2個以上の流路が形成され、それら流路にそれらの長手方向に螺旋状に一定の捻り角が付与され、前記外管を構成する金属または合金と前記内管を構成する金属または合金が異種金属または異種合金からなることが好ましい。
本発明の一態様は、前記管がアルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
本発明の製造方法の一態様は、前記引抜き工程の後に縮径率が10%以下の引抜きを行う空引き工程を含むことが好ましい。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
図1は、本発明に係る第1実施形態の管式熱交換器を示す斜視図である。
この第1実施形態の管式熱交換器50は、外管(主管)51と内管52を備え、内管52の周方向に所定の間隔で放射状に複数の隔壁53が形成され、これら隔壁53は外管51と内管52に一体的に接続してこれらの管の長さ方向に螺旋状に延在されている。
これらの隔壁53が螺旋状に延在されることで内管52の外側に外管51と内管52と隔壁53に区画された複数の捻り流路(第1の流路)54が形成されている。また、内管52の内部には第2の流路55が形成されている。
内管52の外側に形成されている隔壁53は、内管52の長さ方向に沿って所定の捻り角と螺旋ピッチで螺旋状に形成されているので、後述する第2実施形態の管式熱交換器10と同様に内管52の周囲を囲むように所定の螺旋ピッチと捻り角で螺旋状に複数の捻り流路54が形成されている。
これら捻り流路54の捻り角は後述する第2実施形態の管式熱交換器10の捻り角θ1と同等の捻り角に形成されている。
管式熱交換器50は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いることができる。管式熱交換器50にアルミニウム合金を用いる場合は、そのアルミニウム合金に特に制限はなく、JISで規定される1050、1100、1200等の純アルミニウム系、あるいは、これらにMnを添加した3003に代表される3000系のアルミニウム合金等を適用できる。また、前記以外にJISに規定されている5000系〜7000系のアルミニウム合金のいずれかを用いて管式熱交換器50を構成しても良く、JISに規定されていないアルミニウム合金を用いても良いのは勿論である。なお、本明細書において「アルミニウム」とは、アルミニウム合金および純アルミニウムからなるものを包含する概念とする。
なお、本実施形態において、管式熱交換器50はアルミニウム又はアルミニウム合金からなるが、管式熱交換器50については銅系合金あるいはステンレス鋼などの鉄系合金から形成されていてもよい。本発明で目的とする管式熱交換器50は引抜きダイスにより引抜きが可能な材料であれば適用可能であるので、銅系合金あるいは鉄系合金など、他の金属や合金からなる管を用いて本発明を実施しても良い。
この管式熱交換器50は、外管と内管の間にこれら管の長さ方向に沿って帯板状に延在する螺旋状ではない隔壁を有する複合素管を押出加工で製造し、この複合素管を図6、図7に示す後述の製造装置Aで捻り引抜き加工することで製造できる。
管式熱交換器50の内部に長さ方向に沿って螺旋状に形成された複数の第1の流路54と第2の流路55を設けているので、管式熱交換器50の内部を流れる冷媒間の熱交換効率を高めることができる。
また、第1の流路54と第2の流路55を冷媒の流通路として用いることができ、これらの一方を往路として、他方を復路として適用することもできる。
管式熱交換器(多重捻り管)10は、一例として3〜15mm、あるいは3〜10mm程度の外径を有し、四葉のクローバー型の横断面形状を有する内管8とそれを覆う円管状の外管9とからなる。
図2に示すように内管8は、薄いアルミニウム板をクローバーの葉型に折曲してなる流路管8Aを4つ、外管9の内部に横断面において対称になるように設けている。図2の横断面部分に示すように各流路管8Aは頭部8aと首部8bからなり、各流路管8Aにおいて頭部8aの外周側は外管9の内面に接するように配置され、流路管8Aの首部8bは外管8の中心側において隣接する他の流路管8Aの首部8bにそれぞれ連続されている。このように4つの流路管8Aが接続一体化されることで、横断面において4つの流路管8Aが四葉のクローバー型に配置されている。
内管8と外管9は上述した如く一例として純アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるが、内管8と外管9が同じ種別の純アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されていてもよく、異なる種別の純アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていても良い。例えば、内管8を構成するアルミニウム合金と外管9を構成するアルミニウム合金の組成を変えて内管8の強度を外管9の強度よりも低くしても良く、内管8の伸びを外管9の伸びよりも大きくすることができるなど、それぞれ適用する内管8と外管9に応じて純アルミニウムまたはアルミニウム合金を使い分けることができる。
なお、この実施形態において用いる内管8と外管9については上述したように銅系合金あるいはステンレス鋼などの鉄系合金から形成されていてもよい。この実施形態ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなる内管8と外管9を例として説明するが、本発明で目的とする管式熱交換器は引抜きダイスにより引抜きが可能な材料であれば適用可能であるので、銅系合金あるいは鉄系合金など、他の合金からなる管を用いて本発明に適用しても良いのは勿論である。
内管8と外管9は同じ材料である必要は無く、外管9を銅合金製とし、内管8をアルミニウム合金製などとしても良い。
図3に示すように、流路管8Aは捻り角θ1の螺旋状に形成されている。
この実施形態では一例として管式熱交換器全体外径:10mm、捻り角θ1:25゜に設定される。捻り角θ1は、後述する製造装置で管式熱交換器10を製造する場合に座屈を生じない程度の角度とすることが望ましく、例えば10゜以上80゜以下の範囲に制御すると製造時の管の座屈も防止することができる。
捻り角θ1は、例えば、図3に示すように外管9の一部を排除して内管8を側面視した場合、流路管8Aが描く螺旋を観察し、その直線部分を抽出して管式熱交換器10(外管9)の中心軸線との交差角として把握されるが、正確には以下に説明するように把握することができる。
まず、捻りを付与する前の素管(後述の流路素管7)を定盤に搭載し、ハイトゲージを用いて、流路素管7の外周面に長さ方向に延びる直線状の罫書き線を形成する。例えば、1つの頭部7aの幅方向中央部に流路素管7の長さ方向に沿って直線状の罫書き線を形成する。
次いで、後述の捻り加工を付与し管式熱交換器10を製造する。製造された管式熱交換器10の罫書き線は、螺旋状となる。
次いで、螺旋状となった罫書き線のピッチpと、内管8の外周面8aの円周長さaから以下の式を用いて求めることができる。
θ1=tan−1(a/p)
一方で、図4に示すように、外周面に形成されている溝状のダイスマークDMは、捻り角θ2の螺旋状に形成されている。αを外管9の内周長とし、βを外管9の肉厚としたとき、流路管8Aの捻り角θ1とダイスマークDMの捻り角θ2は、以下の関係を満たす。
まず、捻りを付与する前の素管(後述の流路素管7)を定盤に搭載し、ハイトゲージを用いて、流路素管7の外周面に長さ方向に延びる直線状の罫書き線を形成する。例えば、1つの頭部7aの幅方向中央部に流路素管7の長さ方向に沿って直線状の罫書き線を形成する。
次いで、後述の捻り加工を付与し管式熱交換器10を製造する。製造された管式熱交換器10の罫書き線は、螺旋状となる。
次いで、螺旋状となった罫書き線のピッチpと、内管8の外周面8aの円周長さaから以下の式を用いて求めることができる。
θ1=tan−1(a/p)
なお、外素管6を形成する際に生じたダイスマークDMが明瞭に形成されている場合には、上述の罫書き線に代えてダイスマークDMをピッチpの基準としてもよい。
外管9は横断面の外形が円形の管材である。外管9の直径は、管式熱交換器10の外径に相当し、例えば、3mm以上15mm以下の範囲に設定できるが、この範囲に限るものではない。外管9の肉厚は内管8の肉厚と同程度とされるが、一方が他方より厚くても薄くても良く、特に制限はない。
なお、図4のダイスマークDMは、分かり易さのために複数本のダイスマークDMが連続的に形成されているように図示されている。実際のダイスマークは、長さ方向に沿って間欠的に形成されている。また、外管9の外周面の周方向に沿って複数のダイスマークDMが螺旋状かつ並行に延びている。
外管9の外周面9aにダイスマークDMを複数有していることで外周面9aの表面積が増大される。これにより管式熱交換器50の熱交換特性を向上できる。
ダイスマーク深さ計測は、例えば、株式会社キーエンス製走査型レーザー顕微鏡(VK−X100/X200)を用いて表面形状の測定を行うことができる。また、計測解析では、解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いてダイスマーク深さを計測できる。
まず走査型レーザー顕微鏡(VK−X100/X200)のステージに試料を置き、観察倍率50倍のもと、フォーカスを合わせた後に、観察高さ上下限範囲100μmとして、0.5μmピッチで表面形状の測定を行う。
次に、解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いて得られた画像上のダイスマーク深さを計測する。計測前の前処理として、管表面の円弧を平坦にする傾き補正を行った。前処理を行った表面形状から、管円周方向に平行になるように直線を3点引き、得られた粗さ曲線から、最大谷深さ(Rv)、最大高さ(Rz)を求め、ダイスマーク深さの計測では、最大断面高さ(Rt)を計測した。
図14(b)に、図14(a)のダイスマーク(溝)DMの深さ測定結果を示す。同様に、図15(b)に、図15(a)のダイスマーク(溝)DMの深さ測定結果を示す。
なお、図14および図15に例示するダイスマークDMを有する多重捻り管は、本実施形態の管式熱交換器10の一例である。
図5に示すように各流路素管7Aは頭部7aと首部7bからなり、各流路素管7Aにおいて頭部7aの外周側は外素管6の内面に接するように配置され、流路素管7Aの首部7bは外素管6の中心側において隣接する他の流路素管7Aの首部7bにそれぞれ連続されている。このように4つの流路素管7Aが接続一体化されることで、横断面において4つの流路素管7Aが四葉のクローバー型に配置されている。
複合素管4において、各流路素管7Aの内部には第1の流路4aが形成され、流路素管7A、7Aの間にこれらと外素管6に囲まれて第2の流路4bが形成され、4つの流路素管7Aの首部7bに囲まれるように第2の流路4cが形成されている点は、管式熱交換器10と同様な構造とされている。
図5に示す複合素管4において、流路素管7Aの頭部7aの横断面形状は図2に示す流路管8の頭部8aの横断面形状よりも若干円形に近い楕円型に形成されているのに対し、流路管8の頭部8aの横断面形状は図2に示すように偏平型に近い楕円型に形成されている。
図5に示す複合素管4において、第2の流路4bは、外素管6に近い側が幅広であり、外素管6の中心に近い側が若干幅狭に形成されているが、図2に示す管式熱交換器10において、第2の流路10bが外管9に近い側から外管9の中心に近い側まで幅狭に形状されている。
後述する製造装置を用いてダイスにより複合素管4に引抜き力を加えながら捻り加工を施すことで、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる外径3.0〜15mm程度の肉薄の複合素管4であっても管に破断やき裂を引き起こすことなく捻り加工できる。
本実施形態の管式熱交換器10によれば、ダイスマークDMは、深さ35μm以下に、かつ、管の長さ方向に螺旋状に形成されていることにより、ダイスマークDMが直線状に設けられている構造よりも耐圧強度が高められている。管式熱交換器10の内部圧が高まると、外管9の内周面には、外管9を径方向外側に押し広げる応力が加わる。このため、管式熱交換器10において、内部圧の高まりに起因する亀裂は、外管9の長手方向に沿って形成されやすい。
本実施形態によれば、ダイスマークDMが、外管9の管壁に螺旋状に形成されているために、内部圧が高まった場合であっても、直線状のダイスマークが設けられた構造に対し、螺旋状のダイスマークDMに沿って亀裂が生じ難い。このため、耐圧性に優れた管式熱交換器10を提供できる。
また、第1の流路10aと第2の流路10bにはそれぞれ別の冷媒を流すことができ、また、一方の流路と他方の流路の流れを逆として往路と復路に適用することもできる。
なお、管式熱交換器10は、コンプレッサーのアフタークーラー用途、自動販売機のCO2配管用途、大型ボイラー用配管用途、給湯器用配管用途など、種々の用途に広く適用できるのは勿論である。
以下、本願発明に係る管式熱交換器10の製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。管式熱交換器10の製造方法は、押出成形工程と捻り引抜き工程をこの順で含む。
まず、押出成形工程により外素管6を形成し、この外素管6に図5に示す断面形状の内素管7を挿入し、複合素管4を得る。
アルミニウム材料からなるビレットを押出成形することにより、外素管6を製造(管押出成形工程)する。押出成形工程により成形された外素管6には、外素管6の長さ方向に直線状に延びるダイスマークDMが形成される。この外素管6に四葉のクローバー型に成形した内素管7を挿入し、複合することで、図5に示す複合素管4を得ることができる。
次に、捻り引抜き工程および空引き工程について説明する。
捻り引抜き工程は、引抜きを行いながら上述の複合素管4に捻りを付与することで、ダイスマークDM、流路素管7Aを螺旋状とする工程である。
また、空引き工程は、捻りを付与することなく管材に対して引抜きを行い管材の外形を整え、外管と内管をより密着させる工程である。
本明細書において、「前段」および「後段」とは、管材の加工順序に沿った前後関係(すなわち、上流および下流)を意味し、製造装置内の各部位の配置を意味するものではない。管材は管式熱交換器10の製造装置において、前段(上流)側から後段(下流)側に搬送される。前段に配置される部位は、必ずしも前方に配置されるとは限らず、後段に配置される部位は、必ずしも後方に配置されるとは限らない。
図6は、複合素管4に2回の捻り引抜き加工を付与して管式熱交換器10を製造する製造装置Aを示す側面図である。まず、製造装置Aについて説明した後に、製造装置Aを用いた捻り引抜き工程および空引き工程について説明する。
公転機構30は、前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bを含む回転シャフト35と、駆動部39と、前方スタンド37Aと、後方スタンド37Bと、を有している。
公転機構30は、回転シャフト35並びに、回転シャフト35に固定された第1の公転キャプスタン21、第2の公転キャプスタン22および公転フライヤ23を回転させる。
また、公転機構30は、回転シャフト35と同軸上に位置し回転シャフト35に支持される浮き枠34の静止状態を維持する。これにより、浮き枠34に支持された巻き出しボビン11、第1のガイドキャプスタン18および第1の引抜きダイス1の静止状態を維持する。
駆動モータ39cは、直動シャフト39fを回転させる。直動シャフト39fは、前方スタンド37Aおよび後方スタンド37Bの下部において前後方向に延びている。
前方シャフト35Aの前方の端部35Abは、前方スタンド37Aを貫通した先端にプーリ39bが取り付けられている。プーリ39bは、ベルト39aを介し直動シャフト39fと連動する。同様に、後方シャフト35Bの後方の端部35Bbは、後方スタンド37Bを貫通した先端にプーリ39eが取り付けられ、ベルト39dを介し直動シャフト39fと連動する。これにより、前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bは、公転回転中心軸Cを中心に同期回転する。
浮き枠34は、回転シャフト35の前方シャフト35Aおよび後方シャフト35Bの互いに向かい合う端部35Aa、35Baに軸受34aを介し支持されている。また、浮き枠34は、巻き出しボビン11、第1のガイドキャプスタン18および第1の引抜きダイス1を支持する。
巻き出しボビン11には、複合素管4(図5参照)が巻き付けられている。巻き出しボビン11は、複合素管4を巻き出して後段に供給する。
巻き出しボビン11は、ボビン支持シャフト12に着脱可能に取り付けられている。
第1のガイドキャプスタン18は、円盤形状を有している。第1のガイドキャプスタン18には、巻き出しボビン11から繰り出された複合素管4が1周巻き掛けられる。第1のガイドキャプスタン18の外周の接線方向は、公転回転中心軸Cと一致する。第1のガイドキャプスタン18は、複合素管4を第1の方向D1に沿って公転回転中心軸C上に誘導する。
第1のガイドキャプスタン18は、自転回転自在に浮き枠34に支持されている。また第1のガイドキャプスタン18の外周には、自転回転自在のガイドローラ18bが並んで配置されている。本実施形態の第1のガイドキャプスタン18は、複数のガイドローラ18bが個々に回転するが、複数のガイドローラ18bが回転すれば、複合素管4をスムーズに搬送できる。なお、図7において、ガイドローラ18bの図示は省略されている。
第1の引抜きダイス1は、複合素管4(管材5)を縮径する。第1の引抜きダイス1は、浮き枠34に固定されている。第1の引抜きダイス1は、第1の方向D1を引抜き方向とする。第1の引抜きダイス1の中心は、回転シャフト35の公転回転中心軸Cと一致する。また、第1の方向D1は、公転回転中心軸Cと平行である。
第1の引抜きダイス1には、浮き枠34に固定された潤滑油供給装置9Aにより潤滑油が供給される。これにより第1の引抜きダイス1における引抜力を軽減できる。
第1の引抜きダイス1を通過した管材5は、浮き枠34の前方壁34bに設けられた貫通孔を介して、前方シャフト35Aの内部に導入される。
第1の公転キャプスタン21は、円盤形状を有している。第1の公転キャプスタン21は、中空の前方シャフト35Aの内外を径方向に貫通する横孔35Acに配置されている。第1の公転キャプスタン21は、円盤の中心を回転軸J21として、回転シャフト35(前方シャフト35A)の外周部に固定された支持体21aに支持されている。
第1の公転キャプスタン21には、公転回転中心軸C上の第1の方向D1に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。第1の公転キャプスタン21は、管材5を巻き掛けて前方シャフト35Aの内部から外部に引き出して公転フライヤ23に誘導する。
公転フライヤ23は、第1の引抜きダイス1と第2の引抜きダイス2との間で、管材5の管路を反転させる。公転フライヤ23は、第1の引抜きダイス1の引抜き方向である第1の方向D1に搬送される管材5を反転させ、搬送方向を第2の引抜きダイス2の引抜き方向である第2の方向D2に向ける。より具体的には、公転フライヤ23は、第1の公転キャプスタン21から第2の公転キャプスタン22に管材5を誘導する。
ガイドローラ23aは、公転回転中心軸Cに対し外側に湾曲する弓形状を形成して並んでいる。ガイドローラ23a自身が転動して管材5をスムーズに搬送する。公転フライヤ23は、公転回転中心軸Cを中心として、浮き枠34並びに浮き枠34内に支持された第1の引抜きダイス1および巻き出しボビン11の周りを回転する。
また、図7において、管材5がガイドローラ23aの外側を通過する場合を例示した。
しかしながら、公転フライヤ23の回転速度が速い場合には、管材5が遠心力により公転フライヤから脱線するおそれがある。このような場合は、管材5の外側に更にガイドローラ23aを設けることが好ましい。
公転フライヤ23と同等の重量を有し前方シャフト35Aから後方シャフト35Bに延びて公転フライヤ23と同期回転するダミーフライヤを複数設けてもよい。これにより、回転シャフト35の回転を安定させることができる。
第2の公転キャプスタン22は、第1の公転キャプスタン21と同様に、円盤形状を有する。第2の公転キャプスタン22は、後方シャフト35Bの端部35Bbの先端に設けられた支持体22aに自転回転が自在な状態で支持されている。また、第2の公転キャプスタン22の外周には、自転回転自在のガイドローラ22cが並んで配置されている。本実施形態の第2の公転キャプスタン22は、複数のガイドローラ22cが個々に回転するが、この回転により管材5をスムーズに搬送できる。
第2の公転キャプスタン22には、回転中心軸C上の第2の方向D2に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。第2の公転キャプスタン22は、巻き掛けられた管材を回転中心軸C上の第2の方向D2に繰り出す。
第2の引抜きダイス2は、第2の公転キャプスタン22の後段に配置される。第2の引抜きダイス2は、反対の第2の方向D2を引抜き方向とする。第2の方向D2は、回転中心軸Cと平行な方向である。第2の方向D2は、第1の引抜きダイス1の引抜き方向である第1の方向D1と反対である。管材5は、第2の方向D2に沿って第2の引抜きダイス2を通過する。第2の引抜きダイス2は、地面Gに対して静止している。第2の引抜きダイス2の中心は、回転シャフト35の回転中心軸Cと一致する。
第2の引抜きダイス2における縮径および捻り付与により、管材5は、中間捻り管10Cから管式熱交換器10となる。
第2のガイドキャプスタン61は、円盤形状を有している。第2のガイドキャプスタン61の外周の接線方向は、公転回転中心軸Cと一致する。第2のガイドキャプスタン61には、公転回転中心軸C上の第2の方向D2に搬送される管材5が一周以上、巻き掛けられる。
巻き取りボビン71は、管式熱交換器10の管路の終端に設けられ、管式熱交換器10を回収する。巻き取りボビン71の前段には、プーリー72が設けられている。巻き取りボビン71あるいはプーリー72は、トラバース機能を有し管式熱交換器10を巻き取りボビン71に整列巻きあるいはランダムな重ね巻きの状態で巻き取る。
上述した製造装置Aを用いて、管式熱交換器10を製造する方法について説明する。
まず、予備工程として、複合素管4を巻き出しボビン11にコイル状に巻き付ける。更に、巻き出しボビン11を製造装置Aの浮き枠34にセットする。また、巻き出しボビン11から複合素管4(管材5)を繰り出して、予め複合素管4の管路にセットする。具体的には、管材5を、第1のガイドキャプスタン18、第1の引抜きダイス1、第1の公転キャプスタン21、公転フライヤ23、第2の公転キャプスタン22、第2の引抜きダイス2、第2のガイドキャプスタン61、巻き取りボビン71の順に、通過させて、セットする。
まず、巻き出しボビン11から複合素管4(管材5)を順次繰り出していく。
次に、巻き出しボビン11から繰り出された複合素管4を、第1のガイドキャプスタン18に巻き掛ける。第1のガイドキャプスタン18は、複合素管4を回転中心軸C上に位置する第1の引抜きダイス1のダイス孔に誘導する(第1の誘導工程)。
加工域の長さと、限界捻り角(座屈を生じないで捻ることができる最大捻り角)の関係には、相関関係があり、加工域を短くすることで、大きな捻り角を付与しても座屈が生じにくい。第1のガイドキャプスタン18を設けることで、第1の引抜きダイス1の前段で捻りが付与されることがなく、加工域を短く設定できる。また、第1の引抜きダイス1と第1の公転キャプスタン21との距離を近づけることで加工域を短く設定し、座屈を生じさせずに管材5に大きな捻りを付与できる。
一方で、縮径率が大きくなり過ぎると加工限界で破断を生じ易くなるので、40%以下とするのが好ましい。
なお、第1の引抜きダイス1において、大きな縮径(例えば縮径率30%以上の縮径)を行うと管材5が加工硬化するために、第2の引抜きダイス2での大きな縮径を行うことが困難になる。したがって、第1の引抜きダイス1の縮径率と第2の引抜きダイス2の縮径率との合計は、4%以上50%以下とすることが好ましい。
第1および第2の捻り引抜き工程では、合計で5°以上の捻りが付与される。捻り引抜き工程において、引抜きとともに5°以上の捻りを付与することでダイスマークDMが十分に伸張される。これにより、ダイスマークDMの深さを35μm以下とすることが可能となり、割れやしわの発生なくヘアピン曲げできる管式熱交換器10を製造できる。
本実施形態の捻り引抜き工程によれば押出成形工程において外管9のダイスマークDMが螺旋状となる。これにより、内圧の上昇に対して亀裂が生じにくいダイスマークDMを形成することができる。
次に、管材5を仕上げ引抜きダイス70に通過させる(仕上げ引抜き工程)。管材5は、仕上げ引抜きダイス70を通過することで、表面が整形されるとともに底肉厚の偏肉が低減される。また、管材5に若干のつぶれ等の変形が生じていた場合でも、この仕上げ引抜き工程を経ることにより、その変形も修正して、所定の真円度の多重捻り管10とすることができる。なお、仕上げ引抜きダイス70の引抜き荷重に対して管材5を搬送させる力は、巻き取りボビン71に設けられた駆動モータ74により付与される。
また、捻り引抜き工程(第1の捻り引抜き工程および第2の捻り引抜き工程)の後段において空引き工程を行うことで、表面性状および形状が安定した多重捻り管10を製造できる。
なお、図6では記載を略しているが、架台62と架台75の間には仕上げ引抜きダイス70を支持するための図示略の架台が立設されている。この架台には仕上げ引抜きダイス70に潤滑油を供給するための図示略の供給ノズルと油タンクが設けられている。
次に、管材5は、巻き取りボビン71に巻き付けられ回収される。巻き取りボビン71は、駆動モータ74により、管材5の搬送速度と同期して回転することで、管材5を弛みなく巻き取ることができる。
以上の工程を経て、製造装置Aを用いて、管式熱交換器10を製造できる。
次に、熱処理工程について説明する。
熱処理工程は、捻り引抜き工程の後に400℃以上の高温で4h以上行われる。熱処理工程は、管材5に焼きなまし処理を施す熱処理工程である。熱処理工程を行うことによって、アルミ材料の歪みを除去し、内部応力を除去できる。
更に、本実施形態において、巻き出しボビン11を公転回転させることがないため、巻き出しボビン11に長尺の複合素管4(管材5)を巻き付けることができる。このため、本実施形態の捻り引抜き工程によれば、巻き出しボビン11を付け替えることがなく、一気通貫で長尺の管材5に捻りを付与することができる。すなわち、本実施形態によれば管式熱交換器10の大量生産が容易となる。
以上の説明の工程により、図2〜図4に示す構成の多重捻り管10を製造することができる。
押出で製造する外管9には、長手方向に伸びる凹状のダイスマークが発生しており、その深さは40μm以下であるが局部的に50μm近い深さのマークもあり、経験的にその深さは50μm以下である。複合素管4に対して、捻り引抜き工程と空引き工程とを行なうことで、管は縮径・伸長されるとともに、外周面の凹状のダイスマークDMが浅くなる。
更に、複合加工で捻りを付与するため、その螺旋角とともに伸長の程度が増加し、より効果的に凹状のダイスマークDMを浅くでき、適切な条件で加工することで、管外周の凹部の深さは35μm以下に制御可能となる。すなわち、本実施形態の捻り引抜き工程によれば、複数回の捻りおよび引抜きを繰り返す。これにより、押出成形工程で形成されたダイスマークDMを複数回に亘って伸長させて浅くすることができ、結果として強度が高い伝熱管10を製造できる。
例えば、外管の内側に3層以上の多層となるように粒径の小さな流路管を複数収容した複合素管を用いて製造装置Aにより捻り加工を施すことで3層以上の多層の捻り流路を設けた管式熱交換器を製造することができる。
図8、図9は管式熱交換器10を製造するために用いる第2の製造装置Bを示すもので、図8は製造装置Bの全体構造の側面を示し、図9は製造装置Bの全体構造の平面を示す。
この製造装置Bは、図5に示す複合素管4を図8に示すようにコイル状に巻き取った状態に保持する巻き出し側キャプスタン80と、この巻き出し側キャプスタン80から巻き出される複合素管4を巻き出し側キャプスタン80とともに回転する回転手段81を備えている。また、製造装置Bは、巻き出し側キャプスタン80から送り出された複合素管4を通す引抜きダイス82と、引抜きダイス82を通って捻り加工と引抜き加工がなされた管式熱交換器10を巻き付けながら送り出す引抜き側キャプスタン83を備えている。
中空軸部88の他端側には中空軸部88に対し斜め方向に延在するように第2支持フレーム91が設けられ、第2支持フレーム91の先端側に延設された延長フレーム92に錘体93が取り付けられている。第1支持フレーム90と第2支持フレーム91は中空軸部88の他端88bに対しV字型に配置されるように接続され、中空軸部88の軸回りの回転によって第1支持フレーム90と第2支持フレーム92はV字型に支持されたまま回転される。
巻き出し側キャプスタン80において、円盤部80aの外周縁に沿って複合素管4を巻き付けることができるように構成されている。
中空軸部88の一端88a側の開口部には複合素管4を挿入可能な大きさの入口部88cが形成され、中空軸部88の他端88b側の開口部には先の複合素管4を引き出し可能な出口部88dが形成されている。
この巻き出し側キャプスタン80に対する複合素管4の巻き付け状態と巻き出し状態の一例を図10に簡略的に示しておく。図10においてC0は巻き出し側キャプスタン80に巻き付けられる前段側の複合素管4の軸心を示し、C1は巻き出し側キャプスタン80から巻き出された複合素管4の軸心を示している。
この駆動モーター96と動力伝達装置97と中空軸部88により巻き出し側キャプスタン80と錘体93を一体に回転させる構成であり、駆動モーター96と動力伝達装置97と中空軸部88により、巻き出し側キャプスタン80を回転駆動する回転手段81が構成されている。
また、複合素管4がダイス孔を通過する際、巻き出し側キャプスタン80が回転されるので、複合素管4は引抜きダイス82のダイス孔によって縮径されると同時に捻りが付与される。このため、複合素管4は捻りが付加されて図2〜図4に示す管式熱交換器10に加工される。
支柱部材98において引き抜き側キャプスタン83を取り付けた側と反対側に回転駆動用の駆動モーター106の出力軸106aが水平軸105に直接連結するように設置され、駆動モーター106によって引き抜き側キャプスタン83を回転駆動できる。
次に、以上説明のように構成された製造装置Bを用いて、管式熱交換器10を製造する方法の一例について説明する。
予め、図5に示す複合素管4を用意する(複合素管準備工程)。
図8〜図10に示す製造装置Bに対し複合素管4を供給するには、複合素管4の先端側を中空軸部88の入口部88cから中空軸部88に挿通し、中空軸部88の出口部88dから複合素管4を引き出し、巻き出し側キャプスタン80の外周に沿って図9に示すように1周分巻き付ける。この複合素管4を巻き出し側キャプスタン80から接線方向に水平に巻き出して引抜きダイス82のダイス孔に挿通し、引抜きダイス82のダイス孔を通過させた複合素管4を引き抜き側キャプスタン83に1周分以上巻き付け、引き抜き側キャプスタン83の下流側にまで複合素管4を引き出す。これらの操作は管式熱交換器10の製造開始前の準備段階の作業となる。
巻き出し側キャプスタン80から巻き出した複合素管4に引抜きダイス82を通過させて引き抜き側キャプスタン83に巻き付け、引き抜き側キャプスタン83から一定の速度で巻き出す。これらの動作を開始すると同時に中空軸部88を駆動モーター96により所定速度で回転させ、巻き出し側キャプスタン80と錘体93を回転駆動する(捻り引抜き工程)。
更に、引き抜き側キャプス付加タン80から複合素管4が引き出される場合の前方張力を一定になるように調整する。
前方張力の安定的な付加のためには、張力調整具109の下流側に巻き取りローラーやウインチ装置などの引張り装置を配置し、一定の速度で張力調整具109を牽引できるように調整することが好ましい。また、後方張力の安定的な付加のためには、張力調整具110の上流側に巻き出しローラーなどの巻き出し装置を配置し、一定の速度で張力調整具110を繰り出しできるように調整することが好ましい。
あるいは、張力調整具109、110を略してこれらの位置に巻き出し用のローラーと巻取用のローラーを配置し、これらのローラーにブレーキ機構や速度調整機構を内蔵し、引抜きダイス82より下流側の複合素管4の先端側に所望の前方張力を付加し、引抜きダイス82より上流側の複合素管4の後端側に所望の後方張力を付加できるように構成することが大量生産を行う上では好ましい。
通常、3〜15mm程度、あるいは3〜10mm程度などの外径のアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる肉薄の素管に対し、捻りのみを作用させると容易に座屈するか破断する。この製造装置Bでは捻り力の作用と同時に引抜き力を作用させて捻りによる破断を抑制しながら引き抜くので、上述のサイズの細径のアルミニウム又はアルミニウム合金製の複合素管4であっても、破断させることなく捻りを付加できる。
引抜きダイス82のダイス孔を複合素管4が通過する場合、複合素管4の中心とダイス孔の中心の位置合わせを行い、複合素管4に余計な応力が作用しないようにするためには、巻き出し側キャプスタン80から巻き出された側の軸心C1を回転中心として軸心C1の周回りに巻き出し側キャプスタン80が回転するように、中空軸部88の位置関係と第1支持フレーム90の位置関係と巻き出し側キャプスタン80の位置関係を合わせることが好ましい。
複合素管4の中心とダイス孔の中心の位置合わせを行っていることにより、ダイス孔を通過する複合素管4に大きな捻り力を付加し、捻り角の大きな加工を施しても複合素管4を破断させることなく捻り加工できる。
なお、先に説明した製造装置Aを用いて捻り引抜き加工を施す場合と同様に2回に分けて捻り引抜き加工を施すには製造装置Bに複合素管4を2回通して捻り引抜き加工を施すと良い。その場合、1回目の捻り引抜き加工で用いる引抜きダイスのダイス孔のサイズと縮径率、2回目の捻り引抜き加工で用いる引抜きダイスのダイス孔のサイズと縮径率を適宜変更し、2回の捻り引抜き工程で最終的に得るべき捻り角になるように調整することが好ましい。
しかし、複合素管4を用いて捻り引抜き加工を施す場合、本願出願人が先に特許出願している特開2016−22505号公報の図1に記載の製造装置を用いて捻り引抜き加工を施しても良い。
この製造装置は、複合素管をコイル状に保持したドラムから巻き出して巻き出し側キャプスタンに巻き付けつつ、ドラム及び巻き出し側キャプスタンをドラムの巻軸と直交する軸心に沿って回転させることができる装置である。そして、巻き出し側キャプスタンから複合素管を軸心回りに回転させながら巻き出す素管送り出し工程と、巻き出された複合素管を引抜きダイスに通して縮径しながら引抜いた後に引抜き側キャプスタンに巻き付けることができる装置である。
この特開2016−22505号公報に記載されている製造装置を用いて先の実施形態に記載した複合素管4に捻り引抜き加工を施すことで、図2、図3に示す構造の管式熱交換器10を製造しても良い。
用いた複合素管は、A3003合金からなり、外径10mm、肉厚0.5mmであり、得られた多重捻り管の外径8.4mm、捻り角を変量した。
なお、図12は多重捻り管の外管の一部を剥離してその内部の流路管に付与された捻り角と螺旋ピッチがわかるように側面を露出させた状態を示す写真である。
前記製造方法と同等の製造方法に従いA3003合金からなり、外径8mm、肉厚0.5mmの複合素管を用いて管式熱交換器試料を製造した。
(ヘアピン曲げに対する強度測定)
各試料の伝熱管を曲率半径(R=20)でヘアピン状に180°曲げる曲げ加工を行った。各条件n=20で評価し、1つでも伝熱管の外周面に亀裂が観察されたものを×とし、亀裂が観察されなかったものを〇とした。評価結果を表1にまとめた。
ダイスマーク深さ計測方法は、先に説明した株式会社キーエンス製走査型レーザー顕微鏡(VK−X100/X200)を用いる方法を採用した。
次に解析アプリケーション(VK−H1XA)を用いて得られた画像上のダイスマーク深さを計測する。計測前の前処理として、管表面の円弧を平坦にする傾き補正を行った。前処理を行った表面形状から、管円周方向に平行になるように直線を3点引き、得られた粗さ曲線から、最大谷深さ(Rv)、最大高さ(Rz)を求め、ダイスマーク深さの計測では、最大断面高さ(Rt)として計測を行った。
解析アプリケーションでは「表面粗さの定義」(JISB0601:2001)に基づいて、JISB0601−2001およびJIS 0601−1994で定義されている粗さパラメータで表面粗さ解析を実施した。
Claims (8)
- 中空の管の内周側が少なくとも2個以上の流路から構成され、それら流路を流れる複数の熱媒体との間で熱交換を行なう金属製管式熱交換器であって、それら流路が長手方向に螺旋状に一定の捻り角を有していることを特徴とする管式熱交換器。
- 前記中空の管において、長手方向の垂直断面全体に捻りが付与されており、管表層の捻り角が10°以上80°以下であることを特徴とする請求項1に記載の管式熱交換器。
- 前記中空の管において、管表層に複数の螺旋状の溝を有しており、個々の溝深さが50μm以下であり、且つ、それら溝の捻り角が10°以上80°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管式熱交換器。
- 前記中空の管が1つ又は2つ以上の押出素管から得られたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の管式熱交換器。
- 外管と該外管の内側に収容された内管を備え、前記外管と内管の間あるいは前記内管の内側に少なくとも2個以上の流路が形成され、それら流路にそれらの長手方向に螺旋状に一定の捻り角が付与され、前記外管を構成する金属または合金と前記内管を構成する金属または合金が異種金属または異種合金からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の管式熱交換器。
- 前記管がアルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の管式熱交換器。
- 直線的に延びる複数の流路を内部に有し、外周面に長さ方向に沿って直線的に延びるダイスマークを有する素管を押出により成形する押出成形工程と、
前記素管に引抜きとともに捻り角が10°以上の捻りを付与する捻り引抜き工程とを含むことを特徴とする管式熱交換器の製造方法。 - 前記引抜き工程の後に縮径率が10%以下の引抜きを行う空引き工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の管式熱交換器の製造方法。
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DE112020003595T5 (de) | 2019-09-13 | 2022-04-14 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Kühlkanalstruktur und brenner |
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